次に、この発明の感光性フィルムマガジンの製造方法および感光性フィルムマガジン包装体の製造方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下、この実施例では「感光性フィルムマガジン」のことを「内装品」という。また、「内装品に必要な一定の長さに感光性フィルムを切断する」ことを「定尺」という。
この実施例では、JIS K−7519−1982(ANSI PH1,14−1990)に規定される感光性フィルムが組み込まれた内装品の製造に使用されるものを中心に説明するが、この実施例に、この発明は限定されるものではない。例えば、特開平1−306844号,特開平1−306845号公報等で示される樹脂製パトローネや、特開平4−335639号公報等で示される小型パトローネや、110カートリッジやロールマガジンにも適用できる。
図1は内装品製造装置の概略構成を示す斜視図である。この内装品製造装置1には、元巻収納容器2から元巻3を取り出して次工程へ感光性フィルムを繰り出す暗室状態のフィルム接合部100と、感光性フィルムの組み込みに供する部品を供給する部品供給部200と、この部品供給部200から供給される部品とフィルム接合部100から搬送される感光性フィルムを加工して組み込む暗室状態のフィルム加工組込部300と、このフィルム加工組込部300で感光性フィルムが組み込まれた内装品を容器に収納する容器収納部400とが備えられている。
フィルム接合部100は暗室状態にあり、元巻収納容器2に収納された元巻3の取り出しと、感光性フィルムの接合を行なうものである。元巻収納容器2から元巻3が自動切換機101で取り出され、この自動切換機101には元巻3が搬送位置aと待機位置bにセットされており、搬送位置aにセットされた元巻3の感光性フィルムは、アキューム部102を介してフィルム加工組込部300に搬送される。待機位置bにセットされた元巻3の感光性フィルムの先端部は取り外して送り出し可能にセットされている。搬送位置aにセットされた元巻3の感光性フィルムがなくなると、接合機103で感光性フィルムをカットして搬送位置aの巻芯を外して回収し、待機位置bにセットされた元巻3を搬送位置aへ移動させて、その感光性フィルムの先端部を、カットされた感光性フィルムの後端部に接合する。そして、次の元巻3を待機位置bにセットする。
部品供給部200には、片カシメパトローネ加工装置220、スプール供給装置240及びパトローネキャップ供給装置260等を備えている。
片カシメパトローネ加工装置220は、舟型自動供給部221、舟型丸め部222、パトローネキャッピングカシメ部223を有している。舟型自動供給部221に収納された舟型4から舟型丸め5、片カシメパトローネ6になるように自動的に作成し、この片カシメパトローネ6をフィルム加工組込部300のパトローネ組付部306へ供給する。なお、片パトローネはカシメでなくても良い。
スプール供給装置240は、供給レール241、集中収納部242を有している。供給レール241からスプール7が一旦集中収納部242に収納され、この集中収納部242からスプール7が整列されて所定のタイミングでフィルム加工組込部300のスプール組付部304へ供給される。
パトローネキャップ供給装置260にはパトローネキャップ11が収納され、パトローネキャップ11をフィルム加工組込部300のパトローネ組付部306へ供給する。
フィルム加工組込部300は暗室状態にあり、フィルム接合部100のアキューム部102から搬送される感光性フィルムに穿孔機301でパーフォレーションが形成され、この感光性フィルムはアキューム部302を介して潜像焼込部303へ搬送される。この潜像焼込部303では感光性フィルムにフレームナンバー等の焼き込みを行ない、この感光性フィルムはスプール組付部304へ搬送され、この搬送された感光性フィルムは裁断器305で所定長さに切断される。
スプール組付部304にはスプール供給装置240からスプール7が順次供給され、このスプール7のスリットに感光性フィルムの先端部を挿着して巻き付け、この感光性フィルムを巻き付けた状態でキャリヤ308でパトローネ組付部306へ供給される。このパトローネ組付部306には、片カシメパトローネ供給装置240から片カシメパトローネ6が供給される。この片カシメパトローネ6は、パトローネ胴体に片方の端部にのみパトローネキャップ11がカシメられたものである。
また、パトローネ組付部306には、パトローネキャップ供給装置260からパトローネキャップ11が供給され、片カシメパトローネ6に感光性フィルムが巻き付けられたスプール7を収納し、この片カシメパトローネ6にパトローネキャップ11をカシメ機307でカシメて取り付け、感光性フィルムが組み込まれた内装品8が製造される。
このように、感光性フィルムマガジンの製造では、感光性フィルムマガジン組立部であるフィルム加工組込部300へ、部品供給部200から、フィルム加工組込部300を実質的に暗室状態にするのに必要な区間を後記する遮光性トンネルで覆われた所定の経路で、順々に、感光性フィルムマガジンの部品であるスプール7、片カシメパトローネ6、パトローネキャップ11を供給するようになっている。
従って、この感光性フィルムマガジンの製造において、品質と生産性を向上させ、ロスを減少させることができる。また、遮光性トンネルを用いることにより、順々に部品を搬送することができる。また、暗室状態の内部と外部との間の部品収納箱による出し入れを廃止し、暗室状態の内部に部品を供給する際の、傷や変形を防止し、順々に搬送することにより、生産性を向上させることができる。また、製造された感光性フィルムマガジンに、傷や変形の少ない。
この感光性フィルムマガジンである内装品8は容器収納部400へ搬送される。この容器収納部400には、検査装置420及びパトローネ容器収納装置440等を備えている。
検査装置420ではフィルム加工組込部300から搬送される内装品8の感光性フィルムの引出力等の検査を行ない、この不合格の内装品8は排出し、合格した内装品8はパトローネ容器収納装置440へ送る。
パトローネ容器収納装置440は内装品8をパトローネ容器9に収納するもので、パトローネ容器供給部441からパトローネ容器9が供給され、またキャップ供給部442から容器キャップ10が供給される。このパトローネ容器収納装置440で内装品8をパトローネ容器9に収納して容器キャップ10で閉塞した状態の製品として外装ラインへ順次搬送される。
このように、感光性フィルムマガジン包装体の製造において、感光性フィルムマガジン組立部であるフィルム加工組込部300から、容器収納部400へ、所定の経路で、順々に、感光性フィルムマガジンである内装品8を供給する。従って、感光性フィルムマガジン包装体の製造において、品質と生産性を向上させ、ロスを減少させることができる。また、暗室状態の内部と外部との間の製品収納箱による出し入れを廃止し、暗室状態の内部から感光性フィルムマガジンを取り出す際の、傷や変形を防止し、順々に搬送することにより、生産性を向上させることができる。
また、感光性フィルムマガジン包装体の製造において、感光性フィルムマガジンである内装品8を1つづつ検査し、検査された内装品8を、容器収納部400へ、所定の経路で、順々に、供給し、その検査の結果、良と判定された内装品8のみを感光性フィルムマガジン容器であるパトローネ容器9及び容器キャップ10に収納する。従って、感光性フィルムマガジン包装体の製造において、品質と生産性を向上させ、ロスを減少させることができる。また、暗室状態の内部と外部との間の製品収納箱による出し入れを廃止し、暗室状態の内部から感光性フィルムマガジンを取り出す際の、傷や変形を防止し、順々に搬送することにより、生産性を向上させることができる。また、内装品8を全数検査した後、良品のみを感光性フィルムマガジン容器に収納することにより、ロスを減少させることができる。
また、感光性フィルムマガジン包装体の製造において、感光性フィルムマガジン組立部であるフィルム加工組込部300から、所定の経路で、順々に、感光性フィルムマガジンである内装品8を供給し、内装品8を1つづつ検査し、検査された内装品8を、容器収納部400へ、所定の経路で、順々に、供給し、その検査の結果、良と判定された感光性フィルムマガジンのみを感光性フィルムマガジン容器であるパトローネ容器9及び容器キャップ10に収納する。従って、感光性フィルムマガジン包装体の製造において、品質と生産性を向上させ、ロスを減少させることができる。また、暗室状態の内部と外部との間の製品収納箱による出し入れを廃止し、暗室状態の内部から内装品8を取り出す際の、傷や変形を防止し、順々に搬送することにより、生産性を向上させることができる。また、内装品8を全数検査した後、良品のみを感光性フィルムマガジン容器に収納することにより、ロスを減少させることができる。
次に、元巻収納容器2について、図2乃至図6に基づいて詳細に説明する。図2は元巻収納容器の蓋を閉じた状態の斜視図、図3は元巻収納容器の蓋を開いた状態の斜視図、図4は元巻収納容器の縦断面図、図5は図4のAーA線に沿う断面図、図6は図4のBーB線に沿う断面図である。
この元巻収納容器2は容器本体20と蓋21からなっている。容器本体20の奥壁20aには取付プレート22が設けられ、この取付プレート22の中央部には支持軸23の基部23aが取り付けられ、この片持ち支持された支持軸23に複数の元巻3が保持される。支持軸23の取付側にはストッパ24が設けられ、このストッパ24で元巻3の位置決めが行われる。また、支持軸23には軸方向にスリット23bが形成され、このスリット23bは、元巻3を取り出す時に取出保持手段が挿入され、この取出保持手段で元巻3を1個毎に持ち上げて、このスリット23bに、取り出すためのものである。
蓋21の前壁21aの内側にはストッパ25が設けられ、蓋21を閉じると、このストッパ25は支持軸23の先端23cでスリット23bの間に挿入される。このストッパ25は蓋21を閉じた状態でスリット23bの間に挿入されることで、支持軸23に保持された元巻3の位置決めを行っている。
蓋21の前壁21a及び側壁21bの下部には係合プレート26が設けられ、容器本体20の底壁20b及び側壁20cの下部には係合プレート27が互いに対向して設けられる。この前壁21a及び側壁21b並びに係合プレート26と、対向して設けられた係合プレート27で凸凹係合し、更に係合プレート26並びに係合プレート27の内側に遮光部材28を設けて遮光している。なお、前壁21a及び側壁21b並びに係合プレート26と、対向して設けられた係合プレート27で2重の凸凹係合になっているが、この係合部は2重以上に構成しても良い。
蓋21の上壁21c及び側壁21bには係合プレート29,30が設けられ、容器本体20の上壁20d及び側壁20cには係合プレート31,32が対向して設けられ、この係合プレート29,30と係合プレート31,32は凸凹係合し、さらに係合プレート29,30並びに係合プレート31,32の内側に遮光部材36を設けて遮光している。なお、係合プレート29,30と係合プレート31,32は2重の凸凹係合になっているが、この係合部も同様に2重以上に構成しても良い。
また、容器本体20の係合プレート31,32には遮光壁37が溶接して固定され、この遮光壁37は蓋21の内側の全周に位置して遮光している。
容器本体20の上部の両側と、蓋21の下部の両側との間には板バネ38が設けられ、この蓋21は容器本体20に対して板バネ38の作用により上方への持ち上がる力により支持軸23と直交する方向に摺動し、開閉可能となっている。なお、蓋21を開閉する機構は板バネ38の他に、コイルバネ、モータとチエーン、シリンダー等を用いて構成することができる。
容器本体20の上壁20dにはロック機構33が備えられ、一方蓋21の上壁21cにロック解除レバー34が設けられている。このロック解除レバー34とロック機構33とで蓋21のロックとロック解除が行われ、ロック解除レバー34を上方へ操作することでロック解除が行われ、蓋21が開放可能になる。なお、蓋21をロックする機構にはパッチン錠、ピン止め等のロック機構を用いて構成することができる。
容器本体20の上壁20dには感光性フィルムの管理情報(例えば元巻収納容器の番号、元巻スリット日時、本数並びに元巻きのフィルム品種、スリットした機械番号、乳剤番号等)を記録した記録媒体35が設けられている。
このように、元巻収納容器2では容器本体20の内部の支持軸23に複数の元巻3が保持され、この容器本体20の蓋21を閉じた状態では凹凸係合して遮光される。元巻3を取り出すときには、ロック解除レバー34を上方に操作すると蓋21のロックが解除され、蓋21を上方へ持ち上げて支持軸23と直交する方向に摺動して開くことで、元巻3が取り出し可能になる。さらに、容器本体20の外部の記録媒体35から感光性フィルムの管理情報を読み取ることで、感光性フィルムの管理を容易に行うことができる。
従って、この元巻収納容器2を用いることで、フィルム接合部100への感光性フィルムの自動装填、取り出しが可能で、しかも作業者により生産管理していたものが全て無くなり、同時に暗室内での元巻取り出しマガジンセット等も無くなり、大幅に人手作業の軽減が可能であり、安全性が高くなる。
次に、フィルム接合部100について、図7乃至図52に基づいて詳細に説明する。まず、フィルム接合部100に元巻収納容器2を供給するステーションについて図7乃至図23に基づいて説明する。
図7はフィルム接合部の概略側面図、図8はフィルム接合部の概略平面図、図9はフィルム接合部のステーションの配置を示す概略図、図10はステーションの遮光シャッタの配置を示す平面図、図11は遮光シャッタの開閉機構を示す概略図、図12は取出ステーション、供給ステーション及び排出ステーションの搬送機構を示す平面図、図13は取出ステーション、供給ステーション及び排出ステーションの搬送機構を示す正面図、図14は取出ステーション、供給ステーション及び排出ステーションの搬送機構を示す側面図、図15は待機ステーション及び切替ステーションの搬送機構を示す平面図、図16は待機ステーション及び切替ステーションの搬送機構を示す側面図、図17は搬送機構の他の実施例の概略図、図18は搬送機構のさらに他の実施例の概略図、図19は切替ステーションの位置決めストッパの側面図、図20は取出ステーションの位置決めストッパの側面図、図21は遮光シャッタの開閉機構を示す他の実施例の概略図、図22は元巻収納容器の供給のフローチャート、図23は元巻収納容器の排出のフローチャートである。
元巻収納容器2から元巻3を取り出して次工程へ感光性フィルムを繰り出すフィルム接合部100は暗室状態になっており、このフィルム接合部100には元巻供給位置である取出ステーション110、供給ステーション111、待機ステーション112、排出ステーション113及び切替ステーション114が備えられ、さらにこれらを制御する制御手段115が備えられている。この取出ステーション110、供給ステーション111、待機ステーション112、排出ステーション113及び切替ステーション114にはそれぞれ元巻収納容器2を確認する近接センサS1,S2,S3−1,S3−2,S4,S5−1,S5−2,S5−3が設けられている。
取出ステーション110では元巻収納容器2から元巻3を取り出す。供給ステーション111には断裁工程で断裁された元巻3を収納した元巻収納容器2が供給される。待機ステーション112では供給ステーション111からの元巻収納容器2を待機させる。排出ステーション113では元巻を取り出した空の元巻収納容器2を排出する。切替ステーション114では取出ステーション110から元巻を取り出した空の元巻収納容器2を受け取り排出ステーション113へ搬送し、待機ステーション112から元巻収納容器2を受け取り取出ステーション110へ搬送する。
制御手段115の制御で、供給ステーション111に供給された元巻収納容器2が待機ステーション112に搬送され、この待機ステーション112で待機させる。取出ステーション110で元巻収納容器2が空になると、この空の元巻収納容器2を切替ステーション114を介して排出ステーション113に搬送する。そして、この後、待機ステーション112で待機している元巻収納容器2を切替ステーション114を介して取出ステーション110へ供給する。
この取出ステーション110、供給ステーション111及び排出ステーション113の搬送機構140は図12乃至図14に示すように構成されている。元巻収納容器2が一対のガイドレール141にガイドされて搬送され、この一対のガイドレール141の間に例えば3個の駆動軸142が軸受143に支持されている。この駆動軸は駆動を伝達するものであれば良く3個でなくても良いし、4個でも良い。この駆動軸142の両端に搬送ローラ144が設けられ、この搬送ローラ144上に元巻収納容器2が載置され、この搬送ローラ144の回転によって元巻収納容器2が搬送される。
それぞれの駆動軸142にはスプロケット145が固定され、このスプロケット145と駆動モータ146の駆動スプロケット147にチェーン148が掛け渡され、駆動モータ146によってそれぞれの駆動軸142が回転される。また、チェーン148には軸受149で支持されたタイトナー150で所定の張力が与えられている。
待機ステーション112及び切替ステーション114の搬送機構151は図15及び図16に示すように構成されている。ベースプレート152にスライド軸153が設けられ、このスライド軸153に軸受台154が支持されている。この軸受台154はベースプレート152に設けられた駆動シリンダ155によって上下動する。この軸受台154の軸受156には4個の駆動軸157が支持されている。この駆動軸157の両端に搬送ローラ158が設けられ、この搬送ローラ158上に元巻収納容器2が載置され、この搬送ローラ158の回転によって元巻収納容器2が搬送される。
それぞれの駆動軸157にはスプロケット159が固定され、このスプロケット159と駆動モータ160の駆動スプロケット161にチェーン162が掛け渡され、駆動モータ160によってそれぞれの駆動軸157が回転される。また、チェーン162には軸受163で支持されたタイトナー164で所定の張力が与えられている。
また、ベースプレート152の軸受165に3個の駆動軸166が支持されている。この駆動軸166の両端に搬送ローラ167が設けられ、この搬送ローラ167上に元巻収納容器2が載置され、この搬送ローラ167の回転によって元巻収納容器2が搬送される。
それぞれの駆動軸166にはスプロケット168が固定され、このスプロケット168にチェーン169が掛け渡されている。中央の駆動軸166には傘歯車170が駆動モータ171の傘歯車172に噛み合っており、駆動モータ171の駆動によって中央の駆動軸166が回転され、チェーン169によってそれぞれの駆動軸166が連動して回転する。また、チェーン169には軸受173で支持されたタイトナー174で所定の張力が与えられている。
なお、取出ステーション110、供給ステーション111及び排出ステーション113の搬送機構140及び待機ステーション112及び切替ステーション114の搬送機構151は、前記したようにローラとモータを用いて搬送機構を構成しているが、図17に示すように、スプロケット39,40にチエーン41を掛け渡し、スプロケット39をモータ42で駆動してチエーン41で元巻収納容器2を搬送するようにしても良い。また、プーリにベルト等の無端搬送手段を掛け渡したものを用いてもよい。
さらに、搬送機構140,151は図18に示すように、搬送台43にころ44を設け、元巻収納容器2をシリンダ45で押してころ44上を搬送するようにしても良い。
また、切替ステーション114の位置決めストッパ175は図19に示すように構成されている。この位置決めストッパ175は取出ステーション110側と、待機ステーション112側とに、それぞれ元巻収納容器2の搬送方向と直交する方向に配置されている。この位置決めストッパ175はスライド軸176を介して支持プレート177に支持され、この支持プレート177には昇降シリンダ178が設けられている。この昇降シリンダ178によって位置決めストッパ175が昇降する。この位置決めストッパ175の下方位置には到着検出近接センサ197が配置され、この到着検出近接センサ197で元巻収納容器2が切替ステーション114に搬入されたことが検出される。
また、取出ステーション110の位置決めストッパ179は図20に示すように構成されている。この位置決めストッパ179は切替ステーション114側に、元巻収納容器2の搬送方向と直交する方向に配置されている。この位置決めストッパ179は支持プレート180に支持ピン181を介して回動可能に支持され、この位置決めストッパ179に連結ピン182を介してストッパ駆動シリンダ183のロッド184に連結されている。このストッパ駆動シリンダ183は支持ピン185を介して支持ブラケット186に支持され、このストッパ駆動シリンダ183の作動でロッド184が伸長し、これで位置決めストッパ179のON,OFFが行われる。この位置決めストッパ179のON,OFFはストッパ駆動シリンダ183の作動検出センサ183aで検出される。
切替ステーション114と取出ステーション110との連通口116には第3の遮光シャッタ117が配置され、切替ステーション114と待機ステーション112との連通口118には第1の遮光シャッタ119が配置され、切替ステーション114と排出ステーション113との連通口120には第2の遮光シャッタ121が配置されている。この第3の遮光シャッタ117、第1の遮光シャッタ119及び第2の遮光シャッタ121はそれぞれの側部スライドフレーム122、123、124が切替ステーション114の支持フレーム125,126,127に凹凸係合されて遮光構造になっている。
切替ステーション114の上方には遮光シャッタの開閉機構128が配置され、遮光シャッタの開閉機構128の支持枠129には第3の遮光シャッタ117、第1の遮光シャッタ119及び第2の遮光シャッタ121の側部スライドフレーム122、123、124がスライド可能に係合されている。この支持枠129に支持された開閉シリンダ130,131,132のロッド130a,131a,132aが第3の遮光シャッタ117、第1の遮光シャッタ119及び第2の遮光シャッタ121に接続され、この開閉シリンダ130,131,132の作動で第3の遮光シャッタ117、第1の遮光シャッタ119及び第2の遮光シャッタ121が上下動して開閉される。
なお、第3の遮光シャッタ117、第1の遮光シャッタ119及び第2の遮光シャッタ121を開閉する駆動機構としては、図21に示すように、モータ46と、チェーン、ベルト、ワイヤ等の引き上げ手段47等を用いて構成しても良い。
それぞれの開閉シリンダ130,131,132にはシャッタ開検出センサ130b,131b,132bが設けられており、ロッド130a,131a,132aが縮んだ状態でシャッタ開状態を検出する。また、シャッタ閉状態はロッド130a,131a,132aが伸びた状態であり、このシャッタ閉状態の検出は第3の遮光シャッタ117、第1の遮光シャッタ119及び第2の遮光シャッタ121の枠を別のシャッタ閉検出センサ130c,131c,132cで検出する。これらのシャッタ開閉検出は確実に検出できるものであれば良く、マイクロスイッチ、光電センサ、磁気センサ等も使用できる。また、シャッタ開閉を一つの検出手段で検出してもよい。
遮光シャッタの開閉機構128は制御手段115で制御され、第3の遮光シャッタ117を開く時、第1の遮光シャッタ119及び第2の遮光シャッタ121は閉じ状態であり、第1の遮光シャッタ119または第2の遮光シャッタ121を開く時、第3の遮光シャッタ117は閉じ状態にあり、必ず遮光が保たれるように制御されているので、フィルム接合部100に元巻収納容器2を遮光された状態で自動的に搬入することができる。
次に、元巻3の供給を説明すると、これから生産しようとするの元巻3は断裁工程から供給される。この時の指示は絶えず、工程の進捗及び生産計画を管理している工程管理制御手段198からAGVと呼ばれる無人搬送手段199及び制御手段115へ出力される。例えば現在生産中の感光性フィルムの残り生産量が現在の供給されている元巻で足りると判断すれば無人搬送手段等に自動的に次の品種の感光性フィルムを選択するよう指示を出す。
工程管理制御手段198から指示する単位は元巻収納容器2ごと行われる。従って、元巻3の供給も、この元巻収納容器2単位で行われる。選択された元巻収納容器2は無人搬送手段199に自動的に移載され、元巻3の補給を要求して内装品製造装置1まで運ばれる。
この元巻収納容器2の移送手段はAGVで説明しているが、ほかにもコンベア、天井搬送車等が考えられる。なお、元巻収納容器2は単に元巻を運ぶためだけの容器ではなく次のような機能を備えている。
断裁から内装工程までに明室区間があるため元巻収納容器2は遮光構造になっていて、たとえ感度の高いカラーフィルムでも露光しない。また、元巻収納容器2には記録媒体35が設けられ、この記録媒体35は例えば磁気等で記憶するIDカードが一つずつ取り付けられていて中に入っている感光性フィルムの内容をフィルム接合部100で確認できるようになっている。この記録媒体35はIDカードに限らず、ICカード、磁気テープ等でも良い。さらに、別の機能としては元巻のセット、取り出しが容易なように支持軸23が片持ちで元巻3を収納できる構造になっている。さらに、別の機能として元巻収納容器2の蓋21の開閉が自動化しやすいように垂直に開く構造になっている。無人搬送手段199で内装機まで運ばれた元巻収納容器2は、ここでフィルム接合部100まで元巻収納容器2を搬送するための手段であるコンベアに自動的に移送される。この時、コンベアに元巻収納容器2が乗る位置は決められており、必ず供給ステーション111に乗るように制御される。
次に、元巻収納容器2の供給を、図22のフローチャートに基づいて説明する。
ステップA1で、供給ステーション111に元巻収納容器2が存在するか否かを近接センサS2で確認し、供給ステーション111に乗った元巻収納容器2はステップA2で待機ステーション112に元巻収納容器2がないことを近接センサS3−1で確認し、ステップA3で供給ステーション111の搬送機構140の搬送ローラ144を駆動する。その後、ステップA4で待機ステーション112の搬送機構151の搬送ローラ158を搬入方向へ駆動し、ステップA5で元巻収納容器2が存在するか否かを近接センサS3−2で確認し、元巻収納容器2が待機ステーション112に搬入されると、ステップA6で供給ステーション111の搬送機構140を停止し、ステップA7で待機ステーション112の搬送機構151を停止し、そこで待機する。
この動作はいつ無人搬送車が元巻収納容器2を持ってきても常に受け取れる状態にしておくためのものである。また、待機ステーション112で待機したまま切替ステーション114に進まないのは、現在取出ステーション114で使用中の元巻収納容器2が空になって無人搬送車に移送させる時、切替ステーション114を通過して排出ステーション113に搬送するためである。
ステップA8では切替ステーション114及び取出ステーション110に近接センサS5−1,S5−2,S5−3,S1で元巻収納容器2がないことを確認し、ステップA9で待機ステーション112の搬送機構151の搬送ローラ158を下降し、ステップA10で切替ステーション114の搬送機構151の搬送ローラ158を下降する。ステップA11で待機ステーション112の搬送機構151の搬送ローラ158の下降が完了すると、同様にステップA12で切替ステーション114の搬送機構151の搬送ローラ158の下降が完了すると、ステップA13,A14で第1の遮光シャッタ119を開き、ステップA15,A16で切替ステーション114の取出ステーション110側の位置決めストッパ175を上昇させ、ステップA17で待機ステーション112の搬送機構151の搬送ローラ167が駆動し、ステップA18で切替ステーション114の搬送機構151の搬送ローラ167が駆動し、元巻収納容器2が待機ステーション112から切替ステーション114へ搬入される。
ステップA19で切替ステーション114の取出ステーション110側の位置決めストッパ175に設けられている到着検出近接センサ197で元巻収納容器2が切替ステーション114に搬入されたことが検出され、ステップA20で第1の遮光シャッタ119を閉じ、ステップA21で待機ステーション112の搬送機構151の搬送ローラ167を停止させ、ステップA22で切替ステーション114の搬送機構151の搬送ローラ167を停止させ、ステップA23で第1の遮光シャッタ119の閉じ状態をシャッタ開閉検出スイッチ131bで検出し、ステップA24,A25で待機ステーション112の搬送機構151の搬送ローラ158を上昇させ、ステップA26,A27で切替ステーション114の取出ステーション110側の位置決めストッパ175を下降させる。
ステップA28,A29で第3の遮光シャッタ117を開き、ステップA30で切替ステーション114の搬送機構151の搬送ローラ167を駆動し、ステップA31で取出ステーション110の搬送機構140の搬送ローラ144を駆動し、元巻収納容器2を切替ステーション114から取出ステーション110に搬入し、ステップA32で近接センサS1により元巻収納容器2を確認する。
ステップA33で切替ステーション114の搬送機構151の搬送ローラ167を停止させ、ステップA34で取出ステーション110の搬送機構140の搬送ローラ144を停止させる。ステップA35,A36で取出ステーション110の位置決めストッパ179をONさせて、ステップA37,A38で第3の遮光シャッタ117の閉じ、この閉じ状態をシャッタ開閉検出スイッチ130bで検出し、ステップA39,A40で待機ステーション112の搬送機構151の搬送ローラ158を上昇させる。
次に、元巻収納容器2の排出を、図23のフローチャートに基づいて説明する。
ステップB1で、元巻収納容器2の蓋21の閉じ状態を反射型センサS6で検出し、ステップB2,B3で取出ステーション110の位置決めストッパ179をOFFさせて、ステップB4〜B7で第3の遮光シャッタ117を開き、切替ステーション114の搬送機構151の搬送ローラ158を下降させ、ステップB8,B93で切替ステーション114の待機ステーション112側の位置決めストッパ175を上昇させる。
ステップB10で取出ステーション110の搬送機構140の搬送ローラ144を駆動し、ステップB11で切替ステーション114の搬送機構151の搬送ローラ167を駆動し、ステップB12で切替ステーション114の待機ステーション112側の位置決めストッパ175に設けられている到着検出近接センサ197で元巻収納容器2が切替ステーション114に搬入されたことが検出されると、ステップB13で第3の遮光シャッタ117の閉じる。
そして、ステップB14で取出ステーション110の搬送機構140の搬送ローラ144を停止し、ステップB15で切替ステーション114の搬送機構151の搬送ローラ167を停止し、ステップB16で第3の遮光シャッタ117の閉じ状態をシャッタ閉検出センサ130cで検出し、ステップB17で切替ステーション114の搬送機構151の搬送ローラ158を上昇させる。ステップB18,B19で切替ステーション114の待機ステーション112側の位置決めストッパ175を下降させ、ステップB20,B21で第2の遮光シャッタ121を開く。
そして、ステップB22で切替ステーション114の搬送機構151の搬送ローラ158を駆動し、ステップB23で排出ステーション113の搬送機構140の搬送ローラ144を駆動し、元巻収納容器2が切替ステーション114から排出ステーション113へ搬入される。ステップB24で近接センサS4により元巻収納容器2を確認し、ステップB25で切替ステーション114の搬送機構151の搬送ローラ158を停止させ、ステップB26で取出ステーション110の搬送機構140の搬送ローラ144を停止させる。ステップB27,B28で第2の遮光シャッタ121を閉じ、この閉じ状態をシャッタ閉検出センサ132cで検出する。
このように、生産が進み取出ステーション110の元巻収納容器2が空になり切替ステーション114を通って排出ステーション113に到達すると、待機ステーション112で待機していた元巻収納容器2は切替ステーション114を通って取出ステーション110にセットされる。この元巻収納容器2の入れ替え時の元巻3の供給はフィルム接合部100の仕掛かりは元巻2本分なので、今まで取出ステーション110にあった元巻収納容器2の中にあった最後の元巻2本がフィルム接合部100の元巻き掛けにセットされているので、生産に支障はない。つまり、この2本の元巻3を消費している間に元巻収納容器2を入れ替えればよいもちろん、必ずそうしなければならないわけではない。
排出ステーション113に到着した空の元巻収納容器2はこの位置で無人搬送車が回収にくるのを待つ。この時の無人搬送車への指示も内装工程経由で工程管理制御手段198から行う。この後、無人搬送車が到着して元巻収納容器2を移載し断裁工程まで搬送する。
この一連の動作の中で元巻収納容器2が明室から暗室或いは暗室から明室に移動するが、この時暗室内に光が人るのを防止する遮光は、第3の遮光シャッタ117、第1の遮光シャッタ119及び第2の遮光シャッタ121の上下スライド式で行い、この実施例ではエアシリンダを使って駆動しており、閉状態では明室からの光が入らないようになっている。
このように、暗室状態のフィルム接合部100に取出ステーション110、切替ステーション114、待機ステーション112及び排出ステーション113、さらに第3の遮光シャッタ117、第1の遮光シャッタ119及び第2の遮光シャッタ121を用いることで、フィルム接合部100に元巻収納容器2を暗室状態で自動的に搬入することが可能で、暗室状態のフィルム接合部100への元巻3のセットを自動化してオペレータの負荷が軽減し、かつ暗室にオペレータが入らないようにしてコンパクトにすることができる。
また、フィルム接合部100には元巻収納容器2をセットし元巻3を取り出す取出ステーション110と対向する位置に、元巻収納容器2の記録媒体35に記録された管理情報を読み取る読取手段500と、元巻収納容器2のロック機構33のロック解除レバー34を操作して蓋を開閉する蓋開閉機構510と、元巻収納容器2の蓋21が開かれた状態で元巻3を1個毎に取り出して保持する元巻取出保持機構530とを備えている。
読取手段500で読み取られた感光性フィルムの管理情報は制御手段115に入力され、制御手段115のデータと照合して生産すべき感光性フィルムかどうかを確認する。従って、元巻収納容器2に貼られたれた記録媒体35により、情報管理できるため、今まで作業者が、元巻3の外周等に貼られたテープに記録された情報を目で確認した後、帳票等に書き込み生産管理していたものが、すべて無くすことができるため、作業者の負荷が大幅に軽減され、また、誤作業によるトラブルも無くなる。
次に、蓋開閉機構510を図24及び図25に基づいて説明する。図24は蓋開閉機構の作動状態を示す側面図である。蓋開閉機構510の開閉ユニット保持スライダ511には開閉ユニット512が設けられ、この開閉ユニット保持スライダ511はロッドレスシリンダ513でフィルム接合部100に昇降可能になっている。開閉ユニット512にはレバー開閉駆動シリンダ514が支持ピン515で回動可能に支持され、このレバー開閉駆動シリンダ514のロッド516には連結ピン517を介して開閉レバー518が連結されている。この開閉レバー518は支持ピン519を支点にして開閉ユニット512に回動可能に支持され、開閉レバー518の先端部にはフック520が設けられている。さらに、開閉ユニット512にはストッパ521が設けられている。
この蓋開閉機構510の開閉ユニット512が下降している状態ではレバー開閉駆動シリンダ514のロッド516が伸びており、この状態で取出ステーション110に元巻収納容器2を矢印C方向から搬入する。これにより、ストッパ521にロック機構33が当接し、ロック解除レバー34が開閉レバー518のフック520の上方位置に入り込む。従って、レバー開閉駆動シリンダ514を作動させてロッド516を引くと、開閉レバー518が支持ピン519を支点にして反時計方向へ回転する。この開閉レバー518でフック520がロック解除レバー34を上方へ操作するために、バネ34aで常にロック方向へ付勢されている爪34bが、バネ34aに抗して矢印方向へ平行移動してロック機構33のロックが解除される。そして、ロッドレスシリンダ513の作動で開閉ユニット512を上昇させると蓋21が持ち上がり、元巻収納容器2から元巻3が取出可能になる。
次に、この元巻収納容器2の蓋21の開閉作動を説明する。図25は元巻収納容器蓋開閉の作動のフローチャートである。ステップC1で取出ステーション110に元巻収納容器2があると、ステップC2で制御手段115からの開指令を受ける。ステップC3,C4でレバー開閉駆動シリンダ514の作動により、開閉レバー518でロック解除レバー34を引き、このクランプ状態をレバー開閉駆動シリンダ514に設けたストローク確認センサS7で検出する。ステップC5,C6で開閉ユニット512を上昇によりロック解除レバー34を上昇させ、このロック解除レバー34の上昇を近接センサS8で確認する。
そして、元巻収納容器2の蓋21の閉じるには、ステップC7,C8でロック解除レバー34をアンクランプして開閉ユニット512を下降させ、レバー開閉駆動シリンダ514の作動でロッド516を伸ばして開閉レバー518でロック解除レバー34を戻し、これをレバー開閉駆動シリンダ514に設けたストローク確認センサS7で検出してクランプ状態を解除する。
従って、第3の遮光シャッタ117が閉じたのを確認して、取出ステーション110の上部に設置された蓋開閉機構510で元巻収納容器2の蓋21を開閉するが、このロック解除レバー34は蓋21の取っ手を利用して蓋21を開ける簡単な構造になっている。
このように、元巻収納容器2は容器本体20の内部の支持軸23に複数の元巻3を保持して遮光しており、ロック解除レバー34の操作で蓋21のロックが解除される。そして、蓋21を支持軸23と直交する方向に摺動して開いて元巻3の取り出しが行われ、さらに容器本体20の外部の記録媒体35から感光性フィルムの管理情報を読み取るから、感光性フィルムの自動装填、取り出しが可能で、さらに情報管理が容易、人手作業の軽減が可能である。
次に、フィルム接合部100の自動切換機101について説明する。図26は自動切換機の概略平面図、図27は図26のD矢視図、図28は元巻取出保持機構の一部を破断した側面図、図29は元巻取出保持機構の一部の平面図、図30は元巻取出保持機構の一部の正面図、図31は元巻保持機構のチャック部の正面図、図32はチャック部の保持爪の他の実施例の斜視図、図33はチャック部の保持爪のさらに他の実施例の斜視図、図34はチャック部の保持爪の他の実施例の斜視図、図35は元巻巻出保持機構の断面図、図36は巻径検出手段の配置を示す図35のE矢視図、図37は元巻巻出保持機構の一部の側面図、図38は元巻巻出保持機構のチャック部の作動状態を示す側面図、図39は元巻巻出保持機構の保持爪の正面図、図40は元巻の接合作動を示す図、図41は巻芯回収機構の元巻の巻芯排出前を示す断面図、図42は巻芯回収機構の元巻の巻芯排出時を示す断面図である。
このフィルム接合部100の自動切換機101には、元巻収納容器2の蓋21が開かれた状態で元巻3を1個毎に取り出して取出保持手段で保持する元巻取出保持機構530と、元巻3を巻出保持手段で保持して感光性フィルムをフィルム加工組込部へ巻き出す元巻巻出保持機構580と、この元巻巻出保持機構580の巻出保持手段を退避させて元巻3の残りの巻芯を回収する巻芯回収機構630と、元巻巻出保持機構580の巻出保持手段の位置に元巻取出保持機構530の取出保持手段を移動させて元巻3を巻出保持手段へ移動させる制御手段115とを備えている。
元巻取出保持機構530は、次に使用する元巻3を取り出して保持する取出保持手段531と、元巻3の外周がほつれないように規制する固定式規制手段532と可動式規定手段533を有している。この固定式規制手段532は元巻3の取出方向と逆方向の面を規制する。可動式規定手段533はつば付きローラ533aを有し、元巻3の取出側の面を規制するように取り付けられている。また、可動式規制手段533はフィルム接合に伴う元巻3の掛け替え時には掛け替えに支障のないよう移動する。
元巻取出保持機構530には取出保持手段531を回転させる回転機構534と、取出保持手段531をフィルムパスラインLに対して元巻3の取出方向と逆方向へ移動できるようにする駆動機構535とを有している。回転機構534は回転を与えるベルト537、プーリ538及びモータ539等から構成され、モータ539には回転を停止させるブレーキ機構540を有している。
元巻取出保持機構530の支持体541は駆動機構535を介してベース543に取り付けられ、このベース543はブロック544に支持されている。駆動機構535を構成するシリンダ542の駆動によって支持体541がフィルムパスラインLに対して直交する方向の取出方向と、その逆方向へ移動する。
ブロック544はフィルム接合部100のフレーム621に摺動可能に設けられている。このフレーム621はフィルムパスラインLと並行に配置されている。ブロック544はロッドレスシリンダ545の駆動でフィルムパスラインLと並行に移動する。
また、取出保持手段531には上下にロッド546を有し、この間に作動ロッド547を有し、これらは筒体548に支持され、この筒体548はベアリング549を介して支持体541に回動可能に支持されている。上下のロッド546の先端部はプレート550、後端部はプレート551で連結されている。プレート550にはチャック部552が係合され、このチャック部552に一対の保持爪553がチャック部552に軸方向に直交する外方向へ進退可能になっている。この保持爪553はリンク554を介して作動ロッド547の先端部547aに連結され、この作動ロッド547を軸方向へ移動することで保持爪553が開閉する。作動ロッド547の後端部にはエアーシリンダ555が設けられ、このエアーシリンダ555の作動で作動ロッド547が軸方向へ移動する。
このようにエアーシリンダ555によって作動ロッド547を軸方向へ移動させることで、一対の保持爪553が軸方向に直交する外方向へ進退し、元巻3を保持する。即ち、取出保持手段531のチャック部552は使用中元巻3の軸芯を合わせた時に互いに干渉しないような構造において、保持爪553が外側へでることにより保持力を有する機構となっている。
なお、保持爪553は図32に示すように、表面に溝553aを斜めに交差させて形成するローレット加工を施し、また図33に示すように、表面にゴム等の弾性体553bを埋め込み、摩擦で保持力を高めても良い。さらに、保持爪553は図34に示すように、表面の曲率を元巻3の巻芯の内径曲率より若干大きい寸法に設定しても良く、元巻3の巻芯を保持爪553の2点a,bで受けることによって、元巻3を確実に保持する。
取出保持手段531の上のロッド546はクランプ556を介してベルト557に連結されている。このベルト557はモータ558とプーリ559の間に設けられ、モータ558によってベルト557を回転することで、取出保持手段531が元巻3方向へ移動する。このクランプ556には一対のカムフロア560が設けられ、このカムフロア560の間にエアーシリンダ555に支持されたストッパ561が係合して一体に移動するようになっている。このストッパ561は元巻取出保持機構530を待機側から巻出側へ移動する場合に、カムフロア560の間から外れる。
支持体541にはロッド562が設けられ、このロッド562はエアーシリンダ555に連結され、ロッド562の先端には元巻3を検出する元巻検出センサ563が設けられている。元巻検出センサ563は検出ピン564が元巻3に当接して押動されると検出信号を出力する。
筒体548に回転機構534のプーリ538が設けられ、このプーリ538に設けたベルト537で回転する。プレート551にはドグ565,566が設けられ、これに対向して角度検出センサ536が設けられている。この角度検出センサ536で取出保持手段531がどの角度にあるかを検出し、これでチャック部552の水平と垂直の向きが検出される。
元巻取出保持機構530には、図7に示すように、次に使用する元巻3の先端をカットして保持するフィルム先端保持手段567と、元巻3の外周を止めている接着テープ568を剥がす剥がしアーム569とが備えられている。従って、待機中の元巻取出保持機構530によって保持された元巻3は剥がしアーム569によって外周を止めてある接着テープ568が剥がされる。剥がされた接着テープ568は剥がしアーム569によってフィルム先端と共にフィルム先端保持手段567に供給される。
フィルム先端保持手段567はフィルム先端の繰り出し用のローラ570とパルスモータ571で構成される駆動機構572と、元巻取出保持機構530を移動する時にフィルムの駆動機構572からの抜けを防止するクランプ573と、フィルム先端と外周を止めてある接着テープ568とを分離するカッタ574とを有している。
フィルム先端保持手段567においてフィルム先端の繰り出し用の駆動機構572は駆動にパルスモータ571等を使用しフィルムの送り量を外部設定スイッチ等で設定できるようになっていて、常にその設定された量を繰り出せるようになっている。一方、フィルム先端の繰り出し用のローラ570は表面にゴム等を焼き付けることにより摩擦力を高めたローラを使用してフィルムを繰り出す。
フィルム先端保持手段567は左右に移動できるようになっていて移動時は、元巻取出保持機構530とフィルム先端保持手段567との間にフィルムはある程度たるんだ状態となるように待機側の元巻取出保持機構530の移動に連動して移動する。
元巻巻出保持機構580は、使用中元巻3を巻き出し保持する巻出保持手段581が備えられ、また巻出中元巻3の巻径を連続的に検出する光電センサや巻出フィルム速度計と巻出回転速度計との組み合わせ等の巻径検出手段582(巻径検出手段582は、図26に示す位置でも、図35に示す位置でも、図36に示す位置にあっても良い)と、巻出保持手段581に回転運動を与える回転機構584と、巻出保持手段581をフィルムパスラインLに対して進退させる進退駆動機構585と、保持した元巻3にブレーキ力を与えるブレーキ機構586及び保持した元巻3の外周のほつれを防止する固定式規制手段587とを有している。
巻径検出手段582は図36に示すように例えば超音波センサを用いる場合等には、この照射方向を元巻3の巻芯に合わせて配置され、非接触状態で巻出中元巻3の巻径を連続的に検出する。
巻出保持手段581には図35に示すようにスライド軸588が軸方向へスライド可能に設けられ、この先端部には一対のリンク589が連結ピン590を介して連結されている。この一対のリンク589は支持ピン591を介して巻出保持手段581の先端に設けたスライドユニット592に支持され、それぞれのリンク589の凹部589aには保持爪593のピン593aが係合している。保持爪593はスライダー594にスライド可能に設けられ、この保持爪593に元巻3を挿入して保持される。
巻出保持手段581から突出するスライド軸588の頭部にはカップリング595を介して爪開閉シリンダ596のロッド597に連結され、この爪開閉シリンダ596でスライド軸588を進退することでリンク589が伸長し、これによって保持爪593が開閉する。保持爪593を閉じることで元巻3が開放され、一方保持爪593を開くことで元巻3を保持する。
巻出保持手段581にはストッパ599が設けられ、このストッパ599にカップリング595が当接することで位置規制され、この後退したストッパ599とカップリング595の間で保持爪593の開閉ストロークD1が設定されている。
巻出保持手段581に回転運動を与える回転機構584は、駆動プーリ600が支持筒601に固定され、この支持筒601はベアリング602を介してハウジング603に回動可能に支持され、このハウジング603はフィルム接合部100のプレート100aに取り付けられている。支持筒601は巻出軸583にスプライン係合され、支持筒601の回転で巻出軸583が一体に回転するようになっている。駆動プーリ600とクラッチ604との間にはタイミングベルト605が掛け渡され、このクラッチ604はモータ606の出力軸に設けられ、このモータ606の駆動でタイミングベルト605を介して駆動プーリ600を回転させる。
保持した元巻3にブレーキ力を与えるブレーキ機構586は、元巻3から巻き出される感光性フィルムに適切な略一定な張力を与えるためのもので、制動プーリ607が支持筒601に固定され、この制動プーリ607とパウダーブレーキ608との間にはタイミングベルト609が掛け渡され、このパウダーブレーキ608でタイミングベルト609を介して制動プーリ607にブレーキ力を与える。
このように巻出中元巻3は下流工程へ繰り出している時、その巻き径は常に検出されていて、その巻き径に応じたブレーキ力が巻出中巻出保持手段581へ伝達されるようにブレーキ機構586を動作している。巻出中は巻出保持手段581を回転させる回転機構584と巻出保持手段581とはクラッチ604により伝達されないようになっている。
巻出保持手段581をフィルムパスラインLに対して進退させる進退駆動機構585は巻出軸583に連結プレート610が固定され、この連結プレート610に爪移動シリンダ611のロッド612に連結されている。この爪移動シリンダ611の作動でロッド612が伸縮し、これにより連結プレート610を介して巻出保持手段581が軸方向へ移動し、保持爪593がフィルムパスラインLに対して進退する。この保持爪593が後退した状態では固定式規制手段587より外れた後方位置にあり、固定式規制手段587が使用済の元巻3の芯残りの感光性フィルムとコアの抜きとり手段となっている。
この爪移動シリンダ611はブラケット613に取り付けられ、このブラケット613はフィルム接合部100のプレート100aに固定されている。ブラケット613にはストッパ614が設けられ、巻出保持手段581が前進する時連結プレート610がストッパ614に当接することで位置規制される。この後退した連結プレート610とストッパ614との間で保持爪593の進退ストロークD2が設定されている。
ブラケット613には爪角度検出センサ615が0°と90°の位置に設けられ、また制動プーリ607にはドグ616が爪角度検出センサ615に対向して0°と180°の位置に設けられている。ドグ616は爪角度検出センサ615で保持爪593の水平位置と垂直位置の2箇所が検出できるように設けられている。これは元巻3の受け渡し時に、保持爪593の位置を合わせるためのものであって、必ずしも0°,90°でなくても良く、また、ロータリーエンコーダ等を用いて保持爪593の角度を検出し、任意の角度で、保持爪593の位置を合わせてもかまわない。また、爪角度検出センサ615は、近接センサに限らず光電センサや磁気センサ等を用いても良い。
保持した元巻3の外周ほつれ防止機構は可動式と固定式があり、この外周ほつれ防止機構は固定式規制手段587と可動式規制手段617で構成され、この可動式規制手段617は元巻3の掛け替え時、元巻取出保持機構530と干渉しないように移動する。
巻芯回収機構630は元巻巻出保持機構580の巻出保持手段581を退避させて元巻3の巻芯を保持爪593から外し、落下する残りの感光性フィルムと巻芯を回収するようになっている。この巻芯回収機構630の回収容器631は巻出保持手段581の保持爪593の下方位置に遮光ボックス632に収納されている。遮光ボックス632の上部には回収口633が設けられ、この回収口633は回収扉634によって開閉される。回収容器631は元巻3の巻芯落下時の接触面631aを斜めにしておくことで、巻芯がまんべんなく回収容器631の中に散らばり、収納率が良くなる。
遮光ボックス632の取出扉635はフィルム接合部100の前側に設けられている。この取出扉635は回収扉634が閉じている時に開くことができ、回収容器631の取り出しや収納作業を行う。一方、回収扉634が開いて元巻3を回収する時には、取出扉635は開くことができないようになっている。この回収扉634の開閉は扉開閉検出センサ636で検出され、この扉開閉検出センサ636からの開信号に基づき制御手段115が進退駆動機構585を作動させ、回収扉634が開いている時に巻出保持手段581を退避させて元巻3を保持爪593から外し、落下する元巻3を回収容器631に回収するようになっている。
元巻供給機構650はフィルムパスラインLに並行に配置されたフレーム621と、このフレーム621に摺動可能に設けられた元巻取出保持機構530のブロック544と、このブロック544を移動させるロッドレスシリンダ545と、ブロック544に設けられた元巻取出保持機構530の支持体541を移動するシリンダ542から構成されている。
この元巻供給機構650では図40に示すように、元巻巻出保持機構580の保持爪593を後退させた状態で、ロッドレスシリンダ545を作動させて元巻取出保持機構530をフレーム621に沿って移動させる。この元巻取出保持機構530の取出保持手段531のチャック部552を元巻巻出保持機構580の巻出保持手段581の保持爪593に一致させ、この状態で元巻巻出保持機構580の巻出保持手段581を前進させる。これで保持爪593が元巻3のコアとチャック部552との間に挿入し、スライド軸588を前進させて保持爪593を開き、元巻3を保持する。一方、元巻取出保持機構530では取出保持手段531の作動ロッド547を引きチャック部552の保持爪553を閉じて元巻3の保持を解除する。
そして、元巻取出保持機構530のシリンダ542を作動して、元巻取出保持機構530を元巻巻出保持機構580から離れる方向へ移動する。これにより、元巻取出保持機構530のチャック部552が元巻3から抜け、元巻3は元巻巻出保持機構580の保持爪593で保持される。この状態で元巻取出保持機構530のロッドレスシリンダ545を作動させて元巻取出保持機構530をフレーム621に沿って移動させる途中で、元巻取出保持機構530のシリンダ542を作動して元巻取出保持機構530を待機位置へ戻し、元の待機位置へ復帰させて、次の元巻3の取り出しへ備える。
フィルム接合部100の接合室660には接合機661、送りローラ662及びアキューム部663が配置され、接合機661の前側にはシャッタ664が設けられ、このシャッタ664で接合室660の遮光を行なっている。接合機661は接合ユニット665を有しており、この接合ユニット665には、カッター666、ヒータブロック667、センタパンチ668が設けられている。カッター666では使用していた元巻3の感光性フィルムがほとんど消費されると、その感光性フィルムの後端部を切断する。センタパンチ668では、感光性フィルムに中心孔を形成して位置決めし、感光性フィルムの後端部と、次の感光性フィルムの前端部を合わせて、接合テープをヒータブロック667で加熱、加圧して接合する。また、この接合ユニット665には、接合テープの定尺及び有無を検出する接合テープ検出センサ669、接合テープの接合異常を検出する接合異常検出センサ670、感光性フィルムの抜けを検出する抜け検出センサ671、センタパンチ孔を検出するセンタパンチ孔検出センサ672が設けられている。
次に、元巻取出保持機構530による元巻3の取り出しについて説明する。図43は元巻の取出のフローチャートである。ステップD1で取出ステーション110に元巻収納容器2があると、ステップD2で元巻収納容器2の蓋21が開いているか否かを判断し、蓋21が開いていると、ステップD3で元巻取出保持機構530の取出保持手段531に元巻3があるか否かを判断し、元巻3がないと、ステップD4で保持爪553を閉じて、ステップD5で元巻取出保持機構530の取出保持手段531を前進させ、取出保持手段531に設けられている元巻検出センサ563で元巻3の検出を行う(ステップD6)。
元巻3があると、ステップD7で保持爪553を開いて保持し、ステップD8で元巻3を取出保持手段531で保持して後退させる。元巻3がないと、ステップD9で取出保持手段531の前進端を検出し、前進端であると、ステップD10で元巻3が使いきりになっていることを記憶して、ステップD7へ移行する。元巻3を取出保持手段531で保持して後退し、ステップD11で図示しない定位置検出近接センサで取出保持手段531の定位置が検出されると、ステップD12で取出保持手段531の後退を停止して、ステップD13で元巻3をガイドで押さえて取り出しを終了する。
次に、元巻取出保持機構530と元巻巻出保持機構580によるフィルム接合を、図44乃至図46に基づいて説明する。まず、図44のフローチャートにおいて、ステップE1で、巻出中、元巻3のフィルム残量があるか否かの判断を行い、フィルム残量がない場合にはステップE2で元巻3の巻出を停止する。ついで、ステップE3でフィルムカッター666を作動して、元巻3を切断し、ステップE4で巻出中の元巻3の可動式規制手段617を逃がし、ステップE5で制御手段115のタイマーでカウントして1秒経過後、ステップE6でフィルムカッター666の作動を停止して、ステップE7で図示しないフィルムカッタ駆動用のシリンダに設けられているリードスイッチでフィルムカッター666の上端を検出し、ステップE8で使用済みの元巻3の回収容器631の取出扉635をシリンダでレバーが回転できないように押さえてロックし、ステップE9で使用済の感光性フィルムの巻き戻しを行う。
そして、ステップE10,E11で使用済の残りの元巻3を回収容器631に収納するために回収扉634を開き、回収扉634の開き状態を扉開閉検出センサ636で検出し、ステップE12で巻出中の元巻巻出保持機構580の保持爪593を閉じ、ステップE13で爪開閉シリンダに設けられているリードスイッチで検出し、ステップE14,E15で巻出中の元巻巻出保持機構580の保持爪593を後退させると、ステップE16で制御手段115のタイマーでカウントして1秒経過後、ステップE17で保持爪593から使用済の元巻3が外れて回収容器631に落下して収納され、回収扉634を閉じる。ステップE18で扉開閉検出センサ636で回収扉634の閉じを検出し、ステップE19で元巻3の受け渡しが行われる。
次に、使用済の残りの元巻3の巻き戻しを、図45のフローチャートについて説明する。ステップF1で巻出中の元巻巻出保持機構580のモータ606のクラッチ604を入れ、ステップF2で巻出中の元巻巻出保持機構580のモータ606を駆動して巻出保持手段581を回転させる。ステップF3で制御手段115のタイマーでカウントして2秒経過後、ステップF4,F5で巻出中の元巻巻出保持機構580の保持爪593にドグ616を取り付けておき、爪角度検出センサ615でオリエンテーションの位置を検出して、巻出中の元巻3の水平と、垂直のオリエンテーションを行い、ステップF6で元巻巻出保持機構580のモータ606を停止し、ステップF7でこのオリエンテーションの状態を制御手段115に記憶し、ステップF8で巻出中の元巻巻出保持機構580のモータ606のクラッチ604を切る。なお、この巻き戻しについては、機械の構成によっては巻き戻さなくても、自然落下によって、回収容器631の中に、感光性フィルムも入れられるため、不要な場合もある。
次に、元巻3の受け渡しを、図46のフローチャートについて説明する。ステップG1で待機側の元巻取出保持機構530を巻出側へ移動し、ステップG2で回転機構534のモータ539を駆動して取出保持手段531を回転させ、ステップG3〜G6で巻出中の元巻3のオリエンテーションが水平であると、待機側のオリエンテーションを水平にさせ、また巻出中の元巻3のオリエンテーションが垂直であると、待機側のオリエンテーションを垂直にさせ、ステップG7で待機側の元巻取出保持機構530を巻出側へ移動を完了させる。
そして、ステップG8で巻出側の元巻巻出保持機構580の巻出保持手段581を前進させ、ステップG9で爪移動シリンダ611のリードスイッチで前進完了を検出し、ステップG10,G11で保持爪593を開き、元巻3を保持する。ステップG12で待機側の元巻取出保持機構530の可動式規制手段533を逃がし、ステップG13,G14で元巻取出保持機構530の保持爪553を閉じ、この保持爪553の閉じ状態を爪開閉シリンダのリードスイッチによって検出する。
そして、ステップG15,G16で待機側の元巻取出保持機構530の取出保持手段531を後退させ、この後退を前進駆動用シリンダのリードスイッチで検出する。さらに、ステップG17,G18で待機側の元巻取出保持機構530を待機位置へ移動させる。そして、ステップG19で待機側の元巻取出保持機構530の取出保持手段531の前進させて、ステップG20で待機側の元巻取出保持機構530の待機位置への復帰を検出し、ステップG21,G22で待機側の元巻取出保持機構530の保持爪553の開き状態を確認して、元巻3の受け渡しを終了する。
このように、暗室状態のフィルム接合部100の取出ステーション110に元巻収納容器2をセットし、元巻3の巻き出しを自動的に行うことで、オペレータの負荷が軽減し、かつ暗室にオペレータが入らないようにしてコンパクトな装置で、元巻3を1個毎に取り出すことができる。
そして、元巻収納容器2から元巻3を1個毎に取り出して取出保持手段531で保持して待機させ、巻出保持手段581で感光性フィルムの巻き出しが終了すると、巻出保持手段581を退避させて残りの巻芯を回収し、巻出保持手段581に待機している取出保持手段531を移動して位置決めし、この状態で元巻3を巻出保持手段581へ移動させてセットするから、常に所定の位置から感光性フィルムの巻き出しを行うことができ、巻出の構造が簡単で、コストを削減でき、さらに元巻3を接合した後の残りの巻芯回収が容易である。
なお、元巻収納容器2の支持軸23を図47のように、取出保持手段531の保持爪553を図48のように、巻出保持手段581の保持爪593を図49のようにそれぞれ形成し、支持軸23に保持爪553を係合して元巻3を保持爪553に受け取り、さらに保持爪553に保持爪593を係合して元巻3を保持爪593に受け取るようにしても良い。
さらに、元巻収納容器2の支持軸23を図50のように、取出保持手段531の保持爪553を図51のように、巻出保持手段581の保持爪593を図52のようにそれぞれ形成し、支持軸23に保持爪553を係合して元巻3を保持爪553に受け取り、さらに保持爪553に保持爪593を係合して元巻3を保持爪593に受け取るようにしても良い。
このように、元巻収納容器2から、元巻3を1つづつ供給し、供給された元巻3から感光性フィルムを巻き出し、巻き出された感光性フィルムから感光性フィルムマガジンを製造する感光性フィルムマガジンの製造において、製造する感光性フィルムマガジンの種類を特定し、その感光性フィルムマガジンの製造に必要な感光性フィルムの種類を特定し、その種類の感光性フィルムの元巻3を収納した元巻収納容器2を供給し、供給された元巻収納容器2から、元巻3を1つづつ供給することにより、複数種類の感光性フィルムから複数種類の感光性フィルムマガジンを製造する。従って、1つの感光性フィルムマガジン製造装置で、複数種類の感光性フィルムに対応でき、多品種少量生産でも、生産性を維持することができる。
また、感光性フィルムマガジンの製造方法において、元巻収納容器2が感光性フィルムの元巻3を1種類のみ収納し、収納された感光性フィルムの種類を記録した記録媒体35を有し、供給された元巻3から感光性フィルムを巻き出す前に、記録媒体35の記録内容を確認し、必要な感光性フィルムの種類と一致しているか否かを検出し、必要な感光性フィルムの種類と一致している場合は、供給された元巻収納容器2から、元巻3を1つづつ供給し、必要な感光性フィルムの種類と一致していない場合は、供給された元巻収納容器2を排出する。従って、元巻収納容器2の記録媒体35で、収納された感光性フィルムを確認するので、複数種類の感光性フィルムに対応した場合、発生しやすいと思われる感光性フィルムの装填の間違いを防止できる。
また、感光性フィルムの元巻3を収納した元巻収納容器2を、系外から、元巻供給位置である取出ステーション110に、供給し、この元巻供給位置である取出ステーション110で、供給された元巻収納容器2から、元巻3を供給し、供給された元巻3から感光性フィルムを巻き出し、巻き出された感光性フィルムから感光性フィルムマガジンを製造する感光性フィルムマガジンの製造において、系外が非暗室状態であり、元巻供給位置である取出ステーション110が暗室状態であり、系外と元巻供給位置である取出ステーション110との間に切替ステーション114があり、系外と切替ステーション114との間に系外側シャッタである第1の遮光シャッタ119及び第2の遮光シャッタ121があり、切替ステーション114と元巻供給位置である取出ステーション110との間に元巻供給位置側シャッタである第3の遮光シャッタ117があり、元巻供給位置側シャッタである第3の遮光シャッタ117が完全に閉じられているか否かを検出し、元巻供給位置側シャッタである第3の遮光シャッタ117が完全に閉じられている場合のみ、系外側シャッタである第1の遮光シャッタ119及び第2の遮光シャッタ121を開き、系外側シャッタである第1の遮光シャッタ119及び第2の遮光シャッタ121が開いている時に、元巻収納容器2を、系外と切替ステーション114との間、移送し、系外側シャッタである第1の遮光シャッタ119及び第2の遮光シャッタ121が完全に閉じられているか否かを検出し、系外側シャッタである第1の遮光シャッタ119及び第2の遮光シャッタ121が完全に閉じられている場合のみ、元巻供給位置側シャッタである第3の遮光シャッタ117を開き、元巻供給位置側シャッタが開いている時に、元巻収納容器2を、切替ステーション114と元巻供給位置である取出ステーション110との間、移送する。従って、暗室状態の元巻供給位置への元巻3のセットを自動化することにより、オペレータの負荷を軽減し、また、オペレータが暗室に入ることを減らすことができる。
また、元巻収納容器2から、元巻3を1つづつ供給し、供給された元巻3から感光性フィルムを巻き出し、巻き出された感光性フィルムから感光性フィルムマガジンを製造する感光性フィルムマガジンの製造において、元巻収納容器2から、元巻3を1つ取り出して保持する取出保持手段531と、取出保持手段531とは別体の、供給された元巻3から感光性フィルムを巻き出す巻出保持手段581と、を用いて、取出保持手段531で元巻収納容器2から、元巻3を1つ取り出して保持し、巻出保持手段581から元巻3の感光性フィルムを巻き出し、巻出保持手段581に保持されている元巻3の感光性フィルムが略無くなった時に、感光性フィルムを切断し、巻出保持手段581に保持されている残りの巻心部分を巻出保持手段581から除去し、巻出保持手段581に元巻3が無くなった時に、取出保持手段531から元巻3を巻出保持手段581に供給する。従って、取出保持手段531とそれとは別体の巻出保持手段581を設けることにより、感光性フィルムの供給の流れを1本化し、簡素にし、トラブルを減少させることができる。
また、元巻収納容器2から、元巻3を1つづつ供給し、供給された元巻3から感光性フィルムを巻き出し、巻き出された感光性フィルムから感光性フィルムマガジンを製造する感光性フィルムマガジンの製造において、元巻収納容器2から、元巻3を1つ取り出して保持する取出保持手段531と、取出保持手段531とは別体の、供給された元巻3から感光性フィルムを巻き出す巻出保持手段581と、を用いて、取出保持手段531で元巻収納容器2から、元巻3を1つ取り出して保持し、巻出保持手段581に保持されている元巻3の感光性フィルムが略無くなった時に、取出保持手段531に保持されている元巻3の感光性フィルムの先端を、巻出保持手段581から巻き出された感光性フィルムと接合し、巻出保持手段581に元巻が無くなった時に、取出保持手段531から元巻3を巻出保持手段581に供給する。従って、取出保持手段531とそれとは別体の巻出保持手段581を設けることにより、感光性フィルムの供給の流れを1本化し、簡素にし、トラブルを減少させることができる。また、感光性フィルムを供給し終えた巻芯の回収が容易になる。
次に、片カシメパトローネ加工装置220について詳細に説明する。図53は片カシメパトローネ加工装置の平面図である。片カシメパトローネ加工装置220には舟型自動供給部221があり、この舟型自動供給部221には専用トレイ224がある。この専用トレイ224に、例えば750枚入りで舟型形状の舟型4が収納されており、取出アーム225で専用トレイ224から1列、例えば約125枚ずつ舟型4を取り出してコンベヤ226に載せ、ベルト227でパトローネキャッピングカシメ部223の方向へ押せ押せ状態にする。コンベヤ226の末端で、舟型4を1枚ずつ取り出して送りざお228に載せ、バーコードで品種の間違いがないかチェックした後、金型で丸めて舟型丸め5を形成する。この舟型丸めには、例えば特開平4−7546号公報のパトローネ胴形成装置を用いることができる。
この舟型丸め5は、その後パトローネキャッピングカシメ部223に移送され、そこでパトローネキャップ11で片側のキャッピング及びカシメを行ない、片カシメパトローネ6を作成し、この片カシメパトローネ6のカシメ高さチェックを行い、その後、フィルム加工組込部300に供給する。片カシメパトローネ6の不良品は、系外に自動的に排出する。
次に、パトローネキャップ供給装置260について説明する。このパトローネキャップ供給装置260は図39に示すように、パトローネキャップ11がキャップホッパ261からキャップフィーダ262に供給され、センサ263でパトローネキャップ11の色を判別して、パトローネキャッピングカシメ部223へ搬送される。
次に、フィルム加工組込部について詳細に説明する。図54はフィルム加工組込部の正面図、図55はフィルム加工組込部の詳細構成図、図56は片カシメパトローネセット部の正面図、図57は片カシメパトローネセット部の一部を破断した側面図、図58はフィルム加工組込部の搬送路の詳細構成図である。
まず、図54に基づいてフィルム加工組込部の全体の構成を説明する。このフィルム加工組込部300には、その上外部に操作ボックス310、CRT表示装置311及び制御ボックス312が配置されている。このフィルム加工組込部300の内部は暗室状態にあり、フィルム接合部100から搬送される感光性フィルムは、穿孔機301でパーフォレーションが形成される。このパーフォレーションの形成には実開昭56−98597号公報の連続穿孔機またはレシプロタイプの穿孔機を用いることができる。なお、レシプロタイプの穿孔機を設ける時は、本体との間に振動防止のため、例えば防振ゴム、空気バネ等の防振部材を設けることが好ましい。
感光性フィルムは、ブラシクリーナ313でごみを除去してアキューム部302に搬送される。このアキューム部302はダンサローラ314で構成され、感光性フィルムはアキューム部302を介して潜像焼込部303へ搬送される。この潜像焼込部303では、感光性フィルムの搬送に連動して潜像内容をオプチカルファイバー315を介して感光性フィルムに焼き込む。この潜像内容は、予め潜像制御手段316で各品種の潜像画像、例えばサイドライン、サイドマーク、バーコード、駒No等を作成しておき、それを品種設定器にフロッピーディスクを使って保管しておく。そして、上位制御手段317の指令によって生産する品種の画像内容が品種設定器からフィルム加工組込部300に設置されている潜像焼込部303の制御盤に通信され、そこで画像内容が電気的に保管される。
感光性フィルムは定尺スプロケット318、引抜きローラ319及び挿入ローラ320を介してスプール組付部304へ搬送され、この感光性フィルムは裁断器305で所定長さに切断される。ここまでは、感光性フィルムが連続状態のまま加工を行い、この後サーボモータで駆動する定尺スプロケット318で決められた長さに定尺に切断する。このとき、スプール7と係止するための孔や舌端形状加工も同時に行う。この感光性フィルムを所定長さに切断する装置として、例えば特開平1−183398号公報のフィルム定尺装置を用いることができる。 スプール組付部304のスプールターレット321には、スプール供給装置240からスプール7が順次供給され、このスプール7のスリットに感光性フィルムの先端部を挿着して巻き付け、この感光性フィルムを巻き付けた状態でキャリヤ308でパトローネ組付部306へ供給される。このパトローネ組付部306には、片カシメパトローネ加工装置220から片カシメパトローネ6が供給され、またパトローネキャップ供給装置260からパトローネキャップ11が供給され、片カシメパトローネ6に感光性フィルムを巻き付けたスプール7を収納し、この片カシメパトローネ6にパトローネキャップ11がキャッピング装置で組込んだ後カシメ機307でカシメて取り付けられ、内装品8が製造される。
次に、この内装品8の製品の全高をチェックした後、検査装置420へ搬出される。次に、図55に基づき、フィルム加工組込部の潜像焼込からスプール7の供給について詳細に説明する。
フィルム接合部100の元巻3から引出された未露光の長尺の感光性フィルムはガイドローラ330に規制されながら、潜像焼込部303を構成する焼込スプロケット331に巻着される。この焼込スプロケット331のそれぞれの歯332は感光性フィルムの各パーフォレーション孔に対応して係合しており、フィルム搬送とこの焼込スプロケット331の回転を同期させている。この焼込スプロケット331の回転軸333にはロータリーエンコーダ334が直結しており、この焼込スプロケット331の回転軸333の回転に同期した信号を潜像焼込制御装置335に送っている。この潜像焼込制御装置335は感光性フィルムのサイズ及び品種に応じた潜像データの作成、編集、設定及び潜像焼込指令の制御を行なう潜像データ制御装置336に接続している。更に、この潜像データ制御装置336はフィルムサイズ及び品種の切換の制御信号を出力する上位制御手段317に接続され、この上位制御手段317にはサイズ設定入力手段337が接続されている。品種については、生産計画に基づき、オペレータによって上位制御手段317に別途入力される。
このサイズ設定入力手段337は切替スイッチで構成され、オペレータがフィルムサイズを指定すると、上位制御手段317がそのサイズ設定に基づき潜像データ制御装置336を制御し、指定されたフィルムサイズに適合する潜像の焼込指令を潜像焼込制御装置335に入力する。この潜像焼込制御装置335では、入力された潜像焼込指令と、ロータリーエンコーダ334が出力する焼込スプロケット331の回転軸333の回転に同期する信号を基に、各潜像を焼込むべき感光性フィルムの所定位置を判断し、それに応じて潜像焼込指令を焼込スプロケット331上に付設されるオプチカルファイバー315に送り、このオプチカルファイバー315の発光により感光性フィルムの所定位置に所定の潜像を焼付ける。
この潜像が焼込まれた感光性フィルムは、搬送路における前後の速度差を吸収するためのダンサーローラ部338を介して、定尺スプロケット318に搬送される。この定尺スプロケット318の回転軸339は、定尺サーボモータ340及び定尺用ロータリーエンコーダ341に直結しており、この定尺サーボモータ341の作動により回転及び停止する。この定尺サーボモータ340及び定尺用ロータリーエンコーダ341は定尺制御装置342に接続しており、更にこの定尺制御装置342は上位制御手段317に接続している。この上位制御手段317の制御信号で定尺制御装置342が制御され、定尺制御装置342から指定されたフィルムサイズの切断長に合う定尺スプロケット318の回転数の信号が定尺サーボモータ340に送られる。この信号に基づき定尺スプロケット318は所定の回転を行ない、感光性フィルムを送りローラ363に供給する。
一方、この送りローラ363は定尺スプロケット318から送られてきた感光性フィルムを裁断器305の上下刃間に挿入し、更にこの裁断器305に続いて配設される引抜きローラ319に搬出する。この裁断器305も定尺制御装置342に接続され、指定されたフィルムサイズで切断すると同時に、この切断後の感光性フィルムをスプール7に係止するための係止孔も穿孔する。この裁断器305の駆動には機械的機構でも単独モータでもよい。
感光性フィルムが挿入された引抜きローラ319は、この感光性フィルムをガイドレール343を通して前方の挿入ローラ320に導く。ガイドレール343の下方には圧縮空気を噴出するノズル344が感光性フィルムの搬送方向に沿って複数配置されている。これらのノズル344から噴出する圧縮空気により滑りガイドレール343の下面343aに感光性フィルムが押付けられた状態にて搬送される。
ガイドレール343に導かれて挿入ローラ320に搬入された感光性フィルムは、これに続いて配設される上下一対のガイドからなる挿入ガイド345間に挿入される。挿入ローラ320は上挿入ローラ320aと下挿入ローラ320bとからなり、下挿入ローラ320bは感光性フィルムの搬送状態に応じてこの上挿入ローラ320aに対して圧接したり、又退避することができる。また、挿入ガイド345も上挿入ガイド345aと下挿入ガイド345bからなり、下挿入ガイド345bも同様に感光性フィルムの搬送状態に応じて、上挿入ガイド345aに対して適当な間隔を保ったり退避することができる。
この挿入ガイド345に挟持されながら搬送される感光性フィルムは、次にスプール組付部304のスプールターレット346に搬入される。このスプールターレット346では、第1ステーション(I)において、スプール供給用シュート347から、所定の向きに揃えられたスプール7が連続的に供給される。このスプール供給用シュート347の供給先端部には2本のシャッター装置348a、348bが配設され、このシャッター装置348a、348bが交互に出入りすることで、スプール7を1個ずつスプールターレット346に供給する。
スプールターレット346の第1ステーション(I)では、スプールターレット346と連動して作動するスプールチャック349により、供給されたスプール7がチャッキングされ、スプールターレット346の回動により、第2ステーション(II)に搬送される。
この第2ステーション(II)ではスプール7がサーボモータ356に係合して回転され、スプール7の巻軸357に設けられた突起部358がオリエンテーション用の爪350と係合して回転を停止し、このスリットの向きを定める。このようにしてスリットの向きが制御されたスプール7は続いて第3ステーション(III)に回動される。この第3ステーション(III)では挿入ガイド345から導かれた感光性フィルムの先端を、スプール7のスリットに挿入すると同時にフィルム先端部に穿設された係止孔をこのスリットに設けられているフックに係止する。このフィルム先端の係止をセンサ351により検知すると、下挿入ローラ320b及び下挿入ガイド345bは退避を開始する。
一方、定尺スプロケット318、送りローラ363及び引抜きローラ319は感光性フィルムが規定の長さになるまでは継続して回転し、感光性フィルムが所定の長さになった時に停止し、その後裁断器305が作動して感光性フィルムを切断する。このため、感光性フィルムは引抜きローラ319とフィルム先端が挿入係止されたスプール7との間でたわむことになるが、ガイドレール343上方に配設されるノズル352により感光性フィルムに対して下向きに空気を噴射することで強制的に下側にたわませる。これにより、この感光性フィルムがノズル344よりも下側に位置すると、感光性フィルムに対する揚力は作用しなくなり自重により下方に向けて大きくたわむようになる。また、このガイドレール343の下方においても、このたわんだ感光性フィルムに対し下向きに空気を噴射するノズル353を配置することで、感光性フィルム同士が接触することを防止する。
このようにして下方にたわんだ感光性フィルムは、引抜きローラ319の駆動によりフィルム後端をガイドレール343側に送り出すと、先端部をスプール7のスリットに挿入係止した状態でフリーとなる。この状態でスプールターレット346を回動させ、スプール7を第4ステーション(IV)まで移動させる。この時フリーとなった感光性フィルムが、格納される搬送ループ室354の底部に当たらぬように、この搬送ループ室354の前方下方に設けたノズル355で空気を感光性フィルムの下方より噴射する。
第4ステーション(IV)では、巻取サーボモータ359にスプールチャック349が係合し、この感光性フィルムの巻取回転を行なう。この巻取サーボモータ359はこの巻取回転を制御する巻取制御装置360に接続され、この巻取制御装置360は上位制御手段317からの制御信号が入力されると、指定されたフィルム長さに応じて巻取回転及び停止の制御信号が巻取サーボモータ359に送られる。この感光性フィルムの巻取はフィルム後端部の舌端長さを一定にするように行なわれる。
この第4ステーション(IV)で感光性フィルムの巻取を終了したスプール7は、次の第5ステーション(V)に回動され、フィルム巻取の有無やフィルム舌端長さの確認等の検査が行なわれる。さらに、第5ステーション(V)にはキャリヤ308がスプールターレット346に連設している。このキャリヤ308には2箇所に受取ホルダー361が配設されており、フィルム巻取後のスプール7をこの受取ホルダー361が把持し、次のパトローネ組立部306のパトローネターレット362に移送する。
このパトローネターレット362には片カシメパトローネ加工装置220から片カシメパトローネセット部370を介して片カシメパトローネ6が連続的に供給され、またパトローネキャップ供給装置260からパトローネキャップ11が供給され、この片カシメパトローネ加工装置220及びパトローネキャップ供給装置260は上位制御手段317で制御される。
次に、図56乃至図57に基づいて片カシメパトローネセット部について詳細に説明する。
片カシメパトローネセット部370には分離用スターホイール371が備えられ、この分離用スターホイール371は回転軸372を支点にして反時計方向へ回転するようになっている。この分離用スターホイール371の外周には4箇所に片カシメパトローネ6が入る受部371aが等間隔に形成されている。この分離用スターホイール371の周囲に対向して供給用シュート708が配置され、この供給用シュート708で搬送される片カシメパトローネ6は分離用スターホイール371の周囲に自重で常時接触しており、分離用スターホイール371の回転で受部371aに自重で入り込み、片カシメパトローネ6が一個ずつに分離して搬送される。この分離用スターホイール371の下方位置には整列搬送機構373が配置され、この整列搬送機構373で片カシメパトローネ6を整列させてプレターレット374へ搬送する。
この整列搬送機構373と供給シュート708との間には保持カバー375が分離用スターホイール371の外周に沿って配置され、この保持カバー375は保持バネ376で保持され、分離用スターホイール371の受部371aに挿入されている片カシメパトローネ6が落下しないで円滑に搬送できるようになっている。整列搬送機構373はコンベヤ377が備えられ、このコンベヤ377は支持ローラ378と駆動ローラ379との間に設けられ、駆動ローラ379をモータ380で駆動することで矢印方向へ回転する。このコンベヤ377には粉末磁石の練り込んだ樹脂ベルトで構成され、あるいは永久磁石381が片カシメパトローネの傾斜搬送路の裏面に設けて構成され、コンベヤ377上に供給された片カシメパトローネ6を磁力で吸着して斜め上方へ向かって搬送する。コンベヤ377の上方には可動ストッパ382が配置され、この可動ストッパ382はストッパ駆動シリンダ383のロッド384に設けられている。
ストッパ駆動シリンダ383のロッド384が伸びている時、可動ストッパ382はコンベヤ377に近接した位置にあり、この状態でコンベヤ377に供給された片カシメパトローネ6は永久磁石381の磁力で吸着されて斜め上方へ向かって搬送される。このとき、片カシメパトローネ6にはリップ部6aを有しているため、コンベヤ377によって斜め上方へ向かって搬送されるとき、片カシメパトローネ6の重心がリップ部側にずれる。従って、片カシメパトローネ6はコンベヤ377上をリップ部6aを後ろにして回転し、リップ部6aがストッパとなって止まり、この状態で搬送される。そして、片カシメパトローネ6が可動ストッパ382に当接して位置決めされる。
プレターレット374の外周には4箇所に片カシメパトローネ6が入いる受孔部374aが等間隔に形成され、このプレターレット374はフレーム385に支持された支持筒386に回転可能に支持された回転体387に固定されている。この回転体387にはギヤ388が設けられ、このギヤ388に噛み合っている駆動ギヤ389によって間欠的に回転する。プレターレット374の受孔部374aに対応する位置には第1の作動ロッド390の先端部が位置し、この先端部には永久磁石391が設けられている。この第1の作動ロッド390はフレーム385に支持された支持筒392にスライド可能に設けられ、この第1の作動ロッド390は連結ロッド393を介してアーム394に連結され、このアーム394は支持ピン395を支点に回動可能に支持されている。アーム394はバネ396で常に駆動カム397に接触するように付勢されており、駆動カム397の回転でアーム394が作動し、これにより連結ロッド393を介して第1の作動ロッド390を往復運動する。
プレターレット374の受孔部374aに対応して片カシメパトローネ6が位置決めされ、このとき駆動カム397によって第1の作動ロッド390が前進してプレターレット374の受孔部374aを貫通して永久磁石391が片カシメパトローネ6を吸着して後退し、片カシメパトローネ6を受孔部374aに受け渡す。アーム394にはインターロックシリンダ398が設けられ、このインターロックシリンダ398の作動でアーム394を介して第1の作動ロッド390が引いた状態になり、コンベヤ377からプレターレット374に片カシメパトローネ6を受け渡すことができないようになる。
プレターレット374の支持筒386には第2の作動ロッド399が摺動可能に挿通され、この第2の作動ロッド399の先端部には押しロッド700がプレート701を介して取り付けられている。この第2の作動ロッド399は連結ロッド702を介してアーム703に連結され、このアーム703は支持ピン704に回動可能に支持されている。このアーム704はバネ705で常に駆動カム706に接触するように付勢されており、この駆動カム706の回転でアーム703が作動し、これにより連結ロッド702を介して第2の作動ロッド399を往復運動する。
プレターレット374の受孔部374aに位置する片カシメパトローネ6がパトローネターレット362の受穴部362aに位置決めされたとき、駆動カム706によって第2の作動ロッド399が後退し、これで押しロッド700が後退してプレターレット374の受孔部374aの片カシメパトローネ6をパトローネターレット362の受穴部362aに受け渡す。
この第2の作動ロッド399が後退して押しロッド700が後退して押してプレターレット374からパトローネターレット362に片カシメパトローネ6を受け渡すとき、第1の作動ロッド390が前進してコンベヤ377の片カシメパトローネ6を吸着する。そして、第2の作動ロッド399が前進して押しロッド700が前進して初期位置に復帰する時、第1の作動ロッド390が後退してコンベヤ377の片カシメパトローネ6をプレターレット374に受け渡して初期位置に復帰する。
このように第1の作動ロッド390と第2の作動ロッド399は同期して作動し、コンベヤ377の片カシメパトローネ6をプレターレット374に受け渡す作動と、プレターレット374からパトローネターレット362に片カシメパトローネ6を受け渡す作動と同時に行ない、片カシメパトローネ6は整列した状態でパトローネターレット362に供給される。このパトローネターレット362がフィルム加工手段で加工された感光性フィルムを部品搬送手段で同期搬送される部品に組み込むフィルム組込手段を構成している。
この片カシメパトローネセット部370にはコンベヤ377に上方に片カシメパトローネ検出センサ707が配置され、この片カシメパトローネ検出センサ707で片カシメパトローネ6の検出を行い上位制御手段317へ出力する。上位制御手段317では片カシメパトローネ6の検出情報に基づき、感光性フィルムを定尺切断する時点で対応する片カシメパトローネ6が存在しているかを判断する。この実施例では5個前で判断しており、以後片カシメパトローネ6を前記したようにプレターレット374及びパトローネターレット362で同期して搬送する。
片カシメパトローネ検出センサ707は、反射型光電センサまたは透過型光電センサ、あるいは磁気式の近接センサ等が用いられる。また、片カシメパトローネ検出センサ707の位置は片カシメパトローネ6が組み込まれる前段ならば特に限定されない。
上位制御手段317では感光性フィルムを定尺切断する時点で対応する片カシメパトローネ6の存在を判断し、定尺制御装置342を介して裁断器305を制御し、片カシメパトローネ6がある時のみ感光性フィルムの定尺切断を行う。この裁断器305が部品の存在を検出して部品が存在する時にのみ感光性フィルムの加工を行うフィルム加工手段を構成している。
また、上位制御手段317では片カシメパトローネ6が存在していない場合には、感光性フィルムの切断を停止するとともに、切断までの制御を停止し、既に切断されている定尺済感光性フィルムは係止、巻き取りを順次同期加工を行った後に、検出した片カシメパトローネ6にスプール7を詰め込み、以後キャッピング、カシメ、検査を順次同期加工を行った後に、製品を回収する。
このように、感光性フィルムを加工し、この加工済感光性フィルムと部品とを同期して順々に供給し、供給された加工済感光性フィルムと部品から感光性フィルムマガジンを組み立てる感光性フィルムマガジンの製造において、感光性フィルムを加工するに際して、対応する位置に部品が存在するか否かを検出し、対応する位置に部品が存在すると検出した場合のみ感光性フィルムの加工を行う。
従って、対応する位置で部品を検出することにより、高価な感光性フィルムのロスを減少させることができる。また、感光性フィルムの供給と部品の供給の不一致を防止しながら、装置を小型・簡素化することができる。
また、片カシメパトローネ6の供給を確認した上で感光性フィルムやスプール7を供給するので、片カシメパトローネ6が存在しないのに搬送された感光性フィルムやスプール7を元に戻す等の搬送ラインが不要で装置がシンプルで小型となり、安価な装置となる。さらに、片カシメパトローネ6を優先することにより片カシメパトローネ6がない時には高価なフィルム供給を止めることができ、ロスを最小限に抑えることができる。また、感光性フィルムのばらけやすい状態(いわゆるスクロール状態)での、ハンドリングを最小距離に抑えることができ、品質上も稼働上も安定化できる。また、不安定動作がなくなることから高能力な装置となる。
また、感光性フィルムの巻き取りと片カシメパトローネ6の供給組立を結合することにより、不安定なスクロール状態での長距離治具搬送をなくし、保守点検が容易な構造となっている。
なお、この実施例では、片カシメパトローネ6がある時のみ感光性フィルムの定尺切断を行なっているが、スプール7あるいはパトローネキャップ11がある時のみ、さらにはこれらの片カシメパトローネ6、スプール7及びパトローネキャップ11の全部がある時のみ感光性フィルムの定尺切断を行うようにしても良い。また、感光性フィルムを加工する時点としては、定尺切断時に限定されず、穿孔機301、潜像焼込部303での加工時でも良い。
さらに、予め判別している不良フィルム(接合部、焼込み異常品、扉開放によるカブリフィルム等)に対しては、上位制御手段317の不良フィルム(シフト)信号を受けて分離用スターホイール371の回転と、位置決めされた片カシメパトローネ6をプレターレット374に引き込み第1の作動ロット390の動作を止めることにより、片カシメパトローネ6の供給も一時的に停止し、予期される不良フィルムの排出に対しては、片カシメパトローネ6もロスとならないようにしてある。
ここで、分離用スターホイール371の駆動はゼネバとかローラギヤ等により間欠回転をさせてあり、回転軸372には図示しない1ポイントクラッチが入れてあり、間欠回転を止めたい場合にこのクラッチを切り、インターロックが可能となるようにしてある。
以上のように、感光性フィルムはもちろんのこと片カシメパトローネ6もロスの発生を最小限に抑えるようになっている。
次に、感光性フィルムの不良が生じた場合に、装置外へ排出する不良フィルム排出装置について、図59乃至図70に基づいて説明する。図59は不良フィルム排出装置の概略構成図、図60は搬送路の切替ゲートの正常時の作動状態を示す図、図61は搬送路の切替ゲートの排出時の作動状態を示す図、図62乃至図67は搬送路の切替ゲートの他の実施例を示す図、図68は排出シュートの側面図、図69及び図70はフィルム排出フローチャートである。
この不良フィルム排出装置は、内装品8を製造する工程で感光性フィルムの不良を検知する不良フィルム検知手段720と、この不良フィルム検知手段720からの不良検知信号に基づき排出する不良感光性フィルムに対する不良フィルム信号を出力する不良フィルム信号出力手段721と、この不良フィルム信号を搬送する不良感光性フィルムの移動に同期してシフトするシフト制御手段722と、このシフトしてきた不良フィルム信号により感光性フィルムの搬送経路を切替え不良の感光性フィルムを系外へ排出する不良フィルム排出手段723とを有している。
不良フィルム検知手段720で検知される不良フィルムには、感光性フィルム自体に不良が発生した場合のほか、扉の開放により装置内が明室化した場合や長時間停止した場合がある。
その中で、感光性フィルム自体に不良が発生した場合は、センサ724で感光性フィルムの不良を検知する。また、接合機103において、フィルム接合時に接合部にパンチ孔を開けており、それをセンサ725で検知する。また、不良感光性フィルムには、元巻の不良情報により断裁の段階でフィルム端部に不良を示すノッチを開けており、それをセンサ726で検知する。また、感光性フィルムに、コマ番号等の潜像パターンを、ファイバーを通した光で露光し、漏光しドット状に焼き込む潜像焼込部303を使用しているもので、焼き込みが失敗した場合には、この潜像焼込部303から異常の信号がでる。さらに、巻取等のサーボモータの図示しないドライバから異常信号が出る。また、センサ727では、パーフォレーションの位置より感光性フィルムの切断位置を見ており、切断位置が不適切な場合を検知する。また、センサ728では、感光性フィルムの搬送位置を見ており、定尺スプロケット318から一定以上浮き上がった場合、検知する。
このセンサ725〜728は、透過形光電センサを使用しているが、他のセンサの使用も可能である。
その他の感光性フィルムの不良発生の原因には扉開放があり、扉開放については、装置は3つのブロックに分かれており、各々に扉がついている。接合機103の接合扉729とワインダー右扉730、ワインダー左扉731の3つの扉には、ロック状態を検知するセンサ732,733,734が設けられている。
長時間停止時間については、フィルム加工組込部300の停止時間を見る長時間停止検知手段735が設けられている。
扉開放を検知するセンサ732〜734は、例えば扉の取手をひねり、扉の上下の爪等の固定部が外れると固定部を見ている近接スイッチが作動し、扉の開放を判断する。この時点では、扉はまだ開放されていない。その信号によりシャッタ制御手段736の制御でシャッタが閉まり、このシャッタが閉まってから扉を開放することができる。従って、開放されるブロックと他のブロックをしきる扉が開放されて明室になる部分と暗室部分が区切られるため、明室になり感光してしまう部分は最小限に限定される。
さらに、フィルム加工組込部300が長時間停止の場合には、感光性フィルムの不良として検知して、不良感光性フィルムを排出する。メイン電源を入れた場合は長時間停止と判断する。長時間停止すると、感光性フィルムに曲げ癖がつき排出等に支障をきたすため接合室660のワインダー右扉730の感光性フィルムを排出するようにする。また、フィルム加工組込部300が一定時間以上止まった後、再起動した場合には感光性フィルムに癖がつくためにワインダー左扉731の感光性フィルムを排出する。
次に、不良フィルム信号出力手段721は、例えば、切断前の連続した感光性フィルムを内装品に組み込む感光性フィルム1本分単位で管理する。各センサが不良を検出した場合、ソフト上の排出が必要な感光性フィルムに該当する部分(XX〜X0本目)に不良フィルムの印が付けられる。
不良フィルム検知手段720は、例えばフィルム1本分に対して、1つの枠を持っており、切断前の連続した感光性フィルムに関してもX本目に当たる位置には不良があった場合には、X本目の枠に不良フィルムの印が付けられる。
これは、同じ不良の場合でも当然フィルムの撮影枚数によって異なる。
例えば、ソフト上に設定されているフィルム枠のうち、感光している部分の枠に不良フィルムの印がつく(例えばXX本目〜X0本目)。
これは、フィルムサイズや各アキューム部のダンサーの位置により設定が変えられ、アンダーアクションがない範囲で排出量ができるだけ少なくなるようになっている。
例えば、ワインダー右扉開放の場合は、次のようになる。
即ち、フィルムサイズが大きいとフィルム長さが長いので本数が少なくなり、また、ダンサー位置が高くなるとフィルムの量が少なくなるので本数が少なくなる。
ダンサーを使わないアキューム方法、エアーループ方式等にはフィルムの量を光電センサ等で直接判断して、フィルムの排出量をコントロールする方法が考えられる。
この不良フィルム信号は、感光性フィルムの間欠移動1本分に同期して1つずつシフトする。シフト制御手段722では、不良フィルムの印は感光性フィルムの移動に伴ってリフト上でシフトしていき、例えば感光性フィルムが1本分搬送されると、ソフト上の信号が1本分前にシフトしていく。この時に不良フィルムの印はX本目からX−1本目に繰り上げられる。
不良フィルム排出手段723は感光性フィルムが定尺切断の直後にある切替ゲート737を制御し、排出シュートの直前位置に不良フィルムがくるとシフトしてきた不良フィルム信号により感光性フィルムの搬送経路cから排出通路dに切替え不良の感光性フィルムを排出シュート738より系外へ排出する。この排出シュート738には不良の感光性フィルムを暗室から明室に排出するための遮光機能を有し、遮光性トンネルトなっている。
不良の種類・発生状況によっては切替ゲート737からの排出が間に合わない場合もあるが、その場合は不良フィルムの印がさらに先の工程までシフトしていき、他の排出口749から確実に排出される。その場合でもできるだけ材料を無駄にしないように材料供給にインターロックがかかるようにする。このインターロック方法は、例えば図示しないエアシリンダによってカムから外れる又はエアシリンダが作動しないようにする。
切替ゲート737は、図60及び図61に示すように、分岐経路739a,739b,739cが形成された円柱状のブロック739で形成され、このブロック739が回転することにより感光性フィルムが搬送される経路が変わり、一方は通常の組立経路cとなり、一方は排出経路dとなる。
また、図62及び図63では切替ゲート737が1個の経路740aを有する板状のブロック740で形成され、このブロック740が支持軸741を支点に組立経路cと排出経路dに経路が切り替わる。また、図64及び図65では切替ゲート737が板状のブロック742で形成され、このブロック742をスライドして逃がすことで組立経路cと排出経路dに経路が切り替わる。さらに、図66は切替ゲート737が2本の経路743a,743bを有するブロック743で形成され、このブロック743のスライドで切替わり、ブロック743の経路743aが組立経路cと連通し、ブロック743の経路743bが排出経路dと連通する。図67では切替ゲート737が切替爪744で形成され、この切替爪744が組立経路cと排出経路dの分岐部に設けられ、切替爪744の作動によって組立経路cと排出経路dの切替が行われる。
また、排出シュート738は図68に示すように、2枚の先端を90度ひねって曲げたプレート745,746を接合して形成され、この遮光手段としては、フィルム排出口738aは明室になっているため、生産している暗室側に光の侵入がないように設けられている。
この遮光構造は第1に、フィルム排出口738aから曲げ部738bに光が反射しない黒色シュート748、例えば塗装、着色等が用いられる。この実施例では、黒く着色した樹脂シュートを使用しており、外部からの光を途中で吸収している。
また、遮光構造は第2に、排出シュート738は途中で光がもれない構造で密封されており、シュート入口738cは小さくその長さは十分なために、シュート入口738cから入ってくる光は少なく、段々吸収されてしまい、奥まで入ってこない。また、隙間を遮光性トンネルと同様の手段、例えば、黒色コーキング剤で遮光する。
さらに、遮光構造は第3に、排出シュート738を途中で90°ひねりかつ先端部は曲線状になっているため、直線性がある光は奥までいけずに途中で吸収されてしまう。
実際の排出シュート738は黒色のシュート部品2つを組み合わせる構造になっており、2つの部品の嵌め合い構造になっており、光が外に漏れない。また、排出シュート738途中で90°ひねり、さらに先端部はカーブする構造になっている。
次に、フィルム搬送シュートと排出シュートのさらに具体的な実施例について説明する。フィルム搬送シュートは、シュート幅はフィルム幅に対して+0.1〜2.0mmの範囲が好ましく、さらに好ましくは+0.1〜0.3mmである。これは、フィルム搬送シュートは、係止や切断時の精度が要求されるためである。また、フィルム搬送シュートはシュート厚さが、フィルム厚さに対して+0.1〜2.0mmの範囲が好ましく、さらに好ましくは+1mm前後である。これは、フィルム搬送シュートは厚みが大きいと搬送中にバタツキがあるため、フィルム傷が発生し、又小さいと擦れ傷がつくためである。
排出シュートは製品にならないため傷に関しては気にする必要が無いため搬送を重視する。従って、排出シュートのシュート幅はフィルム幅に対して+0.1〜10mmの範囲が好ましく、さらに好ましくは+5mm前後である。
次に、フィルム排出の作動を、図69及び図70のフローチャートに基づいて説明する。まず、メインフローチャートでは、ステップH1で電源を投入すると、ステップH2で不良フィルム信号が入力され、ステップH3でフィルム1本分を搬送する。そして、ステップH4でフィルム信号をシフトし、ステップH5で不良フィルム信号の有無の判断を行い、不良フィルム信号が入力されている場合には、ステップH6でフィルム排出ゲートを切替えて不良フィルムを排出する。 このメインフローの作動中に、割り込みフローチャートのステップI1で不良フィルムが発生すると、ステップI2不良フィルム信号が入力される。この割り込みフローによって、メインフローではステップH5で不良フィルム信号の有無の判断を行い、不良フィルム信号が入力されている場合には、ステップH6でフィルム排出ゲートを切替えて不良フィルムを排出する。
このように、感光性フィルムマガジンの製造において、感光性フィルムの良・不良を検出し、不良が検出された場合、不良フィルム信号を出力し、この不良フィルム信号を感光性フィルムの移動に同期してシフトし、感光性フィルムを系外に排出することが可能な搬送経路切替え位置に対応する箇所に、不良フィルム信号がシフトされた場合、感光性フィルムを系外に排出するよう搬送経路を切替え、不良フィルム信号がシフトされない場合、感光性フィルムを感光性フィルムマガジンの組み立てに供するよう搬送経路を切替え、不良フィルムを系外に排出し、不良でない感光性フィルムを感光性フィルムマガジンの組み立てに供する。
また、感光性フィルムマガジンの製造において、感光性フィルムの不良箇所を検出し、感光性フィルムの不良箇所が、感光性フィルムを系外に排出することが可能な搬送経路切替え位置に、到達した場合、感光性フィルムの不良箇所を系外に排出するよう搬送経路を切替え、それ以外の場合、感光性フィルムを感光性フィルムマガジンの組み立てに供するよう搬送経路を切替え、不良フィルムを系外に排出し、不良でないフィルムを感光性フィルムマガジンの組み立てに供する。 また、感光性フィルムマガジンの製造において、感光性フィルムの不良箇所が、感光性フィルムを系外に排出することが可能な搬送経路切替え位置に、到達した場合、感光性フィルムの不良箇所を系外に排出するよう搬送経路を切替え、感光性フィルムの不良箇所を、感光性フィルムの供給・加工および感光性フィルムマガジンの組立に供する部分を実質的に暗室状態にするのに必要な区間を排出シュート738の遮光性トンネルで覆われた所定の経路に沿って、非暗室状態の系外に排出し、また、それ以外の場合、感光性フィルムを感光性フィルムマガジンの組み立てに供するよう搬送経路を切替え、不良フィルムを系外に排出し、不良でない感光性フィルムを感光性フィルムマガジンの組み立てに供する。
従って、感光性フィルムに不良なものが混入・発生した場合、そのバッチの感光性フィルムマガジンを全て捨てる必要をなくし、装置の運転を停止することも無く、自動的に不良なものを排出し、また、不良なものを含む感光性フィルムマガジンが感光性フィルムマガジン包装体として組み立てられる可能性を少なくすることができる。また、不良フィルムを自動的に排出する際でも、遮光性トンネルにより、暗室状態を維持しながら、連続的に排出することにより、不良フィルムの排出の際の生産性の低下を防止することができる。
また、不良フィルムの検出、さらに扉開放、装置の故障、長時間停止時に必要な分の不良フィルムが自動的に排出され、従って、人為的ミスによる不良フィルムの混入がない。従来、困難だった装置の故障や長時間停止による不良フィルムの排出が可能である。また、感光性フィルムの品質が安定するため、製品品質の安定化や装置の安定稼働に貢献できる。オペレータ作業の軽減によりオペレータの省人化が可能である。
次に、検査装置420について、図71及び図72に基づいて詳細に説明する。図71は検査装置の平面図、図72は図71のD−D線に沿う断面図である。検査装置420には検査装置制御手段421が備えられ、この検査装置420にフィルム加工組込部300より送られてきた内装品8を検査ターレット422に移載した後、この検査ターレット422でパトローネ有無検出、引出しトルク、舌端長さ、キャップの傷、パトローネのつぶれ及びキャップとスプールのクリアランス等をチェックし、この検出信号は検査装置制御手段421に入力される。 検査装置420は内装品8を保持しながら搬送し連続して検査を行う構造になっており、例えば特開昭62−36664号公報の連続検査装置及び特開昭62−39708号公報の連続検査装置を用いることができる。
パトローネ有無検出には、ホルダーに内装品8がチャックされているかどうかをパトローネ有無検出センサ423で検出する。パトローネ有無検出センサ423には非接触のセンサが用いられ、このパトローネ有無検出センサ423として、例えば反射型光電センサまたは透過型光電センサ、あるいは磁気式の近接センサ等が用いられる。なお、ネガフィルムでは、光電センサが好ましい。
そして、このパトローネ有無検出センサ423で内装品8を検出した後、次の検査を行なう。
引出しトルクのチェックはフィルム引出ユニット424により、内装品8から出ている感光性フィルムをクランプして、引き出した時の引出荷重を測定する。この引出しトルク、舌端長さのチェックには、例えば実開昭58−71737号のフィルムの引出荷重検出装置及び特開昭62−40451号公報のフィルム引き出し抵抗測定装置を用いることができる。
舌端長さのチェックはフィルム引出ユニット424により、引出トルクを測定した後に引き出されたフィルムの長さが所定の長さになっているかを光電センサで検出する。この舌端長さのチェックには、例えば実開昭58−71739号のフィルムのリーダ部長さ検査装置を用いることができる。
キャップ傷のチェックは内装品8を1回転させ、キャップの傷を光学式変位センサ425で検出する。また、パトローネつぶれのチェックは内装品8を1回転させ、内装品8に光を当て、反射した光量をフォトカプラに受けてその電圧量で検出する。この他のパトローネつぶれのチェック方法として、例えば特開昭62−39710号公報のパトローネ周面検査装置が用いられ、このものは例えば渦電流変位計で計測してパトローネ周面の凹凸を検査する。
キャップとスプールとのクリアランスのチェックは、クリアランス測定装置426でパトローネ内のスプール軸方向の遊び量を差動トランスの電圧量で検出する。このキャップとスプールとのクリアランスのチェックには、例えば特開昭62−40452号公報のパトローネクリアランス測定装置が用いられる。
検査ターレット422でチェックされた内装品8は吸着機構427により検査ターレット422から回転ターレット428に受け渡される。この吸着機構427は検査装置制御手段421により制御され、検査ターレット422での検査情報に基づき不良品がくると、検査装置制御手段421が吸着機構427の吸着台429が矢印方向へ作動して不良品が落下して不良品排出シュート430から内装品8の不良品は系外排出させる。
回転ターレット428にはパトローネ容器9が供給され、内装品8をパトローネ容器9に入れる。回転ターレット428では系外に排出する内装品8の不良品に同期して容器ストッパ431を作動させ、パトローネ容器9の供給を停止してパトローネ容器9が無駄にならないようにしている。良品の内装品8を入れたパトローネ容器9を容器キャップ10でキャッピングして、その後キャッピング状態を検査して、良品は排出して次工程送り用コンテナに回収し、不良品は別の箱に回収する。
次に、検査装置制御手段421での制御を詳細に説明する。まず、良品及び不良品のシフトを[表2]に示す。
良品の場合について説明する。パトローネ有無検出ステーションで内装品8を検出すると、良品シフトM110がONする。検査ターレット422が1サイクル移動したことを角度検出手段が判断すると、M110の情報はM111へシフトされる。M111がONしている時は製品が次のステーションへ移動できたと判断し、トルクの検査を行う。このような動作を繰り返し最終的に取出ステーションのM115にきたところで、不良フラグが立っていなければ、良品を判断する。
不良品の場合について説明する。仮にトルク検査ステーションで製品が不良となった場合は、不良シフトをONさせる。これを1サイクル毎順次情報を移動させ、最終的に取出ステーションにきた時点では、M134の情報がM138に移動してしているために不良と判断する。
次に、図73に不良品排出の排出フローチャートを示す。ステップJ1で、取出ステーションにきた時点で製品があるか否かの判断を行い、製品がある場合にはステップJ2で良品か否かの判断を行い、良品の場合にはステップJ3で容器ストッパ431を開く。そして、ステップJ4で吸着機構427の吸着台429を閉じており、ステップJ5で製品を吸着して、ステップJ6でパトローネ容器9に挿入して、ステップJ7でキャッピングする。
ステップJ2で製品が不良と判断された場合には、ステップJ8に移行して容器ストッパ431を閉じ、ステップJ9で吸着機構427の吸着台429を開き、ステップJ10で不良シュートへ落下させる。ステップJ10で不良の製品が落下しない場合には、ステップJ11で機械を停止し、ステップJ12で不良品を取り除く。
このように、暗室状態下の感光性フィルムマガジン組立部であるフィルム加工組込部300で組立られた感光性フィルムマガジンである内装品8を、容器収納部400で感光性フィルムマガジン容器に収納して、感光性フィルムマガジン包装体を製造するが、フィルム加工組込部300から、所定の経路で、順々に、内装品8を供給し、内装品8を1つづつ検査し、検査された内装品8を、容器収納部400へ、所定の経路で、順々に、供給し、その検査の結果、良と判定された内装品8のみを感光性フィルムマガジン容器に収納する。従って、感光性フィルムマガジン包装体の製造において、品質と生産性を向上させ、ロスを減少させることができる。また、暗室状態の内部と外部との間の製品収納箱による出し入れを廃止し、暗室状態の内部から内装品8を取り出す際の、傷や変形を防止し、順々に搬送することにより、生産性を向上させることができる。また、内装品8を全数検査した後、良品のみを感光性フィルムマガジン容器に収納することにより、ロスを減少させることができる。
次に、フィルム加工組込部300と、フィルム接合部100、片カシメパトローネ加工装置220、スプール供給装置240、パトローネキャップ供給装置260及び検査装置420との連結について説明する。
まず、フィルム加工組込部300とフィルム接合部100との連結は、図54に示すように、フィルム加工組込部300とフィルム接合部100との間を、遮光性トンネル800で連結し、この遮光性トンネル800の中に感光性フィルムを通すようになっている。この遮光性トンネル800は遮光性部材で一体形成しているが、透過性部材で形成し、これを遮光性カバーで覆ったり、遮光剤を塗布したものでもよい。
次に、フィルム加工組込部300とスプール供給装置240との連結を、図54、図74及び図75に示す。図74はフィルム加工組込部とスプール供給装置との連結を示す側面図、図75はフィルム加工組込部とスプール供給装置との連結を示す平面図である。
スプール供給装置240の集中収納部242には搬送ガイド801が接続され、この搬送ガイド801によってスプール7が横置きで整列して搬送され、このスプール7は回転ターレット802に順次供給される。この回転ターレット802はベルト807で図示しないモータに連結されている。この回転ターレット802でスプール7の形状をチェックしながら所定のタイミングでシュート803の口部803aに供給され、このシュート803が部品供給手段を構成している。
このスプール7を搬送するためのシュート全体を遮光性カバー804で被って遮光性トンネル805が形成され、この遮光性トンネル805でスプール7がフィルム加工組込部300のスプール組立部304に供給され、スプール7を明室から暗室状態のフィルム加工組込部300に入れる。このフィルム加工組込部300には遮光性トンネル805がブラケット等の遮光部材812で遮光状態に取り付けられている。
また、遮光性トンネル805のスプール7が入る部分から光が入るのを防ぐために、口部805aの近傍805bを屈曲させて口部805aから光が入ることを防止している。また、スプール7と遮光性トンネル805のトンネル内壁間の隙間は殆どないことが好ましく、3mm以下が良く、より好ましくは2mm以下であり、さらに好ましくは上下合わせて1mm以下であり、スプールの遮光性トンネルの長さは50cm以上が好ましく、より好ましくは1m以上である。スプール7自体も遮光の役割を果す。
また、遮光性トンネル805には部品検出手段806が設けられ、この部品検出手段806で遮光性トンネル805内に位置するスプール7を検出し、この部品検出手段806の検出信号を上位制御手段317に送り、遮光性トンネル805内にスプール7が位置するときに回転ターレット802の駆動を停止させる。例えば、遮光性トンネル805のスプール7が完全になくなると、そこから光が入るので制御的に遮光性トンネル805にスプール7が完全になくならないようにしている。
このように、感光性フィルムマガジンの製造において、感光性フィルムマガジン組立部であるフィルム加工組込部300へ、部品供給部200のスプール供給装置240から、フィルム加工組込部300を実質的に暗室状態にするのに必要な区間を遮光性トンネル805で覆われた所定の経路で、順々に、部品であるスプール7を供給する。
また、感光性フィルムマガジンの製造において、所定の経路の中で、遮光性トンネル805で覆われた区間の所定の位置で、部品であるスプール7が存在するか否かを検出し、その検出に従って、遮光性トンネル805で覆われたフィルム加工組込部300を実質的に暗室状態にするのに必要な区間に必ずスプール7が1つ以上存在するように、所定の経路におけるスプール7の搬送を制御する。
従って、感光性フィルムマガジンの製造において、品質と生産性を向上させ、ロスを減少させることができる。また、感光性フィルムマガジンの製造において、遮光性トンネル805を用いることにより、順々に部品であるスプール7を搬送することができる。また、暗室状態の内部と外部との間の部品収納箱による出し入れを廃止し、暗室状態の内部に部品を供給する際の、傷や変形を防止し、順々に搬送することにより、生産性を向上させることができる。また、製造された感光性フィルムマガジンに、傷や変形が少ない。
次に、フィルム加工組込部300と、片カシメパトローネ加工装置220、パトローネキャップ供給装置260及び検査装置420との連結を、図54、図76乃至図80に示す。図76はフィルム加工組込部と片カシメパトローネ加工装置及び検査装置との連結を示す側面図、図77はフィルム加工組込部と片カシメパトローネ加工装置及び検査装置との連結を示す平面図、図78はフィルム加工組込部と片カシメパトローネ加工装置との連結を示す斜視図、図79はフィルム加工組込部とパトローネキャップ供給装置との連結を示す側面図、図80は図79のF−F線に沿う断面図である。
片カシメパトローネ加工装置220からマグネットコンベア40がフィルム加工組込部300の内部に設けられ、このマグネットコンベア40はモータ41で駆動される。このマグネットコンベア40は片カシメパトローネ加工装置220で作成された片カシメパトローネ6を吸着して搬送し、フィルム加工組込部300の内部に配置された供給用シュート708に供給される。この片カシメパトローネ6は、この供給用シュート708から分離用スターホイール371に供給され、整列搬送機構373で片カシメパトローネ6の向きを揃えて所定のタイミングでプレターレット374に送られ、このプレターレット374からパトローネ組付部306へ供給される。このマグネットコンベア40は部品搬送手段を構成しており、このマグネットコンベア40は遮光性トンネル44で、その所定の経路を遮光を維持できるのに必要な区間好ましくは50cm以上、より好ましくは1m以上覆われている。この遮光性トンネル44はフィルム加工組込部300の外側部810に取り付けられ、この取付部44aは遮光構造になっている。
この遮光性トンネル44のトンネル内壁と、片カシメパトローネ6との間隔は、搬送される片カシメパトローネ6が干渉しない程度に狭くすることが遮光の点で好ましい。片カシメパトローネ6とトンネル内壁間の隙間は、ほとんどないことが好ましく、3mm以下が良く、より好ましくは2mm以下であり、さらに好ましくは上下合わせて1mm以下であり、これにより片カシメパトローネ6自体も遮光の役割を果す。
また、マグネットコンベア40及び遮光性トンネル44は途中を屈曲させており、このようにマグネットコンベア40及び遮光性トンネル44を屈曲させることで、簡単な構造で効果的に遮光することができる。
この遮光性トンネル44には部品検出手段45が設けられ、この部品検出手段45で遮光性トンネル44内に位置する片カシメパトローネ6を検出し、この部品検出手段45の検出信号を上位制御装置317に送り、遮光性トンネル44内の片カシメパトローネ6の数が一定量以上のときにマグネットコンベア40と片カシメパトローネ加工装置220の駆動を停止させている。これにより、遮光性トンネル44の片カシメパトローネ6が完全になくなると、そこから光が入るので制御的に遮光性トンネル44に片カシメパトローネ6が完全になくならないようにしている。
このように、感光性フィルムマガジンの製造において、感光性フィルムマガジン組立部であるフィルム加工組込部300へ、部品供給部200の片カシメパトローネ加工装置220から、フィルム加工組込部300を実質的に暗室状態にするのに必要な区間を遮光性トンネル44で覆われた所定の経路で、順々に、前記部品を供給する。
また、感光性フィルムマガジンの製造において、所定の経路の中で、遮光性トンネル44で覆われた区間の所定の位置で、部品である片カシメパトローネ6が存在するか否かを検出し、その検出に従って、遮光性トンネル44で覆われたフィルム加工組込部300を実質的に暗室状態にするのに必要な区間に必ず片カシメパトローネ6が1つ以上存在するように、所定の経路における片カシメパトローネ6の搬送を制御する。
従って、感光性フィルムマガジンの製造において、品質と生産性を向上させ、ロスを減少させることができる。また、遮光性トンネル44を用いることにより、順々に部品である片カシメパトローネ6を搬送することができる。また、暗室状態の内部と外部との間の部品収納箱による出し入れを廃止し、暗室状態の内部に片カシメパトローネ6を供給する際の、傷や変形を防止し、順々に搬送することにより、生産性を向上させることができる。また、製造された感光性フィルムマガジンに、傷や変形が少ない。
また、パトローネキャップ供給装置260からパトローネキャップ11を供給するキャップシュート50が、フィルム加工組込部300の内部にまで設けられ、このキャップシュート50でパトローネキャップ11がフィルム加工組込部300の内部に配置されたパトローネ組付部306へ供給される。このキャップシュート50は、図66に示すように、凹状の溝51aを有する遮光性部材51と、この凹状の溝51aを覆う板状部材52から構成されている。このキャップシュート50の供給部50aには取り出し孔51bがあり、ストッパ53で位置決めされたパトローネキャップ11を作動部材54で押すと、パトローネキャップ11が取り出し孔51bから排出されて所定の位置へ供給される。
キャップシュート50は全体を遮光性カバー55で覆って遮光性トンネル56を構成し、その所定の経路を遮光を維持できるのに必要な区間好ましくは50cm以上、より好ましくは1m以上覆われる構造にしている。この遮光性トンネル56はフィルム加工組込部300の内部では遮光性ボックス58で覆い、この遮光性ボックス58を内側部811に取り付けている。この遮光性ボックス58の取付部58aは遮光構造になっている。遮光性トンネル56のトンネル内壁と、パトローネキャップ11との間隔は、搬送されるパトローネキャップ11が干渉しない程度に狭くすることが遮光の点で好ましい。例えば、パトローネキャップ11の外周部と遮光性トンネル56のトンネル内壁間の隙間は、3mm以下が良く、好ましくは2mm以下、より好ましくは上下合わせて0.5mm以下である。
また、この遮光性トンネル56には部品検出手段57が設けられ、この部品検出手段57で遮光性トンネル56内に位置するパトローネキャップ11を検出し、この部品検出手段57の検出信号を上位制御手段317に送り、遮光性トンネル56内にパトローネキャップ11が位置するときに供給を停止させる。これにより、遮光性トンネル56のパトローネキャップ11が完全になくなると、そこから光が入るので制御的に遮光性トンネル56にパトローネキャップ11が完全になくならないようにしている。
このように、感光性フィルムマガジンの製造において、感光性フィルムマガジン組立部であるフィルム加工組込部300へ、部品供給部200のパトローネキャップ供給装置260から、フィルム加工組込部300を実質的に暗室状態にするのに必要な区間を遮光性トンネル56で覆われた所定の経路で、順々に、部品であるパトローネキャップ供給装置260を供給する。
また、感光性フィルムマガジンの製造において、所定の経路の中で、遮光性トンネル56で覆われた区間の所定の位置で、部品であるパトローネキャップ11が存在するか否かを検出し、その検出に従って、遮光性トンネル56で覆われたフィルム加工組込部300を実質的に暗室状態にするのに必要な区間に必ず部品であるパトローネキャップ11が1つ以上存在するように、所定の経路におけるパトローネキャップ11の搬送を制御する。
従って、感光性フィルムマガジンの製造において、品質と生産性を向上させ、ロスを減少させることができる。また、遮光性トンネル56を用いることにより、順々に部品であるパトローネキャップ11を搬送することができる。また、暗室状態の内部と外部との間の部品収納箱による出し入れを廃止し、暗室状態の内部にパトローネキャップ11を供給する際の、傷や変形を防止し、順々に搬送することにより、生産性を向上させることができる。また、製造された感光性フィルムマガジンに、傷や変形が少ない。
次に、フィルム加工組込部300と検査装置420との連結を、図54、図76及び図77に基づいて説明する。フィルム加工組込部300の内部からマグネットコンベア60が検査装置420に渡って設けられ、このマグネットコンベア60はモータ61で駆動される。このマグネットコンベア60はフィルム加工組込部300で作成された、内装品8を吸着して搬送し、検査装置420に供給する。このマグネットコンベア60は遮光性トンネル62で、その所定の経路を遮光を維持できるのに必要な区間覆われ、この遮光性トンネル62はフィルム加工組込部300の外側部810に取り付けられ、この取付部62aは遮光構造になっている。
この遮光性トンネル62のトンネル内壁と組み込まれた内装品8との間隔は、搬送される内装品8が干渉しない程度に狭くすることが遮光の点で好ましい。内装品8と遮光性トンネル62のトンネル内壁間の隙間がほとんどなく、3mm以下が良く、より好ましくは2mm以下であり、これにより内装品8自体も遮光壁の役割を果す。
また、マグネットコンベア60及び遮光性トンネル62は内装品8が倒れることなく安定した姿勢で搬出できるように途中を屈曲させることなく直線状に形成されている。このため、遮光性トンネル62によって形成される通路を、数箇所に設けた遮光幕63で塞ぎ、この遮光幕63を変形して内装品8の通過を許容する部材で形成しており、遮光性トンネル62に内装品8がなくなったときに光が入ることを防止している。この遮光幕63は、例えば黒布、黒ビロード、黒不織布等を用いることができる。
このように、感光性フィルムマガジンの製造において、感光性フィルムマガジン組立部であるフィルム加工組込部300から、フィルム加工組込部300を実質的に暗室状態にするのに必要な区間を遮光性トンネル62で覆われた所定の経路で、順々に、感光性フィルムマガジンである内装品8を、非暗室状態下に排出する。
また、感光性フィルムマガジンの製造において、所定の経路の中で、遮光性トンネル62で覆われた区間の所定の位置で、内装品8が存在するか否かを検出し、その検出に従って、遮光性トンネル62で覆われたフィルム加工組込部300を実質的に暗室状態にするのに必要な区間に必ず内装品8が1つ以上存在するように、所定の経路における内装品8の搬送を制御する。
また、感光性フィルムマガジンの製造において、所定の経路の中で、遮光性トンネル62で覆われた区間の所定の位置に、可とう性の遮光幕63で塞ぎ、内装品8が可とう性の遮光幕63を通過する時、内装品8が可とう性の遮光幕63を変形させて通過する。
従って、感光性フィルムマガジンの製造において、品質と生産性を向上させ、ロスを減少させることができる。また、遮光性トンネル62を用いることにより、順々に感光性フィルムマガジンである内装品8を搬送することができる。また、暗室状態の内部と外部との間の製品収納箱による出し入れを廃止し、暗室状態の内部から内装品8を取り出す際の、傷や変形を防止し、順々に搬送することにより、生産性を向上させることができる。また、製造された感光性フィルムマガジンである内装品8に、傷や変形が少ない。
このように、暗室状態において、感光性フィルムを連続的に供給し、供給された感光性フィルムを加工し、加工済感光性フィルムから感光性フィルムマガジンを組み立てる感光性フィルムマガジンの製造において、非暗室状態の系外と暗室状態の感光性フィルムの供給・加工および感光性フィルムマガジンの組み立てに供する部分との間の物品の搬送を、感光性フィルムの供給・加工および感光性フィルムマガジンの組立に供する部分を実質的に暗室状態にするのに必要な区間を遮光性トンネルで覆われた所定の経路に沿って行っている。
また、感光性フィルムマガジン包装体の製造において、感光性フィルムマガジン組立部であるフィルム加工組込部300から、フィルム加工組込部300を実質的に暗室状態にするのに必要な区間を遮光性トンネル62で覆われた所定の経路で、順々に、感光性フィルムマガジンである内装品8を供給し、非暗室状態下で、内装品8を1つづつ検査し、検査された内装品8を、容器収納部400へ、所定の経路で、順々に、供給し、その検査の結果、良と判定された内装品8のみを感光性フィルムマガジン容器に収納する。
従って、感光性フィルムマガジン包装体の製造において、品質と生産性を向上させ、ロスを減少させることができる。また、遮光性トンネル62を用いることにより、順々に内装品8を搬送することができる。また、暗室状態の内部と外部との間の製品収納箱による出し入れを廃止し、暗室状態の内部から内装品8を取り出す際の、傷や変形を防止し、順々に搬送することにより、生産性を向上させることができる。また、内装品8を全数検査した後、良品のみを感光性フィルムマガジン容器に収納することにより、ロスを減少させることができる。
なお、フィルム加工組込部300と、フィルム接合部100、片カシメパトローネ加工装置220、スプール供給装置240、パトローネキャップ供給装置260及び検査装置420が設置される部屋は、半明室であることが遮光の点で好ましい。
また、明室状態が作業性等の点で好ましい片カシメパトローネ加工装置220、スプール供給装置240、パトローネキャップ供給装置260及び検査装置420と、暗室状態が感光性フィルムのかぶり等の点で好ましいフィルム加工組込部300とを連結して、連続加工や処理を可能にしているため、作業者が明室で容易に運転でき、内装品の生産性を上げることができる。
また、暗室状態の内部への部品収納箱や製品収納箱による出し入れと比べると、暗室状態の内部に組立用部品を入れたり、また暗室状態の内部から内装品8の取り出し構造が簡単である。
また、部品収納箱に多数の部品を入れたり、製品収納箱に多数の内装品8を入れることがなくなるため、それぞれ接触で傷が付いたり、変形したりといったトラブルが減少し、品質が向上し部品収納箱や製品収納箱をセットする場所を確保する必要がなくなり、フィルムマガジン製造装置を小型化することができる。
この発明に係る装置は耐荷重が好ましくは500kgf/m2以上、より好ましくは1tonf/m2以上の建物に設置され、湿度が好ましくは40〜70RH%、より好ましくは50〜60RH%、温度は好ましくは10〜30℃、より好ましくは15〜25℃の一定温湿度の好ましくは±5RH%以内、±3℃以内に制御されていることが好ましい。
そして、設置場所はあまり明るくない方が良く、20ルックス以下が好ましくさらに好ましくは10ルックス以下である。