JP3821543B2 - 車両用ブレーキモジュールの回転制動面の切削加工方法 - Google Patents
車両用ブレーキモジュールの回転制動面の切削加工方法 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は車両用ブレーキモジュールのブレーキディスクの回転制動面の切削加工方法に関するものであり、回転制動面の回転中の微少の面振れによる制動時のジャダを可及的に低減することができるものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用ブレーキモジュールのブレーキディスクの回転制動面の回転中の面振れが制動時のジャダの発生の原因となることが従来から問題視されており、このために、ブレーキモジュールの各部品の高い加工精度が求められ、また高い寸法精度が求められている。
ところで、車両用ブレーキモジュールのベアリングユニット、スピンドル、ブレーキディスクがブレーキモジュールに組み立てられたとき各部品の製作誤差が集積され、またブレーキディスクがスピンドルハブフランジとホイールで挾み付けた状態でラグナットによって強力に締め付けられたとき、当該締め付け力によってブレーキディスクの制動面が歪み、回転体の制動部の制動面の回転平面としての精度が損なわれて面振れを生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、従来の車両用ブレーキモジュールにおける上記問題を解消するために、ブレーキディスクの制動面の面振れを生じることがないように、ブレーキモジュールのブレーキディスクの制動面の切削加工法を工夫することをその課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題解決のために講じた手段は、次の要素(イ)(ロ)及び(ハ)によって構成されるものである。
(イ)ベアリングユニット、スピンドル、ブレーキディスク等をボルト締付面が平坦でないホイール代用品であるスペーサを用いて実装状態に組立ててブレーキモジュールを構成し、
(ロ)上記ブレーキモジュールを切削加工機に実装状態で装着し、そのスピンドルを切削加工機の駆動軸によって駆動してブレーキディスクの制動面を切削加工し、
(ハ)ボルト締付面が平坦でないホイール代用品スペーサを備えた車両用ブレーキモジュールの回転制動面の切削加工方法。
【0005】
【作 用】
ベアリングユニット、スピンドル、ブレーキディスク等をボルト締付面が平坦でないホイール代用品であるスペーサを用いて実装状態に組立ててブレーキモジュールを構成するとき、各部品の製作誤差が集積された状態になり、また、ブレーキディスクがスピンドルハブフランジと上記スペーサとによる締め付け力(ボルト締付面が平坦でないスペーサによる不均一で局部的に集中した締め付け力)によって歪んだ状態にある。このブレーキモジュールを切削加工機に実装状態で装着して、ブレーキディスクを切削加工機の駆動軸によって回転させて制動面を切削加工する。このとき、上記の製作誤差が集積され、スピンドルハブフランジとスペーサとによる締め付け力によって歪んだ状態で、制動面が所定の回転面に加工されることになる。したがって、製作誤差の集積及び上記歪みによるブレーキディスクの制動面の歪みは切削加工によって完全に除去され、所定の回転面に仕上げられる。したがって、切削加工された状態では、制動面は高精度の回転平面であり、面振れを生じることのない回転面となる。
自動車組立工場においてブレーキモジュールが実装状態に組み立てられると、ブレーキモジュールのブレーキディスクの制動面はホィールマウンテングラグにラグナットを締め付けることで、切削加工終了時の状態に復元することになり、したがって、ブレーキディスクの制動面は高精度で、面振れを生じることのない回転面に復元する。
【0006】
【実 施 例】
次いで図1、図2、図3を参照しつつ実施例を説明する。第1実施例はナックルNに取り付けられるブレーキモジュールMについての実施例である。
ブレーキディスク1は大方の場合、図示の断面形状をしており、ホイールハブに固定されるブレーキディスク1の内周部1a、ブレーキパッドによって挟圧されて制動される制動部1bを有し、内周部1aの側面は予め切削加工されている。
スピンドル2は所定の加工精度で仕上加工されたものであり、スピンドルハブフランジ2aを有し、スピンドルハブフランジ2aにホイールマウンティングラグ3が固着されている。
車両のホイールのボルト締付面は平坦ではなく、車両用ブレーキモジュールの実装状態では、ボルトの締結力で締め付けられてホイールの平坦でないボルト締結面とスピンドルハブフランジ2aとブレーキディスク1の内周部1aが挟持され、そのために、上記締め付け力で上記平坦でないボルト締付面がブレーキディスク1の内周部1aに局部的集中的に圧接されてこれを局部的に歪ませることになる。
ところで、スピンドルハブフランジ2aと前記ホイールの代用品であるスペーサ4(即ち、ボルト締付面が平坦でないスペーサ4、以下同じ。)とによってブレーキディスク1の内周部1aを挾み、ホイールマウンティングラグ3にラグナット5を螺合させ、実装時の締め付けトルクと同じ締め付けトルクかつ同じ締め付け順序で締め付けて、ブレーキディスク1をスピンドル2に組み付けている。
ベアリングユニット6は所定の精度で仕上加工されたものであり、ボールベアリング7を介してスピンドル2に組み付けられている。実装時にはベアリングユニット6にブレーキキャリパCが組み付けられる。
ベアリングユニット6のフランジ6aのナックル取付面6bを切削加工機の加工基準面Sに当接させ、ナックルNに取り付ける場合と同様の条件で固定して、ブレーキモジュールMを切削加工機に装着する。
切削加工機の駆動軸8の先端の駆動アーム9の切欠き9aをホイールマウンティングラグ3の先端に係合させて駆動軸8によってスピンドル2及びブレーキディスク1を回転させて、切削工具10によってブレーキディスク1の制動回転面1cを切削加工する。ブレーキディスクの制動回転面は基準面Sに対して歪んでいるが、切削加工されたときは、この歪みは除去されて上記基準面Sと平行な平滑回転面になる。
ブレーキディスクの制動面の加工が終了したら、ブレーキモジュールは組んだままで梱包して出荷される場合は、車両に実装したときはブレーキディスクの制動面はナックルNの取付面と平行で平滑な回転面である。したがって、ブレーキディスクの制動面は、各部品の製作誤差の集積、組み付け時の締め付け力等による変形の影響がない平面であり、上記変形によるジャダが生じることはない。
ブレーキモジュールが分解されて梱包され、出荷された場合でも、実装時ブレーキモジュールに組み立てられたとき、ブレーキディスクの制動面は切削加工されたままの状態に復元する。
図4に示す第2実施例では、ブレーキモジュールMは第1実施例のそれと同じであり、切削加工機への装着の仕方も第1実施例のそれと同じであるが、駆動軸8による駆動機構が相違する。この実施例においては、切削加工機の駆動軸8の先端にスプライン軸部21を設け、このスプライン軸部21をスピンドル2のスプライン22に係合させ、ワッシャ23を介して、予圧ナット24によって固定している。駆動軸8の回転はスプライン軸部21によってスピンドル2に伝達されてブレーキディスク1を回転させる。
図5の第3実施例はベアリングユニットをナックルと一体に構成した例であり、切削加工機の駆動軸8によるスピンドルの駆動機構等のその余の点は、第1実施例と違いはない。この実施例においてはナックルN1と一体にベアリングユニット36が形成されているので、このベアリングユニットをボールベアリング37を介してスピンドル2に嵌合させてブレーキモジュールMが構成される。またこの第3実施例においては、ブレーキキャリパCの取付面fを切削加工機の基準面に当接させた状態でブレーキモジュールMを切削加工機に装着する。なおこの実施例においてはダストシールドDが取り付けられている。
【0007】
【効 果】
本発明の車両用ブレーキモジュールはそのスペーサのボルト締付面が平坦でないので、実装時と同様の支持機構、取付条件でブレーキモジュール(車両用ブレーキ装置の1単位としてアッセンブリされたもの)を組み立てると、ブレーキディスクはスピンドルのスピンドルフランジとスペーサの平坦でないボルト締付面により不均等で局部的に集中して締め付けられて歪んだ状態にあるが、これを切削加工機に装着してブレーキディスクを切削加工することで、このブレーキディスクの制動面の歪みは上記切削加工により除去され、所定の回転面に仕上げられる。したがって、切削加工された状態では制動面は高精度の回転平面となり、面振れを生じることのない回転面となる。
このブレーキモジュールを自動車組み立て工場において、車両に実装したとき、ホイール代用品である平坦でないスペーサのボルト締付面は、実装のホイールのボルト締付面と同じであるので、ブレーキモジュールのブレーキディスクの制動面はホイールマウンティングラグにラグナットを締め付けることで、切削加工終了時の状態に復元する。したがって、ブレーキの制動面は、高精度で、面振れを生じることのない回転面に復元する。
以上のように、実装時と同様の支持機構、取付条件でブレーキモジュールを組み立て、これを切削加工機に装着してブレーキディスクを切削加工することによって、それが実装された時のブレーキディスクの制動面の歪みはなく、回転時の面振れが防止され、したがって、制動面の面振れによるジャダの発生が防止される。
また、従来はブレーキディスクの回転時の制動面の面振れを可及的に小さくするためにブレーキモジュール各部品を高い加工精度で加工し、また高い寸法精度で仕上げていたので、これらの製作、加工コストが非常に高い。しかしこの発明によるときは、製作誤差、寸法誤差は全て制動面の切削加工によって解消されるので、各部品の加工精度、寸法精度をブレーキモジュールを組み立てる上で支障のない限度に止めることができ、ブレーキモジュールの製作コストを大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の側面図である。
【図2】第1実施例の一部断面図である。
【図3】第1実施例の駆動機構の正面図である。
【図4】第2実施例の一部断面図である。
【図5】第3実施例の一部断面図である。
【符号の説明】
M・・・ブレーキモジュール
C・・・ブレーキキャリパ
N,N1・・・ナックル
D・・・ダストシールド
S・・・加工基準面
f・・・キャリパの取付面
1・・・ブレーキディスク
1a・・・ブレーキディスクの内周部
1b・・・ブレーキディスクの制動部
1c・・・制動部の制動面(制動回転面)
2・・・スピンドル
2a・・・スピンドルハブフランジ
3・・・ホイールマウンティングラグ
4・・・スペーサ
5・・・ラグナット
6,36・・・ベアリングユニット
6a・・・フランジ
6b・・・ナックル取付面
7,37・・・ボールベアリング
8・・・駆動軸
9・・・駆動アーム
9a・・・切欠き
10・・・切削工具
21・・・スプライン軸部
22・・・スプライン
23・・・ワッシャ
24・・・予圧ナット
Claims (2)
- ベアリングユニット、スピンドル、ブレーキディスク等をボルト締付面が平坦でないホイール代用品であるスペーサを用いて実装状態に組立ててブレーキモジュールを構成し、
上記ブレーキモジュールを切削加工機に実装状態で装着し、そのスピンドルを切削加工機の駆動軸によって駆動してブレーキディスクの制動面を切削加工する、ボルト締付面が平坦でないホイール代用品スペーサを備えた車両用ブレーキモジュールの回転制動面の切削加工方法。 - ベアリングユニット、スピンドル、ブレーキディスク等をボルト締付面が平坦でないホイール代用品であるスペーサを用いて実装状態に組立ててブレーキモジュールを構成し、
上記ブレーキモジュールを切削加工機に実装状態で装着し、そのスピンドルを切削加工機の駆動軸によって駆動してブレーキディスクの制動面を切削加工した、車両用ブレーキモジュール。
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