JP3821274B2 - 基板の貼り合わせ装置、並びに貼り合わせ基板及び電子部品の製造方法 - Google Patents

基板の貼り合わせ装置、並びに貼り合わせ基板及び電子部品の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄板基板を用いた貼り合わせ基板を製造するための貼り合わせ装置、薄板基板を用いた貼り合わせ基板の製造方法、及び該貼り合わせ基板を用いた電子部品の製造方法に関し、さらに詳しくは導体、半導体、絶縁体等の基板を用いて構成される画像表示装置やセンサー等の分野の電子部品製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置やプラズマ表示装置、EL表示装置等の各種画像表示装置、CCDやラインセンサー、2次元アレイセンサー、X線センサー等の各種センサー、RAMやMPU等の各種LSI、太陽電池等の電子部品は、Si等の半導体や、ステンレス等の導体や、ガラス,セラミック等の絶縁体の基板上に、スパッタ法やスピンコート法等により薄膜を形成し、フォトリソグラフィー法等によりパターン形成する工程を繰り返す事により、要求される機能を有する電子部品が製造される。
【0003】
しかし、最近の携帯電話や携帯情報端末等のモバイル商品や、ビデオカメラ等の各種応用商品は、商品の競争力を高めるために、小型化、軽量化した電子部品が採用されている。この目的のため、電子部品に用いられる基板を薄くし、小型軽量化する方法が提案されている。
【0004】
本発明は、この基板の薄型化を目的としたものである。例えば、従来、薄型の液晶表示装置を製造する方法としては、複数の液晶表示素子(TFT、画素電極等)を形成したガラス基板と、カラーフィルタを形成した対向基板を貼り合わせて貼り合わせ基板を形成後、貼り合わせガラス基板の外面をエッチングする事で薄型化する製造方法が提案されている(登録第2722798号公報)。
【0005】
これとは別に、薄い基板上にパターンを形成する時、補強用の支持基板上に薄い基板を配置し、薄い基板が割れや欠けが発生しない様にして電子部品を製造する方法が提案されている(特開平4−186816号公報)。特開平4−186816号公報に記載の方法では、半導体の電子部品を製造する場合に、半導体の支持基板上へ薄い半導体基板を固定するためにフォトレジストを介在させて、フォトリソグラフィー工程を行っている。
【0006】
具体的には、半導体の支持基板にフォトレジストを塗布しプリベークした後、支持基板上に薄型半導体基板を配置してフォトレジストを塗布しプリベークを行う。
【0007】
次に、電極パターンに露光した後、現像を行いフォトレジストパターン形成を行っている。
【0008】
これにより、フォトリソグラフィーの製造工程で薄型半導体基板の割れ欠けを発生させる事無く工程を通す事ができるため、歩留り向上が図れる。
【0009】
上記の半導体基板とは異なる基板として透光性の絶縁性基板の場合には、ガラス板を接合する方法として、真空下でガラス板を接着重合する合わせガラス製造方法が提案されている。真空下での合わせガラス製造方法では、第9図に示すような合わせガラスの材料を収めた気密室61を有する台車62と、加熱用ヒーター63を備えた加熱室64からなる合わせガラス製造装置を用いてガラスの接合が行われる。
【0010】
具体的には、接着層を介して重ね合わされたガラス板を気密室61の中に配置し、ガラス板の少なくとも上面を耐熱性、気密性及び伸縮性の機能を備えた対物シートで覆った後、重ね合わせたガラス板間に気泡が介在しない様に気密室61を予備排気して、ある程度の真空状態にする。
【0011】
次に、台車62を加熱室64に導入して、真空排気バルブ214から真空排気し、ヒーター63により加熱してガラス基板間の接着層を溶かす。その後、台車を加熱室64から取り出し冷却する事でガラス基板間を接着し、気密室61から貼り合わせ基板を取り出すことによって、合わせガラスが製造できる(特開平9−169550号公報)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平4−186816号公報に記載のように、ガラス基板をエッチングし薄型化を図る方法では、エッチングによりガラスを溶解させ薄くするため、ガラスを有効利用する事ができず、エッチングコストを要するという問題が生じる。
【0013】
また、特開平4−186816号公報に記載の製造方法のように、半導体支持基板と薄い半導体基板を固定するためのフォトレジストを介在させる方法では、接合にフォトレジストを使用するためフォトリソグラフィー工程以外の工程を通す場合、密着性が低いため基板間が剥れてしまう。
【0014】
例えば、電子部品を製造する上で必要になるウエット工程を通した場合など、フォトレジストが薬液材料により膨潤したり溶解したりするため、実用上、製造工程では利用する事ができない問題が生じる。
【0015】
また、第9図の合わせガラスの製造方法において、ガラス基板間を接着層を介して強固に接合するため、接合したガラス基板間を分離するのは容易ではない。合わせガラスのそれぞれのガラスを接着層から剥離する方法としては、ガラスに微細なクラックを発生させ、このクラックを通して接着層に水分を含ませる事で接着力を低下させ、ガラスと接着層を分離する方法が特開平6−247752号公報に提案されている。しかしながらこの方法ではガラスを破砕するため、分離後のガラス基板を再度利用する事ができないという問題が生じる。
【0016】
本発明は、上記従来の問題を鑑みて成されたものであり、複数の基板間(薄い第1の基板と厚めの第2の基板)の接合が容易にできる貼り合わせ装置を提供するものである。
【0017】
また、本発明は、上記従来の問題を鑑みて成されたものであり、複数の基板間(薄い第1の基板と厚めの第2の基板)の接合が容易にできる貼り合わせ基板の製造方法を提供するものである。
【0018】
また、本発明は、上記従来の問題を鑑みて成されたものであり、複数の基板間(薄い第1の基板と厚めの第2の基板)の接合が容易にできると共に、工程中は複数の基板間(第1の基板と第2の基板)の接合を保持でき、工程終了後は基板を破砕すること無く第1の基板と第2の基板間の接合層を分離し、分離した第2の基板を、支持用の基板として再利用できるようにすることでコストダウンを図るものである。
【0019】
また、割れや欠けが発生し易い薄い基板(第1の基板)を第2の基板に貼り合わせて使用することで、製造工程中の割れ欠けが防止でき、かつ歩留まりが向上できる電子部品の製造方法を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための基板の貼り合わせ装置は、該貼り合わせ装置の内部を2つの空間に仕切る変形可能な対物シートと、該対物シートの一方の面に付与された粘着層と、前記2つの空間への気体吸排気手段とを有することを特徴とする。
【0021】
また、前記貼り合わせ装置は、対物シートを延伸及び巻き戻しするシートリール機構を有することを特徴とする。
【0022】
上記構成の装置によれば、割れや欠けが発生し易い薄い基板(第1の基板)を第2の基板に貼り合わせる工程においても、変形可能な対物シートを使用し、両側の圧力差を使用するため、貼り合わせがスムーズに行なえ、そのため薄い基板の割れや欠けが防止でき、その結果、貼り合わせ工程の歩留まりが向上できる。
【0023】
上記課題を解決するためになされた本発明の貼り合わせ基板の製造方法は、第2の基板に接合層が配置され、該接合層に第1の基板が配置される構成からなる貼り合わせ基板の製造方法であり、該第1の基板と第2の基板は貼り合わせ装置の内部に配置され、該第1の基板のほぼ全面に亘って伸縮性の対物シートが接し、該貼り合わせ装置の内部は、第1の基板と第2の基板が配置された第2の空間と、基板が配置されていない第1の空間が、該対物シートにより貼り合わせ装置内の空間が分離されている。
【0024】
該第1の基板と該第2の基板の接合工程では、該第1の基板と該第2の基板が配置された第2の空間と、基板が配置されていない第1の空間に圧力差を生じさせることで該第1の基板に接した該対物シートを介して、該第1の基板の一部領域を該第2の基板に接触させ、徐々に接合領域を拡大して基板全面の接合を行うものである。
【0025】
基板間を接合した後の、対物シートと第1基板との剥離は、対物シートの粘着性は、基板間の接合層の粘着性と比べて非常に小さいため、対物シート両側の圧力差及び対物シートの巻き上げにより、簡単に対物シートと第1基板間が剥離される。
【0026】
上記方法によれば、簡便な工程で基板接合を均一に行う事ができるとともに、製造工程中の割れ欠けを防止する事ができ、歩留りの向上が図れる。
【0027】
また、本発明においては、接合層を介して第1の基板と第2の基板が配置された構成からなる貼り合わせ基板の製造方法において、対向する第1の基板と第2の基板の少なくとも一方の表面が溝構造を有し、溝の空間部分に接合樹脂が配置され接合層として機能する事を特徴としている。
【0028】
上記構成によれば、製造工程後に貼り合わせ基板を破砕せずに分離する事が容易にできるので基板を再利用でき、コストダウンを図る事ができる。
【0029】
また、本発明においては、接合層を介して第1の基板と第2の基板が配置された構成からなる貼り合わせ基板の製造方法において、対向する該第1の基板と該第2の基板の基板間に溝構造を有し、基板の周囲の接着領域に接合樹脂が配置され、周囲の接着領域より内側の溝領域の空間部分が減圧状態で構成されている事を特徴としている。
【0030】
上記構成によれば、製造工程後に貼り合わせ基板を破砕せずに分離する事が容易にできるので支持基板を再利用でき、コストダウンを図る事ができる。
【0031】
また、本発明においては、接合層を介して第1の基板と第2の基板が配置された構成からなる貼り合わせ基板製造方法において、対向する第1の基板と第2の基板の基板間にスペーサ及び基板周囲の接着領域に接合樹脂が配置され、周囲の接着領域より内側領域が減圧状態で構成されている事を特徴としている。
【0032】
上記構成によれば、製造工程後に貼り合わせ基板を破砕せずに分離する事が容易にできるので支持基板を再利用でき、コストダウンを図る事ができる。
【0033】
また、本発明においては、貼り合わせ基板の製造方法において、接着領域の接着樹脂が、特定の光を照射すると粘着力が低減する接着樹脂で形成されている事を特徴としている。
【0034】
上記構成によれば、製造工程後に貼り合わせ基板を破砕せずに分離する事が容易にできるので支持基板を再利用でき、コストダウンを図る事ができる。
【0035】
本発明の電子部品の製造方法は、第1基板と第2基板を貼り合せた貼り合わせ基板の第1の基板側に電極を形成し、第1基板と第2基板を貼り合せた別の貼り合わせ基板の第1基板側にも電極を形成し、両電極基板を電極面を内側にして、スペーサを介して、シール部で貼り合せる。
【0036】
貼り合わせ後、液晶を注入し、封止した後、電極を形成していない外側の第2基板を光照射によって剥離し、基板厚の薄い電極パターンが形成されている基板どうしで形成された電子部品が製造される。
【0037】
光照射による接着層の剥離によれば、製造工程後に貼り合わせ基板を破砕せずに基板厚の大きい基板(支持基板)を分離する事が容易にできるので、支持基板を再利用でき、コストダウンを図る事ができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の貼り合わせ基板の製造方法の実施例を示す。なお、これによって、実施例を限定するものではない。
【0039】
(実施の形態1)
本発明の製造方法で作られた貼り合わせ基板の構成を第1図に示す。
【0040】
透光性の絶縁性基板の表面に溝構造12を形成して構成される第2の基板11の上に、接着材料を溝の空間部分14に均一に配置されるように塗布し、接合層を形成する。その上に透光性の絶縁性基板からなる第1の基板13を貼り合わせて、貼り合わせ基板10を構成した。
【0041】
第2の基板11として用いた透光性の絶縁性基板としては、コーニング社製の7059基板を用い、エッチング加工やブラスト加工により溝構造を形成した。溝構造としては、V字構造を形成したが、角型形状でも半円形状でもよい。透光性の絶縁性基板11の上に接着材料との密着性を向上させるためカップリング材を塗布した後、UV硬化型のアクリル系接着材料41を溝部分に均一に配置されるようにスロットコート法を用いて塗布した。
【0042】
第2の基板11と第1の基板13の貼り合わせの工程を、第2図から第5図をもとに説明する。貼り合わせ装置筐体21の内部は、第1の基板と第2の基板が配置される第2の空間25aと、上記基板が配置されない第1の空間25bが、対物シート24により空間的に分離されており、各空間は対物シート24により気密性が保たれる。ここで対物シート24としては、気密性、柔軟性を有する素材としてフッ素ゴムを用いたが、シリコンゴムやブチルゴムを用いてもよい(図2)。
【0043】
第2の空間25aへの第1の基板及び第2の基板の導入は、基板搬送ロボットを使って行われる。ロボットアーム22に乗せられた絶縁性基板からなる第2の基板11は第2の空間25aに導入されると、第2基板用の基板ステージ26aから上昇してきた支持ピン28により保持され、ロボットアーム22のみ貼り合わせ装置の筐体21の外へ抜き出される(図3)。
【0044】
その後、支持ピン28が下降する事で、第2の基板11は第2基板用の基板ステージ26aに保持される。ここで第2の基板11は、静電チャックにより第2基板用の基板ステージ26aと密着させる(図3)。同様にロボットアーム23に乗せられた絶縁性基板からなる第1の基板13は、第2の空間25aに導入されるとロボットアーム23が上昇し、第1基板用の基板ステージ26bに接して配置された対物シート24に第1の基板13が保持される(図3)。
【0045】
第1の基板13が密着する対物シート24の表面には粘着層が形成されており、第1の基板13を保持できるようになっている。ここで粘着層の粘着強度は、第2の基板上の接着層の接着強度よりも弱くなるように設定されている。(図3)。
【0046】
第2の基板11と第1の基板13を第2の空間25aに配置し、アーム搬送口扉29a、30aを閉じた後、両基板が配置された第2の空間25aと基板が配置されていない第1の空間25bを同時に真空引きし、貼り合わせ装置の筐体21の内部全体を真空状態にする。この状態で、対物シート24の一端を保持しているシート移動部210を下方に移動させる。
【0047】
これと同時に、シートリール部211より対物シートを送り出し、第4図に示すように第2の基板11に対して、第1の基板13が斜めに配置される状態に設定する。この時、シート移動部210側の第1の基板13の端面が基板位置合わせ部27に接することで、第2の基板と第1の基板が位置ずれしないように配置されている(図4)。
【0048】
次に、第2の基板11と第1の基板13の貼り合わせは、第5図に示すように、真空排気バルブ212を閉じたまま、ガス導入バルブ213を開け、基板が配置されていない第1の空間25bの圧力を徐々に高め、第1の基板13を湾曲させながら第1の基板13の端から順次、第2の基板に密着させていく。
【0049】
この時、ガス導入による圧力上昇で対物シートが延ばされ第1の基板が極度に湾曲しない様に、シートリール部211では、基板の湾曲状態に対応して対物シートを送り出す機構を有している。この工程により第2の基板と第1の基板が隙間なく接着させる事ができる(図5)。
【0050】
貼り合わせ後は、第2の空間25aの圧力を徐々に第1の空間25bの圧力より大きくした後、対物シート24をシートリール部の巻き戻しにより第1の基板13から剥がす。その後、貼り合わせ装置の筐体21の内部を大気圧に戻した後、ロボットアーム22を用いて貼り合わせ基板を取り出して、貼り合わせ工程が完了する。
【0051】
貼り合わせ基板の作製では、第2の基板11の厚みとして1.1mm厚を用い、第1の基板13の厚みとしては0.5mm厚を用いた。第1の基板の厚みが薄いため通常の方法では破損しやすく貼合わせが難しいが、本発明の方法を用いる事で精度良く、薄い第1の基板が破損すること無く貼り合せる事ができた。
【0052】
本発明の方法では、第2の基板11及び第1の基板13の厚みを限定するものではないが、第1の基板としては1.1mm厚以下、より好ましくは0.5mm厚以下を使用するとよい。
【0053】
(実施の形態2)
第1の基板及び第2の基板を用いた貼り合わせ基板を用い、液晶表示装置(電子部品)を作製する工程を第6図に示す。貼り合わせ基板31aの上にスパッタ法によりITOから成る透明導電膜32aを形成する(a)。その上にフォトレジストを塗布し、プリベーク後、ストライプパターンを露光し現像してパターン形成を行い、ITOエッチングする事でストライプ状の透明電極33aを形成する(b)。その上に、ポリイミド材料の配向膜34aをスクリーン印刷して形成し、配向層膜表面をラビング処理する(c)。対向する貼り合わせ基板31bについても同様な工程を通す事で透明電極33b及び配向膜34bを形成し、それぞれの基板上のストライプ状透明電極33a、33bが直交するように配置し、基板31a、31bをスペーサを介してシール部36で貼り合わせる(d)。
【0054】
次に、貼り合わせ基板31a、31bの表面全域に特定の紫外光を照射すると貼り合わせ基板の接着層の接着力が低下し、貼り合わせ基板31aの第2の基板11aと第1の基板13aが容易に分離する事ができる。同様に貼り合わせ基板31bの第2の基板11bと第1の基板13bが容易に分離する事ができる。(e)。その後、両基板に偏光板35を貼り付け、薄い第1の基板13aの基板表面の強度を強化する。対向基板側の薄い第1の基板13bにも同様な工程を通した後、液晶を注入する事で液晶パネルが製造できる(f)。
【0055】
本構成によれば、従来の液晶パネルに比べて薄型化が実現できる。また、第2の基板11a、11bも破砕する事無く分離できるので、再利用する事ができ、製造のコストダウンを図る事ができる。
【0056】
さらに、第1の基板の上にプラスチック基板やシート、偏光板を配置することで、ガラスの割れやすさを防止することができるので軽くて、衝撃に対して強い電子部品を製造することができる。
【0057】
(実施の形態3)
実施の形態1では、貼り合わせ基板10の接合媒体としてUV硬化型のアクリル系接着材料を基板全面に塗布し配置したが、第2の基板と第1の基板を分離するために基板全面に特定のUV光を照射する必要があるため、電子部品にUV光や特定の光に対して劣化しやすい部材を利用している場合は、この方式を利用する事が難しい。この場合には第7図に示すように、第2の基板の周囲の接着領域にUV硬化型のアクリル系接着材料41を塗布し、基板の内側の溝構造の空間部分は減圧状態42にして貼り合わせる事で、貼り合わせ基板40を形成する事ができ、接着性としても接着材が全面の場合と同程度の性能を示すことができる(図7)。
【0058】
これにより、基板に局所的に特定のUV光を照射して第2の基板と第1の基板を分離することができるため、電子部品にUV光や特定の光に対して劣化しやすい部材を利用している場合でも光が当たらない様にすることができる。これにより利用範囲を制限する事なく貼り合わせ基板を使う事ができる。
【0059】
UV硬化型のアクリル系接着材料としては、ここでは接着剤層のみを用いたが、必要に応じてポリイミドやポリオレフィンシートの両面に接着剤層を形成し、これを接合層として使用してもよい。
【0060】
また、接着媒体としてUV硬化型のアクリル系接着材料を用いたが、これに限定されるものではなく、本目的にはシリコンゲル材料等の接着材料を用いることができる。
【0061】
貼り合わせ装置の内部において、基板が配置された第2の空間25aと、基板が配置されていない第1の空間25bの空間的分離を、1つの袋状になった対物シートで行ったが、これに限定されるものではなく、第1の基板の保持と移動を対物シートで行い、空間の分離を気密性、柔軟性を有する別の袋状のゴムを用い、2つを組合わせることにより空間的分離を実現してもよい。
【0062】
(実施の形態4)
別の発明の製造方法で作られた貼り合わせ基板の構成を第8図に示す。
【0063】
透光性の絶縁性基板からなる第2の基板11の表面にスペーサ53を分散して配置し、第2の厚みの大きい基板11の外周部分に接着材料を塗布し接着層51を形成する。次に実施の形態1で示した第2の基板と第1の基板の貼り合わせ方法と同様の方法で、真空中で透光性の絶縁性基板からなる厚みの小さい第1の基板13を、第2の基板11と貼り合せて、貼り合わせ基板50を構成した。
【0064】
第2の基板11として用いた透光性の絶縁性基板には、コーニング社製の7059基板を用いた。また透光性の絶縁性基板からなる支持基板11の上に接着材料との密着性を向上させるためカップリング材を塗布した後、UV硬化型のアクリル系接着材料41を基板周辺部分に均一に配置されるようにディスペンサーを用いて塗布し貼り合わせ基板を形成した。
【0065】
上記実施の形態では、基板としてガラス等の絶縁性基板を用いたがこれに限定されるものではなく、SiやGaAs等の半導体基板、ステンレスやアルミ等の導電性基板を用いて良く、同様の効果が得られる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の貼り合わせ装置、本発明の貼り合わせ基板の製造方法、及び本発明の電子部品の製造方法によれば、第1の基板(薄板)と第2の基板間の接合及び剥離が容易にでき、その結果、第2の基板で補強された貼り合わせ基板を電子部品の製造工程に使用できるため、電子部品製造工程中の割れ欠けが防止でき、歩留まりを向上させることができる。また、工程終了後は基板を破砕すること無く基板と接着層を分離し、第2の基板(支持用の基板)を再利用できるのでコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の貼り合わせ基板の構成を示す概念図である。
【図2】本発明の実施形態の貼り合わせ基板の製造工程の概念図である。
【図3】本発明の実施形態の貼り合わせ基板の製造工程の概念図である。
【図4】本発明の実施形態の貼り合わせ基板の製造工程の概念図である。
【図5】本発明の実施形態の貼り合わせ基板の製造工程の概念図である。
【図6】本発明の実施形態の電子部品の製造工程の概念図である。
【図7】本発明の他の実施形態の貼り合わせ基板の構成を示す概念図である。
【図8】本発明の他の実施形態の貼り合わせ基板の構成を示す概念図である。
【図9】従来の貼り合わせ基板の製造方法の概念図である。
【符号の説明】
10、31a、31b、40、50 貼り合わせ基板
11 第2の基板
12 溝構造
13 第1の基板
21 貼り合わせ装置の筐体
22、23 ロボットアーム
24 対物シート
25a 第1の基板、第2の基板が配置される第2の空間
25b 第1の基板、第2の基板が配置されない第1の空間
26b 第1の基板用の基板ステージ
26a 第2の基板用の基板ステージ
27 基板位置合わせ部
29 アーム搬送口
29a アーム搬送口扉
30 アーム搬送口
30a アーム搬送口扉
32a 透明導電膜
33a ストライプ状の透明電極
34a ポリイミド材料の配向膜
34b ポリイミド材料の配向膜
35 偏光板
36 貼り合わせシール
41 UV硬化型のアクリル系接着材
42 減圧部分
52 液晶
53 スペーサ
61 気密室
62 台車
63 加熱用ヒーター
64 加熱室
210 シート移動部
211 シートリール部
212 真空排気バルブ
213 ガス導入バルブ
214 真空排気バルブ
215 ガス導入バルブ

Claims (10)

  1. 基板の貼り合わせ装置であって、該装置の内部を2つの空間に仕切る変形可能な対物シートと、該対物シートの一方の面に付与された粘着層と、前記2つの空間への気体吸排気手段とを有することを特徴とする基板の貼り合わせ装置。
  2. 前記対物シートを延伸及び巻き戻しするシートリール機構を有することを特徴とする請求項1に記載の基板の貼り合わせ装置。
  3. 貼り合わせ装置の内部を2つの空間に仕切る変形可能な対物シートと、該対物シートの一方の面に付与された粘着層と、前記2つの空間への気体吸排気手段とを有する前記基板の貼り合わせ装置を使用する貼り合わせ基板の製造方法において、前記対物シートの粘着層面に、第1の基板を貼り合わせ、2つの空間への気体の吸入・排気を制御することで、前記対物シートを変形させながら、第1の基板と、第1の基板面側に載置された第2の基板を徐々に、第1基板と第2基板を固定する接合層を介して貼り合わせを行うことを特徴とする貼り合わせ基板の製造方法。
  4. 前記接合層は、対向する前記第1の基板と前記第2の基板の少なくとも一方の表面が溝構造を有し、溝の空間部分に接合樹脂が配置された構成であることを特徴とする請求項3に記載の貼り合わせ基板の製造方法。
  5. 前記接合層は、対向する前記第1の基板と前記第2の基板の少なくとも一方の表面が溝構造を有し、基板の周囲の接着領域に接合樹脂が配置され、該周囲の接着領域より内側の溝構造の空間部分が減圧状態で構成されていることを特徴とする請求項3に記載の貼り合わせ基板の製造方法。
  6. 前記接合層は、対向する前記第1の基板と前記第2の基板の基板間に、スペーサ、及び基板の周囲の接着領域に接合樹脂が配置され、該周囲の接着領域より内側領域が減圧状態で構成されていることを特徴とする請求項3に記載の貼り合わせ基板の製造方法。
  7. 前記接合樹脂が、特定の光を照射すると粘着性が低減する接着材料で構成されていることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の貼り合わせ基板の製造方法。
  8. 請求項3から7のいずれかに記載の製造方法により貼り合わせた貼り合わせ基板の第1の基板側に電極を形成した電極基板と、請求項3から7のいずれかに記載の製造方法により貼り合せた貼り合わせ基板の第1の基板側に電極を形成した別の電極基板とを、第1基板どうしを合い対して貼り合わせた後、電極を形成していない外側の第2の基板の少なくとも片方を剥離させることを特徴とする電子部品の製造方法。
  9. 第1の基板が、第2の基板より薄い基板厚であることを特徴とする請求項3から7のいずれかに記載の貼り合わせ基板の製造方法。
  10. 第1の基板が、第2の基板より薄い基板厚であることを特徴とする請求項8に記載の電子部品の製造方法。
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