JP4427113B2 - N−置換−ホルミルポリメチレンイミンの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般式(2):
【0002】
【化3】
(式中、R1はアルキル基又はアラルキル基を、R2はアルキル基を表し、mは0〜3の整数、nは0〜4の整数である。ただし、環の炭素原子が有する水素原子がR2及びホルミル基に置換され、R2はホルミル基が結合する炭素原子と異なる炭素原子に結合する基である。)で示されるN−置換−ホルミルポリメチレンイミン[以下、N−置換−ホルミルポリメチレンイミン(2)という。]の新規な製造方法に関する。N−置換−ホルミルポリメチレンイミン(2)は、医薬品等の合成中間体として有用な化合物であり、例えば、N−ベンジル−4−ピペリジンカルバルデヒドは、アルツハイマー型痴呆のアセチルコリンエステラーゼ阻害作用を有する塩酸ドネペジル化合物の合成中間体として有用である。
【0003】
【従来の技術】
N−置換−ホルミルポリメチレンイミン(2)の製造方法としては、例えばN−ベンジル−4−ピペリジンカルバルデヒドの製造法として、▲1▼メトキシメチレントリフェニルホスホニウム=クロリド、n−ブチルリチウム及びN−ベンジル−4−ピペリドンをエーテル中で反応させることにより製造する方法(特開昭64−79151号公報、特開平6−263733号公報等)、▲2▼オキサリルクロリドのジクロロメタン溶液に、窒素雰囲気下、−78℃でジメチルスルホキシドを加えて反応させ、次いで−65〜−60℃でN−ベンジル−4−ピペリジンメタノールを加えて反応させることにより製造する方法[J.Med.Chem.,35,4344(1992)]等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来法において、▲1▼の方法に使用するメトキシメチレントリフェニルホスホニウム=クロリドは変異原性を有する化合物であり、また▲2▼の方法では極めて低温の反応温度を維持する必要があるなどの問題があり、いずれもN−置換−ホルミルポリメチレンイミン(2)を工業的に製造するには有利な方法とは言い難い。したがって、比較的取り扱いが容易な化合物を用いて、簡便にN−置換−ホルミルポリメチレンイミン(2)を製造できる方法の開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記問題点を解決するために鋭意検討を行った。
一般にアルデヒド類は種々の方法により製造されるが、アルコール類を酸化してアルデヒド類を製造する方法として、例えば、4−ピリジンメタノールを、第4級アンモニウム塩の存在下に、次亜塩素酸アルカリ金属塩で酸化して4−ピリジンカルバルデヒドを製造する方法(特開平1−305062号公報)、例えばN−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノールを、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、臭化ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムの存在下に、次亜塩素酸ナトリウムで酸化してN−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンカルバルデヒドを製造する方法[Tetrahedron Letters,33,5029(1992)]が知られている。
【0006】
本発明者は、一般式(1):
【0007】
【化4】
(式中、R1はアルキル基又はアラルキル基を、R2はアルキル基を表し、mは0〜3の整数、nは0〜4の整数である。ただし、環の炭素原子が有する水素原子がR2及びヒドロキシメチル基に置換され、R2はヒドロキシメチル基が結合する炭素原子と異なる炭素原子に結合する基である。)で示されるN−置換−ヒドロキシメチルポリメチレンイミン[以下、N−置換−ヒドロキシメチルポリメチレンイミン(1)という。]を原料に用い、これを上記次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩による酸化方法と同様にしてN−置換−ホルミルポリメチレンイミン(2)を製造する方法について検討した。しかしながら上記方法を適用してN−置換−ヒドロキシメチルポリメチレンイミン(1)を酸化するとN−置換−ホルミルポリメチレンイミン(2)の収率は低く、満足できる結果は得られなかった(後述の参考例1及び2参照)。
【0008】
更に検討を続けた結果、N−置換−ヒドロキシメチルポリメチレンイミン(1)を次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩で酸化する際に、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル等のニトロキシド遊離基を有する化合物及び第4級アンモニウム塩等の相間移動触媒を併用すると、N−置換−ホルミルポリメチレンイミン(2)の収率が格段に向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち本発明は、N−置換−ヒドロキシメチルポリメチレンイミン(1)を、ニトロキシド遊離基を有する化合物及び相間移動触媒の存在下、次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩で酸化することを特徴とするN−置換−ホルミルポリメチレンイミン(2)の製造方法に関する。
【0010】
本発明は、比較的取り扱いが容易な化合物を使用して簡便に好収率でN−置換−ホルミルポリメチレンイミン(2)を製造することができるので、工業的製造方法として優れたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に使用するN−置換−ヒドロキシメチルポリメチレンイミン(1)とは、上記一般式(1)で示され、少なくとも環の窒素原子に結合するR1及び複素環の炭素原子に結合するヒドロキシメチル基を有する化合物である。一般式(1)中のR1はアルキル基又はアラルキル基を表し、R2はアルキル基を表す。R1で表されるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、ネオヘキシル基等の直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。またR1で表されるアラルキル基としては、例えば芳香環にメチル基、エチル基等のアルキル基等を有していてもよいベンジル基、1−フェネチル基及び2−フェネチル基等が挙げられる。R2で表されるアルキル基としては、例えば上記R1で表されるアルキル基と同様のものが挙げられる。式中のmは0〜3の整数、nは0〜4の整数である。nが2以上のときR2で表される複数のアルキル基は互いに同じであっても或いは異なっていてもよい。なお、環の炭素原子が有する水素原子がR2及びヒドロキシメチル基に置換され、R2はヒドロキシメチル基が結合する炭素原子と異なる炭素原子に結合する基である。
【0012】
N−置換−ヒドロキシメチルポリメチレンイミン(1)は、具体例的には、N−置換−ヒドロキシメチルアゼチジン類、N−置換−ヒドロキシメチルピロリジン類、N−置換−ヒドロキシメチルピペリジン類及びN−置換−ヒドロキシメチルヘキサメチレンイミン類であり、これらは少なくとも環の窒素原子に結合する上記R1及び環の炭素原子に結合するヒドロキシメチル基を有する化合物である。
【0013】
そして本発明により上記N−置換−ヒドロキシメチルポリメチレンイミン(1)のヒドロキシメチル基がホルミル基に酸化されて対応するN−置換−ホルミルポリメチレンイミン(2)が製造される。例えば、N−置換−ヒドロキシメチルアゼチジン類、N−置換−ヒドロキシメチルピロリジン類、N−置換−ヒドロキシメチルピペリジン類及びN−置換−ヒドロキシメチルヘキサメチレンイミン類から、それぞれN−置換−ホルミルアゼチジン類、N−置換−ホルミルピロリジン類、N−置換−ホルミルピペリジン類及びN−置換−ホルミルヘキサメチレンイミン類が製造される。
【0014】
本発明において使用するニトロキシド遊離基を有する化合物は、好ましくは当該遊離基及びヒンダードアミン構造を有する化合物であり、例えば、J.Med.Chem.,41,3477(1998)等に記載されるような2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル及びその誘導体、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル及びその誘導体並びに2,2,5,5−テトラメチル−3−ピロリン−1−オキシル及びその誘導体が挙げられ、具体的には、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、該2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルの4位にアシロキシ基(アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)又はアラルキルオキシ基(ベンジルオキシ基等)などの置換基を有する2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル誘導体、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、該2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシルの3位にアシロキシ基(アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)又はアラルキルオキシ基(ベンジルオキシ基等)などの置換基を有する2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル誘導体、並びに2,2,5,5−テトラメチル−3−ピロリン−1−オキシル、該2,2,5,5−テトラメチル−3−ピロリン−1−オキシルの3位にアシロキシ基(アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)又はアラルキルオキシ基(ベンジルオキシ基等)などの置換基を有する2,2,5,5−テトラメチル−3−ピロリン−1−オキシル誘導体等が挙げられる。その使用量はN−置換−ヒドロキシメチルポリメチレンイミン類(1)1モルに対して0.0005〜10モル、好ましくは0.1〜1.0モルの範囲が適切である。
【0015】
また本発明に使用する相間移動触媒としては、一般に有機合成反応に使用されている公知の相間移動触媒が挙げられ、好ましくは第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩及び第4級ホスホニウム塩等の4級イオン型のものである。具体的には、第4級アンモニウム塩としては、例えばテトラメチルアンモニウム=クロリド、テトラブチルアンモニウム=クロリド、トリオクチルメチルアンモニウム=クロリド、ベンジルトリエチルアンモニウム=クロリド、ベンジルトリメチルアンモニウム=クロリド及びベンジルトリブチルアンモニウム=クロリド並びにこれらの塩の塩素イオンが他のアニオン(例えば、臭素イオン、ヨウ素イオン及び硫酸水素イオン等)に変わったもの等が挙げられ、ピリジニウム塩としては、例えばN−ブチルピリジニウム=クロリド、N−ヘキシルピリジニウム=クロリド、N−オクチルピリジニウム=クロリド、N−ラウリルピリジニウム=クロリド、N−セチルピリジニウム=クロリド等のN−アルキルピリジニウム=クロリド、N−ラウリル−2−ピコリウム=クロリド、N−セチル−2−ピコリウム=クロリド、N−ラウリル−3−ピコリウム=クロリド、N−セチル−3−ピコリウム=クロリド、N−ラウリル−4−ピコリウム=クロリド、N−セチル−4−ピコリウム=クロリド等のN−アルキルピコリニウム=クロリド、N−ブチル−4−フェニルプロピルピリジニウム=クロリド、N−ヘキシル−4−フェニルプロピルピリジニウム=クロリド、N−オクチル−4−フェニルプロピルピリジニウム=クロリド、N−ラウリル−4−フェニルプロピルピリジニウム=クロリド等のN−アルキル−4−フェニルプロピルピリジニウム=クロリド並びにこれらの塩の塩素イオンが他のアニオン(例えば、臭素イオン、ヨウ素イオン及び硫酸水素イオン等)に変わったもの等が挙げられ、また第4級ホスホニウム塩としては、テトラブチルホスホニウム=クロリド、テトラフェニルホスホニウム=クロリド、トリブチルデシルホスホニウム=クロリド、トリエチルヘキサデシルホスホニウム=クロリド、トリブチルヘキサデシルホスホニウム=クロリド並びにこれらの塩の塩素イオンが他のアニオン(例えば、臭素イオン、ヨウ素イオン及び硫酸水素イオン等)に変わったもの等が挙げられる。その使用量はN−置換−ヒドロキシメチルポリメチレンイミン(1)1重量部に対し0.0005〜1重量部、好ましくは0.05〜0.2重量部の範囲が適切である。
【0016】
本発明においては、上記ニトロキシド遊離基を有する化合物と相間移動触媒の両者を使用することが重要である。いずれか一方のみを用いたときには、N−置換−ホルミルポリメチレンイミン(2)の収率が著しく低下する。
【0017】
また本発明における次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩としては、次亜塩素酸及び次亜臭素酸のナトリウム塩及びカリウム塩等が使用でき、好ましくは次亜塩素酸ナトリウムである。その使用量はN−置換−ヒドロキシメチルポリメチレンイミン(1)1モルに対して0.5〜10モル、好ましくは1〜1.5モルの範囲が適切である。
【0018】
本発明の反応には通常溶媒を使用する。溶媒には、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、酢酸エチル、エチルエーテル及びイソプロピルエーテル等から選ばれる少なくとも1種の疎水性有機溶媒と水の混合溶媒が使用される。溶媒の使用量には特に制限はないが、N−置換−ヒドロキシメチルポリメチレンイミン(1)1重量部に対して8〜15重量部が適切である。
【0019】
本発明の実施方法としては、例えば、▲1▼溶媒にN−置換−ヒドロキシメチルポリメチレンイミン(1)、ニトロキシド遊離基を有する化合物及び相間移動触媒を溶解し、得られた溶液中に攪拌下、次亜ハロゲン酸塩を好ましくは水溶液として滴下混合して反応させる方法、▲2▼溶媒、ニトロキシド遊離基を有する化合物、相間移動触媒及び次亜ハロゲン酸塩の混合物中に攪拌下、N−置換−ヒドロキシメチルポリメチレンイミン(1)を滴下混合して反応させる方法、▲3▼溶媒、ニトロキシド遊離基を有する化合物及び相間移動触媒の混合物中に、攪拌下、N−置換−ヒドロキシメチルポリメチレンイミン(1)及び次亜ハロゲン酸塩のそれぞれを、同時に添加して反応させる方法等が挙げられる。特に好ましくは、溶媒、ニトロキシド遊離基を有する化合物及び相間移動触媒の混合物中に、攪拌下、N−置換−ヒドロキシメチルポリメチレンイミン(1)及び次亜ハロゲン酸塩のそれぞれを、同時に添加して反応させる方法であり、このようにするとN−置換−ホルミルポリメチレンイミン(2)の収率がより向上する。
【0020】
反応温度は、通常−10〜60℃の範囲であるが、0〜30℃の範囲で実施することが好ましい。反応温度が上記範囲よりも低いと攪拌が困難となり、また上記範囲よりも高いと次亜ハロゲン酸塩が分解する恐れが生じる。反応時間については、反応温度、原料化合物の種類及び使用量などによって異なり、それぞれの条件に応じて適宜変わり得る。
【0021】
反応終了後の反応混合物からは、例えば次のようにして生成したN−置換−ホルミルポリメチレンイミン(2)を単離することができる。得られた反応混合物を、水層と有機溶媒層とに分液し、有機層に酸の水溶液を加えてN−置換−ホルミルポリメチレンイミン(2)と酸との塩を形成させる。次いで水層と有機層を分液し、水層にアルカリを加えて、上記形成させたN−置換−ホルミルポリメチレンイミン(2)の酸塩から遊離のN−置換−ホルミルポリメチレンイミン(2)を生成させ、次いで疎水性有機溶媒を加えて抽出し、有機層を蒸留すれば、N−置換−ホルミルポリメチレンイミン(2)を単離することができる。
【0022】
なお、上記の反応混合物の処理において、反応混合物を分液して得られる有機層に酸の水溶液を加えた後、分液する方法は、反応に使用したニトロキシド遊離基を有する化合物の回収方法として優れた方法である。即ち、このようにすると酸の水溶液を加えた後に分液して得られる有機層中に、反応に使用したニトロキシド遊離基を有する化合物を定量的に回収することができる。このニトロキシド遊離基を有する化合物を含有する有機層はそのまま又は有機溶媒を除去して、本発明のN−置換−ホルミルポリメチレンイミン(2)の製造のためのニトロキシド遊離基を有する化合物として再使用することができる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではない。
【0024】
実施例1
容量1リットルの反応器に、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(以下、TEMPO)13.3g、テトラブチルアンモニウム=クロリド3.5g及びトルエン351.0gを仕込み、攪拌下、温度を15〜16℃に保ちながら、N−ベンジル−4−ヒドロキシメチルピペリジン35.1g及びトルエン165.0gからなる溶液200.1g及び9.7重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液195.7gを、それぞれ別々の滴下ロートより同時に4時間かけて滴下した後、更に2時間攪拌して反応を行った。反応終了後の反応混合物を水層と有機層に分液し、得られた有機層をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、N−ベンジル−4−ホルミルピペリジンの収率は58%(N−ベンジル−4−ヒドロキシメチルピペリジン基準)であった。この有機層を15〜17℃に保ち、6重量%塩酸113.6gを30分かけて滴下して混合した。滴下終了後、室温にて水層と有機層に分液し、有機層をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、TEMPOを回収率98%で含有していた。塩酸を加えた後に分液して得られた水層に、15〜20℃で48重量%水酸化ナトリウム水溶液17.0gを30分かけて滴下して混合した。滴下終了後、トルエン105.3gにて2回抽出し、トルエン層を水60.0gで洗浄し、次いで蒸留してN−ベンジル−4−ホルミルピペリジンを収率56%(N−ベンジル−4−ヒドロキシメチルピペリジン基準)で得た。
【0025】
実施例2
容量1リットルの反応器に、TEMPO13.3g、テトラブチルアンモニウム=クロリド3.5g、トルエン517.0g及びN−ベンジル−4−ヒドロキシメチルピペリジン35.1gを仕込み、攪拌下、温度を3〜5℃に保ちながら、11.9重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液159.5gを滴下ロートより30分かけて滴下した後、更に5時間攪拌して反応を行った。反応終了後、実施例1と同様に行った。その結果、N−ベンジル−4−ホルミルピペリジンの収率は30%(N−ベンジル−4−ヒドロキシメチルピペリジン基準)であった。
【0026】
比較例1
容量1リットルの反応器に、TEMPO13.3g、トルエン517.0g及びN−ベンジル−4−ヒドロキシメチルピペリジン35.1gを仕込み、攪拌下、温度をを3〜5℃に保ちながら、11.9重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液159.5gを30分かけて滴下した後、更に6.5時間攪拌して反応を行った。反応終了後、実施例1と同様に行った。その結果、N−ベンジル−4−ホルミルピペリジンの収率は10%(N−ベンジル−4−ヒドロキシメチルピペリジン基準)であった。
【0027】
比較例2
比較例1においてTEMPOに代えてテトラブチルアンモニウム=クロリド3.5gを使用した以外は比較例1と同様に行った。その結果、N−ベンジル−4−ホルミルピペリジンの収率は6%であった(N−ベンジル−4−ヒドロキシメチルピペリジン基準)。
【0028】
実施例3
実施例1で回収したTEMPOを含有する有機層を、水60.0gと混合し、水層と有機層を分液することにより洗浄した。こうして得られたTEMPOを含有する有機層を、実施例1におけるTEMPO及びトルエンに代えて反応器に仕込んだ以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後の反応混合物を水層と有機層に分液し、得られた有機層をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、N−ベンジル−4−ホルミルピペリジンの収率は54%(N−ベンジル−4−ヒドロキシメチルピペリジン基準)であった。
【0029】
参考例1
特開平1−305062号公報の記載に基づき、次のようにしてN−ベンジル−4−ホルミルピペリジンの製造を行った。
容量100mlの反応器に、テトラブチルアンモニウム=クロリド0.21g、クロロホルム52.8g、及びN−ベンジル−4−ヒドロキシメチルピペリジン2.11gを仕込み、攪拌下、温度を3〜5℃に保ちながら、12.6重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液8.86gを10分間かけて滴下し、更に5時間熟成を行った。反応終了後、実施例1と同様に後処理を行い、ガスクロマトグラフィーにて分析を行ったところ、N−ベンジル−4−ホルミルピペリジンの収率は5%(N−ベンジル−4−ヒドロキシメチルピペリジン基準)であった。
【0030】
参考例2
Tetrahedron Letters,33,5029(1992)の記載に基づき、次のようにしてN−ベンジル−4−ホルミルピペリジンの製造を行った。
容量200mlの反応器に、TEMPO0.16g、臭化ナトリウム1.06g、トルエン26.0g、酢酸エチル27.0g、水5.0g及びN−ベンジル−4−ヒドロキシメチルピペリジン2.11gを仕込み、攪拌下、温度を3〜5℃に保ちながら、炭酸水素ナトリウム2.45gにてあらかじめ処理された2.6重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液33.95gを1時間かけて滴下し、更に6時間熟成を行った。反応終了後、実施例1と同様に後処理を行い、ガスクロマトグラフィーにて分析を行ったところ、N−ベンジル−4−ホルミルピペリジンの収率は4%(N−ベンジル−4−ヒドロキシメチルピペリジン基準)であった。
Claims (2)
- N−ベンジル−4−ヒドロキシメチルピペリジンを、ニトロキシド遊離基を有する化合物及び相間移動触媒の存在下、次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩で酸化することを特徴とするN−ベンジル−4−ホルミルピペリジンの製造方法。
- ニトロキシド遊離基を有する化合物及び相間移動触媒を含有する混合物中に、N−ベンジル−4−ヒドロキシメチルピペリジン及び次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩のそれぞれを同時に添加しながら反応を行う請求項1記載の方法。
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