JP3822722B2 - コンタクトプローブおよびその製造方法と前記コンタクトプローブを備えたプローブ装置 - Google Patents

コンタクトプローブおよびその製造方法と前記コンタクトプローブを備えたプローブ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プローブピンやソケットピン等として用いられ、プローブカードやテスト用ソケット等に組み込まれて半導体ICチップや液晶デバイス等の各端子に接触して電気的なテストを行うコンタクトプローブおよびその製造方法と前記コンタクトプローブを備えたプローブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ICチップやLSIチップ等の半導体チップ又はLCD(液晶表示体)の各端子に接触させて電気的なテストを行うために、コンタクトピンが用いられている。
近年、ICチップ等の高集積化および微細化に伴って電極であるコンタクトパッドが狭ピッチ化されるとともに、コンタクトピンの多ピン狭ピッチ化が要望されている。
しかしながら、コンタクトピンとして用いられていたタングステン針のコンタクトプローブでは、タングステン針の径の限界から多ピン狭ピッチへの対応が困難になっていた。
【0003】
これに対して、例えば、特公平7−82027号公報に、複数のパターン配線が樹脂フィルム上に形成されこれらのパターン配線の各先端が前記樹脂フィルムから突出状態に配されてコンタクトピンとされるコンタクトプローブの技術が提案されている。
この技術例では、複数のパターン配線の先端部をコンタクトピンとすることによって、多ピン狭ピッチ化を図るとともに、複雑な多数の部品を不要とするものである。
【0004】
上記のコンタクトプローブでは、テスト時において、所望の接触圧を得るためにコンタクトピンの押し付け量を増減させているが、大きな接触圧を得るためには大きな押し付け量が必要となる。
しかしながら、上記のコンタクトプローブは、パターン配線の先端部、すなわちコンタクトピンがNi(ニッケル)で形成されているため、硬度がHv300程度しか得られず、硬度が低いために過度の接触圧が加わることによりコンタクトピンが湾曲・変形してしまうため、押し付け量に限界があり大きな接触圧が得られなかった。この結果、電気的測定に十分な接触圧が得られず、接触不良を起こす原因となっていた。
【0005】
この対策として、Niをメッキ処理で形成する際に、サッカリン等の添加剤を投入する手段があるが、この場合、常温でHv350以上の硬度を維持することが可能であるが、サッカリン等の添加剤にはS(硫黄)が含まれているために高温加熱、例えば300℃で加熱すると、硬度がHv200以下にまで急激に低下してしまう不都合が生じる。このため、上記のコンタクトプローブを、高温下に置くことがある場合、特に、バーンインテスト用チップキャリア等に用いることができなかった。
【0006】
そこで、硬度を向上させしかも耐熱性も兼ね備え、高温加熱後でも高硬度を安定して維持することができるニッケル−マンガン(Ni−Mn)合金製のコンタクトプローブが提案されている。
【0007】
ところで、Al(アルミニウム)合金等で形成されるICチップ等の各端子(パッド)は、その表面が空気中で酸化して、薄いアルミニウムの表面酸化膜で覆われた状態となっている。したがって、パッドの電気的テストを行うには、アルミニウムの表面酸化膜を剥離させ、内部のアルミニウムを露出させて、導電性確保する必要がある。
【0008】
そこで、上記コンタクトプローブにおいては、コンタクトピンをパッドの表面に接触させつつ、オーバードライブをかける(コンタクトピンがパッドに接触してからさらに下方に向けて引き下げる)ことにより、コンタクトピンの先端でパッド表面のアルミニウムの表面酸化膜を擦り取り、内部のアルミニウムを露出させるようにしている。上述した作業は、スクラブ(scrub)と呼ばれ、電気的テストを確実に行う上で重要とされる。
【0009】
上記コンタクトピンにおいて、スクラブ時にパッドの下地が傷つくのを防止するためには、コンタクトピンのパッドに対する接触角を十分な大きさまで確保することが必要とされる。その理由は、接触角が小さいと、表面のアルミニウムの排斥量が著しく大きくなり、パッド下地にまで影響を及ぼすという理由からである。
【0010】
この対策として、図38に示すように、コンタクトピン600の途中位置Vにて折曲させたコンタクトプローブ601が提案されている。
このコンタクトプローブ601では、コンタクトピン600の先端部と基端部とで測定対象物(パッド)に対する角度を変えることができ、コンタクトピン600の基端部のパッドに対する角度、すなわち、フィルム602のパッドに対する角度を大きくすることなく、コンタクトピン600の先端部とパッドの角度(接触角)を大きくすることが可能となる。すなわち、このコンタクトプローブ601では、スクラブ距離が過度に大きくなることがなく、かつ、プローブ装置の高さを大きくすることなく、スクラブ時にパッドの下地が傷つくことを防止することができるという利点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記折曲されたコンタクトピン600を有するコンタクトプローブ601は、上述したNi−Mn合金製のコンタクトピンを採用した場合に、図38に示すように、該コンタクトピン600をその途中位置Vにて折曲して作製すると、屈曲部分の外側に亀裂や破断等が生じる場合があった。また、折曲時に亀裂等が生じていなくても、繰り返しの使用により屈曲部分の外側に亀裂等が発生するおそれがあった。
この原因は、上記Ni−Mn合金製のコンタクトプローブにおいて、硬度を向上させるためにMnを一定濃度以上含有させなければならないが、この場合にコンタクトピンにおける靱性が低下してしまい、折曲時に屈曲部分の外側が最も伸ばされるために亀裂等が生じてしまうためである。
【0012】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、高硬度が得られるとともに折曲における靱性に優れ、屈曲部分の亀裂等を抑制するコンタクトプローブおよびその製造方法と前記コンタクトプローブを備えたプローブ装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、請求項1記載のコンタクトプローブでは、複数のパターン配線がフィルム上に形成されこれらのパターン配線の各先端が前記フィルムから突出状態に配されてコンタクトピンとされるコンタクトプローブであって、少なくとも前記コンタクトピンは、ニッケル−マンガン合金で形成されるとともに、マンガン濃度が0.05重量%以上に設定された高マンガン合金層と、該高マンガン合金層より低いマンガン濃度に設定された低マンガン合金層とを具備してなり、その途中位置にて前記低マンガン合金層側を外側にして折曲されている技術が採用される。
【0014】
このコンタクトプローブでは、高マンガン合金層がマンガン濃度0.05重量%以上のNi−Mn合金であるので、常温および高温加熱後、すなわち500℃で加熱した後でもHv350以上の高硬度が得られる。
さらに、高マンガン合金層より低いマンガン濃度のNi−Mn合金で形成されている低マンガン合金層側を外側にして折曲されているので、高マンガン合金層単層で形成された場合に比べて屈曲部分の外側の靱性が高くなり、折曲時および繰り返しの使用においても屈曲部分の外側の亀裂等の発生が抑制される。
【0015】
請求項2記載のコンタクトプローブでは、請求項1記載のコンタクトプローブにおいて、前記高マンガン合金層は、マンガン濃度が1.5重量%以下に設定されている。
【0016】
このコンタクトプローブでは、Mn濃度が1.5重量%を越えると、コンタクトピンの応力が増大してしまい湾曲するおそれがあるとともに、非常に脆く靱性が大幅に低下してしまう。したがって、上記範囲内に高マンガン合金層のMn濃度を設定することにより、屈曲部分の内側に位置する高マンガン合金層自体にもコンタクトプローブとして適度な靱性および硬度が与えられる。
【0017】
請求項3記載のコンタクトプローブでは、請求項1または2記載のコンタクトプローブにおいて、前記低マンガン合金層は、厚さ方向でマンガン濃度が前記高マンガン合金層に向けて漸次高く設定されている技術が採用される。
【0018】
このコンタクトプローブでは、低マンガン合金層のMn濃度が漸次高く設定されているので、低マンガン合金層の厚さ方向においてMn濃度が勾配し、高マンガン合金層と低マンガン合金層とのMn濃度の差を徐々に少なくして、両層界面における硬度および靱性の急峻な変化が緩和される。したがって、両層の熱膨張係数の相違により発生するコンタクトピンの反りが大幅に軽減される。
【0019】
請求項4記載のコンタクトプローブでは、請求項1から3いずれかに記載のコンタクトプローブにおいて、前記低マンガン合金層は、焼鈍されている技術が採用される。
【0020】
このコンタクトプローブでは、低マンガン合金層が焼鈍されているので、低マンガン合金層が軟化され靱性がさらに向上する。
【0021】
請求項5記載のコンタクトプローブでは、請求項1から4のいずれかに記載のコンタクトプローブにおいて、前記フィルムには、金属フィルムが直接張り付けられて設けられている技術が採用される。
【0022】
このコンタクトプローブでは、前記フィルムが、例えば水分を吸収して伸張し易い樹脂フィルム等であっても、該フィルムには、金属フィルムが直接張り付けられて設けられているため、該金属フィルムによって前記フィルムの伸びが抑制される。すなわち、各コンタクトピンの間隔にずれが生じ難くなり、先端部が測定対象物に正確かつ高精度に当接させられる。したがって、測定対象物であるICチップやLCD等の端子以外の場所に、高硬度のNi−Mn合金で形成された先端部が当接することによって生じる損傷等を防ぐことができる。
さらに、該金属フィルムは、グラウンドとして用いることができ、それにより、コンタクトプローブの先端近くまでインピーダンスマッチングをとる設計が可能となり、高周波域でのテストを行う場合にも反射雑音による悪影響を防ぐことができる。すなわち、プローバーと呼ばれるテスターからの伝送線路の途中で基板配線側とコンタクトピンとの間の特性インピーダンスが合わないと反射雑音が生じ、その場合、特性インピーダンスの異なる伝送線路が長ければ長いほど大きな反射雑音が生じるという問題がある。反射雑音は信号歪となり、高周波になると誤動作の原因になり易い。本コンタクトプローブでは、前記金属フィルムをグラウンドとして用いることにより、コンタクトピン先の近くまで基板配線側との特性インピーダンスのずれを最小限に抑えることができ、反射雑音による誤動作を抑えることができる。
【0023】
請求項6記載のコンタクトプローブでは、請求項5記載のコンタクトプローブにおいて、前記金属フィルムには、第二のフィルムが直接張り付けられて設けられている技術が採用される。
【0024】
このコンタクトプローブでは、前記金属フィルムに第二のフィルムが直接張り付けられて設けられているため、配線用基板が金属フィルムの上方に配される場合には、配線用基板の基板側パターン配線や他の配線が金属フィルムと直接接触しないのでショートを防ぐことができる。また、樹脂フィルムの上に金属フィルムが張り付けられて設けられているだけでは、金属フィルムが露出しているため、大気中で酸化が進行してしまうが、本発明では、第二のフィルムが金属フィルムを被覆してその酸化を防止する。
【0025】
請求項7記載のプローブ装置では、請求項1から6のいずれかに記載のコンタクトプローブと、前記フィルム上に配されて該フィルムから前記コンタクトピンよりも短く突出する強弾性フィルムと、該強弾性フィルムと前記コンタクトプローブとを支持する支持部材とを備えている技術が採用される。
【0026】
このプローブ装置では、前記強弾性フィルムが設けられ、該強弾性フィルムがコンタクトピンの先端側を上方から押さえるため、ピン先端が上方に湾曲したものが存在しても、Ni−Mn合金で形成された各ピンに均一な接触圧が得られる。すなわち、測定対象物に先端部を確実に当接させることができるところから、接触不良による測定ミスをさらに低減することができる。
【0027】
請求項8記載のプローブ装置では、請求項7記載のプローブ装置において、前記フィルムは、前記強弾性フィルムが前記コンタクトピンを押圧するときに緩衝材となるように前記強弾性フィルムよりも先端側に長く形成されている技術が採用される。
【0028】
このプローブ装置では、前記フィルムが前記強弾性フィルムよりも先端側に長く形成されて該強弾性フィルムがコンタクトピンを押圧するときに緩衝材となるため、繰り返し使用しても、強弾性フィルムとの摩擦によりコンタクトピンが歪んで湾曲すること等がなく、測定対象物に対して安定した接触を保つことができる。したがって、高硬度のNi−Mn合金で形成された先端部の接触圧が、長期に亙って均一に得られる。
【0029】
請求項9記載のコンタクトプローブの製造方法では、フィルム上に複数のパターン配線を形成しこれらのパターン配線の各先端を前記フィルムから突出状態に配してコンタクトピンとするコンタクトプローブの製造方法であって、基板層の上に前記コンタクトピンの材質に被着または結合する材質の第1の金属層を形成する第1の金属層形成工程と、前記第1の金属層の上にマスクを施してマスクされていない部分に、前記コンタクトピンに供される第2の金属層をメッキ処理によりニッケル−マンガン合金で形成するメッキ処理工程と、前記マスクを取り除いた第2の金属層の上に前記コンタクトピンに供される部分以外をカバーする前記フィルムを被着するフィルム被着工程と、前記フィルムと第2の金属層とからなる部分と、前記基板層と第1の金属層とからなる部分とを分離する分離工程と、前記コンタクトピンを、その途中位置で折曲させるコンタクトピン折曲工程とを備えてなり、前記メッキ処理工程は、マンガン濃度が0.05重量%以上に設定された高マンガン合金層を形成する高硬度層形成工程と、前記高マンガン合金層より低いマンガン濃度に設定された低マンガン合金層を形成する高靱性層形成工程とを備え、前記コンタクトピン折曲工程は、前記低マンガン合金層側を外側にして折曲させる技術が採用される。
【0030】
このコンタクトプローブの製造方法では、高硬度層形成工程および高靱性層形成工程によって高マンガン合金層および低マンガン合金層の二層構造が形成され、コンタクトピン折曲工程で高マンガン合金層より靱性が高い低マンガン合金層側を外側にして折曲させるので、折曲時に最も伸ばされる屈曲部分の外側が高靱性層となることから、折曲による応力が緩和されるとともに亀裂等の発生が抑制される。
【0031】
請求項10記載のコンタクトプローブの製造方法では、請求項9記載のコンタクトプローブの製造方法において、前記高靱性層形成工程は、前記低マンガン合金層をその厚さ方向でマンガン濃度が前記高マンガン合金層に向けて漸次高くなるように形成する技術が採用される。
【0032】
このコンタクトプローブの製造方法では、高靱性層形成工程において、低マンガン合金層の厚さ方向でそのマンガン濃度が高マンガン合金層に向けて漸次高く形成されるので、低マンガン合金層の厚さ方向においてMn濃度が勾配し、高マンガン合金層と低マンガン合金層とのMn濃度の差が徐々に小さくされる。
すなわち、両層界面におけるMn濃度の急峻な変化が緩和され、上記界面におけるメッキ時の応力集中が抑制される。したがって、上記界面における応力によって生じるコンタクトピンの湾曲等を抑制することができる。
【0033】
請求項11記載のコンタクトプローブの製造方法では、請求項9または10記載のコンタクトプローブの製造方法において、前記高靱性層形成工程の後に、前記低マンガン合金層を焼鈍する焼鈍工程を備えている技術が採用される。
【0034】
このコンタクトプローブの製造方法では、焼鈍工程で低マンガン合金層を焼鈍するので、低マンガン合金層が軟化され靱性がさらに向上する。
【0035】
請求項12記載のコンタクトプローブの製造方法では、請求項11記載のコンタクトプローブの製造方法において、前記焼鈍工程は、前記高マンガン合金層が焼鈍される温度および時間より低い加熱温度および短い加熱時間で行う技術が採用される。
【0036】
このコンタクトプローブの製造方法では、焼鈍工程において高マンガン合金層が焼鈍される温度および時間より低い加熱温度および短い加熱時間で低マンガン合金層が焼鈍されるので、低マンガン合金層のみが焼きなましされ、高マンガン合金層は焼きなましされない。
すなわち、高マンガン合金層の硬度が維持されたまま低マンガン合金層のみが軟化されて靱性がさらに向上する。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るコンタクトプローブの第1実施形態を図1から図6を参照しながら説明する。
これらの図にあって、符号1はコンタクトプローブ、2は樹脂フィルム、3はパターン配線を示している。
【0038】
本実施形態のコンタクトプローブ1は、図1および図2に示すように、ポリイミド樹脂フィルム2の片面に金属で形成されるパターン配線3を有する構造となっており、前記樹脂フィルム2の中央開口部Kに、前記樹脂フィルム2の端部(すなわち、中央開口部Kの各辺)から前記パターン配線3の先端部が突出してコンタクトピン3aとされている。また、パターン配線3の後端部には、テスター側のコンタクトピンが接触される接触端子3bが形成されている。
【0039】
前記パターン配線3は、Ni−Mn合金(第2の金属層)で形成され、また前記コンタクトピン3aには、表面にAuが皮膜されて構成されている。
前記パターン配線3およびコンタクトピン3aは、樹脂フィルム2側に配されMn濃度が0.05重量%から1.5重量%の範囲内に設定された高マンガン合金層HMと、該高マンガン合金層HMより低いMn濃度に設定された低マンガン合金層LMとから構成される2層構造を有する。
また、低マンガン合金層LMは、厚さ方向でMn濃度が高マンガン合金層HMに向けて漸次高く設定されている。
さらに、コンタクトピン3aは、低マンガン合金層LMのみが焼鈍される加熱温度および加熱時間で焼きなましされている。
【0040】
前記コンタクトピン3aは、図2に示すように、その先端から所定長さの途中位置Vにて樹脂フィルム2側に向けて、すなわち低マンガン合金層LM側を外側にして折曲されている。
【0041】
次に、図3を参照して、前記コンタクトプローブ1の作製工程について工程順に説明する。
【0042】
〔ベースメタル層形成工程(第1の金属層形成工程)〕
まず、図3の(a)に示すように、ステンレス製の支持金属板5の上に、Cu(銅)メッキによりベースメタル層(第1の金属層)6を形成する。
【0043】
〔パターン形成工程〕
このベースメタル層6の上にフォトレジスト層7を形成した後、図3の(b)に示すように、写真製版技術により、フォトレジスト層7に所定のパターンのフォトマスク8を施して露光し、図3の(c)に示すように、フォトレジスト層7を現像して前記パターン配線3となる部分を除去して残存するフォトレジスト層(マスク)7に開口部7aを形成する。
【0044】
なお、本実施形態においては、フォトレジスト層7をネガ型フォトレジストによって形成しているが、ポジ型フォトレジストを採用して所望の開口部7aを形成しても構わない。
また、本実施形態においては、前記フォトレジスト層7が、本願請求項にいう「マスク」に相当する。但し、本願請求項の「マスク」とは、本実施形態のフォトレジスト層7のように、フォトマスク8を用いた露光・現像工程を経て開口部7aが形成されるものに限定されるわけではない。例えば、メッキ処理される箇所に予め孔が形成された(すなわち、予め、図3の(c)の符号7で示す状態に形成されている)フィルム等でもよい。本願発明において、このようなフィルム等を「マスク」として用いる場合には、本実施形態におけるパターン形成工程は不要である。
【0045】
〔メッキ処理工程〕
そして、図3の(d)に示すように、前記開口部7aに前記パターン配線3となるNi−Mn合金層(第2の金属層)Nを「高靱性層形成工程」および「高硬度層形成工程」に分けて電解メッキ処理により形成する。
【0046】
<高靱性層形成工程>
まず、マンガン濃度が低く高靱性層となる低マンガン合金層LMをベースメタル層6の上にメッキ形成する。このとき、Mnを含有させるためにメッキ液の組成の例として、スルファミン酸Ni浴にスルファミン酸Mnを添加したものを用い、メッキ液中のMn量およびメッキする際の電流密度を制御して、次にメッキ形成する高マンガン合金層HMより低いMn濃度に設定する。
本実施形態では、電流密度を漸次高くして厚さ方向にMn濃度が漸次高く勾配した低マンガン合金層LMとした。
【0047】
<高硬度層形成工程>
さらに、低マンガン合金層LM上にMn濃度が0.05重量%から1.5重量%の範囲内の高硬度層である高マンガン合金層HMをメッキ形成して積層する。このとき、メッキ液中のMn量およびメッキする際の電流密度を制御して、低マンガン合金層LMより高いMn濃度に設定する。
なお、低マンガン合金層LMおよび高マンガン合金層HMの厚さは、それぞれのMn濃度、折曲させる位置および角度等によって適宜設定されるが、例えば、厚さ数十μmの高マンガン合金層HMに対して、低マンガン合金層LMの厚さは数μmから十数μm程度の範囲内に設定される。
【0048】
上記メッキ処理の後、図3の(e)に示すように、フォトレジスト層7を除去する。
【0049】
〔焼鈍工程〕
この状態で、支持金属板5の上のベースメタル層6に形成された低マンガン合金層LMおよび高マンガン合金層HMを加熱炉に入れ、所定の加熱温度および加熱時間で焼きなましを行う。
このとき、高マンガン合金層HMが焼きなましされる温度および時間より低い加熱温度および短い加熱時間で焼鈍を行う。
【0050】
〔フィルム被着工程〕
次に、図3の(f)に示すように、前記Ni−Mn合金層Nの上であって、図に示した前記パターン配線3の先端部、すなわちコンタクトピン3aとなる部分以外に、前記樹脂フィルム2を接着剤2aにより接着する。
この樹脂フィルム2は、ポリイミド樹脂PIに金属フィルム(銅箔)500が一体に設けられた二層テープである。このフィルム被着工程の前までに、二層テープのうちの金属フィルム500に、写真製版技術を用いた銅エッチングを施して、グラウンド面を形成しておき、このフィルム被着工程では、二層テープのうちのポリイミド樹脂PIを接着剤2aを介して前記Ni−Mn合金層Nに被着させる。
なお、金属フィルム500は、銅箔に加えて、Ni、Ni合金等でもよい。
【0051】
〔分離工程〕
そして、図3の(g)に示すように、樹脂フィルム2とパターン配線3とベースメタル層6とからなる部分を、支持金属板5から分離させた後、Cuエッチを経て、樹脂フィルム2にパターン配線3のみを接着させた状態とする。
【0052】
〔金コーティング工程〕
そして、露出状態のパターン配線3に、図3の(h)に示すように、Auメッキを施し、表面にAu層AUを形成する。このとき、樹脂フィルム2から突出状態とされた前記コンタクトピン3aでは、全周に亙る表面全体にAu層AUが形成される。
【0053】
〔コンタクトピン折曲工程〕
上記工程後、精密金型を用いて前記低マンガン合金層LM側が外側になるように前記コンタクトピン3aを一括して折り曲げ、図2に示すように、所定の角度を有するコンタクトピン3aを形成する。
【0054】
〔コンタクトピン研磨工程〕
コンタクトピン3aを折曲した結果、コンタクトピン3aの長さ(高さ)に不揃いが生じる場合には、研磨により均一化を図る。研磨方法としては、コンタクトピン3aを固定した状態で、該コンタクトピン3aの折曲された先端部にサンドペーパーを当接させ、その状態でサンドペーパーを回転させることにより行う。
【0055】
以上の工程により、図1および図2に示すような、樹脂フィルム2にパターン配線3を接着させたコンタクトプローブ1が作製される。
【0056】
このコンタクトプローブ1の製造方法では、高硬度層形成工程および高靱性層形成工程によって高マンガン合金層HMおよび低マンガン合金層LMの二層構造が形成され、コンタクトピン折曲工程で高マンガン合金層HMより靱性が高い低マンガン合金層LM側を外側にして折曲させるので、折曲時に最も伸ばされる屈曲部分の外側が高靱性層となることから、折曲による応力が緩和されるとともに亀裂等の発生が抑制される。
【0057】
また、コンタクトピン3aは、Mn濃度が1.5重量%を越えると、コンタクトピン3aの応力が増大してしまい湾曲するおそれがあるとともに、非常に脆く靱性が低下してしまうため、上記範囲内に高マンガン合金層HMのMn濃度を設定することにより、低マンガン合金層LMのみで靱性を維持するだけでなく、高マンガン合金層HM自体にもコンタクトプローブとして適度な靱性および硬度が与えられる。
【0058】
さらに、高靱性層形成工程において、低マンガン合金層LMの厚さ方向でそのマンガン濃度が高マンガン合金層HMに向けて漸次高く形成されるので、低マンガン合金層LMの厚さ方向においてMn濃度が勾配し、高マンガン合金層HMと低マンガン合金層LMとのMn濃度の差が徐々に小さくされる。
すなわち、両層界面におけるMn濃度の急峻な変化が緩和され、上記界面におけるメッキ時の応力集中が抑制される。したがって、上記界面における応力によって生じるコンタクトピン3aの湾曲等を抑制することができる。
【0059】
また、先にメッキ形成される低マンガン合金層LMが高マンガン合金層HMに比べてマンガン濃度が低く応力緩和層となるため、電着初期に発生する応力が低マンガン合金層LMによって軽減される。したがって、皮膜の成長過程に応力が持ち越されて発生するNi−Mn合金層N全体の湾曲、ベースメタル層6との剥離およびベースメタル層6の破れ等が抑制される効果もある。
【0060】
さらに、焼鈍工程において、高マンガン合金層HMが焼鈍される温度および時間より低い加熱温度および短い加熱時間で低マンガン合金層LMが焼鈍されるので、低マンガン合金層LMのみが焼きなましされ、高マンガン合金層HMは焼きなましされない。
すなわち、高マンガン合金層HMの硬度が維持されたまま低マンガン合金層LMのみが軟化されて靱性がさらに向上する。
【0061】
次に、前記コンタクトプローブ1を、バーンインテスト等に用いるプローブ装置、いわゆるチップキャリアに適用した場合の一例を、図4から図6を参照して説明する。
これらの図において、符号10はプローブ装置、11はフレーム本体、12は位置決め板、13は上板、14はクランパ、15は下板を示している。
なお、本発明に係るコンタクトプローブは、全体が柔軟で曲げやすいためプローブ装置に組み込む際にフレキシブル基板として機能する。
【0062】
プローブ装置10は、図4および図5に示すように、フレーム本体11と、フレーム本体の内側に固定され中央に開口部が形成された位置決め板12と、コンタクトプローブ1と、該コンタクトプローブ1を上から押さえて支持する上板(支持部材)13と、該上板13を上から付勢してフレーム本体11に固定するクランパ14とを備えている。
また、フレーム本体11の下部には、ICチップIを載置して保持する下板15がボルト15aによって取り付けられている。
【0063】
コンタクトプローブ1の中央開口部Kおよびコンタクトピン3aは、ICチップIの形状およびICチップI上のコンタクトパッドの配置に対応して形成され、中央開口部Kからコンタクトピン3aとICチップIのコンタクトパッドとの接触状態を監視できるようになっている。
なお、前記中央開口部Kの隅部に切込みを形成して、組み込み時に容易にコンタクトプローブ1が変形できるようにしても構わない。
【0064】
また、コンタクトプローブ1の接触端子3bは、コンタクトピン3aのピッチに比べて広く設定され、狭ピッチであるICチップIのコンタクトパッドと該コンタクトパッドに比べて広いピッチのテスター側コンタクトピンとの整合が容易に取れるようになっている。
【0065】
なお、ICチップIの4辺全てにはコンタクトパッドが形成されておらず、一部の辺に配されている場合には、少なくとも前記一部の辺に対応する中央開口部Kの辺にのみコンタクトピン3aを設ければよいが、ICチップIを安定して保持するためには、対向する2辺にコンタクトピン3aを形成してICチップIの対向する両辺を押さえることが好ましい。
【0066】
上記プローブ装置10にICチップIを取り付ける手順について説明する。
〔仮組立工程〕
まず、位置決め板12をフレーム本体11の取付部上に載置し、この上にコンタクトプローブ1を中央開口部Kとフレーム本体11の開口部とを合わせて配置する。
そして、中央開口部K上に同様に開口部を合わせて上板13を載置し、その上からフレーム本体11にクランパ14を係止させる。該クランパ14は、中央に屈曲部を有する一種の板バネであるため、上記係止状態で上板13を押さえて固定する機能を有する。
【0067】
上記組立状態では、中央に開口が設けられ、この部分にICチップIが取り付けられるので、取り付けられたICチップIが開口上方から観察可能とされている。
また、上板13とクランパ14とは平面上略長方形に形成され、図5に示すように、コンタクトプローブ1の接触端子3bが、それぞれの長辺側から外側に出るように組立される。
【0068】
上板13の下面は、開口近傍が所定の傾斜角で傾斜状態とされ、図6に示すように、コンタクトプローブ1のコンタクトピン3aを所定角度で下向きに傾斜させる。
ICチップIは、配線側を上向きにして下板15上に載置され、この状態で下板15がフレーム本体11に下方から仮止め状態とされる。
このとき、コンタクトプローブ1のコンタクトピン3a先端と下板15上面との距離がICチップIの厚さより所定量小さく設定されているので、ICチップIはコンタクトピン3aと下板15とによって挟持される。
【0069】
〔位置合わせ工程〕
さらに、開口上方からコンタクトピン3aの先端に対するICチップIのコンタクトパッドの位置を観察しながら、位置決め板12を動かしたりICチップIを針状治具等で動かすことによって調整し、対応するコンタクトピン3a先端とコンタクトパッドとが一致し接触するように微調整設定する。
【0070】
なお、ICチップIのダイシング精度が高く、その外形とコンタクトパッドの位置が相対的に安定しているときには、位置決め板12とコンタクトプローブ1との位置関係を予め調整しておいてから固定的に組み立てておくことにより、上記微調整をせずにコンタクトピン3aとコンタクトパッドとを一致させることが可能となる。これによって、ICチップIの位置合わせ工程が不要となり、ICチップIの取り付け作業が効率的にかつ容易に行うことができる。
【0071】
〔本固定工程〕
前記位置合わせ工程後、フレーム本体11に下板15を本格的に固定する。このとき、傾斜状態のコンタクトピン3aに、いわゆるオーバードライブがかかり、所定の押圧力でコンタクトピン3a先端とコンタクトパッドとが接触して確実に電気的に結合される。この状態は、ICチップIが、いわゆるマルチチップモジュール等に実装された状態に酷似しており、ほぼ実装状態とされたICチップIの動作状態を高信頼性をもってテストすることができる。
【0072】
このプローブ装置10は、約1インチ角(約2.5cm角)の小さなチップキャリアであり、ダイナミックバーンインテスト等の高温加熱を伴う信頼性試験に好適なものである。
【0073】
上記プローブ装置10では、コンタクトプローブ1のコンタクトピン3aが、マンガン濃度0.05重量%以上のNi−Mn合金である高マンガン合金層HMを備えているので、常温および高温加熱後、すなわち500℃で加熱した後でもHv350以上の高硬度が得られる。
また、コンタクトピン3aが、高マンガン合金層HMより低いマンガン濃度の低マンガン合金層LMを備え、低マンガン合金層LMを外側にして折曲されているので、高マンガン合金層HM単層で形成された場合に比べて屈曲部分外側の靱性が高くなり、繰り返しの使用にも十分な耐久性を備えることができる。
【0074】
さらに、上述したように、コンタクトピン3aは、低マンガン合金層LMのMn濃度が漸次高く設定されているので、高マンガン合金層HMと低マンガン合金層LMとのMn濃度の差を徐々に少なくして、両層界面における硬度および靱性の急峻な変化が緩和される。
したがって、両層の熱膨張係数の相違により発生するコンタクトピン3aの反りが大幅に軽減される。
【0075】
なお、上記の第1実施形態においては、コンタクトプローブ1をチップキャリアであるプローブ装置10に適用したが、他の測定用治具等に採用しても構わない。
【0076】
次に、第2実施形態として、本発明に係るコンタクトプローブ16をIC用プローブとして採用し、メカニカルパーツ60に組み込んでプローブ装置(プローブカード)70にする構成について、図7から図9を参照して説明する。
【0077】
図7および図8は、コンタクトプローブ16をIC用プローブとして所定形状に切り出したものを示す図であり、図9は、図8のC−C線断面図である。
第1実施形態のコンタクトプローブ1では、高マンガン合金層HMを樹脂フィルム2側に形成したが、第2実施形態のコンタクトプローブ16では、樹脂フィルム2に対して反対側に高マンガン合金層HMを形成している。この場合、第2実施形態のコンタクトピン3aは、低マンガン合金層LMが外側になるように折曲され、第1実施形態におけるコンタクトプローブ1とは逆に、コンタクトピン3aの先端が樹脂フィルム2に対して反対側に向くように屈曲される。
【0078】
また、図8に示すように、コンタクトプローブ16の樹脂フィルム2には、コンタクトプローブ16を位置合わせおよび固定するための位置合わせ孔2bおよび孔2cが設けられ、また、パターン配線3から得られた信号を引き出し用配線である接触端子3bを介してプリント基板20(図10参照)に伝えるための窓2dが設けられている。
【0079】
前記メカニカルパーツ60は、図10に示すように、マウンティングベース30と、トップクランプ40と、ボトムクランプ50とからなっている。まず、プリント基板20の上にトップクランプ40を取付け、次に、コンタクトプローブ16を取り付けたマウンティングベース30をトップクランプ40にボルト穴41にボルト42を螺合させて取り付ける(図11参照)。
そして、ボトムクランプ50でコンタクトプローブ16を押さえ込むことにより、パターン配線3を一定の傾斜状態に保つとともに、下方に折曲されたコンタクトピン3aの先端部を所定角度に設定し、該コンタクトピン3aをICチップに押しつける。
【0080】
図11は、組立終了後のプローブ装置70を示している。図12は、図11のE−E線断面図である。図12に示すように、パターン配線3の先端、すなわちコンタクトピン3aは、マウンティングベース30によりICチップIに接触している。
【0081】
前記マウンティングベース30には、コンタクトプローブ16の位置を調整するための位置決めピン31が設けられており、この位置決めピン31をコンタクトプローブ16の前記位置合わせ穴2bに挿入することにより、パターン配線3とICチップIとを正確に位置合わせすることができるようになっている。
コンタクトプローブ16に設けられた窓2dの部分のパターン配線3に、ボトムクランプ50の弾性体51を押しつけて、前記接触端子3bをプリント基板20の電極21に接触させ、パターン配線3から得られた信号を電極21を通して外部に伝えることができるようになっている。
【0082】
上記のように構成されたプローブ装置70を用いて、ICチップIのプローブテスト等を行う場合は、プローブ装置70をプローバに挿着するとともにテスターに電気的に接続し、所定の電気信号をパターン配線3のコンタクトピン3aからウェーハ上のICチップIに送ることによって、該ICチップIからの出力信号がコンタクトピン3aからテスターに伝送され、ICチップIの電気的特性が測定される。
【0083】
このコンタクトプローブ16およびこれを組み込んだプローブ装置70では、第1実施形態と同様に、コンタクトピン3aが、マンガン濃度が0.05〜1.5重量%の範囲内のNi−Mn合金である高マンガン合金層HMと、高マンガン合金層HMより低くかつ濃度勾配を有するマンガン濃度の低マンガン合金層LMとを備え、低マンガン合金層LM側を外側にして折曲されているので、屈曲部分の優れた靱性とコンタクトピン3a全体としての高い硬度(Hv350以上)が得られる。
【0084】
次に、図13乃至図18を参照して、第3実施形態について説明する。
本実施形態は、第2実施形態においてICプローブ用の所定形状に切り出したコンタクトプローブ16を、それに代えてLCD用プローブの所定形状に切り出して使用するものである。LCD用プローブに切り出されたコンタクトプローブは、図13乃至図15に符号200で示され、201は樹脂フィルムである。
【0085】
図16に示すように、LCD用プローブ装置(プローブ装置)100は、コンタクトプローブ挟持体(支持部材)110を額縁状フレーム120に固定してなる構造を有しており、このコンタクトプローブ挟持体110から突出したコンタクトピン3aの先端がLCD(液晶表示体)90の端子(図示せず)に接触するようになっている。
【0086】
図15に示すように、コンタクトプローブ挟持体110は、トップクランプ111とボトムクランプ115とを備えている。トップクランプ111は、コンタクトピン3aの先端を押さえる第一突起112、TABIC(基板側パターン配線を有する配線用基板)300側の端子301を押さえる第二突起113およびリードを押さえる第三突起114を有している。ボトムクランプ115は、傾斜板116、取付板117および底板118から構成されている。
【0087】
コンタクトプローブ200を傾斜板116の上に載置し、さらにTABIC300の端子301がコンタクトプローブ200の樹脂フィルム201,201間に位置するように載置する。その後、トップクランプ111を第一突起112が樹脂フィルム201の上でかつ第二突起113が端子301に接触するように乗せボルトにより組み立てる。
【0088】
図17に示すように、コンタクトプローブ200を組み込み、ボルト130によりトップクランプ111とボトムクランプ115を組み合わせることにより、コンタクトプローブ挟持体110が作製される。
【0089】
上記コンタクトプローブ挟持体110は、図18に示すように、ボルト131により固定されてLCD用プローブ装置100に組み立てられる。LCD用プローブ装置100を用いてLCD90の電気的テストを行うには、LCD用プローブ装置100のコンタクトピン3aの先端をLCD90の端子(図示せず)に接触させた状態で、コンタクトピン3aから得られた信号をTABIC300を通して外部に取り出すことにより行われる。
【0090】
上記LCD用プローブ装置100では、LCD90の端子に当接させるコンタクトピン3aが、第1実施形態および第2実施形態と同様のマンガン濃度に設定された高マンガン合金層HMと低マンガン合金層LMとを備え、低マンガン合金層LM側を外側にして折曲されているので、屈曲部分の優れた靱性とコンタクトピン3a全体としての高い硬度(Hv350以上)が得られる。
【0091】
次に、図19乃至図21を参照して、第4実施形態について説明する。
図19に示すように、上記第3実施形態において説明したコンタクトプローブ200におけるコンタクトピン3aは、その先端が正常な先端Sの他に、メッキ時の応力が若干残留しているときや他の要因によって、上方に湾曲した先端S1や下方に湾曲した先端S2が生じる場合がある。
【0092】
この場合、図20に示すように、上記樹脂フィルム201を第一突起112および傾斜板116で挟持してコンタクトピン3aをLCD90の端子に押しつけても、正常な先端Sおよび下方に湾曲した先端S2は、LCD90の端子に接触するが、上方に湾曲した先端S1は、仮に接触したとしても十分な接触圧が得られないことがあった。このことから、コンタクトピン3aのLCD90に対する接触不良が発生し、正確な電気テストが行えないという問題があった。
【0093】
そこで、第4実施形態では、図21に示すように、コンタクトピン3aの上方に湾曲した先端S1と下方に湾曲した先端S2とを正常な先端Sと整列させるため、樹脂フィルム201の上部に有機または無機材料からなる強弾性フィルム400を、コンタクトピン3aの先端部が樹脂フィルム201から突出する側に、コンタクトピン3aよりも短く突出するように重ね合わせ、その状態でコンタクトプローブ200および強弾性フィルム400を、トップクランプ111の第一突起112とボトムクランプ115の傾斜板116とで挟持してなるコンタクトプローブ挟持体(支持部材)110を採用した。
強弾性フィルム400は、有機材料であれば、ポリエチレンテレフタレート等からなり、無機材料であれば、セラミックス、特にアルミナ製フィルムからなることが好ましい。
【0094】
そして、このコンタクトプローブ挟持体110を額縁フレーム120に固定し、コンタクトピン3aをLCD90の端子に押し当てると、強弾性フィルム400がコンタクトピン3aを上方から押さえ、前記上方に湾曲した先端S1であってもLCD90の端子に確実に接触する。これにより、各コンタクトピン3aの先端に均一な接触圧が得られる。
【0095】
すなわち、LCD90の端子にコンタクトピン3a先端を確実に当接させることができるところから、接触不良による測定ミスをなくすことができる。
さらに、強弾性フィルム400からのコンタクトピン3aの突出量を変化させることにより、コンタクトピン3aを押しつけたときにコンタクトピン3aを上から押さえるタイミングを変えることが可能となり、所望の押し付け量で所望の接触圧を得ることができる。
【0096】
次に、図22および図23を参照して、第5実施形態について説明する。
図22に示すように、上記第3実施形態において説明した、コンタクトプローブ200の樹脂フィルム201は、例えばポリイミド樹脂からなっているため、水分を吸収して伸びが生じ、コンタクトピン3a,3a間の間隔tが変化することがあった。そのため、コンタクトピン3aがLCD90の端子の所定位置に接触することが不可能となり、正確な電気テストを行うことができないという問題があった。
【0097】
そこで、第5実施形態では、図23に示すように、前記樹脂フィルム201の上に金属フィルム500を張り付け、湿度が変化してもコンタクトピン3a,3a間の間隔tの変化を少なくし、これにより、コンタクトピン3aをLCD90の端子の所定位置に確実に接触させることとした。
【0098】
すなわち、各コンタクトピン3aの位置ずれが生じ難くなり、先端がLCD90の端子に正確かつ高精度に当接させられる。したがって、LCD90の端子以外の場所に、高硬度のNi−Mn合金で形成されたコンタクトピン3aが当接することによって生じる損傷等を防ぐことができる。
なお、金属フィルム500は、Ni、Ni合金、CuまたはCu合金のうちいずれかのものが好ましい。
【0099】
さらに、該金属フィルム500は、グラウンドとして用いることができ、それにより、プローブ装置100の先端近くまでインピーダンスマッチングをとる設計が可能となり、高周波域でのテストを行う場合にも反射雑音による悪影響を防ぐことができるという作用効果を得ることができる。
【0100】
次に、図24を参照して、第6実施形態について説明する。
すなわち、上記第5実施形態のように、樹脂フィルム201の上に金属フィルム500を張り付けると共に、上記第3実施形態のように強弾性フィルム400を使用したものであり、これにより、コンタクトピン3a先端の湾曲によらず均一な接触圧が得られると共に、コンタクトピン3a,3a間の間隔tの変化を最小限に抑えて電気テストを正確に行えるものである。
【0101】
次に、図25および図26を参照して、第7実施形態について説明する。
図25に示すように、樹脂フィルム201の上に張り付けられた金属フィルム500の上にさらに第二の樹脂フィルム202を張り付ける構成を採用し、図26に示すように、この第二の樹脂フィルム202の上に強弾性フィルム400を設けたものである。
【0102】
ここで、上記第6実施形態と異なり、第二の樹脂フィルム202を設けたのは、後端部の金属フィルム500の上方に配されたTABIC300の端子が金属フィルム500と直接接触することで生じるショートを防ぐという理由によるものである。
また、樹脂フィルム201の上に金属フィルム500が張り付けられて設けられているだけでは、大気中で露出状態の金属フィルム500の酸化が進行してしまうため、第二の樹脂フィルム202で金属フィルム500を被覆することによってその酸化を防止するためでもある。
【0103】
次に、図27および図28を参照して、第8実施形態について説明する。
上記第4、第6および第7実施形態では、使用中は、強弾性フィルム400がコンタクトピン3aに押圧接触しており、繰り返しの使用により強弾性フィルム400とコンタクトピン3aの摩擦が繰り返され、これによる歪みが蓄積されると、コンタクトピン3aが左右に曲がり、接触点がずれることがあった。
【0104】
そこで、第8実施形態では、図27に示すように、前記樹脂フィルム201を従来よりも幅広なフィルム201aとするとともに、コンタクトピン3aの金属フィルム500からの突出長さをX1、幅広樹脂フィルム201aの金属フィルム500からの突出長さをX2とすると、X1>X2とする構成を採用した。
そして、図28に示すように、前記強弾性フィルム400を幅広樹脂フィルム201aよりも短く突出するように重ねて使用すると、強弾性フィルム400は、柔らかい幅広樹脂フィルム201aに接触し、コンタクトピン3aとは直接接触しないため、コンタクトピン3aが左右に曲がることが防止できる。
【0105】
さらに、上記第8実施形態におけるLCD用プローブ装置100では、幅広樹脂フィルム201aが強弾性フィルム400よりも先端側に長く形成されて強弾性フィルム400がコンタクトピン3aを押圧するときに緩衝材となるため、繰り返し使用しても、強弾性フィルム400との摩擦によりコンタクトピン3aが歪んで湾曲すること等がなく、LCD90の端子に対して安定した接触を保つことができる。
【0106】
次に、図29および図30を参照して、第9実施形態について説明する。
金属フィルム500の上に第二の樹脂フィルム202を張り付け、コンタクトピン3aの金属フィルム500からの突出長さをX1、幅広樹脂フィルム201aの金属フィルム500からの突出長さをX2とすると、X1>X2の関係になるように構成する。
そして、図30に示すように、第二の樹脂フィルム202の上に設ける強弾性フィルム400は、幅広樹脂フィルム201aよりも短く突出するように重ねて配されている。
【0107】
上記第9実施形態におけるLCD用プローブ装置100では、第3〜8実施形態におけるそれぞれの作用効果、すなわちコンタクトピン3aの高硬度化および屈曲部分の靱性向上、接触圧の均一化、位置ずれの抑制、接触圧の安定化および金属フィルムによるショート防止等の作用効果が得られる。
【0108】
なお、第3〜第9実施形態におけるコンタクトプローブを、チップキャリアやICプローブ用のプローブ装置に採用しても構わない。この場合、組み込まれる各プローブ装置に対応して、コンタクトプローブの形状、配線、コンタクトピンのピッチや配置、折曲の角度等が設定される。
【0109】
次に、図31から図34を参照して、第10実施形態について説明する。
第10実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態におけるプローブ装置10ではICチップIがコンタクトプローブ1の下方に位置されているのに対し、第10実施形態におけるプローブ装置700では、ICチップIはコンタクトプローブ701の上方に位置される点である。
【0110】
すなわち、プローブ装置700は、図31から図33に示すように、フレーム本体711と、フレーム本体711の内側に固定され中央に矩形状の開口部と該開口部周囲に上方に傾斜する傾斜面が形成された位置決め板712と、該位置決め板712上に配されるコンタクトプローブ701と、該コンタクトプローブ701を上から押さえて支持する上板(支持部材)713と、該上板713を上から付勢してフレーム本体711に固定するクランパ714とを備えている。
上記プローブ装置700では、ICチップIはコンタクトプローブ701の上方、すなわち上方に折曲されたコンタクトピン3aの先端と上板713との間に挟持状態に配されることとなる。
【0111】
また、第1実施形態におけるコンタクトプローブ1のパターン配線3およびコンタクトピン3aは、樹脂フィルム2側に高マンガン合金層HMが配されて構成されているのに対し、第10実施形態におけるコンタクトプローブ701のパターン配線3およびコンタクトピン3aは、樹脂フィルム2側に低マンガン合金層LMが配されて構成されている点が異なっている。
【0112】
すなわち、コンタクトプローブ701の製造工程におけるメッキ処理工程で、まず、マンガン濃度が高く高硬度層となる高マンガン合金層HMをベースメタル層の上にメッキ形成した後、続いて高マンガン合金層HMより低いMn濃度を有する高靱性層となる低マンガン合金層LMを形成している。
なお、第1実施形態と同様に、コンタクトプローブ701における低マンガン合金層LMは、厚さ方向でMn濃度が高マンガン合金層HMに向けて漸次高く設定されている。
【0113】
また、前記コンタクトピン3aは、図33および図34に示すように、その先端から所定長さの途中位置Vにて樹脂フィルム2側と反対側(ICチップI側)に向けて、すなわち低マンガン合金層LM側を外側にして折曲されている。
【0114】
なお、上記各実施形態では、それぞれ次のように設定される。
(1)上記各実施形態のコンタクトピン3aの先端部は、図35に示すように、ICチップIのパッドP(測定対象物)に接触したときにその接触面Paとの角度αが60゜以上90゜未満となるように構成され、該コンタクトピン3aの基端部は、前記接触面Paとの角度βが0゜以上30゜以下となるように構成されている。
【0115】
前記コンタクトピン3aの作製に際しては、マスクに微細なパターンを所望の形状通りに形成することが困難であることから、図7に示すように、該パターンの端部に相当する、コンタクトピン3aの先端部は、凸曲面となる。そのため、コンタクトピン3aは、パッドPに対して、前記凸曲面の下側でほぼ点接触し、よって、接触時の局部的針圧が大となることから、ほぼ平面でパッドに接触する従来のタングステン針に比べて、パッドPの下地まで削り易い傾向にあった。
【0116】
そこで、上記各実施形態では、前述したように、コンタクトピン3aを、図35に示すように、その途中位置Vにて折曲し、コンタクトピン3aの先端部と基端部とで接触面Paに対する角度α,βを変えている。これにより、前記角度β、すなわち、樹脂フィルム2の接触面Paに対する角度を大きくすることなく、前記角度α(接触角)を大きく設定することが可能となり、このことから、スクラブ距離が過度に大きくなることがなく、かつ、プローブ装置の高さを大きくすることなく、スクラブ時にパッドPの下地が傷つくのを防止することができる。
【0117】
特に、前記角度αが60゜以上確保されているため、パッドPの下地まで傷つけることがない。一方、この角度αを90゜未満としたのは、90゜もしくはそれ以上であると、スクラブ時にパッドPの皮膜が良好に擦り取れず、十分な導電性が確保されないことから、テスト時に接触不良を起こすからである。
【0118】
また、前記角度βが30゜以下とされているため、スクラブ距離が過度に長くなることがなく、スクラブ時にコンタクトピン3a先端がパッドPからはみ出ることもない。一方、この角度βを0゜以上としたのは、それに満たない場合、スクラブ時に十分なオーバードライブ量(図35における矢印Z)がとれないためである。
なお、前記スクラブ距離については、オーバードライブ時に、コンタクトピン3aが撓んだり、あるいは、該コンタクトピン3aの先端部が接触面Paとの摩擦により引っかかったりすることにより、計算値よりも若干小さくなることが分かっている。
【0119】
(2)各実施形態では、コンタクトピン3aを図35に示すように折曲することでその先端部に、折曲されていないコンタクトピンに比べて、接触面Paに対する平行度の高い面3cが形成される。従来より、コンタクトピンとパッドとの位置合わせを行うに際しては、特に第2実施形態では、コンタクトピンに向けて下方から光を照射し、コンタクトピンに当たって反射してくる光を検知することにより、コンタクトピンの位置を認識する方法が用いられるが、上述したように、光が照射される方向に対して、より垂直度の高い面3cが形成されるため、十分な量の光が反射し、位置検出が容易である。
【0120】
(3)各実施形態では、コンタクトピン3aの途中位置Vから先端部までの長さLが2.0mm以下とされているため、オーバードライブ時に、その長さLの部分の撓み量を少なく抑えることができ、これにより、パッドPに対する接触針圧をほぼ一定とすることで、良好なスクラブが行われる。さらに、この長さLが0.1mm以上とされているため、スクラブ時に削り取られた皮膜やその他ゴミ等が、コンタクトピン3aの途中位置Vの内面側に付着等することがない。
【0121】
(4)各実施形態では、コンタクトピン3aの折曲された先端部に研磨が施されるため、折曲により仮にコンタクトピン3aの長さ(高さ)に不揃いが生じたとしても、研磨により均一化され、コンタクトピン3aの先端部の平坦度(プラナリティー)が向上すると共に接触抵抗を少なくすることができる。
【0122】
(5)各実施形態のプローブ装置では、樹脂フィルム2の先端側を支持する当接面(例えば、図12におけるマウンティングベース30の下面)の傾斜角が、前記角度βに等しく設定されているため、樹脂フィルム2の先端から該樹脂フィルム2の面に沿って突出するコンタクトピン3aの基端部は、前記接触面Paとの角度を前記βの値に安定して保つことができる。これにより、プローブ装置を接触面Paに対して垂直に下降させるだけで、スクラブ時に前記角度αおよびβを前記所定の値にすることができる。
【0123】
なお、本発明は、次のような実施形態をも含むものである。
(1)低マンガン合金層LMのMn濃度を勾配させて形成したが、高マンガン合金層HMより低いMn濃度であれば、勾配濃度に設定しなくても構わない。例えば、低マンガン合金層LMのMn濃度を一定のものとしてもよい。しかしながら、前述したように、低マンガン合金層LMのMn濃度を勾配させることによって、高マンガン合金層HMとの界面における応力集中、硬度および靱性の急峻な変化を緩和できる利点がある。
【0124】
(2)低マンガン合金層LMを樹脂フィルム側かその反対側のいずれか一方に形成したが、高マンガン合金層を挟んで両側に低マンガン合金層を形成した3層構造としても構わない。この場合、どちらの低マンガン合金層側を外側にして折曲してもよく、プローブ装置へ組み込む際の自由度が向上する。
【0125】
【実施例】
上記各実施形態におけるコンタクトプローブのパターン配線およびコンタクトピンを形成する電解メッキ工程において、そのメッキ条件は、以下の試験結果に基づいて求めた。
【0126】
MnをNiに含有させるためのメッキ液は、スルファミン酸Ni浴にスルファミン酸Mnを添加したものであり、Niメッキ膜中に含有されるMn量は、メッキ液中のMn量およびメッキする際の電流密度に左右されるため、高マンガン合金層HMについては以下の条件でメッキ処理を施した。
Mn量:20〜35g/l
電流密度:1〜10A/dm2
【0127】
高マンガン合金層HMのメッキ条件を、上記範囲内に設定した理由は、Mn量が20g/l未満および電流密度1A/dm2未満では、皮膜中のMn濃度が少なく所望の硬度を得ることができず、35g/lおよび10A/dm2を越えるとMn濃度が増大し、メッキ皮膜の応力増大および皮膜自身が非常に脆くなるためである。
【0128】
なお、スルファミン酸に限らず硫酸Ni浴をベースにしたものでメッキ処理を施しても構わないが、スルファミン酸Ni浴によるメッキ処理では、硫酸Ni浴に比べて応力が低減されるという効果がある。
以下の表1に、Mn量を一定(30g/l)とした場合において、電流密度を変えた際のMn濃度および熱処理前後の硬度の実験結果を示す。また、Mn濃度と硬度との関係を図36に示す。
【0129】
【表1】
Figure 0003822722
【0130】
また、第1実施形態におけるコンタクトプローブの高靱性層形成工程では、電着初期から電流密度を漸次上げ、低マンガン合金層LMの電着終期には3A/dm2となるように設定し、図37に示すように、Mnの勾配濃度を有する低マンガン合金層LMを形成した。さらに、高硬度層形成工程では、高靱性層形成工程に引き続いて3A/dm2一定の電流密度により、Mn濃度が0.4重量%の高マンガン合金層HMを形成した。
【0131】
なお、コンタクトピンを高マンガン合金層のみ及び低マンガン合金層のみの単一濃度で構成した場合と、高マンガン合金層(高硬度層)と低マンガン合金層(高靱性層)の二層構造で構成した場合における靱性についての比較データを表2に示す。
なお、表2は、試作されたコンタクトピンの90度曲げ試験を行ったものであり、コンタクトピンを90度曲げた後、元に戻す作業を1サイクルとして、ピンが破断するのに要したサイクル数を示したものである。
表2からも分かるように、低マンガン合金層は、高マンガン合金層に比べて優れた靱性を備え、二層構造を採用したものは、低マンガン合金層単層のものと同様の高靱性を有している。
【0132】
【表2】
Figure 0003822722
【0133】
さらに、焼鈍工程の条件としては、加熱温度が400〜700℃、加熱時間が1〜5時間の範囲内とすることにより、焼鈍しない低マンガン合金層LMの伸び率が約2〜3%程度であったのに対し、上記条件で焼鈍した低マンガン合金層LMの伸び率が約5%以上となった。
ここで、加熱温度を400℃以上にしたのは、400℃未満では、低マンガン合金層LMを焼鈍できないためであり、また700℃以下にしたのは、700℃を越えると高マンガン合金層HMも同時に焼鈍され、硬度が低下してしまうためである。
なお、表3は、加熱時間を2時間に固定して焼鈍の熱処理条件を変えたときの伸び率を測定した試験の結果、すなわち電流密度、Mn濃度、硬度、伸びおよび加熱温度との関係を示したものである。
【0134】
【表3】
Figure 0003822722
【0135】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
(1)請求項1記載のコンタクトプローブによれば、高マンガン合金層がマンガン濃度0.05重量%以上のNi−Mn合金であるので、常温および高温加熱後でもHv350以上の高硬度を得ることができるとともに、コンタクトピンが高マンガン合金層より低いマンガン濃度の低マンガン合金層側を外側にして折曲されているので、高マンガン合金層単層で形成された場合に比べて屈曲部分の外側の靱性を高くすることができる。
したがって、コンタクトピン全体として、高耐熱性および高硬度を備えるとともに、屈曲部分外側に亀裂等が生じ難く、長期に亙る繰り返し使用にも十分耐え得る高い信頼性を有することができる。
【0136】
(2)請求項2記載のコンタクトプローブによれば、高マンガン合金層のMn濃度を1.5重量%以下に設定することにより、屈曲部分の内側に位置する高マンガン合金層自体にもコンタクトプローブとして適度な靱性および硬度を与えることができる。
【0137】
(3)請求項3記載のコンタクトプローブによれば、低マンガン合金層のMn濃度が漸次高く設定されているので、高マンガン合金層との界面における硬度および靱性の急峻な変化を緩和することができる。
したがって、両層の熱膨張係数の相違により発生するコンタクトピンの反りを大幅に軽減することができ、測定時の温度変化による反りを抑制して安定した接触圧等を維持することができる。
【0138】
(4)請求項4記載のコンタクトプローブによれば、低マンガン合金層が焼鈍されているので、低マンガン合金層が軟化され靱性がさらに向上されていることにより、屈曲部分外側に亀裂等がより生じ難く、さらに高い信頼性を有することができる。
【0139】
(5)請求項5記載のコンタクトプローブによれば、前記フィルムが、例えば水分を吸収して伸張し易い樹脂フィルム等であっても、該フィルムには、金属フィルムが直接張り付けられて設けられているため、該金属フィルムによって前記フィルムの伸びが抑制され、各コンタクトピンの間隔にずれが生じ難くなり、コンタクトピンを測定対象物に正確かつ高精度に当接させることができる。したがって、測定対象物であるICチップやLCD等の端子以外の場所に、高硬度のNi−Mn合金で形成されたコンタクトピンが当接することによって生じる損傷等を防ぐことができる。
さらに、本コンタクトプローブでは、前記金属フィルムをグラウンドとして用いることにより、コンタクトピン先の近くまで基板配線側との特性インピーダンスのずれを最小限に抑えることができ、反射雑音による誤動作を抑えることができる。
【0140】
(6)請求項6記載のコンタクトプローブによれば、前記金属フィルムに第二のフィルムが直接張り付けられて設けられているため、金属フィルムの上方に配された前記配線用基板の基板側パターン配線や他の配線が金属フィルムと直接接触しないのでショートを防ぐことができる。また、第二のフィルムが金属フィルムを被覆してその酸化を防止することができる。
【0141】
(7)請求項7記載のプローブ装置によれば、強弾性フィルムがコンタクトピンの先端側を上方から押さえるため、ピン先端が上方に湾曲したものが存在しても、高硬度のNi−Mn合金で形成された各ピンに均一な接触圧が得られる。すなわち、測定対象物にコンタクトピンを確実に当接させることができるところから、接触不良による測定ミスをなくすことができる。
【0142】
(8)請求項8記載のプローブ装置によれば、前記フィルムが前記強弾性フィルムよりも先端側に長く形成されて該強弾性フィルムがコンタクトピンを押圧するときに緩衝材となるため、強弾性フィルムとの摩擦によりコンタクトピンが歪んで湾曲すること等がなく、測定対象物に対して安定した接触を保つことができる。
したがって、高硬度のNi−Mn合金で形成された先端部の接触圧が、長期に亙って均一に得られる。
【0143】
(9)請求項9記載のコンタクトプローブの製造方法では、高硬度層形成工程および高靱性層形成工程によって高マンガン合金層および低マンガン合金層の二層構造が形成され、コンタクトピン折曲工程で高マンガン合金層より靱性が高い低マンガン合金層側を外側にして折曲させるので、折曲時に最も伸ばされる屈曲部分の外側が高靱性層となることから、折曲による応力を緩和することができるとともに亀裂等の発生を抑制することができる。
したがって、屈曲部分の亀裂や破断等による折曲不良が大幅に減少し、製造歩留まりが向上するとともに、折曲時の応力が緩和されるので、折曲ばらつきが少なくなり、高精度の成形が可能となる。
【0144】
(10)請求項10記載のコンタクトプローブの製造方法では、高靱性層形成工程において、低マンガン合金層の厚さ方向でそのマンガン濃度が高マンガン合金層に向けて漸次高く形成されるので、高マンガン合金層と低マンガン合金層とのMn濃度の差が徐々に小さくされる。
したがって、両層界面におけるMn濃度の急峻な変化が緩和され、上記界面におけるメッキ時の応力集中を抑制することができ、上記界面における応力によって生じるコンタクトピンの湾曲等を抑制することができる。
【0145】
(11)請求項11記載のコンタクトプローブの製造方法では、焼鈍工程で低マンガン合金層を焼鈍するので、低マンガン合金層が軟化され靱性をさらに向上させることができる。
【0146】
(12)請求項12記載のコンタクトプローブの製造方法では、焼鈍工程において、高マンガン合金層が焼鈍される温度および時間より低い加熱温度および短い加熱時間で低マンガン合金層が焼鈍されるので、高マンガン合金層の硬度を維持したまま、低マンガン合金層のみを選択的に軟化させて靱性をさらに向上させることができる。
したがって、コンタクトピン全体としての硬度を維持するとともに、さらに靱性を高めてより信頼性の高いコンタクトプローブを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るコンタクトプローブの第1実施形態を示す拡大模式図である。
【図2】 図1のA−A線断面図である。
【図3】 本発明に係るコンタクトプローブの第1実施形態における製造方法を工程順に示す要部断面図である。
【図4】 本発明に係るコンタクトプローブの第1実施形態におけるプローブ装置(チップキャリア)の分解斜視図である。
【図5】 本発明に係るコンタクトプローブの第1実施形態におけるプローブ装置(チップキャリア)の外観斜視図である。
【図6】 図5の要部が拡大されたB−B線断面図である。
【図7】 本発明に係るコンタクトプローブの第2実施形態を示す要部斜視図である。
【図8】 本発明に係るコンタクトプローブの第2実施形態を示す平面図である。
【図9】 図8のC−C線断面図である。
【図10】 本発明に係るコンタクトプローブの第2実施形態を組み込んだプローブ装置の一例を示す分解斜視図である。
【図11】 本発明に係るコンタクトプローブの第2実施形態を組み込んだプローブ装置の一例を示す要部斜視図である。
【図12】 図11のE−E線断面図である。
【図13】 本発明に係るプローブ装置の第3実施形態におけるコンタクトプローブを示す斜視図である。
【図14】 図13のF−F線断面図である。
【図15】 本発明に係るプローブ装置の第3実施形態におけるコンタクトプローブ挟持体を示す分解斜視図である。
【図16】 本発明に係るプローブ装置の第3実施形態を示す斜視図である。
【図17】 本発明に係るプローブ装置の第3実施形態におけるコンタクトプローブ挟持体を示す斜視図である。
【図18】 図16のX−X線断面図である。
【図19】 本発明に係るプローブ装置の第4実施形態に関してコンタクトプローブの従来の欠点を示す側面図である。
【図20】 本発明に係るプローブ装置の第4実施形態に関してプローブ装置の従来の欠点を示す側面図である。
【図21】 本発明に係るプローブ装置の第5実施形態におけるコンタクトプローブ挟持体に組み込まれたコンタクトプローブを示す側面図である。
【図22】 本発明に係るコンタクトプローブの第5実施形態に関して図13のD方向矢視図である。
【図23】 本発明に係るコンタクトプローブの第5実施形態を示す側面図である。
【図24】 本発明に係るプローブ装置の第6実施形態におけるコンタクトプローブ挟持体に組み込まれたコンタクトプローブを示す側面図である。
【図25】 本発明に係るプローブ装置の第7実施形態におけるコンタクトプローブを示す側面図である。
【図26】 本発明に係るプローブ装置の第7実施形態におけるコンタクトプローブ挟持体に組み込まれたコンタクトプローブを示す側面図である。
【図27】 本発明に係るプローブ装置の第8実施形態におけるコンタクトプローブを示す側面図である。
【図28】 本発明に係るプローブ装置の第8実施形態におけるコンタクトプローブ挟持体に組み込まれたコンタクトプローブを示す側面図である。
【図29】 本発明に係るプローブ装置の第9実施形態におけるコンタクトプローブを示す側面図である。
【図30】 本発明に係るプローブ装置の第9実施形態におけるコンタクトプローブ挟持体に組み込まれたコンタクトプローブを示す側面図である。
【図31】 本発明に係るコンタクトプローブの第10実施形態におけるプローブ装置(チップキャリア)の分解斜視図である。
【図32】 本発明に係るコンタクトプローブの第10実施形態におけるプローブ装置(チップキャリア)の外観斜視図である。
【図33】 図32の要部が拡大されたG−G線断面図である。
【図34】 本発明に係るコンタクトプローブの第10実施形態におけるコンタクトピンの拡大断面図である。
【図35】 本発明に係るコンタクトプローブの第10実施形態におけるコンタクトピンの拡大側面図である。
【図36】 本発明に係るコンタクトプローブの先端部におけるMn濃度と硬度との関係を示すグラフである。
【図37】 本発明に係るコンタクトプローブの製造方法におけるNi−Mn合金層の厚さとMn濃度との関係を概略的に示すグラフである。
【図38】 本発明に係るコンタクトプローブの従来例を示す要部を拡大した断面図である。
【符号の説明】
1,16,701 コンタクトプローブ
2 樹脂フィルム
3 パターン配線
3a コンタクトピン
10,700 プローブ装置
13,713 上板
90 LCD(測定対象物)
100 プローブ装置
110 コンタクトプローブ挟持体(支持部材)
200 コンタクトプローブ
201 樹脂フィルム
201a 樹脂フィルム(幅広樹脂フィルム)
202 第二の樹脂フィルム
300 TABIC(配線用基板)
301 端子
400 強弾性フィルム
500 金属フィルム
AU Au層
I ICチップ(測定対象物)
N Ni−Mn合金層
LM 低マンガン合金層
HM 高マンガン合金層
PI ポリイミド樹脂
V 途中位置

Claims (12)

  1. 複数のパターン配線がフィルム上に形成されこれらのパターン配線の各先端が前記フィルムから突出状態に配されてコンタクトピンとされるコンタクトプローブであって、
    少なくとも前記コンタクトピンは、ニッケル−マンガン合金で形成されるとともに、マンガン濃度が0.05重量%以上に設定された高マンガン合金層と、該高マンガン合金層より低いマンガン濃度に設定された低マンガン合金層とを具備してなり、その途中位置にて前記低マンガン合金層側を外側にして折曲されていることを特徴とするコンタクトプローブ。
  2. 請求項1記載のコンタクトプローブにおいて、
    前記高マンガン合金層は、マンガン濃度が1.5重量%以下に設定されていることを特徴とするコンタクトプローブ。
  3. 請求項1または2記載のコンタクトプローブにおいて、
    前記低マンガン合金層は、厚さ方向でマンガン濃度が前記高マンガン合金層に向けて漸次高く設定されていることを特徴とするコンタクトプローブ。
  4. 請求項1から3いずれかに記載のコンタクトプローブにおいて、
    前記低マンガン合金層は、焼鈍されていることを特徴とするコンタクトプローブ。
  5. 請求項1から4いずれかに記載のコンタクトプローブにおいて、
    前記フィルムには、金属フィルムが直接張り付けられて設けられていることを特徴とするコンタクトプローブ。
  6. 請求項5記載のコンタクトプローブにおいて、
    前記金属フィルムには、第二のフィルムが直接張り付けられて設けられていることを特徴とするコンタクトプローブ。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載のコンタクトプローブと、前記フィルム上に配されて該フィルムから前記コンタクトピンよりも短く突出する強弾性フィルムと、
    該強弾性フィルムと前記コンタクトプローブとを支持する支持部材とを備えていることを特徴とするプローブ装置。
  8. 請求項7記載のプローブ装置において、
    前記フィルムは、前記強弾性フィルムが前記コンタクトピンを押圧するときに緩衝材となるように前記強弾性フィルムよりも先端側に長く形成されていることを特徴とするプローブ装置。
  9. フィルム上に複数のパターン配線を形成しこれらのパターン配線の各先端を前記フィルムから突出状態に配してコンタクトピンとするコンタクトプローブの製造方法であって、
    基板層の上に前記コンタクトピンの材質に被着または結合する材質の第1の金属層を形成する第1の金属層形成工程と、
    前記第1の金属層の上にマスクを施してマスクされていない部分に、前記コンタクトピンに供される第2の金属層をメッキ処理によりニッケル−マンガン合金で形成するメッキ処理工程と、
    前記マスクを取り除いた第2の金属層の上に前記コンタクトピンに供される部分以外をカバーする前記フィルムを被着するフィルム被着工程と、
    前記フィルムと第2の金属層とからなる部分と、前記基板層と第1の金属層とからなる部分とを分離する分離工程と、
    前記コンタクトピンを、その途中位置で折曲させるコンタクトピン折曲工程とを備えてなり、
    前記メッキ処理工程は、マンガン濃度が0.05重量%以上に設定された高マンガン合金層を形成する高硬度層形成工程と、前記高マンガン合金層より低いマンガン濃度に設定された低マンガン合金層を形成する高靱性層形成工程とを備え、
    前記コンタクトピン折曲工程は、前記低マンガン合金層側を外側にして折曲させることを特徴とするコンタクトプローブの製造方法。
  10. 請求項9記載のコンタクトプローブの製造方法において、前記高靱性層形成工程は、前記低マンガン合金層をその厚さ方向でマンガン濃度が前記高マンガン合金層に向けて漸次高くなるように形成することを特徴とするコンタクトプローブの製造方法。
  11. 請求項9または10記載のコンタクトプローブの製造方法において、
    前記高靱性層形成工程の後に、前記低マンガン合金層を焼鈍する焼鈍工程を備えていることを特徴とするコンタクトプローブの製造方法。
  12. 請求項11記載のコンタクトプローブの製造方法において、
    前記焼鈍工程は、前記高マンガン合金層が焼鈍される温度および時間より低い加熱温度および短い加熱時間で行うことを特徴とするコンタクトプローブの製造方法。
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