JP4701482B2 - 制動用回転体付車輪用軸受ユニットの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ロータ或はドラム等の制動用回転体を支持固定した制動用回転体付車輪用軸受ユニットの製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の車輪を構成するホイール1及び制動装置であるディスクブレーキを構成するロータ2は、例えば図2に示す様な構造により、懸架装置を構成するナックル3に回転自在に支承している。即ち、このナックル3に形成した円形の支持孔4部分に、図3に詳示する様な車輪用軸受ユニット5を構成する、静止輪である外輪6を、複数本のボルト7により固定している。一方、上記車輪用軸受ユニット5を構成するハブ8に上記ホイール1及びロータ2を、複数本のスタッド9とナット10とにより結合固定している。
【0003】
上記外輪6の内周面には、それぞれが静止側軌道面である複列の外輪軌道11a、11bを、外周面には結合フランジ12を、それぞれ形成している。この様な外輪6は、この結合フランジ12を上記ナックル3に、上記各ボルト7で結合する事により、このナックル3に対し固定している。
【0004】
これに対して、上記ハブ8の外周面の一部で、上記外輪6の外端開口(外とは、自動車への組み付け状態で幅方向外側となる部分を言い、図1〜3の左側。反対に、自動車への組み付け状態で幅方向中央側となる、図1〜3の右側を内と言う。)から突出した部分には、取付フランジ13を形成している。上記ホイール1及びロータ2はこの取付フランジ13の片側面(図示の例では外側面)に、上記各スタッド9とナット10とにより、結合固定している。又、上記ハブ8の中間部外周面で、上記複列の外輪軌道11a、11bのうちの外側の外輪軌道11aに対向する部分には、内輪軌道14aを形成している。更に、上記ハブ8の内端部に形成した小径段部15に、内輪16を外嵌固定している。そして、この内輪16の外周面に形成した内輪軌道14bを、上記複列の外輪軌道11a、11bのうちの内側の外輪軌道11bに対向させている。
【0005】
これら各外輪軌道11a、11bと各内輪軌道14a、14bとの間には、それぞれが転動体である玉17、17を複数個ずつ、それぞれ保持器18、18により保持した状態で転動自在に設けている。構成各部材をこの様に組み合わせる事により、背面組み合わせである複列アンギュラ型の玉軸受を構成し、上記外輪6の内側に上記ハブ8を、回転自在に、且つ、ラジアル荷重及びスラスト荷重を支承自在に支持している。尚、上記外輪6の両端部内周面と、上記ハブ8の中間部外周面及び上記内輪16の内端部外周面との間には、それぞれシールリング19a、19bを設けて、上記各玉17、17を設けた空間と外部空間とを遮断している。更に、図示の例は、駆動輪(FR車及びRR車の後輪、FF車の前輪、4WD車の全輪)用の車輪用軸受ユニット5である為、上記ハブ8の中心部に、スプライン孔20を形成している。そして、このスプライン孔20に、等速ジョイント21のスプライン軸22を挿入している。
【0006】
上述の様な車輪用転がり軸受ユニット5の使用時には、図2に示す様に、外輪6をナックル3に固定すると共に、ハブ8の取付フランジ13に、図示しないタイヤを組み合わせたホイール1及びロータ2を固定する。又、このうちのロータ2と、上記ナックル3に支持した、図示しないサポート及びキャリパとを組み合わせて、制動用のディスクブレーキを構成する。制動時には、上記ロータ2を挟んで設けた1対のパッドをこのロータ2の両側面に押し付ける。
【0007】
ところで、自動車の制動時にはしばしば、ジャダーと呼ばれる、不快な騒音を伴う振動が発生する事が知られている。この様な振動の原因としては、ロータ2の側面とパッドのライニングとの摩擦状態の不均一等、各種の原因が知られているが、上記ロータ2の振れも、大きな原因となる事が知られている。即ち、このロータ2の側面はこのロータ2の回転中心に対して、本来直角となるべきものであるが、不可避的な製造誤差により、完全に直角にする事は難しい。この結果、自動車の走行時に上記ロータ2の側面は、多少とは言え、回転軸方向(図2の左右方向)に振れる事が避けられない。この様な振れ(図2の左右方向への変位量)が大きくなると、制動の為に1対のパッドのライニングを上記ロータ2の両側面に押し付けた場合に、上記ジャダーが発生する。そして、上記各パッドのライニングとロータ2の両側面との当接状態が不均一になり、その部分で上記ライニングが偏摩耗する。
【0008】
この様な原因で発生するジャダーを抑える為には、上記ロータ2の側面の軸方向の振れ(アキシアル振れ)を抑える(回転中心軸に対する側面の直角度を向上させる)事が重要となる。そして、この振れを抑える為には、上記ハブ8の回転中心に対する取付フランジ13の取付面(上記取付フランジ13の片側面)の直角度と、この取付面自体の面精度とを向上させる必要がある。これら直角度及び面精度に影響を及ぼす要素は、それぞれ複数ずつ存在するが、特に影響の大きい要素としては、直角度に関しては、上記取付面と軌道面(外輪軌道11a、11b及び内輪軌道14a、14b)の直角度が、面精度に就いては熱処理変形がある。又、このうちの直角度を高める為には、ハブ8の構成各部のうち、上記取付フランジ13の片側面と中間部外周面に形成した内輪軌道14a及び内端部に形成した小径段部15との位置関係、並びにこれら各部の形状及び寸法を、精度良く仕上げる事が必要である。このうちの内輪軌道14a及び小径段部15の形状及び寸法の精度を、上記取付面との関係で高めれば、この取付面の上記ハブ8の回転中心に対する直角度を向上させる事ができる。又、上記取付面から熱処理変形を取り除けば、この取付面の面精度を向上させる事ができる。
【0009】
ロータ2の振れに結び付く、上記取付フランジ13の振れを防止する為の技術としては、例えば特開平10−217001号公報に記載されたものがある。但し、この公報に記載された従来技術は、基準面として本来必要でない面を精密仕上する為、徒にコストが嵩むだけでなく、構成各部を熱処理する事に就いての考慮はなされていない。これに対して、上記内輪軌道14a及び小径段部15には、表面を硬化させる為に、高周波焼き入れ等の熱処理を施す必要がある。そして、これら内輪軌道14a及び小径段部15の形状及び寸法は、この様な熱処理に伴って多少なりとも変化する為、上記公報に記載された従来技術では、上述の様に各部の精度を十分に向上させる事は難しい。しかも、上記公報に記載された発明の場合には、ハブの外周面に、それぞれがこのハブとは別体とされた1対の内輪を固定する構造である為、これら各内輪の端面と内輪軌道との誤差等が、取付フランジの取付面と内輪軌道との直角度の誤差として入り込む。更には、ハブと内輪との当接部を、上記取付フランジの取付面を基準として加工していない為、上記取付面と内輪軌道との直角度を十分に向上させる事は難しい。
【0010】
又、従来から、取付フランジ13の振れとロータ2自体の形状誤差に基づく振れとを相殺する為、車輪用軸受ユニット5とロータ2とを選択して組み合わせる場合もあった。ところが、この場合には組み合わせの為の選択作業が面倒になり、コストが嵩む原因となる。
【0011】
【先発明の説明】
この様な事情に鑑みて考えられた車輪用軸受ユニットとその製造方法として、特願平11−372393号に係る発明がある。先ず、この先発明に就いて、図4により説明する。この先発明の方法の場合も、本発明と同様に、制動用回転体の被制動面である、ロータ2の両側面23、23を、静止輪である外輪6のうちで、懸架装置を構成するナックル3(図2参照)に対する取付面を基準として所定の形状及び寸法に加工する。
【0012】
即ち、上記先発明の場合には、先ず、ハブ8のうちで回転側軌道面である内輪軌道14aを含む、図3の斜格子で示した部分を熱処理硬化させてから、この内輪軌道14aを含む、熱処理硬化させた部分のうちで必要部分の仕上加工を施す。上記ハブ8の必要個所の加工を行なったならば、このハブ8と、静止輪である外輪6とを、それぞれが転動体である複数の玉17、17を介して組み合わせ、車輪用軸受ユニット5を構成する。その後、上記ハブ8の外周面に設けた取付フランジ13の外側面(図4の上面)に、制動用回転体である上記ロータ2を、複数のスタッド24とナット25とにより結合固定する。尚、図示の例では上記取付フランジ13の外側面に、上記ロータ2に加えて、このロータ2を回転駆動する為の駆動用治具26も結合固定している。この駆動用治具26は、次述する様にロータ2の両側面23、23に仕上加工を施した後、上記取付フランジ13から取り外す。
【0013】
上述の様に取付フランジ13に上記ロータ2を結合固定したならば、このロータ2の両側面23、23を所定の形状及び寸法に加工する作業を、上記外輪6のうちで懸架装置を構成するナックル3(図2参照)に対する取付面を基準面として利用する事により行なう。この為に先発明の場合には、上記外輪6の内端部(図4の下端部)を支持具27に形成した支持孔28にがたつきなく内嵌すると共に、この外輪6の外周面に形成した結合フランジ12の片側面(図4の下面)を上記支持具27の上面に突き当て、ボルト29によりこの結合フランジ12をこの支持具27に結合固定する。そして、図示しない駆動装置により上記ハブ8並びに上記ロータ2を、上記駆動用治具26を介して回転駆動しつつ、精密加工バイト等の工具30、30により、上記ロータ2の両側面23、23に仕上加工を施す。勿論、これら各工具30、30は、上記支持具27の上面に対し平行に移動しつつ、上記両側面23、23に仕上加工を施す。
【0014】
この様に先発明の場合には、完成状態に組み付けられた上記ハブ8並びに上記ロータ2を回転駆動しつつ、このロータ2の両側面23、23の仕上加工を施す為、上記ロータ2の内周寄り部分に設けた結合フランジ部31及び前記取付フランジ13の形状精度を特に向上させる事なく、このロータ2の両側面23、23と上記結合フランジ12の結合面との平行度を十分に確保できる。この結果、上記ロータ2の両側面23、23の振れを僅少に抑える為に要するコストを十分に低く抑える事ができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
図4に示した様な先発明に係る制動用回転体付車輪用軸受ユニットの製造方法の場合、懸架装置に対するロータ2の両側面23、23の振れを僅少に抑える事はできるが、量産性を確保しつつこの振れをより小さく抑える事を考慮した場合には改良が望まれる。
即ち、図4に示した先発明の方法の場合には、外輪6を固定の支持具27に支持固定した状態で、ロータ2をこの外輪6を中心に回転駆動する様にしている。この為、このロータ2の両側面23、23に仕上加工を施す為の加工装置として特殊な構造のものを使用する必要があるだけでなく、この加工装置に上記制動用回転体付車輪用軸受ユニットを着脱する作業が面倒になる。
本発明の制動用回転体付車輪用軸受ユニットの製造方法は、この様な事情に鑑みて発明したものである。
【0016】
【課題を解決する為の手段】
本発明の制動用回転体付車輪用軸受ユニットの製造方法は、静止側周面に静止側軌道面を有し、使用状態で懸架装置に支持固定される静止輪と、回転側周面に回転側軌道面を有する回転輪と、この回転側軌道面と上記静止側軌道面との間に設けられた複数個の転動体と、上記回転輪の外周面に設けられた取付フランジと、この取付フランジの片側面に結合固定された、制動時に摩擦材を押し付けられる被制動面を有する制動用回転体とを備えた制動用回転体付車輪用軸受ユニットを造る際に、この制動用回転体の被制動面を、上記静止輪のうちの上記懸架装置に対する取付面を基準として所定の形状及び寸法に加工するものである。この様な本発明の制動用回転体付車輪用軸受ユニットの製造方法では、互いに同心で且つ互いに同期して回転する第一、第二のチャックを有する工作機械を使用する。そして、上記静止輪をこのうちの第一のチャックにより、上記回転輪を残りの第二のチャックにより、それぞれ把持した状態で、第一、第二のチャックを互いに同期させて同方向に回転させる事により、上記制動用回転体付車輪用軸受ユニットを回転させつつ、上記制動用回転体の被制動面を所定の形状及び寸法に加工する。好ましくは、1対の抑え板を用い、一方の抑え板を前記静止輪に対して相対回転を阻止した状態で配置し、他方の抑え板を前記制動用回転体と同心に位置決めした状態で、該他方の抑え板を第二のチャックにより、第一のチャックの方向に押し付ける事により、該1対の抑え板により、前記制動用回転体を軸方向両側から挟持する。
【0017】
【作用】
上述の様な本発明の制動用回転体付車輪用軸受ユニットの製造方法によれば、懸架装置への取付面に対する被制動面の位置精度を十分に確保できる。しかも、この被制動面に仕上加工を施すべく、制動用回転体を回転駆動する作業を、静止輪と回転輪とを、単一の工作機械に設けた第一、第二のチャックに、それぞれ把持する事により行なう為、汎用の工作機械を使用でき、しかもこの工作機械に制動用回転体付車輪用軸受ユニットを着脱する作業を容易に行なえる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本発明の製造方法により造られる制動用回転体付車輪用軸受ユニット32の具体的構造は、前述の図4に示した先発明の場合と同様であるから、図1には略示した状態で示す。この制動用回転体付車輪用軸受ユニット32は、静止輪である外輪6と、回転輪であるハブ8及び内輪16と、それぞれが転動体である複数の玉17、17と、制動用回転体であるロータ2とを備える。このうちの外輪6は、その外周面に設けた結合フランジ12により、使用状態で懸架装置に支持固定される。又、上記ハブ8の外周面に形成した取付フランジ13には、スタッド9(図2〜3参照)により、上記ロータ2を結合固定している。又、回転側周面である上記ハブ8及び内輪16の外周面に形成した、回転側軌道である内輪軌道と、静止側周面である上記外輪6の内周面に形成した、静止側軌道である外輪軌道との間に、上記各玉17、17を転動自在に設けている。上記制動用回転体付車輪用軸受ユニット32は、この様な構成により、上記外輪6に対して、上記ハブ8及び内輪16と上記ロータ2とを、回転自在に支持している。
【0019】
本発明の製造方法の場合には、上述の様な構造を有する制動用回転体付車輪用軸受ユニット32を造る際に、被制動面である上記ロータ2の両側面23、23を、懸架装置に対する取付面である、上記外輪6の外周面に設けた結合フランジ12の側面を基準として所定の形状及び寸法に加工する。
【0020】
この様な本発明の制動用回転体付車輪用軸受ユニットの製造方法では、互いに同心で且つ互いに同期して回転する第一、第二のチャック33、34を有する、旋盤等の工作機械を使用する。そして、上記外輪6に固定した治具35をこのうちの第一のチャック33により、上記ハブ8に固定した上記ロータ2を残りの第二のチャック34により、それぞれ把持する。即ち、上記治具35の先端部(図1の左端部)を上記外輪6の外周面に設けた結合フランジ12の片側面に、ボルトにより結合固定すると共に、上記ロータ2を、それぞれが円輪状に形成された1対の抑え板36a、36bにより、軸方向両側から挟持する。
【0021】
これら1対の抑え板36a、36bのうち、上記外輪6側に設ける一方の抑え板36aは、上記結合フランジ12の周囲に配置自在な内径を有し、この結合フランジ12の周囲に、この結合フランジ12に対する相対回転を阻止した状態で配置している。又、上記一方の抑え板36aの外周縁で上記ロータ2の内周縁部に対向する部分には、この内周縁部と係合自在な段部37を形成している。又、この段部37の周面と側面とには、それぞれOリング38a、38bを係止して、これら各Oリング38a、38bを、上記ロータ2の内周面及び片側面に当接させている。これに対して、他方の抑え板36bは、断面クランク形に形成しており、上記ロータ2に対向する側面の外径寄り部分と径方向中間部分とに、それぞれOリング38c、38dを係止している。そして、これら各Oリング38c、38dを、上記ロータ2の径方向中間部分と内径寄り部分とに、それぞれ全周に亙って当接させている。
【0022】
前記ロータ2の両側面に仕上加工を施す場合には、上記治具35の基半部(図1の右半部)を前記第一のチャック33により把持すると共に、上記他方の抑え板36bの中心孔39に第二のチャック34の先端部を進入させ、更にこの第二のチャック34を上記第一のチャック33に向け、図1の右方に押し付ける。この第二のチャック34の先端部外周面は円すい凸面状のテーパ面としている為、上記他方の抑え板36bは、上記ロータ2と同心に位置決めされた状態で、上記一方のチャック33に向け、押し付けられる。この状態で前記制動用回転体付車輪用軸受ユニット32が、上記第一、第二のチャック33、34同士の間に、これら両チャック33、34と同心に支持される。又、これら第一、第二のチャック33、34の回転中心と前記外輪6の中心とが一致する。
【0023】
そこで、上記第一、第二のチャック33、34を互いに同期させて同方向に回転させる事により、上記制動用回転体付車輪用軸受ユニット32を回転させる。即ち、上記第一、第二のチャック33、34を回転させると、第一のチャック33の回転が上記外輪6を介して、前記一方の抑え板36aに伝わる。そして、この第一の抑え板36aから上記ロータ2に回転力が、前記Oリング38a、38bと相手面との間に作用する摩擦力に基づいて伝わる。一方、上記第二のチャック34の回転は、上記他方の抑え板36bから前記Oリング38c、38dを介して、上記ロータ2に伝わる。そこで、この様にしてこのロータ2を回転させつつ、被制動面である上記ロータ2の両側面を、このロータ2の径方向(図1の上下方向)への変位自在に設けた1対の切削工具40、40により切削して、上記両側面に仕上加工を施す。尚、これら各切削工具40、40に代えて砥石を使用し、上記ロータ2の両側面を研削する事もできる。
【0024】
上述の様な本発明の制動用回転体付車輪用軸受ユニットの製造方法によれば、懸架装置への取付面である、上記外輪6の外周面に設けた結合フランジ12の片側面に対する、被制動面である上記ロータ2の両側面の位置精度を十分に確保できる。しかも、この両側面に仕上加工を施すべく、制動用回転体である上記ロータ2を回転駆動する作業を、静止輪である上記外輪6と回転輪である前記ハブ8とを、単一の工作機械に設けた第一、第二のチャック33、34に、それぞれ把持する事により行なう為、汎用の工作機械を使用でき、しかもこの工作機械に制動用回転体付車輪用軸受ユニット32を着脱する作業を容易に行なえる。尚、本発明は、駆動用に限らず、従動用の車輪用軸受ユニットに就いても、同様に実施できる。
【0025】
【発明の効果】
本発明の制動用回転体付車輪用軸受ユニットの製造方法は、以上に述べた通り構成され作用するので、制動時に発生する不快な騒音や振動の抑制を、特にコストを高くする事なく行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す要部略断面図。
【図2】本発明の対象となる制動用回転体付車輪用軸受ユニットの組み付け状態の1例を示す断面図。
【図3】車輪用軸受ユニットのみを取り出して示す断面図。
【図4】先発明の実施の形態の1例を示す断面図。
【符号の説明】
1 ホイール
2 ロータ
3 ナックル
4 支持孔
5 車輪用軸受ユニット
6 外輪
7 ボルト
8 ハブ
9 スタッド
10 ナット
11a、11b 外輪軌道
12 結合フランジ
13 取付フランジ
14a、14b 内輪軌道
15 小径段部
16 内輪
17 玉
18 保持器
19a、19b シールリング
20 スプライン孔
21 等速ジョイント
22 スプライン軸
23 側面
24 スタッド
25 ナット
26 駆動用治具
27 支持具
28 支持孔
29 ボルト
30 工具
31 結合フランジ部
32 制動用回転体付車輪用軸受ユニット
33 第一のチャック
34 第二のチャック
35 治具
36a、36b 抑え板
37 段部
38a、38b、38c、38d Oリング
39 中心孔
40 切削工具
Claims (2)
- 静止側周面に静止側軌道面を有し、使用状態で懸架装置に支持固定される静止輪と、回転側周面に回転側軌道面を有する回転輪と、この回転側軌道面と上記静止側軌道面との間に設けられた複数個の転動体と、上記回転輪の外周面に設けられた取付フランジと、この取付フランジの片側面に結合固定された、制動時に摩擦材を押し付けられる被制動面を有する制動用回転体とを備えた制動用回転体付車輪用軸受ユニットを造る際に、この制動用回転体の被制動面を、上記静止輪のうちの上記懸架装置に対する取付面を基準として所定の形状及び寸法に加工する制動用回転体付車輪用軸受ユニットの製造方法であって、互いに同心で且つ互いに同期して回転する第一、第二のチャックを有する工作機械を使用し、上記静止輪をこのうちの第一のチャックにより、上記回転輪を残りの第二のチャックにより、それぞれ把持した状態で、第一、第二のチャックを互いに同期させて同方向に回転させる事により、上記制動用回転体付車輪用軸受ユニットを回転させつつ、上記制動用回転体の被制動面を所定の形状及び寸法に加工する、制動用回転体付車輪用軸受ユニットの製造方法。
- 1対の抑え板を用い、一方の抑え板を前記静止輪に対して相対回転を阻止した状態で配置し、他方の抑え板を前記制動用回転体と同心に位置決めした状態で、該他方の抑え板を第二のチャックにより、第一のチャックの方向に押し付ける事により、該1対の抑え板により、前記制動用回転体を軸方向両側から挟持する、請求項1に記載の制動用回転体付車輪用軸受ユニットの製造方法。
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