JP3823452B2 - 電源装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、商用交流電源を用いて低周波矩形波出力を得る電源装置に関するものであり、高圧放電灯を点灯させるのに適するものである。
【0002】
【従来の技術】
図36は従来の電源装置(当社の特開平2−282809号)の回路図である。まず、この回路の動作を以下に示す。入力の交流電源Vsの整流素子D5、D6の接続点側が正極性の場合、スイッチング素子Q1が高周波でオン・オフの動作を繰り返し、スイッチング素子Q4がオンの状態を維持するように制御回路により動作し、スイッチング素子Q2及びQ3はその際オフの状態を維持する。また、入力の交流電源Vsの整流素子D1,D2の接続点側が正極性の場合、スイッチング素子Q2が高周波でオン・オフの動作を繰り返し、スイッチング素子Q3がオンの状態を維持するように制御回路により動作し、スイッチング素子Q1及びQ4はその際オフの状態を維持する。以上のごとく回路が動作することにより負荷Rには入力の商用周波電源と同期した矩形波状の電圧が印加される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図36の回路においては負荷Rとして高圧放電灯を使用した場合に、以下のような不具合を生ずる。一般に高圧放電灯は、放電を開始するまでの間は極めてインピーダンスの高い状態であり、放電開始直後は管内の温度が低い為、管内の圧力が低く、数オーム程度の極めて低いインピーダンスの状態(すなわち低ランプ電圧状態)となり、その放電状態を持続することで、温度の上昇とともに圧力も高くなり、電気的なインピーダンスも上昇し、安定な点灯状態に移行する。すなわち、高圧放電灯を安定に始動し、点灯させるには低ランプ電圧状態(低Vla状態)において所定のランプ電流を流し続ける必要があるのである。
【0004】
この従来の回路において、入力の交流電源Vsの整流素子D5,D6の接続点側が正極性の場合、図37に示すようにスイッチング素子Q1及びQ4が同時に導通する期間においては、電源VsからL1にエネルギーを供給する電流ループと、コンデンサCから負荷Rにエネルギーを供給する電流ループを生じ、スイッチング素子Q1及びQ4が同時にオフすると同時にスイッチング素子と逆並列に接続されている整流素子D3,D2が導通して、L1と負荷Rに含まれるL分に蓄積されたエネルギーがコンデンサCに還流する2つの電流ループを生じ、それぞれのエネルギーはコンデンサCに蓄積されて行く。
【0005】
その際、負荷Rの抵抗値がある程度高く、負荷Rがエネルギーを消費すれば、負荷RのL分に蓄積されたエネルギーが還流し、コンデンサCに戻るエネルギーが減少するとともに、電源より取り込んだエネルギーが負荷Rに消費されることとなり、コンデンサCの電圧は一定値に収束する。一方、高圧放電灯のような負荷で、且つ始動直後のような場合は、前述のように、電流を持続して流し続ける必要がある。この場合、電流値を確保しようとすると、図37の波形において、スイッチング素子Q1やQ2がオンの状態である期間(すなわち、オン・デューティー)をある程度確保する必要がある。
【0006】
しかし、この動作においてはスイッチング素子Q1やQ2がオンの状態を確保すると、負荷のインピーダンスが低く、エネルギーを消費しない為、負荷RのL分に蓄積されたエネルギーがコンデンサCへと還流し戻ってしまい、スイッチング素子Q1やQ2がオンである期間があるので電源よりコンデンサCにエネルギーを取り込み続ける状態となる。
【0007】
すなわち、負荷電流を確保することは、電源Vsからのエネルギーの取り込みを続けることとなり、それを消費せずコンデンサCにエネルギーが蓄積され続ける状態となり、コンデンサCの電圧が上昇し続ける状態(異常昇圧と称される状態)に陥る。このような状況では、コンデンサやスイッチング素子の耐圧を大きくする必要があり、装置のコストを押し上げるとともに大型化してしまう。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明にあっては、上記の課題を解決するために、交流電源を入力され少なくとも1つのスイッチング素子と少なくとも1つの第1のインダクタとを備えた少なくとも1つの昇圧チョッパ回路と、
少なくとも1つのスイッチング素子と少なくとも1つの第2のインダクタと負荷回路を含み、前記昇圧チョッパ回路に平滑コンデンサを介して接続された少なくとも1つの降圧チョッパ回路とを備え、
前記昇圧チョッパ回路のスイッチング素子と前記降圧チョッパ回路のスイッチング素子を少なくとも1つ兼用し、昇圧動作時の電流と降圧動作時の電流が前記兼用されているスイッチング素子に互いに打ち消す方向に流れる期間を少なくとも生ずるように動作させる制御回路を備え、負荷回路には入力交流電圧と同期した交流電圧を印加する電源装置において、
前記負荷回路は通電開始直後に定常状態に比べて負荷抵抗が低下する負荷を備え、
昇圧チョッパ回路における、電源からの入力端と第1のインダクタとの直列回路を、実質的に導通した前記兼用されたスイッチング素子により短絡して電源から第1のインダクタにエネルギーを蓄積するように作用するスイッチング素子の導通期間を、前記負荷の通電開始直後の負荷抵抗の低下に伴って減少させることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
第1の実施例(請求項1)
図1は第1の実施例の回路図である。この回路においては、交流電源1より入力された交流電圧が、電源装置2により交流電源1と同期した矩形波電圧に電力変換されて負荷3に印加されるものである。回路としては、昇圧チョッパ回路4と降圧チョッパ回路5がコンデンサCを介して接続されている。したがって、コンデンサCの電圧は電源電圧の最大値及び負荷電圧の両者よりも高い。両チョッパ回路4、5は、それぞれ少なくとも1つ以上のスイッチング素子を含んで構成されており、尚且つ、少なくとも1つのスイッチング素子をこの両回路4、5が共有しているものである。
【0010】
動作としては、兼用されたスイッチング素子Sが実質的に導通している期間に、昇圧チョッパ回路の電流と降圧チョッパ回路の電流とが互いに打ち消す方向にスイッチング素子Sに流れるように動作しており、且つ、スイッチング素子Sが実質的に導通している期間には交流電源1とインダクタL1をスイッチング素子Sが短絡し、インダクタL1にエネルギーを蓄積する動作を行っている。そして、定常時よりも負荷3の抵抗分が減少した場合には、定常時よりもスイッチング素子Sが実質的に導通する期間を短くするように構成する。そのときのインダクタL1に流れる電流i1の波形を図2に示す。
【0011】
このように入力端より電源のエネルギーを吸い込み、出力端より負荷に供給するような電源装置においては、回路部品や動作による電力損失と出力電力の和は、入力電力に必ず一致するようにならなければならない。しかし、負荷抵抗が減少して出力電力が減ったにも関わらず、入力電力が定常時のままであれば内部の損失が大きくなるか、どこかにエネルギーを蓄積し続けなければならなくなる。すなわち、コンデンサCにエネルギーを蓄積し続ける必要がある。そのような場合、コンデンサCに蓄積されているエネルギーPcが増加し続け、電圧が上昇し続ける異常昇圧と呼ばれる状態となる。
【0012】
そこで、本発明では、低負荷抵抗時には、図2のように、兼用されているスイッチング素子Sが実質的に導通する期間を短くすることで、電源1から装置2内ヘのエネルギーの供給を減少させ、異常昇圧と呼ばれる状態を回避するものである。
以上のように構成することにより、スイッチング素子には互いに打ち消し合う電流が流れ、スイッチング素子の損失が少なくなり、回路の効率を良くした状態にできる上、低負荷抵抗時の異常昇圧現象を回避することができ、素子の耐圧などを低くし、装置の価格を抑えることができる。
【0013】
第2の実施例(請求項2)
図3は第2の実施例の回路図である。この回路においても第1の実施例と同様に、交流電源1より入力された交流電圧が、電源装置2により交流電源1と同期した矩形波電圧に電力変換されて負荷3に印加されるものである。回路としては、昇圧チョッパ回路4と降圧チョッパ回路5がコンデンサCを介して接続されている。したがって、コンデンサCの電圧は電源電圧の最大値及び負荷電圧の両者よりも高い。両チョッパ回路4、5は、それぞれ少なくとも1つ以上のスイッチング素子を含んで構成されており、尚且つ、少なくとも1つの外部制御可能なスイッチング素子Sをこの両回路4、5が共有しているものである。
【0014】
動作としては、兼用されたスイッチング素子Sが実質的に導通している期間に、昇圧チョッパ回路の電流と降圧チョッパ回路の電流とが互いに打ち消す方向にスイッチング素子Sに流れるように動作しており、且つ、スイッチング素子Sが実質的に導通している期間には交流電源1とインダクタL1をスイッチング素子Sが短絡し、インダクタL1にエネルギーを蓄積する動作を行っている。そして、定常時よりも負荷3の抵抗分が減少した場合には、定常時よりもスイッチング素子Sを制御している制御信号のオン期間を変化させてスイッチング素子Sが導通する期間を短くするように構成する。そのときのインダクタL1に流れる電流の波形を図2に示す。
【0015】
この回路でも第1の実施例と同様に、低負荷抵抗時は兼用されているスイッチング素子Sの制御信号を変化させ、図2のように、スイッチング素子Sが導通する期間を短くすることで、電源1から装置2内へのエネルギーの供給を減少させ、異常昇圧と呼ばれる状態を回避することができる。
また、このスイッチング動作がスイッチング周期の中に含まれておれば効果が得られるのであって、この他に、他のスイッチング状態、例えばすべてのスイッチング素子がオフであるような状態が含まれていても一向に構わない。
【0016】
以上のように構成することにより、スイッチング素子には互いに打ち消し合う電流が流れ、スイッチング素子の損失が少なくなり、回路の効率を良くした状態にできる上、低負荷抵抗時の異常昇圧現象を回避することができ、素子の耐圧などを低くし、装置の価格を抑えることができる。
【0017】
第3の実施例(請求項3)
図4は第3の実施例の回路図である。この回路においても第1の実施例と同様に、交流電源1より入力された交流電圧が、電源装置2により交流電源1と同期した矩形波電圧に電力変換されて負荷3に印加されるものである。回路としては、昇圧チョッパ回路4と降圧チョッパ回路5がコンデンサCを介して接続されている。したがって、コンデンサCの電圧は電源電圧の最大値及び負荷電圧の両者よりも高い。両チョッパ回路4、5は、それぞれ少なくとも1つ以上のスイッチング素子を含んで構成されており、尚且つ、少なくとも1つのスイッチング素子Sをこの両回路4、5が共有しているものである。この場合、スイッチング素子Sとしては図5に示すような特性を持つダイオードや、MOS−FET等のダイオードなどが含まれる素子で良い。
【0018】
動作としては、図6に示すように、降圧チョッパ回路においてインダクタL2のエネルギーを負荷3及びコンデンサCに供給する電流ループ10が生じ、そのループを形成する際に、兼用されているスイッチング素子Sを実質的に導通せしめ、その作用により交流電源1とインダクタL1を短絡させ、インダクタL1にエネルギーを蓄積する電流ループBを生じる、昇圧チョッパ回路の動作を行っている。その際、各電流はスイッチング素子Sにおいて、昇圧チョッパ回路の電流ILiと降圧チョッパ回路の電流ILoとが互いに打ち消す方向に流れるようになっている。
【0019】
そして、定常時よりも負荷3の抵抗分が減少した場合には、降圧チョッパ回路の動作を変化させ、降圧チョッパ回路の電流ループAが、スイッチング素子Sを導通せしめる時点の電流値を定常時よりも小さくなるように動作させ、その作用によりスイッチング素子Sが実質的に導通する期間を短くするように構成する。
【0020】
そのときの各部の波形を図7に示す。ILoは降圧チョッパ回路の動作により初期値i0を持ち、次第に減少し、ILiはスイッチング素子Sが導通することで次第に増加していく。そして、ILoとILiが同じ電流値となったときに、スイッチング素子S(この場合ダイオード)は遮断し、スイッチング素子Sを含まない電流ループを形成し、ILo=ILiの状態を維持したまま、次第に減少していく。その際、ILoの初期値をi0’のように小さくすることで、ILo=ILiとなるまでの時間が短くなり、電源からインダクタL1に蓄積されるエネルギーが小さくなり、電源1から装置2に流入するエネルギーの量を減らすことができ、異常昇圧状態を回避することができる。
【0021】
また、このスイッチング動作がスイッチング周期の中に含まれておれば効果が得られるのであって、この他に、他のスイッチング状態、例えばすべてのスイッチング素子がオフであるような状態が含まれていても一向に構わない。
以上のように構成することにより、スイッチング素子には互いに打ち消し合う電流が流れ、スイッチング素子の損失が少なくなり、回路の効率を良くした状態にできる上、低負荷抵抗時の異常昇圧現象を回避することができ、素子の耐圧などを低くし、装置の価格を抑えることができる。
【0022】
第4の実施例(請求項4)
図8は第4の実施例の回路図である。この回路においても第1の実施例と同様に、交流電源1より入力された交流電圧が、電源装置2により交流電源1と同期した矩形波電圧に電力変換されて負荷3に印加されるものである。回路としては、昇圧チョッパ回路4と降圧チョッパ回路5がコンデンサCを介して接続されている。したがって、コンデンサCの電圧は電源電圧の最大値及び負荷電圧の両者よりも高い。両チョッパ回路4、5は、それぞれ少なくとも1つ以上のスイッチング素子を含んで構成されており、尚且つ、少なくとも1つの外部制御可能なスイッチング素子Sをこの両回路4、5が共有しているものである。この場合、スイッチング素子Sとしては、MOS−FET等のダイオードなどが含まれる素子でも良い。
【0023】
動作としては、図9に示すように、降圧チョッパ回路においてインダクタL2のエネルギーをコンデンサCに供給する電流ループAが生じ、そのループを形成する際に、兼用されているスイッチング素子Sを実質的に導通せしめ、その作用により交流電源1とインダクタL1を短絡させ、インダクタにエネルギーを蓄積する電流ループBを生じる、昇圧チョッパ回路の動作を行っている。その際、各電流はスイッチング素子Sにおいて、昇圧チョッパ回路の電流と降圧チョッパ回路の電流とが互いに打ち消す方向に流れるようになっている。
【0024】
そして、定常時よりも負荷3の抵抗分が減少した場合には降圧チョッパ回路の動作を変化させ、降圧チョッパ回路の電流ループAが、スイッチング素子Sを導通せしめる時点の電流値を定常時よりも小さくなるように動作させ、その作用によりスイッチング素子Sが実質的に導通する期間を短くするように構成する。
【0025】
そのときの各部の波形を図7に示す。ILoは降圧チョッパ回路の動作により初期値i0を持ち、次第に減少し、ILiはスイッチング素子Sが導通することで次第に増加していく。そして、ILoとILiが同じ電流値となったときに、スイッチング素子S(この場合ダイオード)は遮断し、スイッチング素子Sを含まない電流ループを形成し、ILo=ILiの状態を維持したまま、次第に減少していく。
【0026】
その際、ILoの初期値を低負荷抵抗時にはi0’のように小さくすることで、ILo=ILiとなるまでの時間が短くなり、電源1からインダクタL1に蓄積されるエネルギーが小さくなり、電源1から装置2に流入するエネルギーの量を減らすことができ、異常昇圧状態を回避することができる。
また、このスイッチング動作がスイッチング周期の中に含まれておれば効果が得られるのであって、この他に、他のスイッチング状態、例えばすべてのスイッチング素子がオフであるような状態が含まれていても一向に構わない。
【0027】
以上のように構成することにより、スイッチング素子には互いに打ち消し合う電流が流れ、スイッチング素子の損失が少なくなり、回路の効率を良くした状態にできる上、低負荷抵抗時の異常昇圧現象を回避することができ、素子の耐圧などを低くし、装置の価格を抑えることができる。
【0028】
第5の実施例(請求項5)
第5の実施例の回路図は図3と同じである。この回路においても第1の実施例と同様に、交流電源1より入力された交流電圧が、電源装置2により交流電源1と同期した矩形波電圧に電力変換されて負荷3に印加されるものである。回路としては、昇圧チョッパ回路4と降圧チョッパ回路5がコンデンサCを介して接続されている。したがって、コンデンサCの電圧は電源電圧の最大値及び負荷電圧の両者よりも高い。両チョッパ回路4、5は、それぞれ少なくとも1つ以上のスイッチング素子を含んで構成されており、尚且つ、少なくとも1つのスイッチング素子をこの両回路4、5が共有しているものである。この場合、スイッチング素子としては図5に示すような特性を持つダイオードや、MOS−FET等のダイオードなどが含まれる素子でも良い。
【0029】
動作としては、図10に示すように、まず、降圧チョッパ回路において共用していないスイッチング素子を動作させてコンデンサCのエネルギーを負荷3とインダクタL2に供給するループA’を発生させる。なお、この期間には負荷3に流れる電流値を調整する働きがある。そして、ループA’を形成していたスイッチング素子の状態を変化させ、図6に示すように、インダクタL2のエネルギーを負荷3及びコンデンサCに供給する電流ループAを発生させ、兼用されているスイッチング素子Sを実質的に導通せしめ、その作用により交流電源1とインダクタL1を短絡させ、インダクタL1にエネルギーを蓄積する電流ループBを生じる、昇圧チョッパ回路の動作を行っている。その際、各電流はスイッチング素子Sにおいて、昇圧チョッパ回路の電流ILiと降圧チョッパ回路の電流ILoとが互いに打ち消す方向に流れるようになっている。
【0030】
そして、定常時よりも負荷3の抵抗分が減少した場合には、降圧チョッパ回路の動作を変化させ、図10の電流ループA’の値が小さい内に、図6の電流ループAを形成するように動作させ、その作用によりスイッチング素子Sが実質的に導通する期間を短くするように構成する。
【0031】
降圧チョッパ回路の電流ループA’を形成する動作により、スイッチング素子Sを導通せしめる時点ではILoは上述の第4の実施例と同様に初期値i0を持ち、その後次第に減少し、ILiはスイッチング素子Sが導通することで次第に増加していく。そして、ILoとILiが同じ電流値となったときに、スイッチング素子S(この場合ダイオード)は遮断し、スイッチング素子Sを含まない電流ループを形成し、ILo=ILiの状態を維持したまま、次第に減少していく。
【0032】
そのときのインダクタL2の電流波形を図11に示す。図中、T1は図10の電流ループA’が形成されている期間、T2は図6の電流ループAとBが形成されている期間の電流ILoの波形である。その際、ILoの初期値i0を小さくすることで、ILo=ILiとなるまでの時間が短くなり、すなわち、電源1からインダクタL1に蓄積するエネルギーが小さくなり、電源1から装置2に流入するエネルギーの量を減らすことができ、異常昇圧状態を回避することができる。
【0033】
また、このスイッチング動作がスイッチング周期の中に含まれておれば効果が得られるのであって、この他に、他のスイッチング状態、例えばすべてのスイッチング素子がオフであるような状態が含まれていても一向に構わない。
以上のように構成することにより、スイッチング素子には互いに打ち消し合う電流が流れ、スイッチング素子の損失が少なくなり、回路の効率を良くした状態にできる上、低負荷抵抗時の異常昇圧現象を回避することができ、素子の耐圧などを低くし、装置の価格を抑えることができる。
【0034】
第6の実施例(請求項6)
第6の実施例の回路図も図3と同じである。この回路においても第1の実施例と同様に、交流電源1より入力された交流電圧が、電源装置2により交流電源1と同期した矩形波電圧に電力変換されて負荷3に印加されるものである。回路としては、昇圧チョッパ回路4と降圧チョッパ回路5がコンデンサCを介して接続されている。したがって、コンデンサCの電圧は電源電圧の最大値及び負荷電圧の両者よりも高い。両チョッパ回路4、5は、それぞれ少なくとも1つ以上のスイッチング素子を含んで構成されており、尚且つ、少なくとも1つのスイッチング素子をこの両回路4、5が共有しているものである。この場合、スイッチング素子としては図5に示すような特性を持つダイオードや、MOS−FET等のダイオードなどが含まれる素子でも良い。
【0035】
動作としては、まず、第5の実施例と同様に、図10に示すように、降圧チョッパ回路において共用していないスイッチング素子を動作させてコンデンサCのエネルギーを負荷3とインダクタL2に供給するループA’を発生させる。なお、この期間には負荷3に流れる電流値を調整する働きがある。次に、ループA’を形成していたスイッチング素子の状態を変化させ、図12に示すように、インダクタL2のエネルギーを負荷3に供給する電流ループA”を発生させ、そのループでインダクタL2のエネルギーを負荷3に供給し、その後、再度兼用されていないSWの状態を変化させ、図6に示すように、インダクタL2のエネルギーを負荷3及びコンデンサCに供給する電流ループAを発生させ、兼用されているスイッチング素子Sを実質的に導通せしめ、その作用により交流電源1とインダクタL1を短絡させ、インダクタL1にエネルギーを蓄積する電流ループBを生じる、昇圧チョッパ回路の動作を行っている。その際、各電流はスイッチング素子Sにおいて、昇圧チョッパ回路の電流ILiと降圧チョッパ回路の電流ILoとが互いに打ち消す方向に流れるようになっている。
【0036】
そして、定常時よりも負荷3の抵抗分が減少した場合には、降圧チョッパ回路の動作を変化させ、図12に示す電流ループA”を形成する期間を長くして、インダクタL2のエネルギーを負荷3に消費させ、電流ループA”の値が小さくなってから図6に示す電流ループAを形成するように動作させ、その作用によりスイッチング素子Sが実質的に導通する期間を短くするように構成する。
【0037】
その際、降圧チョッパ回路の電流ループA”を形成する動作(図12参照)により、スイッチング素子Sを導通せしめる時点ではILoは初期値i0を持ち、図6のループAを形成した後、次第に減少し、ILiはスイッチング素子Sが導通することで次第に増加していく。そして、ILoとILiが同じ電流値となったときに、スイッチング素子S(この場合ダイオード)は遮断し、スイッチング素子Sを含まない電流ループを形成し、ILo=ILiの状態を維持したまま、次第に減少していく。
【0038】
そのときのインダクタL2の電流波形を図13に示す。図中、T1は図10の電流ループA’が形成されている期間、図12の電流ループA”が形成されている期間、T3は図6の電流ループAとBが形成されている期間の電流ILoの波形である。負荷低抵抗時には、ILoの初期値i0を小さくすることで、ILo=ILiとなるまでの時間が短くなり、すなわち、電源1からインダクタL1に蓄積されるエネルギーが小さくなり、電源1から装置2に流入するエネルギーの量を減らすことができ、異常昇圧状態を回避することができる。
【0039】
また、このスイッチング動作がスイッチング周期の中に含まれておれば効果が得られるのであって、この他に、他のスイッチング状態、例えばすべてのスイッチング素子がオフであるような状態が含まれていても一向に構わない。
以上のように構成することにより、スイッチング素子には互いに打ち消し合う電流が流れ、スイッチング素子の損失が少なくなり、回路の効率を良くした状態にできる上、低負荷抵抗時の異常昇圧現象を回避することができ、素子の耐圧などを低くし、装置の価格を抑えることができる。
【0040】
第7の実施例(請求項7)
第7の実施例の回路図も図3と同じである。この回路においても第1の実施例と同様に、交流電源1より入力された交流電圧が、電源装置2により交流電源1と同期した矩形波電圧に電力変換されて負荷3に印加されるものである。回路としては、昇圧チョッパ回路4と降圧チョッパ回路5がコンデンサCを介して接続されている。したがって、コンデンサCの電圧は電源電圧の最大値及び負荷電圧の両者よりも高い。両チョッパ回路4、5は、それぞれ少なくとも1つ以上のスイッチング素子を含んで構成されており、尚且つ、少なくとも1つのスイッチング素子をこの両回路4、5が共有しているものである。この場合、スイッチング素子としては図5に示すような特性を持つダイオードや、MOS−FET等のダイオードなどが含まれる素子でも良い。
【0041】
動作としては、まず、第5の実施例と同様に、図10に示すように、降圧チョッパ回路において共用していないスイッチング素子を動作させてコンデンサCのエネルギーを負荷3とインダクタL2に供給するループA’を発生させた後、図14に示すように、インダクタL2のエネルギーを負荷3に供給する電流ループAを発生させ、兼用されているスイッチング素子Sを実質的に導通せしめ、その作用により交流電源1とインダクタL1を短絡させ、インダクタL1にエネルギーを蓄積する電流ループBを生じる、昇圧チョッパ回路の動作を行っている。その際、各電流はスイッチング素子Sにおいて、昇圧チョッパ回路の電流ILiと降圧チョッパ回路の電流ILoとが互いに打ち消す方向に流れるようになっている。
【0042】
そして、定常時よりも負荷3の抵抗分が減少した場合には、降圧チョッパ回路の動作を変化させ、図10の電流ループA’を形成する期間を短くして、インダクタL2に蓄積されるエネルギーが少ない内に図14に示す電流ループAを形成するように動作させ、その作用によりスイッチング素子Sが実質的に導通する期間を短くするように構成する。
【0043】
その際、降圧チョッパ回路の電流ループA’を形成する動作(図10参照)によりスイッチング素子Sを導通せしめる時点ではILoは初期値i0を持ち、図14の電流ループAを形成した後、次第に減少し、ILiはスイッチング素子Sが導通することで次第に増加していく。そして、ILoとILiが同じ電流値となったときに、スイッチング素子S(この場合ダイオード)は遮断し、スイッチング素子Sを含まない電流ループを形成し、ILo=ILiの状態を維持したまま、次第に減少していく。
【0044】
そのときのインダクタL2の電流波形を図11に示す。図中、T1は図10の電流ループA’が形成されている期間、T2は図14の電流ループAとBが形成されている期間の電流ILoの波形である。負荷低抵抗時には、ILoの初期値i0を小さくすることで、ILo=ILiとなるまでの時間が短くなり、すなわち、電源1からインダクタL1に蓄積されるエネルギーが小さくなり、電源1から装置2に流入するエネルギーの量を減らすことができ、異常昇圧状態を回避することができる。
【0045】
また、このスイッチング動作がスイッチング周期の中に含まれておれば効果が得られるのであって、この他に、他のスイッチング状態、例えばすべてのスイッチング素子がオフであるような状態が含まれていても一向に構わない。
以上のように構成することにより、スイッチング素子には互いに打ち消し合う電流が流れ、スイッチング素子の損失が少なくなり、回路の効率を良くした状態にできる上、低負荷抵抗時の異常昇圧現象を回避することができ、素子の耐圧などを低くし、装置の価格を抑えることができる。
【0046】
第8の実施例(請求項8)
第8の実施例の回路図も図3と同じである。この回路においても第1の実施例と同様に、交流電源1より入力された交流電圧が、電源装置2により交流電源1と同期した矩形波電圧に電力変換されて負荷3に印加されるものである。回路としては、昇圧チョッパ回路4と降圧チョッパ回路5がコンデンサCを介して接続されている。したがって、コンデンサCの電圧は電源電圧の最大値及び負荷電圧の両者よりも高い。両チョッパ回路4、5は、それぞれ少なくとも1つ以上のスイッチング素子を含んで構成されており、尚且つ、少なくとも1つのスイッチング素子をこの両回路4、5が共有しているものである。この場合、スイッチング素子としては図5に示すような特性を持つダイオードや、MOS−FET等のダイオードなどが含まれる素子でも良い。
【0047】
動作としては、まず、第5の実施例と同様に、図10に示すように、降圧チョッパ回路において共用していないスイッチング素子を動作させてコンデンサCのエネルギーを負荷3とインダクタL2に供給するループA’を発生させる。なお、この期間には負荷3に流れる電流値を調整する働きがある。次に、ループA’を形成していたスイッチング素子の状態を変化させ、図12に示すように、インダクタL2のエネルギーを負荷3に供給する電流ループA”を発生させ、そのループでインダクタL2のエネルギーを負荷3に供給し、その後、再度兼用されていないSWの状態を変化させ、図14に示すように、インダクタL2のエネルギーを負荷3に供給する電流ループAを発生させ、兼用されているスイッチング素子Sを実質的に導通せしめ、その作用により交流電源1とインダクタL1を短絡させ、インダクタL1にエネルギーを蓄積する電流ループBを生じる、昇圧チョッパ回路の動作を行っている。その際、各電流はスイッチング素子Sにおいて、昇圧チョッパ回路の電流ILiと降圧チョッパ回路の電流ILoとが互いに打ち消す方向に流れるようになっている。
【0048】
そして、定常時よりも負荷3の抵抗分が減少した場合には降圧チョッパ回路の動作を変化させ、図12に示す電流ループA”を形成する期間を長くして、インダクタL2のエネルギーを負荷3に消費させ、電流ループA”の値が小さくなってから電流ループAを形成するように動作させ、その作用によりスイッチング素子Sが実質的に導通する期間を短くするように構成する。
【0049】
その際、ILoは降圧チョッパ回路の電流ループA”を形成する動作(図12参照)により、スイッチング素子Sを導通せしめる時点では初期値i0を持ち、図14のループAを形成した後、次第に減少し、ILiはスイッチング素子Sが導通することで次第に増加していく。そして、ILoとILiが同じ電流値となったときに、スイッチング素子S(この場合ダイオード)は遮断し、スイッチング素子Sを含まない電流ループを形成し、ILo=ILiの状態を維持したまま、次第に減少していく。
【0050】
そのときのインダクタL2の電流波形を図13に示す。図中、T1は図10の電流ループA’が形成されている期間、図12の電流ループA”が形成されている期間、T3は図14の電流ループAとBが形成されている期間の電流ILoの波形である。負荷低抵抗時には、ILoの初期値i0を小さくすることで、ILo=ILiとなるまでの時間が短くなり、すなわち、電源1からインダクタL1に蓄積されるエネルギーが小さくなり、電源1から装置2に流入するエネルギーの量を減らすことができ、異常昇圧状態を回避することができる。
【0051】
また、このスイッチング動作がスイッチング周期の中に含まれておれば効果が得られるのであって、この他に、他のスイッチング状態、例えばすべてのスイッチング素子がオフであるような状態が含まれていても一向に構わない。
以上のように構成することにより、スイッチング素子には互いに打ち消し合う電流が流れ、スイッチング素子の損失が少なくなり、回路の効率を良くした状態にできる上、低負荷抵抗時の異常昇圧現象を回避することができ、素子の耐圧などを低くし、装置の価格を抑えることができる。
【0052】
第9の実施例(請求項9)
図15は第9の実施例の詳細な回路図である。この電源装置は、逆方向通電要素D1,D2をそれぞれ並列に備える第1及び第2のスイッチング素子Q1,Q2を順方向が一致するように直列に接続した回路と、逆方向通電要素D3,D4をそれぞれ並列に備える第3及び第4のスイッチング素子Q3,Q4を順方向が一致するように直列に接続した回路とを同じ極性でコンデンサCと並列に接続し、2つの整流素子D5,D6を直列に接続した回路を前記コンデンサCに対して逆極性となるように並列接続し、前記2つの整流素子D5,D6の接続点と第1及び第2のスイッチング素子Q1,Q2の接続点との間に、交流電源1と第1のインダクタL1の直列回路を接続し、前記第1及び第2のスイッチング素子Q1,Q2の接続点と第3及び第4のスイッチング素子Q3,Q4の接続点との間に、負荷回路3と第2のインダクタL2の直列回路を接続した回路構成を備え、制御回路の作用により、交流電源1の前記2つの整流素子D5,D6の接続点側の極性が正(図16)のときは、図16(a)のように、第2と第3のスイッチング素子Q2,Q3をONし、第1と第4のスイッチング素子Q1,Q4をOFFさせる第1の制御期間の後、図16(b)のように、第1と第3のスイッチング素子Q1,Q3をONし、第2と第4のスイッチング素子Q2,Q4をOFFさせる第2の制御期間を少なくとも含むスイッチング周期の動作を行い、交流電源1の前記2つの整流素子D5,D6の接続点側の極性が負(図17)のときは、図17(a)のように、第1と第4のスイッチング素子Q1,Q4をONし、第2と第3のスイッチング素子Q2,Q3をOFFさせる第3の制御期間の後、図17(b)のように、第2と第4のスイッチング素子Q2,Q4をONし、第1と第3のスイッチング素子Q1,Q3をOFFさせる第4の制御期間を少なくとも含むスイッチング周期の動作を行う電源装置において、負荷抵抗の低下に伴って、第2と第4の制御期間を短くするものである。
【0053】
この実施例の場合、兼用されているスイッチング素子はQ1、Q2である。この第9の実施例は一例であり、回路構成が異なっても構わない。また、スイッチング素子Q1〜Q4及びダイオードD1〜D4の並列接続の部分はMOS−FET等に置き換えてもなんら問題はない。
図16は電源の極性が正極性のとき(整流素子D5、D6の接続点側が正極である場合)のスイッチング動作であり、図17は電源の極性が負極性のとき(整流素子D5、D6の接続点側が負極である場合)のスイッチング動作を示しており、図(a),(b),(c)の順に動作する。
【0054】
図18は電源の極性が正極性のとき(整流素子D5、D6の接続点側が正極である場合)の駆動信号の波形を定常負荷時と低抵抗負荷時について示しており、図19は電源の極性が負極性のとき(整流素子D5、D6の接続点側が負極である場合)の駆動信号の波形を定常負荷時と低抵抗負荷時について示している。
また、図16、17のそれぞれ(a)は図18、図19のT1の期間のSW状態、図16、17のそれぞれ(b)は図18、図19のT2の期間のSW状態、図16、17のそれぞれ(c)は図18、図19のT3の期間のSW状態を示している。入力電力は図18、図19のT2のSWの期間を調整して行う。この負荷状態が異なるときの駆動信号の切り替え方法は、ある特定の負荷抵抗値を境に切り替えても、徐々に変化させても構わない。この実施例は前述の実施例2の回路をより具体的に示したもので、作用等はまったく同様で、兼用されたスイッチング素子の導通期間を制御して異常昇圧を防止することができる。
【0055】
第10の実施例(請求項10)
実施例10の回路構成は図15と同じである。本実施例では、交流電源1の整流素子D5,D6の接続点側の極性が正(図20)のときは、図20(a)のように、第2と第3のスイッチング素子Q2,Q3をONし、第1と第4のスイッチング素子Q1,Q4をOFFさせる第1の制御期間の後、図20(b)のように、すべてのスイッチング素子Q1〜Q4をOFFさせる第2の制御期間を少なくとも含むスイッチング周期の動作を行い、交流電源1の前記2つの整流素子の接続点側の極性が負(図21)のときは、図21(a)のように、第1と第4のスイッチング素子Q1,Q4をONし、第2と第3のスイッチング素子Q2,Q3をOFFさせる第3の制御期間の後、図21(b)のように、すべてのスイッチング素子Q1〜Q4をOFFさせる第4の制御期間を少なくとも含むスイッチング周期の動作を行う電源装置において、負荷抵抗の低下に伴って、第1と第3の制御期間を短くするものである。
【0056】
図20は電源の極性が正極性のとき(整流素子D5、D6の接続点側が正極である場合)のスイッチング動作であり、図21は電源の極性が負極性のとき(整流素子D5、D6の接続点側が負極である場合)のスイッチング動作を示しており、図(a),(b)の順に動作する。
図22は電源の極性が正極性のとき(整流素子D5、D6の接続点側が正極である場合)の駆動信号の波形を定常負荷時と低抵抗負荷時について示しており、図23は電源の極性が負極性のとき(整流素子D5、D6の接続点側が負極である場合)の駆動信号の波形を定常負荷時と低抵抗負荷時について示している。
【0057】
また、図20、21のそれぞれ(a)は図22、図23のT1の期間のSW状態、図20、21のそれぞれ(b)は図22、図23のT2の期間のSW状態を示している。入力電力は図22、図23のT1のSWの期間を調整して行う。この負荷状態が異なるときの駆動信号の切り替え方法は、ある特定の負荷抵抗値を境に切り替えても、徐々に変化させても構わない。この実施例は前述の実施例5の回路をより具体的に示したもので、作用等はまったく同様で、兼用されたスイッチング素子の導通期間を制御して異常昇圧を防止することができる。
【0058】
第11の実施例(請求項11)
実施例11の回路構成は図15と同じである。本実施例では、交流電源1の前記2つの整流素子D5,D6の接続点側の極性が正(図24)のときは、図24(a)のように、第2と第3のスイッチング素子Q2,Q3をONし、第1と第4のスイッチング素子Q1,Q4をOFFさせる第1の制御期間の後、図24(b)のように、第2のスイッチング素子Q2をONし、第1、第3、第4のスイッチング素子Q1,Q3,Q4をOFFさせる第2の制御期間を設け、その後、図24(c)のように、すべてのスイッチング素子Q1〜Q4をOFFさせる第3の制御期間を少なくとも含むスイッチング周期の動作を行い、交流電源1の前記2つの整流素子D5,D6の接続点側の極性が負(図25)のときは、図25(a)のように、第1と第4のスイッチング素子Q1,Q4をONし、第2と第3のスイッチング素子Q2,Q3をOFFさせる第4の制御期間の後、図25(b)のように、第1のスイッチング素子Q1をONし、第2、第3、第4のスイッチング素子Q2,Q3,Q4をOFFさせる第5の制御期間を設け、その後、図25(c)のように、すべてのスイッチング素子Q1〜Q4をOFFさせる第6の制御期間を少なくとも含むスイッチング周期の動作を行う電源装置において、負荷抵抗の低下に伴って、第2と第5の制御期間を短くするものである。
【0059】
図24は電源の極性が正極性のとき(整流素子D5、D6の接続点側が正極である場合)のスイッチング動作であり、図25は電源の極性が負極性のとき(整流素子D5、D6の接続点側が負極である場合)のスイッチング動作を示しており、図(a),(b),(c)の順に動作する。
図26は電源の極性が正極性のとき(整流素子D5、D6の接続点側が正極である場合)の駆動信号の波形を定常負荷時と低抵抗負荷時について示しており、図27は電源の極性が負極性のとき(整流素子D5、D6の接続点側が負極である場合)の駆動信号の波形を定常負荷時と低抵抗負荷時について示している。
【0060】
また、図24、図25のそれぞれ(a)は図26、図27のT1の期間のSW状態、図24、図25のそれぞれ(b)は図26、図27のT2の期間のSW状態、図24、図25のそれぞれ(c)は図26、図27のT3の期間のSW状態を示している。入力電力は図26、図27のT2のSWの期間を調整して行う。この負荷状態が異なるときの駆動信号の切り替え方法は、ある特定の負荷抵抗値を境に切り替えても、徐々に変化させても構わない。この実施例は前述の実施例6の回路をより具体的に示したもので、作用等はまったく同様で、兼用されたスイッチング素子の導通期間を制御して異常昇圧を防止することができる。
【0061】
第12の実施例(請求項12)
実施例12の回路構成は図15と同じである。本実施例では、交流電源1の前記2つの整流素子D5,D6の接続点側の極性が正(図28)のときは、図28(a)のように、第2と第3のスイッチング素子Q2,Q3をONし、第1と第4のスイッチング素子Q1,Q4をOFFさせる第1の制御期間の後、図28(b)のように、第3のスイッチング素子Q3をONし、第1、第2、第4のスイッチング素子Q1,Q2,Q4をOFFさせる第2の制御期間を少なくとも含むスイッチング周期の動作を行い、交流電源1の前記2つの整流素子D5,D6の接続点側の極性が負(図29)のときは、図29(a)のように、第1と第4のスイッチング素子Q1,Q4をONし、第2と第3のスイッチング素子Q2,Q3をOFFさせる第3の制御期間の後、図29(b)のように、第4のスイッチング素子Q4をONし、第1、第2、第3のスイッチング素子Q1,Q2,Q3をOFFさせる第4の制御期間を少なくとも含むスイッチング周期の動作を行う電源装置において、負荷抵抗の低下に伴って、第1と第3の制御期間を短くするものである。
【0062】
図28は電源の極性が正極性のとき(整流素子D5、D6の接続点側が正極である場合)のスイッチング動作であり、図29は電源の極性が負極性のとき(整流素子D5、D6の接続点側が負極である場合)のスイッチング動作を示しており、図(a),(b),(c)の順に動作する。
図30は電源の極性が正極性のとき(整流素子D5、D6の接続点側が正極である場合)の駆動信号の波形を定常負荷時と低抵抗負荷時について示しており、図31は電源の極性が負極性のとき(整流素子D5、D6の接続点側が負極である場合)の駆動信号の波形を定常負荷時と低抵抗負荷時について示している。
【0063】
また、図28、図29のそれぞれ(a)は図30、図31のT1の期間のSW状態、図28、図29のそれぞれ(b)は図30、図31のT2の期間のSW状態、図28、図29のそれぞれ(c)は図30、図31のT3の期間のSW状態を示している。入力電力は図30、図31のT1のSWの期間を調整して行う。この負荷状態が異なるときの駆動信号の切り替え方法は、ある特定の負荷抵抗値を境に切り替えても、徐々に変化させても構わない。この実施例は前述の実施例7の回路をより具体的に示したもので、作用等はまったく同様で、兼用されたスイッチング素子の導通期間を制御して異常昇圧を防止することができる。
【0064】
第13の実施例(請求項13)
実施例13の回路構成は図15と同じである。本実施例では、交流電源1の前記2つの整流素子D5,D6の接続点側の極性が正(図32)のときは、図32(a)のように、第2と第3のスイッチング素子Q1,Q3をONし、第1と第4のスイッチング素子Q1,Q4をOFFさせる第1の制御期間の後、図32(b)のように、第2のスイッチング素子Q2をONし、第1、第3、第4のスイッチング素子Q1,Q3,Q4をOFFさせる第2の制御期間を設け、その後、図32(c)のように、第3のスイッチング素子Q3をONし、第1、第2、第4のスイッチング素子Q1,Q2,Q4をOFFさせる第3の制御期間を少なくとも含むスイッチング周期の動作を行い、交流電源1の前記2つの整流素子D5,D6の接続点側の極性が負(図33)のときは、図33(a)のように、第1と第4のスイッチング素子Q1,Q4をONし、第2と第3のスイッチング素子Q2,Q3をOFFさせる第4の制御期間の後、図33(b)のように、第1のスイッチング素子Q1をONし、第2、第3、第4のスイッチング素子Q2,Q3,Q4をOFFさせる第5の制御期間を設け、その後、図33(c)のように、第4のスイッチング素子Q4をONし、第1、第2、第3のスイッチング素子Q1,Q2,Q3をOFFさせる第6の制御期間を少なくとも含むスイッチング周期の動作を行う電源装置において、負荷抵抗の低下に伴って、第2と第5の制御期間を短くするものである。
【0065】
図32は電源の極性が正極性のとき(整流素子D5、D6の接続点側が正極である場合)のスイッチング動作であり、図33は電源の極性が負極性のとき(整流素子D5、D6の接続点側が負極である場合)のスイッチング動作を示しており、図(a),(b),(c),(d)の順に動作する。
図34は電源の極性が正極性のとき(整流素子D5、D6の接続点側が正極である場合)の駆動信号の波形を定常負荷時と低抵抗負荷時について示しており、図35は電源の極性が負極性のとき(整流素子D5、D6の接続点側が負極である場合)の駆動信号の波形を定常負荷時と低抵抗負荷時について示している。
【0066】
また、図32、図33のそれぞれ(a)は図34、図35のT1の期間のSW状態、図32、図33のそれぞれ(b)は図34、図35のT2の期間のSW状態、図32、図33のそれぞれ(c)は図34、図35のT3の期間のSW状態、図32、図33のそれぞれ(d)は図34、図35のT4の期間のSW状態を示している。入力電力は図34、図35のT2、T4のSWの期間を調整して行う。この負荷状態が異なるときの駆動信号の切り替え方法は、ある特定の負荷抵抗値を境に切り替えても、徐々に変化させても構わない。この実施例は前述の実施例8の回路をより具体的に示したもので、作用等はまったく同様で、兼用されたスイッチング素子の導通期間を制御して異常昇圧を防止することができる。
【0067】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、スイッチング素子には互いに打ち消し合う電流が流れ、スイッチング素子の損失が少なくなり、回路の効率を良くした状態にできる上、低負荷抵抗時にも負荷電流を確保しつつ、昇圧チョッパ回路と降圧チョッパ回路の間に介在するコンデンサの異常昇圧現象を回避することができ、素子の耐圧などを低くし、装置の価格を抑えることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の回路図である。
【図2】請求項1の発明の動作波形図である。
【図3】請求項2の発明の回路図である。
【図4】請求項3の発明の回路図である。
【図5】請求項3のスイッチング素子の特性図である。
【図6】請求項3の発明の電流ループを示す等価回路図である。
【図7】請求項3の発明の動作波形図である。
【図8】請求項4の発明の回路図である。
【図9】請求項4の発明の電流ループを示す等価回路図である。
【図10】請求項5の発明の電流ループを示す等価回路図である。
【図11】請求項5の発明の動作波形図である。
【図12】請求項6の発明の電流ループを示す等価回路図である。
【図13】請求項6の発明の動作波形図である。
【図14】請求項7の発明の電流ループを示す等価回路図である。
【図15】請求項9の発明の動作波形図である。
【図16】請求項9の発明の一方の電源極性時の電流ループを示す回路図である。
【図17】請求項9の発明の他方の電源極性時の電流ループを示す回路図である。
【図18】請求項9の発明の一方の電源極性時のスイッチング動作を示す動作説明図である。
【図19】請求項9の発明の他方の電源極性時のスイッチング動作を示す動作説明図である。
【図20】請求項10の発明の一方の電源極性時の電流ループを示す回路図である。
【図21】請求項10の発明の他方の電源極性時の電流ループを示す回路図である。
【図22】請求項10の発明の一方の電源極性時のスイッチング動作を示す動作説明図である。
【図23】請求項10の発明の他方の電源極性時のスイッチング動作を示す動作説明図である。
【図24】請求項11の発明の一方の電源極性時の電流ループを示す回路図である。
【図25】請求項11の発明の他方の電源極性時の電流ループを示す回路図である。
【図26】請求項11の発明の一方の電源極性時のスイッチング動作を示す動作説明図である。
【図27】請求項11の発明の他方の電源極性時のスイッチング動作を示す動作説明図である。
【図28】請求項12の発明の一方の電源極性時の電流ループを示す回路図である。
【図29】請求項12の発明の他方の電源極性時の電流ループを示す回路図である。
【図30】請求項12の発明の一方の電源極性時のスイッチング動作を示す動作説明図である。
【図31】請求項12の発明の他方の電源極性時のスイッチング動作を示す動作説明図である。
【図32】請求項13の発明の一方の電源極性時の電流ループを示す回路図である。
【図33】請求項13の発明の他方の電源極性時の電流ループを示す回路図である。
【図34】請求項13の発明の一方の電源極性時のスイッチング動作を示す動作説明図である。
【図35】請求項13の発明の他方の電源極性時のスイッチング動作を示す動作説明図である。
【図36】従来の電源装置の回路図である。
【図37】従来の電源装置の動作波形図である。
【符号の説明】
1 交流電源
2 電源装置
3 負荷回路
4 昇圧チョッパ回路
5 降圧チョッパ回路
L1 第1のインダクタ
L2 第2のインダクタ
C コンデンサ
S スイッチング素子
Claims (17)
- 交流電源を入力され少なくとも1つのスイッチング素子と少なくとも1つの第1のインダクタとを備えた少なくとも1つの昇圧チョッパ回路と、
少なくとも1つのスイッチング素子と少なくとも1つの第2のインダクタと負荷回路を含み、前記昇圧チョッパ回路に平滑コンデンサを介して接続された少なくとも1つの降圧チョッパ回路とを備え、
前記昇圧チョッパ回路のスイッチング素子と前記降圧チョッパ回路のスイッチング素子を少なくとも1つ兼用し、昇圧動作時の電流と降圧動作時の電流が前記兼用されているスイッチング素子に互いに打ち消す方向に流れる期間を少なくとも生ずるように動作させる制御回路を備え、負荷回路には入力交流電圧と同期した交流電圧を印加する電源装置において、
前記負荷回路は通電開始直後に定常状態に比べて負荷抵抗が低下する負荷を備え、
昇圧チョッパ回路における、電源からの入力端と第1のインダクタとの直列回路を、実質的に導通した前記兼用されたスイッチング素子により短絡して電源から第1のインダクタにエネルギーを蓄積するように作用するスイッチング素子の導通期間を、前記負荷の通電開始直後の負荷抵抗の低下に伴って減少させることを特徴とする電源装置。 - 交流電源を入力され少なくとも1つのスイッチング素子と少なくとも1つの第1のインダクタとを備えた少なくとも1つの昇圧チョッパ回路と、
少なくとも1つのスイッチング素子と少なくとも1つの第2のインダクタと負荷回路を含み、前記昇圧チョッパ回路に平滑コンデンサを介して接続された少なくとも1つの降圧チョッパ回路とを備え、
前記昇圧チョッパ回路のスイッチング素子と前記降圧チョッパ回路のスイッチング素子を少なくとも1つ兼用し、昇圧動作時の電流と降圧動作時の電流が前記兼用されているスイッチング素子に互いに打ち消す方向に流れる期間を少なくとも生ずるように動作させる制御回路を備え、負荷回路には入力交流電圧と同期した交流電圧を印加する電源装置において、
負荷抵抗の低下に伴って、昇圧チョッパ回路における、電源からの入力端と第1のインダクタとの直列回路に接続された前記兼用されたスイッチング素子が導通することにより電源からのエネルギーが第1のインダクタに蓄積するように作用する導通期間を、スイッチング素子の制御信号を制御することにより短くすることを特徴とする請求項1記載の電源装置。 - 交流電源を入力され少なくとも1つのスイッチング素子と少なくとも1つの第1のインダクタとを備えた少なくとも1つの昇圧チョッパ回路と、
少なくとも1つのスイッチング素子と少なくとも1つの第2のインダクタと負荷回路を含み、前記昇圧チョッパ回路に平滑コンデンサを介して接続された少なくとも1つの降圧チョッパ回路とを備え、
前記昇圧チョッパ回路のスイッチング素子と前記降圧チョッパ回路のスイッチング素子を少なくとも1つ兼用し、昇圧動作時の電流と降圧動作時の電流が前記兼用されているスイッチング素子に互いに打ち消す方向に流れる期間を少なくとも生ずるように動作させる制御回路を備え、負荷回路には入力交流電圧と同期した交流電圧を印加する電源装置において、
負荷抵抗の低下に伴って、降圧チョッパ回路において、インダクタのエネルギーを負荷及び前記平滑コンデンサに供給し、且つ兼用されたスイッチング素子を含む電流ループを生じ、その電流の作用により兼用されたスイッチング素子を実質的に導通せしめる時点の電流値を小さくすることにより、昇圧チョッパ回路において、電源からの入力端と第1のインダクタとの直列回路に接続された前記兼用されたスイッチング素子が前記降圧チョッパ回路の電流ループの作用により実質的に導通し、電源からのエネルギーが第1のインダクタに蓄積するように作用するスイッチング素子の実質的な導通期間を短くすることを特徴とする請求項1記載の電源装置。 - 交流電源を入力され少なくとも1つのスイッチング素子と少なくとも1つの第1のインダクタとを備えた少なくとも1つの昇圧チョッパ回路と、
少なくとも1つのスイッチング素子と少なくとも1つの第2のインダクタと負荷回路を含み、前記昇圧チョッパ回路に平滑コンデンサを介して接続された少なくとも1つの降圧チョッパ回路とを備え、
前記昇圧チョッパ回路のスイッチング素子と前記降圧チョッパ回路のスイッチング素子を少なくとも1つ兼用し、昇圧動作時の電流と降圧動作時の電流が前記兼用されているスイッチング素子に互いに打ち消す方向に流れる期間を少なくとも生ずるように動作させる制御回路を備え、負荷回路には入力交流電圧と同期した交流電圧を印加する電源装置において、
負荷抵抗の低下に伴って、降圧チョッパ回路において、第2のインダクタのエネルギーを負荷に供給し、且つ兼用されたスイッチング素子を含む電流ループを生じ、その電流の作用により兼用されたスイッチング素子を実質的に導通せしめる時点の電流値を小さくすることにより、昇圧チョッパ回路において、電源からの入力端と第1のインダクタとの直列回路に接続された前記兼用されたスイッチング素子が前記降圧チョッパ回路の電流ループの作用により実質的に導通し、電源からのエネルギーが第1のインダクタに蓄積するように作用するスイッチング素子の実質的な導通期間を短くすることを特徴とする請求項1記載の電源装置。 - 交流電源を入力され少なくとも1つのスイッチング素子と少なくとも1つの第1のインダクタとを備えた少なくとも1つの昇圧チョッパ回路と、
少なくとも1つのスイッチング素子と少なくとも1つの第2のインダクタと負荷回路を含み、前記昇圧チョッパ回路に平滑コンデンサを介して接続された少なくとも1つの降圧チョッパ回路とを備え、
前記昇圧チョッパ回路のスイッチング素子と前記降圧チョッパ回路のスイッチング素子を少なくとも1つ兼用し、昇圧動作時の電流と降圧動作時の電流が前記兼用されているスイッチング素子に互いに打ち消す方向に流れる期間を少なくとも生ずるように動作させる制御回路を備え、負荷回路には入力交流電圧と同期した交流電圧を印加する電源装置において、
負荷抵抗の低下に伴って、降圧チョッパ回路において、スイッチング素子の動作周期のうち、前記平滑コンデンサのエネルギーを負荷と第2のインダクタの直列回路に供給する期間を短くして、第2のインダクタのエネルギーを負荷及び前記平滑コンデンサに供給し、且つ兼用されたスイッチング素子を含む電流ループを生じ、その電流の作用により兼用されたスイッチング素子を実質的に導通せしめる時点の電流値を小さくすることにより、昇圧チョッパ回路において、電源からの入力端と第1のインダクタとの直列回路に接続された前記兼用されたスイッチング素子が前記降圧チョッパ回路の電流ループの作用により実質的に導通し、電源からのエネルギーが第1のインダクタに蓄積するように作用するスイッチング素子の実質的な導通期間を短くすることを特徴とする請求項3記載の電源装置。 - 交流電源を入力され少なくとも1つのスイッチング素子と少なくとも1つの第1のインダクタとを備えた少なくとも1つの昇圧チョッパ回路と、
少なくとも1つのスイッチング素子と少なくとも1つの第2のインダクタと負荷回路を含み、前記昇圧チョッパ回路に平滑コンデンサを介して接続された少なくとも1つの降圧チョッパ回路とを備え、
前記昇圧チョッパ回路のスイッチング素子と前記降圧チョッパ回路のスイッチング素子を少なくとも1つ兼用し、昇圧動作時の電流と降圧動作時の電流が前記兼用されているスイッチング素子に互いに打ち消す方向に流れる期間を少なくとも生ずるように動作させる制御回路を備え、負荷回路には入力交流電圧と同期した交流電圧を印加する電源装置において、
負荷抵抗の低下に伴って、前記降圧チョッパ回路において、スイッチング素子の動作周期のうち、第2のインダクタに蓄積されたエネルギーを負荷のみに供給する期間を長くして、第2のインダクタのエネルギーを負荷及び前記平滑コンデンサに供給し、且つ兼用されたスイッチング素子を含む電流ループを生じ、その電流の作用により兼用されたスイッチング素子を実質的に導通せしめる時点の電流値を小さくすることにより、昇圧チョッパ回路において、電源からの入力端と第1のインダクタとの直列回路に接続された前記兼用されたスイッチング素子が前記降圧チョッパ回路の電流ループの作用により実質的に導通し、電源からのエネルギーが第1のインダクタに蓄積するように作用するスイッチング素子の実質的な導通期間を短くすることを特徴とする請求項3記載の電源装置。 - 交流電源を入力され少なくとも1つのスイッチング素子と少なくとも1つの第1のインダクタとを備えた少なくとも1つの昇圧チョッパ回路と、
少なくとも1つのスイッチング素子と少なくとも1つの第2のインダクタと負荷回路を含み、前記昇圧チョッパ回路に平滑コンデンサを介して接続された少なくとも1つの降圧チョッパ回路とを備え、
前記昇圧チョッパ回路のスイッチング素子と前記降圧チョッパ回路のスイッチング素子を少なくとも1つ兼用し、昇圧動作時の電流と降圧動作時の電流が前記兼用されているスイッチング素子に互いに打ち消す方向に流れる期間を少なくとも生ずるように動作させる制御回路を備え、負荷回路には入力交流電圧と同期した交流電圧を印加する電源装置において、
負荷抵抗の低下に伴って、降圧チョッパ回路においてスイッチング素子の動作周期のうち、前記平滑コンデンサのエネルギーを負荷とインダクタの直列回路に供給する期間を短くして、第2のインダクタのエネルギーを負荷に供給し、且つ兼用されたスイッチング素子を含む電流ループを生じ、その電流の作用により兼用されたスイッチング素子を実質的に導通せしめる時点の電流値を小さくすることにより、昇圧チョッパ回路において、電源からの入力端と第1のインダクタとの直列回路に接続された前記兼用されたスイッチング素子が前記降圧チョッパ回路の電流ループの作用により実質的に導通し、電源からのエネルギーが第1のインダクタに蓄積するように作用するスイッチング素子の実質的な導通期間を短くすることを特徴とする請求項4記載の電源装置。 - 交流電源を入力され少なくとも1つのスイッチング素子と少なくとも1つの第1のインダクタとを備えた少なくとも1つの昇圧チョッパ回路と、
少なくとも1つのスイッチング素子と少なくとも1つの第2のインダクタと負荷回路を含み、前記昇圧チョッパ回路に平滑コンデンサを介して接続された少なくとも1つの降圧チョッパ回路とを備え、
前記昇圧チョッパ回路のスイッチング素子と前記降圧チョッパ回路のスイッチング素子を少なくとも1つ兼用し、昇圧動作時の電流と降圧動作時の電流が前記兼用されているスイッチング素子に互いに打ち消す方向に流れる期間を少なくとも生ずるように動作させる制御回路を備え、負荷回路には入力交流電圧と同期した交流電圧を印加する電源装置において、
負荷抵抗の低下に伴って、前記降圧チョッパ回路においてスイッチング素子の動作周期のうち、第2のインダクタに蓄積されたエネルギーを負荷のみに供給する期間を長くして、第2のインダクタのエネルギーを負荷に供給し、且つ兼用されたスイッチング素子を含む電流ループを生じ、その電流の作用により兼用されたスイッチング素子を実質的に導通せしめる時点の電流値を小さくすることにより、昇圧チョッパ回路において、電源からの入力端と第1のインダクタとの直列回路に接続された前記兼用されたスイッチング素子が前記降圧チョッパ回路の電流ループの作用により実質的に導通し、電源からのエネルギーが第1のインダクタに蓄積するように作用するスイッチング素子の実質的な導通期間を短くすることを特徴とする請求項4記載の電源装置。 - 逆方向通電要素をそれぞれ並列に備える第1及び第2のスイッチング素子を順方向が一致するように直列に接続した回路と、逆方向通電要素をそれぞれ並列に備える第3及び第4のスイッチング素子を順方向が一致するように直列に接続した回路とを同じ極性で平滑コンデンサと並列に接続し、2つの整流素子を直列に接続した回路を前記平滑コンデンサに対して逆極性となるように並列接続し、前記2つの整流素子の接続点と第1及び第2のスイッチング素子の接続点との間に、交流電源と第1のインダクタの直列回路を接続し、前記第1及び第2のスイッチング素子の接続点と第3及び第4のスイッチング素子の接続点との間に、負荷回路と第2のインダクタの直列回路を接続した回路構成を備え、制御回路の作用により、交流電源の前記2つの整流素子の接続点側の極性が正のときは、第2と第3のスイッチング素子をONし、第1と第4のスイッチング素子をOFFさせる第1の制御期間の後、第1と第3のスイッチング素子をONし、第2と第4のスイッチング素子をOFFさせる第2の制御期間を少なくとも含むスイッチング周期の動作を行い、交流電源の前記2つの整流素子の接続点側の極性が負のときは、第1と第4のスイッチング素子をONし、第2と第3のスイッチング素子をOFFさせる第3の制御期間の後、第2と第4のスイッチング素子をONし、第1と第3のスイッチング素子をOFFさせる第4の制御期間を少なくとも含むスイッチング周期の動作を行う請求項2の電源装置において、負荷抵抗の低下に伴って、第2と第4の制御期間を短くすることを特徴とする電源装置。
- 逆方向通電要素をそれぞれ並列に備える第1及び第2のスイッチング素子を順方向が一致するように直列に接続した回路と、逆方向通電要素をそれぞれ並列に備える第3及び第4のスイッチング素子を順方向が一致するように直列に接続した回路とを同じ極性で平滑コンデンサと並列に接続し、2つの整流素子を直列に接続した回路を前記平滑コンデンサに対して逆極性となるように並列接続し、前記2つの整流素子の接続点と第1及び第2のスイッチング素子の接続点との間に、交流電源と第1のインダクタの直列回路を接続し、前記第1及び第2のスイッチング素子の接続点と第3及び第4のスイッチング素子の接続点との間に、負荷回路と第2のインダクタの直列回路を接続した回路構成を備え、制御回路の作用により、交流電源の前記2つの整流素子の接続点側の極性が正のときは、第2と第3のスイッチング素子をONし、第1と第4のスイッチング素子をOFFさせる第1の制御期間の後、すべてのスイッチング素子をOFFさせる第2の制御期間を少なくとも含むスイッチング周期の動作を行い、交流電源の前記2つの整流素子の接続点側の極性が負のときは、第1と第4のスイッチング素子をONし、第2と第3のスイッチング素子をOFFさせる第3の制御期間の後、すべてのスイッチング素子をOFFさせる第4の制御期間を少なくとも含むスイッチング周期の動作を行う請求項5の電源装置において、負荷抵抗の低下に伴って、第1と第3の制御期間を短くすることを特徴とする電源装置。
- 逆方向通電要素をそれぞれ並列に備える第1及び第2のスイッチング素子を順方向が一致するように直列に接続した回路と、逆方向通電要素をそれぞれ並列に備える第3及び第4のスイッチング素子を順方向が一致するように直列に接続した回路とを同じ極性で平滑コンデンサと並列に接続し、2つの整流素子を直列に接続した回路を前記平滑コンデンサに対して逆極性となるように並列接続し、前記2つの整流素子の接続点と第1及び第2のスイッチング素子の接続点との間に、交流電源と第1のインダクタの直列回路を接続し、前記第1及び第2のスイッチング素子の接続点と第3及び第4のスイッチング素子の接続点との間に、負荷回路と第2のインダクタの直列回路を接続した回路構成を備え、制御回路の作用により、交流電源の前記2つの整流素子の接続点側の極性が正のときは、第2と第3のスイッチング素子をONし、第1と第4のスイッチング素子をOFFさせる第1の制御期間の後、第2のスイッチング素子をONし、第1、第3、第4のスイッチング素子をOFFさせる第2の制御期間を設け、その後、すべてのスイッチング素子をOFFさせる第3の制御期間を少なくとも含むスイッチング周期の動作を行い、交流電源の前記2つの整流素子の接続点側の極性が負のときは、第1と第4のスイッチング素子をONし、第2と第3のスイッチング素子をOFFさせる第4の制御期間の後、第1のスイッチング素子をONし、第2、第3、第4のスイッチング素子をOFFさせる第5の制御期間を設け、その後、すべてのスイッチング素子をOFFさせる第6の制御期間を少なくとも含むスイッチング周期の動作を行う請求項6の電源装置において、負荷抵抗の低下に伴って、第2と第5の制御期間を短くすることを特徴とする電源装置。
- 逆方向通電要素をそれぞれ並列に備える第1及び第2のスイッチング素子を順方向が一致するように直列に接続した回路と、逆方向通電要素をそれぞれ並列に備える第3及び第4のスイッチング素子を順方向が一致するように直列に接続した回路とを同じ極性で平滑コンデンサと並列に接続し、2つの整流素子を直列に接続した回路を前記平滑コンデンサに対して逆極性となるように並列接続し、前記2つの整流素子の接続点と第1及び第2のスイッチング素子の接続点との間に、交流電源と第1のインダクタの直列回路を接続し、前記第1及び第2のスイッチング素子の接続点と第3及び第4のスイッチング素子の接続点との間に、負荷回路と第2のインダクタの直列回路を接続した回路構成を備え、制御回路の作用により、交流電源の前記2つの整流素子の接続点側の極性が正のときは、第2と第3のスイッチング素子をONし、第1と第4のスイッチング素子をOFFさせる第1の制御期間の後、第3のスイッチング素子をONし、第1、第2、第4のスイッチング素子をOFFさせる第2の制御期間を少なくとも含むスイッチング周期の動作を行い、交流電源の前記2つの整流素子の接続点側の極性が負のときは、第1と第4のスイッチング素子をONし、第2と第3のスイッチング素子をOFFさせる第3の制御期間の後、第4のスイッチング素子をONし、第1、第2、第3のスイッチング素子をOFFさせる第4の制御期間を少なくとも含むスイッチング周期の動作を行う請求項7の電源装置において、負荷抵抗の低下に伴って、第1と第3の制御期間を短くすることを特徴とする電源装置。
- 逆方向通電要素をそれぞれ並列に備える第1及び第2のスイッチング素子を順方向が一致するように直列に接続した回路と、逆方向通電要素をそれぞれ並列に備える第3及び第4のスイッチング素子を順方向が一致するように直列に接続した回路とを同じ極性で平滑コンデンサと並列に接続し、2つの整流素子を直列に接続した回路を前記平滑コンデンサに対して逆極性となるように並列接続し、前記2つの整流素子の接続点と第1及び第2のスイッチング素子の接続点との間に、交流電源と第1のインダクタの直列回路を接続し、前記第1及び第2のスイッチング素子の接続点と第3及び第4のスイッチング素子の接続点との間に、負荷回路と第2のインダクタの直列回路を接続した回路構成を備え、制御回路の作用により、交流電源の前記2つの整流素子の接続点側の極性が正のときは、第2と第3のスイッチング素子をONし、第1と第4のスイッチング素子をOFFさせる第1の制御期間の後、第2のスイッチング素子をONし、第1、第3、第4のスイッチング素子をOFFさせる第2の制御期間を設け、その後、第3のスイッチング素子をONし、第1、第2、第4のスイッチング素子をOFFさせる第3の制御期間を少なくとも含むスイッチング周期の動作を行い、交流電源の前記2つの整流素子の接続点側の極性が負のときは、第1と第4のスイッチング素子をONし、第2と第3のスイッチング素子をOFFさせる第4の制御期間の後、第1のスイッチング素子をONし、第2、第3、第4のスイッチング素子をOFFさせる第5の制御期間を設け、その後、第4のスイッチング素子をONし、第1、第2、第3のスイッチング素子をOFFさせる第6の制御期間を少なくとも含むスイッチング周期の動作を行う請求項8の電源装置において、負荷抵抗の低下に伴って、第2と第5の制御期間を短くすることを特徴とする電源装置。
- 逆方向通電要素をそれぞれ並列に備えるスイッチング素子は、MOSFETのように逆方向電流を阻止することのできないスイッチング素子で構成されていることを特徴とする請求項9乃至13のいずれかに記載の電源装置。
- 負荷は放電灯であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の電源装置。
- 昇圧チョッパ回路を昇降圧チョッパ回路に置き換えたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の電源装置。
- 交流電源を入力され少なくとも1つのスイッチング素子と少なくとも1つの第1のインダクタとを備えた少なくとも1つの昇圧チョッパ回路と、
少なくとも1つのスイッチング素子と少なくとも1つの第2のインダクタと負荷回路を含み、前記昇圧チョッパ回路に平滑コンデンサを介して接続された少なくとも1つの降圧チョッパ回路とを備え、
前記昇圧チョッパ回路のスイッチング素子と前記降圧チョッパ回路のスイッチング素子を少なくとも1つ兼用し、昇圧動作時の電流と降圧動作時の電流が前記兼用されているスイッチング素子に互いに打ち消す方向に流れる期間を少なくとも生ずるように動作させる制御回路を備え、負荷回路には入力交流電圧と同期した交流電圧を印加する電源装置において、
前記負荷回路は通電開始直後に定常状態に比べて負荷抵抗が低下する負荷を備え、
昇圧チョッパ回路における、電源からの入力端と第1のインダクタとの直列回路を実質的に導通した前記兼用されたスイッチング素子により短絡して電源から第1のインダクタにエネルギーを蓄積するように作用するスイッチング素子の導通期間を、
前記負荷の通電開始直後の負荷抵抗の低下に伴って、降圧チョッパ回路における、前記平滑コンデンサのエネルギーを負荷と第2のインダクタの直列回路に供給する期間に比べて相対的に減少させることを特徴とする電源装置。
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