JP3820297B2 - ユニット式建物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工業化住宅としてのユニット式建物に関する。
【0002】
【背景技術】
工業化住宅としてのユニット式建物は、予め工場で生産された標準大きさの複数の建物ユニット等を現場で組み合わせることにより建てられる。
この建物ユニットは、図10に示すように、四隅に立設される4本の柱2と、これらの柱2の上端間同士および下端間同士を結合する各4本の上梁3、下梁4を有する骨組み5を備えてほぼ箱状に形成され、このような骨組み5には、天井面材や床面材および内壁や外壁等が取り付けられるようになっている。そして、このような建物ユニット1は、トラック輸送の可能な標準大きさに形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、住居内に例えば広い居間等のような大居住空間が形成されている場合、より快適な生活環境が得られる。
しかし、標準大きさの建物ユニットを組み合わせて建てられるユニット式建物では、隣接する建物ユニットの境界に、各建物ユニットの柱が集まることになり、この柱が邪魔となって、大居住空間を形成することが困難であるという問題がある。
この場合、各建物ユニットの柱が集まる箇所のそれぞれの柱を取り外すことも考えられるが、そうすると、1本の柱がなくなるので建物ユニットの剛性が小さくなり、結果としてユニット式建物全体の剛性も小さくなるという問題が生ずることになる。
【0004】
本発明の目的は、1本の柱がなくても剛性を維持することができ、かつ、内部に柱のない大空間を容易に形成することができるユニット式建物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1発明のユニット式建物は、図面を参照して説明すると、図1に示すように、横に並んで連結された2つの建物ユニット10を備えたユニット式建物20であって、2つの建物ユニット10は、それぞれ、四隅に立設される4本の柱とこれらの柱の上端間同士および下端間同士を結合する各4本の上梁3、下梁4のうち、1本の柱が取り外された骨組み15と、上梁3側に配置された補強部11とを備え、これら2つの建物ユニット10は、それぞれの柱のない角部同士が対向した状態で配設され、補強部11は、4本の上梁3のうち他の建物ユニット10と対向する側以外の3本の上梁3A,3Bに沿って平面コ字形状に設けられ、当該補強部11における3本の柱2A〜2Cと交差する部位はそれぞれに対応した柱2A〜2Cに結合され、当該補強部11における他の建物ユニット10と対向する端部には他の建物ユニット10の補強部11と連結される連結部17が形成されていることを特徴とするものである。
【0006】
以上において、補強部における連結部は、この建物ユニットと同じ構造で補強部が勝手違いに形成されており、また、補強部の構造はどのようなものでもよく、例えば、棒材、パイプ材等を単体で設けてもよく、あるいは、枠組み形成したものを設けてもよいが、上梁の下方に主材を設けるとともにこれらの間にラチスを架けわたしたラチス構造とすることが好ましい。
【0007】
このような本発明では、建物ユニットは、上梁側に補強部が設けられているので強度が大きくなり、柱が1本なくても剛性を確保することができる。また、このような建物ユニットを4個隣り合わせて設けることができ、このとき、補強部同士を連結できるので、ユニット式建物においても剛性を確保することができ、かつ、4つの建物ユニットにわたる柱なし大空間を容易に形成することができる。
【0008】
本発明の第2発明のユニット式建物は、図1に示すように、請求項1に記載のユニット式建物における補強部11を、ラチス構造としたことを特徴とするものである。
【0009】
以上において、主材の間に架けわたすラチス材の種類は限定されず、棒材、パイプ材等を使用することができる。
このような本発明では、補強部がラチス構造となっているので、せんだん力変形を防止でき、かつ、大きな曲げ耐力を有し、これにより、柱が1本なくても剛性を確保することができる。
【0010】
本発明の第3発明のユニット式建物は、図面を参照して説明すると、図5に示すように、横に並んだ2つの建物ユニット50と、これら建物ユニット50のそれぞれの上部に取り付けられると共に、互いに対向する端部同士が連結された2つの補強ユニット40と、を備えたユニット式建物60であって、2つの建物ユニット50は、それぞれ、四隅に立設される4本の柱とこれらの柱の上端間同士および下端間同士を結合する各4本の上梁、下梁のうち、1本の柱が取り外された骨組み55を備え、これら2つの建物ユニット50は、それぞれの柱のない角部同士が対向した状態で配設され、2つの補強ユニット40は、それぞれに対応する建物ユニット50の平面大きさと対応し、かつ、対向配置された他の補強ユニット40側が開口した平面コ字形状となる3つの垂直面を有した耐力壁部40A〜40Cを備え、耐力壁部40A,40Cにおける他の補強ユニット40と対向する端部には他の補強ユニット40の耐力壁部40A,40Cと連結される連結部47が形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
以上において、補強ユニットの構造はどのようなものでもよく、例えば、棒材、パイプ材等を単体で設けてもよく、あるいは、枠組み形成したものを設けてもよいが、上下の主材間にラチスを架けわたしたラチス構造とすることが好ましい。また、補強ユニットの形状を3つの辺に沿った平面コ字状とするには、3つのユニットを形成してそれらを組み立ててもよいし、平面コ字状にユニット化したものとしてもよい。
【0012】
このような本発明では、耐力壁部を有する補強ユニットが建物ユニットの上部に設けられるので、建物ユニットの強度が大きくなり、これにより、建物ユニットの柱が1本なくても剛性を確保することができる。また、このような補強ユニットを建物ユニットの上に載せた状態で4個隣り合わせて設けることができ、このとき、補強ユニット同士を連結できるので、ユニット式建物においても剛性を確保することができ、かつ、4つの建物ユニットにわたる柱なし大空間を容易に形成することができる。さらに、3つの垂直面を備えた補強ユニットの平面大きさと、建物ユニットの平面大きさとが対応しているので、補強ユニットの建物ユニットへの取り付け作業時の位置決めが容易となり、作業効率の向上を図ることができる。
【0013】
本発明の第4発明のユニット式建物は、図5に示すように、請求項3に記載のユニット式建物における耐力壁部40A〜40Cの3つの垂直面のうち、少なくとも1つの垂直面をラチス構造としたことを特徴とするものである。
【0014】
このような本発明では、耐力壁部40A〜40Cの3つの垂直面のうち、少なくとも1つの垂直面がラチス構造となっているので、せんだん力変形を防止でき、かつ、大きな曲げ耐力を有し、これにより、建物ユニットは柱が1本なくても剛性を確保することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
この実施形態において、前記従来の建物ユニットの部材と同一部材には同一符号を付すとともに、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図1に示すように、第1実施形態の建物ユニット10は、前記建物ユニット1の4本の柱2のうち、1本の柱が取り除かれた形状、つまり、第1の柱2A、第2の柱2Bおよび第3の柱2Cを含む骨組み15を備えて形成されており、この骨組み15はラチス構造の補強部11を有している。
【0018】
この補強部11は、建物ユニット10の一つの長辺と二つの短辺に沿って設けられ平面コ字状に形成されている。
すなわち、補強部11は、第1の柱2Aの上端に設けられた短辺上梁3Aの下部に形成された第1補強部11A、第1の柱2Aと第2の柱2Bとに架けわたされた長辺上梁3Bの下部に形成された第2補強部11Bおよび、第2の柱2Bと第3の柱2Cとに架けわたされた短辺上梁3Aの下部に形成された第3補強部11Cとで構成されている。
【0019】
それぞれの補強部11A〜11Cは、上梁3A、3Bの所定寸法下方に当該上梁3A、3Bと上下に平行に設けられた主材12を備えている。
これらの主材12のうち、第2補強部11Bと第3補強部11Cの主材12の両端部はそれぞれ各柱2A、2B、2Cに結合され、第1補強部11Aの主材12は、一端のみが第1の柱2Aの側面に結合されている。第1補強部11A側の短辺上梁3Aの他端は、第3の柱2Cから延びたもう一本の長辺上梁3Bの他端と結合しており、第1補強部11Aの主材12の他端は、角パイプ等でなる縦部材13で短辺上梁3Aと結合されている。
【0020】
短辺上梁3Aの下面と主材12の上面および長辺上梁3Bの下面と主材12の上面との間には、例えば溝型状部材、丸棒等で形成されたラチス14が波形状に架けわたされ、これにより、補強部11はラチス構造となっている。
従って、建物ユニット10は、補強部11によりせん断力変形の減少が可能となり、かつ、曲げ耐力が大きくなって、柱が1本なくても剛性が確保されていることになる。
なお、第1補強部11Aの他端の下部には、建物ユニット10の輸送時の変形等を防止するため、仮柱16が着脱自在に取り付けられている。
【0021】
このような第1補強部11Aの他端部は、図2に示すように、対向配置される他の建物ユニット10の他端部と連結するための連結部17となっている。この連結部17には、他の建物ユニット10の連結部17にわたる連結プレート18が溶接等で取り付けられるようになっている。従って、隣接する2つの建物ユニット10は、これらの連結プレート18で強固に連結されるため、各ユニット10の柱がない角部でも、各ユニット10の第1補強部11A同士の結合により、充分な剛性を確保できるようになっている。
また、第3補強部11Cの他端部にも、第1補強部11Aの他端部と同様に連結部17が形成され、図1に示すように、連結プレート18で対向配置される他の建物ユニット10と連結固定されるようになっている。
【0022】
また、このような建物ユニット10の上に上階建物ユニットを載せて連結する際は、通常の建物ユニットの組み合わせ時に使用するシェアプレート33、34を用いる。これらのシェアプレート33、34には、建物ユニット10の柱2A等の上端に突設された図略の係合ピンが挿通する穴が明けられ、一方、上階建物ユニットの柱の下面にも、上記係合ピンが挿通する穴が明けられている。さらに、これらのピン等で上下の建物ユニットの位置決めを行った後、各ユニットの対向する梁同士を図略のボルト、ナット等で連結固定するようになっている。
【0023】
次に、図3に基づいて、以上の建物ユニット10を利用して建てるユニット式建物20を説明する。
このユニット式建物20では、現場で、建物ユニット10を例えば4つ、柱のない角部を一ヶ所に集めて下階21用として配置するとともに、互いの連結部17、17を連結プレート18で結合し、その後、仮柱16を取り外す。そして、これらの建物ユニット10の上部に、前記標準的な建物ユニット1を使用した複数の上階建物ユニット22を載せて建物の上階23を形成する。また、上階建物ユニット22の上方に、屋根束24、ブラケット25等で支持して屋根パネル26を設けて建物の屋根を形成する。
【0024】
各建物ユニット10の下梁4上には床面材27が設けられ、このユニット10の天井面材28は、前記補強部11の主材12に設けられた天井小梁(図略)に取り付けられている。また、上階建物ユニット22の下梁4上には床面材27’が設けられ、上梁3には天井面材28’が取り付けられており、各ユニット10、22には、内壁29、外壁30等が取り付けられている。
【0025】
下階21の天井面材28と上階23の床面材27’との間には、補助部11を含む所定寸法の空間が形成されているので、この空間には、例えば上階23側から吊り下げるようにした収納部31が設けられ、空間の有効利用が図られている。また、2つの建物ユニット10の接合部の一部には柱がないので、下階21は4つの建物ユニット10にわたる広い居住区間Aが形成されている。
【0026】
また、以上の建物ユニット10を利用して図4に示すようなユニット式建物20’を建ててもよい。
このユニット式建物20’では、下階21の天井面材28を1方側の建物ユニット10に取り付けるとともに、他方側の建物ユニット10の天井面材とその上の上階建物ユニット22の床面材とを取り付けずに両者の間を吹き抜けにし、これにより、吹き抜け空間を有する広い居住区間A’が形成されている。
【0027】
このような本第1実施形態によれば、次のような効果がある。
すなわち、建物ユニット10の柱のない側の上梁3Aの下部を含む他の上梁3B、3Aの下部には、ラチス構造の補強部11が設けられているので、せん断力変形の減少が可能となり、かつ、曲げ耐力が大きくなって、柱が1本なくても剛性が確保される。
また、4つの建物ユニット10を柱のない角部を1ヶ所に集めて配置することができ、このとき、2個づつの建物ユニット10の補強部同士11を連結できるので、ユニット式建物20においても剛性を確保することができ、かつ、4つの建物ユニット10にわたる柱なし大空間を容易に形成することができる。
【0028】
さらに、建物ユニット10と上階建物ユニット22との組み合わせの例によって、柱なし大空間を容易に形成することができる他、収納スペースを確保でき、また、吹き抜け部を有する大空間をも容易に形成でき、快適な生活環境を得ることができる。
また、建物ユニット10の柱のない部分には、仮柱16が着脱自在に取り付けられるので、建物ユニット10の輸送時でもそのユニット10の変形を防止することができる。
【0029】
図5には本発明の第2の実施形態が示されており、本第2実施形態は、前記第1実施形態が本発明の目的を達成するために補強部11を有する建物ユニット10を用いたのに対して、補強部11だけを別体としたような補強ユニット40を用いたものである。
なお、この実施形態および次に述べる参考例において、前記一般的な建物ユニットおよび第1実施形態と同一構造および同一部材には、同一符号を付すとともに、その詳細な説明は省略または簡略化する。
【0030】
図5に示すように、補強ユニット40は、1本の柱が取り外された形状の建物ユニット50の上部に配置されるようになっている。
まず、建物ユニット50は、3本の柱2A〜2C、これらの柱2A〜2Cの上端間同士を結合する前記長辺上梁3B、短辺上梁3Aからなる上梁3と、長辺下梁4Bと短辺下梁4Aからなる下梁4とを有する骨組み55を備えて構成されている。
【0031】
前記補強ユニット40は、建物ユニット50の3つの辺3A、3B等に沿った形状の平面コ字状に形成され、建物ユニット50の平面形状と対応した大きさとなっている。この補強ユニット40は、建物ユニット50の四隅に対応する位置に立設する4本の柱42を備えている。この柱42は例えば400〜500mm程度の長さ寸法に形成されており、これらの柱42の上端間同士は、2本の短辺上側主材43Aと1本の長辺上側主材43Bとで結合され、下端同士は2本の短辺下側主材45Aと1本の長辺下側主材45Bとで結合されている。そして、短辺上側主材43Aと短辺下側主材45A間、長辺上側主材43Bと長辺下側主材45B間には、前記ラチス14と同様のラチス44が波形状に架けわたされてラチス構造となっており、耐力壁部を構成している。また、建物ユニット50の柱のない側に配置される1つの短辺側が第1の垂直面部40A、長辺側が第2の垂直面部40B,他の短辺側が第3の垂直面部40Cを構成している。
【0032】
第1の垂直面部40Aと第3の垂直面部40Cとの端部は、図6に示すように、補強ユニット40と対向配置される他の補強ユニット40の他端部と連結するための連結部47となっている。この連結部47には、他の補強ユニット40の連結部47にわたる連結プレート48が溶接等で取り付けられるようになっている。従って、隣接する2つの補強ユニット40は、これらの連結プレート48で強固に連結されるため充分な剛性を確保できるようになっている。
【0033】
また、このような補強ユニット40と建物ユニット50との連結は、図5に示すように、前記シェアプレート33、34を使用して行われる。これらのシェアプレート33、34には、建物ユニット50の柱2の上端に突設された図略の係合ピンが挿通する穴が明けられ、一方、補強ユニット40の柱42の下面にも、上記係合ピンが挿通する穴が明けられている。さらに、これらのピン等で補強ユニット40と建物ユニット50との位置決めを行った後、補強ユニット40の短辺下梁44A、長辺下梁44Bと、建物ユニット50の短辺上梁3A、3A’、長辺上梁3Bとは、図示しないがボルト、ナット等で連結固定されるようになっている。
【0034】
次に、図7に基づいて、以上の補強ユニット40を利用して建てるユニット式建物60を説明する。
このユニット式建物60では、現場で、建物ユニット50を例えば4つ、柱のない角部を一ヶ所に集めて下階61用として配置した後、これらの建物ユニット50の上部に補強ユニット40をシェアプレート45、46等を介在させて取り付けるとともに、ボルト、ナット等で連結固定し、同時に補強ユニット40同士を連結プレート48で連結する。この後、建物ユニット50から仮柱16を取り外し、次いで、これらの補強ユニット40の上部にシェアプレート等を介在させて前記標準的な建物ユニット1を使用した複数の上階建物ユニット62を載せて建物の上階63を形成する。
【0035】
下階61の天井面材28と上階63の床面材27’との間には、補強ユニット40が介在されているので、大きな空間が形成されていることになり、この空間には、例えば上階63側から吊り下げるようにした前記収納部31が設けられており、空間の有効利用が図られている。また、下階61において4つの建物ユニット50の集まる中央部には柱がないので、4つの建物ユニット50にわたる広い居住区間Aとなっている。
【0036】
また、図示しないが、以上の補強ユニット40を利用して図4に示すユニット式建物20’と同様のユニット式建物を建ててもよい。
すなわち、図7において下階61の天井面材28を1方側の建物ユニット50に取り付けるとともに、他方側の建物ユニット50の天井面材とその上の上階建物ユニット62の床面材とを取り付けず、また、補強ユニット40にも小梁や床面材等を取り付けずに、3者50、40、61の間を吹き抜け構造とし、これにより、吹き抜け空間を有する広い居住区間が形成されたユニット式建物としたものである。
【0037】
このような本第2実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)建物ユニット50の柱のない側を含む上梁3の上部に、ラチス構造の第1〜第3の垂直面部40A〜40Cを有する補強ユニット40が、建物ユニット50の上部に設けられるので、せん断力変形の減少が可能となり、かつ、曲げ耐力が大きくなって、柱が1本なくても剛性が確保される。
(2)補強ユニット40を建物ユニット50の上に載せた状態で4つの建物ユニット50を柱のない角部を1ヶ所に集めて配置することができ、このとき、2個づつの建物ユニット50の補強ユニット40同士を連結できるので、ユニット式建物60においても剛性を確保することができ、かつ、4つの建物ユニット50にわたる柱なし大空間を容易に形成することができる。
(3)建物ユニット50の柱のない部分には、仮柱16が着脱自在に取り付けられるので、建物ユニット50の輸送時でもそのユニット50の変形を防止することができる。
【0038】
図8には本発明の参考例が示されており、本参考例は、前記第2実施形態の補強ユニット40が平面コ字状の枠体であったものを、四角形の箱体で形成した補強ユニット70としたものである。
【0039】
補強ユニット70は、前記建物ユニット50の上部に載せられるようになっており、建物ユニット50の平面形状と対応する大きさとなっている。
この補強ユニット70は、例えば図10に示す一般的な建物ユニット1と同様の構造で高さ寸法のみを低くした形状の高剛性の枠体71を備えて形成されている。すなわち、この枠体71は、四隅に立設される4本の柱72と、これらの柱72の上端間同士および下端間同士を結合する各2本づつの短辺上梁73A,長辺上梁73Bからなる上梁73と、各2本づつの短辺下梁74A,長辺下梁74Bからなる下梁74とを有する骨組み75を備えて形成されている。このような枠体71には壁面材、床面材等が取り付けられるようになっている。
そして、建物ユニット50の柱のない側の上梁3Aの上部に、柱72、梁73A、74Aで囲まれた第1垂直面71Aが形成され、上梁3Bの上部に第2垂直面71B、第1垂直面71Aの対向位置に第3垂直面71C、第2垂直面71Bの対向位置に第4垂直面71Dがそれぞれ形成されており、これらの面71A等は耐力壁部となっている。
なお、補強ユニット70の高さ寸法は、人が腰をかがめて入れる程度となっている。
【0040】
このような補強ユニット70の他端部(建物ユニット50仮柱16側)は、図8に示すように連結部77となっている。そして、この連結部77には、他の補強ユニット70の連結部にわたる連結プレート78が溶接等で取り付けられるようになっている。従って、隣接する2つの補強ユニット70は、連結プレート78で強固に連結されるため充分な剛性を確保できるようになっている。
【0041】
次に、図9に基づいて、以上の補強ユニット70を利用して建てるユニット式建物80を説明する。
このユニット式建物80では、現場で、建物ユニット50を例えば4つ、柱のない角部を一ヶ所に集めて下階81用として配置した後、これらの建物ユニット50の上部に補強ユニット70をシェアプレート33、34等を介在させて取り付けるとともに、ボルト、ナット等で連結固定し、同時に補強ユニット70同士を連結プレート78で連結する。この後、建物ユニット50から仮柱16を取り外し、次いで、これらの補強ユニット70の上部にシェアプレート等を介在させて前記標準的な建物ユニット1を使用した複数の上階建物ユニット82を載せて建物の上階83を形成する。
【0042】
下階81の天井面材28と上階63の床面材27’との間には、補強ユニット70が介在されているので、この補強ユニット70の下面に床面材77を張り、上階建物ユニット82の所定箇所の根太を取り外して補強ユニット70の内部に出入りできるようにすれば、あるいは、上階への階段の踊り場等から出入りできるようにすれば、広く利用価値のある収納部31’とすることができ、建物の広い収納スペースを確保することができる。そして、それと同時に、4つの建物ユニット50の接合部の一部には柱がないので、下階81には4つの建物ユニット50にわたる広い居住区間Aが形成されている。
【0043】
また、図示しないが、以上の補強ユニット70の上面にのみ天井面材を張りつけ、下階61の天井面材とすることもでき、このようにすれば、補強ユニット70の分だけ高い天井高さの下階81とすることができる。
【0044】
このような本参考例においても前記第2実施形態と同様の作用、効果を得ることができる他、補強ユニット70を収納用として利用できるので、充分な収納スペースを確保することができるという効果がある。
【0045】
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できるものであれば、次に示すような変形形態でもよいものである。
すなわち、前記第2実施形態では、補強ユニット40の第1〜3の垂直面40A〜40Cをラチス構造としたが、これに限らず、高剛性であればラチス44のない枠体だけで構成していてもよい。そして、このような実施形態でも前記第1実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。
【0046】
また、前記参考例では、補強ユニット70を柱72、梁73、74等で形成した枠体71を備えたものとしたが、これに限らず、枠体71にラチスを架けわたしてもよい。そして、このような実施形態でも前記参考例の効果と同様の効果を得ることができる。
【0047】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明のユニット式建物によれば、建物ユニットは、上梁側に補強部が設けられているので強度が大きくなり、柱が1本なくても剛性を確保することができる。また、このような建物ユニットを複数個隣り合わせて設けることができ、このとき、補強部同士を連結できるので、ユニット式建物においても剛性を確保することができ、かつ、複数の建物ユニットにわたる柱なし大空間を容易に形成することができる。
【0048】
また、本発明の補強ユニットによれば、耐力壁部を有する補強ユニットが建物ユニットの上部に設けられるので、建物ユニットの強度が大きくなり、これにより、建物ユニットの柱が1本なくても剛性を確保することができる。また、このような補強ユニットを建物ユニットの上に載せた状態で複数個隣り合わせて設けることができ、このとき、補強ユニット同士を連結できるので、ユニット式建物においても剛性を確保することができ、かつ、複数の建物ユニットにわたる柱なし大空間を容易に形成することができる。さらに、3つの垂直面を備えた補強ユニットの平面大きさと、建物ユニットの平面大きさとが対応しているので、補強ユニットの建物ユニットへの取り付け作業時の位置決めが容易となり、作業効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る補強部を有する建物ユニットを示す全体斜視図である。
【図2】 本第1実施形態の要部を示す斜視図である。
【図3】 本第1実施形態の補強部を有する建物ユニットを用いて建てたユニット式建物を示す全体図である。
【図4】 本第1実施形態の補強部を有する建物ユニットを用いて建てた他のユニット式建物を示す全体図である。
【図5】 本発明の第2実施形態に係る補強ユニットと建物ユニットとを示す分解斜視図である。
【図6】 本第2実施形態の要部を示す斜視図である。
【図7】 本第2実施形態の補強ユニットを用いて建てたユニット式建物を示す全体図である。
【図8】 本発明の参考例に係る補強ユニットと建物ユニットとを示す分解斜視図である。
【図9】 本参考例の補強ユニットを用いて建てたユニット式建物を示す全体図である。
【図10】 一般的な建物ユニットの骨組みを示す全体斜視図である。
【符号の説明】
1 建物ユニット
2 柱
3 上梁
4 下梁
10 補強部を有する建物ユニット
11 補強部
14、44 ラチス
17、47、77 連結部
18、48、78 連結プレート
40 補強ユニット
40A〜40C 耐力壁部である第1〜3垂直面部
71A〜71D 耐力壁部である第1〜4垂直面部
70 箱状の補強ユニット
Claims (4)
- 横に並んで連結された2つの建物ユニットを備えたユニット式建物であって、
前記2つの建物ユニットは、それぞれ、四隅に立設される4本の柱とこれらの柱の上端間同士および下端間同士を結合する各4本の上梁、下梁のうち、1本の柱が取り外された骨組みと、前記上梁側に配置された補強部とを備え、これら2つの建物ユニットは、それぞれの前記柱のない角部同士が対向した状態で配設され、
前記補強部は、前記4本の上梁のうち他の建物ユニットと対向する側以外の3本の上梁に沿って平面コ字形状に設けられ、当該補強部における前記3本の柱と交差する部位はそれぞれに対応した柱に結合され、
当該補強部における他の建物ユニットと対向する端部には他の建物ユニットの前記補強部と連結される連結部が形成されている
ことを特徴とするユニット式建物。 - 請求項1に記載のユニット式建物において、
前記補強部は、ラチス構造となっている
ことを特徴とするユニット式建物。 - 横に並んだ2つの建物ユニットと、これら建物ユニットのそれぞれの上部に取り付けられると共に、互いに対向する端部同士が連結された2つの補強ユニットと、を備えたユニット式建物であって、
前記2つの建物ユニットは、それぞれ、四隅に立設される4本の柱とこれらの柱の上端間同士および下端間同士を結合する各4本の上梁、下梁のうち、1本の柱が取り外された骨組みを備え、これら2つの建物ユニットは、それぞれの前記柱のない角部同士が対向した状態で配設され、
前記2つの補強ユニットは、それぞれに対応する前記建物ユニットの平面大きさと対応し、かつ、対向配置された他の補強ユニット側が開口した平面コ字形状となる3つの垂直面を有した耐力壁部を備え、
前記耐力壁部における他の補強ユニットと対向する端部には他の補強ユニットの前記耐力壁部と連結される連結部が形成されている
ことを特徴とするユニット式建物。 - 請求項3に記載のユニット式建物において、
前記3つの垂直面のうち少なくとも1つの垂直面がラチス構造となっている
ことを特徴とするユニット式建物。
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JP02034097A JP3820297B2 (ja) | 1997-02-03 | 1997-02-03 | ユニット式建物 |
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