JP2002263904A - ブレーキディスク制動面の振れ取り加工方法 - Google Patents

ブレーキディスク制動面の振れ取り加工方法

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JP2002263904A
JP2002263904A JP2001067858A JP2001067858A JP2002263904A JP 2002263904 A JP2002263904 A JP 2002263904A JP 2001067858 A JP2001067858 A JP 2001067858A JP 2001067858 A JP2001067858 A JP 2001067858A JP 2002263904 A JP2002263904 A JP 2002263904A
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Japan
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brake disk
brake
state
hub
spindle
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JP2001067858A
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Shigenori Matsumoto
茂徳 松本
Naoichi Sato
直一 佐藤
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Akebono Brake Industry Co Ltd
Original Assignee
Akebono Brake Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ブレーキディスクとスピンドルハブとをねじ締
めを用いずにブレーキモジュールの実装状態と同様の状
態に結合して、ジャダー解消のためのブレーキディスク
摺動面の振れ取り加工を簡単に、且つ迅速に行うことを
課題とする。 【解決手段】ベアリングプッシャ25とクランプスピン
ドル30とでスピンドルハブ2とベアリングユニット6
とを挟み、ハブボルト3によって周方向には拘束状態
に、且つ軸方向には非拘束状態に係合されたブレーキデ
ィスク1とスピンドルハブ2とを、押さえ治具34を介
して皿ばね36のばね力で軸方向に押圧することで、ブ
レーキディスク1とスピンドルハブ2とは、ねじ締め作
業をすることなく迅速に実装状態と同様の結合状態にも
たらされ、この結合状態でブレーキディスク1の制動面
1c,1cは、振れ取り加工機によって振れ取り加工さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両の車輪回り
として、車体のナックル等に取り付けられるベアリング
ユニット、当該ベアリングユニットに回転自在に支持さ
れているスピンドルハブ、当該スピンドルハブに結合さ
れるブレーキディスク等の構成部品から構成されるブレ
ーキモジュールの前記ブレーキディスクの摺動面の振れ
取り加工方法に関するものであり、スピンドルハブとブ
レーキディスクとをねじを用いることなく結合すること
で、ロータの摺動面の振れ取り加工を行うためのブレー
キモジュールの振れ取り加工機への装着・脱着作業を容
易に且つ簡素化することができるものである。
【0002】
【従来の技術】車両用ブレーキ部品としてのブレーキデ
ィスクは、一般に、ナックルにベアリングによって回転
自在に支持されているスピンドルハブのフランジ部に、
車輪と共にハブボルトによって取り付けられており、ナ
ックル等の固定部材に支持されたキャリパに収容された
ブレーキ作動機構によって摩擦パッドをブレーキディス
クの制動面に押し当てることで車両に制動が掛けられ
る。しかしながら、ブレーキモジュールには組立て時に
各構成部品の製作誤差が集積され、また、各部品の加工
精度や寸法精度を向上しても、スピンドルハブに取り付
ける際にハブボルトにねじ込むハブナットの強力な締付
け力によってブレーキディスクの制動面が歪むことが避
けられない。その結果、ブレーキディスクの制動面がデ
ィスク回転中に微小な面振れを生じ、制動時に摩擦パッ
ドとの間に作用する摩擦力が一定せず、ジャダーと呼ば
れる低周波の振動・騒音が生じることがある。そこで、
本出願人は、ブレーキ部品の車両への組付けに先立っ
て、ブレーキディスク、スピンドルハブ、ベアリングユ
ニット等から成るブレーキ部品をホイール代用品である
スペーサと共にブレーキモジュールとして組み立て、そ
のようにして組み立てたブレーキモジュールを実際に車
両に取り付けた状態と同様の実装状態で切削加工機に装
着し、そのスピンドルハブを切削加工機の駆動軸によっ
て駆動することでブレーキディスクを回転駆動し、制動
面を切削工具によって切削加工することを提案している
(特開平11−19803号公報参照)。
【0003】この切削加工方法によれば、一部断面側面
図として図7に示すように、ブレーキディスク1、スピ
ンドルハブ2、ベアリングユニット6等は、ブレーキデ
ィスク1の内周部1aをホイール代用品であるスペーサ
4とスピンドルハブ2のハブフランジ2aとで挟み付け
た状態でハブボルト(ホイールマウンティングラグ)3
とハブナット(ラグナット)5とによって締め付けるこ
とで、ブレーキモジュールMとして実装状態と同様の状
態に組み立てられる。ブレーキモジュールMは、駆動機
構の正面図である図8に示すように、駆動軸8の先端に
設けられている駆動アーム9の切欠き9aにハブボルト
3の先端部を係合させることによって駆動軸8に連結さ
れて回転される。ブレーキモジュールMは、ベアリング
ユニット6のフランジ6aに形成されているナックル取
付け面6bを切削加工機の加工基準面Sに当接させるこ
とによって、車両のナックルに取り付ける場合と同様の
条件の実装状態で切削加工機に装着される。ブレーキモ
ジュールMに集積した製作誤差や締付け時に生じる歪み
は、切削加工機の切削工具10による切削で完全に除去
され、ブレーキディスク1の外周部1bの制動面1c,
1cは高精度の回転平面に加工される。その結果、ブレ
ーキディスク1の初期及び経時劣化による摺動面の振れ
取りが行われ、ジャダーの発生が効果的に防止される。
切削加工機から取り外されたブレーキモジュールMは、
組立状態のまま又は分解されて出荷される。切削加工機
へのブレーキモジュールMの装着については、駆動軸8
とスピンドルハブ2とをスプライン連結し、与圧ナット
とスピンドルハブ2との間でベアリングユニット6の内
輪を締め付けることもでき、更に、ベアリングユニット
6はナックルと一体に構成することもできる。ところ
で、この切削加工方法においては、切削加工完了後にブ
レーキモジュールMを分解して出荷する場合には、切削
加工前にブレーキディスク1とスピンドルハブ2とをハ
ブボルト3とハブナット5とのねじ締めで締結し、切削
加工後にこのねじ締めを緩めるという、ねじ着脱作業か
ら成る2工程を必要としている。また、この着脱作業
は、人手で行うには厳しい作業であるので、締付けトル
クの管理のため工場設備としてナットランナを備える必
要がある。その結果、ブレーキモジュールの振れ取り作
業工程が工程数の増加で複雑化すると共に、工場設備費
用が嵩み、製造コストの上昇要因となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、ジャダー
防止の目的でブレーキディスク摺動面の振れ取りを行う
際の上記の問題を解消するため、振れ取り加工の際にハ
ブボルトに対するハブナットのねじ締め及びねじ緩め作
業をしなくても、ブレーキディスクとスピンドルハブと
をブレーキモジュールの実装状態と同様の状態に結合
し、又は解除することを可能にして、ブレーキディスク
摺動面の振れ取り加工を迅速且つ簡単に行うことをその
課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題解決のためにこ
の発明が講じた手段は、ベアリングユニット、スピンド
ルハブ、ブレーキディスク等を結合状態に構成したブレ
ーキモジュールを実装状態と同様の状態に置いて回転
し、回転中の前記ブレーキディスクの制動面を切削する
ことによって前記制動面の振れ取りを行うブレーキディ
スク制動面の振れ取り加工方法において、前記ブレーキ
ディスクを前記スピンドルハブに対して、周方向には拘
束状態に、且つ軸方向には非拘束状態に係合させ、押さ
え治具から付与される力によって軸方向に押し付けるこ
とにより、前記ブレーキディスクと前記スピンドルハブ
とを前記結合状態に置くことである。
【0006】このブレーキディスク制動面の振れ取り加
工方法によれば、ブレーキディスクはスピンドルハブに
対して周方向には拘束状態に、且つ軸方向には非拘束状
態に係合される。このような係合は、例えば、ハブボル
トをブレーキディスクとスピンドルハブとに挿通させる
が、ハブナットによってねじ締めは行わないことによっ
て得られる。このような係合状態で、ブレーキディスク
とスピンドルハブとを押さえ治具から付与される力によ
って軸方向に互いに押し付けることで、ブレーキディス
クとスピンドルハブとは、軸方向にも実装されるときの
結合状態と同様の結合状態に置かれる。このように結合
されたブレーキモジュールは、ナックルに取り付ける場
合と同条件で回転駆動され、ブレーキディスクの制動面
を切削することで振れ取り加工される。加工終了後に
は、ハブナットのねじ締めを緩める作業がないので、押
さえ治具からの軸方向の押し付けを解除するだけで、ブ
レーキディスクとスピンドルハブとの結合を外すことが
可能となる。このブレーキディスク制動面の振れ取り加
工方法において、前記ブレーキモジュールの前記ベアリ
ングユニットには、前記ベアリングユニットの内輪に当
接するベアリングプッシャと、前記スピンドルハブに当
接するクランプスピンドルとによって前記ベアリングユ
ニットと前記スピンドルハブとを挟むことにより、軸方
向にプレロードが付与される。ベアリングユニットの内
輪が軸方向に分割型である場合のように、ベアリングユ
ニットに製作誤差やスピンドルハブへの組立誤差が避け
られないとき、ベアリングユニットに軸方向のプレロー
ド(予荷重)を与えることで、ブレーキモジュールの車
両への実装状態と同様の装着状態が得られる。また、前
記ブレーキモジュールの前記ベアリングユニットには、
前記ベアリングユニットと前記スピンドルハブとをねじ
を用いた締付け治具によって挟むことにより、軸方向に
プレロードを付与してもよい。更に、前記制動面を切削
する際に発生する切粉を、前記制動面が切削加工される
部分を覆うフードを備えた切粉吸引除去装置によって吸
引除去すると、制動面等への切粉の付着が防止されるの
で、ブレーキモジュールを清掃する工程が省略され、振
れ取り加工作業が一層簡単化される。
【0007】
【発明の実施の形態】次いで図1を参照しつつこの発明
の第1実施例を説明する。ブレーキモジュールMの構造
については、図7に示されている従来のブレーキモジュ
ールMの同じ構成要素には同じ符号を付すことにより、
再度の説明を省略する。ブレーキディスク1とスピンド
ルハブ2とは、共通して挿通されているハブボルト3に
よって周方向には相対回転しないように拘束状態に、且
つ軸方向には互いに当接していても離間を妨げない非拘
束状態に係合している。ボールベアリング7は、内輪7
aが分割型の軸受であり、ナックル11に圧入内蔵され
てスナップリング12によって抜け止めされているの
で、この例の場合、ブレーキモジュールMにはナックル
11が含まれている。ナックル11において、加工基準
面として係合面13a,13bが設けられ、ベアリング
取付け部は係合面13a,13bと同時に形成される。
ブレーキモジュールMの一側(図1の右側)において、
係合面13a,13bを筒状の固定基準部材20の先端
に形成されている加工基準面21a,21bに対して軸
方向及び径方向に係合させることにより、ブレーキモジ
ュールMの振れ取り加工はナックル基準で行われる。固
定基準部材20に形成されている貫通孔22を貫通して
配設されているベアリングプッシャ25が、軸受23に
よって固定基準部材20に回転自在に支持されており、
その先端部26はボールベアリング7の内輪7aに当接
している。ベアリングプッシャ25の基端27は、回転
シリンダ28内で摺動するピストンとして機能してい
る。ブレーキモジュールMの他側(図1の左側)には、
駆動力を以て回転されるクランプスピンドル30がブレ
ーキモジュールMに対して進退可能に配設されている。
クランプスピンドル30は、その進出状態では、先端部
31から突出形成されている先端小径部32がスピンド
ルハブ2の中心孔2bにスプライン係合しつつ嵌入し、
ブレーキモジュールMと軸芯を合わせた状態で確実な動
力伝達が可能となる。クランプスピンドル30の中間位
置にはピストン部33が形成されており、スリーブ状の
押さえ治具34が先端部31とピストン部33とに嵌合
し、ピストン部33と押さえ治具34の内側フランジ3
5との間には皿ばね36が介装されている。クランプス
ピンドル30をベアリングプッシャ25の推力以上の推
力で押し込むことによって、クランプスピンドル30の
先端部31とベアリングプッシャ25の先端部26との
間でスピンドルハブ2とボールベアリング7とが挟ま
れ、ボールベアリング7の内輪7aには軸方向に所定の
大きさのプレロード(予荷重)が与えられる。クランプ
スピンドル30の推力とベアリングプッシャ25の推力
との差分が、固定基準部材20に受け止められる。クラ
ンプスピンドル30を押し込むとき、皿ばね36のばね
力が押さえ治具34を介してブレーキディスク1をスピ
ンドルハブ2に押圧する押付け力として付与され、ブレ
ーキディスク1は、軸方向位置が定められると共にスピ
ンドルハブ2と軸方向に結合され、ハブボルト3にハブ
ナット5をねじ込んで締め付けたとしたときと同様の圧
接状態となる。この押付け力は、皿ばね36のばね力設
定を変更することで、任意の大きさに変更可能である。
クランプスピンドル30からの駆動回転は、小径先端部
32と中心孔2bとのスプライン係合を介してスピンド
ルハブ2に伝達されて、ブレーキディスク1をベアリン
グプッシャ25と共に一体的に回転し、ブレーキディス
ク1の制動面1c,1cは、集積した製作誤差や取り付
け時の歪みが切削工具10によって切削され、平滑回転
面になる。クランプスピンドル30とスピンドルハブ2
との連結には、先端小径部32と中心孔2bとのスプラ
イン嵌合に代えて、先端部31とスピンドルハブ2との
当接面を粗くする等によって両者間の摩擦係数を滑りを
生じない程度に大きくした連結構造を採ることもでき
る。この振れ取り加工方法では、ブレーキディスク1と
スピンドルハブ2とを結合するのに、従来採用していた
ハブボルト3へのハブナット5のねじ締めを用いておら
ず、ボールベアリング7に軸方向のプレロードを与える
のにも、従来採用していたような与圧ナットのねじ締め
も用いていない。従って、ブレーキモジュールMの振れ
取り加工機への着脱がねじ締めとその緩め作業をするこ
となく押付け作業だけで得られるので、ブレーキモジュ
ールMの振れ取り作業を迅速且つ簡単に行うことができ
る。ブレーキモジュールMを分解して出荷した後、ブレ
ーキモジュールMを車両に実装して組み立てたとき、ブ
レーキディスク1の制動面1c,1cは切削加工状態に
復元し、ジャダーを発生させない平滑な制動面となる。
ブレーキディスク1の制動面1c,1cを切削する切削
工具10の周囲には、切粉吸引除去装置50が配置され
ている。切粉吸引除去装置50の詳細断面図が、図2に
示されている。切粉吸引除去装置50は、ブレーキディ
スク1の各制動面1c側において、切削工具10の刃先
部10aを覆うフード51と、フード51に接続されて
エアと共に切粉を吸引する吸引ダクト52とを備えてい
る。フード51は極力密閉させることが好ましいが、切
削工具10を工具駆動機構54によって径方向に進退可
能に貫通させており、回転するブレーキディスク1との
間には吸塵に必要なエアの流れを作るために調整可能な
隙間55を設けるのが好ましい。切粉の除去をより効率
的に行うために、フード51内には各制動面1c側でエ
ア吹出しノズル53(又はエアカーテン)が配設されて
いる。この場合、エア吹出し量は、エアの流れを阻害し
ないように吸引ダクト52,52によるエア吸引量との
バランスが取られる。切削工具10がブレーキディスク
1の制動面1c,1cを切削した際に発生する切粉は、
エア吹出しノズル52,52からブレーキディスク1の
制動面1c,1cに吹き付けられるエアによって、ブレ
ーキディスク1に付着した切粉共々、吸引ダクト52,
52を通じて回収される。なお、ナックル11には、ブ
レーキディスク1への異物の衝突や付着を防止するた
め、ブレーキディスク1に沿ってダストカバー45が配
設されている。
【0008】図3に示す第2実施例では、ブレーキモジ
ュールMは第1実施例のそれと同じであり、振れ取り加
工機への装着の仕方も第1実施例のそれと同じである
が、クランプスピンドル30によるブレーキモジュール
Mの駆動の仕方が相違する。この実施例においては、ク
ランプスピンドル30の先端部31から突出する小径先
端部37とスピンドルハブ2の中心孔2bは、スプライ
ン係合ではなく、単に嵌入しているのみである。ブレー
キディスク1から先端側が突出しているハブボルト3
は、押さえ治具34の先端側に設けられている外側フラ
ンジ38に形成された貫通孔39に嵌合している。クラ
ンプスピンドル30の先端部31に設けられたキー40
が押さえ治具34と結合しており、クランプスピンドル
30の回転駆動力は、キー40、押さえ治具34からハ
ブボルト3を介してブレーキディスク1に伝達される。
クランプスピンドル30と押さえ治具34との連結構造
は、キー40によるものに代えて、図4に示すような角
孔嵌合構造41としてもよい。図4は、図3のA−Aで
示す切断位置で切断したとするときの断面図であり、角
孔嵌合構造41は、先端部31の断面形状を角形に形成
し、角型の係合面42を押さえ治具34に対応して形成
した角孔43に嵌合させた構造となっている。
【0009】図5に示す第3実施例では、ブレーキディ
スク1とスピンドルハブ2との結合と、ボールベアリン
グ7への軸方向のプレロードの付与とを締付け治具と締
付けナットとを用いたねじ締付け構造で得ており、ブレ
ーキモジュールMの構造や固定基準部材への装着の仕方
等のその余の点は、第1実施例と違いはない。ブレーキ
モジュールMは、一側(右側)においてナックル11の
係合面13a,13bが固定基準部材60の筒状先端部
62の加工基準面61a,61bに係合可能であるが、
上記の各実施例で採用されていたようなベアリングプッ
シャ25は用いられていない。ブレーキモジュールMの
他側(左側)では、駆動力を以て回転され、且つ軸方向
に進退可能なクランプスピンドル70は、継ぎ手部71
を介して締付け治具72と連結されている。継手部71
は、図5のB−B線で示す断面図である図6に示すよう
に、クランプスピンドル70側において、中心に配置さ
れているピン73と十字状に配置された凹凸部74とを
有しており、締付け治具72の大径部75側において、
ピン73が嵌入して軸芯を合わせる穴部76と凹凸部7
4に噛み合って駆動回転を伝達する凹凸部77とを有し
ている。締付け治具72は、スピンドルハブ2の中心孔
2bに挿通された軸部78と、軸部78の先端に形成さ
れた雄ねじ部79とを備えている。雄ねじ部79にワッ
シャ81を嵌挿して締付けナット80を締め付けると
き、軸部78に嵌挿されている押さえ治具84は、締付
け治具72の大径部75に押されて、筒状端部85にお
いてブレーキディスク1をスピンドルハブ2に対して押
し付けて両者を結合させる。押さえ治具84の筒状端部
85はブレーキディスク1の回転中心に近い部位を押さ
えるので、ブレーキディスク1とスピンドルハブ2との
変形が極力抑えられる。締付けナット80による締付け
トルクの大きさは、車両のドライブシャフトをスピンド
ルハブ2に挿通した実装状態で締め付ける場合の締付け
トルクと同じ大きさとされるので、ベアリング7には軸
方向に所定のプレロードが与えられる。また、ブレーキ
ディスク1とスピンドルハブ2との結合状態は、ハブボ
ルト3にハブナット5を締め付けて締結した実装状態と
同等の状態とされ、ブレーキモジュールMはこの結合状
態で振れ取り加工機に装着される。装着されたブレーキ
モジュールMは、クランプスピンドル70が継手部71
を介して締付け治具72を固定基準部材60に向かって
軸方向に付勢する結果、固定基準部材60で規制された
状態で回転駆動される。このとき、雄ねじ部79と締付
けナット80とは、固定基準部材60の凹部63に入り
込み、互いに干渉することはない。クランプスピンドル
70の回転を締付け治具72から押さえ治具84を経て
ブレーキディスク1に一層確実に伝えるためには、ハブ
ボルト3を、押さえ治具84のフランジ部86に形成さ
れている係合孔87に嵌入係合させて回り止めとした
り、押さえ治具84と締付け治具72とを溶接88によ
って一体化したり、当初から同一体として製作した構造
とすることもできる。この例では、締付けナット80と
締付け治具72とのねじを用いた締付けと緩めとを行う
必要があるが、ブレーキディスク1とスピンドルハブ2
との結合については、これまでの実施例と同様、ハブボ
ルト3を挿通させるだけであり、ハブナットで締め付け
ることはない。なお、図5には、切粉吸引除去装置を除
いたものが記載されている。
【0010】
【発明の効果】以上のように、この発明によるブレーキ
ディスク制動面の振れ取り加工方法によれば、ブレーキ
ディスクはスピンドルハブに対して周方向には拘束状態
に、且つ軸方向にはねじ締めを用いることなく非拘束状
態に係合され、この係合状態で押さえ治具から付与され
る力によって軸方向に押し付けられ、ブレーキモジュー
ルを実装状態と同様の結合状態とすることができる。こ
のように結合されたブレーキモジュールは、車両に実装
される場合と同条件で振れ取り加工機に装着され、その
装着状態で回転駆動されてブレーキディスクの制動面が
切削されるので、制動面に現れる集積した製造誤差や締
付けに起因した歪みが削り取られる。従って、ブレーキ
ディスク制動面の振れ取り加工の前後において、押さえ
治具からの軸方向の押さえ付けとその解放だけでブレー
キディスクとスピンドルハブとの実装化とその解除が可
能となるので、切削加工前のねじを用いた締付け治具の
締付けと加工終了後の緩め工程が不要となり、ブレーキ
モジュールの製作上の作業工程が工程数の減少で簡単化
されると共に、設備投資費用も少なくて済み、製造コス
トを低減させることができる。また、振れ取り加工の際
にハブナットをハブボルトに締め付けたり緩めたりしな
いので、締付けや緩めの際にハブナットによって稀に発
生するねじ部のカジリ等に起因した損傷でハブボルトが
不良品となるという事態も防止できる。更に、ベアリン
グプッシャとクランプスピンドルとによってブレーキモ
ジュールのベアリングユニットに実装状態と同様の荷重
状態とするプレロードを与えることにより、振れ取り加
工機の駆動軸とブレーキモジュールとの間においても、
ねじを用いた締結治具による締めと緩めの工程が廃止さ
れるので、工数の一層の低減と、設備投資の一層の削減
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブレーキディスク制動面の振れ取り加工の第1
実施例を示す断面側面図である。
【図2】図1に示される切粉吸引装置の詳細断面図であ
る。
【図3】ブレーキディスク制動面の振れ取り加工の第2
実施例を示す断面側面図である。
【図4】図3のA−A位置での角孔嵌合構造の一例を示
す断面図である。
【図5】ブレーキディスク制動面の振れ取り加工の第3
実施例を示す断面側面図である。
【図6】図5のB−B線で示す断面図である。
【図7】従来のブレーキディスク制動面の振れ取り加工
の一例を示す一部断面側面図である。
【図8】図7に示す振れ取り加工の駆動機構の正面図で
ある。
【符号の説明】
1・・・ブレーキディスク 1c・・・制動面 2・・・スピンドルハブ 2b・・・中心孔 3・・・ハブボルト 5・・・ハブナット 6・・・ベアリングユニット 7・・・ボールベアリング 7a・・・ベアリングの内輪 10・・・切削工具 11・・・ナックル 20、60・・・固定基準部材 21a,21b、61a,61b・・・加工基準面 25・・・ベアリングプッシャ 30、70・・・クランプスピンドル 34、84・・・押さえ治具 36・・・皿ばね 50・・・切粉吸引除去装置 51・・・フード 52・・・吸引ダクト 72・・・締付け治具 80・・・締付けナット M・・・ブレーキモジュール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベアリングユニット、スピンドルハブ、ブ
    レーキディスク等を結合状態に構成したブレーキモジュ
    ールを実装状態と同様の状態にして回転し、回転中の前
    記ブレーキディスクの制動面を切削することによって前
    記制動面の振れ取りを行うブレーキディスク制動面の振
    れ取り加工方法において、前記ブレーキディスクを前記
    スピンドルハブに対して、周方向には拘束状態に、且つ
    軸方向には非拘束状態に係合させ、押さえ治具から付与
    される力によって軸方向に押し付けることにより、前記
    ブレーキディスクと前記スピンドルハブとを前記結合状
    態に置くことを特徴とするブレーキディスク制動面の振
    れ取り加工方法。
  2. 【請求項2】前記ブレーキモジュールの前記ベアリング
    ユニットには、前記ベアリングユニットの内輪に当接す
    るベアリングプッシャと、前記スピンドルハブに当接す
    るクランプスピンドルとによって前記ベアリングユニッ
    トと前記スピンドルハブとを挟むことにより、軸方向に
    プレロードが付与されることを特徴とする請求項1に記
    載のブレーキディスク制動面の振れ取り加工方法。
  3. 【請求項3】前記ブレーキモジュールの前記ベアリング
    ユニットには、前記ベアリングユニットと前記スピンド
    ルハブとをねじを用いた締付け治具によって挟むことに
    より、軸方向にプレロードが付与されることを特徴とす
    る請求項1に記載のブレーキディスク制動面の振れ取り
    加工方法。
  4. 【請求項4】前記制動面を切削する際に発生する切粉
    は、前記制動面が切削加工される部分を覆うフードを備
    えた切粉吸引除去装置によって、吸引除去されることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のブレー
    キディスク制動面の振れ取り加工方法。
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