JP3817386B2 - 地下外壁およびその構築方法 - Google Patents
地下外壁およびその構築方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3817386B2 JP3817386B2 JP10777199A JP10777199A JP3817386B2 JP 3817386 B2 JP3817386 B2 JP 3817386B2 JP 10777199 A JP10777199 A JP 10777199A JP 10777199 A JP10777199 A JP 10777199A JP 3817386 B2 JP3817386 B2 JP 3817386B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wall
- soil cement
- concrete
- core material
- underground outer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Bulkheads Adapted To Foundation Construction (AREA)
- Underground Structures, Protecting, Testing And Restoring Foundations (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は地下外壁およびその構築方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ソイルセメント柱列壁とコンクリート壁とからなる地下外壁は、図6に示すように、ソイルセメント21内に埋設されたH形鋼22のフランジ23にスタッドボルトなどのコネクター24を設け、該コネクター24でソイルセメント柱列壁25とコンクリート壁26とが一体になっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような地下外壁は、H形鋼をソイルセメント中に自重で落とし込むという施工方法であるため、フランジの前面がそろわずに、出っ張ったり引っ込んだりした状態で設置されていた。したがって、ソイルセメント柱列壁とコンクリート壁との一体性を強めるには、引っ込んだフランジに合わせてコネクターを長くしたり、コネクターの量を多くしなければならなかった。また、H形鋼は面外応力に対しては合成構造として抵抗するが、面内応力に対してはほとんど抵抗できないという欠点があった。
【0004】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ソイルセメント柱列壁とコンクリート壁との一体性を強めて、面内応力にも抵抗できる地下外壁およびその構築方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するための地下外壁は、地山側のソイルセメント柱列壁にプレキャスト鉄筋コンクリート製の芯材が、嵌合凹部を内部側のコンクリート壁側に向けて適宜間隔ごとに埋設され、前記嵌合凹部には、鉄筋が配筋されたコンクリート壁の凸部が嵌合されてコンクリート壁とソイルセメント柱列壁とが一体になったことを特徴とする。また芯材は緊張材によりプレストレスが付与されていることを含む。また芯材の嵌合凹部は外側に向かって広がっていることを含む。また芯材の嵌合凹部の内面にはシアコッタが設けられたことを含むものである。
また地下外壁は、地山側のソイルセメント柱列壁にプレキャスト鉄筋コンクリート製の芯材が、嵌合凹部を地山側に向けかつ背面のシアコッタを内部側に向けて適宜間隔ごとに埋設され、該シアコッタにはコンクリート壁のコンクリートが充填されてコンクリート壁とソイルセメント柱列壁とが一体になったことを特徴とする。
また地下外壁の構築方法は、嵌合凹部を備えたプレキャスト鉄筋コンクリート製の芯材を製造し、該芯材を、その嵌合凹部が内部側を向くようにして柱列孔に充填されたソイルセメント内に適宜間隔ごとに押し込み、該ソイルセメントが硬化した後に、内部側の地盤と硬化したソイルセメントとを撤去して嵌合凹部を露出させ、該露出した嵌合凹部に対向させたコンクリート壁用の内型枠を組立形成し、該内型枠にコンクリートを打設することを特徴とする。
【0006】
芯材がプレキャスト鉄筋コンクリート製であるためソイルセメント柱列壁とコンクリート壁との一体性が強くなって面内応力にも十分に抵抗することができる。また芯材が土水圧による引っ張りに対して効果的に抵抗する。またソイルセメントのはつり出しが簡単にできる。またソイルセメント柱列壁の芯材とコンクリート壁との一体性が強くなる。またソイルセメントのはつり出し作業を省くことができるとともに、シアコッタだけでソイルセメント柱列壁の芯材とコンクリート壁との一体性を強くすることができる。またコネクターの溶接作業が省略できて工期の短縮化を図ることができるとともに、ソイルセメント柱列壁の芯材とコンクリート壁とが一体となった地下外壁が簡単に構築できる。またソイルセメント内への芯材の設置精度が悪い場合、すなわち芯材前面がそろった状態で設置されず、出っ張ったり引っ込んだりしていても、この誤差は嵌合凹部の大きさで吸収される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の地下外壁およびその構築方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。はじめに地下外壁について説明し、その後で地下外壁の構築方法について説明する。図1の(1)は第1の実施の形態の地下外壁の断面図、同図の(2)は芯材の斜視図である。
【0018】
地下外壁1は地山2側のソイルセメント柱列壁3と、内部側のコンクリート壁4とから構成されている。ソイルセメント柱列壁3は地盤に掘削した柱列孔5にソイルセメント6が充填され、この中に芯材7が適宜間隔ごとに埋設されて構成されている。このプレキャスト鉄筋コンクリート製の芯材7はコ字形で、PC鋼撚線やPC鋼棒などの緊張材8でプレストレスが付与され、嵌合凹部9がコンクリート壁4側を向いている。この嵌合凹部9にはコンクリート壁のコンクリートが充填されてコンクリート壁4がソイルセメント柱列壁3の芯材7と一体になっている。すなわち地下外壁1は凸状のコンクリート壁4がソイルセメント柱列壁3の芯材7と一体となっている。またコンクリート壁4の凸部4a、すなわち芯材7の嵌合凹部9にはコンクリート壁4の鉄筋10が配筋されている。
【0019】
図2は他の実施の形態の芯材11、12を示したものであり、(1)は嵌合凹部13にシアコッタ14を設けた芯材11である。このシアコッタ14によってソイルセメント柱列壁3とコンクリート壁4との一体性がより強くなる。このシアコッタはソイルセメント6のはつり出しが容易にできるようにするのであればエンボス程度のものでもよい。また(2)は、嵌合凹部15が外側に向かって広くなったプレキャスト鉄筋コンクリート製の芯材12であり、ソイルセメント6のはつり出しが簡単にできる。
【0020】
図3は第2の実施の形態の地下外壁16を示し、背面にシアコッタ17を備えたプレキャスト鉄筋コンクリート製の芯材18を用いたものである。この芯材18は、シアコッタ17を除いた他の構成が第1の実施の形態の芯材7と同じであり、嵌合凹部19を地山2側に向けてソイルセメント柱列壁3に埋設されている。したがって、ソイルセメント柱列壁3とコンクリート壁4とはシアコッタ17で一体となり、嵌合凹部19からのソイルセメント6のはつり出しをする必要がない。
【0021】
以下に、地下外壁の構築方法を図4に基づいて説明する。まず(1)に示すように、敷地の境界線に沿って柱列孔5を掘削する。この柱列孔5内にソイルセメント6を充填し、この中にプレキャスト鉄筋コンクリート製の芯材7を適宜間隔ごとに押し込む。この芯材7は、適宜長さのプレキャストコンクリート製であるため、継ぎ足しながらソイルセメント6内に押す込むようにする。また芯材7の嵌合凹部9には、ソイルセメント6のはつり出しが簡単にできるように剥離材(図示せず)を塗布しておく。またソイルセメント6のはつり出しを容易にするには嵌合凹部9の下面と前面とに蓋をして、嵌合凹部9にソイルセメント6が入らないようにすることもできる。
【0022】
次に、同図の(2)に示すように、ソイルセメント6が硬化した後に、内部側の地盤を掘削するとともに、ソイルセメント6をはつって芯材7の嵌合凹部9を露出させる。この嵌合凹部9には、前記のように剥離剤が塗布されているためソイルセメント6が簡単にはつり出せる。
【0023】
次に、同図の(3)に示すように、芯材7の前面と嵌合凹部9とにコンクリート壁4の鉄筋10を配筋するとともに、ソイルセメント柱列壁3と対向したコンクリート壁用の内型枠(図示せず)を組立形成する。そして、この型枠内にコンクリート20を打設し、これが硬化した後に型枠を解体すると、ソイルセメント柱列壁3とコンクリート壁4とが芯材7の嵌合凹部9で一体となった地下外壁1が構築される。なお、図2の芯材11、12を使用した地下外壁の構築も前記と同じ方法で行われる。
【0024】
図5は地下外壁の構築方法の第2の実施の形態を示したものであり、第2の実施の形態の芯材18を使用した以外は、前記の地下外壁1の構築方法と同じ方法で構築される。この場合は、嵌合凹部19からのソイルセメント6のはつり出し作業が省略できるので工期を大幅に短縮することができる。また芯材7の背面のシアコッタ17に剥離材を塗布することや、芯材7の押し込み時にシアコッタ17に蓋をしておくことは第1の実施の形態の構築方法と同じである。
【0025】
【発明の効果】
芯材をプレキャスト鉄筋コンクリート製にしたので、ソイルセメント柱列壁の芯材とコンクリート壁との一体性が強くなって面内応力にも十分に抵抗することができる。
【0026】
芯材が土水圧による引っ張りに対して効果的に抵抗することができる。
【0027】
ソイルセメントのはつり出しが簡単にできる。
【0028】
ソイルセメントのはつり出し作業を省くことができるとともに、シアコッタだけでコンクリート壁とソイルセメント柱列壁の芯材との一体性を強くすることができる。
【0029】
コネクターの溶接作業が省略できて工期の短縮化を図ることができるとともに、コンクリート壁とソイルセメント柱列壁の芯材との一体性が強い地下外壁を簡単に構築できる。
【0030】
ソイルセメント内への芯材の設置精度が悪い場合、すなわち芯材前面がそろった状態で設置されず、出っ張ったり引っ込んだりしていても、この誤差は嵌合凹部の大きさで吸収される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(1)は第1の実施の形態の地下外壁の断面図、(2)は芯材の斜視図である。
【図2】(1)および(2)は芯材の斜視図である。
【図3】(1)は第2の実施の形態の地下外壁の断面図、(2)は芯材の斜視図である。
【図4】(1)〜(3)は第1の実施の形態の地下外壁の構築方法を示す断面図である。
【図5】(1)〜(3)は第2の実施の形態の地下外壁の構築方法を示す断面図である。
【図6】(1)および(2)は従来の地下外壁の断面図である。
【符号の説明】
1、16 地下外壁
2 地山
3、26 ソイルセメント柱列壁
4、27 コンクリート壁
5 柱列孔
6、21 ソイルセメント
7、11、12、18 芯材
8 緊張材
9、13、15、19 嵌合凹部
10 鉄筋
14、17 シアコッタ
20、25 コンクリート
22 H形鋼
23 フランジ
24 コネクター
Claims (6)
- 地山側のソイルセメント柱列壁にプレキャスト鉄筋コンクリート製の芯材が、嵌合凹部を内部側のコンクリート壁側に向けて適宜間隔ごとに埋設され、前記嵌合凹部には、鉄筋が配筋されたコンクリート壁の凸部が嵌合されてコンクリート壁とソイルセメント柱列壁とが一体になったことを特徴とする地下外壁。
- 芯材は緊張材によりプレストレスが付与されていることを特徴とする請求項1に記載の地下外壁。
- 芯材の嵌合凹部は外側に向かって広がっていることを特徴とする請求項1または2に記載の地下外壁。
- 芯材の嵌合凹部の内面にはシアコッタが設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の地下外壁。
- 地山側のソイルセメント柱列壁にプレキャスト鉄筋コンクリート製の芯材が、嵌合凹部を地山側に向けかつ背面のシアコッタを内部側に向けて適宜間隔ごとに埋設され、該シアコッタにはコンクリート壁のコンクリートが充填されてコンクリート壁とソイルセメント柱列壁とが一体になったことを特徴とする地下外壁。
- 嵌合凹部を備えたプレキャスト鉄筋コンクリート製の芯材を製造し、該芯材を、その嵌合凹部が内部側を向くようにして柱列孔に充填されたソイルセメント内に適宜間隔ごとに押し込み、該ソイルセメントが硬化した後に、内部側の地盤と硬化したソイルセメントとを撤去して嵌合凹部を露出させ、該露出した嵌合凹部に対向させたコンクリート壁用の内型枠を組立形成し、該内型枠にコンクリートを打設することを特徴とする地下外壁の構築方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10777199A JP3817386B2 (ja) | 1999-04-15 | 1999-04-15 | 地下外壁およびその構築方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10777199A JP3817386B2 (ja) | 1999-04-15 | 1999-04-15 | 地下外壁およびその構築方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000297440A JP2000297440A (ja) | 2000-10-24 |
JP3817386B2 true JP3817386B2 (ja) | 2006-09-06 |
Family
ID=14467606
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10777199A Expired - Fee Related JP3817386B2 (ja) | 1999-04-15 | 1999-04-15 | 地下外壁およびその構築方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3817386B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101001084B1 (ko) | 2007-12-17 | 2010-12-14 | 주식회사 다산컨설턴트 | 길이 방향으로 연속된 중공부를 갖는 엄지 말뚝을 구비한지지말뚝, 이를 이용한 합성 벽체 및 그 시공방법 |
KR102525543B1 (ko) * | 2021-01-25 | 2023-04-24 | 지에스건설 주식회사 | 중공패널을 이용한 옹벽 |
-
1999
- 1999-04-15 JP JP10777199A patent/JP3817386B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000297440A (ja) | 2000-10-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100910576B1 (ko) | 매입 앵커 및 이를 이용한 지하외벽의 합성옹벽 시공방법 | |
JP5023219B2 (ja) | プレキャスト仮設構造体およびその施工方法 | |
JP2001295298A (ja) | 柱状構造物用基礎とその施工方法 | |
JP2000265458A (ja) | PCa杭地中壁による地下構造物の床版連結構造 | |
JP3932094B2 (ja) | カルバート構造物の補強方法 | |
CN112921994A (zh) | 一种格构梁结构及其施工方法 | |
JP3817386B2 (ja) | 地下外壁およびその構築方法 | |
KR100562686B1 (ko) | 강널말뚝과 현장타설 콘크리트를 이용한 지하 구조체 및그의 시공방법 | |
JP3752419B2 (ja) | ソイルセメント柱列壁の本体利用方法 | |
KR20120122024A (ko) | 커플러와 볼트를 활용하여 가설 흙막이벽과 지하실 외벽을 일체화하는 공법 | |
JP2012031678A (ja) | 構造物用基礎およびその構築方法 | |
JPH05118036A (ja) | 腹起こし材 | |
JP4349708B2 (ja) | 構造物の地下外壁およびその構築工法 | |
KR102658461B1 (ko) | 압착슬리브를 이용한 프리캐스트 중공기둥구조물 및 그 시공방법 | |
JP3609657B2 (ja) | 構造物の地下外壁およびその構築工法 | |
JPS61122320A (ja) | 連続地中壁と地下構築物との結合方法 | |
JP3251698B2 (ja) | トンネル覆工用エレメントおよびそれを用いたトンネル構築方法 | |
JP3659058B2 (ja) | 低強度地中壁による山留方法 | |
JPH0315605Y2 (ja) | ||
JPH11269894A (ja) | 地盤と基礎の一体構造およびその構築方法 | |
KR100408735B1 (ko) | 반습식 조립식 옹벽 시공 방법 | |
JPH07268867A (ja) | 現場造成コンクリート杭及び造成工法 | |
JP3048604U (ja) | トンネル用コンクリート支保工 | |
JPH09209370A (ja) | 建築物の基礎工法 | |
JPH05112948A (ja) | 捨型枠およびそれを使用した基礎施工法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060306 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060313 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060421 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060524 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060612 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |