JP2001024468A - 圧電振動子の電極膜構造 - Google Patents

圧電振動子の電極膜構造

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JP2001024468A
JP2001024468A JP11196196A JP19619699A JP2001024468A JP 2001024468 A JP2001024468 A JP 2001024468A JP 11196196 A JP11196196 A JP 11196196A JP 19619699 A JP19619699 A JP 19619699A JP 2001024468 A JP2001024468 A JP 2001024468A
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piezoelectric
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electrodes
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Yusuke Sugimoto
裕介 杉本
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Toyo Communication Equipment Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抵抗封止等の高温に対し、共振周波数の精度
を±5ppm程度と高精度化した電極膜を備えた圧電振動子
を得る。 【解決手段】 圧電基板の両主面に第1のニッケル層、
銀層、第2のニッケル層と順次積層した電極を付着した
圧電振動子の第2のニッケル層の少なくとも一方の層上
に第3のニッケル層を付着し共振周波数を所定の周波数
に調整した圧電振動子である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧電振動子の電極膜
構造に関し、特にアニール、封止工程等の熱負荷による
共振周波数の変動を改善した圧電振動子の電極膜構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】圧電振動子、例えばATカット水晶振動
子は小型であること、高精度、高安定な周波数が容易に
得られること等のため、近年では携帯電話端末からパー
ソナルコンピュータまで広範囲に使用されている。図4
(a)、(b)はそれぞれ従来の表面実装型水晶振動子
(SMD水晶振動子)の構成を示す平面図及びQ−Qにおけ
る断面図である。短冊状に切り出されたATカット水晶
基板11の両主面の対向する位置に部分電極12a、12bをそ
れぞれ付着すると共に、それぞれの電極12a、12bから基
板11の端部に向けてリード電極13a、13bを延在して、水
晶振動素子Xを形成する。そして、該水晶振動素子Xを
セラミックパッケージ(図示しない)に収容し、そのリ
ード電極13a、13bをパッケージの端子電極に導電性接着
剤等を用いて導通固定し、金属蓋を抵抗溶接等で気密封
止して水晶振動子を構成する。
【0003】近年、水晶振動子の小型化の要求に応え
て、水晶基板、パッケージの小型が図られた。このた
め、水晶振動素子とパッケージのシール部までの距離と
が極めて接近し、金属蓋をパッケージに抵抗溶接する際
に発生する熱が、水晶振動素子に伝わり易くなったた
め、共振周波数の変動量が増大する等の影響を受けると
いう問題が生じていた。この問題は、例えば特開平6−
112758に開示されているように水晶基板上の電極
を構成する銀の蒸着膜が熱によって蒸発・飛散すること
が原因と考えられ、この文献には銀の蒸発を防止するた
めの電極膜構造が提案されている。即ち、図5に示すよ
うに水晶基板11の上にニッケル(Ni)からなる下地メッ
キ層14を薄く形成し、その上に銀(Ag)からなる電極層
15が所定の厚さで形成される。そして、電極層15の上に
ニッケル(Ni)からなる被覆層16を薄く形成し、銀の電
極層15が被覆層16によって覆われる構造としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のNi−Ag−Ni層か
らなる電極を備えた水晶振動素子においても、従来の水
晶振動子と同様に、電極を形成した後に共振周波数をチ
ェックするためのチェック工程を経て周波数微調工程へ
進む。そして微調工程では水晶振動素子の共振周波数を
所定の周波数に合わせるべく、銀(Ag)の薄膜を蒸着装
置等を用いて付着するのが一般的であった。しかしなが
ら、該水晶振動素子が封止工程等において熱負荷がかか
ると、上述した理由から銀が蒸発して共振周波数が若干
変動することになる。微調のために付着した銀はその量
がわずかであり、蒸発したとしてもこれまではさほど問
題とならなかったが、最近の米国セルラー電話システム
TDMA、PCS等で要求される±5ppm〜±7ppmという厳密な
周波数精度を必ずしも満足することができないという問
題があった。本発明は上記問題を解決するためになされ
たものであって、熱負荷に耐えられる電極膜の構造を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る圧電振動子の電極膜構造の請求項1記載
の発明は、圧電基板の少なくとも一方の面に第1のニッ
ケル層、銀層、第2のニッケル層と順次積層した電極を
付着してなる圧電振動子において、第2のニッケル層の
上に第3のニッケル層を付着して前記圧電振動子の共振
周波数を所定の周波数に調整したことを特徴とする圧電
振動子の電極膜構造である。請求項2記載の発明は、前
記第3のニッケル層をスパッタにより形成したことを特
徴とする圧電振動子の電極膜構造である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に示した実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図1(a)、(b)、
(c)はそれぞれ本発明に係るSMD水晶振動子の構成を
示す平面図、Q−Qにおける断面図及び電極の積層構造を
示す部分断面図である。短冊状に切り出されたATカッ
ト水晶基板1の両主面に対向する部分電極2a、2bを付着
すると共に、それぞれの電極2a、2bから基板1の端部に
向けてリード電極3a、3bを延在して、水晶振動素子Xを
形成する。該水晶振動素子Xをセラミックパッケージ
(図示しない)に収容し、そのリード電極3a、3bをパッ
ケージの端子電極に導電性接着剤等を用いて導通固定す
る。そして、パッケージに収容した水晶振動子を真空槽
に入れ、所定の周波数に微調整するためにニッケル膜を
付着し、パッケージ上部に金属蓋を抵抗溶接等で気密封
止して水晶振動子を構成する。
【0007】図1に示す電極2a、2bは、水晶基板1の上
に付着力の強いニッケルの薄い電極膜4を付着し、その
上に所定の量の銀の電極膜5を付着し、該銀電極膜5を
高熱から保護するため、その上に薄いニッケル電極膜6
で覆う。電極膜4、5、6は蒸着装置の中で順次、抵抗加
熱方式、電子ビーム方式等で付着形成する。あるいは、
電極膜4、5、6を強固にするためにはスパッタ方式、即
ち真空装置の真空度を5×10-5Torr程度に排気し、ア
ルゴンガスを導入し内圧を3×10-3Torr程度に保ちな
がら、高電圧を印加して電極膜を形成する方式を用いて
成膜する。本発明の特徴は図1(c)に示すように電極
膜2a(4、5、6)の上に、該電極より幾分小さめの微
調用の電極7をニッケルを用いて形成したことである。
【0008】ニッケルの微調用の電極膜7を形成する手
段として、図2に示すようなイオンビーム・スパッタ装
置の中に水晶振動子(ワーク)を配置し、装置内を排気
し高真空(5×10-5Torr程度)に達した段階でアルゴ
ンガスを導入し、10-3程度のガス圧の雰囲気中にてイ
オンガンから出射するイオンビームをターゲット材(ニ
ッケル)に照射して、ニッケルをたたき出し、ワーク
(水晶振動子)にニッケルの薄膜を形成する。
【0009】また、図3に示すようなイオンビーム・ス
パッタ/イオンビーム・エッチング装置を周波数の微調
整に用いれば、水晶振動子の共振周波数が所定の周波数
より低下した場合には、イオンガンのヘッドを回転し、
ワークに向けてイオンを発射すれば、アルゴン・イオン
がワークの電極膜を削って共振周波数を上昇させること
が可能である。
【0010】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成した
ので、水晶振動素子が封止工程において抵抗溶接等によ
る高熱を受けても、周波数の変化量は±5ppm程度の精度
の高い水晶振動子を製作することができ、該振動子を周
波数精度が厳しく要求される米国TDMA等に用いれば、通
信品質を高めるという優れた効果を表す。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る水晶振動子の構成を示す
平面図、(b)は断面図、(c)は電極膜の構成を示す
断面図である。
【図2】イオンビーム・スパッタ装置の概略を示す図で
ある。
【図3】イオンビーム・スパッタ/イオンビーム・エッ
チング装置の概略を示す図である。
【図4】(a)は従来の水晶振動子の構成を示す平面
図、(b)は断面図である。
【図5】従来の水晶振動子の電極膜の構成を示す断面図
である。
【符号の説明】
1・・圧電基板 2a、2b・・電極 3a、3b・・リード電極 4・・ニッケル層 5・・銀層 6・・ニッケル層 7・・ニッケル層 X・・圧電振動素子

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板の少なくとも一方の面に第1の
    ニッケル層、銀層、第2のニッケル層と順次積層した電
    極を付着してなる圧電振動子において、第2のニッケル
    層の上に第3のニッケル層を付着して前記圧電振動子の
    共振周波数を所定の周波数に調整したことを特徴とする
    圧電振動子の電極膜構造。
  2. 【請求項2】 前記第3のニッケル層をスパッタにより
    形成したことを特徴とする圧電振動子の電極膜構造。
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