JP3817777B2 - 光素子搭載モジュールの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザ、光受光素子、光導波路等の、光素子を基板上に搭載した光素子搭載モジュールの製造方法及び製造装置に係り、特に搭載モジュールを精度高く、効率良く基板に搭載することを可能とする光素子搭載モジュールの製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年光通信を各家庭やオフィスにまで適用することが急速に進められている。このような光通信の広範な適用発展は情報化社会実現の鍵を握ることになる。このような光通信の発展には光通信技術の中心の1つである光素子搭載モジュールを如何に高精度に歩留まり高く、高効率で安価に生産できるかが光通信の広範な普及に不可欠となる。
【0003】
従来、例えば半導体レーザ素子をこれを搭載する基板上に形成された光導波路に対し位置合わせし、半導体レーザ出射光を光導波路に導入可能にした光素子搭載モジュールを生産するには図10のフローチャートに示す方法が採用されていた。半導体レーザを生産する段階で発光部に対して一定の位置関係にある合わせマーク23(A2)を形成しておき、また光導波路を基板上に形成する際にも導波路に対し一定の位置関係にある合わせマーク13(A1)を形成しておく。これら半導体レーザ及び基板上にそれぞれ形成されるマークをそれぞれ2つにし、図6に示すように互いに寸法の異なる例えば「口」の字状にしておき、それぞれの2つのマークの間隔は等しくしておく。基板がSiのように赤外光を通過する材料の場合、半導体レーザをSi基板に搭載し、裏から赤外線顕微鏡で2つの1対のマーク検出することができるので、この左右のマーク共一致するように例えば半導体レーザを回転と平行移動により位置合わせし、一致した段階で搭載する。一旦搭載したの後半導体レーザが搭載光素子の場合には導電性と、熱伝導性を得るために、基板面と半導体レーザの底面に予め形成されている半田蒸着膜を、加熱炉に入れて溶かすことにより接合、接着する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来の光素子搭載モジュールの製作法では半導体レーザと光導波路の相対的な位置合わせを1対の2つのアライメントマークを用いて行う。このマークの形成されている基板面内の2方向に対しては正確なアライメント検出及び位置合わせ制御が実行される。上記面内2方向のアライメント検出、並びに合わせ調整の精度はほぼ目標の±0.1〜0.2μmを達成できているが、光素子は単に基板に搭載するだけで加熱炉に入れて溶かすため加熱の際に位置ずれが生じ、最終的に加熱後固定された段階で、位置合わせ精度が±0.5μm以上になることがしばしばあり、不良品となっていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するため、以下に示す手段を講じている。
【0006】
すなわち、基板上の基準位置に対して一定の関係にするか、もしくは基板上に搭載する少なくとも1個の第1の光素子とこの基板上にある第2の光素子、またはこの基板と一定位置関係にある基板上にない第2の光素子との位置を所望の一定の関係にして、第1の光素子を固定する際に、第1の光素子の裏面の少なくとも一部を含む所望の部分に限定し、基板もしくは第1の光素子を通してこの固定に必要なエネルギを供給することによってこの基板に第1の光素子を固定する。またこの際上記所望の部分は第1の光素子の裏面内の領域に限定する。さらに、上記所望の部分は上記第2の光素子或いは上記基板上の第3の光素子を含まない部分で有るようにする。
【0007】
上記所望部分の第1の光学素子の裏面、もしくは上記所望部分に対向する基板面には上記固定に必要なエネルギを吸収する部材を配置し、光素子もしくは基板を通過した固定に必要なエネルギを吸収することにより部分加熱され、固定する。この固定には半田材もしくは高分子接着剤を用い、上記エネルギは赤外光もしくは遠赤外光等の電磁波とする。またこのエネルギは音波とする。
【0008】
上記の第1の光素子と該基板上の第2の光素子、もしくは該基板と一定位置関係にある基板上にない第2の光素子との位置を所望の一定の関係にする方法として、基板上に形成された第1のアライメントマークA1、あるいは基板上の第2の光素子または基板と一定関係に有る基板上にない第3の光素子に有るアライメントマークA1と第1の光素子の裏面上に形成されたそれぞれのアライメントマークA2を基板或いは第1の光素子を通してアライメント検出光学系で検出し、位置合わせする。
【0009】
上記第1の光素子を固定する際に、第1の光素子の裏面の少なくとも一部を含む所望の部分に限定し、基板もしくは第1の光素子を通してこの固定に必要なエネルギを供給する方法は、上記エネルギは光であり、この光エネルギを上記アライメント検出光学系を通して供給する。この際上記光は赤外光もしくは遠赤外光とする。
【0010】
上記アライメント検出光学系で検出し、位置合わせする第1の光素子を固定する際に、第1の光素子の裏面の少なくとも一部を含む所望の部分に限定し、基板もしくは第1の光素子を通して該固定に必要なエネルギを供給することによって該基板に第1の光素子を固定し、固定後上記基板と第1の光素子とのアライメント状態をこのアライメント検出光学系を用いて検査する。この検査の結果アライメントずれが生じている場合、再度所望のエネルギを供給して固定を解除し、再びアライメントし、再び位置合わせをし、再固定する。また、上記アライメント検出光学系による検出、並びに位置合わせと上記固定のための光エネルギの供給とをほぼ同時に行う。
【0011】
第1の光素子は2つ以上の異なる光素子O1、O2、…であり、該2つ以上の光素子を上記基板に搭載後、それぞれの搭載光素子の固定に必要な量の個別のエネルギ供給を行うことにより、光素子O1、O2、…を基板に固定する。さらにこの個別のエネルギ供給は同時、並行的に行われる。
【0012】
基板とこの上に搭載する少なくとも1つの光素子をアライメントした後加熱炉に入れて全体を加熱することにより生じていた位置ずれは、上記手段を講じることにより固定する部分に限定して加熱することにより生じなくなる。
【0013】
即ち、基板上の光素子を所望の位置に設定した後、基板もしくは光素子を通して固定部に限定して固定に必要なエネルギを供給することにより、固定部分のみを加熱し、全体の変位を生じることなく、固定できる。このエネルギとして電磁波または音波を利用することにより、基板または光素子中をこれらの波のエネルギを伝播させ、基板と光素子の間に挟まれた位置に有る固定部の固定部剤を集中的に加熱することにより、全体の変位を生じることなく、固定できる。
【0014】
この固定は光素子と基板或いは基板上の第2の光素子等とを一定の位置関係に設定し、この位置設定が成立している時に固定されるべきであるが、本発明ではこの設定を実現するアライメント検出光学系を通して上記の光エネルギを供給することにより、アライメント実現直後に、固定が可能になり、従来の固定加熱に伴う位置ずれの問題はほとんどなくなる。またこのように、アライメント検出系を通して固定のためのエネルギ供給が可能になれば、固定直後に、固定位置状態を即座にチェックでき、万が一固定時に位置ずれが生じても、即座に再度所望のエネルギを供給し、固定を解除し、再アライメント、再固定が可能となる。 更に固定箇所が複数箇所あり、例えば固定対象が異なり、固定のための材料が異なっていても、個々の固定箇所に対して最適なエネルギを選択し、エネルギを照射することによって、各個所を順次もしくは、同時に確実に固定することが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明を実施例により説明する。
【0016】
図1は本発明の実施例であり、1は基板、2は基板上に搭載する第1の光素子、2点鎖線で示したものはエネルギ供給手段3であり、破線で示したものはアライメント光学系4である。基板1は例えば真空吸着チャック等の基板保持手段101に固定され、光素子2はやはり真空吸着チャック等の光素子保持手段201に固定され、後に詳細に説明するアライメント光学系4と位置調整手段102と202により相対的な位置合わせが行われる。
【0017】
即ち、基板1が位置調整手段により、アライメント光学系4を用い、この光学系の所望の視野位置に固定される。この位置では基板上に予め形成されているアライメントマーク13がアライメント検出系の視野の所望の位置に来るようにする。次に第1の光素子を真空チャック等の光素子保持手段201で吸着させた状態で、この光素子の固定面に予め描画されていたアライメントマーク23および23’の中心位置がアライメント光学系で検出されている基板上のアライメントマーク13および13’の中心位置と一致するように、光素子保持手段201を位置調整手段202によりxy方向に制御し、また必要に応じてZ軸を中心とする回転制御を行い、位置調整し、z方向にも半田付け面であるCrとNiの薄い膜とその上にAuとSnの半田材が乗せられたパターン12と22が接触する程度まで近付ける。
【0018】
中心位置が一致すればエネルギ供給手段3の光源である半導体レーザ31を点灯する。エネルギ供給手段3は光源31と光源より出射したレーザ光をレンズ32により平行光、もしくは収束光にし、光素子の固定に用いる光素子の裏面の少なくとも一部を含む所望の部分に相似な図2に示す開口331と遮光部332を有するマスク33に照射する。このマスク33はレンズ34と46およびビームスプリッタ35および偏光ビームスプリッタ44により基板上面のアライメントマークあるいは半田付け面12と結像関係になっている。従ってマスク33の開口331を通ったレーザ光は開口331の像を半田付け面12に結像する。この結果、CrとNiの薄い膜が赤外光を良く吸収することにより、加熱したい半田付け面12のみが加熱され、その上に乗ったAuとSnの半田剤が溶けて接着固定する。
【0019】
次にアライメント検出系について説明する。41はアライメント検出のための照明光源であり、ハロゲンランプである。ハロゲンランプ41を出射した光はファイバ42で導かれ、ファイバを出射した光はレンズ43によりファイバ42の出射端がレンズ46の瞳に結像するようにレンズ43を位置付ける。レンズ43を通った光は偏光ビームスプリッタ44、1/4波長板45を通り基板1及び光素子2のアライメントマーク13および23を照明する。基板及び光素子にはそれぞれ2個ずつ視野内に入る程度の間隔で描画されている。照明されたアライメントマークは照明光を反射し、反射光はレンズ46、1/4波長板45、偏光ビームスプリッタ44、ビームスプリッタ35、レンズ47を通り、CCD撮像素子48に入射する。49はこの撮像パターンのモニタであり、アライメントが終了した段階では、図1に示すようにモニタには基板及び光素子のアライメントマーク13’と23’が2個ずつ上記の間隔でそれぞれの中心が一致する状態で表示されている。この時基板の半田付け面12と光素子の半田付け面22はモニタ上では12’及び22’(但し、22’は12’に隠れて見えない)となっている。このようにアライメントが正確にできていることを目視或いは自動で検出した後、レーザ光を出射し、半田付け面のみにレーザ光を照射し、半田付けを行う。
【0020】
図1の実施例では常にアライメントマークが検出できているので、半田付け後に、正しく半田付けが実行されたか否かをモニタによって目視或いは自動で検出することが可能である。万一ずれていれば、レーザ光を再び所望の量だけ照射し、ハンダによる固定を解除し、再びアライメントを行い、再度所望の量のレーザ照射で固定する。
【0021】
マスク33の開口の形状やアライメントマーク13、23に対する位置は機種が代われば変更が必要な場合が生じる。このような場合にはマスク駆動機構330によりマスクの開口331の位置を変えること、或いはマスク33を変更すれば良い。またある程度大きなマスク開口にしておき、半田付け面12や22の位置や形状が変わって、マスク開口の結像が半田付け面12や22を含むようにしておけば、このようなマスクの変更や位置の変更を行わなくても半田付けが可能となる。しかし、あまり大きな領域を照射すると熱変形が発生するため光素子の裏面内の領域に限定する。 特に既に基板上に第1の光素子以外の光素子が搭載されている場合にはこの光素子にまで光を照射すると、せっかく固定されているものが外れる可能性が有るため、この第1の光素子以外の光素子を含まない部分を照射する。
【0022】
マスク33は液晶ディスプレイのような空間変調器を用いれば、任意のパターンをソフトで製作することが可能となる。また半田の材料や接着面積、被接着物の熱伝導率や熱容量に応じて、レーザ光の強度や照射時間を制御回路5で制御する。
【0023】
図3は本発明の実施例であり、図1の部品番号と同じ番号は同一物或いは同一機能を有するものを表す。光素子2の基板への接着は基板の下方にある赤外光半導体レ−ザによって行われる。半田のパターン12とほぼ相似の開口パターンを有するマスク33の赤外線像がパターン12部分に限定されて照射されることにより、周辺部をほとんど加熱することなく前述のように半田が加熱、溶融され、接着される。図3ではアライメント光学系が照射光学系とは別に上方にあり、透明なガラスからできている光素子吸着ホルダ201’および赤外線光を透過する半導体レーザ等の光素子23を通して、赤外光でアライメント検出される。41はハロゲンランプであり、ファイバ42を通った光はレンズ43を通過し、赤外光透過フィルタを通り、ビームスプリッタ44を通過し、対物レンズ46で光素子及び基板上のアライメントパターン23及び13を照射する。反射光は対物レンズを通りCCD撮像素子48に結像される。この信号を元に制御回路5で両パターンの位置ずれが求められ、光素子、及び基板を相対的に位置決めする機構202と102により正しい位置に位置決めされる。
【0024】
図4は2つの光素子をほぼ同時に平行に接着する本発明の実施例である。点線で示した矩形は図1の点線部分或いは図2のアライメント光学系の構成、機能を有するアライメント光学系であり、1点鎖線はその光軸を表している。
【0025】
2は半導体レーザ、2’はフォトダイオードであり、これら光素子を基板1に搭載し、接着する。光導波路6に対し、半導体レーザ2は0.1μm程度の精度で位置合わせする必要があるが、フォトダイオードは1桁以上精度が緩い。そのためフォトダイオードはその保持、制御機構である201’および202’により基板上の基準位置に搭載可能である。他方半導体レーザはアライメント検出系4を用いて位置合わせがなされる。
【0026】
半導体レーザの接着部の基板上および素子下面にはCrとNiの薄い膜12および22があらかじめ蒸着されており、その間にはガラスもしくは高融点の樹脂から成る一定の径を有するビーズを含んだAuとSnの半田30がある。他方フォトダイオードの接着部の基板及び素子下面には半導体レーザど同様の材料と構成の半田用の部材が有る。但しフォトダイオードの場合には高さ精度が厳しくないため、ビーズは含まれていない。フォトダイオードの場合には半田に変えて熱硬化性の接着剤を用いても良い。これら2か所の接着部に対応する位置に赤外線レーザ31と31’が有り、出射した赤外線(熱線)は赤外線透過レンズ32、34’及び36を通り、接着すべき2か所を基板を通して照射される。この際2つの光素子の所望の接着部のみに赤外線が照射されるように、赤外線透過のマスク33’を用いる。このマスクは遮光部332と赤外線透過部331および331’を有し、この透過部がレンズ36により基板上の接着部12及び12’に結像するようになっている。このため、加熱される部分は12及び12’に限定される。
【0027】
次に2か所の接着方法を説明する。まず、制御回路5’を用いて、半導体レーザの基板への位置合わせを上記アライメント系4で行い、またフォトダイオードの基板への正確な位置出しをチャック201’及び搬送微調機構202’により行う。両素子の位置合わせはほぼ並行して行われ、それが終了すると、制御回路の制御により、半導体レーザ31および31’がほぼ同時に発光される。接着する2つの光素子の接着材料、面積、また各光素子の耐熱特性を考慮して、加熱用の半導体レーザ31、31’の発光波長を変えたり、発光時間、或いは発光強度が制御回路5’により、制御される。
【0028】
上記実施例では同時に位置合わせ及び加熱が行われているが、時間は遅くなるが、時系列で行った方が有利な場合も有る。また2か所への光(熱)供給量が著しく異なる場合にはマスク33’の光透過部331と331’の一方を入射光の一部を反射したり透過するようにして、光量バランスを採ると良い。またマスク33’の開口部331、331’は一定の位置に固定されているが、製造製品の品種が多い場合には多種類のマスクを自動的に高速に交換可能にしたり、マスクに変わって液晶等を用いた2次元光変調器を用いて任意の照射パターンや照射箇所数の変動に対応することも可能である。この場合加熱用の半導体レーザは複数個用意し、ある程度の場所の移動を可能にすることは云うまでもない。
【0029】
図5は本発明の実施例であり、図1で説明したアライメント光学系と接着のための加熱の光学系を同一の光学系で行うものの拡大説明図である。また図4で説明したビーズ入りの半田方法を更に詳細に説明する図である。
【0030】
基板1に搭載する半導体レーザ2の接着する底面には図8に詳細を示すアライメント用パターン25及び25’が凹凸もしくは、赤外線吸収材で構成されている。またこのパターン25と一定の位置関係にある接着用のNi−Crパターン22が形成されている。またこのNi−Crパターンの上にはAu−Sn半田材とビーズが付着されている。他方基板1には同様にアライメントパターン15および15’と接着用のNi−Crパターン12が形成されている。Ni−Crパターンは比較的赤外線を吸収するが、更に赤外線吸収効率を向上するために基板への接着性が良く赤外線を良く吸収する材料120を基板1とパターン12の間に構成しても良い。
【0031】
このように構成された搭載素子と基板に、基板を透過する赤外線のアライメント光400を照射し、前述のアライメント検出し、位置制御系で面内方向を位置合わせしつつ、搭載光素子を下方に下し、基板と接触する程度にする。位置合わせした後、前述したように接着用の赤外線300を照射すれば、パターン12(13)が加熱され、接触している、Au−Sn301が溶けだし、上方から若干加圧しながらこの加熱をすれば、ビーズ302の径で決まるギャップを保って接着される。接着のためのパターン22、12、(120)はあらかじめ厚さが0.01μm程度の精度で分かっているため、基板面内の方向同様、基板面に垂直な方向にも正確に位置合わせされて接着することができる。
【0032】
図7は本発明の実施例であり、基板1上の光導波路6に位置合わせした後、光素子2Dを基板1に超音波加熱により接着するものである。超音波発生源103、超音波レンズ38、および水等の超音波伝播媒材381を用いて、搭載光素子の接着部に限定して超音波を集中照射する。搭載光素子2Dと基板1の間には超音波を吸収して加熱し硬化接着する材料があらかじめ付着されているので、超音波の加熱により、接着、固定される。
【0033】
図8は本発明の光素子製造方法である。1Aは光素子搭載基板であり、紫外線を透過するガラス等の材料から成っている。この基板には半導体レーザ2及び光導波路6が搭載されている。半導体レーザを出射した光は屈折率分布型のレンズ2Lを透過して光導波路に導入される。このためレンズ2Lは基板の面内と基板に垂直な方向に位置合わせされて基板に接着する必要がある。レンズ2Lの底面には図9に示すように接着剤301Aと一定の径を有するビーズ302が接着されており、基板面内方向のアライメント(図示せず)を実施後、面と直角方向に上から加圧しながら、基板下方から紫外線を照射し、接着剤を紫外線硬化させる。この紫外線硬化は水銀ランプ31’から出射した紫外線をレンズ34”で集め、マスク33”に当て、透過光がマスクのパタ−ンが搭載屈折率分布型レンズ23Lの底面にレンズ32Aにより結像するようにする。このようにすることにより、接着部以外に紫外線を当てず、他の部品にダメージを与えることなく、所望の搭載光素子を基板に固定することができる。
【0034】
以上説明した実施例では光モジュール基板に搭載した光素子として、半導体レーザ、フォトダイオード、屈折率分布型レンズを例として説明したが、本発明はこのような光素子に限定されるものではなく、光ファイバ、光スイッチ、光分波素子、光合波素子、波長板、偏光器、バンドパスフィルタ、或いは波長分離ミラー等如何なる光素子にも適用できることは云うまでもない。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば基板上に半導体レーザ、半導体受光素子、光ファイバ、光スイッチ等の光素子を搭載し、光モジュールを製作する際に、搭載した素子間、或いはこれら搭載した素子と基板上に製作された光導波路等の光素子間の光軸を正確にかつ安定に位置合わせし、固定することが可能になった。
【0036】
特に光素子を基板等に固定するときに行うアライメントとこれに続いて行う固定の間に時間を設けないため、また従来問題となっていたアライメントした位置関係を接着のための全体加熱により崩すようなことがなくなったため、正確に安定に搭載光素子を固定することが可能になった。
【0037】
その結果、歩留まりが高く、安価に、光モジュールを製作することが可能になり、光通信技術等の発展に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体レーザを搭載する光搭載モジュールの製造装置の実施例
【図2】図1の実施例に用いるマスクの実施例
【図3】アライメント系と赤外照射系を別にした光搭載モジュールの製造装置の実施例
【図4】半導体レーザとフォトダイオードを固定する光搭載モジュールの製造装置の実施例
【図5】微小粒子を介した固定を行う光搭載モジュールの製造装置の実施例
【図6】アライメントパターンの実施例
【図7】超音波を用いて固定する実施例
【図8】紫外線を用いて固定する実施例
【図9】ビーズを介在させ紫外線硬化型接着剤で固定する実施例
【図10】従来の光素子搭載、固定方法を示すフローチャート図
【符号の説明】
1…基板、2…半導体レーザからなる光素子、3…固定用赤外線照射手段、4…アライメント検出系、5…制御回路、6…光導波路、
101、201…チャック、102、202…駆動機構、49…モニタ
Claims (7)
- 基準位置を表すアライメントマークA1が形成された基板上に少なくとも1個の光素子をそのアライメントマークA2が形成された裏面を固定する光素子搭載モジュールの製造方法であって、
前記基板に前記光素子の前記裏面を向き合わせ、アラインメント検出系により該基板及び該光素子の一方を通して前記アライメントマークA1及び前記アライメントマークA2を検出して該基板の前記基準位置に対して前記光素子の位置を合わせる第1工程と、
前記光素子を前記基板に固定するに必要な電磁波を、前記アラインメント検出系を用いて、該光素子の裏面の少なくとも一部を含む所望の部分に前記基板及び前記光素子の前記一方を通して供給して該基板に該光素子に固定する第2工程を、この順に行うことを特徴とする光素子搭載モジュールの製造方法。 - 請求項1記載の光素子搭載モジュールの製造方法において、前記基板及び前記光素子の前記一方を通して前記電磁波が供給される該光素子の前記裏面の部分は、該基板に固定される該裏面の部分に限定されることを特徴とする光素子搭載モジュールの製造方法。
- 請求項1記載の光素子搭載モジュールの製造方法において、前記基板及び前記光素子の前記一方を通して前記電磁波が供給される該光素子の前記裏面の部分又は該裏面の部分に対向する該基板の面には前記電磁波を吸収する部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載の光素子搭載モジュールの製造方法。
- 前記基板と前記光素子との固定に半田材又は高分子接着剤を用いることを特徴とする請求項1記載の光素子搭載モジュールの製造方法。
- 前記電磁波は、赤外光もしくは遠赤外光であることを特徴とする請求項4記載の光素子搭載モジュールの製造方法。
- 請求項1記載の光素子搭載モジュールの製造方法において、
前記第2工程の後に、前記光素子と前記基板とのアライメント状態を、前記アライメント検出系を用いて検査する第3工程を行うことを特徴とする光素子搭載モジュールの製造方法。 - 請求項6記載の光素子搭載モジュールの製造方法において、
前記第3工程により前記光素子と前記基板とにずれが生じていることが判明された場合、前記アライメント検出系を用いて前記電磁波を該光素子と該基板との固定部分に照射して該光素子を該基板から外し、再度前記第1工程と前記第2工程とをこの順に行うことを特徴とする光素子搭載モジュールの製造方法。
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