JP3821513B2 - 伸縮性を有するエンブロイダリーレースとその製造方法 - Google Patents

伸縮性を有するエンブロイダリーレースとその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は伸縮性を有するエンブロイダリーレースとその製造方法に関する。より詳しくは、エンブロイダリーレースはレース生地に対してししゅう糸を所望のパターンでししゅうして模様部分を形成することによって得られるが、前記レース生地が伸縮性を有すると共に、前記模様部分も又レース生地の伸縮性に実質的に匹敵した伸縮性を有するエンブロイダリーレースとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブラジャー、ランジェリー等婦人用下着にはエンブロイダリーレースが広く用いられている。婦人用下着に用いられるエンブロイダリーレースは人体とのフィット性の向上のために伸縮性が要望される。そこでエンブロイダリーレースに伸縮性を与えるために各種の試みがなされている。すなわち、例えばパワーネットの如き組織の伸縮性経編地をレース生地に用いることによって、エンブロイダリーレースの生地自体に伸縮性を付与している。しかしこれだけでは伸縮性のないししゅう糸によってレース生地上に形成される模様部分が生地自体の伸縮性を抑制するので、ブラジャー、ランジェリー等婦人用下着として要求される大きさの伸縮性を有するエンブロイダリーレースを得ることができない。
【0003】
そこでししゅうする時には伸縮性が抑制され、その後の染色整理加工時の処理によって伸縮性を発現する糸をししゅう糸として用い、それによって模様部分に伸縮性を与えることが試みられている。なおエンブロイダリーレースの模様は、2本のししゅう糸を表糸と裏糸として用いてレース生地に本縫いすることによって形成されるものであり、その際ししゅう糸が伸縮性を有すると本縫によるループを形成することができないので、前述のようにししゅうする時には伸縮性が抑制され、その後の処理によって伸縮性を発現する糸(以下潜在伸縮糸と称する)を用いることになる。
この種潜在伸縮糸の一例として水溶性繊維糸に弛緩状態の伸縮弾性糸をドラフトすることなく引揃え、その上に非水溶性繊維糸をスパイラル状に巻付ける糸が特開平2−14061号公報に開示されている。この潜在伸縮糸の場合レース生地にししゅうして模様を形成させた後、温水で処理すれば水溶性繊維糸が溶解して、模様を形成するししゅう糸が生地の伸縮に対応し伸縮することができるようになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述のようにししゅう糸全体に潜在伸縮糸を用いればレース生地部分および模様部分全体が共に優れた伸縮性を有するエンブロイダリーレースが得られる。しかしながら潜在伸縮糸は通常のししゅう糸に比し非常に高価であって、数倍の価格で供給されている。したがってレース生地部分および模様部分全体が共に優れた伸縮性を有するエンブロイダリーレースは性能自体は好ましいものであっても製品価格が高価になりすぎて到底大量消費の製品には使用することができない。そこで次善の策として模様部分の内糸重量で全体の約80%を占める表糸に通常の伸縮性を有するししゅう糸を用い、糸重量で約20%の裏糸に前記潜在伸縮糸を用いることによって相当程度に伸縮性を確保したエンブロイダリーレースが使用されている。このようなエンブロイダリーレースでは伸縮性を有しない表糸が伸縮性を有するレース生地を貫通してループを形成し、このループを本縫い構造で潜在伸縮性を有する裏糸によって拘束するのでこのレースを染色整理した後では、レースはレース生地と模様部分の裏糸の伸縮性によって用途によっては実用可能な程度の伸縮性を有すると共に価格的にも実用可能な範囲に収まったエンブロイダリーレースが得られる。
【0005】
前述のエンブロイダリーレースは実用的な範囲の伸縮性を有し、且つ実用可能な範囲の価格に収まるものである。併しこのエンブロイダリーレースは模様部分において部分的に伸縮性に方向性を有すること、すなわち模様の各部分毎に特定方向での伸びがいちゞるしく小さいという問題点を有すること及び製品によっては少くとも1.7倍の伸縮性が要求されるという製品の高級化には対応できないという問題点を有する。
そこで本発明は潜在伸縮糸の如く高価なししゅう糸の使用を極力少くして価格の上昇を防ぐと共に模様部分中の特定方向での伸びにくさを解消し、且つより伸縮性を高めることができるエンブロイダリーレースとその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の前述の課題は、伸縮性を有するレース生地と該レース生地にししゅう糸を表糸および裏糸として所望のパターンでししゅうすることによって形成される模様部分から成り、前記表糸がレース生地の表側から所望のパターンに基づいてししゅう針で挿入され、それによってレース生地の表側で所定の方向で延びると共にレース生地の裏側にループを形成しており、前記裏糸が前記レース生地の裏側において前記表糸のループを本縫い構造で拘束し、それによってレース生地の表側に表糸による模様を固定しており、前記模様部分はそれぞれが任意の形状を有する単位模様の連続集合体として形成されており、且つ前記単位模様が前記表示及び裏糸のそれぞれについて単位模様の芯部を形成するように移動しながら前記軸線に沿って延びる下糸部分と、該下糸部分をおおうように反復移動しながら前記芯部形成時の方向と逆方向に延びて単位模様の表面部を形成する上糸部分で構成されている伸縮性を有するエンブロイダリーレースであって、前記下糸部分が前記単位模様の軸線を横切るようにジグザグ形状に配置されていることを特徴とするエンブロイダリーレースによって達成される。
【0007】
表糸および裏糸のそれぞれの下糸部分を単位模様の軸線を横切るようにジグザグ形状に配置すれば、単位模様をその軸線方向に引張った場合にジグザグ形状に配置した下糸部分が直線に近づくように変形することにより、単位模様自体がその軸線方向に伸びることができるようになり、その結果単位模様の連続集合体である模様部分が外力に応じて変形しやすくなる。
この単位模様の伸びをより効果的にするためには、前記ジグザグ形状に配置された下糸部分の隣接する2辺のなす角度を60°以下、すなわちジグザグ形状の直線への伸び代を大きくすることが好ましい。
【0008】
前記下糸部分のジグザグ形状配置はししゅう工程の性格上表糸および裏糸の双方に対して同時に行われる。その際表糸および裏糸の双方に通常の伸縮性を有するししゅう糸を用いてもよく、又表糸および裏糸の何れか一方にししゅうする時には伸縮性が抑制され、その後の染色整理加工時の処理によって伸縮性を発揮するししゅう糸を用いてもよい。
【0009】
しかし得られたエンブロイダリーレースの伸縮性とコストを総合的に評価すれば、前記表糸として通常の伸縮性を有するししゅう糸を用い、一方ししゅうする時には伸縮性が抑制され、その後の染色整理加工時の処理によって伸縮性を発揮する糸を裏糸として用い、表糸及び裏糸の下糸部分を単位模様の軸線を横切るようにジクザグ形状に配置してエンブロイダリーレースを形成するとより実用的であって好ましい。
【0010】
本発明による伸縮性を有するエンブロイダリーレースの好ましい製造方法は、合成繊維マルチフィラメントとポリウレタン糸を用いてエンブロイダリーレースのレース生地用パワーネットを編成してエンブロイダリーレース機に仕掛け、該エンブロイダリーレース機に通常の伸縮性を有するししゅう糸を表糸として供給し、一方ししゅうする時には伸縮性が抑制され、その後の染色整理加工時の処理によって伸縮性を発現するししゅう糸を裏糸として供給し、所望のパターンに基づいて、複数の単位模様の連続集合体である模様部分をししゅうし、該ししゅう工程において、単位模様をししゅうする際に表糸及び裏糸のそれぞれについて前記単位模様の軸線を横切るようにジグザグ形状に移動させながら単位模様の一端から他端に向けて単位模様の芯部となる下糸部分を形成させ、ついで該下糸部分をおおうように所望のパターンに基づいて表糸及び裏糸を移動させながら前記下糸部分形成時とは逆の方向で単位模様の前記他端から前記当初の一端に向けて単位模様の表面部となる上糸部分を形成させて1単位の単位模様をししゅうし、該単位模様のししゅうを所望のパターンに基づいて所定の個数形成してししゅう生地を作成し、該ししゅう生地に所望の染色整理を施して裏糸に伸縮性を発現させることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の伸縮性を有するエンブロイダリーレースでは伸縮性を有するレース生地を用いることが前提条件となる。このようなレース生地としてはししゅう加工が可能で、すなわち多孔性であって伸縮性を有する生地であれば良く、各種の生地を用いることができる。この種レース生地として例えばナイロンマルチフィラメント30dとポリウレタン70dを用いて経編機で編成された目付100g/m2 程度のパワーネットが広く用いられる。
【0012】
ししゅう糸としては通常の伸縮性を有するししゅう糸又は潜在伸縮糸、すなわちししゅうする時には伸縮性が抑制され、その後の染色整理加工時の処理によって伸縮性を発現する糸を用いることができる。
前者の通常の伸縮性を有するししゅう糸としては、ビスコースレーヨン糸の120d/2,150d/2、ポリアミドマルチフィラメント糸100d/2,150d/2、ポリエステルマルチフィラメント糸120d/2、および綿糸30s/2〜100s/2等が好んで用いられるが、但しこれらの糸に限定されるものではない。なおこゝに云う通常の伸縮性とはスパンデックス糸との対比での表現であって、例えばビスコースレーヨン糸本来の伸び特性は有するが、ゴム糸状の伸縮性は有しない糸という意味である。
【0013】
潜在伸縮糸としては例えば特開平2−14061号公報に開示されているように、水溶性繊維糸に弛緩状態の伸縮弾性糸をドラフトすることなく引揃え、その上に非水溶性繊維糸をスパイラル状に巻付ける糸を用いることができる。又本出願と同一の出願人が平成7年10月19日に特願平07−271194として出願したエンブロイダリーレース用複合ししゅう糸、すなわち水を含む溶剤又は熱によって溶解又は分解させることができる非伸縮性糸から成るくさり編み糸と、そのくさり編み糸の長手方向に沿ってくさり編み糸の中に挿入された少くとも1本の伸縮性糸から成る挿入糸で構成されている複合ししゅう糸を用いることができる。
【0014】
本発明のエンブロイダリーレースは公知の通常のししゅう機を用いて製造することができる。すなわち繊維学会編集、丸善株式会社が昭和61年1月20日に第2版として発行した「繊維便覧加工編」523頁〜527頁に記載されているように、使用目的に応じて決定された模様部分に基づいてデザイン(意匠図)を作成し、このデザインからたてよこ6倍に拡大した図を描き、この拡大図に基づいてパンチングマシンによってパンチカード、具体的にはししゅう量に応じてその長さが決まるエンドレスのパンチテープとして作られたパンチカードを作成する。このパンチカードには前述の表糸及び裏糸の下糸部分と上糸部分の配置が記録されている。このパンチカードをししゅう機に仕掛けることによって所定の構成の模様部分を有するエンブロイダリーレースの生地が作られる。
【0015】
以下本発明を含むエンブロイダリーレースの一例を示す添付図面を参照して本発明のエンブロイダリーレースを詳述する。
図1はエンブロイダリーレースの一例を示す平面図である。図1において、エンブロイダリーレース1はレース生地2とレース生地2にししゅう糸を所望のパターンでししゅうすることによって形成される模様部分3から成る。
図2はエンブロイダリーレースにおけるししゅう糸の固定方法を説明するエンブロイダリーレースの断面図であり、表糸の下糸部分5はししゅう針でレース生地2を貫通してレース生地2の下方に突出してループを形成し、このループは裏糸の下糸部分9に本縫い構造で拘束される。図3で詳述するようにししゅうによる模様は同一の表糸の下糸部分の上に下糸部分をおおうよう上糸部分を配置することによって形成される。そこで表糸の上糸部分7も又ししゅう針でレース生地2を貫通してレース生地2の下方に突出してループを形成し、このループは裏糸の上糸部分10に本縫い構造で拘束される。
図1において参照番号4で示す部分は模様部分3の単位模様であり、図1に例示するように模様部分3は単位模様4の連続集合体として形成される。例えば模様部分をバラの小枝1本とすればバラの花の個々の花弁、枝、枝についた葉等は単位模様に相当する。レース生地にはこの単位模様毎にししゅうを行い、それら単位模様が集って模様部分が形成されることになる。
【0016】
次に単位模様の形成方法を図3及び図4に基づいて以下説明する。図3は従来公知のエンブロイダリーレースの単位模様4を示し、図4は例示として示す本発明のエンブロイダリーレースの単位模様14を示す。但し図3および図4は共に表糸の下糸部分および上糸部分のみ示し、裏糸の下糸部分および上糸部分は図2で示すように表糸の下糸部分および上糸部分と同じ移動を行って表糸の下糸部分および上糸部分を拘束するので、図面を簡略化するために、裏糸の下糸部分および上糸部分は図示していない。又図3及び図4において(A)は表糸の下糸部分の配置のみ示し、(B)は表糸の上糸部分の配置のみを示す。上糸部分の配置は下糸部分の配置に続けて行われるので表糸の実際の配置は(C)に示す如く(A)と(B)を重合せたものになる。
図3(A)に示すように、従来公知のエンブロイダリーレースの表示の下糸部分5は矢印6で示す如く単位模様4の軸線X−X′に沿って点5aからレース生地にししゅうされ、複数列(この場合は3列)の平行糸列を配置した後、順次下流側の平行糸列に移動して点5bに達する。次に下糸部分5を形成した表糸は図3(B)に示すように、点7aから矢印8で示す如くジグザグに配置されて点5aに対応する点7bに達して上糸部分7を形成する。表糸は次に隣接する他の単位模様の形成に進む。このようにして図3(C)に示す単位模様を形成する。
【0017】
単位模様4を形成するに際して図3(A)に示すように単位模様の軸線方向に沿って平行に複数列の表糸を下糸部分として配列するのはししゅう技術において旧来から行われていることであって、このように複数列(単位模様の形状によっては一列でもよい)平行配置によって単位模様の芯部を形成すれば、その後に形成される表糸の上糸部分によって形成される表面部分にボリューム感を与えることができると共に単位模様の模様ぐずれを防止して模様の安定性を高めるのに役立つ。
しかしながら、図3(A)から明らかな如く、表糸の下糸部分5が単位模様の軸線X−X′に平行に配置されているために単位模様の軸線X−X′の方向での伸縮性が極めて乏しくなり、例え裏糸に潜在伸縮性糸を用いたとしてもエンブロイダリーレースに要望される充分な伸縮性を与えることができない。
【0018】
そこで本発明のエンブロイダリーレースでは図4(A)に示すように単位模様14の表糸の下糸部分15を単位模様14の軸線X−X′を横切るようにジグザグ形状に点15aから点15bに向けて矢印16の方向で配置し、その上で図4(B)に示すように表糸の上糸部分17を点17aから点17bに向けて矢印18の方向で形成し、その結果図4(C)に示すように共に単位模様14の軸線X−X′を横切るような下糸部分の芯部と上糸部分の表面部を形成したため、この単位模様は全方向に向っての優れた伸縮性を保持することができる。
下糸部分15の配置は図4(A)に示すように山形の連続配置のジグザグ形状に限定されるものではなく、軸線方向X−X′を横切るものであれば任意の形状を用いることができ、例えば図5に示すように傾斜したジグザグ形状の下糸部分20を点20aから点20bに向けて矢印21に示すように形成して単位模様を形成してもよい。
下糸部分15又は20をししゅうするに際してそのジクザク形状の幅l又はl′はレース生地2の3ウエール以上(25ウエールのパワーネットの場合で3コース以上)にすることが好ましい。3ウエール以下の場合はレース生地が伸びた場合にししゅう糸のジグザグ形状配置を相殺するので効果が乏しくなる。
なお単位模様の軸線X−X′は図4に示す単位模様では直線であるが図1で19で示す単位模様では曲線となる。
【0019】
伸縮性を有するエンブロイダリーレースは前述のようにブラジャー等の下着分野で広く用いられ、且つ要望する伸縮性の値も益々高くなっており、ある分野では静置したエンブロイダリーレースを基準として、少くとも1.7倍、好しくは2倍の伸縮性が要望されている。そこでこの要望を満たすためには、図4(A)に示すようにジグザグ形状に配置された下糸部分の隣接する2辺がなす角度をθとすると、θを70°以下、好ましくは60°以下にすればよい。
【0020】
本発明のエンブロイダリーレースを製造するにはししゅう機において単位模様を形成する際に、表糸及び裏糸を前記単位模様の軸線を横切るようにジグザグ形状に移動させながら単位模様の一端から他端に向けて単位模様の芯部となる下糸部分を形成すればよい。この作業はパンチングマシンでパンチカードを作成する際にししゅう針の移動を下糸部分の形成に際してジグザグ運動するようにすればよい。
【0021】
【実施例】
本発明の伸縮性を有するエンブロイダリーレースの実施例を以下説明する。
実施例1
ナイロンマルチフィラメント30dとポリウレタン70dを用いて目付100g/m2 のパワーネットを編成してレース生地とした。
表糸のししゅう糸としてはビスコースレーヨン糸150d/2を用いた。一方2枚筬のラッセル経編機のフロント側に水溶性ビニロン糸56dを供給してくさり編(度目は2.54cm当り50)を編成し、同時にナイロンマルチフィラメント70d/2の強撚糸(上撚4000T/M)をバック側に挿入糸として供給して複合糸を得、この糸を裏糸として用いた。
図4(A)に示すような連続山形で且つθが60°になるようにししゅう針の運動が下糸部分に対して規定されたパンチカードを用意し、このパンチカードを用いて図1に示す模様部分を有するエンブロイダリーレースを製造した。このししゅう生地を精練して仕上剤を付与して裏糸中の水溶性ビニロン糸を除去して製品としてのエンブロイダリーレースを得た。このエンブロイダリーレースの模様部分の伸びは約2倍であった。
【0022】
【発明の効果】
本発明のエンブロイダリーレースでは模様部分の下糸部分がそれぞれの単位模様の軸線方向を横切るようにジグザグ形状に配置されているので、表糸及び/又は裏糸に潜在伸縮糸を用いなくても優れた伸縮性を有するエンブロイダリーレースを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンブロイダリーレースの一例を示す平面図である。
【図2】ししゅう糸の固定方法を説明するエンブロイダリーレースの略示断面図。
【図3】従来公知のエンブロイダリーレースにおける単位模様の形成方法を説明する略示平面図であって、図3(A)は表糸の下糸部分を示す図、図3(B)は表糸の上糸部分を示す図、図3(C)は図3(A)と図3(B)を組合せた表糸の実際の配置を示す図である。
【図4】本発明のエンブロイダリーレースの一例として示す単位模様の形成方法を説明する略示平面図であって、図4(A)は表糸の下糸部分を示す図、図4(B)は表糸の上糸部分を示す図、図4(C)は図4(A)と図4(B)を組合せた表糸の実際の配置を示す図である。
【図5】本発明のエンブロイダリーレースの他の一例として示す単位模様の形成方法を説明する略示平面図であって、図4(A)に対応する表糸の下糸部分を示す図。
【符号の説明】
1…エンブロイダリーレース
2…レース生地
3…模様部分
4,11,14,19…単位模様
5,15,20…表糸の下糸部分
7…表糸の上糸部分
9…裏糸の下糸部分
10…裏糸の上糸部分
X−X′…単位模様の軸線

Claims (2)

  1. 表糸として通常の伸縮性を有するししゅう糸を用い、一方、裏糸としてししゅうする時には伸縮性が抑制され、その後の染色整理加工時の処理によって伸縮性を発揮するししゅう糸を用いた伸縮性を有するレース生地と、ししゅう糸を表糸および裏糸として所望のパターンでししゅうすることによって形成される模様部分から成り、前記表糸がレース生地の表側から所望のパターンに基づいてししゅう針で挿入され、それによってレース生地の表側で所定の方向で延びると共にレース生地の裏側にループを形成しており、前記裏糸が前記レース生地の裏側において前記表糸のループを本縫い構造で拘束し、それによってレース生地の表側に表糸による模様を固定しており、前記模様部分はそれぞれが任意の形状の軸線を有する単位模様の連続集合体として形成されており、且つ前記単位模様が前記表糸及び裏糸のそれぞれについて単位模様の芯部を形成するように移動しながら前記軸線に沿って延びる下糸部分と、該下糸部分をおおうように反復移動しながら前記芯部形成時の方向と逆方向に延びて単位模様の表面部を形成する上糸部分で構成されている伸縮性を有するエンブロイダリーレースにおいて、
    前記下糸部分が前記単位模様の軸線を横切るようにジグザグ形状に配置されていることを特徴とする伸縮性を有するエンブロイダリーレース。
  2. 合成繊維マルチフィラメントとポリウレタン糸を用いてエンブロイダリーレースのレース生地用パワーネットを編成してエンブロイダリーレース機に仕掛け、該エンブロイダリーレース機に通常の伸縮性を有するししゅう糸を表糸として供給し、一方ししゅうする時には伸縮性が抑制され、その後の染色整理加工時の処理によって伸縮性を発現するししゅう糸を裏糸として供給し、所望のパターンに基づいて、複数の単位模様の連続集合体である模様部分をししゅうし、該ししゅう工程において、単位模様をししゅうする際に表糸及び裏糸のそれぞれについて前記単位模様の軸線を横切るようにジグザグ形状に移動させながら単位模様の一端から他端に向けて単位模様の芯部となる下糸部分を形成させ、ついで該下糸部分をおおうように所望のパターンに基づいて表糸及び裏糸を移動させながら前記下糸部分形成時とは逆の方向で単位模様の前記他端から前記当初の一端に向けて単位模様の表面部となる上糸部分を形成させて1単位の単位模様をししゅうし、該単位模様のししゅうを所望のパターンに基づいて所定の個数形成してししゅう生地を作成し、該ししゅう生地に所望の染色整理を施して裏糸に伸縮性を発現させることを特徴とする伸縮性を有するエンブロイダリーレースの製造方法。
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