JP3823518B2 - 全自動洗濯機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は全自動洗濯機に係り、特に洗いまたはすすぎの撹拌行程で開閉蓋を開けたときの安全性に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な全自動洗濯機は、洗いから脱水まで自動で行う工程において、洗いまたはすすぎの撹拌工程で開閉蓋を開閉しても、前記回転翼は運転を継続しているのが一般的である。洗いの撹拌工程においては、洗濯物の種類,大きさ,厚さなどにより洗える量が変わるため使用者は洗濯物の入れすぎによる洗濯物の動き具合を確認して調節する場合があり、すすぎの撹拌工程においては洗剤の入れすぎによるすすぎ不十分または泡による弊害等を確認する場合がある。このようなことから洗いまたはすすぎの撹拌工程においては、使用者が工程中の確認等を行う為に、開閉蓋の開閉に係わず回転翼の運転を継続させ洗いまたはすすぎ工程のプログラムを進行させるものである。但し、脱水工程においては洗濯兼脱水槽が高速回転しているため、開閉蓋を開けたときは安全のために運転を停止するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
洗いから脱水まで自動で行う全自動洗濯機の洗いまたはすすぎの撹拌工程で開閉蓋を開けたとき回転翼の運転を継続させた場合、洗濯物の動き具合を確認して調節するとき等に洗濯物が手に巻きついてけがをする問題が発生する。また、洗濯機の近くに台が置いてある場合等には幼児が洗濯兼脱水槽の中をのぞき誤って洗濯兼脱水槽の中に落ちて洗濯物の動きにより、洗濯物に巻き込まれたり、回転翼の回転により傷害を負う問題が発生する。
【0004】
本発明の1つの目的は、洗いまたはすすぎの撹拌工程で開閉蓋を開けたときは回転翼の運転を安全のために停止させ、かつ洗濯物の動きを確認することができる操作ボタンを設けて構成する全自動洗濯機を提案することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、洗濯物の動きを確認することができる操作ボタンによる回転翼の運転時間を限定して構成する全自動洗濯機を提案することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、外枠に内置される洗濯兼脱水槽と、この洗濯兼脱水槽の内底に回動自在に備わる撹拌翼と、この撹拌翼および洗濯兼脱水槽を回転駆動するモータと、外枠の上側に備わる開閉自在なる開閉蓋とを有する全自動洗濯機において、開閉蓋の開放状態で、洗濯またはすすぎの行程動作とは別個に短い時間だけ任意に撹拌翼を回転させる撹拌確認運転の指示手段を設けたことを特徴とするものである。
このとき、撹拌確認運転の指示手段は、他の運転指示操作スイッチと兼用するとよい。
【0007】
また本発明は、外枠に内置される洗濯兼脱水槽と、この洗濯兼脱水槽の内底に回動自在に備わる撹拌翼と、この撹拌翼および洗濯兼脱水槽を回転駆動するモータと、外枠の上側に備わる開閉自在なる開閉蓋とを有する全自動洗濯機において、撹拌翼が撹拌回転する洗濯またはすすぎの行程で、開閉蓋が開放作動した際にモータの回転動作を停止させ、開閉蓋の開放状態で、洗濯またはすすぎの行程動作とは別個に撹拌翼が撹拌回転する撹拌確認運転をモータに指示する指示スイッチを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
また本発明は、外枠に内置される洗濯兼脱水槽と、この洗濯兼脱水槽の内底に回動自在に備わる撹拌翼と、この撹拌翼および洗濯兼脱水槽を回転駆動するモータと、外枠の上側に備わる開閉自在なる開閉蓋とを有する全自動洗濯機において、撹拌翼が撹拌回転する洗濯またはすすぎの行程で、開閉蓋が開放作動した際にモータの回転動作を停止させ、この開閉蓋の開放状態で任意に撹拌翼を撹拌回転させるためにモータの運転を指示する指示スイッチを設けたことを特徴とするものである。
【0009】
上記の各自動洗濯機において、撹拌確認運転またはモータの運転は、指示手段または指示スイッチがオンにしているときに行われ、オフで停止するようにするとよい。また、撹拌確認運転またはモータの運転は、指示手段または指示スイッチによる運転指示を受けると所定時間行うようにするとよい。
【0010】
閉蓋の開放状態で、洗濯またはすすぎの行程動作とは別個に撹拌翼を回転させる指示手段または指示スイッチを設けたので、任意に撹拌翼の撹拌状態を直接確認できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1において、鋼板製で且つ箱形の外枠1内には、吊り棒2及び防振ばね3によってポリプロピレン等の合成樹脂製の外槽4が防振支持されている。外槽4内には水平断面形状が略円形な洗濯兼脱水槽5が設けられる。この洗濯兼脱水槽5の上端縁には合成樹脂製の上部流体バランスリング6がねじにより取り付けられている。洗濯兼脱水槽5の側壁には多数の脱水孔5aが設けられ、底部内側の中央にはポリプロピレン等の合成樹脂にて形成された回転翼7が設置され、該回転翼7の周囲にはその外周面を洗濯兼脱水槽5の内周面に当接して支えたポリプロピレン等の合成樹脂製の中空リングに流体を封入した下部流体バランスリング8が取り付けられる。
【0013】
外槽4の上端には、外槽4と前記洗濯兼脱水槽5の間の隙間に洗濯物が落下するのを防止するために、合成樹脂製の槽カバー9が設けられる。
【0014】
排水装置10は、前記外槽4の底部の外側に取り付けられて該外槽4の内側に連通した排水モータ11と、排水モータ11に接続する排水ホース12を備える。排水ホース12は、外枠1の側壁下部に形成した穴を通して枠外に伸長される。
【0015】
外槽4の底部外側には、更に駆動装置13を取り付ける鋼板製のセンターベース14が固定されており、センターベース14にはモータ15とクラッチ機構部16が固定される。モータ15の出力軸15aには駆動プーリ17が固定され、クラッチ機構部16の入力軸16aには従動プーリ18が固定され、両プーリ17,18はベルト19によって連結される。クラッチ機構部16は、その内部に洗濯駆動と脱水駆動を切り換えるクラッチや減速機構を備え、その2重出力軸16bはセンターベース14及び外槽4を貫通して外槽4内に突出し、外側軸には洗濯兼脱水槽5が結合され、内側軸には回転翼7が結合される。外枠1の上端部には上面カバー20が取り付けられ、上面カバー20の中央部には衣類投入口 20aが開口し、その手前側にはフロントパネルボックス20bが形成され、後側にはリアパネルボックス20cが形成される。前記衣類投入口20aは開閉蓋21で開閉自在に覆われ、前記フロントパネルボックス20b内には制御装置 22が設置され、前記リアパネルボックス20c内には注水口23に連なる給水電磁弁24と前記開閉蓋21の開閉に係合しON,OFFする安全スイッチ26が設置される。安全スイッチ26のON,OFFの制御状態は制御装置22に入力され、そして制御装置22により、モータ15等の電気部品の運転を指示制御するようになっている。
【0016】
図2は、一般的な洗濯工程図でこの洗濯工程が制御装置22にプログラムされている。洗いまたはすすぎの撹拌工程において、回転翼7は制御装置22の指示制御により左右回転され、洗濯兼脱水槽5に投入された洗濯物は回転翼7の回転により動かされ、洗濯兼脱水槽5内で回動や上下の入れ替わりといった布動きをする。回転翼7の近傍にない上部の洗濯物には下部の洗濯物が動くことによって、回転翼7の回転力を伝えることになるので、洗濯物同士は絡み合いながら動くことになる。この動きによって、洗濯物は回転翼7や洗濯兼脱水槽5内周壁との接触による摩擦やねじれ,伸縮などの機械力を受けて洗浄される。上記は開閉蓋21を閉じている場合であり、洗いまたはすすぎの撹拌工程で開閉蓋21を開けたときは、安全スイッチ26が動作し、制御装置22により回転翼7を回転させるモータ15を制御し、回転翼7の運転を停止するように構成されている。
【0017】
脱水中に開閉蓋21を開けたときは、洗濯兼脱水槽5が高速回転しているため、安全のために運転を停止するように構成される。
【0018】
図3はフロントパネルボックス20bに取り付けられるパネル27を示している。パネル27には水量切り換え設定用の水量ボタン52,運転開始時間を予約する運転予約ボタン53,念入りすすぎの設定をする。念入りすすぎボタン,洗い,すすぎ,脱水の行程を選択する行程スイッチが備わっている。さらに水流の強さ、お急ぎ洗濯のコースを選択するコースボタン、回転翼7の回動運転動作を確認する運転確認ボタン、運転動作のスタートおよび一時停止を指示するスタート/停止スイッチが備わっている。
【0019】
図4は、図3に相当する他の実施例である。そしてフロントパネルボックス 20bに取り付けられるパネル27′を示すもので、図3に示すパネル27との違いは、運転確認ボタンを省いてコース/運転確認ボタン56′を備えたものである。このコース/運転確認ボタン56′はコースボタンと運転確認ボタン56′を兼用したものである。水量ボタン,予約ボタン,念入りすすぎボタン,行程ボタンおよびスタート/一時停止ボタンと運転確認ボタンを兼用するようにして良い。
【0020】
図5は全体の回路を示す回路図である。制御基板40は制御装置22の備わる主要部である。スイッチ基板41はパネル27に備わる主要部である。
【0021】
制御基板40とスイッチ基板41はフラットケーブル43で電気的に接続されている。
【0022】
電源用のプラグ44は電源ヒューズ45,電源スイッチ46を介して制御基板40に接続されている。電源スイッチ46はオートオフ式になっている。電源スイッチ46がオン状態にあって、運転指示が一定時間たってもないときには、自動的にオフ状態に切り換わるようになっている。
【0023】
回転翼7および洗濯兼脱水槽5を回転駆動する洗濯用のモータ15はサーモスイッチ42を介して制御基板40に接続されている。起動用コンデンサー49がモータ15のコイル間に接続されている。一方のコイルには電流トランス50が直列接続されている。
【0024】
排水モータ11は切り換えスイッチ48を介して制御基板40に接続されている。排水モータ11は排水装置10を開け締めするもので、排水装置10を十分に開けたときに切り換えスイッチ48を(開)端子に切り換わるようになっている。また排水装置10を十分に締めたときに切り換えスイッチ48を(閉)端子に切り換わるようになっている。そして、(閉)端子から(開)端子、(開)端子から(閉)端子に切り換わることにより、切り換えスイッチ48にて排水モータ11の通電が切れ、排水モータ11は停止するようになっている。
【0025】
安全スイッチ26はクラッチソレノイド47を介して制御基板40に接続されている。また安全スイッチ26とクラッチソレノイド47の接続点を制御基板 40に接続して安全スイッチ26の開,閉動作を検知するようにしている。
【0026】
脱水運転中に、安全スイッチ26が開放作動すると、クラッチソレノイド47の通電が切られてブレーキが作動し、洗濯兼脱水槽5の回転を急停止させるようになっている。また安全スイッチ26の開放動作は、検知されるので、洗濯用モータ15の通電は停止するようになっている。モータ15の通電停止は洗濯,すすぎ時にも同様に行われる。給水電磁弁24,水位センサ51は、制御基板40に接続されている。水量ボタン52のスイッチ,予約ボタンのスイッチ,念入りすすぎのスイッチ,行程ボタンのスイッチ,コースボタンのスイッチ,運転確認ボタンのスイッチ,スタート/一時停止ボタンのスイッチはスイッチ基板41の接続されている。
【0027】
次に動作について説明する。
【0028】
洗濯兼脱水槽5は洗濯物を入れ、開閉蓋21を閉じ、洗濯運転のセットに必要な上記ボタンを押し、スタート/一時停止ボタンを押すことにより、運転は開始される。そして、洗い工程ないしすすぎ工程中に開閉蓋21を開放すると、安全スイッチ26が開放作動し、この開放作動が検知され、制御基板40の指示で洗濯用モータ15の通電が切れてモータ15の回転は止まり、回転翼7の撹拌動作は止まる。
【0029】
したがって、開閉蓋21を開くと、撹拌翼7が回動する洗い工程ないしすすぎ工程が自動的に停止するので安全である。
【0030】
一方、開閉蓋21を開いた状態で撹拌翼7による洗濯物の布動きを直接確認する必要がある。
【0031】
運転確認ボタン57のスイッチが押されることにより、制御基板40からの指示により洗濯用モータ15に通電されて撹拌翼7が回わされるのである。運転確認ボタン57による撹拌動作は、運転確認ボタン57が押されている間、または運転確認ボタン57を押し終えた後も一定時間撹拌動作が継続するようにする。さらに、運転確認ボタン57を押し、一定時間過ぎてから撹拌動作が所定時間行われるようにしてもよい。
【0032】
図4に示す実施例は、運転確認ボタンが他のボタンと兼用になっている。運転確認動作の指示と他の運転指示が区別して行われるようにソフト組まれている。1つは、行程ないしコースを設定し、スタート/一時停止ボタン58を押して洗濯機の運転を行わせてから、開閉蓋21を開き、洗濯機の運転を一時的に止めた後に、兼用のボタンを押すことにより、運転確認が受け付けられるようにする。もう一つは、開閉蓋21を開き、スタート/一時停止ボタン58を押すと、次に運転確認が受け付けられるようにする。
【0033】
さらにもう一つは、洗濯運転動作中に、開閉蓋21を開いて洗濯機の運転を一時的に止め、スタート/一時停止ボタン58を押すと、次に運転確認が受け付けられるようにする。この他ソフトも種々考えられるが、説明は省く。
【0034】
【発明の効果】
洗濯またはすすぎの工程で、開閉蓋が開けられると撹拌翼を回転させるモータが止まるので安全である。
【0035】
また開閉蓋の開放状態にあって、指示手段または指示スイッチにより、任意にモータを回わすことができるので、直接、撹拌状態を見て確認できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る全自動洗濯機の縦断面図である。
【図2】本発明の一実施例に係る全自動洗濯機の工程図である。
【図3】本発明の一実施例に係るパネル図である。
【図4】本発明の他の実施例に係るパネル図である。
【図5】本発明の一実施例に係る全体回路図である。
【符号の説明】
1…外枠、5…洗濯兼脱水槽、7…撹拌翼、15…モータ、21…開閉蓋、 26…安全スイッチ。

Claims (6)

  1. 外枠に内置される洗濯兼脱水槽と、この洗濯兼脱水槽の内底に回動自在に備わる撹拌翼と、この撹拌翼および洗濯兼脱水槽を回転駆動するモータと、外枠の上側に備わる開閉自在なる開閉蓋とを有する全自動洗濯機において
    開閉蓋の開放状態で、洗濯またはすすぎの行程動作とは別個に短い時間だけ任意に撹拌翼を回転させる撹拌確認運転の指示手段を設けたことを特徴とする全自動洗濯機。
  2. 請求項に記載の全自動洗濯機において、前記撹拌確認運転の指示手段は、他の運転指示操作スイッチと兼用したことを特徴とする全自動洗濯機。
  3. 外枠に内置される洗濯兼脱水槽と、この洗濯兼脱水槽の内底に回動自在に備わる撹拌翼と、この撹拌翼および洗濯兼脱水槽を回転駆動するモータと、外枠の上側に備わる開閉自在なる開閉蓋とを有する全自動洗濯機において
    撹拌翼が撹拌回転する洗濯またはすすぎの行程で、開閉蓋が開放作動した際にモータの回転動作を停止させ、
    開閉蓋の開放状態で、洗濯またはすすぎの行程動作とは別個に撹拌翼が撹拌回転する撹拌確認運転をモータに指示する指示スイッチを備えたことを特徴とする全自動洗濯機。
  4. 外枠に内置される洗濯兼脱水槽と、この洗濯兼脱水槽の内底に回動自在に備わる撹拌翼と、この撹拌翼および洗濯兼脱水槽を回転駆動するモータと、外枠の上側に備わる開閉自在なる開閉蓋とを有する全自動洗濯機において
    撹拌翼が撹拌回転する洗濯またはすすぎの行程で、開閉蓋が開放作動した際にモータの回転動作を停止させ、この開閉蓋の開放状態で任意に撹拌翼を撹拌回転させるためにモータの運転を指示する指示スイッチを設けたことを特徴とする全自動洗濯機。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の全自動洗濯機において、前記撹拌確認運転またはモータの運転は、前記指示手段またはスイッチがオンにしているときに行われ、オフで停止することを特徴とする全自動洗濯機。
  6. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の全自動洗濯機において、前記撹拌確認運転またはモータの運転は、前記指示手段またはスイッチによる運転指示を受けると所定時間行われることを特徴とする全自動洗濯機。
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