JP3816481B2 - 生食用野菜、および生食用半乾燥野菜、並びに調味冷凍野菜の製造方法。 - Google Patents

生食用野菜、および生食用半乾燥野菜、並びに調味冷凍野菜の製造方法。 Download PDF

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Description

本発明は、硬度と機能性並びにうまみ成分を付与すると共に、保存性を向上させた生食用野菜、および生食用半乾燥野菜、並びに調味冷凍野菜の製造方法に関するものである。
主な野菜加工品には(1)成型・洗浄・除菌後にそのまま食すカット野菜やハンバーガー、半調理麺類の具材等々に使われるような生鮮野菜そのものである成型・生鮮野菜類と、(2)塩漬後に調味した浅漬類やキムチ、乳酸発酵させた発酵漬物、塩蔵野菜を脱塩後に調味した古漬けのような漬物類、(3)ブランチング後に急速冷凍した冷凍野菜、(4)水分を乾燥除去した乾燥野菜、(5)缶詰や瓶詰の野菜、(6)レトルト野菜などがある。
これらの野菜加工品群の中で(1)の成型・生鮮野菜類と、(2)の漬物類の浅漬とキムチは生野菜に近く、加熱などの品質に影響を及ぼすような殺菌は殆ど行なわれない。通常の場合、塩素剤での洗浄・除菌が行われているが、塩素剤は使用量が多いと塩素臭が残り、風味が悪くなり、除菌効果も十分ではなく、保存性が悪い問題がある。例えば、キュウリは表面組織の凹凸部に細菌類が入り込むので洗浄・除菌が困難である。また、ニラは表層部に粘質物がある為に、通常の塩素剤濃度での除菌は極めて困難であり、大腸菌群も陰性にできない。また、キャベツやレタス、ハクサイなどは組織が弱いため、これらを冷凍して保存することは殆どない。
このため、除菌技術の開発・研究が続けられ、有機酸類や焼成貝殻カルシウム等々の除菌剤や電解水、オゾンなどによる除菌方法が開発され、一部実用化されている。しかし、これらの方法も塩素剤での除菌と大差ない。このような問題はアメリカやフランスなどの諸外国でも同様である。
塩素剤を用いず蒸気による除菌方法としては、例えば45〜70℃の蒸気で10〜60分間加熱して殺菌した後、任意の形状にカットしてから、野菜表面の水分を除去する方法が提案されている(例えば特許文献1)。この方法は、大腸菌(E. coli) は50℃の蒸気で10分以上、一般細菌は55℃の蒸気で15分以上の加熱で死滅するとしている。しかし、50℃で処理した野菜は、5℃程度で低温保存しても保存中に大腸菌群が陽性になり一般生菌数が増加する問題がある。また、55℃で15分以上加熱後に5℃程度で保存した場合も一般生菌数は増加する。
またこの方法では、処理後にカットすることとし、処理後の保存条件は規制していない。従って、ハクサイやキャベツのような球形の野菜は、内部温度を55℃にする為には表面をかなりの高温にするか長時間加熱する必要がある。仮にハクサイの2〜3層目を目的温度にする場合であっても同様である。このため処理した野菜の色調や形状は部位により異なり、また適切な温度下に保存しないと退色して形状も変化する欠点がある。この蒸気加熱法は浅漬やキムチのような漬物類の製造にはある程度効果はあるが、生鮮野菜類の除菌には不適である。
またこの他の野菜類の加熱処理方法として野菜類を60〜90℃の蒸気と直接接触させる方法が提案されている(例えば特許文献2)。この方法は、食味の改良に視点をおいた処理法であって微生物の動向には全く言及していない。また、当該温度域では、ニンジンやダイコンのように組織が比較的堅固な野菜類の食味改善には優れた方法であるが、レタスのように緑色で組織の柔らかい葉菜類は退色して形状が明らかに変化し、成型・生鮮野菜類の処理には不適である。
また日本人が好んで食す浅漬は、野菜の塩分が1.5〜2.5%になるように60%量程度の食塩水を加え、重石をして歩留りが70%程度になるように漬け込む。その為に、野菜のうま味の本体であるエキス成分や機能性成分はかなり溶出する問題がある。また、漬け込んだ野菜はグルタミン酸ナトリウムを主体にした調味液で調味されたるめ、浅漬のうま味はグルタミン酸ナトリウムの味で均一化されている。また、キムチは塩漬した野菜にキムチのタレを混ぜ熟成したものなので複雑なうま味を呈するが、野菜本来の成分は浅漬と同様にかなり溶出してしまう問題がある。
浅漬の冷凍方法としては、塩漬野菜に2〜20%のデキストリンを添加することによる脱水、またはそれに加えて1〜10%のトレハロースを添加することによるタンパク質の変性防止とそれによる冷凍耐性を付与する方法が提案されている(例えば特許文献3)。この方法は、デキストリンの脱水作用とトレハロースによるタンパク質の変性防止作用により冷凍傷害を防止するものである。しかしながらこの方法は、除菌による保存性や細胞壁の強化については考慮していない。
特開平08ー140618 特許3190297 特開2001ー069907
本発明は、上記問題点を改善し、硬度と機能性並びにうまみ成分を増加させると共に、大腸菌群陰性で保存性に優れた生食用野菜、および生食用半乾燥野菜を提供すると共に、これを原料とした調味野菜と冷凍傷害の起こらない調味冷凍野菜を提供する方法を開発し、特に発酵しやすく品質が変化しやすい浅漬やキムチの長期保存性の向上に最適な処理方法を提供するものである。
本発明の請求項1記載の生食用野菜の製造方法は、成型して塩素剤などの除菌剤で洗浄・除菌した野菜類を30〜50℃で、5〜10分加熱して、硬度と機能性並びにうまみ成分を付与する第1の蒸気加熱工程を行なった後、55〜80℃で、3〜30分加熱して除菌する第2の蒸気加熱工程を行ない、次いで0〜30℃に冷却した後、20〜100℃の温風を通風して野菜類の水分を2〜10%除去する乾燥工程を行ない、この後、直ちに0〜15℃に冷却して保存することを特徴とするものである。
以下、請求項1記載の生食用野菜の製造方法について詳細に説明する。野菜類を先ず適当な大きさにカットして成型した後、塩素剤などの除菌剤で洗浄・除菌する。次にこの野菜類を30〜50℃で、5〜10分加熱して、硬度と機能性並びにうまみ成分を付与する第1の蒸気加熱工程を行なう。
第1の蒸気加熱工程で、野菜を上記温度範囲で5〜10分間、蒸気で加熱するとペクチンメチルエステラーゼが活性化され、細胞中葉にセルセメンティング物質として存在するペクチンに遊離カルボキシル基が増加し、そこに細胞原形質中の多価陽イオンが架橋または配位結合してペクチン分子が巨大化し網状構造が緻密になり、その結果、組織構造が強固に保持される。
このように、低温度で蒸気加熱することにより細胞の網状構造が緻密になり、組織構造が強固になり、後工程で行なう乾燥時の軟化や、冷凍時の冷凍傷害を低減させることができる。
またこの第1の蒸気加熱工程により機能性成分とうま味成分が増加する。すなわち野菜を低温で蒸気加熱すると血圧低下機能を呈するギャバ(GABA)や肝機能を高めるアラニン(Ala) のような機能性成分が増加する。また、アラニンと同様な機能のあるグルタミン(Gln) も保持される。さらに野菜のうま味成分である遊離アミノ酸も増加する。
なおこの場合、温度が30℃未満で、5分未満の加熱では、十分な硬度と機能性成分、うま味成分が付与されず、また50℃で10分を超える加熱では、効果があまり期待できないので無意味である。
次に殺菌を行なう第2の蒸気加熱工程について説明する。この第2の蒸気加熱は55〜80℃で、3〜30分加熱して野菜に付着している菌を除菌する。組織の柔らかい野菜やクロロフィルにより色調が構成されている野菜は比較的低温の蒸気で処理しないと退色する。
例えば、レタスは60℃の蒸気で加熱すると煮えた状態になり、著しく軟化し褐変する。しかし、ダイコンのように色素を含まないものやニンジンのように熱に安定なカロチノイド色素で色調が構成されている野菜は100℃で加熱しても退色しないが、80℃を超えて長時間加熱すると硬度が低下する問題がある。
従って第2の蒸気加熱処理による除菌は、野菜により蒸気温度を変える必要があり、レタスやキャベツのように変色しやすい野菜は55〜60℃の蒸気で3〜30分間加熱処理し、無色の野菜や色調の安定な野菜は60〜80℃の蒸気で3〜30分間加熱処理するのが望ましい。
このように第2の蒸気加熱工程で除菌を行なった野菜は、直ちに0〜30℃に冷却する。この冷却により、菌の増殖を抑えることができると共に、硬度を保持することができる。
この後、冷却した野菜に、温風を通風して野菜を乾燥させる。この乾燥工程では20〜100℃の温風を通風して野菜類の水分を2〜10%除去する。この場合、20℃未満の温風では乾燥に時間がかかり、また100℃を超える温風では、野菜の変色や硬度の低下を招くので好ましくない。また水分を2〜10%の範囲で除去することにより、水で戻した時に生食用として、生野菜とほとんど遜色のない状態に戻すことができる。また水分除去率の少ないものはそのまま生食用に供することができる。
この温風による乾燥工程を行なった後、直ちに0〜15℃以下に冷却して、同様な温度帯で保存することが望ましい。このように、急速に冷却して保存すると生食用加工野菜は7日以上、一般生菌数105 以下、大腸菌群陰性で生鮮野菜と遜色ない状態に保つことができる。この場合、0℃未満の冷却保存では冷凍障害を起こし易く、また15℃を超える温度で冷却保存すると、細菌が増殖する恐れがある。
請求項2記載の生食用半乾燥野菜の製造方法は、請求項1の生食用野菜の製造方法において、20〜100℃の温風を通風する乾燥工程における野菜類の水分を15〜70%除去する点が異なるだけで他の工程は同じである。野菜類の水分を15〜70%除去することにより、長期保存性が向上し、水分を30%程度除去するだけで、生食用半乾燥野菜は5℃で1〜2ヶ月間保存できる。この生食用半乾燥野菜は半乾燥物なので水戻し等々で復元させ、生野菜と同様な形で食すこともできるし、調理用具材として使うこともできる。
この場合、野菜類の水分を15%未満しか除去しないと、長期保存性が低下し、また水分を70%を超えて除去すると、保存性は向上するが、水戻し等々で生野菜と同様な状態に復元できなくなる。
この様に製造された生食用半乾燥野菜に、液体状またはペースト状の調味料を混合し1〜72時間熟成させたものや、乳酸発酵させても良い。浅漬やキムチと類似した外観のものを製造することもできるが野菜本来のうま味が強く、機能性成分も多いので浅漬やキムチと食品特性の異なる製品を得ることができる。
請求項3記載の調味冷凍野菜の製造方法は、請求項2の方法により得られた生食用半乾燥野菜に、糖類を含む調味料、調味液またはペースト状調味料を、野菜の糖濃度が1〜15%になるように配合・調味してから、そのまま、または発酵させた後に冷凍するものである。
生食用半乾燥野菜に添加する糖類としては、生体膜保護作用に由来する冷凍傷害防止機能を呈する単糖類( グルコース、フラクトース等々) 、オリゴ糖( シュークロース、マルトース等々) 、糖アルコール( ソルビトール、マルチトール等々) などの糖類の単一または混合物を用いる。
これら糖類を含む調味料、調味液またはペースト状調味料を、野菜の糖濃度が1〜15%になるように配合・調味して、1〜72時間放置してから調味し、30分〜72時間熟成後に−20〜−150℃で冷凍することにより製造できる。
この場合、野菜の糖濃度が1%未満では、冷凍傷害防止機能が十分得られず、また15%を超えて配合しても、冷凍傷害防止機能は変わらず、逆に野菜の甘味が増加して野菜の風味が損なわれる恐れがある。
このように製造された調味冷凍野菜は、前述の第1の蒸気加熱処理により、組織構造が強固になっているので冷凍による組織構造の崩壊を防止することができる。従って、調味冷凍野菜は糖類による生体膜保護機能とペチン分子の網状構造の緻密化に由来する組織構造の強化の両機能により冷凍耐性が付与されて、1年以上保存しても軟化せず、冷凍による変色も起こらない。
本発明に係る請求項1記載の生食用野菜の製造方法によれば、第1の蒸気加熱工程により硬度を維持または強化させ、機能性成分とうま味成分が濃縮され、更に第2の蒸気加熱工程で、除菌を行なって保存性を向上させることができる。またこのように製造された生食用野菜は、そのまま、または水戻し等々で復元させ、生野菜と同様な形で食すこともできるし、調理用具材として使うこともでき、野菜の特性を強化した新規な野菜加工品を得ることができる。
また請求項2記載の生食用半乾燥野菜の製造方法によれば、請求項1の方法において野菜類の水分を15〜70%除去する乾燥工程を行なうことにより、更に保存性に優れた生食用半乾燥野菜を製造することができる。
また請求項3記載の調味冷凍野菜の製造方法によれば、請求項2記載の方法により得られた生食用半乾燥野菜を原料にして、これを調味して冷凍し、長期間にわたって冷凍障害を防止することができる。
硬度と機能性並びにうまみ成分を増加させ、保存性に優れた生食用野菜および生食用半乾燥野菜並びに、これを原料とした冷凍傷害の起こらない調味冷凍野菜を実現した。
請求項1記載の生食用野菜の製造方法に対応した実施例について説明する。先ずスライスしたキャベツを塩素剤(150ppm)で洗浄・除菌した後、40℃湿度85%の蒸気で、7分加熱して、硬度と機能性並びにうまみ成分を付与する第1の蒸気加熱工程を行なった後、55℃と60℃に温度を変えた湿度85%の蒸気で、0〜30分加熱して除菌する第2の蒸気加熱工程を行ない、次いで5℃に冷却した後、45℃の温風を通風してキャベツの水分を3%除去する乾燥工程を行ない、この後、直ちに5℃に冷却して生食用キャベツを製造した。
このように製造した生食用キャベツの破断歪率を測定したところ、300〜370%で、処理していない生キャベツの250%より大きくなっていることが分かった。
またうまみ成分である遊離アミノ酸を測定したところ、血圧低下機能のあるギャバ(GABA)と肝臓機能を強化するアラニン(Ala) が増加しアラニンと同様な機能を呈するグルタミン(Gln) が保持された。キャベツの遊離アミノ酸含量は、処理していない生キャベツが299.9(mg/100g)であるのに対して、本発明で処理した生食用キャベツは318.6〜328.8(mg/100g)と大幅に増加していた。
製造直後と7日間保存した場合の保存温度と大腸菌群及び一般生菌数の関係を、生鮮キャベツと、塩素剤で除菌しただけのキャベツ、本発明により処理したキャベツ、および保存温度が本発明の規定より高い温度で保存した場合について調べた結果は表1に示す通りである。
Figure 0003816481
表1から本発明により処理した生食用キャベツは、処理直後は一般生菌が3.0×102 以下で、大腸菌群が陰性であった。これを3、5、10、15℃に変えてそれぞれ7日間保存した場合、いずれの温度でも大腸菌群は陰性であった。また一般生菌数は保存温度が高くなると増加しているが、15℃以下に保存すれば青果物カット事業協会の自主規制値である105 CFU/g以下であった。この結果、処理した生食用キャベツは15℃以下に保存すれば、7日間保存することができる。
また比較のために、塩素剤で洗浄・除菌した直後の生鮮キャベツの大腸菌数を調べたところ、一般生菌数が1.3×106 から2.8×104 に減少し、大腸菌群も陰性になった。5℃に5日間保存すると一般生菌数は2.8×106 に増殖し、大腸菌群は陽性になった。また15℃で保存すると一般生菌数は6.9×107 と腐敗に近い状態に増加し、大腸菌群は陽性であった。このことから塩素剤で洗浄・除菌しても保存温度を十分に管理しないと増菌するが、第2の蒸気加熱工程を行ない、次いで冷却した後、45℃の温風を通風してキャベツの水分を除去する乾燥工程を行なうことにより除菌効果が向上していることが確認された。
またスライスキャベツの食味について調べたところ、色調、香り、歯切れ、総合評価の各評価値が未処理キャベツにほぼ近く、生鮮野菜と殆ど変わらない産品を製造できる。官能検査の結果は表2の通りである。なお官能検査は35人のパネリストにより順位法により行なった。表中の数値の肩付き文字の異なる場合は、危険率5%で互いに有意差がある。
Figure 0003816481
スライスしたキュウリ( 輪切り) と、長ネギ( 輪切り) およびニラ( 裁断) について、塩素剤(150ppm)で洗浄・除菌した後、50℃湿度85%の蒸気で、5分加熱して、硬度と機能性並びにうまみ成分を付与する第1の蒸気加熱工程を行なった後、60℃、85%の蒸気で、5分加熱して除菌する第2の蒸気加熱工程を行ない、次いで10℃に冷却した後、45℃の温風を通風して水分を5%除去する乾燥工程を行ない、この後、直ちに5℃に冷却して生食用野菜を製造した。この、未処理の状態と、塩素剤処理した状態、および本発明方法により処理した状態で、大腸菌群と一般生菌数を食品衛生検査指針に基き検査し、その結果を表3に示した。
Figure 0003816481
表3の結果から、未処理のものは全て大腸菌群が陽性で、ニラについては塩素剤処理後も陽性であったが、本発明の処理により、全て大腸菌群は陰性となり、本発明方法による除菌効果が確認された。
請求項2記載の生食用半乾燥野菜の製造方法に対応した実施例について説明する。ハクサイを8分割してから塩素剤で洗浄・除菌後に、湿度85%で45℃の蒸気と50℃の蒸気で各々10分加熱して、硬度と機能性並びにうまみ成分を付与する第1の蒸気加熱工程を行なった後、湿度85%の60℃の蒸気で20分加熱して除菌する第2の蒸気加熱工程を行ない、次いで10℃に冷却した後、35℃の温風を通風してハクサイの水分を30%除去する乾燥工程を行ない、この後、直ちに5℃に冷却して生食用半乾燥ハクサイを製造した。
このように製造した生食用半乾燥ハクサイの葉茎部の破断強度を測定したところ、11.8×105 N/m2 となり、処理していない生ハクサイの7.2×105 N/m2 に比べて大幅に向上していることが確認された。またこの生食用半乾燥ハクサイは10℃で約2か月間保存することができた。
このように製造した生食用半乾燥ハクサイのうまみ成分である遊離アミノ酸を測定したところ、血圧低下機能のあるギャバ(GABA)と肝臓機能を強化するアラニン(Ala) が10(mg/100g)以上増加した。またハクサイの遊離アミノ酸含量は、処理していない生ハクサイが268.8(mg/100g)であるのに対して、本発明方法により第1の蒸気加熱工程を45℃の蒸気で処理した生食用半乾燥ハクサイは275.6(mg/100g)となり、50℃の蒸気で処理した生食用半乾燥ハクサイは296.6(mg/100g)と大幅に増加していた。
実施例3で水分を30%除去して製造した生食用半乾燥ハクサイを調味し、これを調味ハクサイとした。調味する場合、調味液量は半乾燥ハクサイの60%量とし、産品中の食塩が1.31%、グルタミン酸ナトリウムが0.7%、異性化液糖が3.0%、酢酸が0.02%になるように各調味料を配合した。これを同時に製造した浅漬と色調、味、濃く味、歯切れについて嗜好を比較した。また5℃で保存した場合の保存性についても調べ、嗜好調査と保存性の結果を表4に示した。パネリストは21〜25歳の食品科学分野の学生20名とした。なお表中、色調、味、濃く味、歯切れの評価は数字の大きいほど嗜好度が高く、また保存性は調味液の濁度で判定した。
Figure 0003816481
表4の結果から、味、濃く味ともに調味ハクサイの嗜好度が断然高いと評価された。色調と歯切れの嗜好度は差異がなかった。また、調味ハクサイの保存性は浅漬の3倍以上であった。
請求項3記載の調味冷凍野菜の製造方法に対応した実施例について説明する。ハクサイを実施例3により処理して水分を30%除去して半乾燥ハクサイに、5%量のマルトースを混合し時々攪拌しながら、5℃に放置した。2日後に20%量のキムチタレを混合し2日放置した。続いて−30℃で冷凍し−18℃に13ヶ月間保存した。キムチタレは産品のニンニクが1.0%、唐辛子が1.7%、増粘多糖類が0.05%になるように配合し、その他にダイコン、ネギ、窒素系調味料、酸味料などを混合した。
また比較のために同時に塩漬けハクサイを原料として、同様なキムチタレを20%量混合し2日放置して、従来方法により製造したキムチを、−30℃で冷凍し−18℃に13ヶ月間保存した。13ヵ月後にこれらについて嗜好調査した。嗜好調査の結果は表5に示す通りである。なお評価は表中、嗜好度に応じて−2を最低、+2を最高とした。また葉茎部の感じは、アメ色に変色している場合に−2、冷凍しないものと変わらない場合に+2とした。
Figure 0003816481
表5の結果から、調味冷凍ハクサイは冷凍しないものと殆ど変わらず、美味であると評価された。従来方法により製造したキムチを冷凍したものは葉茎部がアメ色に変色する冷凍焼けを起こし、また軟化して、キムチとしての特性が著しく損なわれていると評価された。
本発明は、種々の野菜について、サラダの材料や浅漬の材料、調理用具材あるいは調味野菜として広く使用することができる。

Claims (3)

  1. 成型して塩素剤などの除菌剤で洗浄・除菌した野菜類を30〜50℃で、5〜10分加熱して、硬度と機能性並びにうまみ成分を付与する第1の蒸気加熱工程を行なった後、55〜80℃で、3〜30分加熱して除菌する第2の蒸気加熱工程を行ない、次いで0〜30℃に冷却した後、20〜100℃の温風を通風して野菜類の水分を2〜10%除去する乾燥工程を行ない、この後、直ちに0〜15℃に冷却することを特徴とする生食用野菜の製造方法。
  2. 成型して塩素剤などの除菌剤で洗浄・除菌した野菜類を30〜50℃で、5〜10分加熱して、硬度と機能性並びにうまみ成分を付与する第1の蒸気加熱工程を行なった後、55〜80℃で、3〜30分加熱して除菌する第2の蒸気加熱工程を行ない、次いで0〜30℃に冷却した後、20〜100℃の温風を通風して野菜類の水分を15〜70%除去する乾燥工程を行ない、この後、直ちに0〜15℃に冷却することを特徴とする生食用半乾燥野菜の製造方法。
  3. 成型して塩素剤などの除菌剤で洗浄・除菌した野菜類を30〜50℃で、5〜10分加熱して、硬度と機能性並びにうまみ成分を付与する第1の蒸気加熱工程を行なった後、55〜80℃で、3〜30分加熱して除菌する第2の蒸気加熱工程を行ない、次いで0〜30℃に冷却した後、20〜100℃の温風を通風して野菜類の水分を15〜70%除去する乾燥工程を行ない、この後、糖類を含む調味料、調味液またはペースト状調味料を、野菜の糖濃度が1〜15%になるように配合・調味してから、そのまま、または発酵させた後に冷凍することを特徴とする調味冷凍野菜の製造方法。
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