JP2008130689A - 薄膜積層デバイスの製造方法及び液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

薄膜積層デバイスの製造方法及び液晶表示装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008130689A
JP2008130689A JP2006312061A JP2006312061A JP2008130689A JP 2008130689 A JP2008130689 A JP 2008130689A JP 2006312061 A JP2006312061 A JP 2006312061A JP 2006312061 A JP2006312061 A JP 2006312061A JP 2008130689 A JP2008130689 A JP 2008130689A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
plastic substrate
support substrate
elastic member
plastic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006312061A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Hara
猛 原
Hisao Ochi
久雄 越智
Tatsu Okabe
達 岡部
Yosuke Kanzaki
庸輔 神崎
Yuya Nakano
悠哉 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2006312061A priority Critical patent/JP2008130689A/ja
Publication of JP2008130689A publication Critical patent/JP2008130689A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)

Abstract

【課題】製造工程において、プラスチック基板12の変形や支持基板11からの剥離を抑制することにより、生産性を高めようとする。
【解決手段】プラスチック基板12に複数の薄膜が積層された薄膜積層デバイスの製造方法であって、支持基板11に上記プラスチック基板12を重ねて配置した状態で、プラスチック基板12の一部に弾性部材13の一部を接着すると共に、支持基板11の一部に弾性部材13の他の一部を接着することにより、プラスチック基板12を支持基板11に支持させるようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、薄膜積層デバイスの製造方法及び液晶表示装置の製造方法に関するものである。
従来から、液晶表示装置等の表示装置の軽量化のために基板の薄型化が図られており、割れやすさ等の観点から、ガラス基板に代えてプラスチック基板を用いた表示装置の研究開発がされている。
プラスチック基板を用いた表示装置の製造方法として、プラスチック基板単体をシート状にして搬送して複数の製造工程を行う方法と、プラスチック基板をロール状にして連続的に送り出して複数の製造工程を行う方法(例えば、特許文献1参照)とが知られている。
しかし、プラスチック基板は、ガラス基板に比べて剛性が小さく、熱変形温度が比較的低いため、加熱処理において、反り返りや膨張収縮等の変形が生じやすい。そのため、プラスチック基板を用いた表示装置は、ガラス基板を用いたものに比べて製造し難い。
これに対して、例えば特許文献2には、ステンレス製の枠にプラスチック基板の額縁領域を接着固定した状態で搬送して複数の製造工程を行うことにより、プラスチック基板の変形を抑制して液晶表示装置を製造する方法が開示されている。
しかし、特許文献2の製造方法では、プラスチック基板が枠の内部でたわみやすいため、プラスチック基板表面の平坦性を確保することが困難となる。特に、加熱処理においては、プラスチック基板と枠との膨張係数の違いにより上記たわみは大きくなるため、プラスチック基板の加熱にムラが生じたり、加熱しながらの成膜では、膜厚にばらつきが生じやすい。
そこで、たわみを生じさせることなく、プラスチック基板の変形を抑制して液晶表示装置を製造する方法として、プラスチック基板を、ガラス基板等の支持基板に接着した状態で搬送する方法が知られている。さらに、繰り返し使用可能な程度の接着力(すなわち、一時的に接着した後に剥がすことができる程度の接着力)を有する接着剤によりプラスチック基板を支持基板に接着する方法も知られている(例えば、特許文献3及び特許文献4参照)。
また、その他に、プラスチック基板を支持基板に接着した状態で搬送する方法として、例えば特許文献5〜特許文献9等が知られている。
特許文献5の製造方法では、プラスチック材料からなる支持基板にプラスチック基板を圧着して貼り付けている。特許文献6及び特許文献7の製造方法では、紫外線照射により接着力が弱まる紫外線硬化型の接着剤によって、プラスチック基板を支持基板に接着している。特許文献8及び特許文献9の製造方法では、加熱処理により接着力が弱まる接着剤により、プラスチック基板を支持基板に接着している。
特開平3−5718号公報 特開昭60−41018号公報 特開平8−86993号公報 特開2000−241823号公報 特開昭58−147713号公報 特開平7−325297号公報 特開平9−105896号公報 特開2000−241822号公報 特開2000−248243号公報
しかしながら、液晶表示装置を製造する工程では、複数回に亘る高温の加熱処理、真空処理、溶剤処理及び洗浄処理等が行われるため、特許文献3及び特許文献4の製造方法のように、繰り返し使用可能な程度の粘着力でプラスチック基板を支持基板に接着した場合には、これらの処理によって、プラスチック基板が支持基板から剥がれてしまうおそれがある。また、特許文献5の製造方法のように、支持基板がプラスチック材料により形成されている場合には、支持基板もプラスチック基板と同様に熱変形温度が比較的低いため、加熱処理において、プラスチック基板が支持基板ごと曲がりやすい。その結果、上述したような加熱ムラや膜厚のばらつきが生じやすい。
また、特許文献6〜特許文献9の製造方法であっても、接着力を弱めるための紫外線照射又は加熱とは別に、複数回に亘る加熱処理及び改質又は洗浄のための紫外線照射処理を行う必要がある。さらに、液晶表示装置の製造には、加熱処理及び紫外線照射処理を含むフォトリソグラフィー法が用いられているため、これらの処理によって接着剤の接着力が低減してプラスチック基板が支持基板から剥がれてしまうおそれがある。
さらに、これら特許文献6〜特許文献9のように、プラスチック基板と支持基板とを接着して固定した場合には、加熱処理において、プラスチック基板と支持基板との膨張係数の違いにより、プラスチック基板が、支持基板ごと曲がったり、支持基板から剥離しやすく、上述したような加熱ムラや膜厚のばらつきが生じやすい。その結果、安定した製造を行うことが難しい。
本発明は、斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、製造工程において、プラスチック基板の変形や支持基板からの剥離を抑制することにより、生産性を高めようとすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、弾性部材を介してプラスチック基板を支持基板に支持させるようにした。
具体的に、本発明に係る薄膜積層デバイスの製造方法は、プラスチック基板に複数の薄膜が積層された薄膜積層デバイスを製造する方法であって、支持基板に上記プラスチック基板を重ねて配置した状態で、弾性部材の一部を上記プラスチック基板の一部に接着すると共に、上記弾性部材の他の一部を上記支持基板の一部に接着することにより、上記プラスチック基板を上記支持基板に支持させる第1工程と、上記支持基板に支持させた上記プラスチック基板に上記複数の薄膜を積層する第2工程と、上記複数の薄膜が積層された上記プラスチック基板を上記支持基板から分離する第3工程とを含む。
上記第1工程では、枠状に形成された上記弾性部材を上記プラスチック基板の額縁領域の全周に亘って接着することが好ましい。
上記支持基板における上記弾性部材が接着される表面には、上記プラスチック基板が配置される側の一部にわずかな凹凸が形成されていることが好ましい。
上記支持基板は、上記プラスチック基板が配置される基板配置領域の周囲の少なくとも一部に、上記基板配置領域に所定の間隔で配置されて上記支持基板の表面に垂直な方向に突出した突部を有し、上記第1工程では、上記突部の先端に上記弾性部材を接着することが好ましい。
上記突部は、上記プラスチック基板が配置される領域の全周に亘って配置されていることが好ましい。
上記第1工程では、上記プラスチック基板を加熱した状態で上記弾性部材を接着することが好ましい。
上記弾性部材の少なくとも一部は、第1保護膜により覆われていることが好ましい。
上記弾性部材は、上記第1保護膜から複数箇所で露出していることが好ましい。
上記第3工程よりも前に、上記弾性部材と上記支持基板との接着部と、上記弾性部材と上記プラスチック基板との接着部との間で上記弾性部材を貫通する貫通孔を形成することが好ましい。
上記第3工程よりも前に、上記プラスチック基板の額縁領域に貫通孔を形成することが好ましい。
上記第2工程は、上記プラスチック基板に対してウェット処理を行う工程と、上記ウェット処理を行う工程よりも前に上記貫通孔を塞ぐ工程とを含むことが好ましい。
上記弾性部材は、シリコン系又はポリテトラフルオロエチレン系ゴムシートであることが好ましい。
上記弾性部材における上記プラスチック基板及び上記支持基板を接着する表面は、鏡面状に形成されていることが好ましい。
上記弾性部材は、シリコン系ゴムシートであり、上記第1工程では、上記弾性部材を上記プラスチック基板及び上記支持基板に接着した後に上記弾性部材を焼成することが好ましい。
上記第1工程では、上記プラスチック基板を上記支持基板に支持させるよりも前に、上記支持基板の上記プラスチック基板を支持する側の全面に第2保護膜を形成し、上記第3工程では、上記プラスチック基板を上記支持基板から分離した後に、上記第2保護膜を上記支持基板から除去することが好ましい。
また、本発明に係る液晶表示装置の製造方法は、それぞれ基板に複数の薄膜が積層された第1基板及び第2基板と、上記第1基板と上記第2基板との間にシール材によって封止された液晶層とを有する液晶表示装置を製造する方法であって、上記第1基板及び上記第2基板の少なくとも一方の上記基板は、プラスチック基板であり、支持基板に上記プラスチック基板を重ねて配置した状態で、弾性部材の一部を上記プラスチック基板の一部に接着すると共に、上記弾性部材の他の一部を上記支持基板の一部に接着することにより、上記プラスチック基板を上記支持基板に支持させる第1工程と、上記支持基板に支持させた上記プラスチック基板に上記複数の薄膜を積層する第2工程と、上記複数の薄膜が積層された上記プラスチック基板を、上記支持基板から分離する第3工程とを含む。
−作用−
次に、本発明の作用について説明する。
製造工程において、加熱又は冷却を伴う処理により、プラスチック基板は、膨張又は収縮する。本発明では、弾性部材の一部を、プラスチック基板の一部に接着すると共に、弾性部材の他の一部を、支持基板の一部に接着するようにしたので、弾性部材は、プラスチック基板の膨張又は収縮に伴って支持基板の表面に水平な方向に生じる力を吸収すると共に分散する。したがって、プラスチック基板は、その全体で支持基板上に支持されながら支持基板の表面に水平な方向に膨張又は収縮することが可能となる。すなわち、プラスチック基板の膨張又は収縮に拘わらず、プラスチック基板の全体が支持基板上に支持される状態が維持される。
特に、枠状に形成された弾性部材を、プラスチック基板の額縁領域の全周に亘って接着する場合には、弾性部材が、プラスチック基板の膨張又は収縮に伴って支持基板の表面に水平な方向に生じる力をより吸収すると共に分散することが可能となる。また、この構成により、プラスチック基板と支持基板との間にエッチング等の溶剤及び洗浄処理のための洗浄液等が浸入することを抑制することが可能となる。
さらに、支持基板における弾性部材が接着される表面のプラスチック基板が配置される側の一部にわずかな凹凸が形成されている場合には、弾性部材は、そのわずかな凹凸が形成された領域において支持基板から剥離しやすくなる。したがって、わずかな凹凸が形成された領域に接着した弾性部材が支持基板から剥離して伸縮及び変形することによって、弾性部材が、プラスチック基板の膨張又は収縮に伴って支持基板の表面に水平な方向に生じる力をより吸収すると共に分散することが可能となる。
また、支持基板が、基板配置領域の周囲に、基板配置領域に所定の間隔で配置されて支持基板の表面に垂直な方向に突出した突部を有し、第1工程において、突部の先端に弾性部材を接着する場合には、プラスチック基板と突部との間には所定の隙間が形成され、弾性部材は、その所定の隙間上においてプラスチック基板及び支持基板に接着することなく配置される。したがって、所定の隙間上に配置された弾性部材が伸縮及び変形することによって、弾性部材が、プラスチック基板の膨張又は収縮に伴って支持基板の表面に水平な方向に生じる力をより吸収すると共に分散することが可能となる。
特に、突部が、プラスチック基板が配置される領域の全周に亘って配置されている場合には、弾性部材が、プラスチック基板の膨張又は収縮に伴って支持基板の表面に水平な方向に生じる力をより吸収すると共に分散することが可能となる。
また、プラスチック基板を加熱した状態で弾性部材を接着する場合には、プラスチック基板は、膨張した状態で弾性部材に接着される。したがって、常温状態では、プラスチック基板は、弾性部材を接着したときの状態、つまり、予め加熱したときの膨張状態よりも支持基板の表面に水平な方向に収縮するが、プラスチック基板の収縮に応じて弾性部材が伸びることによって、プラスチック基板が支持基板に支持される状態が維持される。また、その後の製造工程における加熱を伴う処理によって、プラスチック基板が常温状態よりも膨張した場合には、プラスチック基板の膨張に応じて、弾性部材が伸びた状態から縮むことにより、プラスチック基板は、その全体で支持基板上に支持されながら支持基板の表面に水平な方向に膨張する。すなわち、弾性部材は、プラスチック基板の膨張又は収縮に伴って支持基板の表面に水平な方向に生じる力をより吸収すると共に分散することが可能となる。
さらに、弾性部材の少なくとも一部が、第1保護膜により覆われている場合には、製造工程において、弾性部材がエッチング等の溶剤及び洗浄処理の洗浄液等の水分を吸収することが抑制される。
さらに、弾性部材が、第1保護膜から複数箇所で露出している場合には、弾性部材と第1保護膜との膨張係数の違いによって第1保護膜に生じるひび割れや弾性部材からの剥離が抑制される。
さらに、弾性部材と支持基板との接着部と、弾性部材とプラスチック基板との接着部との間で弾性部材を貫通する貫通孔を形成する場合には、プラスチック基板と支持基板との間の空気や水分等を排出することが可能となる。したがって、製造工程において、加熱や気圧の減圧を伴う処理を行ったとしても、これら空気や水分等の膨張に伴うプラスチック基板の変形が抑制されるため、プラスチック基板は支持基板の表面から離れにくくなる。
また、プラスチック基板の額縁領域に貫通孔を形成することによっても、プラスチック基板と支持基板との間の空気や水分等を排出することが可能となるため、プラスチック基板は支持基板から離れにくくなる。
ところで、上記貫通孔を開口した状態でウェット処理を行った場合には、エッチングの溶剤、洗浄液等の水分及び薬液等が貫通孔を介してプラスチック基板と支持基板との間に浸入するおそれがある。その後、成膜する場合には、プラスチック基板と支持基板との間に浸入した薬液等が気化することにより膜質が低下するおそれがある。また、プラスチック基板と支持基板との間に薬液等が浸入した後に、ウェットエッチングを行うと、エッチング不良を起こすおそれがある。また、洗浄処理を行うと、プラスチック基板の表面が上記薬液等により汚染されて洗浄不良を起こすおそれがある。
そこで、本発明において、上記第2工程が、ウェット処理を行う工程よりも前に貫通孔を塞ぐ工程を含むようにすれば、エッチングの溶剤、洗浄液等の水分及び薬液等がプラスチック基板と支持基板との間に浸入することが抑制されるため、膜質の低下を抑制すると共にエッチング不良及び洗浄不良を抑制することが可能になる。
さらに、弾性部材は、シリコン系又はポリテトラフルオロエチレン系ゴムシートであり、プラスチック基板及び支持基板を接着する表面が鏡面状に形成されている場合には、接着剤を用いることなく、弾性部材をプラスチック基板及び支持基板に接着することが可能となる。
さらに、弾性部材は、シリコン系ゴムシートであり、弾性部材をプラスチック基板及び支持基板に接着した後に弾性部材を焼成する場合には、シリコン系ゴムシート中のシロキサンが発生する。このとき、弾性部材と、支持基板及びプラスチック基板との間で発生したシロキサンが焼成により分解されてSiOとなり、これら弾性部材、支持基板及びプラスチック基板に付着して固まるため、弾性部材と、支持基板及びプラスチック基板との接着力が高まる。また、この焼成によって、予めシリコン系ゴムシート中のシロキサンが除去されるため、その後の加熱を伴う処理において、シリコン系ゴムシートからシロキサンが発生することが抑制される。
第2工程では、支持基板に支持させたプラスチック基板に複数の薄膜が積層される。
第3工程では、複数の薄膜が積層されたプラスチック基板が、支持基板から分離される。
さらに、プラスチック基板を支持基板に支持させるよりも前に、支持基板のプラスチック基板を支持する側の全面に第2保護膜を形成する場合には、製造工程において、プラスチック基板と支持基板とが第2保護膜を介するため、これらプラスチック基板と支持基板とが接着することが抑制される。また、プラスチック基板を支持基板から分離した後に、第2保護膜を支持基板から除去することにより、支持基板から弾性部材等を余すことなく除去することが可能となるため、支持基板を再利用することが可能となる。
本発明によれば、弾性部材の一部を、プラスチック基板の一部に接着すると共に、弾性部材の他の一部を、支持基板の一部に接着するようにしたので、弾性部材は、プラスチック基板の膨張又は収縮に伴って支持基板の表面に水平な方向に生じる力を吸収すると共に分散する。したがって、プラスチック基板は、その全体で支持基板上に支持されながら支持基板の表面に水平な方向に膨張又は収縮することができる。すなわち、プラスチック基板の膨張又は収縮に拘わらず、プラスチック基板の全体が支持基板上に支持される状態を維持することができる。その結果、製造工程において、プラスチック基板の変形や支持基板からの剥離を抑制して、生産性を高めることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
《発明の実施形態1》
図1〜図11は、本発明の実施形態1を示している。図9は、液晶表示装置Sの要部を概略的に示す断面図である。図10は、本実施形態1のアクティブマトリクス基板10の要部を拡大して示す断面図である。図11は、本実施形態1の対向基板30の要部を拡大して示す断面図である。図1〜図8は、アクティブマトリクス基板10及び対向基板30の製造方法を説明する図である。
液晶表示装置Sは、図9に示すように、それぞれ基板に複数の薄膜が積層された一種の薄膜積層デバイスであるアクティブマトリクス基板10及び対向基板30により構成され、アクティブマトリクス基板10と対向基板30とは、対向して配置している。また、液晶表示装置Sは、それらアクティブマトリクス基板10と対向基板30との間に形成された液晶層40を備えている。
アクティブマトリクス基板10には、図示は省略するが、複数の画素が設けられ、各画素には、図10に示す薄膜トランジスタ(TFT)25が形成されている。また、アクティブマトリクス基板10は、液晶層40側の表面に配向膜41が設けられていると共に、液晶層40側とは反対側の表面に偏光板42が設けられている。
アクティブマトリクス基板10は、例えば厚さが0.2mmのプラスチック基板12等により構成され、プラスチック基板12は、例えば、エポキシ樹脂、PET樹脂、PES樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル、ポリカーボネイト及びアクリル樹脂等の少なくとも一つから形成されている。プラスチック基板12には、薄膜トランジスタ25を含む複数の薄膜が積層されており、薄膜トランジスタ25は、走査配線15、信号配線20及びドレイン電極21を有している。
すなわち、図10に示すように、プラスチック基板12の一方の面には、例えばSiNx膜等である第1保護膜14が、150nm等の厚みで形成されている。第1保護膜14の一部には各画素(図示省略)ごとに、例えばTa等からなる走査配線15が100nm以上且つ150nm以下等の厚みで形成されており、これら第1保護膜14及び走査配線15を覆うように、例えばSiNx層等である絶縁層16が、200nm以上且つ500nm以下等の厚みで形成されている。
絶縁層16上の一部には、絶縁層16を介して走査配線15の全体を覆う半導体層17が、例えば10nm以上且つ150nm以下等の厚みで形成されている。半導体層17は、例えば、アルファモスSi、多結晶Si、微結晶Si及び酸化物半導体等の少なくとも一つから形成されている。
半導体層17には、走査配線15と重なるように、例えばSiNx膜等であるチャネル保護層18が100nm以上且つ300nm以下等の厚みで形成されている。半導体層17及びチャネル保護層18には、n型不純物が高濃度にドープされたn+半導体層19が、例えば50nm以上且つ150nm以下等の厚みで形成され、n+半導体層19の一部からはチャネル保護層18が露出している。すなわち、n+半導体層19は、チャネル保護層18上で2つの領域に分断されている。一方のn+半導体層19及び絶縁層16上には信号配線20が形成されている。他方のn+半導体層19及び絶縁層16上にはドレイン電極21が形成されている。このように、走査配線15、信号配線20及びドレイン電極21を有する薄膜トランジスタ25が形成されている。
薄膜トランジスタ25は、例えばSiNx層等である保護層23により覆われている。保護層23の厚みは、例えば100nm以上且つ700nm以下等の大きさである。また、ドレイン電極21上には各画素を構成する画素電極22の一部が、例えば50nm以上且つ200nm以下等の厚みで形成され、ドレイン電極21と画素電極22とは電気的に接続している。このように、薄膜トランジスタ25は、信号配線20とドレイン電極21との間に電圧を印加することにより、信号電圧を画素電極22に与えることができるようになっている。
対向基板30には、図11に示すカラーフィルタ層35やITO等からなる対向電極37等が形成されている。また、対向基板30には、液晶層40側の表面に配向膜43が設けられていると共に、液晶層40側とは反対側の表面には偏光板44が設けられている。
対向基板30は、図11に示すように、例えばプラスチック基板12等により構成され、プラスチック基板12の一方の面には、例えばSiNx膜等である第1保護膜14が150nm等の厚みで形成されている。第1保護膜14上には、各画素を構成する複数のカラーフィルタ層35が所定の間隔で形成されている。隣接するカラーフィルタ層35の間には、これら複数のカラーフィルタ層35を区画するブラックマトリクス層36が形成されており、これらカラーフィルタ層35及びブラックマトリクス層36を覆うように対向電極37が形成されている。
液晶層40は、アクティブマトリクス基板10と対向基板30との間に形成されたシール材45によって封止されている。また、アクティブマトリクス基板10と対向基板30との間には、これら両基板10,30の間隔を均一にする目的で、例えばプラスチックやガラス等からなる柱状スペーサ(図示省略)が形成されている。こうして、液晶表示装置Sは、それぞれ基板に複数の薄膜が積層されたアクティブマトリクス基板10及び対向基板30と、これらアクティブマトリクス基板10と対向基板30との間にシール材45によって封止された液晶層40とを有し、液晶層40における液晶分子の配向を制御して所望の表示を行うようになっている。
−製造方法−
液晶表示装置Sの製造方法には、アクティブマトリクス基板形成工程と、対向基板形成工程と、貼り合わせ工程とが含まれる。
まず、アクティブマトリクス基板形成工程について説明する。アクティブマトリクス基板形成工程には、第1工程と、第2工程と、第3工程とが含まれる。
第1工程では、図1及び図2に示すように、支持基板11にプラスチック基板12を重ねて配置した状態で、弾性部材であるシリコン系ゴムシート(以下、ゴムシートともいう)13の一部をプラスチック基板12の一部に接着すると共に、ゴムシート13の他の一部を支持基板11の一部に接着することにより、プラスチック基板12を支持基板11に支持させる。支持基板11は、例えばガラス基板コーニング1737等のガラス基板である。支持基板11の厚みは、例えば0.7mm等である。
まず、プラスチック基板12を、支持基板11の所定の位置に重ねて配置し、その後、図3に示すように、これら支持基板11及びプラスチック基板12を接着装置50内に配置する。
接着装置50には、プラスチック基板12を支持した支持基板11を配置するための基板ホルダ51と、ゴムシート13を所定の位置に支持することが可能な弾性部材ホルダ52とが設けられている。
弾性部材ホルダ52は、基板ホルダ51に対向して設けられ、弾性部材ホルダ52には、ゴムシート13が所定の位置に支持されている。ゴムシート13は、枠状に形成されており、プラスチック基板12及び支持基板11に接着する表面が鏡面状に形成されている。一方、鏡面状に形成された表面側とは反対側の表面、つまり、後の処理によって第1保護膜14が形成される表面には、凹凸(図示省略)が形成されている。また、接着装置50には、真空ポンプ(図示省略)が設けられており、接着装置50は、この真空ポンプにより接着装置50内の気圧を減圧することが可能になっている。
この接着装置50に支持基板11を導入すると共に基板ホルダ51の所定の位置に配置して、プラスチック基板12をゴムシート13に対向させて配置する。次に、接着装置50内の気圧を真空ポンプを用いて減圧する。このとき、接着装置50の内部の気圧を、スパッタ装置等の、いわゆる、真空処理装置の減圧時の気圧よりも低い気圧にすることが、その後の真空処理装置による処理によりプラスチック基板12と支持基板11との間の空気が膨張することを抑制する観点で好ましい。
次に、プラスチック基板12にゴムシート13を貼り合わせて、ゴムシート13の一部をプラスチック基板12の額縁領域の全周に亘って接着すると共に、ゴムシート13の他の一部を支持基板11のプラスチック基板12が配置された周囲の全周に亘って接着する。そうして、ゴムシート13を介してプラスチック基板12を支持基板11に支持させる。
その後、窒素雰囲気中においてオーブン等によりゴムシート13を、例えば250℃で120分間焼成する。
次に行う第2工程では、支持基板11に支持させたプラスチック基板12に複数の薄膜を積層する。すなわち、プラスチック基板12に薄膜トランジスタ25等を形成する。
まず、プラスチック基板12の支持基板11側とは反対側の面に、例えばスパッタ法等により第1保護膜14を形成する。このとき、ゴムシート13上にも第1保護膜14が形成されるため、ゴムシート13の一部は、第1保護膜14により覆われる。第1保護膜14が形成されたゴムシート13の表面には、凹凸が形成されているため、第1保護膜14はゴムシート13を覆いきれず、ゴムシート13が、第1保護膜14から複数箇所で露出する。
次に、第1保護膜14の一部に走査配線15を形成する。まず、Ta膜を、例えばスパッタ法等により第1保護膜14上に形成し、その後、例えばフォトリソグラフィー法及びドライエッチング等をTa膜に施すことにより、走査配線15をパターン形成する。
次に、絶縁層16及び半導体層17を、例えばCVD法及びフォトリソグラフィー法等により第1保護膜14及び走査配線15上に順に積層して形成し、続いて、これら絶縁層16及び半導体層17を覆うようにSiNx層を、例えばCVD法等により形成する。その後、このSiNx層に対して、例えばフォトリソグラフィー法及びエッチング等を施すことによりチャネル保護層18をパターン形成する。
次に、n+半導体層19を、例えば、CVD法、フォトリソグラフィー法及びエッチング等によりパターン形成する。その後、例えばスパッタ法等により、Ta膜を絶縁層16及びn+半導体層19上に形成した後に、このTa膜に対して、フォトリソグラフィー法及びドライエッチング等を施すことにより、信号配線20及びドレイン電極21をパターン形成する。そうして、プラスチック基板12に薄膜トランジスタ25が形成される。
次に、画素電極22を、例えば、スパッタ法、フォトリソグラフィー法及びエッチング等によりドレイン電極21に電気的に接続するようにパターン形成する。その後、SiNx層を、例えばCVD法等によりプラスチック基板12の薄膜トランジスタ25が形成された側の全面に形成し、このSiNx層に対して、フォトリソグラフィー法やドライエッチング等を施すことにより保護層23をパターン形成する。そうして、各画素ごとに薄膜トランジスタ25を備えたアクティブマトリクス基板10が形成される。
次に、アクティブマトリクス基板10の支持基板11側とは反対側に、例えば印刷法等により配向膜41を設けた後、その配向膜41の表面に液晶分子の配向を制御するためのラビング処理を行う。その後、感光性材料を、例えば2μm以上且つ5μm以下等の厚みでアクティブマトリクス基板10に塗布して焼成した後に、フォトリソグラフィー法によってパターニングすることにより、アクティブマトリクス基板10上に柱状スペーサを形成する。
次に行う第3工程では、薄膜トランジスタ25を含む複数の薄膜が積層されたプラスチック基板12を、支持基板11から分離する。すなわち、図8に示すように、アクティブマトリクス基板10のゴムシート13が接着している額縁領域を、例えばレーザやダイシング装置等を用いて切断する。そうして、アクティブマトリクス基板10を支持基板11から切り離して分離する。
次に対向基板形成工程について説明する。対向基板形成工程についても、第1工程と、第2工程と、第3工程とが含まれる。
第1工程では、アクティブマトリクス基板形成工程と同様に、支持基板11にプラスチック基板12を重ねて配置した状態で、ゴムシート13の一部を、プラスチック基板12の一部に接着すると共に、ゴムシート13の他の一部を、支持基板11の一部に接着することにより、プラスチック基板12を支持基板11に支持させる。ゴムシート13は、アクティブマトリクス基板形成工程で用いたものと同様のものを用いる。
次に行う第2工程では、支持基板11に支持させたプラスチック基板12に複数の薄膜を積層する。すなわち、プラスチック基板12にカラーフィルタ層35や対向電極37を形成する。
まず、プラスチック基板12の支持基板11側とは反対側の面に、例えばスパッタ法等により第1保護膜14を形成する。このとき、アクティブマトリクス基板形成工程と同様に、ゴムシート13上にも第1保護膜14が形成される。その後、カラーフィルタ層35及びブラックマトリクス層36を、例えば印刷法等により形成する。次に、ITO膜等を、例えばスパッタ法等によりカラーフィルタ層35及びブラックマトリクス層36を覆うように形成した後に、このITO膜等に対して、フォトリソグラフィー法及びエッチング等を施すことにより、対向電極37をパターン形成する。そうして、カラーフィルタ層35及び対向電極37を備えた対向基板30が形成される。
次に行う第3工程では、アクティブマトリクス基板形成工程と同様に、対向基板30を支持基板11から切り離して分離する。
その後に行う貼り合わせ工程では、アクティブマトリクス基板10と対向基板30とを貼り合わせる。まず、シール材45を、アクティブマトリクス基板10又は対向基板30の配向膜側の額縁領域に略枠状に形成する。このとき、アクティブマトリクス基板10と対向基板30とを貼り合わせたときに、液晶材料を注入するための、いわゆる、注入口が形成されるようにシール材45を形成する。そうして、これらアクティブマトリクス基板10と対向基板30とを、それぞれ配向膜が設けられた面が対向するようにシール材45を介して貼り合わせて、上記注入口より液晶材料を注入した後、注入口を封止することにより、液晶層40を形成する。
その後、アクティブマトリクス基板10及び対向基板30の液晶層40側とは反対側の面にそれぞれ偏光板41,44を貼り付けて設ける。以上の工程を行って、アクティブマトリクス基板10及び対向基板30を形成し、これらアクティブマトリクス基板10と対向基板30とを貼り合わせた液晶表示装置Sを製造する。
−実施形態1の効果−
したがって、この実施形態1によると、ゴムシート13の一部を、プラスチック基板12の一部に接着すると共に、ゴムシート13の他の一部を、支持基板11の一部に接着するので、ゴムシート13は、プラスチック基板12の膨張又は収縮に伴って支持基板11の表面に水平な方向に生じる力を吸収すると共に分散する。したがって、プラスチック基板12は、その全体で支持基板11上に支持されながら支持基板11の表面に水平な方向に膨張又は収縮することができる。すなわち、プラスチック基板12の膨張又は収縮に拘わらず、プラスチック基板12の全体が支持基板11上に支持される状態を維持することができる。その結果、製造工程において、プラスチック基板12の変形や支持基板11からの剥離を抑制して、生産性を高めることができる。
さらに、枠状に形成されたゴムシート13を、プラスチック基板12の額縁領域の全周に亘って接着すると共に、ゴムシート13の他の一部を支持基板11のプラスチック基板12が配置された周囲の全周に亘って接着しているため、ゴムシート13は、プラスチック基板12の膨張又は収縮に伴って生じる力をより吸収すると共に分散することができる結果、プラスチック基板12の変形や支持基板11からの剥離をより抑制することができる。また、この構成により、プラスチック基板12と支持基板11との間にエッチング等の溶剤及び洗浄処理の洗浄液等が浸入することを抑制することができる。その結果、プラスチック基板12の支持基板11側の表面が、エッチングされることを抑制できると共にプラスチック基板12を支持基板11の表面から離れにくくすることができる。
さらに、ゴムシート13の一部が、第1保護膜14により覆われているため、製造工程において、ゴムシート13が、エッチング等の溶剤及び洗浄処理の洗浄液等の水分を吸収することを抑制できる。
さらに、ゴムシート13が、第1保護膜14から複数箇所で露出しているため、製造工程において、加熱を伴う処理によって、ゴムシート13と第1保護膜14との膨張係数の違いにより第1保護膜14に生じるひび割れやゴムシート13からの剥離を抑制することができる。
さらに、ゴムシート13は、プラスチック基板12及び支持基板11に接着する表面が鏡面状に形成されているため、接着剤を用いることなく、ゴムシート13をプラスチック基板12及び支持基板11に接着することができる。
さらに、第1工程において、予めゴムシート13を焼成することによって、ゴムシート13中のシロキサンが発生する。そうして、ゴムシート13と支持基板11及びプラスチック基板12との間で発生したシロキサンが焼成により分解されてSiOとなり、これらゴムシート13、支持基板11及びプラスチック基板12に付着して固まるため、ゴムシート13と支持基板11及びプラスチック基板12との接着力を高めることができる。また、この焼成によって、予めゴムシート13中のシロキサンを除去することができるため、その後の製造工程での加熱を伴う処理において、ゴムシート13からシロキサンが発生することを抑制することができる。その結果、製造工程において、加熱を伴う処理を行う処理装置の壁面や電極等にSiOが付着することを抑制できる。
《発明の実施形態2》
図12及び図13は、本発明の実施形態2を示している。尚、以降の各実施形態では、図1〜図11と同じ部分については同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。図12は、本実施形態2のアクティブマトリクス基板10の要部を概略的に示す断面図である。図13は、本実施形態2の対向基板30の要部を概略的に示す断面図である。
上記実施形態1では、対向基板30には、カラーフィルタ層35が形成されているとしたが、本実施形態2の液晶表示装置Sは、アクティブマトリクス基板10にカラーフィルタ層35等が形成されている、いわゆる、COA(Color filter On Array)構造を有している。
すなわち、アクティブマトリクス基板10は、図12に示すように、保護層23が薄膜トランジスタ25等を介してプラスチック基板12の全面を覆うように形成されており、この保護層23上には、各画素を構成している複数のカラーフィルタ層35が形成されている。隣接するカラーフィルタ層35はブラックマトリクス層36により区画され、薄膜トランジスタ25上には、ブラックマトリクス層36の一部が形成されている。
カラーフィルタ層35及びブラックマトリクス層36上には、これらカラーフィルタ層35及びブラックマトリクス層36を覆うように、例えばアクリル樹脂層等である平坦化層24が形成されている。平坦化層24上には、各画素ごとにドレイン電極21に電気的に接続している画素電極22が形成されている。尚、画素電極22がドレイン電極21に電気的に接続している状態を示す図示は省略した。
対向基板30は、図13に示すように、プラスチック基板12の一方の面を覆うように第1保護膜14及び対向電極37が順に積層して形成されている。
−製造方法−
本実施形態2のアクティブマトリクス基板10及び対向基板30を形成するアクティブマトリクス基板形成工程及び対向基板形成工程においても、それぞれ支持基板11にプラスチック基板12を重ねて配置した状態で、プラスチック基板12の一部にゴムシート13の一部を接着すると共に、支持基板11の一部にゴムシート13の他の一部を接着することにより、プラスチック基板12を支持基板11に支持させる。そうして、上記実施形態1と同様にそれぞれプラスチック基板12を支持基板11に支持させた状態で、プラスチック基板12にそれぞれ複数の薄膜を積層して、アクティブマトリクス基板10及び対向基板30を形成する。
−実施形態2の効果−
本実施形態2においても、プラスチック基板12の一部にゴムシート13の一部を接着すると共に、支持基板11の一部にゴムシート13の他の一部を接着するため、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。
《発明の実施形態3》
図14及び図15は、本実施形態3を示している。図14は、本実施形態3の支持基板11にゴムシート13を介してプラスチック基板12を支持させている状態を示す断面図である。図15は、図14のプラスチック基板12が膨張した状態を示す断面図である。
本実施形態3の支持基板11におけるゴムシート13が接着される表面には、図14に示すように、プラスチック基板12が配置される側の一部にわずかな凹凸60が形成されている。このわずかな凹凸60は、支持基板11の表面に対して、例えばサンドブラスト等を施して粗面加工することにより形成する。
−実施形態3の効果−
したがって、この実施形態3によると、支持基板11におけるゴムシート13が接着される表面のプラスチック基板12が配置される側の一部にわずかな凹凸60が形成されているため、ゴムシート13は、わずかな凹凸60が形成された領域において支持基板11から剥離しやすい。したがって、例えば、製造工程において、加熱を伴う処理により、プラスチック基板12が膨張した場合には、図15に示すように、わずかな凹凸60が形成された領域に接着したゴムシート13が、支持基板から剥離することによって、ゴムシート13は、より伸縮及び変形することが可能となる。すなわち、ゴムシート13は、プラスチック基板12の膨張又は収縮に伴って支持基板11の表面に水平な方向に生じる力を上記実施形態1よりもさらに吸収できると共に分散することができる。
《発明の実施形態4》
図16及び図17は、本実施形態4を示している。図16は、本実施形態4の支持基板11にゴムシート13を介してプラスチック基板12を支持させている状態を示す断面図である。図17は、図16のプラスチック基板12が膨張した状態を示す断面図である。
本実施形態4の支持基板11は、図16に示すように、プラスチック基板12が配置される基板配置領域の周囲に、基板配置領域に所定の間隔で配置されて支持基板11の表面に垂直な方向に突出した突部61を有している。突部61は、支持基板11の額縁領域の全周に亘って枠状に配置されている。すなわち、支持基板11は、断面略凹状に形成されている。また、突部61は、支持基板11の表面に垂直な方向にプラスチック基板12の厚みと略同じ高さで形成され、先端が支持基板11に配置した状態のプラスチック基板12における支持基板11側とは反対側の面に対して水平な方向に位置するように配置されている。
本実施形態4の第1工程では、支持基板11にプラスチック基板12を重ねて配置した状態で、プラスチック基板12の一部にゴムシート13の一部を接着すると共に、突部61の先端にゴムシート13の他の一部を接着することにより、プラスチック基板12を支持基板11に支持させる。
−実施形態4の効果−
したがって、本実施形態4によると、基板配置領域の周囲の全周に、基板配置領域の所定の間隔で配置されて支持基板11の表面に垂直な方向に突出した突部61を有し、その突部61の先端にゴムシート13を接着するため、プラスチック基板12と突部61との間に所定の隙間62が形成され、ゴムシート13は、所定の隙間62上ではプラスチック基板12及び支持基板11に接着することなく配置される。したがって、例えば、製造工程において、加熱を伴う処理により、プラスチック基板12が膨張した場合には、図17に示すように、所定の隙間62上に配置されたゴムシート13が収縮及び変形することが可能となる。すなわち、ゴムシート13は、プラスチック基板12の膨張又は収縮に伴って支持基板11の表面に水平な方向に生じる力を上記実施形態1よりもさらに吸収できると共に分散することができる。
《発明の実施形態5》
図18及び図19は、本実施形態5を示している。図18は、加熱した状態でゴムシート13が接着されたプラスチック基板12及び支持基板11の常温時の状態を示す断面図である。図19は、図18のプラスチック基板12が膨張した状態を示す断面図である。
本実施形態5の第1工程では、プラスチック基板12を加熱した状態でゴムシート13をプラスチック基板12及び支持基板11に接着する。
すなわち、真空ポンプにより接着装置50内の気圧を減圧すると共に、接着装置50内の温度を、例えば200℃等にすることにより、予めプラスチック基板12を加熱した状態で、接着装置50によりゴムシート13とプラスチック基板12及び支持基板11とを接着する。
−実施形態5の効果−
したがって、本実施形態5によると、プラスチック基板12を加熱した状態でゴムシート13を接着するため、プラスチック基板12は、膨張した状態でゴムシート13に接着される。したがって、常温状態では、プラスチック基板12は、ゴムシート13に接着されたときの状態、つまり、予め加熱したときの膨張状態よりも支持基板11の表面に水平な方向に収縮するが、プラスチック基板12の収縮に応じてゴムシート13が伸びることによって、プラスチック基板12が支持基板11に支持される状態が維持される。また、その後の製造工程における加熱を伴う処理によって、プラスチック基板12が常温状態よりも膨張した場合には、プラスチック基板12の膨張に応じて、ゴムシート13が伸びた状態から縮むことにより、プラスチック基板12は、その全体で支持基板11上に支持されながら支持基板11の表面に水平な方向に膨張する。すなわち、ゴムシート13は、プラスチック基板の膨張又は収縮に伴って支持基板の表面に水平な方向に生じる力を上記実施形態1よりもさらに吸収できると共に分散することができる。
《発明の実施形態6》
図20及び図21は本実施形態6を示している。図20は、ゴムシート13に貫通孔63を形成した状態を示す断面図である。図21は、図20の貫通孔63をシリコン系硬化樹脂部材64により塞いだ状態を示す断面図である。
本実施形態6では、第3工程よりも前に、ゴムシート13に貫通孔63を形成する工程を含んでいる。すなわち、第3工程よりも前に、例えば、スパッタ法又はCVD法等の気圧の減圧を伴う処理を行うときは、その気圧の減圧を伴う処理よりも前に、図20に示すように、ゴムシート13と支持基板11との接着部と、ゴムシート13とプラスチック基板12との接着部との間でゴムシート13を貫通する貫通孔63をカッター又はレーザ加工等により形成する。
さらに、本実施形態6における第2工程は、プラスチック基板12に対してエッチング又は洗浄等のウェット処理を行う工程と、ウェット処理を行う工程よりも前に貫通孔63を塞ぐ工程とを含む。
すなわち、気圧の減圧を伴う処理の後には、プラスチック基板12に対してエッチング又は洗浄等のウェット処理を行う工程よりも前に、図21に示すように、貫通孔63を、例えばシリコン系硬化樹脂部材64等により塞ぐ。このように、シリコン系硬化樹脂部材64により貫通孔63を塞ぐことは、シリコン系硬化樹脂部材64が、耐熱性、耐薬品性に優れると共にシリコン系ゴムシート13に対する密着性が比較的高い点で好ましい。そうして、気圧の減圧を伴う処理よりも前に貫通孔63を形成する工程と、ウェット処理を行う工程よりも前に貫通孔63を塞ぐ工程とを減圧を伴う処理をする度に行って、アクティブマトリクス基板10及び対向基板30を形成する。
−実施形態6の効果−
したがって、本実施形態6によると、ゴムシート13と支持基板11との接着部と、ゴムシート13とプラスチック基板12との接着部との間で貫通孔63を形成しているため、プラスチック基板12と支持基板11との間の空気や水分等を排出することができる。その結果、気圧の減圧を伴う処理を行ったとしても、これら空気や水分等の膨張に伴うプラスチック基板12の変形が抑制されるため、プラスチック基板12を支持基板11の表面から離れにくくすることができる。
ところで、貫通孔63を開口した状態でウェット処理を行った場合には、エッチングの溶剤、洗浄液等の水分及び薬液等が貫通孔63を介してプラスチック基板12と支持基板11との間に浸入するおそれがある。その後、成膜する場合には、プラスチック基板12と支持基板11との間に浸入した薬液等が気化することにより膜質が低下するおそれがある。また、プラスチック基板12と支持基板11との間に薬液等が浸入した後に、ウェットエッチングを行うと、エッチング不良を起こすおそれがある。一方、洗浄処理を行うと、プラスチック基板の表面が上記薬液等により汚染されて洗浄不良を起こすおそれがある。
本実施形態6では、上記第2工程が、ウェット処理を行う工程よりも前に貫通孔63を塞ぐ工程を含むため、エッチングの溶剤、洗浄液等の水分及び薬液等がプラスチック基板12と支持基板11との間に浸入することを抑制できる。その結果、膜質の低下を抑制することができると共にエッチング不良及び洗浄不良を抑制することができる。
《発明の実施形態7》
図22及び図23は、本実施形態7を示している。図22は、支持基板11の額縁領域に貫通孔65を形成した状態を示す断面図である。図23は、図22の貫通孔65をシリコン系ゴム部材66により塞いだ状態を示す断面図である。
本実施形態7では、第3工程よりも前に、プラスチック基板12に貫通孔65を形成する工程を含む。すなわち、第3工程よりも前に、例えば、スパッタ法及びCVD法等により気圧の減圧を伴う処理を行うときには、その気圧の減圧を伴う処理よりも前に、図22に示すように、プラスチック基板12の額縁領域にプラスチック基板12を貫通する貫通孔65をカッター又はレーザ加工等により形成する。
さらに、上記実施形態6と同様に、第2工程は、プラスチック基板12に対してウェット処理を行う工程と、ウェット処理を行う工程よりも前に貫通孔65を塞ぐ工程とを含む。すなわち、気圧の減圧を伴う処理の後には、プラスチック基板12に対してエッチング又は洗浄等のウェット処理を行う工程よりも前に、図23に示すように、貫通孔65を、例えばシリコン系ゴム部材66等により塞ぐ。このシリコン系ゴム部材66は、表面が鏡面状に形成されている。このように、本実施形態7においても、気圧の減圧を伴う処理よりも前に貫通孔65を形成する工程と、ウェット処理を行う工程よりも前に貫通孔65を塞ぐ工程とを減圧を伴う処理をする度に行って、アクティブマトリクス基板10及び対向基板30を形成する。
−実施形態7の効果−
したがって、本実施形態7によっても、気圧の減圧を伴う処理を行うよりも前にプラスチック基板12の額縁領域に貫通孔65を形成するため、プラスチック基板12と支持基板11との間の空気や水分等を貫通孔65から排出することができる。また、第2工程が、ウェット処理よりも前に貫通孔65を塞ぐ工程を含むため、エッチングの溶剤及び洗浄液等の水分等がプラスチック基板12と支持基板11との間に浸入することを抑制できる。その結果、上記実施形態6と同様の効果を得ることができる。
また、シリコン系ゴム部材66の表面は鏡面状に形成されているため、接着剤を用いることなく、シリコン系ゴム部材66により貫通孔65を塞ぐことができる。
《発明の実施形態8》
本実施形態8では、プラスチック基板をロール状にして連続的に送り出して第1保護膜14及び第1保護膜14上にTa膜を形成する。
すなわち、アクティブマトリクス基板形成工程では、ロール状にされたプラスチック基板を連続的に送り出して、プラスチック基板12の一方の面に、例えばスパッタ法等により第1保護膜14を形成する。続いて、第1保護膜14上に、例えばスパッタ法等によりTa膜を形成する。
次に、第1保護膜14及びTa膜が形成されたプラスチック基板を、カッターやレーザ等により所定の大きさに分断し、保護膜14及びTa膜が積層された複数のプラスチック基板12を形成する。次に、プラスチック基板12を、上記実施形態1と同様に、ゴムシート13を介して支持基板11に支持させる。その後、Ta膜に対して、フォトリソグラフィー法及びエッチング等を施すことにより走査配線15を形成する。以降、上記実施形態1と同様の処理を行うことにより、アクティブマトリクス基板10を形成する。
対向基板形成工程では、ロール状にされたプラスチック基板を連続的に送り出して、プラスチック基板の一方の面に、例えばスパッタ法等により第1保護膜14を形成する。
次に、本実施形態8のアクティブマトリクス基板形成工程と同様に、第1保護膜14が形成されたプラスチック基板を所定の大きさに分断して第1保護膜14が形成された複数のプラスチック基板12を形成する。その後、プラスチック基板12をゴムシート13を介して支持基板11に支持させる。以降、上記実施形態1と同様の処理を行うことにより、対向基板30を形成する。
−実施形態8の効果−
したがって、本実施形態8によると、アクティブマトリクス基板形成工程においては、ロール状にされたプラスチック基板を連続的に送り出して第1保護膜14及びTa膜を形成し、その後、ロール状のプラスチック基板を所定の大きさに分断することにより、第1保護膜14及びTa膜が形成された複数のプラスチック基板12を形成する。また、対向基板形成工程においても、ロール状にされたプラスチック基板を連続的に送り出して、プラスチック基板の一方の面に、例えばスパッタ法等により第1保護膜14を形成し、その後、ロール状のプラスチック基板を所定の大きさに分断することにより、第1保護膜14が形成された複数のプラスチック基板12を形成する。その結果、複数のプラスチック基板12に対して、別個に、第1保護膜14、又は、第1保護膜14及びTa膜を形成する必要がないため、製造工程の簡略化を図ることができ、生産性を高めることができる。
《発明の実施形態9》
本実施形態9では、第1工程において、プラスチック基板12を支持基板11に重ねて配置するよりも前に、支持基板11のプラスチック基板12が配置される側の全面に、例えばスパッタ法等により第2保護膜を100nm以上且つ150nm以下等の厚みで形成する。第2保護膜は、例えば、Al、Al合金、Ta、Mo、MoW、MoNb、Ti、ITO、IZO及びSiN等の少なくとも一つにより形成する。このとき、特に、ITO、IZO及びSiN等の少なくとも一つにより第2保護膜を形成した場合には、第2保護膜は透明性を有するため、第2工程において、裏面露光を用いた処理を行うことが可能となる。また、その後に行う第3工程では、プラスチック基板12を支持基板11から分離した後に、第2保護膜を、例えばエッチング等により支持基板11から除去する。
−実施形態9の効果−
したがって、本実形態9によると、プラスチック基板12を支持基板11に重ねて配置するよりも前に、支持基板11のプラスチック基板12が配置される側の全面に第2保護膜を形成することにより、製造工程において、プラスチック基板12と支持基板11とが第2保護膜を介するため、これらプラスチック基板12と支持基板11とが接着することを抑制できる。また、プラスチック基板12を支持基板11から分離した後に、第2保護膜を支持基板11から除去することにより、支持基板11からゴムシート13等を余すことなく除去することができるため、支持基板11を再利用することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態1では、支持基板11は、ガラス基板であるとしたが、本発明はこれに限られず、支持基板11は、金属基板、セラミック基板、樹脂基板等であってもよい。
上記実施形態1では、液晶表示装置Sのアクティブマトリクス基板10及び対向基板30は、プラスチック基板12により構成されているとしたが、本発明はこれに限られず、アクティブマトリクス基板10及び対向基板30の少なくとも一方がプラスチック基板12により構成されていればよい。
上記実施形態1では、走査配線15、信号配線20及びドレイン電極21は、Taにより形成されているとしたが、本発明はこれに限られず、例えば、Al、Mo、MoW、MoNb、Al合金、Ti又はITO等により形成されていてもよい。
上記実施形態1では、薄膜トランジスタ25について、チャネル保護層18を形成するとしたが、本発明はこれに限られず、薄膜トランジスタ25について、チャネル保護層18を形成していなくてもよい。
上記実施形態1では、アクティブマトリクス基板10及び対向基板30をそれぞれ単体で形成するとしたが、本発明はこれに限られず、アクティブマトリクス基板10及び対向基板30は、アクティブマトリクス基板10又は対向基板30をそれぞれ複数枚形成可能な大きさのプラスチック基板母材を用いて形成してもよい。すなわち、アクティブマトリクス基板10を複数枚形成可能な大きさのプラスチック基板母材に対して、アクティブマトリクス基板形成工程を施し、アクティブマトリクス基板母材を形成した後、アクティブマトリクス基板母材を所定の大きさに分断することにより、複数のアクティブマトリクス基板10を形成してもよい。また、対向基板30を複数枚形成可能な大きさのプラスチック基板母材に対して、対向基板形成工程を施し、対向基板母材を形成した後、対向基板母材を所定の大きさに分断することにより、複数の対向基板30を形成してもよい。
また、上記実施形態1では、第1工程において、プラスチック基板12の支持基板11側とは反対側の面、すなわち、プラスチック基板12の一方の面に第1保護膜14を形成するとしたが、本発明はこれに限られず、プラスチック基板12の両面に第1保護膜14を形成してもよい。
すなわち、第1工程において、ゴムシート13を介してプラスチック基板12を支持基板11に支持させて、一方の面に第1保護膜14を形成した後、支持基板11からプラスチック基板12を分離する。続いて、プラスチック基板12の第1保護膜14が形成された側の面が支持基板11側に配置するように、ゴムシート13を介してプラスチック基板12を支持基板11に支持させ、プラスチック基板12の他方の面にも第1保護膜14を形成するようにしてもよい。また、上記実施形態8においても、プラスチック基板12の両面に第1保護膜14を形成してもよい。このように、プラスチック基板12の両面に第1保護膜14を形成すると、プラスチック基板12の防水性及び防湿性を向上させることができる。
上記実施形態1では、接着剤を用いることなくゴムシート13を支持基板11及びプラスチック基板12に接着したが、本発明はこれに限られず、接着剤を用いてゴムシート13を支持基板11及びプラスチック基板12に接着させてもよい。
上記実施形態1では、弾性部材はシリコン系ゴムシート13であるとしたが、本発明はこれに限られず、弾性部材はポリテトラフルオロエチレン系ゴムシートであってもよい。特に、ポリテトラフルオロエチレン系ゴムシートにおけるプラスチック基板12及び支持基板11を接着する表面が、鏡面状に形成されている場合には、上記実施形態1と同様に、接着剤を用いることなく、ポリテトラフルオロエチレン系ゴムシートをプラスチック基板12及び支持基板11に接着することができる。また、その他に、弾性部材は、弾性を有し、製造工程において、プラスチック基板12を支持基板11に支持させた状態を維持することができる強度を有するものであればよい。
上記実施形態1では、ゴムシート13は、枠状に形成されているとしたが、本発明はこれに限られず、ゴムシート13は、ゴムシート13の一部を、プラスチック基板12の一部に接着すると共に、ゴムシート13の他の一部を、支持基板11の一部に接着することにより、プラスチック基板12を支持基板11に支持させることが可能であればよく、複数のゴムシート13を支持基板11上に略枠状に配置させていてもよい。
上記実施形態1では、ゴムシート13上に第1保護膜14を形成したが、本発明はこれに限られず、第1工程において、ゴムシート13を介してプラスチック基板12を支持基板11に支持させた後に、例えばスパッタ法等によりゴムシート13上に樹脂膜や無機膜等を形成し、その後に、第1保護膜14を形成するようにしてもよい。このように、ゴムシート13上に樹脂膜や無機膜等の薄膜を積層することにより、製造工程において、ゴムシート13が水分を吸収することをより抑制することができる。
上記実施形態1では、ゴムシート13の表面に凹凸が形成されているとしたが、本発明はこれに限られず、PIフィルムやポリテトラフルオロエチレンフィルムを、第1保護膜14をゴムシート上13に形成するよりも前に、ゴムシート13上に設けていてもよい。そうすると、PIフィルムやポリテトラフルオロエチレンフィルムが緩衝層として機能するため、製造工程において、加熱を伴う処理によって、ゴムシート13と第1保護膜14との膨張係数の違いによりゴムシート13と第1保護膜14との間に生じるずれを緩やかにして、第1保護膜14に生じるひび割れやゴムシート13からの剥離を抑制することができる。また、ゴムシート13上にPIフィルム又やポリテトラフルオロエチレンフィルムのみを設けるようにしてもよい。
上記実施形態1では、アクティブマトリクス基板10と対向基板30とを貼り合わせた後に液晶材料を注入して液晶層40を形成するとしたが、本発明はこれに限られず、アクティブマトリクス基板10又は対向基板30に液晶材料を滴下した後に、これらアクティブマトリクス基板10と対向基板30とを貼り合わせる、いわゆる滴下注入法を用いることにより液晶層40を形成してもよい。
上記実施形態3では、支持基板11におけるゴムシート13が接着される表面のプラスチック基板12が配置される側の一部にわずかな凹凸60が形成されているとした。また、上記実施形態4では、基板配置領域の周囲の全周に、基板配置領域の所定の間隔で配置されて支持基板11の表面に垂直な方向に突出した突部61を有し、その突部61の先端にゴムシート13を接着するとした。また、その他に、上記実施形態5では、プラスチック基板12を加熱した状態でゴムシート13を接着するとしたが、上記実施形態5の構成と、上記実施形態3又は上記実施形態4の構成とを併せて用いるようにすれば、ゴムシート13の変形がより容易になる点で好ましい。
上記実施形態4では、突部61は、支持基板11の額縁領域の全周に亘って枠状に配置されているとしたが、本発明はこれに限られず、突部61は、支持基板11の額縁領域の一部に配置されていてもよい。
上記実施形態6及び上記実施形態7では、気圧の減圧を伴う処理を行うときには貫通孔63(65)を形成し、ウェット処理を行うよりも前にその貫通孔63(65)を塞ぐとしたが、本発明はこれに限られず、フォトリソグラフィー法における焼成処理等の加熱を伴う処理を行うときにおいても貫通孔63(65)を形成し、その加熱を伴う処理の後には現像処理等のウェット処理を行うよりも前に貫通孔63(65)を塞ぐようにしていてもよい。そうすると、加熱を伴う処理を行った場合においても、上記実施形態6及び上記実施形態7と同様の効果を得ることができる。
上記実施形態8では、プラスチック基板12をロール状にして連続的に送り出してプラスチック基板12に第1保護膜14を形成し、第1保護膜14上にTa膜を形成するとしたが、本発明はこれに限られず、プラスチック基板12に第1保護膜14のみを形成していてもよい。
上記実施形態1では、それぞれプラスチック基板12に複数の薄膜が積層されたアクティブマトリクス基板10及び対向基板30を有する液晶表示装置Sについて説明したが、本発明はこれに限られず、エレクトロルミネッセンス表示装置、プラズマ表示装置、エレクトロクロミック表示装置及びフィールドエミッションディスプレイ等の表示装置の製造方法として適用することが可能であり、プラスチック基板12に複数の薄膜が積層された構造を有するデバイスを製造する方法として適用することが可能である。
以上説明したように、本発明は、薄膜積層デバイスの製造方法及び液晶表示装置の製造方法について有用であり、特に、製造工程において、プラスチック基板の変形や支持基板からの剥離を抑制する場合に適している。
ゴムシートを介してプラスチック基板を支持基板に支持させた状態を示す図である。 図1のII−II線部分の断面図である。 接着装置を概略的に示す断面図である。 アクティブマトリクス基板形成工程において、チャネル保護層を形成した状態を示す断面図である。 アクティブマトリクス基板形成工程において、ドレイン電極及び信号配線を形成した状態を示す図である。 アクティブマトリクス基板形成工程において、保護層を形成した状態を示す図である。 対向基板形成工程において、対向電極を形成した状態を示す図である。 アクティブマトリクス基板及び対向基板を支持基板から分離した状態を示す図である。 液晶表示装置の要部を概略的に示す断面図である。 実施形態1のアクティブマトリクス基板の要部を拡大して示す断面図である。 実施形態1の対向基板の要部を拡大して示す断面図である。 実施形態2のアクティブマトリクス基板の要部を概略的に示す断面図である。 実施形態2の対向基板の要部を概略的に示す断面図である。 実施形態3の支持基板にゴムシートを介してプラスチック基板を支持させた状態を示す断面図である。 図14のプラスチック基板が膨張した状態を示す断面図である。 実施形態4の支持基板にゴムシートを介してプラスチック基板を支持させた状態を示す断面図である。 図16のプラスチック基板が膨張した状態を示す断面図である。 加熱した状態でゴムシートが接着されたプラスチック基板及び支持基板の常温時の状態を示す図である。 図18のプラスチック基板が膨張した状態を示す断面図である。 ゴムシートに貫通孔を形成した状態を示す断面図である。 図20の貫通孔をシリコン系硬化樹脂部材により塞いだ状態を示す断面図である。 支持基板の額縁領域に貫通孔を形成した状態を示す断面図である。 図22の貫通孔をシリコン系ゴム部材により塞いだ状態を示す断面図である。
符号の説明
S 液晶表示装置
10 アクティブマトリクス基板
11 支持基板
12 プラスチック基板
13 シリコン系ゴムシート(弾性部材)
30 対向基板
60 わずかな凹凸
62 所定の隙間
63,65 貫通孔

Claims (16)

  1. プラスチック基板に複数の薄膜が積層された薄膜積層デバイスを製造する方法であって、
    支持基板に上記プラスチック基板を重ねて配置した状態で、弾性部材の一部を上記プラスチック基板の一部に接着すると共に、上記弾性部材の他の一部を上記支持基板の一部に接着することにより、上記プラスチック基板を上記支持基板に支持させる第1工程と、
    上記支持基板に支持させた上記プラスチック基板に上記複数の薄膜を積層する第2工程と、
    上記複数の薄膜が積層された上記プラスチック基板を上記支持基板から分離する第3工程とを含む
    ことを特徴とする薄膜積層デバイスの製造方法。
  2. 請求項1において、
    上記第1工程では、枠状に形成された上記弾性部材を上記プラスチック基板の額縁領域の全周に亘って接着する
    ことを特徴とする薄膜積層デバイスの製造方法。
  3. 請求項1において、
    上記支持基板における上記弾性部材が接着される表面には、上記プラスチック基板が配置される側の一部にわずかな凹凸が形成されている
    ことを特徴とする薄膜積層デバイスの製造方法。
  4. 請求項1において、
    上記支持基板は、上記プラスチック基板が配置される基板配置領域の周囲の少なくとも一部に、上記基板配置領域に所定の間隔で配置されて上記支持基板の表面に垂直な方向に突出した突部を有し、
    上記第1工程では、上記突部の先端に上記弾性部材を接着する
    ことを特徴とする薄膜積層デバイスの製造方法。
  5. 請求項4において、
    上記突部は、上記プラスチック基板が配置される領域の全周に亘って配置されている
    ことを特徴とする薄膜積層デバイスの製造方法。
  6. 請求項1において、
    上記第1工程では、上記プラスチック基板を加熱した状態で上記弾性部材を接着する
    ことを特徴とする薄膜積層デバイスの製造方法。
  7. 請求項1において、
    上記弾性部材の少なくとも一部は、第1保護膜により覆われている
    こと特徴とする薄膜積層デバイスの製造方法。
  8. 請求項7において、
    上記弾性部材は、上記第1保護膜から複数箇所で露出している
    ことを特徴とする薄膜積層デバイスの製造方法。
  9. 請求項1において、
    上記第3工程よりも前に、上記弾性部材と上記支持基板との接着部と、上記弾性部材と上記プラスチック基板との接着部との間で上記弾性部材を貫通する貫通孔を形成する
    ことを特徴とする薄膜積層デバイスの製造方法。
  10. 請求項1において、
    上記第3工程よりも前に、上記プラスチック基板の額縁領域に貫通孔を形成する
    ことを特徴とする薄膜積層デバイスの製造方法。
  11. 請求項9又は請求項10において、
    上記第2工程は、上記プラスチック基板に対してウェット処理を行う工程と、上記ウェット処理を行う工程よりも前に上記貫通孔を塞ぐ工程とを含む
    ことを特徴とする薄膜積層デバイスの製造方法。
  12. 請求項1において、
    上記弾性部材は、シリコン系又はポリテトラフルオロエチレン系ゴムシートである
    ことを特徴とする薄膜積層デバイスの製造方法。
  13. 請求項12において、
    上記弾性部材における上記プラスチック基板及び上記支持基板を接着する表面は、鏡面状に形成されている
    ことを特徴とする薄膜積層デバイスの製造方法。
  14. 請求項12において、
    上記弾性部材は、シリコン系ゴムシートであり、
    上記第1工程では、上記弾性部材を上記プラスチック基板及び上記支持基板に接着した後に上記弾性部材を焼成する
    ことを特徴とする薄膜積層デバイスの製造方法。
  15. 請求項1において、
    上記第1工程では、上記プラスチック基板を上記支持基板に支持させるよりも前に、上記支持基板の上記プラスチック基板を支持する側の全面に第2保護膜を形成し、
    上記第3工程では、上記プラスチック基板を上記支持基板から分離した後に、上記第2保護膜を上記支持基板から除去する
    ことを特徴とする薄膜積層デバイスの製造方法。
  16. それぞれ基板に複数の薄膜が積層された第1基板及び第2基板と、
    上記第1基板と上記第2基板との間にシール材によって封止された液晶層とを有する液晶表示装置を製造する方法であって、
    上記第1基板及び上記第2基板の少なくとも一方の上記基板は、プラスチック基板であり、
    支持基板に上記プラスチック基板を重ねて配置した状態で、弾性部材の一部を上記プラスチック基板の一部に接着すると共に、上記弾性部材の他の一部を上記支持基板の一部に接着することにより、上記プラスチック基板を上記支持基板に支持させる第1工程と、
    上記支持基板に支持させた上記プラスチック基板に上記複数の薄膜を積層する第2工程と、
    上記複数の薄膜が積層された上記プラスチック基板を、上記支持基板から分離する第3工程とを含む
    ことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
JP2006312061A 2006-11-17 2006-11-17 薄膜積層デバイスの製造方法及び液晶表示装置の製造方法 Pending JP2008130689A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006312061A JP2008130689A (ja) 2006-11-17 2006-11-17 薄膜積層デバイスの製造方法及び液晶表示装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006312061A JP2008130689A (ja) 2006-11-17 2006-11-17 薄膜積層デバイスの製造方法及び液晶表示装置の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008130689A true JP2008130689A (ja) 2008-06-05

Family

ID=39556241

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006312061A Pending JP2008130689A (ja) 2006-11-17 2006-11-17 薄膜積層デバイスの製造方法及び液晶表示装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008130689A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2192437A1 (en) 2008-11-28 2010-06-02 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Liquid crystal display device
CN101750821A (zh) * 2008-12-03 2010-06-23 株式会社半导体能源研究所 液晶显示器
JP2011142168A (ja) * 2010-01-06 2011-07-21 Fujifilm Corp 電子デバイスの製造方法および該電子デバイスに用いられる基板
CN104216186A (zh) * 2014-08-15 2014-12-17 京东方科技集团股份有限公司 阵列基板及其制造方法、显示装置
TWI491961B (zh) * 2008-12-25 2015-07-11 Semiconductor Energy Lab 半導體裝置及其製造方法
CN108227478A (zh) * 2017-12-20 2018-06-29 桂林橡胶设计院有限公司 一种小胶片堆叠成轮胎胎面的方法及系统

Cited By (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10008608B2 (en) 2008-11-28 2018-06-26 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Liquid crystal display device
CN101750820A (zh) * 2008-11-28 2010-06-23 株式会社半导体能源研究所 液晶显示装置
US10985282B2 (en) 2008-11-28 2021-04-20 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Liquid crystal display device
US10424674B2 (en) 2008-11-28 2019-09-24 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Liquid crystal display device
EP2192437A1 (en) 2008-11-28 2010-06-02 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Liquid crystal display device
US8441425B2 (en) 2008-11-28 2013-05-14 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Liquid crystal display device
JP2017083893A (ja) * 2008-11-28 2017-05-18 株式会社半導体エネルギー研究所 表示装置
JP2015111291A (ja) * 2008-11-28 2015-06-18 株式会社半導体エネルギー研究所 表示装置
CN106066552A (zh) * 2008-11-28 2016-11-02 株式会社半导体能源研究所 液晶显示装置
US11869978B2 (en) 2008-11-28 2024-01-09 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Liquid crystal display device
CN101750821A (zh) * 2008-12-03 2010-06-23 株式会社半导体能源研究所 液晶显示器
US9348189B2 (en) 2008-12-03 2016-05-24 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Liquid crystal display device
JP2015146466A (ja) * 2008-12-03 2015-08-13 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置
US11175542B2 (en) 2008-12-03 2021-11-16 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Liquid crystal display device
US8395716B2 (en) 2008-12-03 2013-03-12 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Liquid crystal display device
CN105137690A (zh) * 2008-12-03 2015-12-09 株式会社半导体能源研究所 液晶显示器
US10095071B2 (en) 2008-12-03 2018-10-09 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Liquid crystal display device including transistor which includes oxide semiconductor
US10838264B2 (en) 2008-12-03 2020-11-17 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Liquid crystal display device
CN101750821B (zh) * 2008-12-03 2015-11-25 株式会社半导体能源研究所 液晶显示器
TWI491961B (zh) * 2008-12-25 2015-07-11 Semiconductor Energy Lab 半導體裝置及其製造方法
JP2011142168A (ja) * 2010-01-06 2011-07-21 Fujifilm Corp 電子デバイスの製造方法および該電子デバイスに用いられる基板
CN104216186A (zh) * 2014-08-15 2014-12-17 京东方科技集团股份有限公司 阵列基板及其制造方法、显示装置
CN108227478A (zh) * 2017-12-20 2018-06-29 桂林橡胶设计院有限公司 一种小胶片堆叠成轮胎胎面的方法及系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5547901B2 (ja) 表示装置
JP4961271B2 (ja) 液晶表示パネルの製造方法及び液晶表示パネル
TWI392936B (zh) Liquid crystal display device
JP2008130689A (ja) 薄膜積層デバイスの製造方法及び液晶表示装置の製造方法
WO2009107171A1 (ja) 薄膜積層デバイスの製造方法及び表示装置の製造方法、並びに、薄膜積層デバイス
JP2009047736A (ja) 表示装置とその製造方法
WO2009147769A1 (ja) 表示装置の製造方法及び表示装置
JP2005099409A (ja) アクティブマトリクス基板及びその製造方法、中間転写基板
JP2007148449A (ja) 液晶表示装置
JP2017044714A (ja) 表示装置
US20070013861A1 (en) Apparatus for and method of manufacturing liquid crystal display
US8873017B2 (en) Liquid crystal display device and method of manufacturing the same
WO2013071838A1 (zh) 彩膜基板、tft阵列基板及其制造方法和液晶显示面板
KR101033551B1 (ko) 액정 표시 기판 반송용 지그 및 이를 이용한 액정 표시장치의 제조 방법
JP2008170673A (ja) 液晶表示パネルの製造装置及び製造方法
JP4621713B2 (ja) アクティブマトリクス型表示装置
JP4999836B2 (ja) 表示パネルの製造方法
JP2004053851A (ja) 液晶表示装置の製造方法
KR101274716B1 (ko) 평판 표시 소자의 제조 장치 및 방법
JP2015036721A (ja) 液晶表示パネル及び液晶表示パネルの製造方法
JP2002072905A (ja) 薄膜積層デバイスの製造方法および液晶表示素子の製造方法
JP2006178301A (ja) 液晶表示装置とその製造方法
JP2017044715A (ja) 表示装置
JP2008275651A (ja) 表示装置及びその製造方法
JP2009177090A (ja) 薄膜積層デバイスの製造方法及び液晶表示装置の製造方法