JP3822736B2 - 感光性平版印刷版 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポジ型感光性平版印刷版に関し、更に詳しくは、特定のフェノール/p−クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂を含む、耐刷性、耐薬品性、消去性、感度および現像ラチチュードに優れ、かつ焼きボケおよび残色のないポジ型感光性平版印刷版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
平版印刷版は、粗面化処理、陽極酸化処理等の表面処理を施したアルミニウム支持体上に感光性組成物からなる感光層を設けた感光性平版印刷版(いわゆるPS版)を画像露光し、現像して得られる。
このような感光性組成物のうち、ポジ型感光性組成物としてo−キノンジアジド化合物からなるものが汎用されており、これは単独あるいはノボラック型のフェノール樹脂、クレゾール樹脂などのアルカリ可溶性の樹脂と混合され、支持体上に塗設される。感光層を画像露光すると、露光部分はo−キノンジアジド化合物が分解し、アルカリ可溶性に変化するので、アルカリ現像液で容易に除去されて、支持体の親水性表面が露呈され、この部分は水を受け付けインキを反発する。一方、画像として残った未露光部分は親油性でありインキ受容する。通常、このように像露光、現像を行った後、修正、ガム引き工程を施して平版印刷版とされ、これを印刷機に取り付けて印刷する。
【0003】
上記ポジ型感光性組成物におけるバインダー化合物としては、クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂(例えば、m−/p−クレゾール比が6/4の樹脂等)が広く使用されてきた。しかし、これらの樹脂は必ずしも耐刷性が十分ではない。また、耐刷性を向上させるために分子量を大きくすると、アルカリ現像液に溶解しにくくなり、感度が低下し、消去性(修正工程における感光層の消去時間の長短で表される)が劣化する。
特開昭61−205933号公報には、このような感光性平版印刷版の現像性および消去性を改良するために、フェノール成分を導入したフェノール/m−クレゾール/p−クレゾールノボラック樹脂が報告されているが、このような樹脂は耐薬品性に劣り、また、感材が軟調化するため焼きボケし易くなるという問題があった。
また、露光後直ちに可視像を得るための焼きだし剤、画像着色剤として感光層に有機染料を加えることが広く行われているが、この有機染料が現像後非画像部に残る、いわゆる残色という現象が起こり、検版性を劣化させるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐刷性、耐薬品性、消去性、感度および現像ラチチュードに優れ、かつ焼きボケおよび残色のないポジ型感光性平版印刷版を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究したところ、陽極酸化を施したアルミニウム板上に、o−キノンジアジド化合物、フェノールとp−クレゾールのモル比が40/60〜90/10であり、重量平均分子量が6000を越え、30000未満であり、かつ残留モノマーが2重量%以下であるフェノール/p−クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、および有機染料を含有するポジ型感光性組成物を塗布してなるポジ型感光性平版印刷版によって上記目的を達成することを見いだし、本発明を完成したものである。即ち、フェノールとp−クレゾールのモル比が40/60〜90/10であり、重量平均分子量が6000を越え、30000未満であり、かつ残留モノマーが2重量%以下であるフェノール/p−クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂を用いることにより、耐刷性および消去性に優れ、かつ感度が良好である平版印刷版が得られる。また、本発明の樹脂を用いると、フェノール成分を導入しているにも係わらず、従来のm−クレゾール/p−クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂と同様に硬調化するために焼きボケのない平版印刷版を得ることができる。また、本発明のフェノール/p−クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂を使用することにより、耐薬品性が向上し、驚くべきことに残色が大幅に減少した。
残色は支持体のアノダイズ層中のポアの中に現像後も有機染料が残存してしまう現象を言うが、これは恐らくp−クレゾールモノマーと有機染料の相互作用によるものと考えられる。従来合成した樹脂には、p−クレゾールモノマーが多く残存するために、現像後の非画像部に残色を生じ、また耐薬品性も低いと考えられるが、本発明のフェノール/p−クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂を使用することにより、耐薬品性が向上し、残色を生じない平版印刷版を得ることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明について詳細に説明する。
本発明のポジ型感光性平版印刷版は、陽極酸化処理したアルミニウム板表面に、o−キノンジアジド化合物、フェノールとp−クレゾールのモル比が40/60〜90/10であり、重量平均分子量が6000を越え、30000未満であり、かつ残留モノマーが2重量%以下であるフェノール/p−クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、および有機染料を含有する感光性組成物からなる感光層を塗設することにより製造される。
【0007】
〔感光性組成物〕
(o−キノンジアジド化合物)
本発明における感光性組成物に含まれるo−キノンジアジド化合物としては、少なくとも1つのo−キノンジアジド基を有する様々な公知の化合物が挙げられるが、特に種々のヒドロキシ化合物とo−キノンジアジドスルホン酸とのエステルが好適である。前記ヒドロキシ化合物としては、フェノール、レゾルシン、クレゾール、ピロガロール等のフェノール類と、ホルムアルデヒド等のアルデヒド類またはアセトン等のケトン類を例とするカルボニル基含有化合物との縮合化合物が挙げられる。
具体的なo−キノンジアジド化合物としては、1,2 −ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸クロリドと、フェノール類/アルデヒド類またはケトン類との縮合樹脂との反応物が好ましく、ピロガロール/アセトン樹脂との反応物が特に好ましい。具体的には、米国特許第3,635,709号明細書に記載されているピロガロールとアセトンとの縮合物、米国特許第3,046,120号明細書に記載されているフェノール/ホルムアルデヒド樹脂またはクレゾール/ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
その他の有用なo−ナフトキノンジアジド化合物としては、数多くの特許に報告され、知られているものが挙げられる。たとえば、特開昭47−5303号、同48−63802号、同48−63803号、同48−96575号、同49−38701号、同48−13354号、特公昭37−18015号、同41−11222号、同45−9610号、同49−17481号公報、米国特許第2,797,213号、同第3,454,400号、同第3,544,323号、同第3,573,917号、同第3,674,495号、同第3,785,825号、英国特許第1,227,602号、同第1,251,345号、同第1,267,005号、同第1,329,888号、同第1,330,932号、ドイツ特許第854,890号等の各明細書中に記載されているものを挙げることができる。
【0008】
分子量1,000以下のポリヒドロキシ化合物と1,2 −ジアゾナフトキノンスルホン酸クロリドとの反応により得られるo−ナフトキノンジアジド化合物も使用することができる。このような化合物の具体例は、特開昭51−139402号、同58−150948号、同58−203434号、同59−165053号、同60−121445号、同60−134235号、同60−163043号、同61−118744号、同62−10645号、同62−10646号、同62−153950号、同62−178562号、同64−76047号、米国特許第3,102,809号、同第3,126,281号、同第3,130,047号、同第3,148,983号、同第3,184,310号、同第3,188,210号、同第4,639,406号等の各公報又は明細書に記載されているものを挙げることができる。
【0009】
これらのo−ナフトキノンジアジド化合物を合成する際は、ポリヒドロキシ化合物のヒドロキシ基に対して1,2 −ジアゾナフトキノンスルホン酸クロリドを0.2〜1.2当量反応させることが好ましく、0.3〜1.0当量反応させることがさらに好ましい。1,2 −ジアゾナフトキノンスルホン酸クロリドとしては、1,2 −ジアゾナフトキノン−5−スルホン酸クロリドおよび1,2 −ジアゾナフトキノン−4−スルホン酸クロリドをそれぞれ単独で用いてもよく、または一定の割合で混合して用いてもよい。
本発明の感光性組成物中に占めるこれらのo−キノンジアジド化合物の量は10〜50重量%が適当であり、より好ましくは15〜40重量%である。
【0010】
(フェノール/p−クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂)
本発明における感光性組成物はバインダー化合物としてフェノール/p−クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂を含む。
該樹脂におけるフェノールとp−クレゾールの比は、好ましくは40/60〜80/20であり、より好ましくは45/55〜60/40である。
該樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは6500〜20000であり、より好ましくは6500〜9000である。重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)は2〜14であり、好ましくは3〜6である。分子量の測定は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法)により行った(特公平2−56653号公報参照)。
該樹脂はフェノール、p−クレゾールおよびホルムアルデヒドから合成されるものであるが、合成方法としては特に限定されるものではなく、例えば、特開平2−29750号公報に記載される公知の方法を適宜適用することができる。
例えば、該樹脂は酸性触媒を用いて反応溶媒中で縮合反応により合成してもよい。酸性触媒としては、しゅう酸、塩酸、硫酸などの有機酸または無機酸が挙げられ、反応溶媒としては、メタノール、エタノール、水、エチレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、またはジオキサン等が挙げられる。反応条件としては、20〜120℃において1〜24時間行うことが好ましく、合成終了後、残存する未反応のフェノール類を、減圧、加熱などの除去方法により、残存モノマーを2重量%以下、好ましくは1.5重量%以下、より好ましくは1.0重量%以下とする。
本発明のフェノール/p−クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂は、全感光性組成物に対して、20〜90重量%、好ましくは40〜80重量%含有される。
このような本発明のフェノール/p−クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂には、さらにフェノール/ホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾール/ホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾール/ホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾール/ホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−、p−、又はm−/p−混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂等のクレゾール/ホルムアルデヒド樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリハロゲン化ヒドロキシスチレン、特開昭51−34711号公報に開示されているようなフェノール性水酸基を含有するアクリル系樹脂、特開平2−866号公報に記載のスルホンアミド基を有するアクリル系樹脂や、ウレタン系の樹脂等種々のアルカリ可溶性の高分子化合物を含有させることができる。
【0011】
更に、米国特許第4,123,279号明細書に記載されているように、t−ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂、オクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂のような、炭素数3〜8のアルキル基を置換基として有するフェノールとホルムアルデヒドとの縮合物あるいはこれらの縮合物のo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル(例えば特開昭61−243446号に記載のもの)を併用することは画像の感脂性を向上させる上で好ましい。
このような他のアルカリ可溶性樹脂は全感光性組成物に対して70重量%以下の添加量、好ましくは40重量%以下の添加量で用いられる。
【0012】
(有機染料)
本発明における感光性組成物は、露光後直ちに可視像を得るための焼出し剤または着色剤として有機染料を含む。
焼きだし剤としては露光によって酸を放出する感光性化合物と塩を形成し得る有機染料の組合せを代表として挙げることができる。具体的には特開昭50−36209号公報、特開昭53−8128号公報に記載されているo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハライドと塩形成性有機染料の組合せや特開昭53−36223号、同54−74728号、同60−3626号、同61−143748号、同61−151644号、同63−58440号公報に記載されているトリハロメチル化合物と塩形成性有機染料の組合せを挙げることができる。画像の着色剤として前記の塩形成性有機染料以外に他の染料も用いることができる。塩形成性有機染料を含めて好適な染料として油溶性染料及び塩基性染料を挙げることができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#130、オイルビンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上、オリエント化学工業株式会社製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI142555)、エチルバイオレット(CI42600)、メチルバイオレット(CI42535)、ローダミンB(CI45170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等を挙げることができる。また、特開昭62−293247号公報に記載されている染料は特に好ましい。
【0013】
本発明における感光性組成物中には、塗布性を良化するための界面活性剤、例えば特開昭62−170950号公報に記載されているようなフッ素界面活性剤を含有させることが好ましい。特に好ましいのはノニオン系フッ素界面活性剤であり、好ましい具体例としては、MEGAFAC F-176 、MEGAFAC F-177 、DEFENSA MCF-312 、DEFENSA MCF-310 (いずれも大日本インキ化学工業(株) 製)が挙げられる。好ましい添加量は0.01〜1重量%、さらに好ましくは0.05〜0.5重量%である。
本発明における感光性組成物中には、感度を高めるために環状酸無水物やその他のフィラー等を加えることができる。環状酸無水物としては米国特許第4,115,128号明細書に記載されているように無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドオキシ−△4 −テトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸等がある。これらの環状酸無水物を全組成物の重量に対して1から15重量%含有させることによって感度を最大3倍程度に高めることができる。
【0014】
本発明の感光性組成物中には、特開昭60−88942号公報、特開平2−96756号公報に記載されているような、例えばスルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫酸類、ホスホン酸類、ホスフィン酸類、リン酸エステル類、カルボン酸類などを含有させることができる。具体的には、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルフィン酸、リン酸フェニル、リン酸ジフェニル、安息香酸、イソフタル酸、アジピン酸、p−トルイル酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、エルカ酸、ラウリン酸、n−ウンデカ酸、アニス酸などを単独または2種以上組み合わせて、0.05〜10重量%含有させることができる。
本発明の感光性組成物中には、感脂化剤として特公昭57−23253号公報に記載されているような炭素数3〜15のアルキル基で置換されたフェノール、例えばt−ブチルフェノール、n−オクチルフェノール、t−オクチルフェノールとホルムアルデヒドとを縮合させたノボラック樹脂、またはこのようなノボラック樹脂のo−ナフトキノンジアジド−4−または−5−スルホン酸エステル(例えば、特開昭61−243446号公報に記載されている)を0.05〜10重量%含有させることができる。
【0015】
本発明の感光性組成物中には、特開昭62−251740号公報に記載されているように非イオン界面活性剤を0.1〜20重量%含有させることにより、現像ラチチュードを広げることができる。
本発明において感光性組成物は、上記各成分を溶解する溶媒に溶解して支持体上に塗布する。ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、水、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフルフリルアルコール、アセトン、ジアセトンアルコール、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコール、ジメチルエーテル等があり、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用する。そして、上記成分の溶液中の濃度(固形分)は、2〜50重量%である。また、塗布量は用途により異なるが、例えば感光性平版印刷版についていえば一般的に固形分として0.5〜3.0g/m2が好ましい。塗布量が薄くなるにつれ感光性は大になるが、感光膜の物性は低下する。
上記のようにして設けられた感光層の表面は、真空焼枠を用いた密着露光の際の真空引きの時間を短縮し、かつ焼きボケを防ぐため、マット化することが好ましい。具体的には特開昭50−125805号、特公昭57−6582号、同61−28986号の各公報に記載されているようなマット層を設ける方法、特公昭62−62337号公報に記載されているような固体粉末を熱融着させる方法などが挙げられる。
【0016】
〔陽極酸化処理〕
本発明のアルニウム支持体は後述する処理を行った後、以下の陽極酸化処理が施される。陽極酸化処理はこの分野で従来より行われている方法で行うことができる。具体的には、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルフォン酸等あるいはこれらの二種以上を組み合わせて、水溶液または非水溶液中でアルミニウムに直流または交流を流すとアルミニウム支持体表面に陽極酸化皮膜が形成される。
陽極酸化処理の条件は使用される電解液によって種々変化するので一概に決定され得ないが、一般的には電解液の濃度が1〜80%、液温5〜70℃、電流密度0.5〜60アンペア/dm2 、電圧1〜100V、電解時間10〜100秒の範囲が適当である。
【0017】
これらの陽極酸化処理のうちでも特に英国特許第1,412,768号明細書に記載されている、硫酸中で高電流密度で陽極酸化する方法及び米国特許第3,511,661号明細書に記載されているリン酸を電解浴として陽極酸化する方法が好ましい。
本発明においては、陽極酸化皮膜は1g/m2以上6g/m2以下であることが好ましく、2g/m2以上4g/m2以下であることがより好ましい。陽極酸化被膜が1g/m2より少ないと耐刷性が不十分となり、非画像部に傷が付き易くなるが、一方6g/m2以上であると、非画像部の強度が増加して傷による汚れは減少するものの、残色を生じ不利である。
【0018】
〔アルミニウム支持体〕
本発明の感光性平版印刷版に用いられるアルミニウム支持体としては、アルミニウム板などの基板を表面処理したものが用いられる。このような基板としては、アルミニウムからなる純アルミニウム板、アルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含むアルミニウム合金板、又はアルミニウム或いはアルミニウム合金がラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィルム又は紙が挙げられる。更に、特公昭48−18327号公報に記載されているようなポリエチレンテレフタレートフィルム上にアルミニウムシートが結合された複合体シートを用いてもよい。
前記アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがあり、合金中の異元素の含有量は10重量%以下である。本発明では純アルミニウム板が好適であるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のもの、例えば、JIS A 1050、JIS A 1100、JIS A 3103、JIS A 3005などを適宜利用することが出来る。
また、本発明に用いられるアルミニウム基板の厚みは、およそ0.1mm〜0.6mm程度である。この厚みは印刷機の大きさ、印刷版の大きさ及びユーザーの希望により適宜変更することができる。アルミニウム基板には適宜、前述および後述の基板表面処理、例えば砂目立て処理、珪酸ソーダ等の水溶液への浸漬処理、あるいは陽極酸化処理が施される。
【0019】
〔砂目立て処理〕
上記アルミニウム基板の砂目立て処理方法としては、特開昭56−28893号公報に開示されているような機械的、化学的、電気化学的な方法のいずれの方法も有効である。機械的方法としては、アルミニウム基板表面を金属ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立てするボールグレイン法、ナイロンブラシと研磨剤で表面を砂目立てするブラシグレイン法などがある。化学的方法としては、特開昭55−31187号公報に記載されているような鉱酸のアルミニウム塩の飽和水溶液に浸漬する方法が適しており、さらに塩酸または硝酸電解液中で電気化学的に砂目立てする電気化学的砂目立て方法も好ましい。上記砂目立て方法を単独あるいは組み合わせて用いることもできる。このような粗面化方法のうち、特に特開昭55−137993号公報に記載されているような機械的粗面化と電気化学的粗面化を組み合わせた粗面化方法は、感脂性画像の支持体への接着力が強いので好ましい。
【0020】
〔エッチング処理〕
このように砂目立て処理したアルミニウム基板は、必要に応じて水洗および化学的にエッチングされる。エッチング処理液は、通常アルミニウムを溶解する塩基あるいは酸の水溶液より選ばれる。この場合、エッチングされた表面に、エッチング液成分から誘導されるアルミニウムと異なる被膜が形成されないものでなければならない。好ましいエッチング剤を例示すると、塩基性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二カリウム等が挙げられる。酸性物質としては、硫酸、過硫酸、リン酸、塩酸およびその塩等であるが、アルミニウムよりイオン化傾向の低い金属、例えば亜鉛、クロム、コバルト、ニッケル、銅等の塩はエッチング表面に不必要な被膜を形成するため好ましくない。
これらののエッチング剤は、使用濃度、温度の設定において、使用するアルミニウムあるいは合金の溶解速度が浸漬時間1分当たり0.3〜40g/m2になるように行われるのが最も好ましいが、これを上回るあるいは下回るものであっても差し支えない。
エッチングは上記エッチング液にアルミニウム板を浸漬するか、該アルニウム板にエッチング液を塗布する等の方法により行われ、エッチング量が0.5〜10g/m2の範囲となるように処理されることが好ましい。
上記エッチング剤としては、そのエッチング速度が早いという特長から塩基の水溶液を使用することが好ましい。この場合、スマットが生成するので、通常デスマット処理される。デスマット処理には硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ酸、ホウフッ化水素酸等が用いられる。特に電気化学的粗面化処理後のスマット除去処理方法としては、特開昭53−12739号公報に記載されているような50〜90℃の温度条件において15〜65重量%の硫酸と接触させる方法及び特公昭48−28123号公報に記載されているアルカリエッチング方法が好ましい。
エッチング処理されたアルミニウム基板は必要により水洗および前述の陽極酸化される。
【0021】
〔親水性下塗り層〕
上述のように粗面化され、陽極酸化されたアルミニウム基板は必要に応じて親水化処理をしてもよく、その好ましい例としては、米国特許第2,714,066号および同第3,181,461号に開示されているようなアルカリ金属シリケート、例えば珪酸ナトリウム水溶液または特公昭36−22063号公報に開示されているフッ化ジルコニウム酸カリウムおよび米国特許第4,142,463号明細書に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法がある。
また、上述のように粗面化され、陽極酸化され、更に必要に応じて親水化処理されたアルミニウム板上には水溶性化合物からなる下塗り層を設けることができる。
このような水溶性化合物の例としては、特公昭57−16349号公報に記載されている水溶性金属塩と親水性セルロースの組合せ(例えば、塩化亜鉛とカルボキシメチルセルロース、塩化マグネシウムとヒドロキシエチルセルロースなど)、米国特許第3,511,611号明細書に開示されているポリアクリルアミド、特公昭46−35685号公報に記載されているポリビニルホスホン酸、特開昭60−149491号公報に記載されているアミノ酸および/またはその塩類(Na塩、K塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、塩酸塩、蓚酸塩、酸酸塩、リン酸塩等)、特開昭60−232998号公報に開示されている、少なくとも1個のアミノ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物及びその塩類(塩酸塩、蓚酸塩、リン酸塩等)が挙げられ、中でもアミノ酸および/またはその塩、水酸基をもつアミンおよび/またはその塩は特に好ましい。このような水溶性化合物の下塗り層は固形分で1mg/m2 〜50mg/m2 の範囲で設けるのが好ましい。
【0022】
〔画像露光および現像〕
上記のように製造された感光性平版印刷版を画像露光後、現像液で現像することにより露光部分の感光層が除去されて、平版印刷版が得られる。
露光に使用される光源としては、水銀灯、メタルハライドランプなどがある。本発明のポジ型感光性平版印刷版に対する現像液は、実質的に有機溶媒を含まないアルカリ性の水溶液が好ましく、具体的には珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、メタ珪酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、アンモニア水などのような水溶液が適当であり、それらの濃度が0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%になるように添加される。
また該アルカリ性水溶液には、必要に応じ、例えば特開昭50−51324号、特公平1−57895号公報に記載されているような界面活性剤やアルコールなどのような有機溶媒を加えることもできる。また、特開昭58−190952号公報に記載されているようにキレート剤を含有させることができる。
【0023】
本発明の感光性平版印刷版は、特開昭54−8002号、同55−115045号、特開昭59−58431号の各公報に記載されている方法で製版処理してもよいことは言うまでもない。即ち、現像処理後、水洗してから不感脂化処理、またはそのまま不感脂化処理、または酸を含む水溶液での処理、または酸を含む水溶液で処理後不感脂化処理を施してもよい。さらに、この種の感光性平版印刷版の現像工程では、処理量に応じてアルカリ水溶液が消費されアルカリ濃度が減少したり、あるいは、自動現像液の長時間運転により空気によってアルカリ濃度が減少するため処理能力が低下するが、その際、新鮮な未使用の現像液(補充液)を添加するか、又は特開昭54−62004号に記載のようにアルカリ度の高い補充液を用いて処理能力を回復させてもよい。この場合、処理されるPS版の一片の長さに比例する量の補充液を添加する方法や米国特許第4,882,246号に記載されている方法で補充することが好ましい。
【0024】
また、上記のような製版処理は、特開平2−7054号、同2−32357号公報に記載されているような自動現像機で行なうことが好ましい。
また、本発明の感光性平版印刷版を画像露光し、現像し、水洗又はリンスしたのちに、不必要な画像部の消去を行なう場合には、特公平2−13293号公報に記載されているような消去液を用いることが好ましい。更に製版工程の最終工程で所望により塗布される不感脂化ガムとしては、特公昭62−16834号、同62−25118号、同63−52600号、特開昭62−7595号、同62−11693号、同62−83194号の各公報に記載されているものが好ましい。
更にまた、本発明の感光性平版印刷版を画像露光し、現像し、水洗又はリンスし、所望により消去作業をし、水洗したのちにバーニングする場合には、バーニング前に特公昭61−2518号、同55−28062号、特開昭62−31859号、同61−159655号の各公報に記載されているような整面液で処理することが好ましい。
以下、本発明を実施例および比較例を用いてより具体的に説明する。
【0025】
【実施例】
実施例1〜7および比較例1〜8
厚さ0.30mmのアルミニウム板をナイロンブラシと400メッシュのパミストンの水懸濁液を用いてその表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。10%水酸化ナトリウムに70℃で60秒間浸漬してエッチングした後、流水で水洗後20%HNO3 で中和洗浄、水洗した。これをVA =12.7Vの条件下で正弦波の交番波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で260クーロン/dm2 の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。その表面粗さを測定したところ、0.55μ(Ra表示)であった。ひきつづいて30%のH2 SO4 水溶液中に浸漬し、55℃で2分間デスマットした後、20%H2 SO4 水溶液中、電流密度2A/dm2 で2.8g/m2になるように陽極酸化し、基板を調製した。
このように処理された基板の表面に下記組成の下塗り液(A)を塗布し、80℃で30秒間乾燥した。乾燥後の被覆量は10mg/m2であった。
【0026】
下塗り液(A)
β−アラニン 0.05g
トリエタノールアミンの塩酸塩 0.05g
メタノール 40 g
水 60 g
次にこの基板(I)上に下記の感光液をロッドコーティングで25ml/m2塗設し、100℃で1分間乾燥して、実施例および比較例のポジ型感光性平版印刷版を得た。乾燥後の塗布量は約1.0g/m2であった。
【0027】
〔感光液〕
1,2 −ジアゾナフトキノン−5−スルホニルクロリドと 0.90g
ピロガロール−アセトン樹脂とのエステル化物(米国特
許第3,635,709号明細書の実施例1に記載されてい
るもの)
表1に記載のノボラック樹脂 1.60g
クレゾール−ホルムアルデヒドノボラック樹脂(メタ、パラ 0.3 g
比=6:4、重量平均分子量5,000、数平均分子量1、500、
未反応のクレゾールを0.7%含有)
ポリ[N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリル 0.2g
アミド−コーノルマルブチルアクリレート−コージエチレン
グリコールモノメチルエーテルメタクリレート]
(各モノマーのモル比は順に40:40:20、
重量平均分子量4,000、数平均分子量20,000)
p−tert−オクチルフェノール/ホルムアルデヒド樹脂 0.05g
(米国特許第4,123,279号明細書に記載されているもの)
クルクミン 0.01g
1,2−ナフトキノンジアジド−1,2−ジアジド−4 0.01g
−スルホン酸クロリド
4−[p−N−(p−ヒドロキシベンゾイル)アミノ− 0.02g
フェニル]−2,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン
4−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−2,6− 0.02g
ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン
1−[α−メチル−α−(4−ヒドロキシ−3,5− 0.04g
ジヒドロキシメチルフェニル)エチル]−4−[α,α−
ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)−
エチル]ベンゼン
テトラヒドロ無水フタル酸 0.02g
安息香酸 0.02g
N−(1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニル 0.01g
オキシ)−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド
ビクトリアピュアブル−BOH〔保土谷化学(株)製〕の 0.05g
対アニオンを1−ナフタレンスルホン酸に変えた染料
メガファクF−176(大日本インキ化学工業(株)製 0.04g
フッ素系界面活性剤)(約20%溶液)
DEFENSA MCF−312(大日本インキ化学工業 0.04g
(株)製フッ素系界面活性剤)(約33%溶液)
メチルエチルケトン 18g
1−メトキシ−2−プロパノール 5g
【0028】
この様にして塗布されたプレートの上に特公昭61−28986号公報実施例1に記載の方法に基づいて、(メチルメタクリレート/エチルアクリレートアクリル酸ソーダ:68/20/12)の共重合体水溶液100gに対しタートラジン0.1gを溶解し、これを静電スプレーすることによりマット層を設けた。
得られたサンプルのモノマー比、重量平均分子量、数平均分子量およびフェノール類の残留モノマー量を表1に示した。
【0029】
Figure 0003822736
【0030】
表1の各サンプルを以下の方法で評価を行い、結果を表2に示した。
耐刷力:
富士フイルムPSライト(東芝メタルハライドランプMU2000−2−OLk型3kW)で50秒間照射した後、SiO2/Na2Oのモル比が1.74の珪酸ナトリウムの5.26%水溶液(pH=12.7)で現像し、水洗、ガム引きした後、定法の手順で印刷し、正常な印刷物が得られた印刷枚数を測定した。
感度:
富士フイルムPSライト(東芝メタルハライドランプMU2000−2−OLk型3kW)で照射し、濃度差0.15のグレースケールで5段が完全に白抜けとなる時間で表した。
現像ラチチュード:
富士フイルムPSライト(東芝メタルハライドランプMU2000−2−OLk型3kW)で50秒間照射した後、SiO2/Na2Oのモル比が1.74の珪酸ナトリウムの5.26%水溶液(pH=12.7)を用いて25℃で30秒間および5分間処理し、濃度差0.15のグレースケールでベタ段数の変化(5分間処理段数−30秒間処理段数)を表した。
【0031】
焼きボケ:
ゴミがついて汚れている175l/インチの50%平網原稿を、富士フイルムPSライト(東芝メタルハライドランプMU2000−2−OLk型3kW)で50秒間照射した後、SiO2/Na2Oのモル比が1.74の珪酸ナトリウムの5.26%水溶液(pH=12.7)で現像し、ゴミの周りのボケている程度を目視で観察した。
消去性:
富士フイルムPSライト(東芝メタルハライドランプMU2000−2−OLk型3kW)で50秒間照射し、SiO2/Na2Oのモル比が1.74の珪酸ナトリウムの5.26%水溶液(pH=12.7)で現像処理した後の印刷版の画像部を消去液(富士写真フィルム(株)製消去液RP−2)で消去した時、消去部が印刷で汚れなくなるまでの時間(RP−2が画像部に付着している時間)を測定した。
耐薬品性:
ウルトラプレートクリーナー(A.B.C.ケミカル(株)社製)原液に室温で未露光プレートを40分間浸漬後、水洗し、浸食度を判定した。
残色:
富士フイルムPSライト(東芝メタルハライドランプMU2000−2−OLk型3kW)で50秒間照射した後、SiO2/Na2Oのモル比が1.74の珪酸ナトリウムの5.26%水溶液(pH=12.7)で現像し、非画像部濃度と塗布前の支持体濃度の差(ΔD)を測定した。
【0032】
Figure 0003822736
Figure 0003822736
【0033】
表2に示されるように、フェノールとp−クレゾールのモル比が40/60〜90/10の範囲内であるバインダー化合物を用いた本発明の感光性平版印刷版は、上記モル比外である場合(比較例1および2)と比較して、感度、または現像ラチチュード、焼きボケ、耐薬品性において優れた結果を示した。また、残留モノマーが2重量%より少ないバインダー化合物を用いた本発明の感光性平版印刷版は、残留モノマーが2重量%多いバインダー化合物を用いた比較例3と比べ、耐薬品性において優れた結果を示し、また、残色も生じなかった。重量平均分子量が6000を越え、30000未満であるバインダー化合物を使用した本発明の感光性平版印刷版は、重量平均分子量が6000以下または30000以上の樹脂を使用した比較例4および5に比べ、感度および耐薬品性において優れた結果を示し、かつ焼きボケを生じなかった。また、従来のフェノール/m−クレゾール/p−クレゾール(比較例6)またはm−クレゾール/p−クレゾール(比較例7および8)の組合せの樹脂を使用した場合に比べ、本発明のフェノール/p−クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂を使用した感光性平版印刷版は、焼きボケ、耐刷力、または消去性において優れた結果を示した。
【0034】
【発明の効果】
本発明の、感光層にo−キノンジアジド化合物、フェノールとp−クレゾールのモル比が40/60〜90/10であり、重量平均分子量が6000を越え、30000未満であり、かつ残留モノマーが2重量%以下であるフェノール/p−クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、および有機染料を含有するポジ型感光性平版印刷版は、耐刷性、耐薬品性、消去性、感度および現像ラチチュードに優れ、かつ焼きボケおよび残色のないポジ型感光性平版印刷版を与える。

Claims (1)

  1. 陽極酸化を施したアルミニウム板上にポジ型感光層を設けてなるポジ型感光性平版印刷版であって、該ポジ型感光層がo−キノンジアジド化合物、フェノールとp−クレゾールのモル比が40/60〜90/10であり、重量平均分子量が6000を越え、30000未満であり、かつ残留モノマーが2重量%以下であるフェノール/p−クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、および有機染料を含有することを特徴とする、上記ポジ型感光性平版印刷版。
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