JP2775526B2 - 感光性平版印刷版 - Google Patents

感光性平版印刷版

Info

Publication number
JP2775526B2
JP2775526B2 JP3010604A JP1060491A JP2775526B2 JP 2775526 B2 JP2775526 B2 JP 2775526B2 JP 3010604 A JP3010604 A JP 3010604A JP 1060491 A JP1060491 A JP 1060491A JP 2775526 B2 JP2775526 B2 JP 2775526B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
group
lithographic printing
printing plate
photosensitive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3010604A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05246171A (ja
Inventor
彰 永島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP3010604A priority Critical patent/JP2775526B2/ja
Priority to US07/827,452 priority patent/US5254430A/en
Priority to EP92101561A priority patent/EP0497351B1/en
Priority to DE69219175T priority patent/DE69219175T2/de
Publication of JPH05246171A publication Critical patent/JPH05246171A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2775526B2 publication Critical patent/JP2775526B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポジ型感光性平版印刷
版に関するものであり、さらに詳しくは陽極酸化皮膜を
有するアルミニウム板上に、改良された親水性層を設け
てなるポジ型感光性平版印刷版に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、平版印刷版は、アルミニウム板上に
感光性組成物を薄層状に塗設した感光性平版印刷版を画
像露光後、現像して得られる。上記のアルミニウム板は
通常ブラシグレイン法やボールグレイン法のごとき機械
的な方法や電解グレイン法のごとき電気化学的方法ある
いは両者を組合せた方法などの粗面化処理に付され、そ
の表面が梨地状にされたのち、酸またはアルカリ等の水
溶液によりエッチングされ、さらに陽極酸化処理を経た
のち所望により親水化処理が施されて平版印刷版用支持
体とされ、この支持体上に感光層が設けられて感光性平
版印刷版(いわゆるPS版)とされる。このPS版は、
通常、像露光、現像、修正、ガム引き工程を施して平版
印刷版とされ、これを印刷機に取り付けて印刷する。
【0003】しかしながら上記の平版印刷版において、
ポジ作用のPS版を像露光、現像して得られた平版印刷
版の非画像部には感光層中に含まれる物質が不可逆的に
吸着し、非画像部を汚染するため、いわゆる残色が生じ
て修正工程で画像部と非画像部の識別が困難であった
り、修正跡が明瞭に残り不均一な版面となり、その程度
がひどくなると汚れとなるため印刷版として使用できな
くなるという問題があった。
【0004】これを改善するため、従来は、陽極酸化処
理したアルミニウム支持体表面を米国特許第3,181,461
号明細書に記載されているようなアルカリ金属珪酸塩中
に浸漬する方法、米国特許第3,860,426 号明細書に記載
されているような、水溶性金属塩を含む親水性セルロー
スを下塗りする方法、又は英国特許第2,098,627 号公報
に記載されているようなアリールスルホン酸ナトリウム
を下塗りする方法、そのほか、米国特許第3,511,661 号
明細書に開示されているポリアクリルアミド、特公昭4
6−35685号公報に開示されているポリビニルホス
ホン酸、特開昭60−149491号公報に開示されて
いるアミノ酸およびその塩類(Na塩、K塩等のアルカリ
金属塩、アンモニウム塩、塩酸塩、蓚酸塩、酢酸塩、り
ん酸塩等)、特開昭60−232998号公報に開示さ
れている水酸基を有するアミン類およびその塩類(塩酸
塩、蓚酸塩、りん酸塩等)、特開昭63−165183
号公報に開示されているアミノ基及びホスホン酸基を有
する化合物又はその塩を下塗りする方法などが提案され
ている。しかしながらこれらの方法では、非画像部の残
色の低減が不十分であったり、上述した“汚れ”の発生
を完全におさえることができなかったり、感光性組成物
と支持体との密着が不十分になるために、耐刷性が大幅
に低下するなどの問題があり、満足できるものではなか
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、画像
露光し、現像処理した時、非画像部の色残り(いわゆる
残色)が少なく、汚れが生じにくい平版印刷版を与える
ような感光性平版印刷版を提供することである。さらに
他の目的は画像部が支持体に強固に密着して、耐刷性の
優れた平版印刷版を与えるような感光性平版印刷版を提
供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく、鋭意検討した結果、本発明をなすに至
ったものであって、本発明は、粗面化処理し、しかる後
に陽極酸化を施し、その陽極酸化皮膜層が1.0g/m2
上であるアルミニウム板上に、(A)ホスホン酸基を一分
子中に一つないし二つ有する、置換または無置換の脂肪
族または芳香族ホスホン酸類およびその塩、および(B)
ホスフィン酸基を一分子中に一つないし二つ有する、置
換または無置換の脂肪族または芳香族ホスフィン酸類お
よびその塩((A) 、(B) における置換基は、ヒドロキシ
ル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、カルボキシル
基、アルキル基、アリール基、アリル基、アシル基、ア
シロキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子から選
ばれた少くとも一つ)からなる化合物群から選ばれた少
なくとも1種の化合物を含む親水性層を設け、さらにそ
の上にポジ型感光性組成物層を設けたことを特徴とする
感光性平版印刷版を提供するものである。
【0007】以下、本発明について順を追って詳しく説
明する。本発明において用いられるアルミニウム板は、
純アルミニウム又は、アルミニウムを主成分とし、微量
の異原子を含むアルミニウム合金等の板状体である。こ
の異原子には、硅素、鉄、マンガン、銅、マグネシウ
ム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどが
ある。合金中の異原子の含有量は高々10重量%以下で
ある。本発明に好適なアルミニウムは純アルミニウムで
あるが、完全に純粋なアルミニウムは、精練技術上製造
が困難であるので、できるだけ異原子の含有量の低いも
のがよい。又、上述した程度の含有率のアルミニウム合
金であれば、本発明に適用しうる素材ということができ
る。このように本発明に適用されるアルミニウム板は、
その組成が特定されるものではなく従来公知、公用の素
材のものを適宜利用することができる。本発明に用いら
れるアルミニウム板の厚さは、およそ0.1mm〜0.5mm程
度である。
【0008】アルミニウム板を粗面化処理するに先立
ち、所望により、表面の圧延油を除去するための、例え
ば界面活性剤又はアルカリ性水溶液による脱脂処理が行
なわれる。
【0009】なお本発明の感光性平版印刷版は、片面の
み使用できるものであっても、両面とも同様な処理によ
って使用できるものであってもよい。両面でも同様なた
め、以下は、片面の場合について説明する。
【0010】粗面化処理方法としては、機械的に表面を
粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解する方法及び
化学的に表面を選択溶解させる方法がある。機械的に表
面を粗面化する方法としては、ボール研磨法、ブラシ研
磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等と称せられる公知
の方法を用いることができる。また電気化学的な粗面化
法としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により
行なう方法がある。また、特開昭54−63902号公
報に開示されているように両者を組合せた方法も利用す
ることができる。
【0011】このように粗面化されたアルミニウム板
は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理
される。
【0012】アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられ
る電解質としては多孔質酸化皮膜を形成するものならば
いかなるものでも使用することができ、一般には硫酸、
燐酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いら
れ、それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜
決められる。
【0013】陽極酸化の処理条件は用いる電解質により
種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的には電解
質の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電
流密度5〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解時間
10秒〜50分の範囲にあれば適当である。
【0014】陽極酸化皮膜の量は1.0g/m2以上が好適
であるが、より好ましくは2.0〜6.0g/m2の範囲であ
る。陽極酸化皮膜が1.0gより少ないと耐刷性が不十分
であったり、平版印刷版の非画像部に傷がつき易くなっ
て、印刷時に、傷の部分にインキが付着するいわゆる
「傷汚れ」が生じ易くなる。
【0015】上述の如き処理を施したアルミニウム板の
陽極酸化皮膜上に、後述する種々の方法で、下記の親水
性化合物を含む親水性層を設ける。
【0016】本発明に用いられる親水性化合物は、(A)
ホスホン酸基を一分子中に一つないし二つ有する、置換
または無置換の脂肪族または芳香族ホスホン酸類および
その塩、および(B) ホスフィン酸基を一分子中に一つな
いし二つ有する、置換または無置換の脂肪族または芳香
族ホスフィン酸類およびその塩((A) 、(B) における置
換基は、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ
基、カルボキシル基、アルキル基、アリール基、アリル
基、アシル基、アシロキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハ
ロゲン原子から選ばれた少くとも一つ)からなる化合物
群から選ばれた少なくとも1種の化合物である。
【0017】アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、アリーロ
キシ基としては、フェノキシ基、p−クロルフェノキシ
基、p−メチルフェノキシ基、アルキル基としては、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、
n−ブチル基、アリール基としては、フェニル基、o−
トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−クロルフ
ェニル基、アシル基としては、ホルミル基、アセチル
基、プロピオニル基、ベンゾイル基、アシロキシ基とし
ては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ピバロイ
ルオキシ基、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素、などが挙げられる。
【0018】塩としては、これらホスホン酸およびまた
はホスフィン酸類のカリウム、ナトリウム、リチウム等
のアルカリ金属塩、カルシウム、コバルト、鉄(二価お
よび三価)、ニッケル、マンガン、マグネシウム、バリ
ウム、銅、ストロンチウムなどの多価金属塩、テトラメ
チルアンモニウム等のアンモニウム塩などが挙げられ
る。
【0019】本発明に用いられる親水性化合物のうち好
ましい化合物は、一分子中にホスホン酸基またはホスフ
ィン酸基を一つ有する脂肪族または芳香族のホスホン酸
またはホスフィン酸類である。具体例としては、フェニ
ルホスホン酸、p−ニトロフェニルホスホン酸、p−メ
トキシフェニルホスホン酸、p−ヒドロキシフェニルホ
スホン酸、p−トリルホスホン酸、p−アセチルフェニ
ルホスホン酸、p−シアノフェニルホスホン酸、m−ク
ロルフェニルホスホン酸、メチルホスホン酸、エチルホ
スホン酸、2−カルボキシエチルホスホン酸、2−フェ
ニルエチルホスホン酸、2−ヒドロキシエチルホスホン
酸、2−メトキシエチルホスホン酸、2−アセチルエチ
ルホスホン酸、2−クロルエチルホスホン酸などのホス
ホン酸類およびフェニルホスフィン酸、p−ニトロフェ
ニルホスフィン酸、p−メトキシフェニルホスフィン
酸、p−ヒドロキシフェニルホスフィン酸、p−トリル
ホスフィン酸、p−アセチルフェニルホスフィン酸、p
−シアノフェニルホスフィン酸、m−クロルフェニルホ
スフィン酸、メチルホスフィン酸、エチルホスフィン
酸、2−カルボキシエチルホスフィン酸、2−フェニル
エチルホスフィン酸、2−ヒドロキシエチルホスフィン
酸、2−メトキシエチルホスフィン酸、2−アセチルエ
チルホスフィン酸、2−クロルエチルホスフィン酸、ジ
メチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジフェニ
ルホスフィン酸等のホスフィン酸類が挙げられる。
【0020】かかる化合物の中で最も好ましい化合物と
して、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸が挙
げられる。フェニルホスホン酸とフェニルホスフィン酸
は耐刷性を劣化させないばかりか、逆に耐刷性を向上さ
せる効果を有しており、このことは全く予測できないこ
とであった。
【0021】本発明における親水性層は、次のような方
法で設けることができる。すなわち、水又はメタノー
ル、エタノールなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶
剤に上記の親水性化合物を溶解させた溶液を塗布、乾燥
して親水性層を設ける方法と、水又はメタノール、エタ
ノールなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に、上
記の親水性化合物を溶解させた溶液に、上述の陽極酸化
を施したアルミニウム板を浸漬して親水性化合物を吸着
させ、しかる後、水などによって、洗浄、乾燥して親水
性層を設ける方法である。前者の方法では、上記のよう
な親水性化合物を0.005〜10重量%の濃度で溶解し
た塗布液を種々の方法で塗布できる。例えばバーコータ
ー塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布等のい
ずれかの方法を用いてもよい。また、本発明の親水性化
合物を溶解した溶液に浸漬後、水などによって洗浄する
方法では、溶液の濃度は0.01〜20重量%、好ましく
は0.05〜5重量%であり、浸漬温度は20℃〜90
℃、好ましくは25℃〜50℃であり、浸漬時間は、0.
1秒〜20分、好ましくは2秒〜1分である。
【0022】親水性層の乾燥後の被覆量は、2mg/m2
200mg/m2が適当であり、好ましくは5mg/m2〜10
0mg/m2、さらに好ましくは10mg/m2〜60mg/m2
ある。
【0023】上記の被覆量が2mg/m2より少なくなるに
つれて非画像部の汚れ防止等に効果が少なくなって行
き、他方200mg/m2より多くなるにつれて感光層と支
持体との密着性が劣化し、耐刷力の低い平版印刷版しか
得られなくなる。
【0024】本発明の親水性層を設ける際に使用する溶
液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウム
等の塩基性物質や、塩酸、リン酸等の酸性物質によりpH
を調節し、pH1〜12の範囲で使用することもできる。
また、感光性平版印刷版の調子再現性改良のため、黄色
染料を添加することもできる。
【0025】また本発明の親水性層には公知の親水性化
合物、例えばカルボキシメチルセルロース、デキストリ
ン、アラビアゴム、2−アミノエチルホスホン酸などの
アミノ基を有するホスホン酸類、グリシンやβ−アラニ
ンなどのアミノ酸類、トリエタノールアミンの塩酸塩等
のヒドロキシ基を有するアミンの塩酸塩等を混合するこ
とができる。本発明の親水性層は、上記本発明の親水性
化合物を少なくとも30重量%含むことが望ましい。
【0026】このような親水性層を設ける前又は後に、
陽極酸化されたアルミニウム板を米国特許第3,181,461
号に記載されているように、アルカリ金属シリケート
(例えば珪酸ソーダ)の水溶液で処理することができ
る。
【0027】このようにして得られた親水性化合物で被
覆されたアルミニウム支持体上に、公知のポジ型感光性
組成物よりなる感光層を設けて、感光性平版印刷版を得
る。
【0028】上記の感光層の組成物としては、露光の前
後で現像液に対する溶解性又は膨潤性が変化するもので
あればいずれも使用できる。以下、その代表的なものに
ついて説明する。
【0029】ポジ型感光性組成物の感光性化合物として
は、o−キノンジアジド化合物が挙げられ、その代表と
してo−ナフトキノンジアジド化合物が挙げられる。
【0030】o−ナフトキノンジアジド化合物として
は、特公昭43−28403号公報に記載されている
1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロライドとピ
ロガロール−アセトン樹脂とのエステルであるものが好
ましい。その他の好適なオルトキノンジアジド化合物と
しては、米国特許第3,046,120 号および同第3,188,210
号明細書中に記載されている1,2−ジアゾナフトキノ
ン−5−スルホン酸クロリドとフェノール−ホルムアル
デヒド樹脂とのエステルがあり、特開平2−96163
号公報、特開平2−96165号公報、特開平2−96
761号公報に記載されている1,2−ジアゾナフトキ
ノン−4−スルホン酸クロリドとフェノール−ホルムア
ルデヒド樹脂とのエステルがある。その他の有用なo−
ナフトキノンジアジド化合物としては、数多くの特許に
報告され、知られているものが挙げられる。たとえば、
特開昭47−5303号、同48−63802号、同4
8−63803号、同48−96575号、同49−3
8701号、同48−13354号、特公昭37−18
015号、同41−11222号、同45−9610
号、同49−17481号公報、米国特許第2,797,213
号、同第3,454,400 号、同第3,544,323 号、同第3,573,
917 号、同第3,674,495 号、同第3,785,825 号、英国特
許第1,227,602 号、同第1,251,345 号、同第1,267,005
号、同第1,329,888号、同第1,330,932 号、ドイツ特許
第854,890 号などの各明細書中に記載されているものを
あげることができる。
【0031】本発明において特に好ましいo−ナフトキ
ノンジアジド化合物は、分子量1,000以下のポリヒド
ロキシ化合物と1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸
クロリドとの反応により得られる化合物である。このよ
うな化合物の具体例は、特開昭51−139402号、
同58−150948号、同58−203434号、同
59−165053号、同60−121445号、同6
0−134235号、同60−163043号、同61
−118744号、同62−10645号、同62−1
0646号、同62−153950号、同62−178
562号、同64−76047号、米国特許第3,102,80
9 号、同第3,126,281 号、同第3,130,047 号、同第3,14
8,983 号、同第3,184,310 号、同第3,188,210 号、同第
4,639,406 号などの各公報または明細書に記載されてい
るものを挙げることができる。
【0032】これらのo−ナフトキノンジアジド化合物
を合成する際は、ポリヒドロキシ化合物のヒドロキシル
基に対して1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロ
リドを0.2〜1.2当量反応させる事が好ましく、0.3〜
1.0当量反応させる事がさらに好ましい。1,2−ジア
ゾナフトキノンスルホン酸クロリドとしては、1,2−
ジアゾナフトキノン−5−スルホン酸クロリドまたは
1,2−ジアゾナフトキノン−4−スルホン酸クロリド
を用いることができる。
【0033】また得られるo−ナフトキノンジアジド化
合物は、1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸エステ
ル基の位置及び導入量の種々異なるものの混合物となる
が、ヒドロキシル基がすべて1,2−ジアゾナフトキノ
ンスルホン酸エステルで転換された化合物がこの混合物
中に占める割合(完全にエステル化された化合物の含有
率)は5モル%以上である事が好ましく、さらに好まし
くは20〜99モル%である。
【0034】またo−ナフトキノンジアジド化合物を用
いずにポジ型に作用する感光性化合物として、例えば特
公昭56−2696号に記載されているオルトニトロカ
ルビノールエステル基を有するポリマー化合物も本発明
に使用することができる。
【0035】更に光分解により酸を発生する化合物と、
酸により解離する−C−O−C基又は−C−O−Si基を
有する化合物との組合せ系も本発明に使用することがで
きる。
【0036】例えば光分解により酸を発生する化合物と
アセタール又はO,N−アセタール化合物との組合せ
(特開昭48−89003号)、オルトエステル又はア
ミドアセタール化合物との組合せ(特開昭51−120
714号)、主鎖にアセタール又はケタール基を有する
ポリマーとの組合せ(特開昭53−133429号)、
エノールエーテル化合物との組合せ(特開昭55−12
995号)、N−アシルイミノ炭素化合物との組合せ
(特開昭55−126236号)、主鎖にオルトエステ
ル基を有するポリマーとの組合せ(特開昭56−173
45号)、シリルエステル化合物との組合せ(特開昭6
0−10247号)及びシリルエーテル化合物との組合
せ(特開昭60−37549号、特開昭60−1214
46号)などが挙げられる。
【0037】本発明の感光性組成物中に占めるこれらの
ポジ型に作用する感光性化合物(上記のような組合せを
含む)の量は10〜50重量%が適当であり、より好ま
しくは15〜40重量%である。
【0038】o−キノンジアジド化合物は単独でも感光
層を構成するが、アルカリ水に可溶な樹脂を結合剤(バ
インダー)としてこの種の樹脂と共に使用することが好
ましい。このようなアルカリ水に可溶性の樹脂として
は、この性質を有するノボラック樹脂があり、たとえば
フェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホル
ムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹
脂、o−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m−/p−
混合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/ク
レゾール(m−,p−,o−又はm−/p−,m−/o
−混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂な
どのクレゾールホルムアルデヒド樹脂などが挙げられ
る。その他、レゾール型のフェノール樹脂類も好適に用
いられ、フェノール/クレゾール(m−,p−,o−又
はm−/p−,m−/o−混合のいずれでもよい)混合
ホルムアルデヒド樹脂が、好ましく、特に特開昭61−
217034号公報に記載されているフェノール樹脂類
が好ましい。
【0039】また、フェノール変性キシレン樹脂、ポリ
ヒドロキシスチレン、ポリハロゲン化ヒドロキシスチレ
ン、特開昭51−34711号公報に開示されているよ
うなフェノール性水酸基を含有するアクリル系樹脂、特
開平2−866号に記載のスルホンアミド基を有するア
クリル系樹脂や、ウレタン系の樹脂、等種々のアルカリ
可溶性の高分子化合物も用いることができる。これらの
アルカリ可溶性高分子化合物は、重量平均分子量が50
0〜20,000で数平均分子量が200〜60,000の
ものが好ましい。
【0040】かかるアルカリ可溶性の高分子化合物は1
種類あるいは2種類以上を組合せて使用してもよく、全
組成物の80重量%以下の添加量で用いられる。
【0041】更に、米国特許第4,123,279 号明細書に記
載されているように、t−ブチルフェノールホルムアル
デヒド樹脂、オクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂
のような、炭素数3〜8のアルキル基を置換基として有
するフェノールとホルムアルデヒドとの縮合物を併用す
ることは画像の感脂性を向上させる上で好ましい。
【0042】本発明における感光性組成物中には、感度
を高めるために環状酸無水物類、フェノール類、有機酸
類を添加することが好ましい。
【0043】環状酸無水物としては米国特許第4,115,12
8 号明細書に記載されているように無水フタル酸、テト
ラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、
3,6−エンドオキシ−Δ4 −テトラヒドロ無水フタル
酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロ
ル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水
コハク酸、無水ピロメリット酸等がある。
【0044】フェノール類としては、ビスフェノール
A、p−ニトロフェノール、p−エトキシフェノール、
2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒド
ロキシベンゾフェノン、2,4,4′−トリヒドロキシ
ベンゾフェノン、4,4,4″−トリヒドロキシ−トリ
フェニルメタン、4,4′,3″,4″−テトラヒドロ
キシ−3,5,3′,5′−テトラメチルトリフェニル
メタンなどが挙げられる。
【0045】有機酸類としては、特開昭60−8894
2号公報、特開平2−96755号公報などに記載され
ている、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫酸
類、ホスホン酸類、ホスフィン酸類、リン酸エステル
類、カルボン酸類などがあり、具体的には、p−トルエ
ンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トル
エンスルフィン酸、エチル硫酸、フェニルホスホン酸、
フェニルホスフィン酸、リン酸フェニル、リン酸ジフェ
ニル、安息香酸、イソフタル酸、アジピン酸、p−トル
イル酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、フタル酸、テレ
フタル酸、1,4−シクロヘキセン−2,2−ジカルボ
ン酸、エルカ酸、ラウリン酸、n−ウンデカン酸、アス
コルビン酸などが挙げられる。
【0046】上記の環状酸無水物類、フェノール類、有
機酸類の感光性組成物中に占める割合は、0.05〜15
重量%が好ましく、より好ましくは、0.1〜5重量%で
ある。
【0047】また、本発明における感光性組成物中に
は、現像のラチチュードを広げるために、特開昭62−
251740号公報や、特願平2−181248号明細
書に記載されているような非イオン性界面活性剤、特開
昭59−121044号公報、特願平2−115992
号明細書に記載されているような両性界面活性剤を添加
することができる。
【0048】非イオン性界面活性剤の具体例としては、
ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテ
ート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリ
セリド、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどが挙げ
られ、両性界面活性剤の具体例としては、アルキルジ
(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチル
グリシン塩酸塩、アモーゲンK(商品名、第一工業
(株)製、N−テトラデシル−N,N−ベタイン型)、
2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシ
エチルイミダゾリニウムベタイン、レボン15(商品
名、三洋化成(株)製、アルキルイミダゾリン系)など
が挙げられる。
【0049】上記非イオン性界面活性剤、両性界面活性
剤の感光性組成物中に占める割合は0.05%〜15重量
%が好ましく、より好ましくは、0.1〜5重量%であ
る。
【0050】本発明における感光性組成物中には、露光
後直ちに可視像を得るための焼出し剤、画像着色剤とし
ての染料やその他のフィラーなどを加えることができ
る。
【0051】露光後直ちに可視像を得るための焼出し剤
としては露光によって酸を放出する感光性化合物と塩を
形成し得る有機染料の組合せを代表としてあげることが
できる。具体的には特開昭50−36209号公報、特
開昭53−8128号公報に記載されているo−ナフト
キノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩形成性
有機染料の組合せや特開昭53−36223号、同54
−74728号、同60−3626号、同61−143
748号、同61−151644号、同63−5844
0号公報に記載されているトリハロメチル化合物と塩形
成性有機染料の組合せをあげることがができる。
【0052】かかるトリハロメチル化合物は、オキサジ
アゾール系化合物とトリアジン系化合物があり、どちら
も、経時安定性に優れ、明瞭な焼出し画像を与えるが、
酸化皮膜量が1.0g/m2以上のアルミニウム支持体を用
いた感光性平版印刷版では現像液の残色が特に劣化す
る。かかる化合物を含有した感光性組成物を用いた場合
に特に本発明は有効で、残色がほとんどない平版印刷版
を得ることができる。
【0053】画像の着色剤として前記の塩形成性有機染
料以外に他の染料も用いることができる。塩形成性有機
染料を含めて好適な染料として油溶性染料および塩基性
染料をあげることができる。具体的には、オイルイエロ
ー#101、オイルイエロー#130、オイルピンク#
312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オ
イルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラ
ックBS、オイルブラックT−505(以上、オリエン
ト化学工業株式会社製)、ビクトリアピュアブルー、ク
リスタルバイオレット(CI42555)、エチルバイ
オレット(CI42600)、メチルバイオレット(C
I42535)、ローダミンB(CI45170B)、
マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブル
ー(CI52015)などをあげることができる。ま
た、特開昭62−293247号公報に記載されている
染料は特に好ましい。
【0054】本発明における感光性組成物は、上記各成
分を溶解する溶媒に溶かして支持体上に塗布する。ここ
で使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シク
ロヘキサノン、メチルエチルケトン、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキ
シ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルア
セテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エ
チル、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、
ジメチルホルムアミド、水、N−メチルピロリドン、テ
トラヒドロフルフリルアルコール、アセトン、ジアセト
ンアルコール、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどがあ
り、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用する。そ
して、上記成分中の濃度(固形分)は、2〜50重量%
である。また、塗布量は用途により異なるが、例えば感
光性平版印刷版についていえば一般的に固形分として0.
5〜3.0g/m2が好ましい。塗布量が薄くなるにつれ感
光性は大になるが、感光膜の物性は低下する。
【0055】本発明における感光性組成物中には、塗布
性を良化するための界面活性剤、例えば特開昭62−1
70950号公報に記載されているようなフッ素系界面
活性剤を添加することができる。好ましい添加量は、全
感光性組成物の0.01〜1重量%さらに好ましくは0.0
5〜0.5重量%である。
【0056】上記のようにして設けられた感光層の表面
は、真空焼枠を用いた密着露光の際の真空引きの時間を
短縮し、かつ焼きボケを防ぐ為、マット化することが好
ましい。具体的には、特開昭50−125805号、特
公昭57−6582号、同61−28986号の各公報
に記載されているようなマット層を設ける方法、特公昭
62−62337号公報に記載されているような固体粉
末を熱融着させる方法などがあげられる。
【0057】本発明の感光性組成物に対する現像液は、
実質的に有機溶剤を含まないアルカリ性の水溶液が好ま
しく、具体的には珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三
リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸
アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、メタ珪酸ナト
リウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、重炭酸カリウム、アンモニア水などのような水溶
液が適当であり、それらの濃度が0.1〜10重量%、好
ましくは0.5〜5重量%になるように添加される。
【0058】これらの中でもケイ酸カリウム、ケイ酸リ
チウム、ケイ酸ナトリウム等のケイ酸アルカリを含有す
る現像液は、印刷時の汚れが生じにくいため好ましく、
ケイ酸アルカリの組成がモル比で〔SiO2〕/〔M〕=0.
5〜2.5(ここに〔SiO2〕、〔M〕はそれぞれ、SiO2
モル濃度と総アルカリ金属のモル濃度を示す。)であ
り、かつSiO2を0.8〜8重量%含有する現像液が好まし
く用いられる。また該現像液中には、例えば亜硫酸ナト
リウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸マグネシウムなどの水
溶性亜硫酸塩や、レゾルシン、メチルレゾルシン、ハイ
ドロキノン、チオサリチル酸などを添加することができ
る。これらの化合物の現像液中における好ましい含有量
は0.002〜4重量%で、好ましくは、0.01〜1重量
%である。
【0059】また該現像液中に、特開昭50−5132
4号公報、同59−84241号公報に記載されている
ようなアニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤、特
開昭59−75255号公報、同60−111246号
公報及び同60−213943号公報等に記載されてい
るような非イオン性界面活性剤のうち少なくとも一種を
含有させることにより、または特開昭55−95946
号公報、同56−142528号公報に記載されている
ように高分子電解質を含有させることにより、感光性組
成物への濡れ性を高めたり、現像の安定性(現像ラチチ
ュード)を高めたりすることができ、好ましく用いられ
る。かかる界面活性剤の添加量は0.001〜2重量%が
好ましく、特に0.003〜0.5重量%が好ましい。さら
に該ケイ酸アルカリのアルカリ金属として、全アルカリ
金属中、カリウムを20モル%以上含むことが現像液中
で不溶物発生が少ないため好ましく、より好ましくは9
0モル%以上、最も好ましくはカリウムが100モル%
の場合である。
【0060】更に本発明に使用される現像液には、若干
のアルコール等の有機溶媒や特開昭58−190952
号公報に記載されているキレート剤、特公平1−301
39号公報に記載されているような金属塩、有機シラン
化合物などの消泡剤を添加することができる。
【0061】露光に使用される光源としてはカーボンア
ーク灯、水銀灯、キセノンランプ、タングステンラン
プ、メタルハライドランプなどがある。
【0062】本発明の感光性組成物を用いた感光性平版
印刷版は、特開昭54−8002号、同55−1150
45号、特開昭59−58431号の各公報に記載され
ている方法で製版処理してもよいことは言うまでもな
い。即ち、現像処理後、水洗してから不感脂化処理、ま
たはそのまま不感脂化処理、または酸を含む水溶液での
処理、または酸を含む水溶液で処理後不感脂化処理を施
してもよい。さらに、この種の感光性平版印刷版の現像
工程では、処理量に応じてアルカリ水溶液が消費されア
ルカリ濃度が減少したり、あるいは、自動現像液の長時
間運転により空気によってアルカリ濃度が減少するため
処理能力が低下するが、その際、特開昭54−6200
4号に記載のように補充液を用いて処理能力を回復させ
てもよい。この場合、米国特許第4,882,246 号に記載さ
れている方法で補充することが好ましい。また、上記の
ような製版処理は、特開平2−7054号、同2−32
357号に記載されているような自動現像機で行うこと
が好ましい。
【0063】また、本発明の感光性組成物を用いた感光
性平版印刷版を画像露光し、現像し、水性又はリンスし
たのちに、不必要な画像部の消去を行なう場合には、特
公平2−13293号公報に記載されているような消去
液を用いることが好ましい。更に製版工程の最終工程で
所望により塗布される不感脂化ガムとしては、特公昭6
2−16834号、同62−25118号、同63−5
2600号、特開昭62−7595号、同62−116
93号、同62−83194号の各公報に記載されてい
るものが好ましい。
【0064】更にまた、本発明の感光性組成物を用いた
感光性平版印刷版を画像露光し、現像し、水洗又はリン
スし、所望により消去作業をし、水洗したのちにバーニ
ングする場合には、バーニング前に特公昭61−251
8号、同55−28062号、特開昭62−31859
号、同61−159655号の各公報に記載されている
ような整面液で処理することが好ましい。
【0065】
【発明の効果】本発明の感光性平版印刷版は、従来のも
のに比べ現像後の非画像部の残色が少なく、従って検版
性に優れ、また得られた平版印刷版は非画像部が印刷時
汚れにくく、高い耐刷力を有するという顕著な性能を有
する。従来より、残色が少なく、印刷時汚れにくい感光
性平版印刷版は、得られた平版印刷版の耐刷力が低く、
逆に耐刷力が高いものは残色が多く、汚れ易いという性
質をもっており、これらを同時に満足させることはきわ
めて困難であるとされていた。
【0066】しかしながら本発明による感光性平版印刷
版は、残色が少なく、印刷時汚れにくいという性質を有
すると同時に、得られた平版印刷版は高い耐刷力を有す
るという従来得られなかった優れた性質を有している。
【0067】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて、より具体的
に説明する。なお、実施例中の「%」は、特に指定のな
い限り「重量%」を示すものとする。
【0068】実施例1〜5、比較例1〜3 厚さ0.30mmのアルミニウム板をナイロンブラシと40
0メッシュのパミストンの水懸濁液を用いその表面を砂
目立てした後、よく水で洗浄した。10%水酸化ナトリ
ウムに70℃で60秒間浸漬してエッチングした後、流
水で水洗後20% HNO3で中和洗浄、水洗した。これを
A =12.7Vの条件下で正弦波の交番波形電流を用い
て1%硝酸水溶液中で160クーロン/dm2 の陽極時電
気量で電解粗面化処理を行った。その表面粗さを測定し
たところ、0.6μ(Ra 表示)であった。ひきつづいて
30%のH2SO4 水溶液中に浸漬し55℃で2分間デスマ
ットした後、20% H2SO4水溶液中、電流密度2A/dm
2 において厚さが2.7g/m2になるように陽極酸化し、
基板(I)を調製した。
【0069】このように処理された基板(I)の表面に
下記組成の下塗り液(A)を塗布し80℃、30秒間乾
燥した。
【0070】乾燥後の被覆量は30mg/m2であった。 下塗り液(A) フェニルホスホン酸 0.15g メタノール 90g 純 水 10g このようにして基板(II)を作製した。
【0071】同様に下塗り液(A)でフェニルホスホン
酸の代りに、エチルホスホン酸、フェニルホスフィン
酸、ジエチルホスフィン酸、メチレンジホスホン酸を用
いた下塗り液(B)、(C)、(D)、(E)を基板
(I)に塗布し、それぞれ基板(III)、(IV)、(V)、
(VI) を作製した。
【0072】また比較のため、ポリビニルホスホン酸
(重量平均分子量3,000)をメタノールに溶解し、乾
燥後の被覆量が30mg/m2となるように基板(I)上に
設けて、基板(VII)を作製した。
【0073】さらに、比較のため、基板(I)の作製条
件において陽極酸化工程のみ変更して、陽極酸化皮膜が
0.5g/m2になるようにした基板(VIII) を作成した。
【0074】このようにして作成した基板(I)〜(VI
II) に下記感光液〔A〕を塗布し、乾燥後の塗布重量が
2.5g/m2となるように感光層を設け、それぞれ対応す
る感光性平版印刷版(I)〜(VIII) を得た。
【0075】感光液〔A〕 1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホニルクロリドと ピロガロール−アセトン樹脂とのエステル化物(米国特 許第3,635,709号明細書の実施例1に記載されているもの) 0. 45g クレゾール−ホルムアルデヒドノボラック樹脂(メタ, パラ比;6対4、重量平均分子量3,000、数平均分子量 1,100) 1.1g4−〔p−N−(p−ヒドロキシベンゾイルアミノフェニル〕 −2,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン 0.02g テトラヒドロ無水フタル酸 0.05g ビクトリアピュアブルーB0H(保土ヶ谷化学(株)製) 0.02g メガファックF−177(大日本インキ化学工業(株)製フッ素 系界面活性剤) 0.006g メチルエチルケトン 15g 1−メトキシ−2−プロパノール 15g
【0076】このようにして作られた感光性平版印刷版
を、真空焼枠中で、透明ポジテイブフィルムを通して1
mの距離から3kwのメタルハライドランプにより、50
秒間露光を行なったのち、SiO2/Na2Oのモル比が1.74
の珪酸ナトリウムの5.26%水溶液(pH=12.7)で現
像した。
【0077】このように現像した後、十分水洗し、ガム
引きしたのち、常法の手順で印刷した。このときの非画
像部の汚れと耐刷力、および版上の非画像部の残色の結
果を第1表に示した。
【0078】第1表の結果から、本発明による感光性平
版印刷版は比較例に比べて、非画像部の残色、印刷時の
汚れ、および耐刷力のいずれにおいても満足すべきもの
であることがわかる。
【0079】 第 1 表 感光性平版印刷版 基板 残色*1 印刷時の汚れ*2) 耐刷力*3) 実施例1 〔II〕 〔II〕 0.01 ○ 10万 〃 2 〔III 〕 〔III 〕 0.01 ○ 10万 〃 3 〔IV〕 〔IV〕 0.00 ○ 10万 〃 4 〔V〕 〔V〕 0.01 ○ 10万 〃 5 〔VI〕 〔VI〕 0.01 ○ 10万 比較例1 〔I〕 〔I〕 0.05 × 10万 〃 2 〔VII 〕 〔VII 〕 0.00 ○ 5万 〃 3 〔VIII〕 〔VIII〕 0.02 ○ 8万 *1)現像後の非画像部濃度と塗布前の支持体濃度の差
(ΔD)で表示した。 *2)非画像部にまったく汚れが生じなかったものを
○、汚れが生じたものを×で表示した。 *3)正常な印刷物が得られた印刷枚数で示した。
【0080】実施例6〜10、比較例4〜6 実施例1〜5、比較例1〜3の感光液〔A〕において、
1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホニルクロリド
とピロガロール−アセトン樹脂とのエステル化物の代わ
りに、1,2−ジアゾナフトキノン−4−スルホニルク
ロリドとm−クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂(重量
平均分子量2,000 、数平均分子量 1300)とのエステル化
物(エステル化率45%)を用いた、感光液〔B〕を用
い、実施例1〜5、比較例1〜3と全く同様の実験を行
なった。第2表に示した結果から、本発明による感光性
平版印刷版は、比較例に比べて優れたものであることが
わかる。
【0081】 第 2 表 感光性平版印刷版 基板 残色*1 印刷時の汚れ*2) 耐刷力*3) 実施例6 〔IX〕 〔II〕 0.01 ○ 10万 〃 7 〔X〕 〔III 〕 0.01 ○ 9万 〃 8 〔XI〕 〔IV〕 0.01 ○ 10万 〃 9 〔XII 〕 〔V〕 0.01 ○ 9万 〃 10 〔XIII〕 〔VI〕 0.02 ○ 9万 比較例4 〔XIV 〕 〔I〕 0.07 × 9万 〃 5 〔XV〕 〔VII 〕 0.01 ○ 4万 〃 6 〔XVI 〕 〔VIII〕 0.02 ○ 8万 *1)現像後の非画像部濃度と塗布前の支持体濃度の差
(ΔD)で表示した。 *2)非画像部にまったく汚れが生じなかったものを
○、汚れが生じたものを×で表示した。 *3)正常な印刷物が得られた印刷枚数で示した。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗面化処理し、しかる後に陽極酸化を施
    し、該陽極酸化皮膜層が、1.0g/m2以上であるアルミ
    ニウム板上に、フェニルホスホン酸、エチルホスホン
    酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、メ
    チレンジホスホン酸及びその塩からなる化合物群から選
    ばれた少なくとも1種の化合物を含む親水性層を設け、
    さらにその上にポジ型感光性組成物層を設けたことを特
    徴とする感光性平版印刷版。
JP3010604A 1991-01-31 1991-01-31 感光性平版印刷版 Expired - Fee Related JP2775526B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3010604A JP2775526B2 (ja) 1991-01-31 1991-01-31 感光性平版印刷版
US07/827,452 US5254430A (en) 1991-01-31 1992-01-29 Presensitized plate having anodized aluminum substrate, hydrophilic layer containing phosphonic or phosphinic compound and photosensitive layer containing O-quinone diazide compound
EP92101561A EP0497351B1 (en) 1991-01-31 1992-01-30 Presensitized plate for use in making lithographic printing plate
DE69219175T DE69219175T2 (de) 1991-01-31 1992-01-30 Vorsensibilisierte Platte zur Herstellung einer lithographischen Druckplatte

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3010604A JP2775526B2 (ja) 1991-01-31 1991-01-31 感光性平版印刷版

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05246171A JPH05246171A (ja) 1993-09-24
JP2775526B2 true JP2775526B2 (ja) 1998-07-16

Family

ID=11754854

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3010604A Expired - Fee Related JP2775526B2 (ja) 1991-01-31 1991-01-31 感光性平版印刷版

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2775526B2 (ja)

Families Citing this family (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4291638B2 (ja) 2003-07-29 2009-07-08 富士フイルム株式会社 アルカリ可溶性ポリマー及びそれを用いた平版印刷版原版
ATE398298T1 (de) 2004-07-20 2008-07-15 Fujifilm Corp Bilderzeugendes material
JP4410714B2 (ja) 2004-08-13 2010-02-03 富士フイルム株式会社 平版印刷版用支持体の製造方法
JP2006062188A (ja) 2004-08-26 2006-03-09 Fuji Photo Film Co Ltd 色画像形成材料及び平版印刷版原版
JP4429116B2 (ja) 2004-08-27 2010-03-10 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版及び平版印刷版の製版方法
US20060150846A1 (en) 2004-12-13 2006-07-13 Fuji Photo Film Co. Ltd Lithographic printing method
EP1701213A3 (en) 2005-03-08 2006-11-22 Fuji Photo Film Co., Ltd. Photosensitive composition
JP4574506B2 (ja) 2005-03-23 2010-11-04 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版、及びその製版方法
JP4368323B2 (ja) 2005-03-25 2009-11-18 富士フイルム株式会社 感光性平版印刷版
JP4457034B2 (ja) 2005-03-28 2010-04-28 富士フイルム株式会社 感光性平版印刷版
JP4524235B2 (ja) 2005-03-29 2010-08-11 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版
EP1712368B1 (en) 2005-04-13 2008-05-14 FUJIFILM Corporation Method of manufacturing a support for a lithographic printing plate
JP4701042B2 (ja) 2005-08-22 2011-06-15 富士フイルム株式会社 感光性平版印刷版
JP4777226B2 (ja) 2006-12-07 2011-09-21 富士フイルム株式会社 画像記録材料、及び新規化合物
JP4881756B2 (ja) 2007-02-06 2012-02-22 富士フイルム株式会社 感光性組成物、平版印刷版原版、平版印刷方法、及び新規シアニン色素
JP2008230024A (ja) 2007-03-20 2008-10-02 Fujifilm Corp 平版印刷版原版および平版印刷版の作製方法
JP4860525B2 (ja) 2007-03-27 2012-01-25 富士フイルム株式会社 硬化性組成物及び平版印刷版原版
JP2009083106A (ja) 2007-09-27 2009-04-23 Fujifilm Corp 平版印刷版用版面保護剤及び平版印刷版の製版方法
JP4890408B2 (ja) 2007-09-28 2012-03-07 富士フイルム株式会社 重合性組成物及びそれを用いた平版印刷版原版、アルカリ可溶性ポリウレタン樹脂、並びに、ジオール化合物の製造方法
JP2009086373A (ja) 2007-09-28 2009-04-23 Fujifilm Corp ネガ型平版印刷版の現像方法
JP4994175B2 (ja) 2007-09-28 2012-08-08 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版、及びそれに用いる共重合体の製造方法
JP2009208140A (ja) 2008-03-06 2009-09-17 Fujifilm Corp 平版印刷版用アルミニウム合金板の製造方法、ならびに該製造方法により得られる平版印刷版用アルミニウム合金板および平版印刷版用支持体
EP2110261B1 (en) 2008-04-18 2018-03-28 FUJIFILM Corporation Aluminum alloy plate for lithographic printing plate, ligthographic printing plate support, presensitized plate, method of manufacturing aluminum alloy plate for lithographic printing plate and method of manufacturing lithographic printing plate support
JP5296434B2 (ja) 2008-07-16 2013-09-25 富士フイルム株式会社 平版印刷版用原版
EP2204698B1 (en) 2009-01-06 2018-08-08 FUJIFILM Corporation Plate surface treatment agent for lithographic printing plate and method for treating lithographic printing plate
JP2010174339A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Sanyo Electric Co Ltd 金属表面の処理方法及び電界効果トランジスタの製造方法
JP5449829B2 (ja) * 2009-04-01 2014-03-19 三洋電機株式会社 有機トランジスタの製造方法
US8883401B2 (en) 2009-09-24 2014-11-11 Fujifilm Corporation Lithographic printing original plate
CN103782241B (zh) 2011-09-15 2017-04-26 富士胶片株式会社 制版处理废液的再循环方法
EP2762977B1 (en) 2011-11-04 2017-09-27 FUJIFILM Corporation Method for recycling plate-making processing waste solution

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH062435B2 (ja) * 1986-12-10 1994-01-12 富士写真フイルム株式会社 平版印刷版用支持体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05246171A (ja) 1993-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2775526B2 (ja) 感光性平版印刷版
JP2709535B2 (ja) 感光性平版印刷版
JP2648976B2 (ja) 感光性平版印刷版
JP2001264979A (ja) ポジ型感光性平版印刷版
JP2944296B2 (ja) 感光性平版印刷版の製造方法
JP2648981B2 (ja) 感光性平版印刷版
JP2720224B2 (ja) 感光性平版印刷版
JPH09179290A (ja) ポジ型感光性平版印刷版
JP2000089466A (ja) 感光性平版印刷版用支持体の製造方法及び平版印刷版用支持体並びに感光性平版印刷版
JPH11301135A (ja) 感光性平版印刷版の製造方法
JP2000081704A (ja) 感光性平版印刷版用支持体の製造方法及び平版印刷版用支持体
JPH06297875A (ja) 感光性平版印刷版
JP2969021B2 (ja) 感光性平版印刷版
JP2000075504A (ja) 感光性平版印刷版
JP2001109138A (ja) 感光性平版印刷版
JP2745358B2 (ja) ポジ型感光性平版印刷版
JP2745357B2 (ja) ポジ型感光性平版印刷版
JPH063815A (ja) 印刷版用ポジ型感光性組成物
JP3105712B2 (ja) ポジ型感光性組成物
JP3822736B2 (ja) 感光性平版印刷版
JPH09207466A (ja) 感光性平版印刷版
JP2002323763A (ja) 感光性組成物
JP2001215688A (ja) 感光性平版印刷版
JPH04244896A (ja) 感光性平版印刷版
JPH063816A (ja) 印刷版用ポジ型感光性組成物

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees