JP3820669B2 - 換気用の多翼ファン式送風機 - Google Patents

換気用の多翼ファン式送風機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、台所の壁に取付ける換気用の多翼ファン式送風機に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1に示す換気用送風機の取付構造が知られている。すなわち、台所の壁1に角穴2を形成し、その角穴2に取付枠3を嵌合して取付ける。この取付枠3に送風機4のハウジング5を室内から挿入して壁1の室内面1aに取付ける。前記送風機4はハウジング5内にプロペラファン6を設けると共に、揺動式のシャッタ7を取付けたプロペラ式送風機としてある。また、調理時に発生した燃焼ガス等を効率良く送風機4で吸引して捕集効率を向上するために壁1の室内面1aにフード8が取付けてある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述の換気用送風機の取付構造であると、送風機4のハウジング5がフード8内に突出しているからフード8の捕集空間がハウジング5によって小さくなって、燃焼ガス等の捕集効率が悪い。
そこで、フード8の深さ(上下方向寸法)、幅(左右方向寸法)奥行(壁1から前面板8aまでの寸法)を大きくし、ハウジング5のために小さくなった分だけ捕集空間を大きくし、燃焼ガス等の捕集効率を向上している。
【0004】
このために、フード8が大型となり、フード8が大変目立つから台所の人の美観を損なう原因となる。
【0005】
また、シャッタ7を閉じた状態でも雨・風等がシャッタ7の隙間から室内に入り込むことがあるし、シャッタ7を開いて換気する際に空気が矢印aで示すようにほぼ真横に向けて排出されて近隣住宅へ悪影響を及ぼす。これらを防止するためにウエザーカバー9を取付けている。
【0006】
前述のウエザーカバー9の奥行き寸法Lを大きく確保しなければ圧力損失が上昇し、排気風量が減少するので、ウエザーカバー9は大きなものとなり、コストの面や取付作業性の面で不利となる。
【0007】
他方、近年住宅リフォームにおいてアルミサッシなどの普及に伴い室内の高気密化が進んでおり、プロペラ式送風機では十分な換気風量が得られないので、ターボファン、シロッコファン等の多翼ファンを用いた多翼ファン式送風機を用いることが考えられる。
【0008】
しかしながら、図1に示すように住宅リフォーム前にプロペラ式送風機が取付けてある場合には壁1に取付枠3が設けてあるから、そのプロペラ式送風機に替えて多翼ファン式送風機を取付けるには大掛かりな工事を伴う。
【0009】
また、多翼ファン式送風機はプロペラ式送風機に比べて大型であるから、プロペラ式送風機用のフード8を兼用すると、前述のように捕集空間が狭くなって燃焼ガス等の捕集効率が低下する。
【0010】
また、多翼ファン式送風機を取付ける時にフード8が邪魔となり、その取付け作業が大変やりずらい。
【0011】
このように、住宅リフォーム等に基づいて既設のプロペラ式送風機を多翼ファン式送風機と交替することは大変面倒なものである。
【0012】
そこで、本発明は前述の課題を解決できるようにした換気用の多翼ファン式送風機を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前面10aに吸気口21、外面10bに排気口26を有する密閉されたファン収納用箱体10と、このファン収納用箱体10の前面に取付けた取付用アダプター11でハウジング12とし、
前記ファン収納用箱体10内に電動モータ13と、この電動モータ13で回転される多翼ファン14を備え、
前記取付用アダプター11を壁1の取付枠3内に挿入し、ファン収納用箱体10が壁1よりも室外に突出した状態で取付けるようにし、
前記ファン収納用箱体10の外面10bは多角形状で、その下半分の各面に排気口と同一形状のハーフカット部25がそれぞれ形成され、いずれか1つのハーフカット部25を打ち抜くことで排気口26とし、その排気口26に排気ダクト20を接続し、
前記ファン収納用箱体10の外面10bを、前面10a側が大きく、背面10c側が小さくなるように水平に対して斜めとしたことを特徴とする換気用の多翼ファン式送風機である。
【0015】
【作用】
本発明によれば、換気用の多翼ファン式送風機を、そのハウジング12が取付枠3から室内に突出しないように取付け、壁1の室内面1aに設けたフード8内に突出しないようにできるから、小型のフード8によって大きな捕集空間が得られる。したがって、小型のフード8を用いて捕集効率を向上できるし、フード8が目立つことがなく台所の人の美観を損なう原因となることもない。
【0016】
また、フード8はハウジング12によって形状の制約を受けないので、任意な形状とすることができる。これによって、台所のデザインと合致したような様々なデザインとすることができる。
【0017】
また、ファン収納用箱体10は排気口26と給気口21以外は密閉された箱状であり、その排気口26に排気ダクト20が接続して取付けてあるから、ファン収納用箱体10が外部に露出しているにもかかわらず雨・風等がハウジング12内に入り込むことがないし、排気ダクト20から壁1とほぼ並行に排気される。
【0018】
これによって、ウエザーカバーを用いることなく雨・風等がハウジング12内に入り込むことがないし、近隣住宅へ悪影響を及ぼすこともない。
【0019】
また、既設のプロペラ式送風機を取り外して多翼ファン式送風機を取付ける場合には、プロペラ式送風機を取り外して取付枠3を残存させ、その残存した取付枠3に室外から取付用アダプター11を挿入して、取付けできる。
【0020】
これによって、取付枠3を兼用できるから工事が簡単となるし、フード8が邪魔にならないので、住宅リフォーム等に基づいて既設のプロペラ式送風機を多翼ファン式送風機に簡単に交替できる。
【0021】
また、ファン収納用箱体10の外面10bは多角形で、その下半分の各面にハーフカット部25がそれぞれ形成され、いずれか1つのハーフカット部25を打ち抜くことで排気口26とし、その排気口26に排気ダクト20を取付けるので、その排気ダクト20を下向き、斜め下向き、横向きのいずれかに選択して取付けできるので、排気方向を下向き、斜め下向き、横向きのいずれかに選択できる。
【0022】
これによって、送風機の下方に物がある場合には排気方向を、その物に向わないようにして物が排気で汚れないようにできるし、送風機の下方に物が無い場合には下方に排気して周囲への排気の影響を最小限にできる。
【0023】
また、ファン収納用箱体10の外面10bに取付けた排気ダクト20が垂直に対して背面10c側に向けて斜めとなる。
【0024】
これによって、排気用の多翼ファン式送風機を取付けた状態で、排気ダクト20が壁1の室外面1bから離れる方向に向けて斜めとなり、排気が壁1の室外面1bに強く吹きつけられることがない。したがって、排気で壁1の室外面1bを汚すことを防止できる。
【0025】
また、ファン収納用箱体10の上面に沿って雨水、埃等が流れ落ちるから、その上面に雨水、埃等が溜ることがない。
【0026】
【発明の実施の形態】
図2に示すように、ファン収納用箱体10と、このファン収納用箱10の前面10aに設けた取付用アダプター11でハウジング12としてある。前記ファン収納用箱体10内には電動モータ13と、この電動モータ13で回転されるターボファン、シロッコファン等の多翼ファン14が設けてあり、これによって多翼ファン式送風機15としてある。
【0027】
前記取付用アダプター11は図3に示すように、取付枠3の内面形状と同一形状で同一大きさの筒状であり、その前面寄りにフィルター16が取付けてある。前記取付用アダプター11はフランジ17を備え、こフランジ17がビス18でファン収納用箱体10の前面10aに取付けてある。
【0028】
前記ファン収納用箱体10は外面10bが多角形状で、取付用アダプター11よりも大きいので、その前面10aが壁1の室外面1bに接する。
【0029】
前記ファン収納用箱体10の外面10bには排気口が形成してあり、この排気口に排気ダクト20が取付けてある。この排気ダクト20は壁1とほぼ平行で下向きとしてある。ファン収納用箱体10の前面10aにはベルマウスと呼ばれる吸気口21が形成され、この吸気口21がフィルタ16を経てフード8内に開口している。
【0030】
前記排気ダクト20にはシャッター装置22が取付けてある。このシャッター装置22は電動モータ23でシャッター24を揺動して排気ダクト20を開・閉する電動式のシャッター装置としてある。
【0031】
前記取付用アダプター11が取付枠3内に挿入され、ファン収納用箱体10の前面10aが壁1の室外面1bに接して取付けられる。例えば、取付用アダプター11の内部からビスを取付枠3の内面に固着し、前面10aをビスで取付枠3の室外面に固着して取付ける。
【0032】
前述のように、多翼ファン式送風機15のハウジング12はフード8内に突出しないから、小型のフード8によって大きな捕集空間が得られる。したがって、小型のフード8を用いて捕集効率を向上できるし、フード8が目立つことがなく台所の人の美観を損なう原因となることもない。
【0033】
また、フード8はハウジング12によって形状の制約を受けないので、任意な形状とすることができる。これによって、台所のデザインと合致したような様々なデザインとすることができる。
【0034】
また、ファン収納用箱体10は排気口と吸気口21以外は密閉された箱状であり、その排気口に排気ダクト20が接続してあるから、外部に露出しているにもかかわらず雨・風等がハウジング12内に入り込むことがないし、排気ダクト20から壁1とほぼ平行に排気される。
【0035】
これによって、ウエザーカバーを用いることなく、雨・風等がハウジング12内に入り込むことがないし、近隣住宅へ悪影響を及ぼすこともない。
【0036】
また、図1に示す既設のプロペラ式送風機を取り外して多翼ファン式送風機を取付ける場合には、プロペラ式送風機を取り外して取付枠3を残存させ、その残存した取付枠3に室外から取付用アダプター11を挿入して取付けできる。
【0037】
これによって、取付枠3を兼用できるから工事が簡単となるし、フード8が邪魔にならないので、住宅リフォーム等に基づいて既設のプロペラ式送風機を多翼ファン式送風機に簡単に交替できる。
【0038】
前記ファン収納用箱体10の外面10bにおける多角形状の下半分の各面には排気口と同一形状にハーフカット部25がそれぞれ形成され、いずれか1つのハーフカット部25を打ち抜くことで排気口26を下向き、斜め下向き、横向きに選択できるようにしてある。
【0039】
このようであるから、図4、図5に示すように排気ダクト20を下向き、斜め下向き、横向きのいずれかを選択して取付けできるので、排気方向を下向き、斜め下向き、横向きのいずれかに選択することができる。
【0040】
したがって、多翼ファン式送風機15の下方にエアコンの室外機27や植物28等の排気が当ることで汚れたり、悪影響を及ぼす物がある場合等に、その物に排気が当らないようにできる。
【0041】
また、ファン収納用箱体10の外面10bを多角形とすることで上面の面積 (長さ)が小さくなるので、雨や埃などが溜りずらくなる。
【0042】
図6に示すように、ファン収納用箱体10と取付用アダプター11を別体とし、両者を連結することでハウジング12とすると共に、寸法の異なる複数の取付用アダプター11を準備する。
【0043】
このようにすれば、寸法の異なる取付枠3にファン収納箱体10を共通した多翼ファン式送風機15を取付けできる。
【0044】
図7と図8に示すように、ファン取付用箱体10の外面10bを前面10a側が大きく、背面10c側が小さくなるように水平に対して斜めの形状とする。
【0045】
このようにすれば、真直な排気用ダクト20を外面10bに取付けることで、その排気用ダクト20が垂直に対して排出部が壁1から離れるように斜めとなる。したがって、排気用ダクト20から排出される排気が壁1の室外面1bに吹きつけられることがなく、壁1の室外面1bが排気で汚れることを大幅に軽減できる。
【0046】
また、ファン収納用箱体10の外面10bにおける上部に溜った雨水、埃が流れ落ちるので、雨水や埃が溜ることがない。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、換気用の多翼ファン式送風機を、そのハウジング12が取付枠3から室内に突出しないように取付け、壁1の室内面1aに設けたフード8内に突出しないようにできるから、小型のフード8によって大きな捕集空間が得られる。したがって、小型のフード8を用いて捕集効率を向上できるし、フード8が目立つことがなく台所の人の美観を損なう原因となることもない。
【0048】
また、フード8はハウジング12によって形状の制約を受けないので、任意な形状とすることができる。これによって、台所のデザインと合致したような様々なデザインとすることができる。
【0049】
また、ファン収納用箱体10は排気口26と給気口21以外は密閉された箱状であり、その排気口26に排気ダクト20が接続して取付けてあるから、ファン収納用箱体10が外部に露出しているにもかかわらず雨・風等がハウジング12内に入り込むことがないし、排気ダクト20から壁1とほぼ並行に排気される。
【0050】
これによって、ウエザーカバーを用いることなく雨・風等がハウジング12内に入り込むことがないし、近隣住宅へ悪影響を及ぼすこともない。
【0051】
また、既設のプロペラ式送風機を取り外して多翼ファン式送風機を取付ける場合には、プロペラ式送風機を取り外して取付枠3を残存させ、その残存した取付枠3に室外から取付用アダプター11を挿入して、取付けできる。
【0052】
これによって、取付枠3を兼用できるから工事が簡単となるし、フード8が邪魔にならないので、住宅リフォーム等に基づいて既設のプロペラ式送風機を多翼ファン式送風機に簡単に交替できる。
【0053】
また、ファン収納用箱体10の外面10bは多角形で、その下半分の各面にハーフカッ ト部25がそれぞれ形成され、いずれか1つのハーフカット部25を打ち抜くことで排気口26とし、その排気口26に排気ダクト20を取付けるので、その排気ダクト20を下向き、斜め下向き、横向きのいずれかに選択して取付けできるので、排気方向を下向き、斜め下向き、横向きのいずれかに選択できる。
【0054】
これによって、送風機の下方に物がある場合には排気方向を、その物に向わないようにして物が排気で汚れないようにできるし、送風機の下方に物が無い場合には下方に排気して周囲への排気の影響を最小限にできる。
【0055】
また、ファン収納用箱体10の外面10bに取付けた排気ダクト20が垂直に対して背面10c側に向けて斜めとなる。
【0056】
これによって、排気用の多翼ファン式送風機を取付けた状態で、排気ダクト20が壁1の室外面1bから離れる方向に向けて斜めとなり、排気が壁1の室外面1bに強く吹きつけられることがない。したがって、排気で壁1の室外面1bを汚すことを防止できる。
【0057】
また、ファン収納用箱体10の上面に沿って雨水、埃等が流れ落ちるから、その上面に雨水、埃等が溜ることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のプロペラ式送風機の取付け状態の断面図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態を示す送風機の取付け状態の断面図である。
【図3】 多翼ファン式送風機の前面図である。
【図4】 送風機取付部の全体断面図である。
【図5】 図5の室外視図である。
【図6】 多翼ファン式送風機の他の例を示す分解正面図である。
【図7】 本発明の第2の実施の形態を示す取付け状態の断面図である。
【図8】 多翼ファン式送風機の背面図である。
【符号の説明】
1…壁、1a…室内面、1b…室外面、3…取付枠、4…プロペラ式送風機、5…ハウジング、8…フード、9…ウエザーカバー、10…ファン収納用箱体、10a…前面、10b…外面、10c…背面、11…取付用アダプター、12…ハウジング、13…電動モータ、14…多翼ファン、15…多翼ファン式送風機、17…フランジ、18…ビス、20…排気ダクト、21…吸気口、22…シャッター装置、23…電動モータ、24…シャッター、26…排気口、27…室外機、28…植物、30…ガイド部。

Claims (1)

  1. 前面10aに吸気口21、外面10bに排気口26を有する密閉されたファン収納用箱体10と、このファン収納用箱体10の前面に取付けた取付用アダプター11でハウジング12とし、
    前記ファン収納用箱体10内に電動モータ13と、この電動モータ13で回転される多翼ファン14を備え、
    前記取付用アダプター11を壁1の取付枠3内に挿入し、ファン収納用箱体10が壁1よりも室外に突出した状態で取付けるようにし、
    前記ファン収納用箱体10の外面10bは多角形状で、その下半分の各面に排気口と同一形状のハーフカット部25がそれぞれ形成され、いずれか1つのハーフカット部25を打ち抜くことで排気口26とし、その排気口26に排気ダクト20を接続し、
    前記ファン収納用箱体10の外面10bを、前面10a側が大きく、背面10c側が小さくなるように水平に対して斜めとしたことを特徴とする換気用の多翼ファン式送風機。
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