JP2001284087A - 放電灯点灯装置 - Google Patents

放電灯点灯装置

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JP2001284087A
JP2001284087A JP2000094389A JP2000094389A JP2001284087A JP 2001284087 A JP2001284087 A JP 2001284087A JP 2000094389 A JP2000094389 A JP 2000094389A JP 2000094389 A JP2000094389 A JP 2000094389A JP 2001284087 A JP2001284087 A JP 2001284087A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】始動時に生じる過渡的な過電圧の発生を抑制す
るとともに、エネルギーロスの低減を図った放電灯点灯
装置を提供する。 【解決手段】直流電源10と、直流電源10に直列接続
する第1及び第2のスイッチング素子1,2の直列回路
と、第2のスイッチング素子2に並列接続するインダク
タLおよびコンデンサCの直列回路からなる平滑回路1
1と、コンデンサCに並列接続する放電灯La1と、第
1及び第2のスイッチング素子1,2を交互にオン/オ
フする制御回路20とを備え、制御回路20は、少なく
とも放電灯La1の始動時に第2のスイッチング素子2
をオフに固定する。振動電流を第2のスイッチング素子
2のボディダイオードD2に流して、過渡的な過電圧の
発生を抑制して放電灯La1の破損を防止するととも
に、安定点灯時には同期整流動作に切り換えてエネルギ
ーロスを低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放電灯点灯装置に
関するものであり、特にプロジェクタなどの産業用機器
に内蔵されるHIDランプの点灯装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】プロジェクタは、光源として使用される
メタルハライドランプや超高圧水銀灯などの放電灯を有
する放電灯点灯装置を本体内部に備えている。このよう
なプロジェクタは本体を小型軽量化するために、本体に
内蔵される放電灯点灯装置の小型軽量化が要求されてい
る。また、放電灯点灯装置の小型軽量化を図るには、一
般的に信頼性を高めるため、放電灯点灯装置の回路での
エネルギーロスを低減して回路効率を高め、回路での発
熱を抑えることが必要となる。
【0003】メタルハライドランプなどのHIDランプ
を点灯するための放電灯点灯装置には、一般的に降圧チ
ョッパー回路が利用され、放電灯の始動過程において必
要な無負荷2次電圧を確保し、点灯後の放電灯に安定な
電力を供給し易くしている。
【0004】降圧チョッパー回路の基本回路は、例えば
図11(a),(b)に示すように、直流電源DCと、
直流電源DCに直列に接続されたスイッチング素子SW
11およびフライホイールダイオードD10の直列回路
と、フライホイールダイオードD10に並列接続するイ
ンダクタL10及びコンデンサC10からなる平滑回路
と、コンデンサC10に並列接続する負荷RLとを備え
ている。
【0005】このような降圧チョッパー回路は、図12
(b)に示すように、スイッチング素子SW11をチョ
ッピング動作することにより、直流電源DCの出力電圧
を平滑回路で平滑化し、負荷RLに平滑化された直流電
圧を出力するものである。図11(a)に示すように、
スイッチング素子SW11がオンしているとき(例えば
時刻t0〜t1)には、直流電源DCからスイッチング
素子SW11を介して平滑回路に電流が流れ、このとき
インダクタL10にエネルギーが蓄えられる。そして、
図11(b)に示すように、スイッチング素子SW11
がオフしているとき(例えば時刻t1〜t2)には、図
12(c)に示すようにフライホイールダイオードD1
0がオンして、インダクタL10に蓄えられたエネルギ
ーは、負荷RLおよびフライホイールダイオードD10
を通じてインダクタL10に回生される。このようなス
イッチング素子SW11のオン/オフが繰り返されるこ
とにより、図12(a)に示すように、インダクタL1
0にはスイッチング素子SW11がオンしているときに
増加し、オフしているときに減少する電流ILが流れ、
この電流ILが平滑化されて負荷RLに安定した直流電
力が供給される。
【0006】また、上述のような降圧チョッパー回路の
回路効率を向上させた同期整流方式の降圧回路が既に提
供されている。
【0007】同期整流方式の降圧回路は、例えば図13
(a),(b)に示すように、図11のフライホイール
ダイオードD10の代わりにスイッチング素子SW12
を設け、スイッチング素子SW11,SW12を、図1
4(b),(c)に示すように、交互にオン/オフさせ
ることで、負荷RLに安定した直流電力を供給してい
る。なお、スイッチング素子SW11,SW12には現
行技術ではnチャネル型のパワーMOSFETが利用さ
れることが多く、スイッチング素子SW11,SW12
のそれぞれのボディダイオードは直流電源DCに対して
逆並列に接続されている。
【0008】ところで、図11に示す降圧チョッパー回
路では、スイッチング素子SW11のオフ期間に回生電
流がフライホイールダイオードD10に流れると、図1
2(c)に示すように、フライホイールダイオードD1
0に順方向電圧がかかり、フライホイールダイオードD
10で順方向ロスが発生する。なおフライホイールダイ
オードD10の順方向電圧は、一般的に約1.5Vであ
る。
【0009】これに対して、同期整流方式の降圧回路で
は、図13(b)に示すように、スイッチング素子SW
11がオフ、スイッチング素子SW12がオンしている
とき、回生電流はスイッチング素子SW12に流れるの
でスイッチング素子SW12のオン抵抗RDS(ON)による
ロスが発生する。しかし、現在の半導体技術においては
低オン抵抗化が進んでいるため、同期整流方式の降圧回
路のスイッチング素子SW12でのロスを、フライホイ
ールダイオードD10でのロスよりも小さくすることで
ができ、これにより同期整流方式の降圧回路は回路効率
を向上させている。
【0010】しかし、上述ような同期整流方式の降圧回
路では、起動時にスイッチング素子SW11が余分に長
い時間オンすると、インダクタL10に蓄えられたエネ
ルギーによって、インダクタL10及びコンデンサC1
0ならびにスイッチング素子SW12に振動(共振)電
流が流れ、負荷RLに印加される電圧が瞬間的に過大と
なり、負荷RLを放電灯としたときには、放電灯を破壊
してしまうというという問題がある。
【0011】このような起動時に生じる過渡的な過電圧
の発生を抑制するため、スイッチング素子SW12を起
動時から一定時間に限って強制的にオフする同期整流方
式の降圧回路を利用したDC−DCコンバータの制御回
路が提案されている(特開平11−220874号公報
参照)。
【0012】上述のDC−DCコンバータの制御回路
は、ノートパソコンなどの携帯型電子機器に搭載される
電池の電圧が使用時間と共に低下しても、負荷側の装置
に一定の電圧を供給するものである。
【0013】スイッチング素子SW12を起動時から一
定時間だけ強制的にオフすることにより、スイッチング
素子SW11のオフ期間中に流れる振動電流を、スイッ
チング素子SW12のボディダイオードを介して流し、
過渡的な過電圧の発生を抑制している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、負荷R
LをHIDランプなどの放電灯にした場合、放電灯の負
荷インピーダンスが始動から安定点灯するまで大きく変
動する。
【0015】例えばメタルハライドランプや超高圧水銀
灯では始動から安定点灯に至までに毎回、負荷インピー
ダンスが約0〜∞まで大きく変化する。このような負荷
インピーダンスの変化に対して、放電灯点灯装置は、放
電灯を安定点灯するため、例えば図15(a)〜(c)
に示すように、始動から安定点灯に至までランプ電圧V
Laおよびランプ電流ILaならびにランプ電力WLa
を制御している。
【0016】放電灯点灯装置を時刻t0に始動すると、
放電灯には無負荷2次電圧V4が印加される。そして、
時刻t1で始動用の高圧パルスが印加され、放電灯がブ
レークオーバーしてアーク放電が始まると、アーク放電
を安定に維持するため、ランプ電流ILaを所定の電流
値I2に一定に維持する制御が行われる。時刻t2に、
ランプ電圧VLaがブレークオーバーしたときの電圧値
V1から所定の電圧値V2に達したことを検出すると、
放電灯に一定の電力値W1を供給する定電力制御に切り
換えられる。最後に、時刻t4でランプ電圧VLaが定
格電圧値V3に達し、放電灯は安定点灯状態になる。な
お、放電灯によっても異なるが、概ね時刻t0の始動か
ら時刻t4の安定点灯状態に至るまで約3〜5分の時間
を要する。
【0017】さらに、毎回同じ負荷インピーダンスで始
動するとは限らず、例えば放電灯を一旦安定点灯させた
後、消灯して放電灯の温度が十分に冷えきらないうちに
再度始動したとき、始動から安定点灯までの各経過時間
におけるランプ電圧の電圧値Vは、前回点灯したときの
図15(a)中の実線で示すランプ電圧VLaの値と比
べて大きくなり、図15(a)中の点線で示すランプ電
圧VLa1に変動する。これと同様に、ランプ電流の電
流値Iは、図15(b)中の実線で示すランプ電流IL
aの値より小さくなって、図15(b)中の点線で示す
ランプ電流ILa1に変動し、ランプ電力の電力値W
は、図15(c)中の実線で示すランプ電力WLaの値
より大きくなって、図15(c)中の点線で示すランプ
電力WLa1に変動する。これにより、ランプ電圧VL
a1及びランプ電流ILa1並びにランプ電力WLa1
がそれぞれの定格値に達するまでの時間は前回の点灯時
より短くなり、始動から安定点灯までの時間が短くな
る。このような変動は、放電灯の温度に起因するもので
あり、再度始動したときには、放電灯の温度が高くなっ
ていることによって放電灯の管内の圧力が増加し、この
圧力の増加によってランプ電圧の電圧値Vが大きくなっ
ている。このように放電灯の温度やその他の条件によっ
て、ランプ電圧の電圧値Vが始動から所定の電圧値V2
に達する時間、或いは定格電圧値V3に達するまでの時
間などが異なってくる。
【0018】また、放電灯の製造バラツキおよび放電灯
の寿命の進行度合、並びにその他の条件によっても、放
電灯の始動から安定点灯に至るまでの時間や、放電灯の
点き易さが異なる。
【0019】このように、同期整流型の降圧回路の負荷
RLを放電灯とした場合には、放電灯の状態によって始
動から安定点灯までの時間が異なるため、スイッチング
素子SW12を放電灯の始動から一定時間オフしても、
始動時の過渡的な過電圧の発生を十分に抑えることがで
きない場合があるといった問題があった。
【0020】本発明は上記問題点の解決を目的とするも
のであり、始動時に生じる過渡的な過電圧の発生を抑制
するとともに、エネルギーロスの低減を図った放電灯点
灯装置を提供する。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、直流電源と、ダイオードをそれ
ぞれ逆並列に接続し、直流電源に直列接続する第1及び
第2のスイッチング素子の直列回路と、第2のスイッチ
ング素子に並列接続するインダクタおよびコンデンサの
直列回路と、コンデンサに並列接続する放電灯と、第1
及び第2のスイッチング素子をオン/オフする制御手段
とを備え、制御手段は、少なくとも放電灯の始動時に第
2のスイッチング素子をオフに固定することを特徴と
し、第2のスイッチング素子を少なくとも放電灯の始動
時にオフに固定することによって、第1のスイッチング
素子をオフしたときに流れる振動電流を第2のスイッチ
ング素子に逆並列に接続されたダイオードに流して振動
電流の電流値を抑えることができ、過渡的な過電圧の発
生を抑制して放電灯の破損を防止するとともに、安定点
灯時には第2のスイッチング素子のオフの固定を解除し
て、第1及び第2のスイッチング素子を交互にオン/オ
フする同期整流動作に切り換えてエネルギーロスの低減
を図ることができる。
【0022】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、制御手段は、放電灯の始動時から、ランプ電流およ
びランプ電圧ならびにランプ電力のうち少なくとも1つ
の値が所望の値に達するときまで、第2のスイッチング
素子をオフに固定することを特徴とし、ランプ電流およ
びランプ電圧ならびにランプ電力のうち少なくとも1つ
の値から放電灯の始動時を判別し、この判別結果に応じ
て第2のスイッチング素子のオフの固定を解除して同期
整流動作に切り換え、エネルギーロスの低減を図ること
ができる。
【0023】請求項3の発明は、請求項1又は2の発明
において、制御手段は、第1のスイッチング素子がオフ
してから第2のスイッチング素子がオンするまで第1及
び第2のスイッチング素子が共にオフする第1の休止期
間と、第2のスイッチング素子がオフしてから第1のス
イッチング素子がオンするまで第1及び第2のスイッチ
ング素子が共にオフする第2の休止期間とを設けて、第
1及び第2のスイッチング素子をそれぞれ交互にオン/
オフするとともに、放電灯の状態に応じて第1の休止期
間を変化させることを特徴とし、第1の休止期間を放電
灯の状態に応じて変化させることによって、第1及び第
2のスイッチング素子が共にオンして直流電源が短絡す
るの確実に防ぎつつ、第2のスイッチング素子に逆並列
に接続されたダイオードに流れる電流によって生じるエ
ネルギーロスを低減することができ、またダイオードか
らの発熱を抑制してダイオード自体の破壊を防止し、信
頼性を向上することができ、その結果、放熱面積を大き
くすることなく小型化を図ることができる。
【0024】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て、制御手段は、第1の休止期間を、第1のスイッチン
グ素子をオフしてから第1のスイッチング素子に電流が
流れないようになるまでの時間より長くすることを特徴
とし、直流電源が短絡するのを確実に防ぐことができ
る。
【0025】請求項5の発明は、請求項3又は4の発明
において、制御手段は、第1の休止期間を少なくとも第
2の休止期間よりも短くすることを特徴とし、エネルギ
ーロスの多い第1の休止期間を第2の休止期間より短く
することによって、エネルギーロスを効率良く低減する
ことができる。
【0026】請求項6の発明は、請求項1〜5の何れか
の発明において、放電灯はHIDランプであることを特
徴とし、請求項1〜5の何れかの発明と同様の作用を奏
する。
【0027】請求項7の発明は、請求項1〜6の何れか
の発明において、ランプ電流の電流経路に1乃至複数個
のスイッチング素子を有し、それぞれのスイッチング素
子をオン/オフすることにより放電灯に交番した電圧を
印加する極性反転回路を備えたことを特徴とし、請求項
1〜6の何れかの発明と同様の作用を奏する。
【0028】請求項8の発明は、請求項1〜7の何れか
の発明において、高圧パルスを発生して放電灯を始動さ
せるイグナイタ回路を備えたことを特徴とし、放電灯を
点灯し易くすることができる。
【0029】請求項9の発明は、請求項1〜8の何れか
の発明において、第1のスイッチング素子は、直流電源
の正極側に接続され、第2のスイッチング素子は、直流
電源の負極側に接続されたことを特徴とし、請求項1〜
8の何れかの発明と同様の作用を奏する。
【0030】
【発明の実施の形態】(実施形態1)本実施形態の放電
灯点灯装置は、図1に示すように、直流電源10と、n
チャネル型のMOSFETからなる第1及び第2のスイ
ッチング素子1,2の直列回路と、第2のスイッチング
素子2に並列接続するインダクタLおよびコンデンサC
の直列回路からなる平滑回路11と、コンデンサCに並
列接続する例えばメタルハライドランプ又は超高圧水銀
ランプなどの直流点灯型の放電灯La1と、第1及び第
2のスイッチング素子1,2を交互にオン/オフする制
御回路20と、高圧パルスを発生して放電灯La1を始
動させるイグナイタ回路14と、制御回路20からのイ
グナイタ駆動信号の入力によりイグナイタ回路14を起
動させるイグナイタ起動回路12と、平滑回路11のコ
ンデンサCに並列接続して、放電灯La1のランプ電圧
VLaに応じた電圧を検出する電圧検出回路13とを備
えている。
【0031】直流電源10は、商用交流電源10aと、
商用交流電源10aから出力される交流電力を直流電力
に変換するAC−DC変換部10bとからなり、スイッ
チング素子1は、直流電源10の正極側(ハイサイド)
に接続され、第2のスイッチング素子2は、直流電源1
0の負極側(ローサイド)に接続される。またこのと
き、第1及び第2のスイッチング素子1,2のそれぞれ
のボディダイオードD1,D2は直流電源10に対して
逆並列に接続される。
【0032】イグナイタ起動回路12は、コンデンサC
に並列接続される抵抗R1及びコンデンサC2の直列回
路と、抵抗R1及びコンデンサC2の接続点に一端を接
続するトランスT1の一次巻線T1aと、一次巻線T1
aの他端およびコンデンサC,C2の接続点の間にドレ
イン−ソースが接続されるFETなどのスイッチング素
子3とからなる。
【0033】イグナイタ回路14は、トランスT1の二
次巻線T1bと、二次巻線T1bの一端にアノードが接
続されるダイオードD3と、二次巻線T1bの他端に接
続される放電ギャップGapと、ダイオードD3のカソ
ードと放電ギャップGapとの間に一次巻線T2aが接
続され、二次巻線T2bが平滑回路11のインダクタL
及びコンデンサCの接続点と放電灯La1との間に接続
されるトランスT2と、トランスT2の一次巻線T2a
および放電ギャップGapの直列回路に並列接続するコ
ンデンサC1とからなる。また、トランスT2の二次巻
線T2bと放電灯La1の直列回路には、パルスバイパ
ス用のコンデンサC3が並列接続されている。
【0034】上述のようなイグナイタ起動回路12は、
放電灯La1の始動時に制御回路20から出力されるイ
グナイタ駆動信号によってスイッチング素子3がオン/
オフされ、イグナイタ回路14のトランスT1の二次巻
線T1bに昇圧した電圧を出力させる。イグナイタ回路
14のコンデンサC1は、トランスT1の二次巻線T1
bから出力された電圧によりに電荷が蓄積され、コンデ
ンサC1の電圧値の上昇により放電ギャップGapがブ
レークすると、コンデンサC1に蓄積された電荷が放電
され、トランスT2の2次巻線T2bから放電灯La1
に高圧パルスが印加される。放電灯La1はこの高圧パ
ルスによりブレークオーバーして点灯を開始する。
【0035】電圧検出回路13は、抵抗R2,R3の直
列回路からなり、抵抗R2は、イグナイタ回路14のト
ランスT2の二次巻線T2bを介して放電灯La1の一
端に接続され、抵抗R3は抵抗R4を介して放電灯La
1の他端に接続されている。このような電圧検出回路1
3は、ランプ電圧VLaを分圧してランプ電圧検出信号
として制御回路20に出力する。
【0036】制御回路20は、上述の電圧検出回路13
から出力されるランプ電圧検出信号を入力するととも
に、放電灯La1に流れるランプ電流をランプ電流検出
信号として入力し、ランプ電圧検出信号とランプ電流検
出信号に応じて第1及び第2のスイッチング素子1,2
およびイグナイタ起動回路12を制御する。
【0037】この制御回路20は、図2に示すように、
ランプ電圧検出信号およびランプ電流検出信号を入力し
て必要なフィードバックレベルを演算し、レベル信号を
出力する演算部21と、レベル信号に応じてハイサイド
の第1のスイッチング素子1を駆動するハイサイド駆動
用の矩形波信号を出力するPWM制御用IC22と、ハ
イサイド駆動用の矩形波信号を第1のスイッチング素子
1のゲート−ソース間に伝達するハイサイド駆動信号出
力部23aと、ハイサイド駆動用の矩形波信号を入力し
てローサイドの第2のスイッチング素子2を駆動するロ
ーサイド駆動用の矩形波信号を作成し、ハイサイド駆動
用の矩形波信号から所定のタイミングで出力する単安定
マルチバイブレータ(以下、「単安定マルチ」と略す)
MM1,MM2と、単安定マルチMM1,MM2により
出力されたローサイド駆動用の矩形波信号を第2のスイ
ッチング素子2のゲート−ソース間に伝達するローサイ
ド駆動信号出力部23bとを備えている。さらに制御回
路20は、演算部21からのレベル信号の電圧値と基準
電圧値とを比較し、比較信号を出力する比較部24と、
比較部24からの比較信号によりオン/オフしてローサ
イド駆動信号出力部23bからのローサイド駆動用の矩
形波信号の出力を強制的に停止するトランジスタなどの
スイッチング素子SW6と、ランプ電圧検出信号に応じ
てイグナイタ駆動信号を出力してイグナイタ起動回路1
2のスイッチング素子3をオン/オフするイグナイタ駆
動信号出力部25とを備えている。
【0038】PWM制御用IC22には、それぞれ一端
を接地した抵抗Rt22とコンデンサCt22が接続さ
れており、PWM制御用IC22から出力する矩形波信
号の発振周波数は、抵抗Rt22の抵抗値とコンデンサ
Ct22の容量値によって決まる。
【0039】単安定マルチMM1,MM2にも同様に、
それぞれ一端を接地した抵抗Rt1,Rt2とコンデン
サCt1,Ct2が接続され、単安定マルチMM1の入
力端BはPWM制御用IC22の出力端に接続し、単安
定マルチMM2の入力端Bは単安定マルチMM1の出力
端Cに接続している。
【0040】この単安定マルチMM1,MM2は、電圧
制御型の単安定マルチMMであって、図3に示すよう
に、それぞれ一端を接地した抵抗RtとコンデンサCt
を接続して用いられる。例えば図4に示すように、入力
端Aにコントロール電圧Vcが入力され(図4(a)参
照)、入力端Bに信号出力部50からのトリガ信号が入
力したとき(図4(b)参照)、単安定マルチMMは、
トリガ信号の立下りでトリガされて、コントロール電圧
Vcの電圧値および抵抗Rtの抵抗値ならびにコンデン
サCtの容量値に応じたパルス幅Wmmの矩形波信号を
出力端Cから出力する(図4(c)参照)。
【0041】つまり、単安定マルチMM1は、入力端B
にハイサイド駆動用の矩形波信号を入力し、この矩形波
信号の立下りでトリガされて、抵抗R13,14で分圧
されて入力端Aに入力するコントロール電圧Vc1の電
圧値および抵抗Rt1の抵抗値ならびにコンデンサCt
1の容量値に応じたパルス幅Wmm1の矩形波信号を出
力端Cから単安定マルチMM2に出力する。そして、単
安定マルチMM2は、入力端Bに入力される単安定マル
チMM1からの矩形信号の立下りでトリガされて、抵抗
R15,R16で分圧されて入力端Aに入力するコント
ロール電圧Vc2の電圧値および抵抗Rt2の抵抗値な
らびにコンデンサCt2の容量値に応じたパルス幅Wm
m2の矩形波信号を出力端Cからローサイド駆動信号出
力部23bに出力する。
【0042】このような単安定マルチMM1,MM2と
PWM制御用ICの一連の動作について、図5に基づい
て以下に説明する。
【0043】図5(a)に示すように、PWM制御用I
C22から演算部21のレベル信号に応じたパルス幅W
22および発振周期Ta1のハイサイド駆動用の矩形波
信号が出力される。この矩形波信号がハイサイド駆動信
号出力部23aから第1のスイッチング素子1に伝達さ
れて、第1のスイッチング素子1は矩形波信号のパルス
幅W22の間、オンする。
【0044】次に、上述のハイサイド駆動用の矩形波信
号がトリガ信号として単安定マルチMM1の入力端Bに
入力すると、図5(b)に示すように、単安定マルチM
M1はパルス幅Wmm1の矩形波信号を出力する。
【0045】さらに、単安定マルチMM1から出力され
た矩形波信号がトリガ信号として単安定マルチMM2の
入力端Bに入力すると、図5(c)に示すように、単安
定マルチMM2はパルス幅Wmm2のローサイド駆動用
の矩形波信号を出力する。この矩形波信号がローサイド
駆動信号出力部23bから第2のスイッチング素子2に
伝達されて、第2のスイッチング素子2は矩形波信号の
パルス幅Wmm2の間、オンする。
【0046】その結果、図5(b)に示す単安定マルチ
MM1からパルス幅Wmm1の矩形波信号が出力されて
いる間は、第1のスイッチング素子1がオフしてから第
2のスイッチング素子2がオンするまで第1及び第2の
スイッチング素子1,2が共にオフする第1の休止期間
Td1となる。そして、単安定マルチMM2から出力さ
れる矩形波信号のパルス幅Wmm2が、Wmm2<(T
a1−W22−Wmm1)の関係を満みたすように抵抗
R15,R16,Rt2の抵抗値およびコンデンサCt
2の容量値を設定することで、第2のスイッチング素子
2がオフしてから第1のスイッチング素子1がオンする
まで第1及び第2のスイッチング素子1,2が共にオフ
する第2の休止期間Td2を設けている。このように、
制御回路20は第1及び第2の休止期間を設けて、第1
及び第2のスイッチング素子1,2をそれぞれ交互にオ
ン/オフすることによって、第1及び第2のスイッチン
グ素子1,2が共にオンして直流電源10が短絡するの
を防ぐことができる。
【0047】ところで、上述のような本実施形態の放電
灯点灯装置を始動してから安定点灯に至るまでの動作に
ついて、図6に基づいて以下に説明する。
【0048】図6(a),(b)に示すように、時刻t
0で直流電源10のAC−DC変換部10bから直流電
力が出力され、放電灯La1に無負荷2次電圧V4が印
加される。このとき、放電灯La1は点灯せず、制御回
路20の演算部21はランプ電圧検出信号及びランプ電
流検出信号を入力してレベル信号を出力する。このレベ
ル信号の出力により、上述のようにハイサイド駆動信号
出力部23a及びローサイド駆動信号出力部23bはそ
れぞれハイサイド駆動用およびローサイド駆動用の矩形
波信号を入力する。比較部24は、レベル信号を入力し
てレベル信号の電圧値を基準電圧値と比較し、Lレベル
の比較信号を抵抗R17を介してスイッチング素子SW
6に出力する。比較部24からLレベルの比較信号が出
力されている間、スイッチング素子SW6はオフに維持
され、上述の単安定マルチMM2からローサイド駆動用
の矩形波信号が出力されないようにしている。その結
果、制御回路20は放電灯La1の始動時、図6(d)
に示すように、第2のスイッチング素子2のゲート−ソ
ース間に矩形波信号を出力せずに第2のスイッチング素
子2をオフに固定する。そして、図6(c)に示すよう
に、ハイサイド駆動信号出力部23aからのみ第1のス
イッチング素子1に矩形波信号が出力されて第1のスイ
ッチング素子1はオン/オフを繰り返す。このとき、第
1及び第2のスイッチング素子1,2が共にオフしたと
きには、平滑回路11のインダクタLに蓄えられたエネ
ルギーは、第2のスイッチング素子2のボディダイオー
ドD2を介して回生される。
【0049】制御回路20は、ランプ電圧検出信号によ
りイグナイタ駆動信号出力部25からイグナイタ駆動信
号をイグナイタ起動回路12に出力し、時刻t1におい
て、高圧パルスがイタイグナイタ回路14から放電灯L
a1に印加され、放電灯La1はブレークオーバーして
アーク放電を開始する。そして時刻t2にランプ電圧V
Laが予め設定された電圧値V2に達すると、演算部2
1は、レベル信号の電圧値を変化させて、比較部24か
らHレベルの信号を出力させてスイッチング素子SW6
をオンする。その結果、単安定マルチMM2からのロー
サイド駆動用の矩形波信号が、ローサイド駆動信号出力
部23bを介して第2のスイッチング素子2のゲート−
ソース間に伝達されて、図6(c),(d)に示すよう
に、第1及び第2のスイッチング素子1,2はそれぞれ
交互にオン/オフする同期整流動作を開始する。そして
最後に、図6(a),(b)に示すように、時刻t3で
ランプ電流ILa及びランプ電圧VLaは定格値に達
し、放電灯La1は安定点灯する。
【0050】このように本実施形態の制御回路20は、
放電灯La1の始動時、すなわち放電灯La1の始動か
らランプ電圧VLaが設定された電圧値V2に達すると
きまで第2のスイッチング素子2をオフに固定すること
によって、第1のスイッチング素子1がオフしたときに
流れる振動電流を第2のスイッチング素子2のボディダ
イオードD2に流して振動電流の電流値を抑えることが
でき、過渡的な過電圧の発生を抑制して放電灯La1の
破損を防止することができる。さらに、放電灯La1の
始動後、すなわちランプ電圧VLaが電圧値V2に達す
ると、第2のスイッチング素子2のオフの固定を解除し
て、第1及び第2のスイッチング素子1,2を交互にオ
ン/オフする同期整流動作に切り換えてエネルギーロス
の低減を図ることができる。本実施形態ではランプ電圧
VLaが所定の値に達するときまでを始動時として第2
のスイッチング素子2をオフに固定したが、ランプ電圧
VLa及びランプ電流ILa並びにランプ電力WLaの
うち少なくとも1つの値が所定の値に達するときまで第
2のスイッチング素子2をオフに固定しても良い。ま
た、放電灯La1はメタルハライドランプや超高圧水銀
ランプ以外のHIDランプとしても良い。
【0051】ところで本実施形態では、図13に示す従
来例と同様、放電灯La1をブレークオーバーさせてか
ら安定点灯に至るまでランプ電圧VLaが低いために、
ランプ電流ILaの電流値は定格電流値I1よりも大き
くなる(図6(a)参照)。例えば図13に示す従来例
では、このときスイッチング素子SW11,SW12を
共にオフすると、スイッチング素子SW12のボディダ
イオードに短時間にフライホイール電流が流れて、スイ
ッチング素子SW12の温度上昇が促進され、最悪の場
合にはスイッチング素子SW12を破壊に至らしめて放
電灯点灯装置の信頼性を引き下げることがある。スイッ
チング素子SW12の破壊を防ぐため、サーマルプロテ
クタといった過熱保護素子を設けることがあるが、この
場合には加熱保護素子の誤動作を生じさせることがあ
り、温度上昇を緩和するために放熱面積を大きくした場
合には、放電灯点灯装置の小型軽量化の目的に適さない
こととなってしまう。
【0052】さらに、上述のようなフライホイール電流
によって、エネルギーロスが生じ、回路効率が低減す
る。例えば、図14(b),(c)に示すように、スイ
ッチング素子SW11,SW12を、第1及び第2の休
止期間Td1,Td2を設けてそれぞれ交互にオン/オ
フさせると、インダクタL10には、図14(a)に示
すような電流ILが流れる。第1及び第2の休止期間T
d1,Td2にインダクタL10に流れる電流ILは、
スイッチング素子SW12のボディダイオードを介して
流れ、このボディダイオードでロスが生じる。また、第
1及び第2の休止期間Td1,Td2で電流ILの値を
比べると、第1の休止期間Td1で流れる電流ILの値
の方が、第2の休止期間Td2で流れる電流ILの値よ
りも大きく、その結果、第1の休止期間Td1のときの
ロス及び温度上昇は、第2の休止期間Td2のときより
も大きくなる。
【0053】このように第1の休止期間Td1でのロス
は大きく、同期整流動作時に第1の休止期間Td1を短
くすることによって、エネルギーロスをさらに低減する
ことができる。
【0054】そこで本実施形態では、抵抗R13,R1
4,Rt1のそれぞれの抵抗値およびコンデンサCt1
の容量値を設定することにより単安定マルチMM1から
出力される矩形波信号のパルス幅Wmm1を短くし、第
1の休止期間Td1を短くすることによって、第1の休
止期間Td1の間に第2のスイッチング素子2のボディ
ダイオードD2に流れる電流量を抑制し、エネルギーロ
スをさらに低減している。また、エネルギーロスの多い
第1の休止期間を少なくとも第2の休止期間よりも短く
したときには、エネルギーロスを効率良く低減すること
ができる。 (実施形態2)本実施形態は、制御回路20に特徴があ
り、それ以外の構成は実施形態1と共通するので、共通
する部分については同一の符号を付して説明を省略す
る。
【0055】本実施形態の制御回路20は、図7に示す
ように、実施形態1のPWM制御用IC22の代わりに
発振器26及び発振器26から出力される発振信号を入
力してハイサイド駆動用の矩形波信号を出力する単安定
マルチMM3と、単安定マルチMM3から出力される矩
形波信号を入力して、単安定マルチMM1から出力され
る矩形波信号と比較するための比較用の矩形波信号を出
力する単安定マルチMM4と、単安定マルチMM1から
の矩形波信号と比較用の矩形波信号とが共に出力されて
いるとき、矩形波信号を単安定マルチMM2の入力端B
に出力するAND回路27とを備えている。また、実施
形態1の比較部24及びスイッチング素子SW6並びに
抵抗R17,R18の代わりに信号停止部31を設け、
信号停止部31は、レベル信号の電圧値に応じてローサ
イド駆動信号出力部23bからのローサイド駆動用の矩
形波信号の出力を停止する。
【0056】発振器26は、一端を接地した抵抗Rt2
6およびコンデンサCt26が接続されて、抵抗Rt2
6の抵抗値およびコンデンサCt26の容量値から定ま
る発振周波数の矩形波信号を出力する。
【0057】単安定マルチMM3は、単安定マルチMM
1,MM2と同様、電圧制御型の単安定マルチMMであ
って、一端を接地した抵抗Rt3およびコンデンサCt
3が接続されている。抵抗Rt3の抵抗値及びコンデン
サCt3の容量値は、それぞれ単安定マルチMM1に接
続された抵抗Rt1の抵抗値及びコンデンサCt1の容
量値と略等しくしている。また、単安定マルチMM3の
入力端Aには演算部21の出力端、入力端Bには発振器
26の出力端がそれぞれ接続され、出力端Cは単安定マ
ルチMM1,MM4及びハイサイド駆動信号出力部23
aに接続されている。
【0058】この単安定マルチMM3は、入力端Bに発
振器26からの発振信号が入力されると、発振信号の立
下りでトリガされて、入力端Aに入力されるレベル信号
の電圧値及び抵抗Rt3の抵抗値ならびにコンデンサC
t3の容量値に応じたパルス幅Wmm3のハイサイド駆
動用の矩形波信号を出力端Cから出力する。
【0059】単安定マルチMM4は、他の単安定マルチ
MM1〜MM3と同様、電圧制御型の単安定マルチMM
であって、一端を接地した抵抗Rt4およびコンデンサ
Ct4が接続されている。単安定マルチMM4の入力端
Aには抵抗R19,R20によって分圧されたコントロ
ール電圧Vc4が入力され、出力端CはAND回路27
の入力端に接続されている。
【0060】この単安定マルチMM4の入力端Bに単安
定マルチMM3からの矩形波信号が入力されると、この
矩形波信号の立下りでトリガされて、入力端Aに入力さ
れるコントロール電圧Vc4の電圧値及び抵抗Rt4の
抵抗値ならびにコンデンサCt4の容量値に応じたパル
ス幅Wmm4の矩形波信号を出力端Cから出力する。こ
こで、放電灯点灯装置の動作している間はコントロール
電圧Vc4の電圧値を一定にし、パルス幅Wmm4を一
定に保つようにしている。
【0061】単安定マルチMM1の入力端Aは、演算部
21の出力端に接続され、出力端Cは単安定マルチMM
4と同様にAND回路27の入力端に接続されている。
そしてAND回路27の出力端は、単安定マルチMM2
の入力端Bに接続している。
【0062】このような制御回路20の動作について、
図8(a)〜(e)に基づいて以下に説明する。
【0063】図8(a)に示すように、単安定マルチM
M3からは、演算部21のレベル信号に応じたパルス幅
Wmm3、および発振器26の発振周波数に対応する発
振周期Ta2の矩形波信号が出力される。この矩形波信
号は、ハイサイド駆動信号出力部23aから第1のスイ
ッチング素子1に伝達され、第1のスイッチング素子1
はパルス幅Wmm3の間オンする。
【0064】次に、上述のハイサイド駆動用の矩形波信
号がトリガ信号として単安定マルチMM1の入力端Bに
入力されると、図8(b)に示すように、単安定マルチ
MM1からパルス幅Wmm1の矩形波信号が出力され
る。このとき、単安定マルチMM3に接続された抵抗R
t3の抵抗値およびコンデンサCt3の容量値を、単安
定マルチMM1に接続された抵抗Rt2の抵抗値および
コンデンサCt2の容量値と略等しくし、単安定マルチ
MM1,MM3のそれぞれの入力端Aには、演算部21
から出力されるレベル信号を共に入力して、単安定マル
チMM1から出力される矩形波信号のパルス幅Wmm1
と、単安定マルチMM3から出力されるハイサイド駆動
用の矩形波信号のパルス幅Wmm3とを、レベル信号に
応じて互いに略等しく変化させている。
【0065】そして、単安定マルチMM1から出力され
る矩形波信号と略同時に、単安定マルチMM4からも、
図8(c)に示すように、パルス幅Wmm4の比較用の
矩形波信号が出力される。
【0066】さらに、上述の単安定マルチMM1,MM
4からそれぞれ矩形波信号が共に出力されているとき、
図8(d)に示すように、AND回路27から単安定マ
ルチMM2にパルス幅W27の矩形波信号が出力され、
この矩形波信号の立下りでトリガされて単安定マルチM
M2は、図8(e)に示すように、パルス幅Wmm2の
ローサイド駆動用の矩形波信号を出力する。このローサ
イド駆動用の矩形波信号は、ローサイド駆動信号出力部
23aにより第2のスイッチング素子2に伝達され、第
2のスイッチング素子2はパルス幅Wmm2の間オンす
る。
【0067】つまり、図8(d)に示すAND回路27
から出力されるパルス幅W27の矩形波信号が出力され
ている間は、第1のスイッチング素子1がオフしてから
第2のスイッチング素子2がオンするまで第1及び第2
のスイッチング素子1,2が共にオフする第1の休止期
間Td1となる。そして、単安定マルチMM2からの矩
形波信号の出力が停止してから、次に単安定マルチMM
3から矩形波信号が出力されるまでの間は、第2のスイ
ッチング素子2がオフしてから第1のスイッチング素子
1をオンするまで第1及び第2のスイッチング素子1,
2が共にオフする第2の休止期間Td2となる。
【0068】ところで、図13に示す従来例の同期整流
型の降圧回路を利用した放電灯点灯装置において、第1
及び第2の休止期間を設けてスイッチング素子SW1
1,SW12を交互にオン/オフすると、放電灯La1
の点灯初期にインダクタL10に流れる電流IL1は、
図16に示すように、電流値Ip1をピークにして振動
し、放電灯La1の安定点灯時にインダクタL10に流
れる電流IL2は、電流IL1の電流値よりも小さい電
流値Ip2をピークにして振動する。なお、インダクタ
L10に流れる電流IL1,IL2は、インダクタL1
0及びコンデンサC10により平滑化されて放電灯La
1には電流値ILa1,ILa2の電流が流れる。
【0069】また、スイッチング素子SW11をオフし
たときには、理想的な場合を除いて、しばらくの間電流
が流れ、オフされてから電流が流れなくなるまでに時間
Toffを要する。放電灯La1の点灯初期にスイッチ
ング素子SW11をオフした場合、図17に示すよう
に、スイッチング素子SW11に流れる電流が電流値I
p1から略0に至るまでに時間Toff1を要し、放電
灯La1の安定点灯時にスイッチング素子SW11をオ
フした場合には、図18に示すように、スイッチング素
子SW11に流れる電流が電流値Ip2から略0に至る
までに時間Toff2を要する。電流値Ip1は、電流
値Ip2よりも大きいため、時間Toff1は時間To
ff2よりも長くなる。このように放電灯La1の状態
に応じて、スイッチング素子SW11がオフしてから電
流が流れなくなるまでの時間Toffは変動する。つま
り、放電灯La1の状態に応じて第1のスイッチング素
子1がオフしてから電流が流れなくなるまでの時間は変
動し、この時間より第1の休止期間Td1が短いと、直
流電源10が短絡することとなってしまう。
【0070】本実施形態では、単安定マルチMM1の入
力端Aに演算部21から出力されるレベル信号を入力す
ることによって、単安定マルチMM1からの矩形波信号
のパルス幅Wmm1を放電灯La1の状態に応じて変化
させ、AND回路27は単安定マルチMM4からの一定
のパルス幅Wmm4よりも長くならない範囲で、パルス
幅Wmm1と略等しいパルス幅W27の矩形波信号を出
力し、このパルス幅W27の矩形波信号が出力されてい
る間を第1の休止期間Td1としているので、第1の休
止期間Td1は放電灯La1の状態に応じて変化する。
【0071】そこで、例えばランプ電流ILaの電流値
に応じて、第1の休止期間Td1を第1のスイッチング
素子1がオフしてから電流が流れなくなるまでの時間よ
り長くすることによって、上述の従来例のように直流電
源10が短絡するのを確実に防ぐことができる。
【0072】さらに、第1の休止期間Td1を、放電灯
La1の状態に応じて短く変化させることによって、第
2のスイッチング素子2のボディダイオードD2に流れ
る電流によって生じるロスを低減することができ、ボデ
ィダイオードD2からの発熱を抑制して第2のスイッチ
ング素子2自体の破壊を防止し、信頼性を向上すること
ができる。その結果、放熱面積を大きくすることなく小
型化を図ることができる。
【0073】またさらに、パルス幅Wmm4を単安定マ
ルチMM2から出力される矩形波信号のパルス幅Wmm
2より小さくなるように、抵抗Rt4の抵抗値およびコ
ンデンサCt4の容量値ならびにコントロール電圧Vc
4の電圧値を調整することで、第1の休止期間Td1を
容易に第2の休止期間Td2よりも短くすることがで
き、エネルギーロスを効率良く低減することができる。 (実施形態3)本実施形態における基本構成は実施形態
2と共通するために共通する部分については同一の符号
を付して説明を省略し、本実施形態の特徴となる部分に
ついてのみ詳細に説明する。
【0074】本実施形態の放電灯点灯装置には、図9に
示すように、実施形態1又は2の直流点灯型の放電灯L
a1の代わりに交流点灯型の放電灯La2が備えられ、
ランプ電流の電流経路に例えばFETなどのスイッチン
グ素子SW1〜SW4を有して、それぞれのスイッチン
グ素子SW1〜SW4をオン/オフすることにより放電
灯La2に交番した電圧を印加する極性反転回路15が
設けられている。
【0075】スイッチング素子SW1,SW4の直列回
路と、スイッチング素子SW3,SW2の直列回路と
は、電圧検出回路13に並列接続され、スイッチング素
子SW1,SW4の接続点とスイッチング素子SW3,
SW2の接続点との間に、トランスT2の2次巻線T2
bと放電灯La2の直列回路が接続されている。
【0076】また、制御回路20は、図10に示すよう
に、所定の周波数の発振信号を出力する発振器28と、
発振器28から出力される発振信号に応じてスイッチン
グ素子SW1,SW4を交互にオン/オフするドライバ
29aと、発振器28から出力される発振信号を反転す
るインバータ30と、発振器28から出力されてインバ
ータ30で反転された信号に応じてスイッチング素子S
W2,SW3を交互にオン/オフするドライバ29bと
を具備している。
【0077】制御回路20によりスイッチング素子SW
1,SW2が共にオンされ、スイッチング素子SW3,
SW4が共にオフされたときには、スイッチング素子S
W1,SW2を介してトランスT2の二次巻線T2bか
ら放電灯La2に電流が流れるとともに、スイッチング
素子SW1,SW2が共にオフされ、スイッチング素子
SW3,SW4が共にオンされたときには、逆にスイッ
チング素子SW3,SW4を介して放電灯La2からト
ランスT2の二次巻線T2bに電流が流れる。このよう
に、制御回路20は、1対のスイッチング素子SW1,
SW2と、1対のスイッチング素子SW3,SW4とを
それぞれ各対で交互にオン/オフすることによって、放
電灯La2に交番した電圧を印加する。
【0078】なお、上述のような極性反転回路15の動
作及び制御方法については、従来周知の技術のため詳細
な説明は省略する。
【0079】本実施形態では、極性反転回路15を設け
たことによって、放電灯La2に交番した電圧を印加す
るようにしたことによって、交流点灯型の放電灯La2
を点灯させることができる。
【0080】ところで、本実施形態では極性反転回路1
5を4つのスイッチング素子から成るフルブリッジ回路
としたが、2つのスイッチング素子を備えたハーフブリ
ッジ回路や、一石式の回路としても良い。
【0081】
【発明の効果】請求項1の発明は、直流電源と、ダイオ
ードをそれぞれ逆並列に接続し、直流電源に直列接続す
る第1及び第2のスイッチング素子の直列回路と、第2
のスイッチング素子に並列接続するインダクタおよびコ
ンデンサの直列回路と、コンデンサに並列接続する放電
灯と、第1及び第2のスイッチング素子をオン/オフす
る制御手段とを備え、制御手段は、少なくとも放電灯の
始動時、第2のスイッチング素子をオフに固定するの
で、第2のスイッチング素子を少なくとも放電灯の始動
時にオフに固定することによって、第1のスイッチング
素子をオフしたときに流れる振動電流を第2のスイッチ
ング素子に逆並列に接続されたダイオードに流して振動
電流の電流値を抑えることができ、過渡的な過電圧の発
生を抑制して放電灯の破損を防止するとともに、安定点
灯時には第2のスイッチング素子のオフの固定を解除し
て、第1及び第2のスイッチング素子を交互にオン/オ
フする同期整流動作に切り換えてエネルギーロスの低減
を図ることができるという効果がある。
【0082】請求項2の発明は、制御手段は、放電灯の
始動時から、ランプ電流およびランプ電圧ならびにラン
プ電力のうち少なくとも1つの値が所望の値に達すると
きまで、第2のスイッチング素子をオフに固定するの
で、ランプ電流およびランプ電圧ならびにランプ電力の
うち少なくとも1つの値から放電灯の始動時を判別し、
この判別結果に応じて第2のスイッチング素子のオフの
固定を解除して同期整流動作に切り換え、エネルギーロ
スの低減を図ることができるという効果がある。
【0083】請求項3の発明は、制御手段は、第1のス
イッチング素子がオフしてから第2のスイッチング素子
がオンするまで第1及び第2のスイッチング素子が共に
オフする第1の休止期間と、第2のスイッチング素子が
オフしてから第1のスイッチング素子がオンするまで第
1及び第2のスイッチング素子が共にオフする第2の休
止期間とを設けて、第1及び第2のスイッチング素子を
それぞれ交互にオン/オフするとともに、放電灯の状態
に応じて第1の休止期間を変化させるので、第1の休止
期間を放電灯の状態に応じて変化させることによって、
第1及び第2のスイッチング素子が共にオンして直流電
源が短絡するの確実に防ぎつつ、第2のスイッチング素
子に逆並列に接続されたダイオードに流れる電流によっ
て生じるエネルギーロスを低減することができ、またダ
イオードからの発熱を抑制してダイオード自体の破壊を
防止し、信頼性を向上することができ、その結果、放熱
面積を大きくすることなく小型化を図ることができると
いう効果がある。
【0084】請求項4の発明は、制御手段は、第1の休
止期間を、第1のスイッチング素子をオフしてから第1
のスイッチング素子に電流が流れないようになるまでの
時間より長くするので、直流電源が短絡するのを確実に
防ぐことができるという効果がある。
【0085】請求項5の発明は、制御手段は、第1の休
止期間を少なくとも第2の休止期間よりも短くするの
で、エネルギーロスを効率良く低減することができると
いう効果がある。
【0086】請求項6の発明は、放電灯はHIDランプ
であるので、請求項1〜5の何れかの発明と同様の効果
を奏する。
【0087】請求項7の発明は、ランプ電流の電流経路
に1乃至複数個のスイッチング素子を有し、それぞれの
スイッチング素子をオン/オフすることにより放電灯に
交番した電圧を印加する極性反転回路を備えたので、請
求項1〜6の何れかの発明と同様の効果を奏する。
【0088】請求項8の発明は、高圧パルスを発生して
放電灯を始動させるイグナイタ回路を備えたので、放電
灯を点灯し易くすることができるという効果がある。
【0089】請求項9の発明は、第1のスイッチング素
子は、直流電源の正極側に接続され、第2のスイッチン
グ素子は、直流電源の負極側に接続されたので、請求項
1〜8の何れかの発明と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示す回路図である。
【図2】同上の制御回路を示す回路図である。
【図3】同上の単安定マルチバイブレータの使用例を示
す回路図である。
【図4】同上の単安定マルチバイブレータの動作説明図
である。
【図5】同上の制御回路の動作説明図である。
【図6】同上の動作説明図である。
【図7】実施形態2の制御回路を示す回路図である。
【図8】同上の制御回路の動作説明図である。
【図9】実施形態3を示す回路図である。
【図10】同上の制御回路を示す回路図である。
【図11】従来例を示す回路図である。
【図12】同上の動作説明図である。
【図13】同上の他の回路図である。
【図14】同上の動作説明図である。
【図15】同上の他の動作説明図である。
【図16】同上のインダクタに流れる電流を示す説明図
である。
【図17】同上のスイッチング素子に流れる電流を示す
説明図である。
【図18】同上のスイッチング素子に流れる電流を示す
他の説明図である。
【符号の説明】
1,2 スイッチング素子 10 直流電源 11 平滑回路 12 イグナイタ起動回路 13 電圧検出回路 14 イグナイタ回路 20 制御部 C コンデンサ D1,D2 ボディダイオード L インダクタ La1 放電灯

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源と、ダイオードをそれぞれ逆並
    列に接続し、直流電源に直列接続する第1及び第2のス
    イッチング素子の直列回路と、第2のスイッチング素子
    に並列接続するインダクタおよびコンデンサの直列回路
    と、コンデンサに並列接続する放電灯と、第1及び第2
    のスイッチング素子をオン/オフする制御手段とを備
    え、制御手段は、少なくとも放電灯の始動時に第2のス
    イッチング素子をオフに固定することを特徴とする放電
    灯点灯装置。
  2. 【請求項2】 制御手段は、放電灯の始動時から、ラン
    プ電流およびランプ電圧ならびにランプ電力のうち少な
    くとも1つの値が所望の値に達するときまで、第2のス
    イッチング素子をオフに固定することを特徴とする請求
    項1記載の放電灯点灯装置。
  3. 【請求項3】 制御手段は、第1のスイッチング素子が
    オフしてから第2のスイッチング素子がオンするまで第
    1及び第2のスイッチング素子が共にオフする第1の休
    止期間と、第2のスイッチング素子がオフしてから第1
    のスイッチング素子がオンするまで第1及び第2のスイ
    ッチング素子が共にオフする第2の休止期間とを設け
    て、第1及び第2のスイッチング素子をそれぞれ交互に
    オン/オフするとともに、放電灯の状態に応じて第1の
    休止期間を変化させることを特徴とする請求項1又は2
    記載の放電灯点灯装置。
  4. 【請求項4】 制御手段は、第1の休止期間を、第1の
    スイッチング素子をオフしてから第1のスイッチング素
    子に電流が流れないようになるまでの時間より長くする
    ことを特徴とする請求項3記載の放電灯点灯装置。
  5. 【請求項5】 制御手段は、第1の休止期間を少なくと
    も第2の休止期間よりも短くすることを特徴とする請求
    項3又は4記載の放電灯点灯装置。
  6. 【請求項6】 放電灯はHIDランプであることを特徴
    とする請求項1〜5の何れかに記載の放電灯点灯装置。
  7. 【請求項7】 ランプ電流の電流経路に1乃至複数個の
    スイッチング素子を有し、それぞれのスイッチング素子
    をオン/オフすることにより放電灯に交番した電圧を印
    加する極性反転回路を備えたことを特徴とする請求項1
    〜6の何れかに記載の放電灯点灯装置。
  8. 【請求項8】 高圧パルスを発生して放電灯を始動させ
    るイグナイタ回路を備えたことを特徴とする請求項1〜
    7の何れかに記載の放電灯点灯装置。
  9. 【請求項9】 第1のスイッチング素子は、直流電源の
    正極側に接続され、第2のスイッチング素子は、直流電
    源の負極側に接続されたことを特徴とする請求項1〜8
    の何れかに記載の放電灯点灯装置。
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