JP3816166B2 - 粘着捕獲具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネズミなどの小動物を高い捕獲率で捕獲することができる粘着捕獲具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ネズミなどの小動物を捕獲するために、基板上に粘着層を形成した粘着捕獲具が用いられている。この粘着捕獲具は、対象となる小動物が出没する地域に粘着層を上向きにして配置すると、この上を小動物が通過する際に粘着層が足などに粘着し、捕獲するというものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ネズミなどの小動物は、足裏に埃や油分などを付着させていることも多いので、粘着層の上を歩行しても脱出不能となる程十分には粘着せず、捕獲し得ない場合も少なくない。またネズミなどの脚力は意外に強いので、例えば1足程度が粘着層に粘着しても、引き剥して脱出することもある。
【0004】
この問題を解決しようとして従来からさまざまな工夫がなされている。例えば、基板の上に柔軟性シートを重ね、この柔軟性シートを対向2辺部かまたは中央部で基板に連結し、この柔軟性シートの上面に粘着層を形成したねずみ取りシートが提案されている(実公昭53−48791号公報、実公昭53−52867号公報)。これらの捕獲具は、柔軟性シートが基板の上に浮動可能に載置され少なくとも1点で前記基板に連結されているので、この上を小動物が通過すると、僅かな粘着力でも足に粘着して柔軟シートが浮動し、もがくほどに全身に絡みついて身動きできなくなることを期待したものである。しかしこの場合、柔軟性シートの上に比較的重い粘着層が形成されているために、シート全体が重くなりかつ柔軟性も乏しくなって、実際には粘着した小動物があばれても基板からあまり浮動せず、小動物に絡みつくことも少なくて、捕獲率は必ずしも満足できるものではなかった。
【0005】
また前記に類似したものとして、基板の上にシート状の糸束を重ね、この糸束シートの対向2辺を基板に綴じ合わせ、このシート状糸束の表面に粘着剤を塗布したものも知られている(実公昭54−37738号公報)。ネズミがこの上を通過すると、足が粘着層に粘着し、糸束シートの中央部は基板から浮動可能とされているので粘着層を有する糸束シートが足に絡みつき、もがくほどに全身に粘着して身動きができなくなることを期待したものである。しかしこの場合は、粘着剤が糸束シートの間隙を通して基板に粘着し、糸束シートが基板から浮遊しなくなるので、小動物に絡みつくことができないという問題があって必ずしも捕獲率が向上しなかった。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、従ってその目的は、粘着層をネズミなどの小動物に絡みつき易くすることによって、高い捕獲率を達成することができる粘着捕獲具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、本発明は請求項1において、基板と、この基板の上に浮動可能に載置され、少なくとも2点で前記基板に連結され、かつ切込みが形成された浮動シートと、この浮動シートの上に形成された粘着層とを有し、前記浮動シートは、前記切込みによって互いに連続し、いずれかの部位を持ち上げると、他の部位も連動し、持ち上げた部位を頂点とするスロープをなして浮動する粘着捕獲具を提供する。
【0008】
前記請求項1の粘着捕獲具は、前記浮動シートには、複数の切込みが同心状に間隙を隔てて形成されて等高線状に交互に互いに間隙の位置をずらして配設され、前記浮動シートは方形であって、その4辺部の中間部に配された連結部によって基板に連結されていることが好ましい。または前記請求項1の粘着捕獲具は、前記浮動シートには、概略乙字形の複数の切込みが互いにその位置をずらせながら間隙を隔てて形成され、前記浮動シートは方形であって、その4辺部の隅部に配された連結部によって基板に連結されていることが好ましい。または、前記請求項1の粘着捕獲具は、前記浮動シートには、切込みによって渦巻形またはジグザグ帯形のシート片が形成され、このシート片は、その双方の端末に設けられた連結部によって基板に連結されていることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
(実施例1)
図1(a)(b)は、本発明の参考例としての粘着捕獲具の一実施例を示している。
図1(a)(b)においてこの粘着捕獲具10は、基本的に基板11と、この基板11の上に浮動可能に載置された方形の浮動シート12と、この浮動シート12の上に形成された粘着層13とからなっている。この浮動シート12は、柔軟性のシートからなり、その面中心に配された連結部14において基板11に連結されている。
【0010】
この浮動シート12には、周縁部から面中心の連結部14の近傍まで延びる複数の切込み15…が形成されている。そして、これらの切込み15…によって形成されるシート片16…の上に、それぞれの粘着層13…が形成されている。そこで、それぞれのシート片16は、その粘着層13に何かを粘着させて持ち上げると、連結部14で基板11に連結されながら、他のシート片とは無関係に基板11から翼状に浮動できるようになっている。
【0011】
この粘着捕獲具10は、図2に示すように、ネズミなどの小動物Mが出没する地域に粘着層13を上向きにして配置すると、この上を小動物Mが通過する際に、少なくともいずれか1片のシート片16が足などに粘着する。個々のシート片16は軽量かつ浮動性であるので、比較的小さい粘着力でも小動物に付着しその動きに追随する。しかもこのシート片16は、連結部14において基板11に連結されているので、小動物がシート片16を付着したままで逃走することはできない。小動物が、付着したシート片16を振り払おうとして基板11上でもがくほどに、他の複数のシート片16…も小動物に粘着し、結局小動物は複数のシート片16…によって絡め捕られて脱出不能となるので、確実に捕獲することができる。
【0012】
上記の粘着捕獲具10において、基板11は厚板紙または段ボールなど比較的硬質の板材で作成することが好ましい。一方、浮動シート12は、柔軟性がありかつ低比重のプラスチックシート、発泡プラスチックシート、紙、セロファンなどで作成することが好ましい。粘着層13は、浮動シートの各シート片16…の上に粘着剤を塗布することによって形成することができる。
【0013】
前記実施例1において、浮動シート12の形状およびこれに形成される切込み15の形状や数などは、特に限定されるものではなく、さまざまな変形が可能である。要は浮動シート12が切込みを有し、基板11上に載置されて浮動可能に連結されていればよいのであるから、これを実現するものはすべて本発明に含まれる。例えばこの切込みは、これによって形成された隣接するシート片の辺部が互いに間隙を隔てるように形成されていてもよい。
実質的に実施例1のものと同様に、個々のシート片が独立に浮動し得る浮動シートの例を、単なる例示のために図3(a)〜図3(d)に示す。
【0014】
図3(a)に示す浮動シート21は外形が円形であって、その中心部22で基板(図示せず)に連結されている。そして複数の切込み23…が、浮動シート21の円周から中心部22の近傍まで放射状に形成されている。
図3(b)に示す浮動シート24は方形であって、その一方の中央線25に沿って基板(図示せず)に線状に連結されている。そしてこの中央線25と平行する2辺から中央線25の近傍まで、複数の切込み26…が櫛歯状に形成されている。
【0015】
図3(c)に示す浮動シート31は円形であって、その円周部32の全周で基板(図示せず)に連結されている。そして複数の切込み33…が、浮動シート21の中心から円周部32の近傍まで、放射状に形成されている。
図3(d)に示す浮動シート34は方形であって、その対向する2辺部35,35で基板(図示せず)に線状に連結されている。そして辺部35,35と平行な中央線に沿って、辺部に達しない切込み36が形成され、この切込み36の両側に辺部35,35の近傍まで延びる複数の切込み37が平行に形成されている。
【0016】
図3(a)〜図3(d)に示した浮動シートの切込みによって形成されたシート片には、いずれも粘着層(図示せず)が形成されているので、軽い個々のシート片が単独で小動物に粘着することができ、小動物が、シート片を付着したままもがくほどに、他の複数のシート片も小動物に粘着し、結局小動物は複数のシート片によって絡め捕られて脱出不能となり、確実に捕獲される。
【0017】
(実施例2)
この実施例2も、浮動シートに切込みが形成された本発明の請求項1に記載した粘着捕獲具の一例である。図4(a)(b)において、実施例2の粘着捕獲具40は、基本的に基板41と、この基板41の上に浮動可能に載置された方形の浮動シート42と、この浮動シート42の上に形成された粘着層43とからなっている。この浮動シート42は、柔軟性のシートからなり、4辺部のそれぞれ中間点に配された連結部46…によって基板41に連結されている。
【0018】
この浮動シート42には、同心方形状に互いに間隙を隔てて配されたL字形切込み44a…と直線状切込み44b…とが等高線状に交互に形成され(以下、切込み44と総称する)、この切込み44によって、互いに連続した複数のシート片45…が形成されている。このシート片45…のそれぞれの上に前記の粘着層43…が形成されている。そこで、この粘着層43…のいずれかに何かを粘着させて持ち上げると、それぞれのシート片45は、互いに部分的に連続しているので、他のシート片も連動して浮動し、浮動シート42全体がその持ち上げたシート片を頂点とするスロープをなして浮動する。しかし連結部46…によって基板41に連結されているから、いずれのシート片も基板41から分離することはない。
【0019】
この粘着捕獲具40も、実施例1のものと同様に、この上を小動物が通過すると、少なくともいずれか1片のシート片45が足などに粘着し、軽量かつ浮動性の高いシート片45が小動物の動きに追随し、小動物が振り払おうともがくほどに、他の連動するシート片45…も粘着し、結局小動物は複数のシート片45…に網目のように絡め捕られて脱出不能となり、捕獲されることになる。
【0020】
実質的に実施例2のものと同様に、シート片が互いに部分的に連続し、いずれか1片のシート片を持ち上げると、他のシート片も連動し、持ち上げたシート片を頂点とするスロープをなして浮動する型の浮動シートの例を、これらに限定されるものではないが、図5(a)(b)に示す。
【0021】
図5(a)に示す浮動シート51は円形をなし、その中心部52で基板(図示せず)に連結されている。そして複数の円弧状の切込み53…が、同心円状に互いに間隙を隔てて形成され、等高線状に交互にその間隙の位置をずらせて配設されている。
図5(b)に示す浮動シート55は方形であって、その4隅に設けた連結部56…によって基板(図示せず)に連結されている。そして概略乙字形の複数の切込み57…が、互いにその位置をずらせながら間隔を隔てて形成されている。
【0022】
(実施例3)
この実施例も、浮動シートに切込みが形成された本発明の請求項1に記載した粘着捕獲具の一例である。図6に示す粘着捕獲具60は、基板61の上に概略円形の柔軟性シートからなる浮動シート62が浮動可能に載置され、この浮動シート62には、中心部から円周部に向けて1本の渦巻形の切込み63が形成され、これによって、1枚の渦巻帯形のシート片64が形成されている。このシート片64は、その上面に粘着層(図示せず)が形成されている。そしてこのシート片64は、その双方の端末に設けられた連結部65,65によって基板61に連結されている。
【0023】
この粘着捕獲具60は、浮動シート62の上を小動物が通過すると、シート片64の一部が足などに粘着する。すると渦巻帯形のシート片64は小動物に付着したままその動きに追随して延長される。しかしこのシート片64は端末65,65で基板61に連結されているので、小動物がシート片64を付着したままで逃走することはできず、振り払おうとしてもがくほどにシート片64の他の部分も粘着し、結局小動物は帯状のシート片64に絡め捕られて身動きできなくなり捕獲されることになる。
【0024】
実施例3の浮動シート60は、渦巻形の切込み63によって、1本の帯状のシート片が形成されたものであるが、他の形状の切込みによっても帯状のシート片を実現することができる。その一例を、これに限定されるものではないが図7に示す。
図7に示す粘着捕獲具70は、柔軟シートおよび切込みの形状が異なる以外は実施例3のものと同様である。図7において、この粘着捕獲具70の浮動シート72は方形であり、その対向する2辺からそれぞれ垂直に、対向する辺に達しない直線の切込み73…が互いに入れ子状に形成され、これによって、1枚のジグザグ帯形のシート片74が形成されている。そしてこのシート片74は、その双方の端末に設けられた連結部75,75によって基板71に連結されている。
【0025】
この粘着捕獲具70も、実施例3のものと同様に、浮動シート72の上を小動物が通過するとその足などに粘着し、シート片74が基板71に連結されながら延長し、小動物がもがくほどにシート片の他の部分も粘着し、小動物は絡め捕られて捕獲されることになる。
【0026】
(実施例4)
図8(a)(b)は、本発明の参考例としての粘着捕獲具の一実施例を示している。
図8(a)(b)において、この粘着捕獲具80は、基本的に、基板81と、この基板81の上に浮動可能に載置され、糸84によって前記基板81に連結された2以上の浮動シート82a,82b…(以下、符号82で総称する)と、この浮動シート82の上に形成された粘着層83…とからなっている。
【0027】
この実施例において、各浮動シート82は、それぞれに接続された糸84を折り込んだ状態で、基板81の周縁部に設けられた縁枠部材85の枠内に整列して収納されている。
【0028】
この粘着捕獲具80は、小動物が出没する地域に粘着層83を上向きにして配置すると、この上を小動物が通過する際に、少なくともいずれか1片の浮動シート82が足などに粘着する。浮動シート82自体は、小型軽量でかつ浮動性であるので、比較的小さい粘着力でも小動物に付着しその動きに追随する。しかもこの浮動シート82は、糸84によって基板81に連結されているので、小動物が浮動シート82を付着させたまま逃走することはできない。小動物が、付着した浮動シート82を振り払おうとして基板上でもがくほどに、他の複数の浮動シート82も小動物に粘着し、結局小動物は複数の粘着性浮動シート82によって躯体が包囲され脱出不能となり捕獲されることになる。
【0029】
前記において、個々の浮動シート82の形状は方形に限らず、多角形、円形、楕円形、星形など任意の形状であってよく、またそれぞれの浮動シート82が同一形状・同一寸法である必要もない。糸84の長さは特に限定されないが、小動物が1片の浮動シート82に捕捉されてもがくとき、他の複数の浮動シートにも接触し得る程度の長さとすることが好ましい。糸84の代わりにテープなどを用いてもよいことはいうまでもない。
【0030】
(実施例5)
図9(a)(b)は、本発明の参考例としての粘着捕獲具の一実施例を示している。
図9(a)(b)において、この粘着捕獲具90は、基本的に、基板91と、この基板91の上に形成された離型層92と、この離型層92の上に浮動可能に載置された粘着層93とからなっている。離型層92の4隅近傍には、基板91の一部を露出させた基板露出部94が形成され、この基板露出部94を通して、粘着層93が基板91に連結されている。この粘着層93は、補強のため繊維95を含んでいる。
【0031】
この粘着捕獲具90は、小動物が出没する地域に粘着層93を上向きにして配置すると、この上を小動物が通過する際に、離型層92によって浮動可能とされた粘着層93の一部が足などに粘着する。粘着層93それ自体は軽量かつ可撓性であるので、比較的小さい粘着力でも小動物に付着しその動きに追随する。粘着層93には繊維95が含まれて補強されているので、小動物の動きによって部分的に引きちぎられることはない。またこの粘着層93は、基板露出部94を通して基板91に連結されているので、小動物が粘着層93を付着したままで逃走することはできない。小動物が、付着した粘着層93を振り払おうとしてもがくほどに、粘着層93の他の部分も小動物に粘着し、結局小動物は粘着層93に絡め捕られて捕獲されることになる。
【0032】
実施例5の粘着捕獲具において、粘着層93の形状、その補強手段、基板との連結手段などは前記のものに限定されない。本発明の参考例としての粘着捕獲具の他の実施例を、単に例示のために図10および図11に示す。
【0033】
図10に示す粘着捕獲具100において、基板101の一方の中央線に沿って基板を露出させた帯状の基板露出部104が形成され、その両側に離型層102a,102bが形成されている。そして、粘着層103は、離型層102a,102bおよび基板露出部104の上を一体に覆って載置されている。
粘着層103は、離型層102a,102bには粘着しないが、基板露出部104には粘着して基板101に連結されるので、基板露出部104を軸として離型層102a,102bの上で蝶番状に浮動可能となる。この粘着層103は、補強用の繊維を含んでいる。
この粘着捕獲具100は、小動物を両側から粘着層で包み込むように捕獲することができる。
【0034】
図11に示す粘着捕獲具110は、基板111の上に離型層112が形成され、この上に、複数の層片に分割された粘着層113…が浮動可能に載置されている。そして、それぞれの粘着層113…には補強のため全面に糸114が埋設され、それぞれの糸114…の端末は粘着層113から引き出され、連結部115において基板111に連結されている。
【0035】
この粘着捕獲具110は、粘着層が複数の層片に分割され、個々の層片はさらに軽量で、しかも糸114で基板111に連結されているので移動の自由度が高く、小動物に粘着しその動きに追随し易い。また各粘着層の層片には基板との連結部115から連続した1本の糸114が埋設されているので、小動物の動きによって粘着層113が引きちぎられたり、粘着層を付着したまま逃走する可能性がさらに減少し、捕獲率が向上する。
【0036】
図11の実施例では粘着層113が4分割されているが、分割数はこれに限定されるものではなく、多数に分割されていればそれだけ1層片は軽量になるので、小動物に粘着しその動きに追随し易くなる。
【0037】
(実施例6)
図12は、本発明の参考例としての粘着捕獲具の一実施例を示している。この粘着捕獲具120は、基板121の上に離型層122が形成され、この上に粘着剤123を塗布した糸124が、例えば渦巻状に載置され、この糸124の層が粘着層を形成している。そして、この糸124の両端末は、それぞれ連結部125,125において基板121に連結されている。
【0038】
この実施例6の粘着捕獲具120は、載置された糸124の上を小動物が通過すると、糸には粘着剤が塗布されているので、この糸の一部が足などに粘着し、軽量かつ浮動性の高い粘着糸が小動物の動きに追随し、小動物が振り払おうともがくほどに、粘着糸の他の部分も粘着し、結局小動物は粘着糸123に網目のように絡め捕られて脱出不能となり、捕獲されることになる。
【0039】
糸123の配置は前記実施例6のように渦巻状であってもよいが、1本の糸が平面上ですだれ状に往復する面構成としてもよく、また交差部があってもよい。多数の交差部が形成されると、交差部では互いの粘着剤が融合するので、粘着層は全体として網状となる。この、粘着層が網状とされた粘着捕獲具もまた本発明に含まれるものである。
【0040】
以上説明した本発明の粘着捕獲具は、保管中に粘着層が他のものに粘着しないように、粘着層の上部を離型紙などで覆っておくか、または粘着層が他のものに接触しないように上部に空隙を形成した箱などに収容しておくことが好ましい。また、基板は折り畳み可能、または丸め込み可能とすることもできる。更に、捕獲した小動物を粘着捕獲具の基板で包み込んで捨てることができるように、小動物を捕獲した状態で基板を丸め、または箱形に組み込める構造とすることもできる。その際に基板の端部を係止する係合具が付属されていてもよい。
【0041】
【発明の効果】
本発明の粘着捕獲具は、請求項1において、基板と、この基板の上に浮動可能に載置され少なくとも1点で基板に連結され、かつ切込みが形成された浮動シートと、この浮動シートの上に形成された粘着層とを有するか、請求項2において、基板の上に浮動可能に載置され糸またはテープによって基板に連結された2以上の浮動シートと、この浮動シートの上に形成された粘着層とを有するか、または請求項3において、基板の上に形成された離型層と、この離型層の上に浮動可能に載置され少なくとも1点で基板に連結された粘着層とを有するものであるので、粘着層が軽量かつ浮動性であり、ネズミなどの小動物が粘着層の上を通るとき、小動物に付着してその動きに追随し易く、もがくほどに他の粘着層部分も粘着し、効率よく小動物を捕獲することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本発明の参考例にかかわる粘着捕獲具の一実施例を示す平面図、(b)は、この平面図の線X−Xで切った断面図。
【図2】 図1の粘着捕獲具による捕獲状態を模式的に示す斜視図。
【図3】 (a)(b)(c)(d)はそれぞれ、参考例にかかわる粘着捕獲具の他の実施例における浮動シートを示す平面図。
【図4】 (a)は本発明の請求項1にかかわる粘着捕獲具のさらに他の一実施例を示す平面図、(b)はこの平面図の線X−Xで切った断面図。
【図5】 (a)(b)はそれぞれ、参考例にかかわる粘着捕獲具のさらに他の実施例における浮動シートを示す平面図。
【図6】 本発明の請求項1にかかわる粘着捕獲具のさらに他の一実施例を示す平面図。
【図7】 本発明の請求項1にかかわる粘着捕獲具のさらに他の一実施例を示す平面図。
【図8】 (a)は、本発明の参考例にかかわる粘着捕獲具の一実施例を示す平面図、(b)は、この平面図の線X−Xで切った断面図。
【図9】 (a)は、本発明の参考例にかかわる粘着捕獲具の一実施例を示す平面図、(b)は、この平面図の線X−Xで切った断面図。
【図10】 本発明の参考例にかかわる粘着捕獲具の他の一実施例を示す平面図。
【図11】 本発明の参考例にかかわる粘着捕獲具のさらに他の一実施例を示す平面図。
【図12】 本発明の参考例にかかわる粘着捕獲具の一実施例を示す平面図。
【符号の説明】
10…粘着捕獲具、
11…基板、
12…浮動シート、
13…粘着層、
14…連結部、
15…切込み、
16…シート片、
80…粘着捕獲具、
81…基板、
82,82a,82b…浮動シート、
83…粘着層、
84…糸、
90…粘着捕獲具、
91…基板、
92…離型層、
93…粘着層、
94…連結部、
95…繊維。
Claims (4)
- 基板と、この基板の上に浮動可能に載置され、少なくとも2点で前記基板に連結され、かつ切込みが形成された浮動シートと、この浮動シートの上に形成された粘着層とを有し、
前記浮動シートは、前記切込みによって互いに連続し、いずれかの部位を持ち上げると、他の部位も連動し、持ち上げた部位を頂点とするスロープをなして浮動する粘着捕獲具。 - 前記浮動シートには、複数の切込みが同心状に間隙を隔てて形成されて等高線状に交互に互いに間隙の位置をずらして配設され、
前記浮動シートは方形であって、その4辺部の中間部に配された連結部によって基板に連結されている請求項1に記載の粘着捕獲具。 - 前記浮動シートには、概略乙字形の複数の切込みが互いにその位置をずらせながら間隙を隔てて形成され、
前記浮動シートは方形であって、その4辺部の隅部に配された連結部によって基板に連結されている請求項1に記載の粘着捕獲具。 - 前記浮動シートには、切込みによって渦巻形またはジグザグ帯形のシート片が形成され、
このシート片は、その双方の端末に設けられた連結部によって基板に連結されている請求項1に記載の粘着捕獲具。
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