JP3822121B2 - インジゴ染色生地の加工方法および該方法によって加工されたインジゴ染色生地 - Google Patents

インジゴ染色生地の加工方法および該方法によって加工されたインジゴ染色生地 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインジゴ染色生地の加工方法および該方法によって加工されたインジゴ染色生地に関する。
【0002】
【従来の技術】
天然藍で染められた商品を含めインジゴ染料で染色されたいわゆる藍染め商品は染色直後では比較的鮮明な色相を呈しているが、長期間、例えば、十年〜数十年にわたって保存または使用する間に、比較的染色濃度の高いものは徐々に青黒味を帯びた深い落ち着きのある色相に、比較的染色濃度の低いものは徐々に黄味を帯びた深い落ち着きのある色相に変化することが知られている。近年、ユーザーの間では、デニムにおいてそのような深い落ち着きのある色相、いわゆるビンテージ色が好まれ、ビンテージ色を有するデニムの需要が急速に高まっている。このようなビンテージ色を有するデニムを得るために、デニムを実際に長期間にわたって保存したのでは、供給量が十分でないため、ビンテージ色を比較的短期間でデニムに付与する方法が望まれていた。
【0003】
従来からデニムの製造過程においては生地の形成前にタテ糸のみをインジゴ染料を使用して染色する。その際にインジゴ染料と、硫化染料、バット染料等の黄色染料とを併用することによってタテ糸にインジゴ染料−黄色染料に基づく色相を付与し、そのように染色されたタテ糸を用いることによって、タテ糸が多く現れるデニムの表側にビンテージ色を付与する試みがなされている。しかしながら、このような技術では後の湯通しの工程等で黄色染料が色落ちしてヨコ糸を汚染するため、得られる色相は明らかに黄色染料を用いたことがわかるような違和感があるもので、本来のビンテージ色を十分に再現することはできなかった。
【0004】
また、デニムにビンテージ色を比較的短期間で付与するために、インジゴ染料のみで染色されたタテ糸を用いて生地を形成した段階で生地全体を、あるいは製品化した段階で製品全体を上記の黄色染料によってオーバーダイする試みもなされている。しかしながら、このような技術ではヨコ糸も同時に染色されるため、得られる色相は明らかに黄色染料を用いたことがわかるような違和感のあるもので、本来のビンテージ色を十分に再現することはできなかった。
【0005】
そこで、特開平11-200261号公報ではジーンズ等綿製品またはその生地に対して硝酸を作用させたのち、塩基性物質により中和するジーンズ等綿製品の加工方法が開示されている。しかしながら、このような方法をデニム生地に適用しても、やはり本来のビンテージ色を十分に再現することは困難であった。またデニムにビンテージ色を付与できたとしても洗い加工等の後処理によって容易に消失した。さらにはインジゴ染料による染色濃度が顕著に低下する傾向が強く、インジゴ染料による染色濃度を比較的高く設定することは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、実際に長期間にわたって保存または使用したインジゴ染色生地と同等のビンテージ色であって、しかも洗い加工によっても消失し難いビンテージ色を比較的短期間で付与できるインジゴ染色生地の加工方法、およびそのようなビンテージ色を付与されたインジゴ染色生地を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、インジゴ染色生地に窒素系酸化剤を適用し、該生地を加熱処理に供することを特徴とするインジゴ染色生地の加工方法、および該方法によって加工されたインジゴ染色生地に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のインジゴ染色生地の加工方法においてはまず、インジゴ染色生地に窒素系酸化剤を適用する(窒素系酸化剤適用工程)。
本発明の方法に供されるインジゴ染色生地は少なくとも一部が合成または天然インジゴ染料によって染色された生地である。本発明においてはインジゴ染料によって染色された部分が、実際に長期間にわたって保存または使用したインジゴ染色生地と同等のビンテージ色であって、しかも洗い加工によっても消失し難いビンテージ色を付与される。
本明細書中、「生地」は織物、編物、不織布等の平面状の形態に制限されず、それらの製品化物(例えば、ジーパン等)の形態、ならびに繊維、および複数の繊維を撚ってなる糸等の形態をも包含する概念で用いるものとする。
【0009】
生地を構成し得る繊維としては、インジゴ染料によって染色可能であれば特に制限されず、例えば、セルロース系天然繊維(綿、麻等)、セルロース系再生繊維(レーヨン、キュプラ等)、セルロース系半合成繊維(アセテート等)、およびこれらと合成繊維との混紡品等であってよい。
【0010】
本発明においては、特に、インジゴ染料によって染色された綿糸をタテ糸、未染色の綿糸(生糸)をヨコ糸としてあや織りしてなり、表側の面にタテ糸が比較的多く現れる、いわゆるデニムを用いることがより優れたビンテージ色を付与する観点から好ましい。
【0011】
デニムを用いる場合、デニムは後述する従来から公知の加工処理、例えば、毛焼き処理、湯通し処理、ねじれ防止処理、防縮処理、洗い加工処理等を施されたものを用いてもよいし、織った直後の未処理ものを用いてもよいが、ビンテージ色を均一に、かつ効率よく付与する観点から、毛焼き処理、湯通し処理、ねじれ防止処理、および防縮処理を施されたものを用いることが好ましい。洗い加工処理は通常、本発明の加工処理の後、行われる。なお、未処理のものを用いる場合には、本発明の加工処理を行った後で、公知の加工処理を行えばよい。
【0012】
本発明において使用される窒素系酸化剤は、インジゴ染料を酸化させ得る酸化剤であって、かつ後の窒素酸化物発生工程で窒素酸化物を生成し得るものである。そのような窒素系酸化剤として例えば、硝酸塩、硝酸、硝酸アンモニウム、亜硝酸塩、亜硝酸、亜硝酸アンモニウム等が挙げられる。本発明においては、このようにインジゴ染料を酸化させ得るだけでなく、後の工程で窒素酸化物を生成し得るものを用いるため、実際に長期間にわたって保存または使用したインジゴ染色生地と同等のビンテージ色であって、しかも洗い加工によって消失し難いビンテージ色を付与できると考えられる。このように優れたビンテージ色を達成する詳細な機構は明らかではないが、特定の酸化剤(窒素系酸化剤)を用い、かつ後の工程の処理を行うことによって発生した窒素酸化物が、インジゴ染料に対して、優れたビンテージ色を発現するための特有の作用を施すものと考えられる。
【0013】
このような窒素系酸化剤を用いることなく、他の酸化剤、例えば、過マンガン酸カリウム、次亜塩素酸ソーダ、オゾン、過酸化水素等を用いても、生地に優れたビンテージ色を付与することはできず、たとえビンテージ色を付与できたとしても洗い加工等の後処理によって該ビンテージ色は容易に消失する。
【0014】
窒素系酸化剤について詳しくは、硝酸塩の具体例として重金属の硝酸塩、例えば、硝酸亜鉛、硝酸鉛、硝酸鉄、硝酸銅、硝酸マンガン等;アルカリ金属の硝酸塩、例えば、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等;およびアルカリ土類金属の硝酸塩、例えば、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸バリウム等が挙げられる。
亜硝酸塩の具体例として重金属の亜硝酸塩、例えば、亜硝酸亜鉛等;アルカリ金属の亜硝酸塩、例えば、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム等;およびアルカリ土類金属の亜硝酸塩、例えば、亜硝酸マグネシウム、亜硝酸カルシウム等が挙げられる。
なお硝酸塩または亜硝酸塩を用いた場合、本発明の方法によってビンテージ色を付与された生地には、塩を構成した金属を含有する化合物が残留する。例えば、窒素系酸化剤として硝酸亜鉛を使用した場合には、生地に酸化亜鉛が残留する。
【0015】
上記窒素系酸化剤の中でも、より優れたビンテージ色の達成と入手容易性の観点から、好ましくは重金属の硝酸塩、硝酸、硝酸アンモニウム、アルカリ金属の亜硝酸塩、より好ましくは重金属の硝酸塩、硝酸アンモニウム、特に硝酸亜鉛を使用する。
【0016】
窒素系酸化剤を生地に適用するに際しては、当該窒素系酸化剤を生地上、好ましくは生地を構成する糸または繊維間に均一に存在させることができればよく、例えば、▲1▼窒素系酸化剤水溶液を生地に塗布することによって水溶液を生地に含浸させてもよいし、▲2▼上記水溶液に生地を浸漬して絞ることによって水溶液を生地に含浸させてもよいし、または▲3▼窒素系酸化剤を生地上に散布してもよいが、より優れたビンテージ色を付与する観点からは、上記▲1▼または▲2▼の方法を採ることが好ましい。特に、生地としてデニムを使用する場合においては、デニムの表側の面のみにビンテージ色を付与すれば足りるため、処理に要する水溶液の量を低減する観点から、上記▲1▼の方法においてデニムの表側の面にのみ上記水溶液を塗布することが好ましい。また、上記▲1▼の方法を採用することによって、生地強度のわずかな低下を回避できる。
【0017】
窒素系酸化剤の水溶液を用いる場合、水溶液中の窒素系酸化剤濃度は生地にビンテージ色を付与できる限り特に制限されないが、通常、15g/L〜200g/Lである。窒素酸化物は優れたビンテージ色が達成される限り、上で例示した化合物を2種類以上組み合わせて使用してもよく、その場合、それらの濃度の合計が上記範囲内であればよい。
水溶液の温度は特に制限されず、室温であってもよいし、または窒素系酸化剤の水への溶解を促進させるために加温してもよいが、製造コストの低減の観点からは室温であることが好ましい。
【0018】
窒素系酸化剤水溶液には所望により、浸透剤、増粘剤等の添加剤を添加してもよい。
浸透剤は上記▲2▼の方法を採用する場合において、窒素系酸化剤水溶液の生地への含浸を促進させるための添加剤であり、例えば、アニオン系およびノニオン系の界面活性剤等が使用可能である。
増粘剤は上記▲1▼の方法を採用する場合において、ドクター式コーティングマシン等によって窒素系酸化剤水溶液を塗布するにあたり、当該塗布を容易にするための添加剤であり、例えば、メチルセルロース系増粘剤、メチルスターチ系増粘剤等が使用可能である。
【0019】
上記▲1▼の方法において、水溶液の塗布量は、生地にビンテージ色を付与できる限り特に制限されないが、約450g/mのデニムを用いる場合で、通常、50g/m以上、好ましくは100〜180g/mである。塗布量が少なすぎると、付与されるビンテージ色が薄すぎて、本発明の効果を実感し難い。塗布量が多すぎると、インジゴ染料による染色濃度が低下する傾向がある。
【0020】
上記▲2▼の方法において、絞り率は、生地にビンテージ色を付与できる限り特に制限されないが、約450g/mのデニムを用いる場合で、通常、50%以上、好ましくは50〜80%である。絞り率とは「処理前の乾燥生地の重量」に対する「絞った直後に生地に含浸されている水溶液の重量」の割合である。絞り率が小さすぎると、付与されるビンテージ色が薄すぎて、本発明の効果を実感し難い。絞り率が大きすぎると、インジゴ染料による染色濃度が低下する傾向がある。また、生地の強度が低下する傾向がある。
【0021】
生地に窒素系酸化剤を適用した後は、すぐに次工程(窒素酸化物発生工程)の処理に供してもよいし、または一旦、乾燥してもよい。乾燥は、次工程への生地の良好な搬送性を確保できる程度に達成されればよく、例えば、生地を60〜120℃で1〜10分間保持することによって行っても、また室温下で放置することによって行ってもよい。
【0022】
本発明においては次いで、窒素系酸化剤を適用された生地を窒素酸化物が発生する処理に供する(窒素酸化物発生工程)。
窒素酸化物が発生する処理とは、生地に適用された窒素系酸化剤からNOx(例えば、NO、NO、NO、NO、NO、NO、NO、好ましくはNO、NO、特にNO等)を発生させ得る処理であり、例えば、加熱処理等が挙げられる。
【0023】
加熱処理を行うに際しては、後述の処理温度と処理時間を確保できる限り、公知の加熱手段が使用可能であり、例えば、ローラー式ベーキング機、ピンテンター式ヒートセッター等が挙げられる。
処理温度および処理時間は、窒素系酸化剤から窒素酸化物が生成する限り特に制限されないが、通常、100〜220℃で0.5〜2分間が適当である。
【0024】
例えば、窒素系酸化剤として硝酸亜鉛を用いて、本工程で加熱処理を行うと、下記化学反応式;
【化1】
Figure 0003822121
に基づいてNOが発生すると考えられる。
【0025】
また例えば、窒素系酸化剤として硝酸アンモニウムを用いて、本工程で加熱処理を行うと、下記化学反応式;
【化2】
Figure 0003822121
に基づいてNOが発生すると考えられる。
【0026】
また例えば、窒素系酸化剤として硝酸を用いて、本工程で加熱処理を行うと、下記化学反応式;
【化3】
Figure 0003822121
に基づいてNOおよびNOが発生すると考えられる。
【0027】
以上のような本発明の加工方法を実施すると、インジゴ染料によって染色されていた部分にビンテージ色が付与され、インジゴ染料による染色濃度が比較的高かった生地には青黒味を帯びた深い落ち着きのあるビンテージ色が、当該染色濃度が比較的低かった生地には黄味を帯びた深い落ち着きのあるビンテージ色が付与される。
通常、本発明の加工方法においては、インジゴ染料による染色濃度が比較的高いデニムが使用され、青黒味を帯びたビンテージ色が達成される。本発明で達成されるビンテージ色は、加工条件(窒素系酸化剤濃度、および加熱処理の温度および時間等)を変更することによってもビンテージ色を青黒味から黄味までの間で任意に調節可能である。すなわち、窒素系酸化剤濃度が高いほどビンテージ色は黄味に近づく。加熱温度が高いほどビンテージ色は黄味に近づく。加熱時間が長いほどビンテージ色は黄味に近づく。
【0028】
以上の本発明の加工方法(適用工程および窒素酸化物発生工程)の前または後で生地、特にデニムに施してもよい公知の加工処理としては、例えば、毛焼き処理、湯通し処理、ねじれ防止処理、防縮処理、および洗い加工処理等が挙げられる。以下、これらの処理について簡単に説明する。
【0029】
毛焼き処理は生地表面の毛羽を焼いて除去し平滑にし、生地組織を鮮明にして見栄えを整えるための処理であり、詳しくは、熱板式、電熱式またはガス炎式の毛焼き機を用いて毛焼きする。
湯通し処理は生地を柔軟にするための処理であり、詳しくは各種柔軟剤の温水溶液を生地に吸収させ乾燥させる。
ねじれ防止処理は、洗濯に先だって生地をねじっておくことにより洗濯でそれ以上ねじれないようにする処理である。織りあがった直後の綾織組織の生地は洗濯するとねじれる性質を有しているためである。例えば、公知のスキュー加工装置または斜行修正装置を用いればよい。
防縮処理は、洗濯に先だって生地をある程度、縮めておくことにより洗濯による縮みを小さくする処理である。織りあがった直後の綾織組織の生地は洗濯すると縮む性質を有しているためである。例えば、公知の防縮加工機を用いればよい。
【0030】
洗い加工処理とは、生地、特にデニム生地を所望の色および風合いに加工するための公知の処理であり、例えば、湯洗い、酵素洗い、ストーンウォッシュ等が挙げられる。そのような処理は通常、製品化される直前または主に製品化された後で行われ、主には製品化された後で行われる。洗い加工処理の直前または直後にオーバーダイやブリーチアウトを行ってもよい。
【0031】
【実施例】
実施例1
デニム(AIJ23599;倉敷紡績(株)社製、生地重量460g/m)を毛焼き処理、湯通し処理、ねじれ防止処理、および防縮加工処理した。その後、デニムの表側の面に硝酸亜鉛6水和物濃度100g/Lおよびメチルセルロース系増粘剤濃度6g/Lの水溶液を、塗布量が1平方メートル当たり160gとなるように、ドクター式コーティング機により塗布し、乾燥させた後、ベーキング機により180℃で2分間加熱処理を行なった。
【0032】
実施例2
デニム(AIJ23599;倉敷紡績(株)社製、生地重量460g/m)を毛焼き処理し、連続パダーで硝酸亜鉛6水和物濃度150g/Lおよび非イオン系浸透剤濃度3g/Lの水溶液を絞り率60%で含浸および乾燥させた後、ベーキング機により180℃で2分間加熱処理を行なった。
【0033】
実施例3
塗布用水溶液を濃度130g/Lの硝酸アンモニウム水溶液に変更したこと、および210℃で2分間加熱処理したこと以外、実施例1と同様にしてデニムを加工した。
【0034】
参考例1
塗布用水溶液を濃度20g/Lの硝酸水溶液に変更したこと、および170℃で2分間加熱処理したこと以外、実施例1と同様にしてデニムを加工した。
【0035】
参考例2
塗布用水溶液を濃度150g/Lの亜硝酸ナトリウム水溶液に変更したこと、および210℃で2分間加熱処理したこと以外、実施例1と同様にしてデニムを加工した。
【0036】
比較例1
塗布用水溶液を濃度300g/Lの工業用次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素11%)水溶液に変更したこと、およびハケによる塗布を行ったこと以外、実施例1と同様にしてデニムを加工した。
【0037】
比較例2
塗布用水溶液を濃度10g/Lの過マンガン酸カリウム水溶液に変更したこと、140℃で2分間加熱処理したこと、加熱処理したデニムを酸性亜硫酸ナトリウムで洗浄処理したこと、およびハケによる塗布を行ったこと以外、実施例1と同様にしてデニムを加工した。
【0038】
上記実施例で得られたデニムを目視により観察したところ、全てのデニムは、実際に長期間にわたって保存したインジゴ染色生地と同等の青黒味を帯びた深い落ち着きのあるビンテージ色を有していた。これらのデニムを家庭用洗濯機により1回、水洗したところ、全てのデニムは、実際に長期間にわたって保存したインジゴ染色生地と同等の黄味を帯びた深い落ち着きのあるビンテージ色を示した。さらに家庭用洗濯機により10回、水洗したところ、黄味を帯びたビンテージ色は消失しなかった。またこれらのデニムを次亜塩素酸ナトリウムによりブリーチアウトしたところ、ビンテージ色は消失しなかった。
【0039】
上記比較例で得られたデニムを目視により観察したところ、いずれのデニムも、青黒味を帯びた深い落ち着きのあるビンテージ色を有していなかった。これらのデニムを家庭用洗濯機により1回、水洗したところ、黄味を帯びた深い落ち着きのあるビンテージ色は示さなかった。
【0040】
これらのデニム(1回の洗濯後)をビンテージ色について目視により評価した。評価は「5」〜「1」の得点を付与することにより行った。得点が高いほどより優れた(より深い落ち着きのある)ビンテージ色を有していることを示す。本発明においては「2」以上が実用上問題のない範囲内である。
【0041】
【表1】
Figure 0003822121
【0042】
【発明の効果】
本発明の方法により、インジゴ染色生地(特にデニム)に、実際に長期間にわたって保存または使用したインジゴ染色生地(特にデニム)と同等のビンテージ色を比較的短期間で付与できる。さらに、加工条件(窒素系酸化剤濃度、および加熱処理の温度および時間等)を変更することによってビンテージ色を青黒味から黄味の間で任意に調節可能である。本発明の方法によって付与されたビンテージ色は洗浄によって消失され難い。

Claims (2)

  1. インジゴ染色生地に窒素系酸化剤を適用し、該生地を乾燥させた後、加熱処理に供するインジゴ染色生地の加工方法であって、窒素系酸化剤として硝酸亜鉛、硝酸アンモニウムまたはそれらの組み合わせを水溶液の形態で使用することを特徴とするインジゴ染色生地の加工方法
  2. 請求項1に記載の方法によって加工されたインジゴ染色生地
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