JP4465789B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電灯点灯装置に関するものであり、特にプロジェクタなどの産業用機器に内蔵されるHIDランプの点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プロジェクタは、光源として使用されるメタルハライドランプや超高圧水銀灯などの放電灯を有する放電灯点灯装置を本体内部に備えている。このようなプロジェクタは本体を小型軽量化するために、本体に内蔵される放電灯点灯装置の小型軽量化が要求されている。また、放電灯点灯装置の小型軽量化を図るには、一般的に信頼性を高めるため、放電灯点灯装置の回路でのエネルギーロスを低減して回路効率を高め、回路での発熱を抑えることが必要となる。
【0003】
メタルハライドランプなどのHIDランプを点灯するための放電灯点灯装置には、一般的に降圧チョッパー回路が利用され、放電灯の始動過程において必要な無負荷2次電圧を確保し、点灯後の放電灯に安定な電力を供給し易くしている。
【0004】
降圧チョッパー回路の基本回路は、例えば図11(a),(b)に示すように、直流電源DCと、直流電源DCに直列に接続されたスイッチング素子SW11およびフライホイールダイオードD10の直列回路と、フライホイールダイオードD10に並列接続するインダクタL10及びコンデンサC10からなる平滑回路と、コンデンサC10に並列接続する負荷RLとを備えている。
【0005】
このような降圧チョッパー回路は、図12(b)に示すように、スイッチング素子SW11をチョッピング動作することにより、直流電源DCの出力電圧を平滑回路で平滑化し、負荷RLに平滑化された直流電圧を出力するものである。図11(a)に示すように、スイッチング素子SW11がオンしているとき(例えば時刻t0〜t1)には、直流電源DCからスイッチング素子SW11を介して平滑回路に電流が流れ、このときインダクタL10にエネルギーが蓄えられる。そして、図11(b)に示すように、スイッチング素子SW11がオフしているとき(例えば時刻t1〜t2)には、図12(c)に示すようにフライホイールダイオードD10がオンして、インダクタL10に蓄えられたエネルギーは、負荷RLおよびフライホイールダイオードD10を通じてインダクタL10に回生される。このようなスイッチング素子SW11のオン/オフが繰り返されることにより、図12(a)に示すように、インダクタL10にはスイッチング素子SW11がオンしているときに増加し、オフしているときに減少する電流ILが流れ、この電流ILが平滑化されて負荷RLに安定した直流電力が供給される。
【0006】
また、上述のような降圧チョッパー回路の回路効率を向上させた同期整流方式の降圧回路が既に提供されている。
【0007】
同期整流方式の降圧回路は、例えば図13(a),(b)に示すように、図11のフライホイールダイオードD10の代わりにスイッチング素子SW12を設け、スイッチング素子SW11,SW12を、図14(b),(c)に示すように、交互にオン/オフさせることで、負荷RLに安定した直流電力を供給している。なお、スイッチング素子SW11,SW12には現行技術ではnチャネル型のパワーMOSFETが利用されることが多く、スイッチング素子SW11,SW12のそれぞれのボディダイオードは直流電源DCに対して逆並列に接続されている。
【0008】
ところで、図11に示す降圧チョッパー回路では、スイッチング素子SW11のオフ期間に回生電流がフライホイールダイオードD10に流れると、図12(c)に示すように、フライホイールダイオードD10に順方向電圧がかかり、フライホイールダイオードD10で順方向ロスが発生する。なおフライホイールダイオードD10の順方向電圧は、一般的に約1.5Vである。
【0009】
これに対して、同期整流方式の降圧回路では、図13(b)に示すように、スイッチング素子SW11がオフ、スイッチング素子SW12がオンしているとき、回生電流はスイッチング素子SW12に流れるのでスイッチング素子SW12のオン抵抗RDS(ON)によるロスが発生する。しかし、現在の半導体技術においては低オン抵抗化が進んでいるため、同期整流方式の降圧回路のスイッチング素子SW12でのロスを、フライホイールダイオードD10でのロスよりも小さくすることでができ、これにより同期整流方式の降圧回路は回路効率を向上させている。
【0010】
しかし、上述ような同期整流方式の降圧回路では、起動時にスイッチング素子SW11が余分に長い時間オンすると、インダクタL10に蓄えられたエネルギーによって、インダクタL10及びコンデンサC10ならびにスイッチング素子SW12に振動(共振)電流が流れ、負荷RLに印加される電圧が瞬間的に過大となり、負荷RLを放電灯としたときには、放電灯を破壊してしまうというという問題がある。
【0011】
このような起動時に生じる過渡的な過電圧の発生を抑制するため、スイッチング素子SW12を起動時から一定時間に限って強制的にオフする同期整流方式の降圧回路を利用したDC−DCコンバータの制御回路が提案されている(特開平11−220874号公報参照)。
【0012】
上述のDC−DCコンバータの制御回路は、ノートパソコンなどの携帯型電子機器に搭載される電池の電圧が使用時間と共に低下しても、負荷側の装置に一定の電圧を供給するものである。
【0013】
スイッチング素子SW12を起動時から一定時間だけ強制的にオフすることにより、スイッチング素子SW11のオフ期間中に流れる振動電流を、スイッチング素子SW12のボディダイオードを介して流し、過渡的な過電圧の発生を抑制している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、負荷RLをHIDランプなどの放電灯にした場合、放電灯の負荷インピーダンスが始動から安定点灯するまで大きく変動する。
【0015】
例えばメタルハライドランプや超高圧水銀灯では始動から安定点灯に至までに毎回、負荷インピーダンスが約0〜∞まで大きく変化する。このような負荷インピーダンスの変化に対して、放電灯点灯装置は、放電灯を安定点灯するため、例えば図15(a)〜(c)に示すように、始動から安定点灯に至までランプ電圧VLaおよびランプ電流ILaならびにランプ電力WLaを制御している。
【0016】
放電灯点灯装置を時刻t0に始動すると、放電灯には無負荷2次電圧V4が印加される。そして、時刻t1で始動用の高圧パルスが印加され、放電灯がブレークオーバーしてアーク放電が始まると、アーク放電を安定に維持するため、ランプ電流ILaを所定の電流値I2に一定に維持する制御が行われる。時刻t2に、ランプ電圧VLaがブレークオーバーしたときの電圧値V1から所定の電圧値V2に達したことを検出すると、放電灯に一定の電力値W1を供給する定電力制御に切り換えられる。最後に、時刻t4でランプ電圧VLaが定格電圧値V3に達し、放電灯は安定点灯状態になる。なお、放電灯によっても異なるが、概ね時刻t0の始動から時刻t4の安定点灯状態に至るまで約3〜5分の時間を要する。
【0017】
さらに、毎回同じ負荷インピーダンスで始動するとは限らず、例えば放電灯を一旦安定点灯させた後、消灯して放電灯の温度が十分に冷えきらないうちに再度始動したとき、始動から安定点灯までの各経過時間におけるランプ電圧の電圧値Vは、前回点灯したときの図15(a)中の実線で示すランプ電圧VLaの値と比べて大きくなり、図15(a)中の点線で示すランプ電圧VLa1に変動する。これと同様に、ランプ電流の電流値Iは、図15(b)中の実線で示すランプ電流ILaの値より小さくなって、図15(b)中の点線で示すランプ電流ILa1に変動し、ランプ電力の電力値Wは、図15(c)中の実線で示すランプ電力WLaの値より大きくなって、図15(c)中の点線で示すランプ電力WLa1に変動する。これにより、ランプ電圧VLa1及びランプ電流ILa1並びにランプ電力WLa1がそれぞれの定格値に達するまでの時間は前回の点灯時より短くなり、始動から安定点灯までの時間が短くなる。このような変動は、放電灯の温度に起因するものであり、再度始動したときには、放電灯の温度が高くなっていることによって放電灯の管内の圧力が増加し、この圧力の増加によってランプ電圧の電圧値Vが大きくなっている。このように放電灯の温度やその他の条件によって、ランプ電圧の電圧値Vが始動から所定の電圧値V2に達する時間、或いは定格電圧値V3に達するまでの時間などが異なってくる。
【0018】
また、放電灯の製造バラツキおよび放電灯の寿命の進行度合、並びにその他の条件によっても、放電灯の始動から安定点灯に至るまでの時間や、放電灯の点き易さが異なる。
【0019】
このように、同期整流型の降圧回路の負荷RLを放電灯とした場合には、放電灯の状態によって始動から安定点灯までの時間が異なるため、スイッチング素子SW12を放電灯の始動から一定時間オフしても、始動時の過渡的な過電圧の発生を十分に抑えることができない場合があるといった問題があった。
【0020】
本発明は上記問題点の解決を目的とするものであり、始動時に生じる過渡的な過電圧の発生を抑制するとともに、エネルギーロスの低減を図った放電灯点灯装置を提供する。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、直流電源と、ダイオードをそれぞれ逆並列に接続し、直流電源に直列接続する第1及び第2のスイッチング素子の直列回路と、第2のスイッチング素子に並列接続するインダクタおよびコンデンサの直列回路と、コンデンサに並列接続する放電灯と、第1及び第2のスイッチング素子をオン/オフする制御手段とを備え、制御手段は、少なくとも放電灯の始動時から、ランプ電流およびランプ電圧ならびにランプ電力のうち少なくとも1つの値が所望の値に達するときまで、第2のスイッチング素子をオフに固定することを特徴とし、第2のスイッチング素子を少なくとも放電灯の始動時にオフに固定することによって、第1のスイッチング素子をオフしたときに流れる振動電流を第2のスイッチング素子に逆並列に接続されたダイオードに流して振動電流の電流値を抑えることができ、過渡的な過電圧の発生を抑制して放電灯の破損を防止するとともに、安定点灯時にはランプ電流およびランプ電圧ならびにランプ電力のうち少なくとも1つの値から放電灯の始動時を判別し、この判別結果に応じて第2のスイッチング素子のオフの固定を解除して、第1及び第2のスイッチング素子を交互にオン/オフする同期整流動作に切り換えてエネルギーロスの低減を図ることができる。
【0022】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、制御手段は、第1のスイッチング素子がオフしてから第2のスイッチング素子がオンするまで第1及び第2のスイッチング素子が共にオフする第1の休止期間と、第2のスイッチング素子がオフしてから第1のスイッチング素子がオンするまで第1及び第2のスイッチング素子が共にオフする第2の休止期間とを設けて、第1及び第2のスイッチング素子をそれぞれ交互にオン/オフするとともに、放電灯の状態に応じて第1の休止期間を変化させることを特徴とし、第1の休止期間を放電灯の状態に応じて変化させることによって、第1及び第2のスイッチング素子が共にオンして直流電源が短絡するの確実に防ぎつつ、第2のスイッチング素子に逆並列に接続されたダイオードに流れる電流によって生じるエネルギーロスを低減することができ、またダイオードからの発熱を抑制してダイオード自体の破壊を防止し、信頼性を向上することができ、その結果、放熱面積を大きくすることなく小型化を図ることができる。
【0023】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、制御手段は、第1の休止期間を、第1のスイッチング素子をオフしてから第1のスイッチング素子に電流が流れないようになるまでの時間より長くすることを特徴とし、直流電源が短絡するのを確実に防ぐことができる。
【0024】
請求項4の発明は、請求項2又は3の発明において、制御手段は、第1の休止期間を少なくとも第2の休止期間よりも短くすることを特徴とし、エネルギーロスの多い第1の休止期間を第2の休止期間より短くすることによって、エネルギーロスを効率良く低減することができる。
【0025】
請求項5の発明は、請求項1〜4の何れかの発明において、放電灯はHIDランプであることを特徴とし、請求項1〜4の何れかの発明と同様の作用を奏する。
【0026】
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れかの発明において、ランプ電流の電流経路に1乃至複数個のスイッチング素子を有し、それぞれのスイッチング素子をオン/オフすることにより放電灯に交番した電圧を印加する極性反転回路を備えたことを特徴とし、請求項1〜5の何れかの発明と同様の作用を奏する。
【0027】
請求項7の発明は、請求項1〜6の何れかの発明において、高圧パルスを発生して放電灯を始動させるイグナイタ回路を備えたことを特徴とし、放電灯を点灯し易くすることができる。
【0028】
請求項8の発明は、請求項1〜7の何れかの発明において、第1のスイッチング素子は、直流電源の正極側に接続され、第2のスイッチング素子は、直流電源の負極側に接続されたことを特徴とし、請求項1〜7の何れかの発明と同様の作用を奏する。
【0029】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
本実施形態の放電灯点灯装置は、図1に示すように、直流電源10と、nチャネル型のMOSFETからなる第1及び第2のスイッチング素子1,2の直列回路と、第2のスイッチング素子2に並列接続するインダクタLおよびコンデンサCの直列回路からなる平滑回路11と、コンデンサCに並列接続する例えばメタルハライドランプ又は超高圧水銀ランプなどの直流点灯型の放電灯La1と、第1及び第2のスイッチング素子1,2を交互にオン/オフする制御回路20と、高圧パルスを発生して放電灯La1を始動させるイグナイタ回路14と、制御回路20からのイグナイタ駆動信号の入力によりイグナイタ回路14を起動させるイグナイタ起動回路12と、平滑回路11のコンデンサCに並列接続して、放電灯La1のランプ電圧VLaに応じた電圧を検出する電圧検出回路13とを備えている。
【0030】
直流電源10は、商用交流電源10aと、商用交流電源10aから出力される交流電力を直流電力に変換するAC−DC変換部10bとからなり、スイッチング素子1は、直流電源10の正極側(ハイサイド)に接続され、第2のスイッチング素子2は、直流電源10の負極側(ローサイド)に接続される。またこのとき、第1及び第2のスイッチング素子1,2のそれぞれのボディダイオードD1,D2は直流電源10に対して逆並列に接続される。
【0031】
イグナイタ起動回路12は、コンデンサCに並列接続される抵抗R1及びコンデンサC2の直列回路と、抵抗R1及びコンデンサC2の接続点に一端を接続するトランスT1の一次巻線T1aと、一次巻線T1aの他端およびコンデンサC,C2の接続点の間にドレイン−ソースが接続されるFETなどのスイッチング素子3とからなる。
【0032】
イグナイタ回路14は、トランスT1の二次巻線T1bと、二次巻線T1bの一端にアノードが接続されるダイオードD3と、二次巻線T1bの他端に接続される放電ギャップGapと、ダイオードD3のカソードと放電ギャップGapとの間に一次巻線T2aが接続され、二次巻線T2bが平滑回路11のインダクタL及びコンデンサCの接続点と放電灯La1との間に接続されるトランスT2と、トランスT2の一次巻線T2aおよび放電ギャップGapの直列回路に並列接続するコンデンサC1とからなる。また、トランスT2の二次巻線T2bと放電灯La1の直列回路には、パルスバイパス用のコンデンサC3が並列接続されている。
【0033】
上述のようなイグナイタ起動回路12は、放電灯La1の始動時に制御回路20から出力されるイグナイタ駆動信号によってスイッチング素子3がオン/オフされ、イグナイタ回路14のトランスT1の二次巻線T1bに昇圧した電圧を出力させる。イグナイタ回路14のコンデンサC1は、トランスT1の二次巻線T1bから出力された電圧によりに電荷が蓄積され、コンデンサC1の電圧値の上昇により放電ギャップGapがブレークすると、コンデンサC1に蓄積された電荷が放電され、トランスT2の2次巻線T2bから放電灯La1に高圧パルスが印加される。放電灯La1はこの高圧パルスによりブレークオーバーして点灯を開始する。
【0034】
電圧検出回路13は、抵抗R2,R3の直列回路からなり、抵抗R2は、イグナイタ回路14のトランスT2の二次巻線T2bを介して放電灯La1の一端に接続され、抵抗R3は抵抗R4を介して放電灯La1の他端に接続されている。このような電圧検出回路13は、ランプ電圧VLaを分圧してランプ電圧検出信号として制御回路20に出力する。
【0035】
制御回路20は、上述の電圧検出回路13から出力されるランプ電圧検出信号を入力するとともに、放電灯La1に流れるランプ電流をランプ電流検出信号として入力し、ランプ電圧検出信号とランプ電流検出信号に応じて第1及び第2のスイッチング素子1,2およびイグナイタ起動回路12を制御する。
【0036】
この制御回路20は、図2に示すように、ランプ電圧検出信号およびランプ電流検出信号を入力して必要なフィードバックレベルを演算し、レベル信号を出力する演算部21と、レベル信号に応じてハイサイドの第1のスイッチング素子1を駆動するハイサイド駆動用の矩形波信号を出力するPWM制御用IC22と、ハイサイド駆動用の矩形波信号を第1のスイッチング素子1のゲート−ソース間に伝達するハイサイド駆動信号出力部23aと、ハイサイド駆動用の矩形波信号を入力してローサイドの第2のスイッチング素子2を駆動するローサイド駆動用の矩形波信号を作成し、ハイサイド駆動用の矩形波信号から所定のタイミングで出力する単安定マルチバイブレータ(以下、「単安定マルチ」と略す)MM1,MM2と、単安定マルチMM1,MM2により出力されたローサイド駆動用の矩形波信号を第2のスイッチング素子2のゲート−ソース間に伝達するローサイド駆動信号出力部23bとを備えている。さらに制御回路20は、演算部21からのレベル信号の電圧値と基準電圧値とを比較し、比較信号を出力する比較部24と、比較部24からの比較信号によりオン/オフしてローサイド駆動信号出力部23bからのローサイド駆動用の矩形波信号の出力を強制的に停止するトランジスタなどのスイッチング素子SW6と、ランプ電圧検出信号に応じてイグナイタ駆動信号を出力してイグナイタ起動回路12のスイッチング素子3をオン/オフするイグナイタ駆動信号出力部25とを備えている。
【0037】
PWM制御用IC22には、それぞれ一端を接地した抵抗Rt22とコンデンサCt22が接続されており、PWM制御用IC22から出力する矩形波信号の発振周波数は、抵抗Rt22の抵抗値とコンデンサCt22の容量値によって決まる。
【0038】
単安定マルチMM1,MM2にも同様に、それぞれ一端を接地した抵抗Rt1,Rt2とコンデンサCt1,Ct2が接続され、単安定マルチMM1の入力端BはPWM制御用IC22の出力端に接続し、単安定マルチMM2の入力端Bは単安定マルチMM1の出力端Cに接続している。
【0039】
この単安定マルチMM1,MM2は、電圧制御型の単安定マルチMMであって、図3に示すように、それぞれ一端を接地した抵抗RtとコンデンサCtを接続して用いられる。例えば図4に示すように、入力端Aにコントロール電圧Vcが入力され(図4(a)参照)、入力端Bに信号出力部50からのトリガ信号が入力したとき(図4(b)参照)、単安定マルチMMは、トリガ信号の立下りでトリガされて、コントロール電圧Vcの電圧値および抵抗Rtの抵抗値ならびにコンデンサCtの容量値に応じたパルス幅Wmmの矩形波信号を出力端Cから出力する(図4(c)参照)。
【0040】
つまり、単安定マルチMM1は、入力端Bにハイサイド駆動用の矩形波信号を入力し、この矩形波信号の立下りでトリガされて、抵抗R13,14で分圧されて入力端Aに入力するコントロール電圧Vc1の電圧値および抵抗Rt1の抵抗値ならびにコンデンサCt1の容量値に応じたパルス幅Wmm1の矩形波信号を出力端Cから単安定マルチMM2に出力する。そして、単安定マルチMM2は、入力端Bに入力される単安定マルチMM1からの矩形信号の立下りでトリガされて、抵抗R15,R16で分圧されて入力端Aに入力するコントロール電圧Vc2の電圧値および抵抗Rt2の抵抗値ならびにコンデンサCt2の容量値に応じたパルス幅Wmm2の矩形波信号を出力端Cからローサイド駆動信号出力部23bに出力する。
【0041】
このような単安定マルチMM1,MM2とPWM制御用ICの一連の動作について、図5に基づいて以下に説明する。
【0042】
図5(a)に示すように、PWM制御用IC22から演算部21のレベル信号に応じたパルス幅W22および発振周期Ta1のハイサイド駆動用の矩形波信号が出力される。この矩形波信号がハイサイド駆動信号出力部23aから第1のスイッチング素子1に伝達されて、第1のスイッチング素子1は矩形波信号のパルス幅W22の間、オンする。
【0043】
次に、上述のハイサイド駆動用の矩形波信号がトリガ信号として単安定マルチMM1の入力端Bに入力すると、図5(b)に示すように、単安定マルチMM1はパルス幅Wmm1の矩形波信号を出力する。
【0044】
さらに、単安定マルチMM1から出力された矩形波信号がトリガ信号として単安定マルチMM2の入力端Bに入力すると、図5(c)に示すように、単安定マルチMM2はパルス幅Wmm2のローサイド駆動用の矩形波信号を出力する。この矩形波信号がローサイド駆動信号出力部23bから第2のスイッチング素子2に伝達されて、第2のスイッチング素子2は矩形波信号のパルス幅Wmm2の間、オンする。
【0045】
その結果、図5(b)に示す単安定マルチMM1からパルス幅Wmm1の矩形波信号が出力されている間は、第1のスイッチング素子1がオフしてから第2のスイッチング素子2がオンするまで第1及び第2のスイッチング素子1,2が共にオフする第1の休止期間Td1となる。そして、単安定マルチMM2から出力される矩形波信号のパルス幅Wmm2が、Wmm2<(Ta1−W22−Wmm1)の関係を満みたすように抵抗R15,R16,Rt2の抵抗値およびコンデンサCt2の容量値を設定することで、第2のスイッチング素子2がオフしてから第1のスイッチング素子1がオンするまで第1及び第2のスイッチング素子1,2が共にオフする第2の休止期間Td2を設けている。このように、制御回路20は第1及び第2の休止期間を設けて、第1及び第2のスイッチング素子1,2をそれぞれ交互にオン/オフすることによって、第1及び第2のスイッチング素子1,2が共にオンして直流電源10が短絡するのを防ぐことができる。
【0046】
ところで、上述のような本実施形態の放電灯点灯装置を始動してから安定点灯に至るまでの動作について、図6に基づいて以下に説明する。
【0047】
図6(a),(b)に示すように、時刻t0で直流電源10のAC−DC変換部10bから直流電力が出力され、放電灯La1に無負荷2次電圧V4が印加される。このとき、放電灯La1は点灯せず、制御回路20の演算部21はランプ電圧検出信号及びランプ電流検出信号を入力してレベル信号を出力する。このレベル信号の出力により、上述のようにハイサイド駆動信号出力部23a及びローサイド駆動信号出力部23bはそれぞれハイサイド駆動用およびローサイド駆動用の矩形波信号を入力する。比較部24は、レベル信号を入力してレベル信号の電圧値を基準電圧値と比較し、Lレベルの比較信号を抵抗R17を介してスイッチング素子SW6に出力する。比較部24からLレベルの比較信号が出力されている間、スイッチング素子SW6はオフに維持され、上述の単安定マルチMM2からローサイド駆動用の矩形波信号が出力されないようにしている。その結果、制御回路20は放電灯La1の始動時、図6(d)に示すように、第2のスイッチング素子2のゲート−ソース間に矩形波信号を出力せずに第2のスイッチング素子2をオフに固定する。そして、図6(c)に示すように、ハイサイド駆動信号出力部23aからのみ第1のスイッチング素子1に矩形波信号が出力されて第1のスイッチング素子1はオン/オフを繰り返す。このとき、第1及び第2のスイッチング素子1,2が共にオフしたときには、平滑回路11のインダクタLに蓄えられたエネルギーは、第2のスイッチング素子2のボディダイオードD2を介して回生される。
【0048】
制御回路20は、ランプ電圧検出信号によりイグナイタ駆動信号出力部25からイグナイタ駆動信号をイグナイタ起動回路12に出力し、時刻t1において、高圧パルスがイタイグナイタ回路14から放電灯La1に印加され、放電灯La1はブレークオーバーしてアーク放電を開始する。そして時刻t2にランプ電圧VLaが予め設定された電圧値V2に達すると、演算部21は、レベル信号の電圧値を変化させて、比較部24からHレベルの信号を出力させてスイッチング素子SW6をオンする。その結果、単安定マルチMM2からのローサイド駆動用の矩形波信号が、ローサイド駆動信号出力部23bを介して第2のスイッチング素子2のゲート−ソース間に伝達されて、図6(c),(d)に示すように、第1及び第2のスイッチング素子1,2はそれぞれ交互にオン/オフする同期整流動作を開始する。そして最後に、図6(a),(b)に示すように、時刻t3でランプ電流ILa及びランプ電圧VLaは定格値に達し、放電灯La1は安定点灯する。
【0049】
このように本実施形態の制御回路20は、放電灯La1の始動時、すなわち放電灯La1の始動からランプ電圧VLaが設定された電圧値V2に達するときまで第2のスイッチング素子2をオフに固定することによって、第1のスイッチング素子1がオフしたときに流れる振動電流を第2のスイッチング素子2のボディダイオードD2に流して振動電流の電流値を抑えることができ、過渡的な過電圧の発生を抑制して放電灯La1の破損を防止することができる。さらに、放電灯La1の始動後、すなわちランプ電圧VLaが電圧値V2に達すると、第2のスイッチング素子2のオフの固定を解除して、第1及び第2のスイッチング素子1,2を交互にオン/オフする同期整流動作に切り換えてエネルギーロスの低減を図ることができる。本実施形態ではランプ電圧VLaが所定の値に達するときまでを始動時として第2のスイッチング素子2をオフに固定したが、ランプ電圧VLa及びランプ電流ILa並びにランプ電力WLaのうち少なくとも1つの値が所定の値に達するときまで第2のスイッチング素子2をオフに固定しても良い。また、放電灯La1はメタルハライドランプや超高圧水銀ランプ以外のHIDランプとしても良い。
【0050】
ところで本実施形態では、図13に示す従来例と同様、放電灯La1をブレークオーバーさせてから安定点灯に至るまでランプ電圧VLaが低いために、ランプ電流ILaの電流値は定格電流値I1よりも大きくなる(図6(a)参照)。例えば図13に示す従来例では、このときスイッチング素子SW11,SW12を共にオフすると、スイッチング素子SW12のボディダイオードに短時間にフライホイール電流が流れて、スイッチング素子SW12の温度上昇が促進され、最悪の場合にはスイッチング素子SW12を破壊に至らしめて放電灯点灯装置の信頼性を引き下げることがある。スイッチング素子SW12の破壊を防ぐため、サーマルプロテクタといった過熱保護素子を設けることがあるが、この場合には加熱保護素子の誤動作を生じさせることがあり、温度上昇を緩和するために放熱面積を大きくした場合には、放電灯点灯装置の小型軽量化の目的に適さないこととなってしまう。
【0051】
さらに、上述のようなフライホイール電流によって、エネルギーロスが生じ、回路効率が低減する。例えば、図14(b),(c)に示すように、スイッチング素子SW11,SW12を、第1及び第2の休止期間Td1,Td2を設けてそれぞれ交互にオン/オフさせると、インダクタL10には、図14(a)に示すような電流ILが流れる。第1及び第2の休止期間Td1,Td2にインダクタL10に流れる電流ILは、スイッチング素子SW12のボディダイオードを介して流れ、このボディダイオードでロスが生じる。また、第1及び第2の休止期間Td1,Td2で電流ILの値を比べると、第1の休止期間Td1で流れる電流ILの値の方が、第2の休止期間Td2で流れる電流ILの値よりも大きく、その結果、第1の休止期間Td1のときのロス及び温度上昇は、第2の休止期間Td2のときよりも大きくなる。
【0052】
このように第1の休止期間Td1でのロスは大きく、同期整流動作時に第1の休止期間Td1を短くすることによって、エネルギーロスをさらに低減することができる。
【0053】
そこで本実施形態では、抵抗R13,R14,Rt1のそれぞれの抵抗値およびコンデンサCt1の容量値を設定することにより単安定マルチMM1から出力される矩形波信号のパルス幅Wmm1を短くし、第1の休止期間Td1を短くすることによって、第1の休止期間Td1の間に第2のスイッチング素子2のボディダイオードD2に流れる電流量を抑制し、エネルギーロスをさらに低減している。また、エネルギーロスの多い第1の休止期間を少なくとも第2の休止期間よりも短くしたときには、エネルギーロスを効率良く低減することができる。
(実施形態2)
本実施形態は、制御回路20に特徴があり、それ以外の構成は実施形態1と共通するので、共通する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0054】
本実施形態の制御回路20は、図7に示すように、実施形態1のPWM制御用IC22の代わりに発振器26及び発振器26から出力される発振信号を入力してハイサイド駆動用の矩形波信号を出力する単安定マルチMM3と、単安定マルチMM3から出力される矩形波信号を入力して、単安定マルチMM1から出力される矩形波信号と比較するための比較用の矩形波信号を出力する単安定マルチMM4と、単安定マルチMM1からの矩形波信号と比較用の矩形波信号とが共に出力されているとき、矩形波信号を単安定マルチMM2の入力端Bに出力するAND回路27とを備えている。また、実施形態1の比較部24及びスイッチング素子SW6並びに抵抗R17,R18の代わりに信号停止部31を設け、信号停止部31は、レベル信号の電圧値に応じてローサイド駆動信号出力部23bからのローサイド駆動用の矩形波信号の出力を停止する。
【0055】
発振器26は、一端を接地した抵抗Rt26およびコンデンサCt26が接続されて、抵抗Rt26の抵抗値およびコンデンサCt26の容量値から定まる発振周波数の矩形波信号を出力する。
【0056】
単安定マルチMM3は、単安定マルチMM1,MM2と同様、電圧制御型の単安定マルチMMであって、一端を接地した抵抗Rt3およびコンデンサCt3が接続されている。抵抗Rt3の抵抗値及びコンデンサCt3の容量値は、それぞれ単安定マルチMM1に接続された抵抗Rt1の抵抗値及びコンデンサCt1の容量値と略等しくしている。また、単安定マルチMM3の入力端Aには演算部21の出力端、入力端Bには発振器26の出力端がそれぞれ接続され、出力端Cは単安定マルチMM1,MM4及びハイサイド駆動信号出力部23aに接続されている。
【0057】
この単安定マルチMM3は、入力端Bに発振器26からの発振信号が入力されると、発振信号の立下りでトリガされて、入力端Aに入力されるレベル信号の電圧値及び抵抗Rt3の抵抗値ならびにコンデンサCt3の容量値に応じたパルス幅Wmm3のハイサイド駆動用の矩形波信号を出力端Cから出力する。
【0058】
単安定マルチMM4は、他の単安定マルチMM1〜MM3と同様、電圧制御型の単安定マルチMMであって、一端を接地した抵抗Rt4およびコンデンサCt4が接続されている。単安定マルチMM4の入力端Aには抵抗R19,R20によって分圧されたコントロール電圧Vc4が入力され、出力端CはAND回路27の入力端に接続されている。
【0059】
この単安定マルチMM4の入力端Bに単安定マルチMM3からの矩形波信号が入力されると、この矩形波信号の立下りでトリガされて、入力端Aに入力されるコントロール電圧Vc4の電圧値及び抵抗Rt4の抵抗値ならびにコンデンサCt4の容量値に応じたパルス幅Wmm4の矩形波信号を出力端Cから出力する。ここで、放電灯点灯装置の動作している間はコントロール電圧Vc4の電圧値を一定にし、パルス幅Wmm4を一定に保つようにしている。
【0060】
単安定マルチMM1の入力端Aは、演算部21の出力端に接続され、出力端Cは単安定マルチMM4と同様にAND回路27の入力端に接続されている。そしてAND回路27の出力端は、単安定マルチMM2の入力端Bに接続している。
【0061】
このような制御回路20の動作について、図8(a)〜(e)に基づいて以下に説明する。
【0062】
図8(a)に示すように、単安定マルチMM3からは、演算部21のレベル信号に応じたパルス幅Wmm3、および発振器26の発振周波数に対応する発振周期Ta2の矩形波信号が出力される。この矩形波信号は、ハイサイド駆動信号出力部23aから第1のスイッチング素子1に伝達され、第1のスイッチング素子1はパルス幅Wmm3の間オンする。
【0063】
次に、上述のハイサイド駆動用の矩形波信号がトリガ信号として単安定マルチMM1の入力端Bに入力されると、図8(b)に示すように、単安定マルチMM1からパルス幅Wmm1の矩形波信号が出力される。このとき、単安定マルチMM3に接続された抵抗Rt3の抵抗値およびコンデンサCt3の容量値を、単安定マルチMM1に接続された抵抗Rt2の抵抗値およびコンデンサCt2の容量値と略等しくし、単安定マルチMM1,MM3のそれぞれの入力端Aには、演算部21から出力されるレベル信号を共に入力して、単安定マルチMM1から出力される矩形波信号のパルス幅Wmm1と、単安定マルチMM3から出力されるハイサイド駆動用の矩形波信号のパルス幅Wmm3とを、レベル信号に応じて互いに略等しく変化させている。
【0064】
そして、単安定マルチMM1から出力される矩形波信号と略同時に、単安定マルチMM4からも、図8(c)に示すように、パルス幅Wmm4の比較用の矩形波信号が出力される。
【0065】
さらに、上述の単安定マルチMM1,MM4からそれぞれ矩形波信号が共に出力されているとき、図8(d)に示すように、AND回路27から単安定マルチMM2にパルス幅W27の矩形波信号が出力され、この矩形波信号の立下りでトリガされて単安定マルチMM2は、図8(e)に示すように、パルス幅Wmm2のローサイド駆動用の矩形波信号を出力する。このローサイド駆動用の矩形波信号は、ローサイド駆動信号出力部23aにより第2のスイッチング素子2に伝達され、第2のスイッチング素子2はパルス幅Wmm2の間オンする。
【0066】
つまり、図8(d)に示すAND回路27から出力されるパルス幅W27の矩形波信号が出力されている間は、第1のスイッチング素子1がオフしてから第2のスイッチング素子2がオンするまで第1及び第2のスイッチング素子1,2が共にオフする第1の休止期間Td1となる。そして、単安定マルチMM2からの矩形波信号の出力が停止してから、次に単安定マルチMM3から矩形波信号が出力されるまでの間は、第2のスイッチング素子2がオフしてから第1のスイッチング素子1をオンするまで第1及び第2のスイッチング素子1,2が共にオフする第2の休止期間Td2となる。
【0067】
ところで、図13に示す従来例の同期整流型の降圧回路を利用した放電灯点灯装置において、第1及び第2の休止期間を設けてスイッチング素子SW11,SW12を交互にオン/オフすると、放電灯La1の点灯初期にインダクタL10に流れる電流IL1は、図16に示すように、電流値Ip1をピークにして振動し、放電灯La1の安定点灯時にインダクタL10に流れる電流IL2は、電流IL1の電流値よりも小さい電流値Ip2をピークにして振動する。なお、インダクタL10に流れる電流IL1,IL2は、インダクタL10及びコンデンサC10により平滑化されて放電灯La1には電流値ILa1,ILa2の電流が流れる。
【0068】
また、スイッチング素子SW11をオフしたときには、理想的な場合を除いて、しばらくの間電流が流れ、オフされてから電流が流れなくなるまでに時間Toffを要する。放電灯La1の点灯初期にスイッチング素子SW11をオフした場合、図17に示すように、スイッチング素子SW11に流れる電流が電流値Ip1から略0に至るまでに時間Toff1を要し、放電灯La1の安定点灯時にスイッチング素子SW11をオフした場合には、図18に示すように、スイッチング素子SW11に流れる電流が電流値Ip2から略0に至るまでに時間Toff2を要する。電流値Ip1は、電流値Ip2よりも大きいため、時間Toff1は時間Toff2よりも長くなる。このように放電灯La1の状態に応じて、スイッチング素子SW11がオフしてから電流が流れなくなるまでの時間Toffは変動する。つまり、放電灯La1の状態に応じて第1のスイッチング素子1がオフしてから電流が流れなくなるまでの時間は変動し、この時間より第1の休止期間Td1が短いと、直流電源10が短絡することとなってしまう。
【0069】
本実施形態では、単安定マルチMM1の入力端Aに演算部21から出力されるレベル信号を入力することによって、単安定マルチMM1からの矩形波信号のパルス幅Wmm1を放電灯La1の状態に応じて変化させ、AND回路27は単安定マルチMM4からの一定のパルス幅Wmm4よりも長くならない範囲で、パルス幅Wmm1と略等しいパルス幅W27の矩形波信号を出力し、このパルス幅W27の矩形波信号が出力されている間を第1の休止期間Td1としているので、第1の休止期間Td1は放電灯La1の状態に応じて変化する。
【0070】
そこで、例えばランプ電流ILaの電流値に応じて、第1の休止期間Td1を第1のスイッチング素子1がオフしてから電流が流れなくなるまでの時間より長くすることによって、上述の従来例のように直流電源10が短絡するのを確実に防ぐことができる。
【0071】
さらに、第1の休止期間Td1を、放電灯La1の状態に応じて短く変化させることによって、第2のスイッチング素子2のボディダイオードD2に流れる電流によって生じるロスを低減することができ、ボディダイオードD2からの発熱を抑制して第2のスイッチング素子2自体の破壊を防止し、信頼性を向上することができる。その結果、放熱面積を大きくすることなく小型化を図ることができる。
【0072】
またさらに、パルス幅Wmm4を単安定マルチMM2から出力される矩形波信号のパルス幅Wmm2より小さくなるように、抵抗Rt4の抵抗値およびコンデンサCt4の容量値ならびにコントロール電圧Vc4の電圧値を調整することで、第1の休止期間Td1を容易に第2の休止期間Td2よりも短くすることができ、エネルギーロスを効率良く低減することができる。
(実施形態3)
本実施形態における基本構成は実施形態2と共通するために共通する部分については同一の符号を付して説明を省略し、本実施形態の特徴となる部分についてのみ詳細に説明する。
【0073】
本実施形態の放電灯点灯装置には、図9に示すように、実施形態1又は2の直流点灯型の放電灯La1の代わりに交流点灯型の放電灯La2が備えられ、ランプ電流の電流経路に例えばFETなどのスイッチング素子SW1〜SW4を有して、それぞれのスイッチング素子SW1〜SW4をオン/オフすることにより放電灯La2に交番した電圧を印加する極性反転回路15が設けられている。
【0074】
スイッチング素子SW1,SW4の直列回路と、スイッチング素子SW3,SW2の直列回路とは、電圧検出回路13に並列接続され、スイッチング素子SW1,SW4の接続点とスイッチング素子SW3,SW2の接続点との間に、トランスT2の2次巻線T2bと放電灯La2の直列回路が接続されている。
【0075】
また、制御回路20は、図10に示すように、所定の周波数の発振信号を出力する発振器28と、発振器28から出力される発振信号に応じてスイッチング素子SW1,SW4を交互にオン/オフするドライバ29aと、発振器28から出力される発振信号を反転するインバータ30と、発振器28から出力されてインバータ30で反転された信号に応じてスイッチング素子SW2,SW3を交互にオン/オフするドライバ29bとを具備している。
【0076】
制御回路20によりスイッチング素子SW1,SW2が共にオンされ、スイッチング素子SW3,SW4が共にオフされたときには、スイッチング素子SW1,SW2を介してトランスT2の二次巻線T2bから放電灯La2に電流が流れるとともに、スイッチング素子SW1,SW2が共にオフされ、スイッチング素子SW3,SW4が共にオンされたときには、逆にスイッチング素子SW3,SW4を介して放電灯La2からトランスT2の二次巻線T2bに電流が流れる。このように、制御回路20は、1対のスイッチング素子SW1,SW2と、1対のスイッチング素子SW3,SW4とをそれぞれ各対で交互にオン/オフすることによって、放電灯La2に交番した電圧を印加する。
【0077】
なお、上述のような極性反転回路15の動作及び制御方法については、従来周知の技術のため詳細な説明は省略する。
【0078】
本実施形態では、極性反転回路15を設けたことによって、放電灯La2に交番した電圧を印加するようにしたことによって、交流点灯型の放電灯La2を点灯させることができる。
【0079】
ところで、本実施形態では極性反転回路15を4つのスイッチング素子から成るフルブリッジ回路としたが、2つのスイッチング素子を備えたハーフブリッジ回路や、一石式の回路としても良い。
【0080】
【発明の効果】
請求項1の発明は、直流電源と、ダイオードをそれぞれ逆並列に接続し、直流電源に直列接続する第1及び第2のスイッチング素子の直列回路と、第2のスイッチング素子に並列接続するインダクタおよびコンデンサの直列回路と、コンデンサに並列接続する放電灯と、第1及び第2のスイッチング素子をオン/オフする制御手段とを備え、制御手段は、少なくとも放電灯の始動時から、ランプ電流およびランプ電圧ならびにランプ電力のうち少なくとも1つの値が所望の値に達するときまで、第2のスイッチング素子をオフに固定するので、第2のスイッチング素子を少なくとも放電灯の始動時にオフに固定することによって、第1のスイッチング素子をオフしたときに流れる振動電流を第2のスイッチング素子に逆並列に接続されたダイオードに流して振動電流の電流値を抑えることができ、過渡的な過電圧の発生を抑制して放電灯の破損を防止するとともに、安定点灯時にはランプ電流およびランプ電圧ならびにランプ電力のうち少なくとも1つの値から放電灯の始動時を判別し、この判別結果に応じて第2のスイッチング素子のオフの固定を解除して、第1及び第2のスイッチング素子を交互にオン/オフする同期整流動作に切り換えてエネルギーロスの低減を図ることができるという効果がある。
【0081】
請求項2の発明は、制御手段は、第1のスイッチング素子がオフしてから第2のスイッチング素子がオンするまで第1及び第2のスイッチング素子が共にオフする第1の休止期間と、第2のスイッチング素子がオフしてから第1のスイッチング素子がオンするまで第1及び第2のスイッチング素子が共にオフする第2の休止期間とを設けて、第1及び第2のスイッチング素子をそれぞれ交互にオン/オフするとともに、放電灯の状態に応じて第1の休止期間を変化させるので、第1の休止期間を放電灯の状態に応じて変化させることによって、第1及び第2のスイッチング素子が共にオンして直流電源が短絡するの確実に防ぎつつ、第2のスイッチング素子に逆並列に接続されたダイオードに流れる電流によって生じるエネルギーロスを低減することができ、またダイオードからの発熱を抑制してダイオード自体の破壊を防止し、信頼性を向上することができ、その結果、放熱面積を大きくすることなく小型化を図ることができるという効果がある。
【0082】
請求項3の発明は、制御手段は、第1の休止期間を、第1のスイッチング素子をオフしてから第1のスイッチング素子に電流が流れないようになるまでの時間より長くするので、直流電源が短絡するのを確実に防ぐことができるという効果がある。
【0083】
請求項4の発明は、制御手段は、第1の休止期間を少なくとも第2の休止期間よりも短くするので、エネルギーロスを効率良く低減することができるという効果がある。
【0084】
請求項5の発明は、放電灯はHIDランプであるので、請求項1〜4の何れかの発明と同様の効果を奏する。
【0085】
請求項6の発明は、ランプ電流の電流経路に1乃至複数個のスイッチング素子を有し、それぞれのスイッチング素子をオン/オフすることにより放電灯に交番した電圧を印加する極性反転回路を備えたので、請求項1〜5の何れかの発明と同様の効果を奏する。
【0086】
請求項7の発明は、高圧パルスを発生して放電灯を始動させるイグナイタ回路を備えたので、放電灯を点灯し易くすることができるという効果がある。
【0087】
請求項8の発明は、第1のスイッチング素子は、直流電源の正極側に接続され、第2のスイッチング素子は、直流電源の負極側に接続されたので、請求項1〜7の何れかの発明と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示す回路図である。
【図2】同上の制御回路を示す回路図である。
【図3】同上の単安定マルチバイブレータの使用例を示す回路図である。
【図4】同上の単安定マルチバイブレータの動作説明図である。
【図5】同上の制御回路の動作説明図である。
【図6】同上の動作説明図である。
【図7】実施形態2の制御回路を示す回路図である。
【図8】同上の制御回路の動作説明図である。
【図9】実施形態3を示す回路図である。
【図10】同上の制御回路を示す回路図である。
【図11】従来例を示す回路図である。
【図12】同上の動作説明図である。
【図13】同上の他の回路図である。
【図14】同上の動作説明図である。
【図15】同上の他の動作説明図である。
【図16】同上のインダクタに流れる電流を示す説明図である。
【図17】同上のスイッチング素子に流れる電流を示す説明図である。
【図18】同上のスイッチング素子に流れる電流を示す他の説明図である。
【符号の説明】
1,2 スイッチング素子
10 直流電源
11 平滑回路
12 イグナイタ起動回路
13 電圧検出回路
14 イグナイタ回路
20 制御部
C コンデンサ
D1,D2 ボディダイオード
L インダクタ
La1 放電灯
Claims (8)
- 直流電源と、ダイオードをそれぞれ逆並列に接続し、直流電源に直列接続する第1及び第2のスイッチング素子の直列回路と、第2のスイッチング素子に並列接続するインダクタおよびコンデンサの直列回路と、コンデンサに並列接続する放電灯と、第1及び第2のスイッチング素子をオン/オフする制御手段とを備え、制御手段は、少なくとも放電灯の始動時から、ランプ電流およびランプ電圧ならびにランプ電力のうち少なくとも1つの値が所望の値に達するときまで、第2のスイッチング素子をオフに固定することを特徴とする放電灯点灯装置。
- 制御手段は、第1のスイッチング素子がオフしてから第2のスイッチング素子がオンするまで第1及び第2のスイッチング素子が共にオフする第1の休止期間と、第2のスイッチング素子がオフしてから第1のスイッチング素子がオンするまで第1及び第2のスイッチング素子が共にオフする第2の休止期間とを設けて、第1及び第2のスイッチング素子をそれぞれ交互にオン/オフするとともに、放電灯の状態に応じて第1の休止期間を変化させることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
- 制御手段は、第1の休止期間を、第1のスイッチング素子をオフしてから第1のスイッチング素子に電流が流れないようになるまでの時間より長くすることを特徴とする請求項2記載の放電灯点灯装置。
- 制御手段は、第1の休止期間を少なくとも第2の休止期間よりも短くすることを特徴とする請求項2又は3記載の放電灯点灯装置。
- 放電灯はHIDランプであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の放電灯点灯装置。
- ランプ電流の電流経路に1乃至複数個のスイッチング素子を有し、それぞれのスイッチング素子をオン/オフすることにより放電灯に交番した電圧を印加する極性反転回路を備えたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の放電灯点灯装置。
- 高圧パルスを発生して放電灯を始動させるイグナイタ回路を備えたことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の放電灯点灯装置。
- 第1のスイッチング素子は、直流電源の正極側に接続され、第2のスイッチング素子は、直流電源の負極側に接続されたことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の放電灯点灯装置。
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