JP3816556B2 - 2−又は3−(置換)フェニルプロピオン酸の製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、2−又は3−(置換)フェニルプロピオン酸の製造方法に関する。本発明により提供される2−又は3−(置換)フェニルプロピオン酸は、医薬品として、あるいは医薬、農薬、香料など各種の有機化学薬品の合成中間体として有用である。例えば、2−(p−イソブチルフェニル)プロピオン酸および2−(m−ベンゾイルフェニル)プロピオン酸は消炎・鎮痛・解熱作用に優れた医薬品である。また、3−フェニルプロピオン酸は、例えば、HIVプロテアーゼやレニンの阻害剤として有用なヒドロキサミド化合物の合成中間体である(特公平6−102643号公報参照)。
【0002】
【従来の技術】
2−又は3−(置換)フェニルプロピオン酸の製造方法は数多く報告されており、なかでも、2−又は3−(置換)フェニルプロピオンアルデヒドの酸化による製造方法は、工程が短く、工業的に注目される製造法である。
【0003】
従来、2−又は3−(置換)フェニルプロピオンアルデヒドの酸化による2−又は3−(置換)フェニルプロピオン酸の製造方法としては、下記の▲1▼〜▲8▼の方法が知られている。
▲1▼微量の臭化水素を触媒とし、ジオキサン溶媒中、35%過酸化水素水で酸化する方法(ヨーロッパ特許第424242号参照)。
▲2▼鉄 (III)ポルフィリン錯体を触媒とし、塩化メチレン溶媒中、−78℃でm−クロロ過安息香酸で酸化する方法[J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,927頁,(1990年)参照]。
▲3▼オキソン(Oxone:商品名)ーアセトン系で発生させたジメチルジオキシランで酸化する方法[Zhonggou Yiyao Gongye Zazhi,20巻,529頁(1989年)参照]。
▲4▼t−ブタノール溶媒中、二酸化セレン及び過酸化水素水により酸化する方法(英国特許第2004543号参照)。
▲5▼トリチルパークロレートを触媒とし、t−ブチルトリメチルシリルパーオキシドと反応させ、次いで硫酸銅及びL−アスコルビン酸と反応させる方法[Chem.Lett.,1385頁(1986年)参照]。
▲6▼酢酸マンガン及びビピリジンを触媒とし、フレオン11(CFCl3 )溶媒中で酸素酸化する方法(ヨーロッパ特許第453356号参照)。
▲7▼酢酸マンガン・ポルフィリン錯体及びテトラブチルアンモニウムブロミドを触媒とし、次亜塩素酸ソーダで酸化する方法[Youji Huaxue,13巻,500頁(1993年)参照]。
▲8▼酸性条件下で、次亜ハロゲン酸塩で酸化する方法(特公平6−4561号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記▲1▼〜▲5▼に記載された2−又は3−(置換)フェニルプロピオン酸の製造方法では、35%過酸化水素水、m−クロロ過安息香酸、ジメチルジオキシラン及びt−ブチルトリメチルシリルパーオキシドといった爆発の危険性のある試薬を用いる必要がある。また上記▲2▼、▲6▼および▲7▼に記載された2−又は3−(置換)フェニルプロピオン酸の製造方法では、鉄(III)ポルフィリン錯体、酢酸マンガン及び酢酸マンガン・ポルフィリン錯体などの高価な金属触媒を用いる必要がある。さらに上記▲4▼に記載された2−又は3−(置換)フェニルプロピオン酸の製造方法では、爆発の危険性のある過酸化水素に加え、毒性の高い二酸化セレンを用いる必要がある。
【0005】
また上記▲8▼に記載された2−又は3−(置換)フェニルプロピオン酸の製造方法は、使用する試薬が安価であり、操作が容易であって、安全面、廃棄物の処理等の問題も少なく工業的に実施し得る方法であるが、▲8▼の明細書中の実施例1には、反応終了後の目的物中の塩素含有量が2600ppmであると記載されており、ハロゲン化副生物の生成が多いという問題がある。
【0006】
このように、2−又は3−(置換)フェニルプロピオンアルデヒドの酸化による2−又は3−(置換)フェニルプロピオン酸の製造方法は数多く知られているが、いずれの方法も工業的に実施するには安全面、廃棄物の処理、ハロゲン化副生物の生成などの点において難点がある。
【0007】
しかして、本発明は、2−又は3−(置換)フェニルプロピオンアルデヒドを原料として、2−又は3−(置換)フェニルプロピオン酸を工業的に有利に製造する方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記課題は、一般式(3)
【0009】
【化5】
【0010】
(式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基またはアルコキシカルボニル基を表す)で示される2−(置換)フェニルプロピオンアルデヒドおよびN−オキシル化合物へ、次亜塩素酸塩を滴下することを特徴とする一般式(1)
【0011】
【化6】
【0012】
で示される2−(置換)フェニルプロピオン酸の製造方法および一般式(4)
【0013】
【化7】
【0014】
(式中、R2は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基またはアルコキシカルボニル基を表す)で示される3−(置換)フェニルプロピオンアルデヒドおよびN−オキシル化合物へ、次亜塩素酸塩を滴下することを特徴とする一般式(2)
【0015】
【化8】
【0016】
で示される3−(置換)フェニルプロピオン酸の製造方法を提供することによって解決される。
【0017】
上記一般式(1)〜(4)において、R1 及びR2 が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられ、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、i−プロポキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基などが挙げられ、アシルオキシ基としては、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられ、アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基、ベンゾイル基などが挙げられ、また、アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基などが挙げられる。
【0018】
本発明において原料として使用される一般式(3)または(4)で示される2−又は3−(置換)フェニルプロピオンアルデヒド(以下、これらを基質と称することがある)は、例えば、エレクトロニック パラメータが2080〜2090cm-1であり、かつ、ステリック パラメータが135〜190゜であるホスファイト化合物及びロジウム化合物を触媒とする(置換)スチレンのオキソ反応によって製造することができる(特開昭64−29335号公報参照)。なお、(置換)スチレンのオキソ反応では、一般的に2−(置換)フェニルプロピオンアルデヒドと3−(置換)フェニルプロピオンアルデヒドの混合物が得られるが、両者は段数を有する蒸留塔を使用した減圧蒸留などの手段によって容易に分離することができ、各々を純品として取得できる。本発明における2−又は3−(置換)フェニルプロピオンアルデヒドの具体例としては、2−フェニルプロピオンアルデヒド、2−(p−i−ブチルフェニル)プロピオンアルデヒド、2−(m−ベンゾイルフェニル)プロピオンアルデヒド、3−フェニルプロピオンアルデヒドなどが挙げられる。
【0019】
本発明において一般式(3)または(4)で示される2−又は3−(置換)フェニルプロピオンアルデヒドは、N−オキシル化合物の存在下に次亜塩素酸塩で酸化されるが、その際、基質に対して量論量の酸化剤を必要とする。収率よく反応を進めるためには当モル付近の酸化剤の使用が好ましい。酸化剤として用いられる次亜塩素酸塩は、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム及び次亜塩素酸カルシウムなどであり、工業的に安価に入手できる水溶液(例えば、次亜塩素酸ナトリウムの13%水溶液)または粉末(例えば、さらし粉)をそのまま、あるいは水で希釈して使用することができる。
【0020】
本発明においては、次亜塩素酸塩と組み合わせて、触媒としてN−オキシル化合物を用いることが必要である。N−オキシル化合物は、いわゆるヒンダードアミンのN−オキシル化合物であり、例えば、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシ(TEMPO)、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシ、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシ、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシ、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシ、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシ等である。N−オキシル化合物の使用量は、2−又は3−(置換)フェニルプロピオンアルデヒドに対して0.01モル%以上であることが好ましい。なお、N−オキシル化合物の使用量が少ない場合には、ハロゲン化副生物の生成量が増加する。従って、反応及び経済的観点からN−オキシル化合物の使用量は、2−又は3−(置換)フェニルプロピオンアルデヒドに対して0.1〜2モル%の範囲内にすることがより好ましい。
【0021】
前記したように、酸性条件下では、2−又は3−(置換)フェニルプロピオンアルデヒドの次亜塩素酸塩による酸化はN−オキシル化合物が反応系に存在しなくても反応が進行する(特公平6−4561号公報参照)。しかしながら、本発明における酸化反応は、次亜塩素酸塩とN−オキシル化合物とを組み合わせて使用する点に特徴を有しており、1−オキソピペリジウム塩を経由して反応が進行する(例えば、有機合成化学協会誌,第51巻,910頁(1993年)などを参照)。かかる点において本発明はN−オキシル化合物の不存在下での次亜塩素酸塩による酸化反応とは相違しており、ハロゲン化副生物の生成が抑制される。
【0022】
本発明では、溶媒は必須ではないが、酸化反応を阻害しない限り溶媒の使用は差し支えない。その際に使用し得る溶媒としては、例えば、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられるが、なかでも塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素溶媒が好ましい。溶媒の使用量は特に限定されないが、生産効率面などから2−又は3−(置換)フェニルプロピオンアルデヒドに対して0.1〜10倍容量が好ましい。
【0023】
本発明では、反応系のpH(水素イオン濃度)を調節するために、塩を添加することができる。反応系のpHは3〜9に保持しておくことが好ましい。また添加する塩としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸一水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム等が挙げられる。塩の使用量は、添加する塩の種類によって異なるが、例えばリン酸二水素ナトリウムの場合は、2−又は3−(置換)フェニルプロピオンアルデヒドに対して5〜20モル%が好ましい。なお、これらの塩は通常50%以内の水溶液として使用される。
【0024】
また本発明では、反応を促進する目的で、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等のハロゲン化塩を添加することができる。これらのハロゲン化塩の使用量は、2−又は3−(置換)フェニルプロピオンアルデヒドに対して0.1〜10モル%が好ましい。
【0025】
本発明にしたがう反応は、2−又は3−(置換)フェニルプロピオンアルデヒド及びN−オキシル化合物、必要により、pH調節のための塩、溶媒、反応促進のためのハロゲン化塩を予め投入した攪拌機付の反応容器中に、次亜塩素酸塩を徐々に添加することによって行われる。反応温度は好ましくは−5〜50℃、より好ましくは0〜20℃である。なお、次亜塩素酸塩の添加中及び反応中は、攪拌を激しく行うことが好ましい。酸化反応は次亜塩素酸塩の添加と同時に進行し、添加終了後、通常2時間以内に終了する。酸化反応の進行はガスクロマトグラフィー等により確認することができる。
【0026】
反応終了後、目的生成物は、反応混合物を蒸留するか、あるいは反応混合物から有機溶媒によって抽出し、次いで該有機溶媒を常圧又は減圧下に留去することにより単離される。その際に用いる有機溶媒としては、例えば、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、キシレン、メチルシクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロルエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素溶媒、エチルエーテル、i−プロピルエーテル、ブチルエーテルなどのエーテル溶媒を使用することができる。上記の方法で得られた目的物は、必要により、減圧蒸留、クロマトグラフィーなどによってさらに純度を高めることができる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0028】
実施例1
10リットルの三口フラスコに塩化メチレン3040g、50%リン酸二水素カリウム水溶液100g、4ーベンジルオキシー2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシ9.7g(0.04mol)及び2−フェニルプロピオンアルデヒド1013.8g(7.56mol)を仕込み、激しく攪拌しながら内温を8℃にセットした。次いで、内温を8〜12℃に保ちながら滴下ロートから、13%次亜塩素酸ナトリウム水溶液4500g(7.86mol)を5時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で1時間激しく攪拌した。反応混合物をガスクロマトグラフィー(カラム:ジーエルサイエンス(株)製、QF−1、長さ3m)で分析した結果、転化率は99%以上であった。
【0029】
反応混合物を静置して塩化メチレン層を分液し、5%亜硫酸ナトリウム水溶液796g及び水3000gで順次洗浄した後、塩化メチレンを留去し、目的物1111.1gを得た。塩素分析を行った結果、目的物中の塩素は360ppmであった。さらに、このものを減圧下に蒸留し、純度99.5%の2−フェニルプロピオン酸(bp.113〜116℃/1mmHg)1055.5gを得た。
【0030】
実施例2
500mlの三口フラスコに3ーフェニルプロピオンアルデヒド20.0g
(0.15mol)、50%リン酸二水素カリウム3.62g、4−アセトキシー2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシ180mg(0.8mmol)及び塩化メチレン54gを仕込み、激しく攪拌しながら内温を5℃にセットした。内温を5〜10℃に保ちながら、滴下ロートから10.6%次亜塩素酸ナトリウム水溶液106g(0.15mol)を50分かけて滴下した。滴下終了後、同温度で1時間激しく攪拌した。
【0031】
反応混合物を静置して塩化メチレン層を分液し、5%亜硫酸ナトリウム水溶液20g及び水100gで順次洗浄した後、塩化メチレンを留去し、白色結晶性の3−フェニルプロピオン酸20.8gを得た(純度95.3%、0.13mol、収率87%)。塩素分析を行った結果、このものの中の塩素は400ppmであった。
【0032】
実施例3
500mlの三口フラスコに3ーフェニルプロピオンアルデヒド20.0g、50%リン酸二水素カリウム3.62g、4−ベンジルオキシー2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシ200mg、臭化ナトリウム0.31g及び塩化メチレン54gを仕込み、激しく攪拌しながら内温を5℃にセットした。次いで、内温を5〜10℃に保ちながら、滴下ロートから10.6%次亜塩素酸ナトリウム水溶液106gを50分かけて滴下した。滴下終了後、同温度で1時間激しく攪拌した。
【0033】
反応混合物を静置して塩化メチレン層を分液し、5%亜硫酸ナトリウム水溶液20g及び水100gで順次洗浄した後、塩化メチレンを留去し、3−フェニルプロピオン酸21.7gを得た(純度97%、0.14mol、収率93%)。塩素分析の結果、このものの中の塩素は280ppmであった。
【0034】
実施例4
500mlの三口フラスコに2−(p−i−ブチルフェニル)プロピオンアルデヒド28.4g(0.15mol)、50%リン酸二水素カリウム3.62g、4−ベンジルオキシー2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシ200mg、臭化ナトリウム0.31g及び塩化メチレン54gを仕込み、激しく攪拌しながら内温を5℃にセットした。次いで、内温を5〜10℃に保ちながら、滴下ロートから10.6%次亜塩素酸ナトリウム水溶液106gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で1時間、激しく攪拌した。
【0035】
反応混合物を静置して塩化メチレン層を分液し、5%亜硫酸ナトリウム水溶液20g及び水100gで順次洗浄した後、塩化メチレンを留去し、2−(p−i−ブチルフェニル)プロピオン酸29.2gを得た(純度95.5%、0.14mol、収率93%)。塩素分析の結果、このものの中の塩素は265ppmであった。
【0036】
実施例5
500mlの三口フラスコに2−(m−ベンゾイルフェニル)プロピオンアルデヒド35.7g(0.15mol)、50%リン酸二水素カリウム3.62g、4−ベンジルオキシー2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシ200mg、臭化ナトリウム0.31g及び塩化メチレン54gを仕込み、激しく攪拌しながら内温を5℃にセットした。次いで、内温を5〜10℃に保ちながら、滴下ロートから10.6%次亜塩素酸ナトリウム水溶液106gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で1時間、激しく攪拌した。
【0037】
反応混合物を静置して塩化メチレン層を分液し、5%亜硫酸ナトリウム水溶液20g及び水100gで順次洗浄した後、塩化メチレンを留去し、2−(m−ベンゾイルフェニル)プロピオン酸36.5gを得た(純度94%、0.13mol、収率87%)。塩素分析の結果、このものの中の塩素は380ppmであった。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、2−又は3−(置換)フェニルプロピオンアルデヒドから、医薬品として、また医薬、農薬、香料など各種の有機化学薬品の合成中間体として有用な2−又は3−(置換)フェニルプロピオン酸を工業的に有利に製造することができる。
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