JP3816640B2 - パターン形成用レジスト積層体及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パターン形成用レジスト積層体及びそれを用いたパターン形成方法、さらに詳しくは、断面形状の良好なレジストパターンを与えることができる解像性の高いパターン形成用レジスト積層体及びこのパターン形成用レジスト積層体を用いてパターンを形成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体デバイスの製造分野においては、デバイスの集積度の向上に伴い、リソグラフィ技術で使用する活性線の短波長化が進み、i線(365nm)、遠紫外線、エキシマレーザー光などを用いた技術が主流となってきた。ところで、このような活性線の短波長化が進むと基板からの反射光が大きくなり、この反射光によるレジストパターンの局所的な歪み(ノッチング)や寸法精度の劣化などが問題となってくる。
【0003】
このような反射光に起因するトラブルを解決する方法の1つとして反射防止膜を設けることが提案されているが、この場合のレジストについては高い感度と解像性を必要とすることから、化学増幅型レジスト組成物を使用するのが有利である。この化学増幅型レジスト組成物は、活性線の照射により生成した酸の触媒作用を利用したものであって、ポジ型とネガ型の2つのタイプがあり、これらは一般に酸発生剤と、発生する酸の作用によりアルカリ水溶液に対する溶解性が変化する被膜形成成分とを基本成分としている。
【0004】
そして、ポジ型レジストとしては、例えば被膜形成成分としてヒドロキシスチレンの単独重合体やヒドロキシスチレンと他のスチレン系単量体との共重合体などのアルカリ可溶性樹脂と、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する溶解抑制剤を組み合わせたものや、ポリヒドロキシスチレンなどのアルカリ可溶性樹脂の水酸基の一部を置換基で保護してアルカリ不溶性とした樹脂などが知られている。
【0005】
一方、ネガ型レジストとしては、例えば被膜形成成分としてノボラック樹脂、ヒドロキシスチレンの単独重合体やヒドロキシスチレンと他のスチレン系単量体との共重合体などのアルカリ可溶性樹脂、又はポリヒドロキシスチレンなどのアルカリ可溶性樹脂における水酸基の一部を置換基で保護してアルカリ不溶性とした樹脂と、酸硬化性物質とを組み合わせたものが知られている。
【0006】
しかしながら、これまでの化学増幅型レジスト、特にネガ型レジストにおいては、反射防止膜上でレジストパターンを形成する場合、反射防止膜と接するレジストパターン下部に食い込みを生じ、矩形の良好な断面形状を有するレジストパターンが形成できない。
【0007】
そして、反射防止膜上で断面形状が不良のレジストパターンが形成されるとそのレジストパターンをマスクとして反射防止膜をドライエッチングする際に、寸法精度の高いエッチングができず、結果として解像性の良いパターンが得られないことになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情に鑑み、反射光に起因するトラブルを抑制し、かつ良好な断面形状をもち、忠実度の高いパターンを形成しうるパターン形成用レジスト積層体及びそれを用いたパターン形成方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、反射防止膜を有するレジスト積層体の性能改善について鋭意研究を重ね、先に基板上に設けられた反射防止膜の上に、オキシムスルホネート系化合物から成る酸発生剤を含有するネガ型レジスト膜を形成することにより、断面形状の良好なレジストパターンを与えることができるパターン形成用レジスト積層体が得られることを見出したが、さらに研究を進めた結果、オキシムスルホネート系化合物とトリス(ハロゲノアルキル)イソシアヌレートから成る酸発生剤を用いることにより、パターンの断面形状がいっそう優れたものになることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、基板上に設けられた反射防止層上に、(A)フェノール性水酸基含有アルカリ可溶性樹脂及びその水酸基の一部を酸に対して不活性な置換基で保護してアルカリ不溶性とした樹脂の中から選ばれた少なくとも1種の樹脂成分と、(B)一般式
【化4】
(式中のR1は芳香族性環基、R2は低級アルキル基又はハロゲン化低級アルキル基である)
又は一般式
【化5】
(式中のR3及びR4は置換又は未置換の非芳香族性炭化水素基である)
又は一般式
【化6】
(式中のAは二価又は三価の有機基、R5は置換又は未置換の炭化水素基、nは2又は3の整数である)
で表わされるオキシムスルホネート系化合物及びトリス(ハロゲノアルキル)イソシアヌレートから成る酸発生剤と、(C)架橋性化合物を含有するネガ型レジスト層を積層したことを特徴とするパターン形成用レジスト積層体、及びこのレジスト積層体のネガ型レジスト層に活性線を選択的に照射後、加熱処理を施したのち、現像処理して反射防止層上にネガ型レジストパターンを形成させ、次いでこのレジストパターンをマスクとして露出した反射防止層をドライエッチングすることを特徴とするパターン形成方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のレジスト積層体において用いられる反射防止層については特に制限はなく、これまでレジスト材料に慣用されているものの中から任意に選んで使用することができる。このような反射防止層としては、例えば紫外線吸収剤と架橋剤とを含有するもの、紫外線吸収剤とバインダー樹脂とを含有するもの、紫外線吸収剤と架橋剤とバインダー樹脂とを含有するものなどを挙げることができる。ここで用いられる紫外線吸収剤は、一般に紫外線吸収剤として用いられているベンゾフェノン系化合物、アゾメチン系化合物、ジフェニルスルホン系化合物、ジフェニルスルホキシド系化合物などのいずれでもよい。このような紫外線吸収剤の例としては、2,2′,4,4′‐テトラヒドロキシベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐4′‐ジメチルアミノベンゾフェノン、2,4‐ジヒドロキシ‐4′‐ジメチルアミノベンゾフェノン、2,4‐ジヒドロキシ‐4′‐ジエチルアミノベンゾフェノン、4,4′‐ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′‐ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物、3‐ヒドロキシ‐N‐(4‐ジエチルアミノベンジリデン)アニリン、2‐ヒドロキシ‐N‐(4‐ジエチルアミノベンジリデン)アニリン、4‐ヒドロキシ‐N‐(4‐ジエチルアミノベンジリデン)アニリン、4‐ヒドロキシ‐N‐(4‐ジエチルアミノベンジリデン)‐1‐ナフチルアミン、2‐ヒドロキシ‐5‐クロロ‐N‐(4‐ジエチルアミノベンジリデン)アニリン、2,4‐ジヒドロキシ‐N‐(4‐ジエチルアミノベンジリデン)アニリン、3‐ニトロ‐4‐ヒドロキシ‐N‐(4‐ジエチルアミノベンジリデン)アニリン、2‐メチル‐4‐ヒドロキシ‐N‐(4‐ジエチルアミノベンジリデン)アニリン、3‐ヒドロキシ‐4‐メトキシ‐N‐(4‐ジエチルアミノベンジリデン)アニリン、4‐ジエチルアミノ‐N‐(3‐ヒドロキシ‐4‐メトキシベンジリデン)アニリンなどがある。そのほか、次の化学式を有するアゾメチン系化合物も用いることができる。
【化7】
また、ビス(2,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5‐ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,6‐ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4‐ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3‐ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5‐ジメチル‐4‐ヒドロキシフェニル)スルホンなどのジフェニルスルホン系化合物、ビス(2,3‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(5‐クロロ‐2,3‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,4‐ジヒドロキシ‐6‐メチルフェニル)スルホキシド、ビス(5‐クロロ‐2,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,5‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3,5‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,3,4‐トリヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,3,4‐トリヒドロキシ‐6‐メチルフェニル)スルホキシド、ビス(5‐クロロ‐2,3,4‐トリヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,4,6‐トリヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(5‐クロロ‐2,4,6‐トリヒドロキシフェニル)スルホキシドなどのジフェニルスルホキシド系化合物なども用いることができる。これらの紫外線吸収剤は単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0012】
また、架橋剤としては、加熱により自己同士、あるいは併用する紫外線吸収剤又はバインダー樹脂あるいはその両方との間で架橋を形成しうる官能基をもつもの、例えばヒドロキシアルキル基又はアルコキシアルキル基あるいはその両方で置換されたアミノ基を少なくとも2個有する含窒素化合物を挙げることができる。このような化合物の例としては、アミノ基の水素原子がメチロール基又はアルコキシメチル基あるいはその両方で置換されたメラミン、尿素、グアナミン、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、スクシニルアミド、エチレン尿素などを挙げることができる。これらの含窒素化合物は、例えばメラミン、尿素、グアナミン、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、スクシニルアミド、エチレン尿素などを沸騰水中においてホルマリンと反応させてメチロール化することにより、あるいはこれにさらにメタノール、エタノール、n‐プロパノール、イソプロパノールのような低級アルコールを反応させてアルコキシル化することにより容易に製造することができる。
【0013】
これらの含窒素化合物の中では、特に一般式
【化8】
(式中のAは水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基又は−NR6R7基を示し、R6、R7、R8、R9、R10及びR11はたがいに同じか異なったもので、それぞれ水素原子、メチロール基又はアルコキシメチル基を示すが、分子中に存在する4〜6個のR6、R7、R8、R9、R10及びR11の中の少なくとも2個はメチロール基又はアルコキシメチル基である)
で表わされる化合物が架橋反応性がよいので有利である。この一般式で表わされる化合物中のメラミン誘導体はメラミン環1個当り、メチロール基又はアルコキシメチル基を平均3個以上6個未満有するものが好ましく、このようなメラミン誘導体としては、市販のメラミン環1個当り、メトキシメチル基が平均3.7個置換されているMx−750、メラミン環1個当り、メトキシメチル基が平均5.8個置換されているMw−30(いずれも三和ケミカル社製)、またベンゾグアナミン誘導体としてはサイメルシリーズ(三井サイアナミッド社製)などがある。また、これらの化合物は二量体又は三量体として用いてもよい。
本発明においては、前記架橋剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0014】
一方、バインダー樹脂としては、ポリアミド酸、ポリスルホン、ハロゲン化重合体、ポリアセタール、アセタール共重合体、α‐置換ビニル重合体、ポリアミン酸、ポリブテンスルホン酸、アクリル系樹脂などがあるが、特にアクリル系樹脂が好ましい。このアクリル系樹脂としては、例えばグリシジルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレートなどのアルキルアクリレート、4‐(4‐ヒドロキシフェニル)スルホニルフェニルアクリレート及び対応するメタクリレートなどを重合して得られる重合体が好ましい。このような重合体としては、例えばポリグリシジルアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリ[4‐(4‐ヒドロキシフェニル)スルホニルフェニルアクリレート]、グリシジルアクリレートとメチルアクリレートとの共重合体及び対応するメタクリレート重合体又は共重合体などを挙げることができる。なお、これらの中で、グリシジルメタクリレートとメチルメタクリレートとの重量比2:8ないし8:2、特に3:7ないし7:3の共重合体や、ポリ[4‐(4‐ヒドロキシフェニル)スルホニルフェニルメタクリレート]が反射防止層上に形成するレジスト膜との間にインターミキシング層を発生しにくいという点で有利である。
【0015】
本発明の積層体における反射防止層には、上記した紫外線吸収剤及び架橋剤やバインダー樹脂のほかに必要に応じて、相容性のある公知の添加剤、例えば酢酸、シュウ酸、マレイン酸、o‐ヒドロキシ安息香酸、3,5‐ジニトロ安息香酸、2,6‐ジヒドロキシ安息香酸、o‐ヒドロキシ安息香酸とp‐キシレンとの共重合体として市販されているSAX(商品名、三井東圧化学社製)などの有機酸を添加することができる。
【0016】
この反射防止層は、例えば上記した紫外線吸収剤及び架橋剤やバインダー樹脂と必要に応じて配合される各種添加剤を適当な溶剤に溶解して溶液を調製し、基板上に塗布、乾燥することによって形成させることができる。この際の溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2‐ヘプタノン、1,1,1‐トリメチルアセトンなどのケトン類や、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール又はジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、あるいはこれらのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体や、ジオキサンのような環状エーテル類や、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3‐メトキシプロピオン酸メチル、3‐エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類などが用いられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0017】
また、この反射防止層形成用溶液には、塗布性の向上やストリエーション防止のために、所望により界面活性剤を添加することもできる。このような界面活性剤としては、例えばサーフロンSC−103、SR−100(旭硝子社製)、EF−351(東北肥料社製)、フロラードFc−431、フロラードFc−135、フロラードFc−98、フロラードFc−430、フロラードFc−176(住友3M社製)などのフッ素系界面活性剤を挙げることができる。この場合の添加量としては反射防止層形成用溶液の固形分に対して、2000ppm未満の範囲で選ぶのが好ましい。
【0018】
本発明における反射防止層は上記したような紫外線吸収剤及び架橋剤やバインダー樹脂を含有するものが好ましい。その配合割合としては、紫外線吸収剤と架橋剤とを含有するものの場合には、紫外線吸収剤100重量部に対して、架橋剤10〜300重量部、好ましくは20〜200重量部の範囲が選ばれ、また紫外線吸収剤と架橋剤とバインダー樹脂とを含有するものの場合には、紫外線吸収剤と架橋剤の合計量100重量部に対し、バインダー樹脂1〜400重量部、好ましくは5〜300重量部の範囲が選ばれる。さらに紫外線吸収剤とバインダー樹脂とを含有するものの場合には、バインダー樹脂100重量部に対し、紫外線吸収剤1〜200重量部、好ましくは5〜150重量部の範囲で配合するのが有利である。紫外線吸収剤と架橋剤やバインダー樹脂との配合割合が上記範囲を逸脱すると、基板からの反射光の抑制効果が不十分になる。
【0019】
本発明のレジスト積層体における反射防止層は、例えばシリコンウエーハなどの基板上に、前記のようにして調製した反射防止層形成用溶液をスピンナーなどの慣用的な塗布手段を用いて塗布し、乾燥させ、次いで150〜300℃の範囲の温度で加熱することにより形成することができる。この反射防止層の厚さは、通常0.05〜0.3μm程度で、基板表面の凹凸により適宜選択すればよい。
【0020】
次に、本発明のパターン形成用レジスト積層体において、基板上に設けられた前記反射防止層の上に形成されるネガ型レジスト層として好適なものは、(A)フェノール性水酸基含有アルカリ可溶性樹脂及びその水酸基の一部を酸に対して不活性な置換基で保護してアルカリ不溶性とした樹脂の中から選ばれた少なくとも1種と、(B)オキシムスルホネート系化合物及びトリス(ハロゲノアルキル)イソシアヌレートから成る酸発生剤と、(C)架橋性化合物とを含有するものである。
【0021】
前記(A)成分のフェノール性水酸基含有アルカリ可溶性樹脂としては、例えば各種ノボラック樹脂やポリヒドロキシスチレン系樹脂などを挙げることができる。該ノボラック樹脂としては、例えばフェノール、m‐クレゾール、p‐クレゾール、o‐クレゾール、2,3‐キシレノール、2,5‐キシレノール、3,5‐キシレノール、3,4‐キシレノール、2,3,5‐トリメチルフェノール、2,3,5‐トリエチルフェノールなどのフェノール系化合物と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサンなどのアルデヒド類とを酸性触媒の存在下に常法により縮合させて得られるものである。このノボラック樹脂は、重量平均分子量2000〜30000のものが好ましく、この重量平均分子量が2000未満では残膜率が低下するとともに、レジストパターン形状が悪くなるし、また、30000を超えると解像性が劣化する。
【0022】
一方、ポリヒドロキシスチレン系樹脂は、例えばヒドロキシスチレンの単独重合体やヒドロキシスチレンと他のスチレン系単量体との共重合体、ヒドロキシスチレンとアクリル酸やメタクリル酸やそれらの誘導体との共重合体などである。ここで、他のスチレン系単量体としては、例えばスチレン、p‐メチルスチレン、α‐メチルスチレン、o‐メチルスチレン、p‐メトキシスチレン、p‐クロロスチレン及びこれらの混合物などが挙げられる。またアクリル酸やメタクリル酸の誘導体としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2‐ヒドロキシエチル、アクリル酸2‐ヒドロキシプロピル、アクリル酸アミド、アクリロニトリル、これらに対応するメタクリル酸誘導体及びこれらの混合物などを挙げることができる。このポリヒドロキシスチレン系樹脂は、重量平均分子量1000〜30000のものが好ましく、重量平均分子量が1000未満では残膜率が低下するとともに、レジストパターン形状が悪くなるし、30000を超えると解像性が劣化する。
【0023】
また、水酸基の一部を酸に対して不活性な置換基で保護してアルカリ不溶性とした樹脂としては、例えば上記したノボラック樹脂やポリヒドロキシスチレン系樹脂の水酸基の一部を酸に対して不活性な置換基で保護した樹脂を挙げることができる。
【0024】
この酸に対して不活性な置換基とは、酸により変化しない置換基のことであり、このような置換基としては、例えば置換又は未置換のベンゼンスルホニル基、置換又は未置換のナフタレンスルホニル基、置換又は未置換のベンゼンカルボニル基、置換又は未置換のナフタレンカルボニル基などが挙げられる。置換又は未置換のベンゼンスルホニル基の例としては、ベンゼンスルホニル基、クロロベンゼンスルホニル基、メチルベンゼンスルホニル基、エチルベンゼンスルホニル基、プロピルベンゼンスルホニル基、メトキシベンゼンスルホニル基、エトキシベンゼンスルホニル基、プロポキシベンゼンスルホニル基、アセトアミノベンゼンスルホニル基などがあり、置換又は未置換のナフタレンスルホニル基の例としては、ナフタレンスルホニル基、クロロナフタレンスルホニル基、メチルナフタレンスルホニル基、エチルナフタレンスルホニル基、プロピルナフタレンスルホニル基、メトキシナフタレンスルホニル基、エトキシナフタレンスルホニル基、プロポキシナフタレンスルホニル基、アセトアミノナフタレンスルホニル基などがある。また、置換又は未置換のベンゼンカルボニル基及び置換又は未置換のナフタレンカルボニル基の例としては、前記置換基中のスルホニル基をカルボニル基に置き換えたものなどがある。
【0025】
これらの酸に対して不活性な置換基による置換率は、アルカリ可溶性樹脂の水酸基に対し、0.01〜1モル%の範囲、特に0.08〜0.15モル%の範囲が好ましい。
【0026】
前記(A)成分のフェノール性水酸基含有アルカリ可溶性樹脂の中では、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、特にポリヒドロキシスチレン及びp‐ヒドロキシスチレンとスチレンとの共重合体が好ましい。また、水酸基の一部を酸に対して不活性な置換基で保護してアルカリ不溶性とした樹脂としては、ポリヒドロキシスチレンの水酸基の一部をアセトアミノベンゼンスルホニル基で置換したものが感度及び解像性に優れるので有利である。これらの樹脂成分は単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0027】
また、(B)成分の酸発生剤の一方の成分のオキシムスルホネート系化合物としては、
【化9】
(式中のR 1 は芳香族性環基、R 2 は低級アルキル基又はハロゲン化低級アルキル基である)
で表わされる化合物、又は一般式
【化10】
(式中のR 3 及びR 4 は置換又は未置換の非芳香族性炭化水素基である)
で表わされる化合物、又は一般式
【化11】
(式中のAは二価又は三価の有機基、R 5 は置換又は未置換の炭化水素基、nは2又は3の整数である)
で表わされる化合物を用いることが必要である。このような化合物を用いることにより他のオキシムスルホネート系化合物を用いた場合よりもより高感度で正確な矩形状の断面形状をもつ良好なレジストパターンが得られる。
【0028】
前記一般式(II)において、R 1 の芳香族性環基とは、芳香族化合物に特有な物理的、化学的性質を示す基を意味し、このようなものとしては例えばフェニル基、ナフチル基、フリル基、チエニル基などがある。また、これらの芳香族性環基は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のようなハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、ニトロ基などの不活性な置換基を有していてもよい。
【0029】
またR2の低級アルキル基又はハロゲン化低級アルキル基の中では、特にメチル基、エチル基、n‐プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基が好適である。
【0030】
この一般式(II)で表わされる化合物の例としては、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐フェニルアセトニトリル、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐4‐メトキシフェニルアセトニトリル、α‐(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)‐フェニルアセトニトリル、α‐(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)‐4‐メトキシフェニルアセトニトリル、α‐(エチルスルホニルオキシイミノ)‐4‐メトキシフェニルアセトニトリル、α‐(プロピルスルホニルオキシイミノ)‐4‐メチルフェニルアセトニトリル、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐4‐ブロモフェニルアセトニトリルなどを挙げることができる。
【0031】
次に、前記一般式(III)における、R3及びR4の置換又は未置換の非芳香族性炭化水素基としては、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基及びアダマンチル基がある。
【0032】
ここで、アルキル基の例としては、炭素数1〜12の直鎖状又は枝分れ状のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n‐プロピル基、イソプロピル基、n‐ブチル基、イソブチル基、sec‐ブチル基、tert‐ブチル基、n‐ペンチル基、n‐オクチル基、n‐ドデシル基などが挙げられる。
【0033】
また、ハロゲン化アルキル基におけるハロゲン原子の導入数については特に制限はなく、1個導入されていてもよいし、複数導入されていてもよい。このようなハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基、例えばクロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2‐ブロモプロピル基などが挙げられる。
【0034】
次に、アルケニル基としては、炭素数2〜6の直鎖状又は枝分れ状のアルケニル基、例えばビニル基、アリル基、1‐プロペニル基、イソプロペニル基、2‐ブテニル基などが、シクロアルキル基としては、炭素数5〜12のシクロアルキル基、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基などが、シクロアルケニル基としては、炭素数4〜8のシクロアルケニル基、例えば1‐シクロブテニル基、1‐シクロペンテニル基、1‐シクロヘキセニル基、1‐シクロヘプテニル基、1‐シクロオクテニル基などが、また、アルコキシ基としては、炭素数1〜12の直鎖状又は枝分れ状のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n‐プロポキシ基、イソプロポキシ基、n‐ペントキシ基、n‐オクチルオキシ基などが、シクロアルコキシ基としては、炭素数5〜8のシクロアルコキシ基、例えばシクロペントキシ基、シクロヘキシルオキシ基などが挙げられる。
R3としては、特にシクロアルケニル基、例えば1‐シクロペンテニル基、1‐シクロヘキセニル基、1‐シクロヘプテニル基及び1‐シクロオクテニル基が好ましい。
また、R4としては、アルキル基、ハロゲン化アルキル基及びシクロアルキル基が好ましく、中でもメチル基、エチル基、n‐プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
【0035】
この一般式(III)で表わされる化合物の例としては、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロペンテニルアセトニトリル、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロヘキセニルアセトニトリル、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロヘプテニルアセトニトリル、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロオクテニルアセトニトリル、α‐(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロペンテニルアセトニトリル、α‐(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)‐シクロヘキセニルアセトニトリル、α‐(エチルスルホニルオキシイミノ)‐エチルアセトニトリル、α‐(プロピルスルホニルオキシイミノ)‐プロピルアセトニトリル、α‐(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)‐シクロペンチルアセトニトリル、α‐(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)‐シクロヘキシルアセトニトリル、α‐(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロペンテニルアセトニトリルなどを挙げることができる。
【0036】
他方、前記一般式(IV)におけるAの二価又は三価の有機基とは、有機化合物から2個又は3個の水素原子が取り除かれ、結合手2個又は3個が形成されている残基をいう。
また、R5の置換又は未置換の炭化水素基としては、芳香族性及び非芳香族性炭化水素基が挙げられる。この芳香族性炭化水素基としては、炭素数6〜14のものが好ましく、例えばフェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基などがある。また、非芳香族性炭化水素基はベンゼン環、ナフタレン環、フラン環、チオフェン環、ピリジン環のような芳香族性を示す環を有しない炭化水素基、例えば脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、具体的にはアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基などである。このアルキル基、アルケニル基は、直鎖状、枝分れ状のいずれでもよいが、炭素数1〜12のものが、またシクロアルキル基又はシクロアルケニル基は、炭素数4〜12のものが好ましい。このアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n‐ブチル基、sec‐ブチル基、tert‐ブチル基、n‐ペンチル基、n‐オクチル基、n‐ドデシル基などを、アルケニル基の例としては、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ブタジエニル基、ヘキセニル基、オクタジエニル基などを、シクロアルキル基の例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基を、シクロアルケニル基の例としては、1‐シクロブテニル基、1‐シクロペンテニル基、1‐シクロヘキセニル基、1‐シクロヘプテニル基、1‐シクロオクテニル基などを挙げることができる。
【0037】
R5のうちの置換基を有する炭化水素基としては、前記の芳香族性及び非芳香族性炭化水素基の水素原子の1個又は2個以上が適当な置換基で置換されたものを挙げることができるが、塩素原子、臭素原子、フッ素原子などのハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、アシル基などで置換されたもの、特にハロゲン化アリール基又はハロゲン化アルキル基が好ましい。ここで、ハロゲン化アルキル基としては、例えばクロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2‐ブロモプロピル基のような炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基が好適である。
【0038】
この一般式(IV)の化合物の例としては、次の化学式で示される化合物を挙げることができる。
【化12】
【化13】
【0039】
他方、酸発生剤において、これらのオキシムスルホネート系化合物と組み合わせて用いられるもう一方の成分のトリス(ハロゲノアルキル)イソシアヌレートとしては、例えば一般式
【化14】
(式中のXはハロゲン原子、nは1〜5の整数、mは2〜11の整数であって、m≦2n+1である)
で表わされる化合物が好ましい。
【0040】
この一般式(V)のXのハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子があるが、特に臭素原子が好ましい。
また、この式中のCnH2n+1基は、直鎖状でも枝分れ状でもよい。
【0041】
この一般式(V)の化合物の例としては、トリス(2,3‐ジブロモプロピル)イソシアヌレート、トリス(2,3,3‐トリブロモプロピル)イソシアヌレート、トリス(3,4‐ジブロモブチル)イソシアヌレート、トリス(3,4,4‐トリブロモブチル)イソシアヌレート、トリス(4,5‐ジブロモペンチル)イソシアヌレート、トリス(3‐クロロ‐4,4‐ジブロモブチル)イソシアヌレート、トリス(2,3‐ジクロロ‐4,5‐ジブロモペンチル)イソシアヌレートなどを挙げることができる。この中で特に好ましいのは、トリス(2,3‐ジブロモプロピル)イソシアヌレートである。
【0042】
本発明における酸発生剤は、前記したオキシムスルホネート系化合物とトリス(ハロゲノアルキル)イソシアヌレートとを重量比1:10ないし2:1好ましくは1:5ないし1:1の割合で混合したものである。これよりもトリス(ハロゲノアルキル)イソシアヌレートの量が少なくても、また多くても良好な断面形状のパターンが得られない。
【0043】
一方、(C)成分の架橋性化合物としては、従来化学増幅型のネガ型レジストに架橋性化合物として慣用されているものの中から任意に選ぶことができる。このような架橋性化合物としては、ヒドロキシル基又はアルコキシル基を有するアミノ樹脂、例えばメラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、グリコールウリル‐ホルムアルデヒド樹脂、スクシニルアミド‐ホルムアルデヒド樹脂、エチレン尿素‐ホルムアルデヒド樹脂などを挙げることができる。これらは、例えばメラミン、尿素、グアナミン、グリコールウリル、スクシニルアミド、エチレン尿素などから、これらを沸騰水中でホルマリンと反応させてメチロール化あるいはこれにさらに低級アルコールを反応させてアルコキシル化することにより容易に得られるが、市販品としてニカラックMx−750、ニカラックMx−290、ニカラックMx−30(いずれも三和ケミカル社製)などが入手することができる。
【0044】
また、1,3,5‐トリス(メトキシメトキシ)ベンゼン、1,2,4‐トリス(イソプロポキシメトキシ)ベンゼン、1,4‐ビス(sec‐ブトキシメトキシ)ベンゼンなどのアルコキシル基を有するベンゼン化合物、2,6‐ジヒドロキシメチル‐p‐クレゾール、2,6‐ジヒドロキシメチル‐p‐tert‐ブチルフェノールなどのヒドロキシル基又はアルコキシル基を含有するフェノール化合物なども用いることができる。
これらの架橋性化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0045】
ネガ型レジスト層における各成分の配合割合については、(A)成分の樹脂と(C)成分の架橋性化合物は、重量比100:3ないし100:70の割合で配合するのが好ましい。架橋性化合物の量がこの範囲より少ないと感度が不十分になるおそれがあるし、またこの範囲より多くなると均一なレジスト層が形成されにくい上、現像性も低下して、良好なレジストパターンが得られにくくなる。感度、均一なレジスト層の形成及び現像性などの面から、(A)成分と(C)成分の特に好ましい配合割合は、重量比100:5ないし100:50の範囲で選ばれる。
【0046】
また、(B)成分の酸発生剤は、前記(A)成分と(C)成分との合計重量に対して、0.1〜30重量%の割合で配合するのが好ましい。(B)成分の量がこの範囲を逸脱すると像が形成されにくい上、現像性も低下し、良好なレジストパターンが得られにくくなる。像形成性及び現像性などの面から、この(B)成分の特に好ましい配合量は、(A)成分と(C)成分との合計重量に対して、1〜20重量%の範囲で選ばれる。
【0047】
本発明のレジスト積層体においては、このネガ型レジスト層は、例えば前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を溶剤に溶解して、ネガ型レジスト層形成用溶液を調製し、これを反射防止層上に、スピンナー、ドクターナイフなどの慣用的な塗布手段を用いて塗布し、乾燥することで形成させるのが好ましい。前記ネガ型レジスト層形成用溶液の調製に用いられる溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2‐ヘプタノン、1,1,1‐トリメチルアセトンなどのケトン類や、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール又はジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、あるいはこれらのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体や、ジオキサンのような環状エーテル類や、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3‐メトキシプロピオン酸メチル、3‐エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類などを挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0048】
また、このネガ型レジスト層形成用溶液には、さらに所望により混和性のある添加物、例えばレジスト層の性能を改良するための付加的樹脂、可塑剤、安定剤、着色剤、界面活性剤などの慣用されているものを添加含有させることができる。
【0049】
次に、このようにして得られたレジスト積層体を用いてパターンを形成する本発明方法について説明する。このパターン形成方法としては、従来のリソグラフィ技術を利用して、まずネガ型レジスト層に例えば縮小投影露光装置を用いて、deep‐UVやエキシマレーザー光などの活性線をマスクパターンを介して選択的に照射したのち、加熱処理を施し、次いでこれを現像液、例えば1〜10重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液のようなアルカリ性水溶液で現像処理して、反射防止層上にネガ型レジストパターンを形成したのち、露出した反射防止層を、プラズマなどを用いたドライエッチング装置を使用して、ネガ型レジストパターンをマスクとしてエッチングすることにより、マスクパターンに忠実な画像を得ることができる。
【0050】
この場合、マスクパターンとして、位相シフトマスクを使用することにより、忠実性にも優れたレジストパターンを形成することができるため、位相シフトマスクの使用は、本発明のレジスト積層体においては有効である。特に本発明のレジスト積層体では断面形状が優れ、かつ忠実性の高いラインアンドスペースパターンを形成させるには、オルタネイティング型の位相シフトマスクとの組合せが有効である。
【0051】
【発明の効果】
本発明のレジスト積層体は、反射防止層上に、樹脂成分とオキシムスルホネート系化合物及びトリス(ハロゲノアルキル)イソシアヌレートから成る酸発生剤と、架橋性化合物を含むネガ型レジスト層を有するものであって、反射防止層とネガ型レジスト層との接触部分でのネガ型レジストの食い込みがなく、矩形の断面形状を有するネガ型レジストパターンを形成することができ、特に位相シフトマスクを使用することにより、断面形状だけでなく、忠実性にも優れたレジストパターンを形成できるという効果を奏する。
【0052】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0053】
実施例1
架橋剤としてベンゾグアナミン誘導体であるサイメル1123(三井サイアナミッド社製)8g、ビス(4‐ヒドロキシフェニル)スルホン2g、重量平均分子量3000〜4000の4‐(4‐ヒドロキシフェニル)スルホニルフェニルメタクリレート4gをプロピレングリコールモノメチルエーテル190gに溶解し、孔径が0.2μmのメンブランフィルターを用いてろ過することによって、反射防止層形成用溶液を調製した。次いで、シリコンウエーハ上にこの反射防止層形成用溶液をスピンナー塗布して90℃で90秒間乾燥処理を行ったのち、180℃で2分間加熱することで、層厚0.2μmの反射防止層を形成した。
【0054】
次に、ヒドロキシスチレンとスチレンとの共重合体(重量平均分子量2500)100重量部、メラミン樹脂であるMw−30(三和ケミカル社製)7重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート500重量部に溶解し、これに酸発生剤としてα‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐4‐メトキシフェニルアセトニトリル1重量部、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)フェニルアセトニトリル1重量部及びトリス(2,3‐ジブロモプロピル)イソシアヌレート3重量部を溶解してネガ型レジスト層形成用溶液を調製した。この溶液を上記反射防止層上にスピンナー塗布して、110℃で90秒間乾燥し、層厚0.7μmのネガ型レジスト層を形成した。
【0055】
次いで、ネガ型レジスト層を、NSR−2005Ex8A(ニコン社製)を用いてオルタネイティング型位相シフトマスクを介して露光したのち、露光後加熱処理を120℃で90秒間行い、次いで2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で65秒間現像し、30秒間水洗して乾燥した。現像処理後に形成された0.18μmのラインパターンの断面形状を電子顕微鏡により観察したところ、反射防止層に対して正確に垂直な矩形のパターンであり、反射防止層との接触部分における食い込みは全く確認されなかった。
【0056】
実施例2
実施例1で使用した反射防止層形成用溶液を、架橋剤としてサイメル1125(三井サイアナミッド社製)8g、ビス(4‐ヒドロキシフェニル)スルホン6gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート190gに溶解し、孔径が0.2μmのメンブランフィルターを用いてろ過することで調製したものに代えた以外は、実施例1と同様の操作により、パターンを形成した。
その結果、現像処理後に形成された0.18μmのラインパターンの断面形状は、反射防止層に対して正確に垂直な矩形のパターンであり、反射防止層との接触部分における食い込みは全く確認されず、また反射防止層のドライエッチング処理により形成されたパターンにおいても、寸法精度の高いマスクパターンに忠実な画像がシリコンウエーハ上に形成された。
【0057】
比較例1
実施例1で使用した酸発生剤を、トリス(2,3‐ジブロモプロピル)イソシアヌレート9重量部に代えた以外は、実施例1と同様の操作により、パターンを形成した。
その結果、現像処理後に形成された0.20μmのラインパターンの断面形状は反射防止層との接触部分における食い込みが確認され、また反射防止層のドライエッチング処理により形成されたパターンにおいても、寸法精度は不良であった。
【0058】
比較例2
実施例1で使用した酸発生剤を、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐4‐メトキシフェニルアセトニトリル3重量部に代えた以外は、実施例1と同様の操作によりパターンを形成した。
その結果、現像処理後に形成された0.20μmのラインパターンの断面形状には反射防止層に対してわずかな矩形パターンの裾の広がりが認められた。
Claims (11)
- 基板上に設けられた反射防止層上に、(A)フェノール性水酸基含有アルカリ可溶性樹脂及びその水酸基の一部を酸に対して不活性な置換基で保護してアルカリ不溶性とした樹脂の中から選ばれた少なくとも1種の樹脂成分と、(B)一般式
又は一般式
又は一般式
で表わされるオキシムスルホネート系化合物及びトリス(ハロゲノアルキル)イソシアヌレートから成る酸発生剤と、(C)架橋性化合物とを含有するネガ型レジスト層を積層したことを特徴とするパターン形成用レジスト積層体。 - トリス(ハロゲノアルキル)イソシアヌレートがトリス(ジブロモアルキル)イソシアヌレートである請求項1記載のパターン形成用レジスト積層体。
- トリス(ジブロモアルキル)イソシアヌレートがトリス(2,3‐ジブロモプロピル)イソシアヌレートである請求項2記載のパターン形成用レジスト積層体。
- 反射防止層が紫外線吸収剤と架橋剤とを含有するものである請求項1ないし3のいずれかに記載のパターン形成用レジスト積層体。
- 反射防止層が紫外線吸収剤とバインダー樹脂とを含有するものである請求項1ないし3のいずれかに記載のパターン形成用レジスト積層体。
- 反射防止層が紫外線吸収剤と架橋剤とバインダー樹脂とを含有するものである請求項1ないし3のいずれかに記載のパターン形成用レジスト積層体。
- 紫外線吸収剤が、ベンゾフェノン系化合物、アゾメチン系化合物、ジフェニルスルホン系化合物及びジフェニルスルホキシド系化合物の中から選ばれた少なくとも1種である請求項4ないし6のいずれかに記載のパターン形成用レジスト積層体。
- 架橋剤が、ヒドロキシアルキル基又はアルコキシアルキル基あるいはその両方で置換されたアミノ基少なくとも2個を有する含窒素化合物である請求項4又は6記載のパターン形成用レジスト積層体。
- バインダー樹脂がアクリル系樹脂である請求項5又は6記載のパターン形成用レジスト積層体。
- 請求項1ないし9のいずれかに記載のパターン形成用レジスト積層体のネガ型レジスト層に活性線を選択的に照射後、加熱処理を施したのち、現像処理して反射防止層上にネガ型レジストパターンを形成させ、次いでこのレジストパターンをマスクとして露出した反射防止層をドライエッチングすることを特徴とするパターン形成方法。
- 活性線を位相シフトマスクを介して選択的に照射する請求項10記載のパターン形成方法。
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