JP3823629B2 - クランクケースブリーザ室構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、4サイクルエンジンのブローバイガス中のオイル分離(気液分離)に係るクランクケースブリーザ室構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、4サイクルエンジンにおいて、エンジン駆動時の際にシリンダー内周面とピストンとの摺動部よりクランクケース内に発生したブローバイガスを吸気系経路に戻すために、一般に、クランクケースからエンジン吸気系へブローバイガス通路を形成し、インテークマニホールドの負圧を利用してエアークリーナー等のエンジン吸気系にブローバイガスを送り込むようにされている。
【0003】
従来例として、図7に示すように、クランクケース1近傍に形成されたブリーザ室2にクランクケース1と該ブリーザ室2を連通するためのガス抜き穴3を形成し、該ガス抜き穴3よりブローバイガスを吸気経路(図示せず)に戻すようにされたものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ガス抜き穴3の近傍にはギヤ(図示せず)が構成されており、該ギヤの一部がエンジンオイル4の油面下にあるため、ギヤの駆動によりエンジンオイルが飛散して空気とオイルミストが混在したブローバイガスは、ブリーザ室2からオイルミストを分離できないままブリーザ室5の開口部6を介して接続パイプ7を通りエアークリーナ(図示せず)に導入されていた。この方法では、ブローバイガス中にオイルミストが含まれている場合、エンジンに悪影響を及ぼすという問題があった。これに対し、実開平5−83310に開示されているように、ヘッドカバー内に複数の干渉体を設けてブローバイガスの流れを干渉させながらオイルミストを分離するようにした所謂オイルセパレータを構成するようにしたものが提案されているが、ヘッドカバーの構成が複雑になり、しかも、コンパクトにできないという問題があった。
【0005】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、エンジンの外形寸法を大きく変更することなく、しかも、簡単な構成でブローバイガスからオイルミストを容易に分離できるクランクケースブリーザ室構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するため、次の構成を有する。本発明は、エンジンのクランクケース内のクランク室と隣接し、かつ、分離されたブリーザ室を形成するとともに、前記クランクケースと、クランク軸端に設けられるクラッチと係動するVベルト変速機が収納されるVベルト変速機室との間に前記ブリーザ室を配置し、前記クランク室と前記ブリーザ室との分離壁部に、潤滑油面下で該クランク室とブリーザ室とを連通するための連通口を設ける一方、潤滑油面上で前記クランク室と前記ブリーザ室とを連通し、かつ、開口部が潤滑油面に向けた状態で前記ブリーザ室側壁面に突出形成された管状部材を設け、前記ブリーザ室と吸気系経路とを連通するための経路連通手段を備えることを特徴とする。
【0007】
前記ブリーザ室は、前記クラッチと従動側のVベルト変速機との間に配置されたものが好ましい。
【0008】
また、前記ブリーザ室は、前記クランクケースと、クランク軸端に設けられるクラッチを覆うためのクラッチカバーとにより形成したものが好ましい。
【0009】
さらに、前記管状部材のブリーザ室側開口部は、ブリーザ室内壁面に隣接対向して形成されたものが好ましい。
【0010】
本発明によれば、エンジンのクランクケース内のクランク室と隣接し、かつ、分離されたブリーザ室を形成し、前記クランク室と前記ブリーザ室との分離壁部に、潤滑油面下で該クランク室とブリーザ室とを連通するための連通口を設け、潤滑油面上で前記クランク室と前記ブリーザ室とを連通し、かつ、開口部が潤滑油面に向けた状態で前記ブリーザ室側壁面に突出形成された管状部材と、前記ブリーザ室と吸気系経路とを連通するための経路連通手段とを備えたことにより、エンジンの外形寸法を大きく変更することなく、しかも、簡単な構成でブローバイガスからオイルミストを容易に分離することができる。
【0011】
また、前記管状部材のブリーザ室側開口部を、ブリーザ室内壁面に隣接対向して形成したことにより、ブローバイガスを潤滑油面だけでなく壁面にも直接吹き付けることにより、簡単な構成でブローバイガスからオイルミストを容易に分離することができる。
【0012】
さらに、前記ブリーザ室を、前記クランクケースと、クランク軸端に設けられるクラッチを覆うためのクラッチカバーとにより形成したより、簡単な構成で、エンジンの外形寸法を大きく変更することなくブリーザ室を形成できる。
【0013】
さらに、また、前記ブリーザ室を、減速歯車を収納するクランクケースと、クランク軸端に設けられるクラッチと係動するVベルト変速機が収納されるVベルト変速機室との間に形成したことにより、エンジンの外形寸法を大きく変更することなくブリーザ室を構成できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0015】
本実施形態は、図1及び図2に示すように、エンジンのクランクケース10内のクランク室11と隣接し、かつ、分離されたブリーザ室12を形成し、前記クランク室11と前記ブリーザ室12との分離壁部13に、エンジンオイル14液面下で該クランク室11とブリーザ室12とを連通するための連通口15を設け、エンジンオイル14液面上で前記クランク室11と前記ブリーザ室12とを連通し、かつ、開口部16をエンジンオイル14油面に向けた状態で前記ブリーザ室12側壁面17に突出形成された管状の連通管18と、前記ブリーザ室12と吸気系経路(図示せず)とを連通するための経路連通手段である接続パイプ19とを備えたクランクケースブリーザ室構造である。
【0016】
前記ブリーザ室12は、図1に示すように、前記クランクケース10の分離壁部13と、クランク軸端に設けられるクラッチ20を覆うためのクラッチカバー21とにより包囲されるように形成されている。該クラッチカバー21の外側には、Vベルト変速機22、23が収容されるVベルト変速機室24が形成されている。また、前記ブリーザ室12には、図2に示すように、該ブリーザ室12の背面部に形成される別のブリーザ室(図示せず)に連通する吸気系経路連通口25が形成され、これより、接続パイプ19を介して吸気系経路に連通するようにされている。また、前記ブリーザ室12は、図3に示すように、リブ26により2室に分割されている。該リブ26は、幅方向への切り欠き部27が長手方向にわたり形成されており、2室に分割されているブリーザ室12の内部空間を該切り欠き部27を介して連通している。
【0017】
前記連通管18は、図1及び図4に示すように、略円筒形状で、クランク室11とブリーザ室12との分離壁部13を貫通して配置され、固定用ステー28を介して該分離壁部13にボルト29で固定されている。また、該連通管18のブリーザ室12側の開口部16は、クラッチカバー側の分離壁部30と近接し、かつ、該分離壁部30とエンジンオイル14液面の双方と対向するように略45度の角度で斜めに断面が形成されている。
【0018】
次に、上記のように構成したクランクケースブリーザ室構造による作用について説明する。
【0019】
まず、図4に示すように、エンジンの駆動によりクランク室11内に発生したブローバイガスは、連通管18を通ってブリーザ室12に流入する。このとき、連通管18の開口方向によりブローバイガスの流れ方向が制御され、一部は分離壁部30に向けて吹き付けられ、また、一部はエンジンオイル14液面に吹き付けられる。このとき、ブローバイガス中のオイルミストは、分離壁部30に衝突して液状となり該分離壁部30を伝わり落ちてオイルパン(図示せず)に還元され、また、直接エンジンオイル14液面に吹き付けられてオイルに還元される。
【0020】
次に、このブローバイガスは、吸気系経路連通口27を介してクランクケース内のブリーザ室31に流入し、さらに、連通パイプ19から接続ホース(図示せず)を介してエアークリーナ(図示せず)に導入され、吸気系経路へ供給されることになる。
【0021】
このようにして、ブローバイガス中のオイルミストを分離することにより、オイルミストの含有率の低いブローバイガスの供給が可能となり、従って、エンジンオイルの回収率を向上することができるとともに、エアークリーナーの汚れを低減することができる。
【0022】
なお、本発明はおいては、上記実施形態に限定するものではなく、図5に示す実施形態2のように、連通管32のブリーザ室側開口部を、エンジンオイル14液面に対向して形成し、ブローバイガスをエンジンオイル14に直接吹き付けるようにしたものであってもよく、これによると、簡単な構成でブローバイガスからオイルミストを容易に分離することができる。
【0023】
また、図6に示す実施形態3のように、連通管33のブリーザ室側開口あ部を、固定用ステー34に一体的に接続するとともに、エンジンオイル14液面に対向して形成し、ブローバイガスを連通管33との対向面35とエンジンオイル14の双方に吹き付けるようにしたものであってもよく、これによると、クラッチカバーの分離壁面近傍まで連通管33を形成することなく、従って、コンパクトな構成でブローバイガスからオイルミストを容易に分離することができる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明した通り本発明によれば、クランク室に隣接してブリーザ室を形成し、該ブリーザ室内に連通管を突出形成することで、ブローバイガスをブリーザ室内の壁面やエンジンオイル液面に直接吹き付けることにより、簡単な構成で容易にオイルミストを分離できるという効果がある。また、ブリーザ室をクランクケースとVベルト変速機室との間で、該クランクケースの分離壁とクラッチカバーの分離壁により包囲形成したことにより、エンジンの外形寸法を大きく変更することなくブリーザ室を形成できるという効果がある。さらに、別途にオイルミストセパレータを設けることなくブローバイガスからオイルミストを分離できるため、エンジンの構造を簡単にできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るクランクケースブリーザ室構造の断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るクランクケースブリーザ室構造の側面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るクランクケースブリーザ室構造のクラッチカバー側の説明図である。
【図4】本発明の実施形態に係るクランクケースブリーザ室構造の詳細断面図である。
【図5】本発明の実施形態2に係るクランクケースブリーザ室構造の詳細断面図である。
【図6】本発明の実施形態3に係るクランクケースブリーザ室構造の詳細断面図である。
【図7】従来のクランクケースの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 クランクケース
2 ブリーザ室
3 ガス抜き穴
4 エンジンオイル
5 ブリーザ室
6 開口部
7 接続パイプ
10 クランクケース
11 クランク室
12 ブリーザ室
13 分離壁部
14 エンジンオイル
15 連通口
16 開口部
17 壁面
18 連通管
19 接続パイプ
20 クラッチ
21 クラッチカバー
22 Vベルト変速機
23 Vベルト変速機
24 Vベルト変速機室
24a Vベルト変速機カバー
25 吸気系経路連通口
26 リブ
27 切り欠き部
28 固定用ステー
29 ボルト
30 分離壁部
31 ブリーザ室
32 連通管
33 連通管
34 固定用ステー
35 対向面
Claims (4)
- エンジンのクランクケース内のクランク室と隣接し、かつ、分離されたブリーザ室を形成するとともに、前記クランクケースと、クランク軸端に設けられるクラッチと係動するVベルト変速機が収納されるVベルト変速機室との間に前記ブリーザ室を配置し、
前記クランク室と前記ブリーザ室との分離壁部に、潤滑油面下で該クランク室とブリーザ室とを連通するための連通口を設ける一方、潤滑油面上で前記クランク室と前記ブリーザ室とを連通し、かつ、開口部が潤滑油面に向けた状態で前記ブリーザ室側壁面に突出形成された管状部材を設け、前記ブリーザ室と吸気系経路とを連通するための経路連通手段を備えたことを特徴とするクランクケースブリーザ室構造。 - 前記ブリーザ室は、前記クラッチと従動側のVベルト変速機との間に配置されたことを特徴とする請求項1に記載のクランクケースブリーザ室構造。
- 前記ブリーザ室は、前記クランクケースと、クランク軸端に設けられるクラッチを覆うためのクラッチカバーとにより形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載のクランクケースブリーザ室構造。
- 前記管状部材のブリーザ室側開口部は、ブリーザ室内壁面に隣接対向して形成されたことを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一項に記載のクランクケースブリーザ室構造。
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