JP3822688B2 - ポリビニルアセタール樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリビニルアセタール樹脂の製造方法 Download PDF

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    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/28Condensation with aldehydes or ketones

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリビニルアセタール樹脂の製造方法に関する。更に詳しくは、透明性及び溶解性に優れた微粒子状ポリビニルアセタール樹脂を工業的に有利に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリビニルアセタール樹脂は、合わせガラス用中間膜、塗料、接着剤、バインダー等に広く利用されている。そしてこれらの製造は、ポリビニルアルコールを原料として、これをアセタール化することにより行われ、その方法としては、沈殿法や溶解法等が知られている。
【0003】
沈殿法は、ポリビニルアルコールとアルデヒドを酸触媒を用いて反応させ、ポリビニルアセタール樹脂が沈殿により得られる方法であり、単一工程で水溶液から粉末製品ができる。このため、反応後に溶液中からポリビニルアセタール樹脂を析出させて分離する必要がある溶解法に比べ、工程が簡単で生産費も安く、工業的に有利な方法である。
【0004】
しかし、沈殿法においては、一般に、反応温度が高いと沈殿析出に要する時間は短くなるが、析出粒子が粗大化し、場合によっては沈殿した粒子同士が凝集、合着することがある。よって、通常反応媒体の温度を20℃以下に保って反応析出させ、微小な粉末状の沈殿を得ている。
【0005】
しかし、その方法では以下のような問題点がある。
▲1▼ポリビニルアルコール水溶液を20℃以下の低温にするとゲル化が生じ、貧溶媒における溶解性不良が起こる。
▲2▼ポリビニルアルコール水溶液を低温に保つために冷却設備が必要となり、コストの上昇を招く。
▲3▼反応工程が長くなり、コスト上昇の要因となる。
【0006】
この沈殿方法の改良方法として、下記の様な方法が提案されている。
▲1▼反応媒体中に界面活性剤を存在させることにより、沈殿物界面の親水性を向上させて反応させる方法(特公昭38−25040号公報、特公平3−50764号公報)。
▲2▼析出直前から直後にポリビニルアルコールを添加する方法(特公昭60−56723号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記改良方法でも下記の様な問題点がある。
▲1▼界面活性剤を用いる方法では、樹脂中の界面活性剤を完全に除去する必要があり、工程が複雑となる。また、廃水の処理にも手間がかかる。更に、界面活性剤の除去自体も非常に困難である。また、この方法では、析出したポリビニルアルコールの粒子の微粒子化が不十分である。
▲2▼ポリビニルアルコールを添加する方法では、分散状態を安定化させるために界面活性剤としてポリビニルアルコール水溶液を添加すると、沈殿粒子に対して保護コロイド的作用は見られるが極性が強すぎるため、十分な微粒子分散効果は得られない。
【0008】
本発明は以上の問題を解決するためになされ、樹脂粒子の凝集、合着が防止され、粗大粒子の発生が無いポリビニルアセタール樹脂を製造する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本願の請求項1記載の発明は、ポリビニルアルコールとアルデヒドを酸触媒を用いて反応させてポリビニルアセタール樹脂を製造する方法において、ポリビニルアセタール樹脂の沈殿が析出する前から直後にかけて、アセタール化されたポリビニルアルコール水溶液を添加することを特徴とするポリビニルアセタール樹脂の製造方法を提供する。
【0010】
本願の請求項2記載の発明は、請求項1記載の方法において、添加するアセタール化されたポリビニルアルコール水溶液が、ポリビニルアルコールの重合度が200〜3000で、水溶液状となるようなアセタール化度を有することを特徴とするポリビニルアセタール樹脂の製造方法を提供する。
【0012】
次に、本発明を詳細に説明する。
【0013】
沈殿法において、反応系を20℃以上の比較的高い温度に保ってポリビニルアセタール樹脂を沈殿させた場合、前述したように沈殿の凝集・合着が生じやすい。
【0014】
本発明で使用されるアセタール化されたポリビニルアルコール水溶液は、次式
【化1】
Figure 0003822688
で表されるように、ポリビニルアルコール中の水酸基の一部がアセタール化されており、極性が緩和されている。そこで、極性の強いポリビニルアルコールの代わりに、アセタール化されたポリビニルアルコール水溶液を添加すると、適度な極性であるため、ポリビニルアセタール樹脂の沈殿粒子の表面に吸着し、その周囲の水を取り込んで水和相が形成されて粒子が安定化され、粒子同士の凝集・合着が防止されるものと考えられる。
【0015】
沈殿析出前或いは直後にアセタール化されたポリビニルアルコール水溶液を添加した場合は、添加したアセタール化されたポリビニルアルコールが上記の様な界面活性剤と同様の効果を持つと考えられる。ここで、「ポリビニルアセタール樹脂の沈殿が析出する前から直後にかけて」とは、ポリビニルアセタール樹脂の沈殿が析出すると考えられる瞬間の約20分前から析出後約20分迄の時間帯を言う。
【0016】
特に沈殿析出前、或はさらにアルデヒド投入前に、アセタール化されたポリビニルアルコール水溶液を添加する場合、沈殿析出時に溶液内のアセタール化分布が広くなるので、高いアセタール化物が析出する際、低いアセタール化物が析出粒子に対して吸着し、界面活性効果を持つと考えられる。
【0017】
本発明は、上述のように安定的に微細粒子を沈殿析出するため、透明性及び溶解性などに優れた均質なポリビニルアセタール樹脂が得られる。特に、本発明で得られた微粒子状ポリビニルブチラールに可塑剤を加えて安全ガラス用中間膜を製造すると、透明性に優れた中間膜が得られる。
【0018】
本発明において、最初に反応槽に添加されて用いられるポリビニルアルコール及び添加されるアセタール化されたポリビニルアルコール共に、その重合度は何ら特定されるものではないが、一般に500〜3000であり、また、残存アセチル基を含有していても何ら差し支えない。さらに、その水溶液における濃度についても、アセタール反応ができる範囲であれば良いが、一般に2〜15重量%のポリビニルアルコール水溶液が用いられる。通常、ポリビニルアルコールの濃度が15重量%を越えると、粘度が高過ぎるため、アセタール反応やその後の処理に支障をきたすことが多く、2重量%未満では、沈殿析出するポリビニルアセタール樹脂が少量すぎるため、精製工程上、工業的に不利な面が多い。
【0019】
アルデヒドを反応系に添加する際には、所望量を一度に添加しても良く、適宜の量に分割してポリビニルアセタール樹脂が析出する前及び後複数回にわたって添加しても良い。
【0020】
アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、オクチルアルデヒド、ノニルアルデヒド、デシルアルデヒド、ベンズアルデヒタド、シンナムアルデヒド等の脂肪族、芳香族アルデヒドの単体或いは2種以上の混合物が用いられる。合わせガラス中間膜を製造するには、一般にn−ブチルアルデヒドが用いられる。
【0021】
酸触媒としては、塩酸、燐酸、硫酸、硝酸、パラトルエンスルホン酸等の単独或いは2種以上の混合物が用いられる。一般に、反応液のpHが0.2〜2になるように適量が添加される。
【0022】
反応工程での温度は、一般に0〜90℃の範囲に設定される。アセタール化反応及び熟成時間は、一般に1〜4時間である。樹脂のアセタール化度は、用途により異なるが、一般に55〜75mol%とされる。
【0023】
この発明では、上述の反応の際に、アセタール樹脂の析出前から直後にかけて、アセタール化されたポリビニルアルコール水溶液を添加して反応が行われる。
【0024】
添加に用いるアセタール化されたポリビニルアルコール水溶液のアセタール化度は、水溶液状を保つ範囲、すなわち樹脂が析出しない範囲のものを用いる。樹脂の溶解性は、重合度、反応温度、用いるアルデヒドの種類等によって異なる。例えば、ポリビニルアルコールの重合度1800、反応温度20℃で、表1に示す各アルデヒドを用いる場合、アセタール化度の範囲(最適範囲)は表1の通りである。但し、ベンズアルデヒドのアルデヒド以外はCm2m+1CHO(mは整数)で表される。
【0025】
【表1】
Figure 0003822688
【0026】
アセタール化度が上記範囲の上限を越えると、樹脂が析出し、添加物として十分な効果が得られず、添加しない場合と同じ粒子の粗大化或いは凝集がおこる。
【0027】
アセタール化したポリビニルアルコール水溶液の添加量は、スラリー全量に対して0.5〜20重量%が好ましい。添加量が少なすぎると、樹脂の分散効果が不十分で粗大粒子が発生し、逆に添加量が多すぎると、最終的に得られる製品のアセタール化度の分布が広くなり、諸物性、特に透明性が低下する。
【0028】
アセタール化したポリビニルアルコール水溶液の添加方法は、ポリビニルアセタール樹脂の沈殿が析出する前から直後にかけて添加するものであるが、前でも直後でも良く、またその両方に添加しても良い。また、所定の量を一括して加えても良く、前記沈殿が析出する前もしくは直後の時間帯内で連続して、或いは分割して断続的に添加しても良い。
【0029】
ポリビニルアセタール樹脂の沈殿が析出する直前にアセタール化したポリビニルアルコール水溶液を添加する場合は、予め、アセタール化したポリビニルアルコール水溶液を添加しない他は本発明方法と略同一条件下の予備実験を行い、ポリビニルアセタール樹脂の製造開始から沈殿析出迄に要する時間を測定し、或は沈殿析出時の反応系の粘度変化を測定することによって、沈殿析出の時点を予測しておくことが望ましい。
【0030】
粘度の変化を測定するには、例えば反応系を定速度で攪拌する攪拌具が備えられている場合は、該攪拌具を駆動しているモーターに加わる負荷の変化を粘度の変化として考え、具体的にはモーター負荷を示す電流値等を読み取るのが便利である。
【0031】
次に、ポリビニルアセタール樹脂析出後、沈殿析出時の温度のまま、或いは適宜昇温して熟成した後、常法により中和し、ついで濾過、水洗、乾燥して粉末状のポリビニルアセタール樹脂を製造する。
【0032】
【実施例】
[実施例1]
▲1▼ブチラール化度10mol%ポリビニルアルコール水溶液の調製(添加用)ケン化度99mol%、重合度1800のポリビニルアルコール300gを水2700gに溶解後、35%塩酸を17.1g投入し、反応系を25℃に保ち、撹拌しつつn−ブチルアルデヒド25.5gを加え反応させた。
▲2▼本反応
ケン化度99mol%、重合度1800のポリビニルアルコール270gを水2430gに溶解後、35%塩酸を17.1g投入し、反応系を25℃に保ち、撹拌しつつn−ブチルアルデヒド143.1gを加えた5分後に、調製済みのブチラール化度10mol%ポリビニルアルコール水溶液を300g加えたところ、その5分後に白色微粒子のポリビニルブチラール樹脂の沈殿が析出した。沈殿析出の10分後に35%塩酸を154.3g添加し、15℃/時間の昇温速度で50℃まで加熱し、その温度で3時間保持して熟成を行った。その後、常法に従って中和、ろ過、水洗、乾燥を行い、目的のポリビニルブチラール樹脂を得た。
【0033】
[実施例2]
▲1▼ブチラール化度5mol%ポリビニルアルコール水溶液の調製(添加用)
ケン化度99mol%、重合度1800のポリビニルアルコール300gを水2700gに溶解後、35%塩酸を17.1g投入し、反応系を25℃に保ち、撹拌しつつn−ブチルアルデヒド12.5gを加え反応させた。
▲2▼本反応
ケン化度99mol%、重合度1800のポリビニルアルコール270gを水2430gに溶解後、35%塩酸を17.1g投入し、反応系を25℃に保ち、撹拌しつつn−ブチルアルデヒド156.1gを加えた5分後に、調製済みのブチラール化度5mol%ポリビニルアルコール水溶液を300gを加えたところ、その5分後に白色微粒子のポリビニルブチラール樹脂の沈殿が析出した。沈殿析出の10分後に35%塩酸を154.3g添加し、15℃/時間の昇温速度で50℃まで加熱し、その温度で3時間保持して熟成を行った。その後、常法に従って中和、ろ過、水洗、乾燥を行い目的のポリビニルブチラール樹脂を得た。
【0034】
[実施例3]
▲1▼ブチラール化度20mol%ポリビニルアルコール水溶液の調製(添加用)ケン化度99mol%、重合度1800のポリビニルアルコール300gを水2700gに溶解後、35%塩酸を17.1g投入し、反応系を25℃に保ち、撹拌しつつn−ブチルアルデヒド51gを加え反応させた。
▲2▼本反応
ケン化度99mol%、重合度1800のポリビニルアルコール270gを水2430gに溶解後、35%塩酸を17.1g投入し、反応系を25℃に保ち、撹拌しつつn−ブチルアルデヒド117.6gを加えた5分後に、調製済みのブチラール化度20mol%ポリビニルアルコール水溶液を300gを加えたところ、その5分後に白色微粒子のポリビニルブチラール樹脂の沈殿が析出した。沈殿析出の10分後に35%塩酸を154.3g添加し、15℃/時間の昇温速度で50℃まで加熱し、その温度で3時間保持して熟成を行った。その後、常法に従って中和、ろ過、水洗、乾燥を行い目的のポリビニルブチラール樹脂を得た。
【0035】
[実施例4]
▲1▼ブチラール化度10mol%ポリビニルアルコール水溶液の調製(添加用)ケン化度99mol%、重合度1800のポリビニルアルコール300gを水2700gに溶解後、35%塩酸を17.1g投入し、反応系を25℃に保ち、撹拌しつつn−ブチルアルデヒド25.5gを加え反応させた。
▲2▼本反応
ケン化度99mol%、重合度1800のポリビニルアルコール270gを水2430gに溶解後、35%塩酸を17.1g投入し、反応系を25℃に保ち、撹拌しつつn−ブチルアルデヒド143.1gを加えたところ、その10分後に白色微粒子のポリビニルブチラール樹脂の沈殿が析出した。その直後、調整済みのブチラール化度10mol%ポリビニルアルコール水溶液を300g添加した。さらに、沈殿析出の10分後に35%塩酸を154.3g添加し、15℃/時間の昇温速度で50℃まで加熱し、その温度で3時間保持して熟成を行った。その後、常法に従って中和、ろ過、水洗、乾燥を行い目的のポリビニルブチラールを得た。
【0036】
[実施例5]
▲1▼ブチラール化度10mol%ポリビニルアルコール水溶液の調製(添加用)ケン化度99mol%、重合度1800のポリビニルアルコール300gを水2700gに溶解後、35%塩酸を17.1g投入し、反応系を25℃に保ち、撹拌しつつn−ブチルアルデヒド25.5gを加え反応させた。
▲2▼本反応
ケン化度99mol%、重合度1800のポリビニルアルコール270gを水2430gに溶解後、35%塩酸を17.1g投入し、反応系を25℃に保ち、撹拌しつつn−ブチルアルデヒドを添加する前に調製済みのブチラール化度10mol%ポリビニルアルコール水溶液を300g添加した。その後n−ブチルアルデヒド143.1gを加えたところ、10分後に白色微粒子のポリビニルブチラール樹脂の沈殿が析出した。さらに沈殿析出の10分後に35%塩酸を154.3g添加し、15℃/時間の昇温速度で50℃まで加熱し、その温度で3時間保持して熟成を行った。その後、常法に従って中和、ろ過、水洗、乾燥を行い目的のポリビニルブチラール樹脂を得た。
【0037】
[実施例6]
▲1▼アセタール化度10mol%ポリビニルアルコール水溶液の調製(添加用)ケン化度99mol%、重合度1800のポリビニルアルコール300gを水2700gに溶解後、35%塩酸を17.1g投入し、反応系を25℃に保ち、撹拌しつつアセトアルデヒド15.5gを加え反応させた。
▲2▼本反応
ケン化度99mol%、重合度1800のポリビニルアルコール270gを水2430gに溶解後、35%塩酸を17.1g投入し、反応系を25℃に保ち、撹拌しつつn−ブチルアルデヒド87.5gを加えた5分後に、調製済みのアセタール化度10mol%ポリビニルアルコール水溶液を300gを加えたところ、その5分後に白色微粒子のポリビニルアセタール樹脂の沈殿が析出した。沈殿析出の10分後に35%塩酸を154.3g添加し、15℃/時間の昇温速度で50℃まで加熱し、その温度で3時間保持して熟成を行った。その後、常法に従って中和、ろ過、水洗、乾燥を行い目的のポリビニルアセタール樹脂を得た。
【0038】
[比較例1]
ケン化度99mol%、重合度1800のポリビニルアルコール300gを水2700gに溶解後、35%塩酸を17.1g投入し、反応系を25℃に保ち、撹拌しつつn−ブチルアルデヒド168.6gを加えた。沈殿析出の10分後に35%塩酸を154.3g加えたところ、それまで均一に分散していた沈殿粒子が互いに合着して粗大な塊状となったので撹拌を続行できず、微細なポリビニルブチラール粒子は得られなかった。
【0039】
[比較例2]
ケン化度99mol%、重合度1800のポリビニルアルコール270gを水2430gに溶解後、35%塩酸を17.1g投入し、反応系を25℃に保ち、撹拌しつつn−ブチルアルデヒド168.6gを加えた5分後に、10wt%のポリビニルアルコール水溶液を300gを加えたところ、その5分後に白色微粒子のポリビニルブチラール樹脂の沈殿が析出した。沈殿析出の10分後に35%塩酸を154.3g添加し、15℃/時間の昇温速度で50℃まで加熱し、その温度で3時間保持して熟成を行った。その後、常法に従って中和、ろ過、水洗、乾燥を行い目的のポリビニルブチラール樹脂を得た。
【0040】
[比較例3]
▲1▼ブチラール化度30mol%ポリビニルアルコール水溶液の調製(添加用)
ケン化度99mol%、重合度1800のポリビニルアルコール300gを水2700gに溶解後、35%塩酸を17.1g投入し、反応系を25℃に保ち、撹拌しつつn−ブチルアルデヒド76gを加え反応させたところ、20分後ポリビニルブチラールの沈殿が析出し、スラリー溶液を得た。
▲2▼本反応
ケン化度99mol%、重合度1800のポリビニルアルコール270gを水2430gに溶解後、35%塩酸を17.1g投入し、反応系を25℃に保ち、撹拌しつつn−ブチルアルデヒド92.6gを加えた5分後に、調製済みのブチラール化度30mol%ポリビニルアルコール水溶液を300gを加えた。添加した水溶液が既に析出粒子を含むスラリーであったため、添加後の析出の瞬間は確認できなかったが、n−ブチルアルデヒド投入20分後35%塩酸を154.3gを加えたところ、それまで均一に分散していた沈殿粒子が互いに合着して粗大な塊状となったので、撹拌を続行できず、微細なポリビニルブチラール粒子は得られなかった。
【0041】
各実施例及び比較例で得られたポリビニルアセタール樹脂(ポリビニルブチラール樹脂)の粒径及びアセタール化度(ブチラール化度)を表2に示した。
【0042】
【表2】
Figure 0003822688
【0043】
【発明の効果】
上述の通り、この発明によれば、ポリビニルアセタール樹脂の製造において樹脂粒子の凝集、合着が防止され、粗大粒子の発生が無いポリビニルアセタール樹脂を製造することができる。

Claims (2)

  1. ポリビニルアルコールとアルデヒドを酸触媒を用いて反応させてポリビニルアセタール樹脂を製造する方法において、ポリビニルアセタール樹脂の沈殿が析出する前から直後にかけて、アセタール化されたポリビニルアルコール水溶液を添加することを特徴とするポリビニルアセタール樹脂の製造方法。
  2. 添加するアセタール化されたポリビニルアルコール水溶液は、ポリビニルアルコールの重合度が200〜3000で、水溶液状となるようなアセタール化度を有することを特徴とする請求項1記載のポリビニルアセタール樹脂の製造方法。
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