JP3823647B2 - 圧電振動子と圧電振動片の周波数調整方法及び周波数調整用の加工装置 - Google Patents

圧電振動子と圧電振動片の周波数調整方法及び周波数調整用の加工装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、圧電振動片をパッケージに内蔵した圧電振動子と圧電振動片の周波数調整方法及び周波数調整用の加工装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、HDD(ハード・ディスク・ドライブ)、モバイルコンピュータ、あるいはICカード等の小型の情報機器や、携帯電話、自動車電話、あるいはページングシステム等の移動体通信機器において、これら装置の小型薄型化がめざましく、それらに用いられる圧電振動子や圧電発振器等の圧電素子もその高性能化が要求されている。
【0003】
このような圧電振動子等では、パッケージ内に圧電材料でなる圧電振動片が収容されており、この圧電振動片としては、極めて薄い板状でなる圧電材料である水晶振動片が広く使用されている。
【0004】
すなわち、このような水晶振動片は、板状の両面に金属膜でなる電極膜が所定のパターンで形成されており、この電極膜に所定の駆動電流を印加することにより、その厚みに依存した固有の振動周波数で振動するようになっている。そして、この振動を電気的に取り出して、組み込まれる機器の所定のクロック信号等に利用している。
【0005】
図9は、このような水晶振動片1を示している。この水晶振動片1は、厚みの薄い長方形に形成されており、図9では断面が概略的に示されている。
【0006】
水晶振動片1の表裏両面には、下地層2,2が形成されており、さらに各下地層2,2の上には、金または銀でなる電極膜3,3が形成されている。
【0007】
このような水晶振動片1の電極膜3,3に図示しないリードを接続し、パッケージに収容することによって、水晶振動子を構成するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、上述の水晶振動子では、電極膜3、3に所定の駆動電流(駆動電圧)が印加された場合、水晶振動片1の振動周波数は、電極膜の重さ(質量)により僅かに異なる。
【0009】
このため、例えば、図9のように水晶板の両面に電極膜3,3を金属蒸着工程等にて、予め所望の周波数より低めの共振周波数となるように形成した後で、図示しないリードを接続し、駆動電圧を印加して振動周波数を見ながら、ドライエッチング等の手法により、電極膜3,3の表面をエッチングすることによって、イオンビームエッチングの場合と同じように質量削減方式の周波数調整をすることができる。
【0010】
しかしながら、このような方法では、圧電振動子等の圧電素子の性能に応じてより高い周波数に合わせこむ必要が生じた場合に、高周波帯になるにつれて、電極膜の質量変化に対する周波数変化が大きくなるという問題があった。
【0011】
例えば図10に示すように、周波数合わせ込みの中心値Cに対して、個々の水晶振動片1の周波数のずれによるばらつきが多くなり、製造効率が低下するという問題があった。
【0012】
本発明の目的は、以上の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、エッチングによる周波数調整における周波数のずれ量を小さくして、精密に周波数調整できる方法を提供し、あわせて、このようにして調整される高品位の圧電振動子と圧電振動片の周波数調整方法及び周波数調整用の加工装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項1記載の発明にあっては、板状の圧電材料の両面に金属膜による電極を形成しこの電極に駆動電流を印加することで所定の振動を行う圧電振動片の周波数調整する方法であって、前記圧電振動片の一方の面の最表面には、他方の面の金属膜よりもエッチングレートが低い金属により金属膜が設けられており、前記他方の面の金属膜をエッチングすることにより粗調を行い、前記一方の面の金属膜をエッチングすることにより微調を行うようにした、圧電振動片の周波数調整方法により、達成される。
【0014】
請求項1の構成によれば、板状の圧電材料の他方の面(粗調面)には、電極膜と同じ金属膜が形成されていることから、この面に対しては、従来と同じエッチングレートでエッチングによる周波数調整が行われ、これを粗調として、すなわち比較的調整幅の大きな周波数調整がなされる。
【0015】
そして、このような粗調がなされた後では、板状の圧電材料の一方の面(微調面)の最表面に形成されたエッチングレートの低い金属膜に対して、微調として比較的調整幅の小さな周波数調整がされる。
【0016】
これにより、所望の周波数に精密にあわせこむことが可能となる。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1の構成において、前記他方の面には、金または銀による金属膜が設けられ、前記一方の面には、クロムまたはニッケルにより金属膜が設けられることを特徴とする。
【0018】
請求項2の構成によれば、前記他方の面に金または銀により、金属膜を形成し、これにより駆動電極を接続するための電極膜とすることができるとともに粗調面とすることができる。そして、前記一方の面には、クロムまたはニッケルを被膜することによって、他方の面よりもエッチングレートの低い金属膜を形成することができ、微調面を得ることができる。
【0019】
請求項3の発明は、請求項1または2のいずれかの構成において、前記エッチングは、アルゴン(Ar)イオンによるプラズマエッチングにより行われることを特徴とする。
【0020】
請求項3の構成によれば、微調レートがより低くなるため加工精度を向上させることができる。
【0021】
また、上記目的は、請求項4の発明にあっては、板状の圧電材料の両面に金属膜による電極を形成し、この電極に駆動電流を印加することで、所定の振動を行う圧電振動片と、この圧電振動片を収容するパッケージとを有しており、前記圧電振動片の一方の面の最表面には、他方の面の金属膜よりもエッチングレートが低い金属により金属膜が設けられている圧電振動子により、達成される。
【0022】
請求項4の構成によれば、パッケージに収容される圧電振動片を、その一方の面の最表面には、他方の面の金属膜よりもエッチングレートが低い金属により金属膜が設けられるように形成しているので、圧電振動片を構成する板状の圧電材料の他方の面(粗調面)には、電極膜と同じ金属膜が形成されていることから、この面に対しては、従来と同じエッチングレートでエッチングによる周波数調整が行われ、これを粗調として、従来よりも比較的調整幅の大きな周波数調整を従来と同程度の加工時間で行うことができる。
【0023】
また、上記目的は、請求項5の発明にあっては、圧電振動片を真空チャンバー内で一方向に送る手段と、この搬送される圧電振動片の電極膜でなる粗調面に対向して、イオン化された粒子を照射する粗調用の照射手段と、この粗調用の照射手段の後段に配置されており、前記圧電振動片の粗調面とは反対の面にて、前記電極膜を構成する金属よりもエッチングレートの低い金属により形成された金属膜でなる微調面に対向して、イオン化された粒子を照射する微調用の照射手段とを備える、圧電振動片の加工装置により、達成される。
【0024】
請求項5の構成によれば、粗調用の照射手段により、圧電振動片の粗調面に対してイオン化された粒子を照射することで、この粗調面をエッチングすることができるとともに、この圧電振動片の粗調面とは反対の面にて、前記電極膜を構成する金属よりもエッチングレートの低い金属により形成された金属膜でなる微調面に、微調用の照射手段によって、イオン化された粒子を照射することで、この微調面をより低いエッチングレートで削ることができる。これにより、精密な周波数調整を行うことができる。
【0025】
請求項6の発明は、請求項5の構成において、前記微調用の照射手段は、前記粗調用の照射手段と反対向きに配置されていることを特徴とする。
【0026】
請求項6の構成によれば、微調用の照射手段は、前記粗調用の照射手段と反対向きに配置されているので、ワークとしての圧電振動片を上記一方向に搬送しながら、その両面から、それぞれ粗調面と、その後に微調面とをエッチング加工することができる。
【0027】
請求項7の発明は、請求項5の構成において、前記粗調用の照射手段よりも後段において、前記圧電振動片を反転する手段を有し、前記微調用の照射手段は、前記粗調用の照射手段と同じ向きに配置されていることを特徴とする。
【0028】
請求項7の構成によれば、粗調用の照射手段と微調用の照射手段とが同じ向きに揃えられていても、圧電振動片の互いに反対面に設けられた粗調面と微調面とを加工することができる。
【0029】
請求項8の発明は、請求項5ないし7のいずれかの構成において、前記粗調用の照射手段及び微調用の照射手段が、イオン化されたアルゴン(Ar)ガスを照射する構成としたことを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0031】
図1は、本発明による周波数調整方法の概略説明図である。
【0032】
図1(a)は、圧電振動片の周波数調整方法の第1の方法を示しており、図1(b)は、圧電振動片の周波数調整方法の第2の方法を示している。
【0033】
先ず、第1の方法について説明すると、圧電材料としての例えばごく薄い水晶振動片1の表裏両面には、下地層2,2が形成されており、さらに各下地層2,2の上には、金または銀でなる電極膜3,3が形成されている。
【0034】
そして、前記水晶振動片の一方の面の最表面には、他方の面の金属膜よりもエッチングレートが低い金属による金属膜,例えばクロム(Cr)膜4が被膜されている。
【0035】
このような水晶振動片1を、矢印Aの方向に送る手段と、この水晶振動片1の前記他方の面に対向して設けられ、電極膜3にイオン化された粒子を照射する粗調用の照射手段5と、この粗調用の照射手段5よりも後段で、粗調用の照射手段5と反対の向きに配置され、水晶振動片1の一方の面に形成された、エッチングレートの低い金属による金属膜(クロム膜)4にイオン化された粒子を照射する微調用の照射手段6とにより、周波数調整する方法である。
【0036】
また、第2の方法は、図1(b)に示されているように、水晶振動片1を、矢印Aの方向に送る手段と、この水晶振動片1の前記他方の面に対向して設けられ、電極膜3にイオン化された粒子を照射する粗調用の照射手段5と、この粗調用の照射手段5よりも後段で、図示するように、水晶振動片1の前記一方の面と他方の面とがいれかわるように反転させる手段と、粗調用の照射手段5と同じ向きに配置され、水晶振動片1の一方の面に形成された、エッチングレートの低い金属による金属膜(クロム膜)4にイオン化された粒子を照射する微調用の照射手段6とにより、周波数調整する方法である。
【0037】
これらの各方法による周波数調整を行う加工装置については、後で詳しく説明する。
【0038】
図2は、本発明の実施形態による圧電振動子の構成例を示している。
【0039】
例えば、水晶等の圧電材料によって、薄い長方形の板状に形成された圧電素子11は、図2(b)に示すように、その両面に先ずクロム等による下地層17,17が蒸着やスパッタリング等により形成され、その上には、図2(a)に示すように、金(Au)または銀(Ag)等でなる電極膜12,12が蒸着やスパッタリング等により形成されている。
【0040】
このようにして得られた圧電振動片(水晶振動片)21には、その一方の面の電極膜12の上に、この電極膜12を構成する金属よりもエッチングレートの低い金属として、例えばクロム(Cr)またはニッケル(Ni)でなる微調用の金属膜16が設けられている。
【0041】
この金属膜16の面が、後述する微調面19となり、反対側(他方の面)が粗調面18となる。
【0042】
また、電極膜12の端部とインナーリード15,15とが導電性の接着剤等により電気的に固定されている。このインナーリード15,15は、圧電振動片21の粗調面18側の電極膜12に接続されている。
【0043】
そして、インナーリード15,15は、例えば断面円形もしくは楕円形でなる金属外環13とこの内部に充填された絶縁ガラスにより支持されるとともに、この金属外環13の反対側から延びるアウターリード14,14と接続されている。また、圧電振動片12は、一端が塞がれた筒状の金属ケースであるパッケージ20の内側に入るように、図示のように金属外環13の上端に被嵌されることにより真空封止または窒素封止されている。
【0044】
次に、上述の圧電振動片の周波数を調整するための加工装置について説明する。
【0045】
図3及び図4は、このような加工装置の第1の実施形態を示すものであり、図3は加工装置30のブロック構成図、図4はその要部の概略斜視図である。
【0046】
図3及び図4に示す加工装置は、上述した第1の方法に係る周波数調整方法を実行するための装置である。
【0047】
加工装置30は、図3に示すように、真空チャンバー40を備えている。真空チャンバー40には、メカニカルブースターポンプ41を介して、ロータリポンプ42が接続されており、所定の真空度,例えば、10-3Torr(1Torr=133Pa)程度の真空度に真空排気されるようになっている。
【0048】
この真空チャンバー40内には、搬送手段44が設けられており、搬送手段44は、一方向,すなわち矢印Aの方向に沿って、ワークとしての圧電振動片21をひとつずつ搬送するようになっている。
【0049】
ここで、圧電振動片21においては、粗調面18側の下地層17と電極膜12及び微調面19側の下地層17と金属膜16が、この圧電振動片21に駆動電流を印加した場合に、その振動数が、所望の共振周波数f0よりも、若干低くなる程度の質量となるように、前の工程で成膜されて送られる。そして、この加工装置30により、質量削減方式により、所望の共振周波数f0になるように周波数調整されるようになっている。
【0050】
真空チャンバー40内には、イオン化された粒子の照射手段33,34,35(以下、「照射手段」という)が設けられている。この照射手段は、本実施形態では、好ましくは、三種類設定されており、粗調用の照射手段33,粗微調用の照射手段34と、微調用の照射手段35が設けられている。各照射手段は同じ構成であるが、微調用の照射手段35は、粗調用の照射手段33及び粗微調用の照射手段34よりも後段に配置されていて、かつ上記ワークである圧電振動片21を挟んで向かい合わせに配置されている。そして、粗調用の照射手段33及び粗微調用の照射手段34は、搬送される圧電振動片21の粗調面18に対向しており、微調用の照射手段35は、微調面19に対向している。
【0051】
ここで、照射手段の構成を説明する。照射手段33には、アルゴンガスのガスボンベ39が所定の電磁駆動弁43を介して接続されており、また、照射手段33には、直流電源36が接続されている。
【0052】
照射手段33は、本実施形態では、イオンガンが用いられている。この照射手段33は、図4に示すように、例えば、ステンレス製の筒体33aを有し、この筒体33a内には、上記直流電源36と接続された図示しない電極棒が収容されている。この電極棒は、筒体33aとは絶縁されており、かつステンレス製の筒体33aの外周部は、アースシールドされている。
【0053】
これにより、上述のように、真空チャンバー40内が、例えば10-3Torr程度の真空度に真空排気され、アルゴンガスボンベ39からのアルゴンガスが、筒体33a内に送られるようになっている。これにより、筒体33a内でアルゴンガスが、例えば10-1乃至10-2Torr程度充填された状態にて、上記電極棒に直流電源36から直流電流が印加されると、筒体33a内でアルゴンプラズマが発生するようになっている。
【0054】
このプラズマの作用によりアルゴンガスがイオン化され、このイオン化されたアルゴンガスが筒体33aの先端の開口33bから照射される。そして、イオン化された粒子であるアルゴンガスは、ワークである圧電振動片21の粗調面18に当たるようになっている。
【0055】
そして、粗微調用の照射手段34及び微調用の照射手段35も照射手段33と同様の構成となっており、順次イオン化されたアルゴンガスを圧電振動片21のそれぞれ対応する粗調面18と微調面19に照射するようになっている。
【0056】
また、図3に示すように、この各照射手段33,34,35と圧電振動片21との間には、シャッター48が介在されている。シャッター48は、図4に示すように、シャッター駆動手段45により駆動されて、マスク46の開口を開閉することにより、イオン化されたアルゴンガスの照射を遮断,開放することができるようになっている。
【0057】
一方、各照射手段33,34,35に対応して、ネットワークアナライザ31,31,31が設定されており、これらは、コンピュータ等でなる外部演算装置38と接続されている。各ネットワークアナライザ31は、フィクスチャ32及び接触手段47を介して、各ワークである圧電振動片21と電気的に接続されている。
【0058】
ネットワークナライザ31は、内部に高周波の発生源を有しており、フィクスチャ32を介して、各圧電振動片21のリード14(図2参照)に駆動電流を印加することにより、加工中の各圧電振動片21の共振周波数をモニタすることができるようになっている。
【0059】
フィクスチャ32は、モニタリング手段としてのネットワークナライザ31と圧電振動片21との接続手段であって、アルゴンイオンが照射される圧電振動片21のリード14に帯電したプラス電荷を直流成分もしくは低周波数成分として除去し、ネットワークナライザ31に伝えられないようにするものである。このため、フィクスチャ32は、一方が圧電振動片21のリード14に接続され、他方が設置されたコイルや抵抗等でなる低周波数除去手段を備えている。
【0060】
外部演算装置38は、ネットワークナライザ31による測定結果から加工中の圧電振動片21の周波数を取得し、調整目標の周波数と比較することによって、各照射手段33,34,35における加工レートを演算により決定する。この演算結果に基づいて、外部演算装置38は、例えば直流電源36やシャター駆動手段45等の駆動を制御することにより、加工装置30の運転制御を行うようになっている。
【0061】
本実施形態の加工装置30は、以上のように構成されており、その加工は次のように実行される。
【0062】
先ず、真空チャンバー40内は、上述したように、メカニカルブースターポンプ41及びロータリポンプ42により、例えば10-3Torr程度の真空度に真空排気される。この状態にて、搬送手段44により、ワークである圧電振動片21は、矢印A方向に搬送されて、照射手段33に対応する位置まで移動される。この時、圧電振動片21の粗調面18が照射手段33と対向される。
【0063】
そして、アルゴンガスボンベ39からのアルゴンガスが、各照射手段33,34,35の各筒体33a,34a,35a内に送られる。
【0064】
これにより、各筒体内ではアルゴンガスが、例えば10-1乃至10-2Torr程度充填された状態となり、筒体内の電極棒に直流電源36から直流電流が印加されると、筒体内でアルゴンプラズマが発生する。このプラズマの作用によりアルゴンガスがイオン化され、このイオン化されたアルゴンガスが筒体33aの先端の開口33bから照射される。そして、イオン化された粒子であるアルゴンガスは、ワークである圧電振動片21の粗調面18に当たる。これにより、粗調面18は、金または銀の電極膜であるから、図7に示されているように、比較的高いエッチングレートにより加工される。この加工はネットワークナライザ31によりモニタされながら、圧電振動片21の周波数f1は、2000ppm程度の所望の共振周波数f0からのずれがある状態から、所望の目標とされる共振周波数f0に対して200ppm程度のずれになるまで、外部演算装置38に制御されつつ質量減少方式による周波数調整がなされる。
【0065】
次いで、圧電振動片21は、搬送手段44によりさらに矢印A方向へ送られて粗微調用の照射手段34により、その粗調面18が上記同様にエッチング加工される。この場合、照射手段33と同等または若干低い加工レートで粗微調としてのエッチングを行い、所望の目標とされる共振周波数f0に対して50ppm程度のずれになるまで周波数調整を行う。
【0066】
最後に、圧電振動片21は、搬送手段44によりさらに矢印A方向へ送られる。この時、微調用の照射手段35は、図4にて説明したように、他の照射手段とは反対の向きに配置されているので、圧電振動片21が搬送手段44により微調用の照射手段35に対応した位置まで送られると、この照射手段35は、圧電振動片21の粗調面18とは反対の面に設けられている微調面19と対向することになる。
【0067】
そして、上記と同様に、微調用の照射手段35から、圧電振動片21の微調面19に対して、アルゴンガスが照射される。照射面である圧電振動片21の微調面19は、上述したように、エッチングレートの比較的低い金属,この実施形態では、クロムやニッケルによる金属膜で形成されている。したがって、微調面19は、図7に示されているように、クロム(Cr)またはニッケル(Ni)の低いエッチングレートにより加工されることにより、精密な質量減少による調整が可能となる。このため、微調用の照射手段35により、微調面19は、所望の目標とされる共振周波数f0に対して、従来よりも一層精密に例えば、プラスマイナス1ppm程度のばらつきになるまで周波数調整を行うことができる。
【0068】
したがって、この加工装置30によれば、例えば、高周波タイプの圧電振動片21を製造する場合にも、目標とされる共振周波数f0に対して、極めて精密に合わせ込むことができ、図8に示すように、調整後の周波数のばらつきが、きわめて狭い範囲になるように加工することが可能となる。
【0069】
これにより、このように加工した圧電振動片21を用いて、図2に示す圧電振動子10や圧電発振器等の高性能な圧電デバイスを得ることができる。
【0070】
図5及び図6は、加工装置の第2の実施形態を示すものであり、図5は加工装置60のブロック構成図、図6はその要部の概略斜視図である。
【0071】
図5及び図6に示す加工装置は、上述した図1の第2の方法に係る周波数調整方法を実行するための装置である。図5及び図6に示す加工装置において、第1の実施形態である図3及び図4の加工装置30と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複する説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0072】
図5及び図6において、加工装置60においては、微調用の照射手段35は、粗調用の照射手段33,粗微調用の照射手段34と同じ向きに設定されている。また、粗調用の照射手段33及び粗微調用の照射手段34よりも後段で、微調用の照射手段35の前段には、ワークである圧電振動片21を反転させるための反転手段62を備える点が第1の実施形態の加工装置30と異なる。
【0073】
この反転手段62は、図6に示されているように、圧電振動片21を把持する把持手段62aと、把持した圧電振動片21を矢印に示すように反転させるように駆動する反転駆動手段61を備えている。
【0074】
加工装置60は以上のように構成されており、その加工は次のように実行される。
【0075】
先ず、真空チャンバー40内は、加工装置30と同様のメカニズムにより真空排気され、圧電振動片21は、搬送手段44によって、矢印A方向に送られる。一方、各照射手段33,34,35においては、加工装置30と同様に、アルゴンガスを照射するようになっている。
【0076】
加工装置60では、粗調及び粗微調の照射手段33,34による加工は、上記加工装置30と同様に行われる。粗微調用の照射手段34による加工が済んだ圧電振動片21は、搬送手段44により、矢印A方向に送られると、途中で反転手段62により反転される。
【0077】
すなわち、反転手段62は、把持手段62aにより圧電振動片21を把持して、駆動手段61が圧電振動片21を把持した把持手段62aを、その圧電振動片の粗調面18が、図6の紙面背後の方向に面している状態から、矢印のように反転させて、微調面19が紙面背後に向くように反転させる。
【0078】
反転が終了した状態で、圧電振動片21は、搬送手段44によりさらに矢印A方向に搬送されて、微調用の照射手段35に対応した位置まで送られると、この照射手段35は、他の照射手段33,34と同じ向きに配置されているから、反転された微調面19と対向することになる。
【0079】
そして、上述の加工装置30と同様に、微調用の照射手段35から、圧電振動片21の微調面19に対して、アルゴンガスが照射される。この場合、照射面である圧電振動片21の微調面19は、上述したように、エッチングレートの比較的低い金属,この実施形態では、クロムによる金属膜で形成されている。したがって、微調面19は、図7に示されているように、クロム(Cr)またはニッケル(Ni)の低いエッチングレートにより加工される。
【0080】
かくして、この加工装置60においても、加工装置30と同じ作用効果を得ることができる。
【0081】
本発明は上述の実施形態や各変形例の個別の態様に限定されず、各実施形態の構成は任意に組み合わせることができる。
【0082】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、エッチングによる周波数調整における周波数のずれ量を小さくして、精密に周波数調整できる方法を提供し、あわせて、このようにして調整される高品位の圧電振動子と圧電振動片の周波数調整方法及び周波数調整用の加工装置を提供することができる。
【0083】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の周波数調整方法を説明するための図であり、(a)はその第1の方法を示す図、(b)はその第2の方法を示す図。
【図2】本発明の実施形態に係る加工方法が適用される圧電振動子を示しており、(a)はその概略正面、(b)はそのパッケージを除いた概略側断面図。
【図3】図1(a)に示す周波数調整方法を実行するための第1の実施形態に係る加工装置のブロック構成図。
【図4】図3の加工装置の要部の概略斜視図。
【図5】図1(b)に示す周波数調整方法を実行するための第2の実施形態に係る加工装置のブロック構成図。
【図6】図5の加工装置の要部の概略斜視図。
【図7】アルゴンイオンによる各種の金属についてそのエッチングレートを示すグラフ。
【図8】本発明の実施形態に係る周波数調整方法により周波数調整を行った場合の調整結果を示すグラフ。
【図9】従来の圧電振動片の金属膜のようすを示す概略断面図。
【図10】従来の周波数調整方法により周波数調整を行った場合の調整結果を示すグラフ。
【符号の説明】
10 圧電振動子
11 圧電素子
12 電極膜
13 金属外環
14 アウターリード
15 インナーリード
16 (微調用の)金属膜
17 下地層
18 粗調面
19 微調面
30,60 (周波数調整用)加工装置
31 ネットワークナライザ
32 フィクスチャ
33 粗調用の照射手段
34 粗微調用の照射手段
35 微調用の照射手段
38 外部演算装置
44 搬送手段
45 シャッター駆動手段
48 シャッター

Claims (8)

  1. 板状の圧電材料の両面に金属膜による電極を形成しこの電極に駆動電流を印加することで所定の振動を行う圧電振動片の周波数調整する方法であって、
    前記圧電振動片の一方の面の最表面には、他方の面の金属膜よりもエッチングレートが低い金属により金属膜が設けられており、
    前記他方の面の金属膜をエッチングすることにより粗調を行い、
    前記一方の面の金属膜をエッチングすることにより微調を行うようにした
    ことを特徴とする圧電振動片の周波数調整方法。
  2. 前記他方の面には、金または銀による金属膜が設けられ、前記一方の面には、クロムまたはニッケルにより金属膜が設けられている請求項1に記載の圧電振動片の周波数調整方法。
  3. 前記エッチングは、アルゴン(Ar)イオンによるプラズマエッチングにより行われる請求項1または2のいずれかに記載の圧電振動片の周波数調整方法。
  4. 板状の圧電材料の両面に金属膜による電極を形成し、この電極に駆動電流を印加することで、所定の振動を行う圧電振動片と、
    この圧電振動片を収容するパッケージと
    を有しており、
    前記圧電振動片の一方の面の最表面には、他方の面の金属膜よりもエッチングレートが低い金属により金属膜が設けられている
    ことをを特徴とする圧電振動子。
  5. 圧電振動片を真空チャンバー内で一方向に送る手段と、
    この搬送される圧電振動片の電極膜でなる粗調面に対向して、イオン化された粒子を照射する粗調用の照射手段と、
    この粗調用の照射手段の後段に配置されており、前記圧電振動片の粗調面とは反対の面にて、前記電極膜を構成する金属よりもエッチングレートの低い金属により形成された金属膜でなる微調面に対向して、イオン化された粒子を照射する微調用の照射手段と
    を備えることを特徴とする圧電振動片の加工装置。
  6. 前記微調用の照射手段は、前記粗調用の照射手段と反対向きに配置されている請求項5に記載の圧電振動片の加工装置。
  7. 前記粗調用の照射手段よりも後段において、前記圧電振動片を反転する手段を有し、
    前記微調用の照射手段は、前記粗調用の照射手段と同じ向きに配置されている請求項5に記載の圧電振動片の加工装置。
  8. 前記粗調用の照射手段及び微調用の照射手段が、イオン化されたアルゴン(Ar)ガスを照射する構成とした請求項5ないし7のいずれかに記載の圧電振動片の加工装置。
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