JP3401085B2 - ポリビニルブチラールの製造方法 - Google Patents

ポリビニルブチラールの製造方法

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JP3401085B2
JP3401085B2 JP17094794A JP17094794A JP3401085B2 JP 3401085 B2 JP3401085 B2 JP 3401085B2 JP 17094794 A JP17094794 A JP 17094794A JP 17094794 A JP17094794 A JP 17094794A JP 3401085 B2 JP3401085 B2 JP 3401085B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】本発明は、ポリビニルブチラールの製造方
法に関するものである。更に詳しくは、透明性及び溶解
性に優れた微粒子状ポリビニルブチラールを酢酸ビニル
モノマーから一つの反応槽で一挙に合成する方法に関す
るものである。 【0002】 【従来の技術】ポリビニルブチラールは、安全ガラスの
中間膜、接着剤、塗料、各種バインダー等の広汎な用途
に使用されている。このポリビニルブチラールは、従来
より多くの製造方法が提案されている。工業的なポリビ
ニルブチラールの製造方法は、第一段階で酢酸ビニルを
ラジカル重合してポリ酢酸ビニルを製造し、得られたポ
リ酢酸ビニルをアルカリ溶液中で加水分解(ケン化)を
行い、ポリビニルアルコールを分離、精製、乾燥工程を
経てポリビニルアルコールを合成している。次いで、第
二段階でポリビニルアルコールを溶解し、これに酸触媒
とブチルアルデヒドを添加し、これを縮合せしめること
によりポリビニルブチラールを製造している。 【0003】上記第二段階のポリビニルアルコールをア
セタール化する方法としては、従来より沈殿法、溶解
法、均一法が知られている。この内、沈殿法は単一工程
で水溶液から粉末状ポリビニルブチラールを得ることが
できるため、反応中の溶液にポリビニルブチラールを析
出させて分離、精製する必要のある他の方法に比較して
工業的な有利性を有する。しかし、未だ工程が複雑であ
り、プロセス、コスト面で有効なものといえない。 【0004】上記の問題点を改善する試みとして、例え
ば、「ヴィニル系合成樹脂」〔(財)高分子化学協会出
版部発行、第98頁、1949年〕に大杉氏の、ポリ酢
酸ビニルのアルコール溶液に硫酸及びブチルアルデヒド
を同時に加え、脱酢酸と同時にブチラール化する方法を
紹介しているが、併せて、この反応が長時間を要するこ
と、得られるポリビニルブチラールが着色すること等の
問題点も指摘されている。又、USP.2,105,2
08(1939)には、触媒として硫酸、塩酸、硝酸、
燐酸等の鉱酸やトルエンスルフォン酸等の強い有機酸を
用いた水エマルジョン系反応液からポリビニルブチラー
ル等のアセタール化物を析出させる方法が述べられてい
る。 【0005】又、ポリビニルフォルマールの合成に関す
る研究(I〜II)〔大阪工業試験所、1949年〕に
山田らは、溶剤として酢酸を使用し、これにポリビニル
アルコールを懸濁しアルデヒドならびに塩酸を加えアセ
タール化を完結させ、次いで10℃以下の水と混合して
ポリビニルフォルマールを分離する方法を提案している
が、この方法は酢酸の回収工程を必要とする。 【0006】又、「ビニル系エマルジョンの応用」〔高
分子化学刊行会発行、第101頁、1956年〕に本山
らは、ポリ酢酸ビニルを塩酸でケン化を行った後、アセ
タール化する方法を述べている。しかし、上記のポリビ
ニルブチラール等を一工程で合成する方法は、いずれの
方法もなにがしかの溶媒により再沈し、ポリマーを回収
する工程を伴うため、均一な粒子を得ることができない
という問題点を有するものである。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の欠
点を克服するものであり、その目的とするところは、酢
酸ビニルモノマーから一挙に透明性及び溶解性に優れた
微粒子状ポリビニルブチラールの製造方法を提供するこ
とにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、酢酸ビニルを
ラジカル重合して得られるポリ酢酸ビニルを酸によって
加水分解(ケン化)を行いポリビニルアルコールを合成
し、更に、ブチルアルデヒドを縮合してポリビニルブチ
ラールを製造する方法であって、縮合時に、反応槽に濃
度2〜30重量%のアセタール化度が5〜25モル%の
ポリビニルブチラール水溶液を、反応液全量に対して
0.5〜30重量%添加することを特徴とする微粒子ポ
リビニルブチラールの製造方法をその要旨とするもので
ある。 【0009】本発明で用いられる酢酸ビニルのラジカル
重合は、塊状重合、溶液重合、乳化重合、粒状重合のい
ずれを用いてもよい。上記重合法の内、比較的高い重合
度が得られ、重合熱除去の容易さ、反応系の粘度を低く
保持できる点で溶液重合が好適に使用される。 【0010】本発明の上記溶液重合で使用される溶媒
は、メタノール、エタノール、ベンゾール、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸、アセトン等が挙げられる。これ
らの重合に使用された溶媒は、そのままケン化工程にも
使用できる点で好ましい。 【0011】上記ケン化方法は、酸ケン化とアルカリケ
ン化があるが、酸ケン化はアルカリケン化に比べ、得ら
れるポリビニルブチラール製品中の灰分を少なくできる
こと、特にケン化後、アセタール化反応を引き続いて行
う場合には、酸触媒をそのまま次のアセタール化の工程
で使用できる点で工業的に有利である。又、上記酸触媒
としては、塩酸、硫酸、燐酸、パラトルエンスルホン酸
等があげられる。これらの酸の内、塩酸は得られるポリ
ビニルブチラール製品の着色が他の酸を使用した場合に
比べて少ないので好適に使用される。 【0012】本発明において使用されるポリビニルアル
コールは、上記方法で重合されるが、その重合度は、得
られるポリビニルブチラールの用途によって適宜決めら
れ、通常、500〜8,000程度である。又、そのケ
ン化度は、酸ケン化終了時点で75モル%程度であるこ
とが好ましい。これは、次のアセタール化反応開始後も
ケン化は進行するので、この分も加えて最終製品のケン
化度が90モル%以上であることが好ましいからであ
る。 【0013】次いで、上記ポリビニルアルコールは、反
応溶媒として水が反応槽に投入され、混合されて、濃度
調整がなされる。ここで水量は、ケン化に使用された溶
剤の比率が、反応液全量に対して40重量%以下になる
ように投入されることが好ましい。上記溶剤比率が反応
液全量に対して40重量%を超える場合、アセタール化
反応によって、微細にして、且つ、均一な径の粒子とし
てポリビニルブチラールを得ることができない。 【0014】本発明で用いられるアセタール化度5〜2
5モル%のポリビニルブチラール(以下、低アセタール
化ポリビニルブチラールと略称する)は、別途調製され
るが、これに用いられるポリビニルアルコールの重合度
は、特に限定されるものではないが、通常、平均重合度
500〜8,000程度のものが好適に使用される。
又、そのケン化度は、85モル%程度であることが好ま
しい。 【0015】上記ポリビニルアルコールはブチルアルデ
ヒドによってアセタール化され(低アセタール化ポリビ
ニルブチラール)、本発明において、造核剤として使用
されるが、アセタール化度が5モル%未満ではポリビニ
ルブチラールの粒子形成に作用する造核剤としての効果
がなく、又、アセタール化度が25モル%を超える場合
には、反応液に添加した時、それだけで析出分離し、や
はり造核剤としての効果がない。 【0016】上記低アセタール化ポリビニルブチラール
は、水溶液として反応槽に添加されるが、その濃度は、
得られるポリビニルブチラールの用途によって2〜30
重量%で、反応液全量に対して0.5〜30重量%とな
るように添加される。上記低アセタール化ポリビニルブ
チラールの濃度が、2重量%未満である場合、造核剤と
しての効果がなく、又、30重量%を超える場合、反応
液の濃度が高くなり、反応系の均一な分散を阻害し、好
ましい結果を与えない。 【0017】又、上記低アセタール化ポリビニルブチラ
ールの添加量が反応液全量に対して0.5重量%未満で
は、造核剤としての効果がなく、又、30重量%を超え
て添加してもその効果は一定となり、これ以上添加する
ことは不経済である。 【0018】上記低アセタール化ポリビニルブチラール
の添加時期は、ポリビニルアルコールに溶媒としての水
を投入した直後が最も好ましい。又、上記低アセタール
化ポリビニルブチラールの添加時の反応液の温度は、5
〜50℃であることが好ましい。この温度が5℃未満の
場合、ポリビニルアルコールのミクロゲルが発生し、溶
剤不溶解の状態で不均一なポリマーが生成する等の問題
があり、50℃を超えると、微細で均一な粒子を形成し
ない。 【0019】 【作用】本発明のポリビニルブチラールの製造方法は、
濃度2〜30重量%のアセタール化度が5〜25モル%
のポリビニルブチラール水溶液を、反応液全量に対して
0.5〜30重量%で反応液に添加されることによっ
て、該低アセタール化ポリビニルブチラールが反応液に
均質に分散し、生成されるポリビニルブチラールの造核
剤として作用し、微細にして、且つ、均質な粒子として
反応系より析出させることができるのである。 【0020】又、本発明のポリビニルブチラールの製造
方法は、酸によって加水分解(ケン化)を行う等、反応
液のpHを酸性側に限って実施する等請求項1及び2記
載の本発明の各要素と組み合わせることによって、同一
の反応槽において連続して、一挙に酢酸ビニルから微細
にして、且つ、均質な粒子としてポリビニルブチラール
を製造するでき、得られるポリビニルブチラールは不純
物を含まず、安全ガラスの中間膜として使用された場
合、着色もなく、像が歪むことのない透視性に優れた性
能を示す。又、塗料や接着剤に使用された場合、極めて
優れた溶解性を示す。 【0021】本発明のポリビニルブチラールの製造方法
は、酢酸ビニルを溶媒中でラジカル重合する場合、比較
的高い重合度が得られ、重合熱除去の容易さ、反応系の
粘度を低く保持できる等、本発明の各要素と組み合わせ
ることによって、微細にして、且つ、均質な粒子として
ポリビニルブチラールを製造するでき、得られるポリビ
ニルブチラールは不純物を含まず、安全ガラスの中間膜
として使用された場合、着色もなく、像が歪むことのな
い透視性に優れた性能を示す。又、塗料や接着剤に使用
された場合、極めて優れた溶解性を示す。 【0022】 【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する
が、本発明はこれに限定されない。猶、実施例におい
て、重合度、ケン化度、ブチラール化度の測定方法及び
粒子径の評価は以下に示した方法で測定、評価した。 1.重合度及びケン化度 重合度及びケン化度の測定は、JIS K6726に準
じて測定した。 【0023】2.ブチラール化度の測定方法 ブチラール化度の測定は核磁気共鳴(NMR)法によっ
て行った。測定に際し、プロトン核磁気共鳴スペクトル
は次のように評価した。先ず、ポリビニルブチラールの
1重量%重水素化DMSO溶液を作成し、少量のテトラ
メチルシランを標準物質(0ppm)として添加し、測
定温度25℃にて測定を行い、これによって求められた
それぞれのスペクトルの吸収ピーク積分値から算出す
る。猶、側鎖のブチラール基のCH3 は、0.8〜0.
9ppmのケミカルシフトに帰属し、その積分強度(I
A)を、主鎖及び側鎖のブチラール基のCH2 は、1.
0〜1.9ppmのケミカルシフトに帰属し、その積分
強度(IB)をそれぞれチャートより読み取り、下式に
よって算出した。 ブチラール化度(モル%)=〔2×IA/(3×IB−
4×IA)〕×100 【0024】3.粒子径の評価 粒子径の評価は、各サイズのメッシュを通過する粒子の
重量比で評価した。 【0025】(実施例1)酢酸ビニルモノマー50重量
部、メタノール283重量部、触媒として過酸化ベンゾ
イル0.1重量部を反応槽に入れ、78℃で8時間重合
反応を行った。次いで、これに35重量%の塩酸30重
量部を添加し、80℃で10時間ケン化反応を行い、ポ
リビニルアルコールのメタノール溶液を得た。次に、こ
の溶液に水425重量部を添加し、10℃に冷却した
(溶液1)。 【0026】これと別に、重合度1,500、ケン化度
99.4モル%のポリビニルアルコール10重量%水溶
液100重量部を10℃に冷却し、これにブチルアルデ
ヒド2重量部を添加しアセタール化反応を行い、アセタ
ール化度20モル%の低アセタール化ポリビニルブチラ
ールを調製した(溶液2)。上記溶液2を溶液1に滴下
しながら30分間攪拌した。次いで、これにブチルアル
デヒド20重量部を滴下しながら2時間攪拌した後、5
0℃に昇温し、更に2時間反応させた。上記反応液を常
温に冷却し、ポリビニルブチラールを分離し、重曹で中
和後水洗して白色のポリビニルブチラール粉末を得た。
得られたポリビニルブチラールの重合度、ケン化度及び
アセタール化度は表1に、粒径等反応生成物の形状は表
2に示した。 【0027】(実施例2)実施例1と同様にしてポリビ
ニルアルコールのメタノール溶液を得た。次に、この溶
液に水660重量部を添加し、10℃に冷却した(溶液
3)。これと別に、重合度1,500、ケン化度99.
4モル%のポリビニルアルコール5重量%水溶液200
重量部を10℃に冷却し、これにブチルアルデヒド2重
量部を添加しアセタール化反応を行い、アセタール化度
20モル%の低アセタール化ポリビニルブチラールを調
製した(溶液4)。上記溶液4を溶液3に滴下しながら
30分間攪拌した。次いで、これにブチルアルデヒド2
0重量部を滴下しながら2時間攪拌した後、50℃に昇
温し、更に2時間反応させた。上記反応液を常温に冷却
し、ポリビニルブチラールを分離し、重曹で中和後水洗
して白色のポリビニルブチラール粉末を得た。得られた
ポリビニルブチラールの重合度、ケン化度及びアセター
ル化度は表1に、粒径等反応生成物の形状は表2に示し
た。 【0028】(実施例3)実施例1と同様にしてポリビ
ニルアルコールのメタノール溶液を得た。次に、この溶
液に水1,132重量部を添加し、10℃に冷却した
(溶液5)。これと別に、重合度1,500、ケン化度
99.4モル%のポリビニルアルコール20重量%水溶
液50重量部を10℃に冷却し、これにブチルアルデヒ
ド2重量部を添加しアセタール化反応を行い、アセター
ル化度20モル%の低アセタール化ポリビニルブチラー
ルを調製した(溶液6)。上記溶液6を溶液5に滴下し
ながら30分間攪拌した。次いで、これにブチルアルデ
ヒド20重量部を滴下しながら2時間攪拌した後、50
℃に昇温し、更に2時間反応させた。上記反応液を常温
に冷却し、ポリビニルブチラールを分離し、重曹で中和
後水洗して白色のポリビニルブチラール粉末を得た。得
られたポリビニルブチラールの重合度、ケン化度及びア
セタール化度は表1に、粒径等反応生成物の形状は表2
に示した。 【0029】(実施例4)実施例1と同様にしてポリビ
ニルアルコールのメタノール溶液を得た。次に、この溶
液に水425重量部を添加し、10℃に冷却した(溶液
1)。これと別に、重合度1,500、ケン化度99.
4モル%のポリビニルアルコール20重量%水溶液10
0重量部を10℃に冷却し、これにブチルアルデヒド2
重量部を添加しアセタール化反応を行い、アセタール化
度5モル%の低アセタール化ポリビニルブチラールを調
製した(溶液7)。上記溶液7を溶液1に滴下しながら
30分間攪拌した。次いで、これにブチルアルデヒド2
2重量部を滴下しながら2時間攪拌した後、50℃に昇
温し、更に2時間反応させた。上記反応液を常温に冷却
し、ポリビニルブチラールを分離し、重曹で中和後水洗
して白色のポリビニルブチラール粉末を得た。得られた
ポリビニルブチラールの重合度、ケン化度及びアセター
ル化度は表1に、粒径等反応生成物の形状は表2に示し
た。 【0030】(実施例5)実施例1と同様にしてポリビ
ニルアルコールのメタノール溶液を得た。次に、この溶
液に水425重量部を添加し、10℃に冷却した(溶液
1)。これと別に、重合度1,500、ケン化度99.
4モル%のポリビニルアルコール10重量%水溶液10
0重量部を10℃に冷却し、これにブチルアルデヒド
2.5重量部を添加しアセタール化反応を行い、アセタ
ール化度25モル%の低アセタール化ポリビニルブチラ
ールを調製した(溶液8)。上記溶液8を溶液1に滴下
しながら30分間攪拌した。次いで、これにブチルアル
デヒド20重量部を滴下しながら2時間攪拌した後、5
0℃に昇温し、更に2時間反応させた。上記反応液を常
温に冷却し、ポリビニルブチラールを分離し、重曹で中
和後水洗して白色のポリビニルブチラール粉末を得た。
得られたポリビニルブチラールの重合度、ケン化度及び
アセタール化度は表1に、粒径等反応生成物の形状は表
2に示した。 【0031】(実施例6)実施例1と同様にしてポリビ
ニルアルコールのメタノール溶液を得た。次に、この溶
液に水425重量部を添加し、10℃に冷却した(溶液
1)。これと別に、重合度1,500、ケン化度99.
4モル%のポリビニルアルコール0.83重量%水溶液
60.5重量部を10℃に冷却し、これにブチルアルデ
ヒド0.1重量部を添加しアセタール化反応を行い、ア
セタール化度20モル%の低アセタール化ポリビニルブ
チラールを調製した(溶液9)。上記溶液9を溶液1に
滴下しながら30分間攪拌した。次いで、これにブチル
アルデヒド20重量部を滴下しながら2時間攪拌した
後、50℃に昇温し、更に2時間反応させた。上記反応
液を常温に冷却し、ポリビニルブチラールを分離し、重
曹で中和後水洗して白色のポリビニルブチラール粉末を
得た。得られたポリビニルブチラールの重合度、ケン化
度及びアセタール化度は表1に、粒径等反応生成物の形
状は表2に示した。 【0032】(比較例1)実施例1と同様にしてポリビ
ニルアルコールのメタノール溶液を得た。次に、この溶
液に水425重量部を添加し、10℃に冷却した。これ
にブチルアルデヒド20重量部を滴下しながら2時間攪
拌した後、50℃に昇温し、更に2時間反応させた。上
記反応液を常温に冷却し、ポリビニルブチラールを分離
し、重曹で中和後水洗してポリビニルブチラールを得
た。得られたポリビニルブチラールの重合度、ケン化度
及びアセタール化度は表1に、粒径等反応生成物の形状
は表2に示した。 【0033】(比較例2)実施例1と同様にしてポリビ
ニルアルコールのメタノール溶液を得た。次に、この溶
液に水425重量部を添加し、10℃に冷却した(溶液
1)。これと別に、重合度1,500、ケン化度99.
4モル%のポリビニルアルコール10重量%水溶液10
0重量部を10℃に冷却し、これにブチルアルデヒド
0.2重量部を添加しアセタール化反応を行い、アセタ
ール化度2モル%のポリビニルブチラールを調製した
(溶液10)。上記溶液10を溶液1に滴下しながら3
0分間攪拌した。次いで、これにブチルアルデヒド20
重量部を滴下しながら2時間攪拌した後、50℃に昇温
し、更に2時間反応させた。上記反応液を常温に冷却
し、ポリビニルブチラールを分離し、重曹で中和後水洗
してポリビニルブチラールを得た。得られたポリビニル
ブチラールの重合度、ケン化度及びアセタール化度は表
1に、粒径等反応生成物の形状は表2に示した。 【0034】(比較例3)実施例1と同様にしてポリビ
ニルアルコールのメタノール溶液を得た。次に、この溶
液に水425重量部を添加し、10℃に冷却した(溶液
1)。これと別に、重合度1,500、ケン化度99.
4モル%のポリビニルアルコール10重量%水溶液10
0重量部を10℃に冷却し、これにブチルアルデヒド
3.1重量部を添加しアセタール化反応を行い、アセタ
ール化度30モル%のポリビニルブチラールを調製した
(溶液11)。上記溶液11を溶液1に滴下しながら3
0分間攪拌した。次いで、これにブチルアルデヒド20
重量部を滴下しながら2時間攪拌した後、50℃に昇温
し、更に2時間反応させた。上記反応液を常温に冷却
し、ポリビニルブチラールを分離し、重曹で中和後水洗
してポリビニルブチラールを得た。得られたポリビニル
ブチラールの重合度、ケン化度及びアセタール化度は表
1に、粒径等反応生成物の形状は表2に示した。 【0035】(比較例4)実施例1と同様にしてポリビ
ニルアルコールのメタノール溶液を得た。次に、この溶
液に水425重量部を添加し、10℃に冷却した(溶液
1)。これと別に、重合度1,500、ケン化度99.
4モル%のポリビニルアルコール1重量%水溶液10.
1重量部を10℃に冷却し、これにブチルアルデヒド
0.02重量部を添加しアセタール化反応を行い、アセ
タール化度2モル%のポリビニルブチラールを調製した
(溶液12)。上記溶液2を溶液1に滴下しながら30
分間攪拌した。次いで、これにブチルアルデヒド20重
量部を滴下しながら2時間攪拌した後、50℃に昇温
し、更に2時間反応させた。上記反応液を常温に冷却
し、ポリビニルブチラールを分離し、重曹で中和後水洗
してポリビニルブチラールを得た。得られたポリビニル
ブチラールの重合度、ケン化度及びアセタール化度は表
1に、粒径等反応生成物の形状は表2に示した。 【0036】 【表1】 【0037】 【表2】【0038】 【発明の効果】本発明のポリビニルブチラールの製造方
法は、ポリビニルブチラール水溶液が濃度2〜30重量
%のアセタール化度が5〜25モル%のポリビニルブチ
ラール水溶液で、反応液全量に対して0.5〜30重量
%で反応液に添加されることによって、該低アセタール
化ポリビニルブチラールが反応液に均質に分散し、生成
されるポリビニルブチラールの造核剤として作用し、微
細にして、且つ、均質な粒子として反応系より析出させ
ることができるのである。 【0039】又、本発明のポリビニルブチラールの製造
方法は、酸によって加水分解(ケン化)を行う等、反応
液のpHを酸性側に限って実施する等請求項1及び2記
載の本発明の各要素と組み合わせることによって、同一
の反応槽において連続して、一挙に酢酸ビニルから微細
にして、且つ、均質な粒子としてポリビニルブチラール
を製造するでき、得られるポリビニルブチラールは不純
物を含まず、安全ガラスの中間膜として使用された場
合、着色もなく、像が歪むことのない透視性に優れた性
能を示す。又、塗料や接着剤に使用された場合、極めて
優れた溶解性を示す。 【0040】本発明のポリビニルブチラールの製造方法
は、酢酸ビニルを溶媒中でラジカル重合する場合、比較
的高い重合度が得られ、重合熱除去の容易さ、反応系の
粘度を低く保持できる等、本発明の各要素と組み合わせ
ることによって、微細にして、且つ、均質な粒子として
ポリビニルブチラールを製造するでき、得られるポリビ
ニルブチラールは不純物を含まず、安全ガラスの中間膜
として使用された場合、着色もなく、像が歪むことのな
い透視性に優れた性能を示す。又、塗料や接着剤に使用
された場合、極めて優れた溶解性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/00 - 8/50

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 酢酸ビニルをラジカル重合して得られる
    ポリ酢酸ビニルを酸によって加水分解(ケン化)を行い
    ポリビニルアルコールを合成し、更に、ブチルアルデヒ
    ドを縮合してポリビニルブチラールを製造する方法であ
    って、縮合時に、反応槽に濃度2〜30重量%のアセタ
    ール化度が5〜25モル%のポリビニルブチラール水溶
    液を、反応液全量に対して0.5〜30重量%添加する
    ことを特徴とする微粒子ポリビニルブチラールの製造方
    法。
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