JP3815908B2 - 自動販売機の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は搬送機構ならびに制御部を有する自動販売機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動販売機においては、複数種類の搬送機構が存在しており、搬送機構を自動販売機に組付ける場合や、種類の異なる搬送機構に交換する場合(例えば直積み式搬送機構からチェーンエレベータ式搬送機構に交換する場合)などには、各搬送機構によりその組付け部品ならびに制御方法が異なるため、係員が、組付けた搬送機構の種類を確認して、その種類に対応するデータを設定変更用のキーボードから入力して設定させ、何れの搬送機構が組付けられているかを自動販売機の制御部に認識させる必要があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、従来の自動販売機においては、搬送機構を組付ける場合や種類の異なる搬送機構に交換する場合などには、係員がその搬送機構確認動作ならびにその搬送機構に対応するデータの入力動作に多くの手間や時間を取られていた。また、係員が前記データの変更を忘れたり、そのデータを誤って入力したり、あるいはデータの初期化を行ってしまうおそれもあり、これらの場合には、搬送機構の制御が不良な状態となるため、自動販売機としての販売動作も不良となり、信頼性が低下するという問題があった。
【0004】
本発明は上記問題を解決するもので、搬送機構を組付ける場合や種類の異なる搬送機構に交換した場合などに、設定キーボードの変更入力を係員が行わなくても自動販売機として良好に機能する自動販売機の制御装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1記載の発明は、複数種類の搬送機構の中から搬送機構を選択して組付け、この組付済の搬送機構を制御部により制御して駆動させる自動販売機であって、何れの搬送機構に対しても制御部が搬送機構側からの信号を入力する共通の入力端子を各搬送機構に設け、選択対象となる複数種類の搬送機構として、前記共通の入力端子に所定の信号が入力されると、組み付けられている搬送機構の搬送機能の違いにより互いに異なる特有の信号が入力端子から出力される構成のものを用い、制御部に、搬送機構側からの信号を入力する入力端子の、搬送機構の搬送機能の違いによる特有の入力信号の組み合わせに基づいて組付済の搬送機構の種類を判別する判別部を設けたものである。
【0006】
この構成によれば、組付済の搬送機構の種類を制御部により判別して自動的に認識させることができ、搬送機構を組付ける場合や種類の異なる搬送機構に交換した場合でも、設定キーボードの変更入力を係員が行わなくても搬送機構の種類が制御部により認識されて自動販売機として良好に機能することとなる。
【0008】
また、この構成によれば、搬送機構の動作に基づく特有な搬送機能の違いによって、搬送機構から制御部への入力信号の組み合わせの違いが電気的に生じ、制御部は共通の入力端子からの入力信号により組付済の搬送機構の種類を判別して自動的に認識させることができ、搬送機構の種類を判別するための入力専用端子を設けなくても済むので、製造コストを低減させることが可能となる。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の自動販売機の制御装置において、選択可能な搬送機構は、1つのモータを正逆方向に回転させて、直積みされた2群の商品のうちから一方の商品を払い出す直積み式搬送機構と、ぞれぞれ駆動モータが設けられた2列のチェーンエレベータにより商品を1つずつ載せた商品受け台を移動させて商品を払い出すチェーンエレベータ式搬送機構と、電磁ソレノイドに通電することにより商品を払い出すサーペンタイン式搬送機構などの電磁ソレノイド式搬送機構とのうちの、少なくとも2種類を含むものである。
【0010】
【発明の詳細な説明】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
この自動販売機においては、2種類の搬送機構Aのうちから1種類の搬送機構Aが複数対選択されて組付け可能とされている。組付け可能な搬送機構Aとしては、図2〜図5に示すように、1つの回転モータ16を正逆方向に回転させて、直積みされた2群の商品Bのうちから販売指示された一方の商品Bを払い出す直積み式搬送機構10と、図8〜図9に示すように、ぞれぞれ個別に駆動モータ45が設けられて駆動される2列のチェーン44により、商品Bを1つずつ載せた商品受け台46を下方に巡回させながら移動させて商品Bを払い出すチェーンエレベータ式搬送機構40とがある。
【0011】
直積み式搬送機構10は、例えば紙パックなどの変形可能な箱状の商品Bを払い出し対象とするものであり、図2〜図5に示すように、1つのユニットにおいて、上下に延びる一対の商品収納室11の下端部に横ピン12を介して上下に回動自在に設けられて下端の商品Bを受ける一対の商品受板13と、水平に回動して商品受け板13に下方から係合して商品収納室11下端の商品払出用開口部を開閉させる平面視略半円形の受板支持カム14と、上下に延設された駆動軸15を介して受板支持カム14を回転させる正逆回転自在の回転モータ16と、商品収納室11の下端部より少し上の位置の横ピン17を介して商品収納室11内に出退するように回動自在に設けられて下端より2番目の商品Bを押さえつけてこれより上の商品群の落下を一時的に規制する一対の商品規制板18と、駆動軸15に取り付けられて商品規制板18に当接自在の当接カム19と、駆動軸15の回動位置を検知するための位置検知部20とを備えている。
【0012】
この直積み式搬送機構10は、待機状態では、図2、図3に示すように、受板支持カム14が両方の商品受板13を下方から支持して、両方の商品収納室11の商品Bが保持される一方、商品Bの払出指示が行われると、回転モータ16にて駆動軸15が正方向に回転されて、図4、図5に示すように、受板支持カム14が、払出指示された商品Bとは逆の商品収納室11側に90度回転され、払出指示された商品側の商品受板13が下方に開動される。これと同時に当接カム19が、払出指示された商品側の商品規制板18に当接されて商品規制板18が商品収納室11内に突出され、下方より2番目以上の商品Bの落下が防止された状態で下端の商品Bだけが払い出されるようになっている。その後、回転モータ16にて駆動軸15が逆方向に回転されて、受板支持カム14が図2、図3に示す元の位置まで戻される。
【0013】
図6(a),(b)に示すように、位置検知部20には位置検知板21と導通刷子22とが設けられており、位置検知板21には待機状態で導通刷子22を介して互いに導通される第1の導通部21aおよび第2の導通部21bと、正方向または逆方向に90度回転された際に導通刷子22を介して第1の導通部21aに導通される2つの第3の導通部21cとが設けられ、導通刷子22は各導通部21a〜21cに接触可能な3つの接触子を有しており、駆動軸15と導通刷子22とが一体的に回動するように取り付けられている。
【0014】
図7は直積み式搬送機構10を駆動させるための直積み式用回路30を示す回路図である。位置検知板21の第1の導通部21aが、直積み式搬送機構10を駆動させるための直積み式用回路30の第1、第2のコモン出力端子(COM1,COM2)31,32側に接続され、2つの第3の導通部21cが直積み式用回路30の第1の入力端子(カム1SW)33側に接続され、第2の導通部21bが直積み式用回路30の第2の入力端子(カム2SW)34側に接続されている。すなわち、第1の導通部21aと2つの第3の導通部21cと導通刷子22とにより第1のカムスイッチ38が構成され、第1の導通部21aと第2の導通部21bと導通刷子22とにより第2のカムスイッチ39が構成されている。
【0015】
また、直積み式用回路30には、正逆回転自在の回転モータ16が接続されており、図7における35、36は回転モータ16を駆動するための第1,第2のモータ用出力端子(MX1,MX2)である。第1、第2のコモン出力端子(COM1,COM2)31,32と、第1、第2の入力端子(カム1SW,カム2SW)33,34と、第1,第2のモータ用出力端子(MX1,MX2)とが、後述する自動販売機の制御部1(図1参照)に接続された共通の入出力端子である。なお、図7における37は直積み式搬送機構10に設けられている売切検知スイッチ、pはプルアップ抵抗である。
【0016】
次に、チェーンエレベータ式搬送機構40は、図8、図9に示すように、1つのユニットにおいて、一対の商品収納室41の各奥部においてそれぞれ上端の駆動スプロケット42と下端の従動スプロケット43とにわたって上下に延びるように掛け渡されたチェーン44と、駆動スプロケット42を回転させる駆動モータ45と、チェーン44の各構成部品同士を連結するとともに両側方に突出する連結軸44aに所定間隔おきに回転可能に係合され、商品Bを1つずつ載せる略L字形状の複数の商品受台46と、商品収納室41間を仕切る着脱可能な仕切板47と、商品受台46の位置ならびにチェーン44の搬送距離を検知するための位置検知部48とを備えている。
【0017】
このチェーンエレベータ式搬送機構40では、商品Bの払出指示が行われると、図9に示すように、次の商品受台46が位置検知部48の近傍位置まで移動するまで駆動モータ45にてチェーン44が駆動されて、1つずつ商品Bが払い出される。なお、商品Bが長尺または大型である場合には、仕切板47が取り外されて一対の商品収納室41における各商品受台46にまたがって商品Bが横方向に載置され、各チェーン44が同期して駆動されることで長尺または大型の商品Bが払い出される。
【0018】
図10に示すように、チェーンエレベータ式搬送機構40を駆動させるためのチェーンエレベータ式用回路50にも、直積み式用回路30と同様に第1,第2のコモン出力端子(COM1,COM2)51,52、第1、第2の入力端子(カム1SW,カム2SW)53,54および第1,第2のモータ用出力端子(MX1,MX2)55,56が設けられており、これらは自動販売機の制御部1(図1参照)に接続された共通の入出力端子として機能する。そして、このチェーンエレベータ式用回路50には、2つの各駆動モータ45と各位置検知部48とがそれぞれ接続されている。このチェーンエレベータ式用回路50には、後述する搬送機構Aから制御部1への入力信号の組み合わせの違いを、搬送機構Aに設けられた部品ならびにその動作に基づく特有な搬送機能の違いによって電気的に生じるように構成させるために、従来から使用されていたチェーンエレベータ式用回路に2つのダイオードD6,D7を追加して構成している。なお、図10における57はチェーンエレベータ式搬送機構40に設けられている売切検知スイッチである。
【0019】
図1(a)に示すように、自動販売機の制御部1には、入出力端子として、第1,第2のコモン出力端子(COM1,COM2)、第1,第2の入力端子(カム1SW,カム2SW)および第1,第2のモータ用出力端子(MX1,MX2)が接続されており、第1,第2の入力端子(カム1SW,カム2SW)への入力信号の組み合わせに基づいて組付済の搬送機構Aの種類を判別する判別部2が設けられている。
【0020】
この判別部2について説明するに先立って、直積み式搬送機構10とチェーンエレベータ式搬送機構40とのそれぞれの場合の通常の各入出力信号の状態を説明する。
【0021】
自動販売機に組付けられている搬送機構Aが直積み式搬送機構10である場合には、待機状態では、図3に示すように、受板支持カム14が両方の商品受板13に跨る位置に配置されており、第1の導通部21aと第2の導通部21bとが導通刷子22により導通されて第2のカムスイッチ39がON状態であり、一方、導通刷子22が第3の導通部21cから離れているため、第1のカムスイッチ38はOFF状態である。この状態で、制御部1は払出の指示があったことを検知すると、図11、図12に示すように、第1のコモン出力端子(COM1)の電圧がLOWレベル(以下Lと略す)に切り換えられるように出力し、これによって、第2のカムスイッチ39を介して第1のコモン出力端子(COM1)に導通する第2の入力端子(カム2SW)の入力信号だけがLとなり、第1の入力端子(カム1SW)の入力信号の電圧はHIGHレベル(以下Hと略す)を保持したままである(期間▲1▼で示す部分)。
【0022】
このように第1のコモン出力端子(COM1)の出力信号がLとされて所定時間経過すると、次に第1のモータ用出力端子(MX1)の出力信号がHに切り換えられ、回転モータ16が正方向(商品収納室(コラム)11が奇数番目の場合)に回転され、これにより、導通刷子22が第2の導通部21bから離反して、第2のカムスイッチ39がOFF状態に切り換わり、これによって、第1,第2の入力端子(カム1SW,カム2SW)の入力信号が共にHとなる(期間▲2▼で示す部分)。
【0023】
さらに、回転モータ16が正方向に回転されると、これにより、導通刷子22が第3の導通部21cに接触して、第1のカムスイッチ38がON状態に切り換わり、これによって、第1の入力端子(カム1SW)の入力信号だけがLに切り換わる(期間▲3▼で示す部分)。
【0024】
なお、第1のカムスイッチ38がON状態に切り換わったことが検知されると、所定時間回転モータ16がさらに正方向に回転された後に、第1のモータ用出力端子(MX1)の出力信号がLに戻されて、回転モータ16が停止され、さらにこの後、第1のコモン出力端子(COM1)がLからHとなるように切り換えられると同時に、第2のコモン出力端子(COM2)がHからLとなるように切り換えられる。
【0025】
そして、所定時間経過すると、第2のモータ用出力端子(MX2)の出力信号がHに切り換えられて、回転モータ16が逆方向に回転され、これにより、導通刷子22が第3の導通部21cから離反して、第1のカムスイッチ38がOFF状態に切り換わり、この結果、第1,第2の入力端子(カム1SW,カム2SW)の入力信号が共にHとなる(期間▲4▼で示す部分)。
【0026】
さらに、回転モータ16が逆方向に回転されると、導通刷子22が第2の導通部21bに接触して、第2のカムスイッチ39がON状態に切り換わり、これによって、第2の入力端子(カム2SW)の入力信号だけがLに切り換わる(期間▲5▼で示す部分)。
【0027】
そして、第2のカムスイッチ39がON状態に切り換わったことが検知されると、所定時間回転モータ16がさらに逆方向に回転された後に、第2のモータ用出力端子(MX2)の出力信号がLに戻されて、回転モータ16が初期の待機状態で停止され、第2のコモン出力端子(COM2)がLからHとなるように切り換えられる。
【0028】
なお、商品収納室(コラム)11が偶数番目である場合には、回転モータ16の回転方向が反対となるように制御され、第1,第2の入力端子(カム1SW,カム2SW)の入力信号は図12の下半部に示すような状態となる。
【0029】
自動販売機に組付けられている搬送機構Aがチェーンエレベータ式搬送機構40である場合には、図10に示すチェーンエレベータ式用回路50が取り付けられている。このチェーンエレベータ式用回路50は、上述のように従来から使用されていたチェーンエレベータ式用回路に2つのダイオードD6,D7が追加されたものであり、これにより、第2のコモン出力端子(COM2)がHからLとなるように切り換えられた際には、図14に示すように、第1,第2の入力端子(カム1SW,カム2SW)の入力信号が共にLとなるように構成されている。
【0030】
また、チェーンエレベータ式搬送機構40においては、待機状態では、図9に示すように、各商品収納室41に配置されている位置検知部48とも商品受台46に当接してON状態とされている。この状態で、例えば奇数番目の商品収納室41の商品Dだけを払い出す指示が制御部1に通知されると、制御部1は、図13、図14に示すように、まず、第1のコモン出力端子(COM1)の出力信号だけがLとなるように出力を切り換えた後、所定時間経過後に第1のモータ用出力端子(MX1)の出力信号がHに切り換えられて、その奇数番目の商品収納室41の駆動モータ45が所定方向に回転され始める(期間▲1▼で示す部分)。
【0031】
その後、その商品収納室41の位置検知部48から商品受台46が離反して、位置検知部48がOFF状態に切り換わり、これによって、第1の入力端子(カム1SW)の入力信号だけがHとなる(期間▲2▼で示す部分)。
【0032】
その商品収納室41の駆動モータ45が続いて回転されると、位置検知部48に次の商品受台46が当接してON状態となって第1の入力端子(カム1SW)の入力信号がLに戻るため、所定時間経過後に第1のモータ用出力端子(MX1)の出力信号がLに切り換えられ、さらに、第1のコモン出力端子(COM1)がLからHとなるように切り換えられると同時に、第2のコモン出力端子(COM1)がHからLとなるように切り換えられる(期間▲3▼で示す部分)。
【0033】
なお、商品収納室(コラム)41が偶数番目である場合には、図15に示すように、その偶数番目の商品収納室41の駆動モータ45が駆動されるように制御され、第1,第2の入力端子(カム1SW,カム2SW)の入力信号は図14の中央部に示すような状態となる。また、商品Bが2つの商品収納室41に跨って収納されている場合には、図16に示すように、それらの奇数番目および偶数番目の商品収納室41の両駆動モータ45が同時に駆動されるように制御され、第1,第2の入力端子(カム1SW,カム2SW)の入力信号は図14の下部に示すような状態となる。
【0034】
図1(b)に示すように、制御部1は自動販売機の電源が入れられてリセット動作が行われると、ステップS1からステップS2に進んで、組付済の搬送機構Aの種類を判別する判別動作を判別部2により行う。つまり、ステップS2において第2のコモン出力端子(COM2)の出力信号をLとして、ステップS3において第1,第2の入力端子(カム1SW,カム2SW)の入力信号のうちの少なくとも一方がHであれば、ステップS3からステップS4に進んで、搬送機構Aが直積み式搬送機構10であると判定し、第1,第2の入力端子(カム1SW,カム2SW)の入力信号の何れもLであれば、ステップS3からステップS5に進んで、搬送機構Aがチェーンエレベータ式搬送機構40であると判定する。
【0035】
これにより、リセット動作が行われると、組付済の搬送機構Aの種類が制御部1の判別部2により判別されて自動的に認識され、それぞれの組付けられた搬送機構10、40に適した制御動作が行われ、自動販売機は良好に機能する。
【0036】
これにより、従来においては係員が行っていた搬送機構Aの確認動作ならびにその搬送機構Aに対応するデータの入力動作に多くの手間や時間を取られることがなくなり、作業能率が向上する。また、従来のように、係員がデータの変更を忘れたり、データを誤って入力したり、あるいはデータの初期化を行ってしまい、搬送機構の制御が不良な状態となるようなことも防止できるため、自動販売機としての信頼性も向上する。また、搬送機構の種類を判別するための入力専用端子を設けなくても済むので、製造コストを低減させることも可能である。
【0037】
さらに、上記実施の形態においては、選択可能な搬送機構Aが直積み式搬送機構10とチェーンエレベータ式搬送機構40との場合を説明したが、これらに加えて、サーペンタイン式搬送機構などの電磁ソレノイドを用いた搬送機構に対しても判別可能である。
【0038】
つまり、サーペンタイン式搬送機構などの電磁ソレノイド式搬送機構は電磁ソレノイドに所定時間通電することにより商品を払い出す構造であり、モータと違って搬送のための位置制御を行わないため、図17に示すように、第1,第2のコモン出力端子(COM1,COM2)と、第1,第2のモータ用出力端子(MX1,MX2)とにそれぞれ電磁ソレノイド60を接続させるだけであって、第1,第2の入力端子(カム1SW,カム2SW)には回路が何も接続されない。したがって、第1,第2の入力端子(カム1SW,カム2SW)への入力信号は何れも常にHとなる。
【0039】
また、通常、直積み式搬送機構10は待機状態で設置されている。
したがって、リセット動作が行われた際に、図18に示すように、ステップS1からステップS2に進んで、制御部1は第2のコモン出力端子(COM2)の出力信号をLとして、ステップS6において搬送機構Aの判定動作を行う。つまり、第1,第2の入力端子(カム1SW,カム2SW)の入力信号の何れもがHであれば、電磁ソレノイド式搬送機構であると判定し(ステップS7)、第1の入力端子(カム1SW)の入力信号がH,第2の入力端子(カム2SW)の入力信号がLであれば、搬送機構Aが直積み式搬送機構10であると判定し(ステップS8)、第1,第2の入力端子(カム1SW,カム2SW)の入力信号の何れもがLであれば、搬送機構Aがチェーンエレベータ式搬送機構40であると判定する(ステップS9)ことで、それぞれの搬送機構に適した制御動作を行わせることが可能である。
【0040】
さらに、第1,第2の入力端子(カム1SW,カム2SW)の入力信号の何れもがHであった場合には、試しに一時的に直積み式搬送機構10に対する制御を行って、この際に、第1,第2の入力端子(カム1SW,カム2SW)の入力信号の何れかがLになる場合があれば、直積み式搬送機構10であると判定し、第1,第2の入力端子(カム1SW,カム2SW)の入力信号の何れかがLになることがなければ、電磁ソレノイド式搬送機構であると判定するようにしてもよい。
【0041】
なお、上記実施の形態においては、1台の自動販売機に1種類の搬送機構を組み込む場合を説明したが、これに限るものではなく、2種類以上の搬送機構を1台の自動販売機に組み込む場合にも適用できることはもちろんであり、この場合にはさらに手間や時間が省けて便利で有用となる。
【0042】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、制御部に、搬送機構側からの信号を入力する入力端子の、搬送機構の搬送機能の違いによる特有の入力信号の組み合わせに基づいて組付済の搬送機構の種類を判別する判別部を設けることで、組付済の搬送機構の種類を制御部により判別して自動的に認識させることができ、搬送機構を組付ける場合や種類の異なる搬送機構に交換した場合でも、設定キーボードからのデータの変更入力を係員が行わなくても搬送機構の種類が制御部により認識されて自動販売機として良好に機能し、従来係員が行っていた搬送機構確認動作ならびにその搬送機構に対応するデータの入力動作に多くの手間や時間を取られることがなくなって、作業能率が向上する。また、従来のように、係員がデータの変更を忘れたり、そのデータを誤って入力したり、あるいはデータの初期化を行ってしまい、搬送機構の制御が不良な状態となるようなことも防止できるため、自動販売機として信頼性も向上する。
【0043】
また、搬送機構から制御部への入力信号の組み合わせの違いは、搬送機構に設けられた部品ならびにその動作に基づく特有な機能の違いによるものであり、これに基づいて判別することで、搬送機構の種類を判別するための入力専用端子を設けなくても済むので、製造コストを低減させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施の形態にかかる自動販売機の制御装置のブロック図、(b)は同制御装置のフローチャートである。
【図2】自動販売機の直積み式搬送機構における待機状態の縦断面図である。
【図3】自動販売機の直積み式搬送機構における待機状態の平面図である。
【図4】自動販売機の直積み式搬送機構における商品払出状態の縦断面図である。
【図5】自動販売機の直積み式搬送機構における商品払出状態の平面図である。
【図6】(a)は同直積み式搬送機構における位置検知部の縦断面図、(b)は位置検知板の平面図である。
【図7】本発明の実施の形態にかかる自動販売機の直積み式用回路の回路図である。
【図8】自動販売機のチェーンエレベータ式搬送機構の概略的な斜視図である。
【図9】同チェーンエレベータ式搬送機構の要部拡大正面図である。
【図10】本発明の実施の形態にかかる自動販売機のチェーンエレベータ式用回路の回路図である。
【図11】同実施の形態にかかる直積み式搬送機構のタイムチャートである。
【図12】同実施の形態にかかる直積み式搬送機構の信号の状態を示す図である。
【図13】同実施の形態にかかるチェーンエレベータ式搬送機構の奇数コラム搬送時のタイムチャートである。
【図14】同実施の形態にかかるチェーンエレベータ式搬送機構の信号の状態を示す図である。
【図15】同実施の形態にかかるチェーンエレベータ式搬送機構の偶数コラム搬送時のタイムチャートである。
【図16】同実施の形態にかかるチェーンエレベータ式搬送機構の奇数および偶数コラム搬送時のタイムチャートである。
【図17】本発明の他の実施の形態にかかる自動販売機の電磁ソレノイド式用搬送機構を採用した際の回路図である。
【図18】本発明の他の実施の形態にかかる制御装置のフローチャートである。
【符号の説明】
A 搬送機構
B 商品
10 直積み式搬送機構
16 回転モータ
30 直積み式用回路
40 チェーンエレベータ式搬送機構
45 駆動モータ
50 チェーンエレベータ式用回路
60 電磁ソレノイド
COM1 第1のコモン出力端子
COM2 第2のコモン出力端子
MX1 第1のモータ用出力端子
MX2 第2のモータ用出力端子
カム1SW 第1の入力端子
カム2SW 第2の入力端子
Claims (2)
- 複数種類の搬送機構の中から搬送機構を選択して組付け、この組付済の搬送機構を制御部により制御して駆動させる自動販売機であって、
何れの搬送機構に対しても制御部が搬送機構側からの信号を入力する共通の入力端子を各搬送機構に設け、
選択対象となる複数種類の搬送機構として、前記共通の入力端子に所定の信号が入力されると、組み付けられている搬送機構の搬送機能の違いにより互いに異なる特有の信号が入力端子から出力される構成のものを用い、
制御部に、搬送機構側からの信号を入力する入力端子の、搬送機構の搬送機能の違いによる特有の入力信号の組み合わせに基づいて組付済の搬送機構の種類を判別する判別部を設けた自動販売機の制御装置。 - 選択可能な搬送機構は、1つのモータを正逆方向に回転させて、直積みされた2群の商品のうちから一方の商品を払い出す直積み式搬送機構と、ぞれぞれ駆動モータが設けられた2列のチェーンエレベータにより商品を1つずつ載せた商品受け台を移動させて商品を払い出すチェーンエレベータ式搬送機構と、電磁ソレノイドに通電することにより商品を払い出すサーペンタイン式搬送機構などの電磁ソレノイド式搬送機構とのうちの、少なくとも2種類を含む請求項1に記載の自動販売機の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34476598A JP3815908B2 (ja) | 1998-12-04 | 1998-12-04 | 自動販売機の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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