JP3815710B2 - El素子の駆動装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、EL素子の駆動装置に係わり、特に出力トランジスタとダイオードを並列に接続した回路構成を有するEL素子の駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
EL素子は、誘電物質中に特殊な蛍光物質を分散して含有させた発光体を2枚の電極で挟んだ一種のコンデンサのような構造を有している。このEL素子の2つの電極間に印加される交流電圧により、発光体の蛍光物質に交流電界が加わり蛍光物質が発光し、EL素子は点灯する。一般に、EL素子の輝度及び輝度半減寿命は印加電圧の大きさ及び印加周波数に依存することが周知である。このEL素子の輝度の長寿命化を保証するには直流重畳のない交流電圧、つまり正と負で同じ振幅を有する交流電圧をEL素子の両電極間に印加する必要がある。
【0003】
従来、複数のEL素子を制御する場合、図13あるいは図14に示すようなEL素子の駆動回路を構成していた。図13において、EL素子(L1、L2‥‥、Ln)はそれぞれリレースイッチ(S1、S2‥‥、Sn)に直列に接続され、そして直流重畳のない正弦波の交流電圧を発生する交流電源30に接続されて閉回路を構成している。また、図14は、図13におけるリレースイッチ(S1、S2‥‥、Sn)の代わりにトライアック(T1、T2‥‥、Tn)を用いた場合の回路構成を示している。リレースイッチ及びトライアックは、交流電流をオン/オフ制御することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、リレースイッチ及びトライアックなどのスイッチは形状が大きいため、これらの従来の回路構成は、薄型高輝度という利点を生かし装置の小型化に寄与するために多用されるEL素子の駆動には不向きであり、特に、多数のEL素子を駆動する場合にはその不向きさが顕著に現れていた。
交流電源回路を半導体集積回路として形成するには、例えば、図15に示す回路の構成が考えられる。図15において、EL素子L1の両電極にはそれぞれ2つのバイポーラトランジスタ(31〜34)の一方の電極に接続され、この4つのトランジスタ(31〜34)の他方の電極は直流電源及び接地電位点にそれぞれ接続されている。直流電源に接続されたトランジスタ(31、33)と接地電位点に接続されたトランジスタ(32、34)を交互にオン/オフ制御することで交流電圧をEL素子に印加することができる。しかし、EL素子の両電極に印加される交流電圧(Vx、Vy)は図16に示すように矩形波の波形を有し、この矩形波の交流電圧によるEL素子の駆動は、印加電圧の急激な変化を伴うのでEL素子にかかる負担が大きくなり、EL素子の寿命を短くしてしまい好ましくない。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するために成されたものであり、その目的は、寿命を短縮することなく、小型で安価な回路構成でEL素子を駆動することができるEL素子の駆動装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成する本発明の特徴は、2つの電極を有するEL素子と、このEL素子の一方の電極に一方の電極は接続され、接地電位点に他方の電極は接続された、交流電圧を供給する交流電源と、EL素子の他方の電極に接続された第1のダイオードによりEL素子から交流電源に向かう方向の通電を許容される第1の通電回路と、EL素子の他方の電極に接続された第2のダイオードにより交流電源からEL素子に向かう方向の通電を許容される第2の通電回路と、交流電源から供給される交流電圧の正負の変化に同期して第1及び第2の通電回路をオン/オフ制御する通電制御回路とを有するEL素子の駆動装置であることである。
【0007】
本発明によれば、EL素子と交流電源との間の通電方向を規定するダイオードを有する第1及び第2の通電回路とこれらをオン/オフ制御する通電制御回路とにより、EL素子に流れる交流電流をオン/オフ制御することができる。したがって、交流電圧を用いて寿命を短縮することなくEL素子を駆動し、且つ、EL素子を駆動するためのスイッチをIC化(集積化)することができ、さらに、このEL駆動用ICとしてスイッチを内蔵した一般のICを使用することができる。したがって、寿命を短縮することなく、小型で安価な回路構成でEL素子を駆動することができるEL素子の駆動装置を提供することができる。
【0008】
「交流電源」は、周波数が数十乃至1000Hzの交流電圧を供給する交流電源が好ましい。さらに好ましくは、振幅が100Vで、周波数が400Hzの交流電圧を供給する交流電源であることである。
【0009】
また、本発明において、「EL素子」は複数設けられており、「第1の通電回路」及び「第2の通電回路」は複数のEL素子に対応してそれぞれ複数有することとしてもよい。そして、「通電制御回路」は、複数の第1及び第2の通電回路を各EL素子に対応する各第1及び第2の通電回路ごとにオン/オフ制御するように構成されていることとしてもよい。
【0010】
さらに、本発明において、「EL素子」の他方の電極には「第1のダイオード」の一方の電極が接続されており、「第1の通電回路」は、そのオン時に「第1のダイオード」の他方の電極を接地電位とする手段を有している一方、「第2のダイオード」の一方の電極は「EL素子」の他方の電極に接続されており、「第2のダイオード」の他方の電極は接地電位点に接続されていることとしてもよい。
【0011】
また、本発明において、「通電制御回路」は、「交流電源」から供給される交流電圧が負電位である間、「第1の通電回路」をオン制御すると共に「第2の通電回路」をオフ制御し、且つ、「交流電源」から供給される交流電圧が正電位である間、「第1の通電回路」をオフ制御すると共に「第2の通電回路」をオン制御する手段を有していることとしてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図面の記載において同一又は類似な部分には同一又類似な符号を付している。
【0013】
(第1の参考例)
図1は本発明の第1の参考例に係わるEL素子の駆動装置の構成を示す回路図である。図1に示すように、EL素子の駆動装置は、2つの電極を有する複数のEL素子(L1、L2‥‥、Ln)と、複数のEL素子(L1、L2‥‥、Ln)の一方の電極に接続された複数の出力端子(B1、B2‥‥、Bn)と入力端子15とを少なくとも有する第1のEL駆動用IC5と、複数のEL素子(L1、L2‥‥、Ln)の他方の電極に接続された複数の出力端子(B1、B2‥‥、Bn)と入力端子16とを少なくとも有する第2のEL駆動用IC6と、第1のEL駆動用IC5の入力端子15に一方の電極は接続され、接地電位点に他方の電極は接続された、正弦波の交流電圧を供給する第1の交流電源9と、第2のEL駆動用IC6の入力端子16に一方の電極は接続され、接地電位点に他方の電極は接続された、第1の交流電源9が供給する交流電圧と同一の波形であり位相が180度だけずれた正弦波の交流電圧を供給する第2の交流電源10とを有する。また、図1において、第1の直流電源11は第1のEL駆動用IC5の動作に必要な電力を供給し、第2の直流電源12は第2のEL駆動用IC6の動作に必要な電力を供給している。
【0014】
図2は第1及び第2のEL駆動用IC(5、6)の具体的な回路の構成を示す図である。第1及び第2のEL駆動用IC(5、6)の回路は同じ構成を有している。図2に示すように、EL駆動用IC5(又は6)は、複数の出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)と、複数の出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)にそれぞれ並列に接続された複数のダイオード(D1、D2‥‥、Dn)と、複数の出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)の制御電極に接続されたラッチ回路部4と、ラッチ回路部4に接続されたシフトレジスタ回路部3とから構成されている。複数の出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)の一方の電極は複数の出力端子(B1、B2‥‥、Bn)にそれぞれ接続され、他方の電極は入力端子15に接続されている。
【0015】
複数のEL素子(L1、L2‥‥、Ln)の点灯を制御するデータ信号はシフトレジスタ回路部3に送信され、データ信号に同期したクロック信号により、制御データはシフトレジスタ回路部3に蓄えられる。シフトレジスタ回路部3に蓄えられている制御データはラッチ信号を受けたラッチ回路部4により取り込まれ、保持される。各出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)の制御電極に接続されたラッチ回路部4が保持している制御データに従って、各出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)がオン/オフ制御される。
【0016】
出力トランジスタとして、バイポーラトランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)あるいは電界効果トランジスタを用いることが望ましい。電界効果トランジスタとして、接合型電界効果トランジスタあるいはMOS型電界効果トランジスタ(F1、F2‥‥、Fn)を用いればよい。バイポーラトランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)の場合はエミッタとコレクタ間に、電界効果トランジスタの場合はソースとドレイン間に、それぞれダイオード(D1、D2‥‥、Dn)が並列に接続されている。ダイオード(D1、D2‥‥、Dn)の順方向は、npnバイポーラトランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)の場合はエミッタからコレクタへ向かう方向、nチャンネルMOS型電界効果トランジスタ(F1、F2‥‥、Fn)の場合はソースからドレインへ向かう方向に向いている。これらのトランジスタの極性が逆になった場合にはダイオード(D1、D2‥‥、Dn)の順方向の向きも逆方向になる。ただし、第1のEL駆動用IC5内のダイオード(D1、D2‥‥、Dn)と第2のEL駆動用IC6内のダイオード(D1、D2‥‥、Dn)は順方向が同じ向きを向いている必要がある。また、制御電極とは、バイポーラトランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)の場合はベース電極を示し、電界効果トランジスタ(T1、F2‥‥、Fn)の場合はゲート電極を示す。
【0017】
図2において、出力トランジスタはnpnバイポーラトランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)を使用している。図3は、図2におけるnpnバイポーラトランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)の代わりにnチャンネルMOS型電界効果トランジスタ(F1、F2‥‥、Fn)を使用した場合のEL駆動用IC5(又は6)の回路構成を示している。どちらのタイプの出力トランジスタを使用しても、出力トランジスタはスイッチング素子として機能する。第1の参考例においては、出力トランジスタとしてバイポーラトランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)を使用し、ダイオード(D1、D2‥‥、Dn)の順方向は入力端子15(又は16)から出力端子(B1、B2‥‥、Bn)へ向いている場合について説明する。
【0018】
図1に示すように、第1のEL駆動用IC5は接地電位に対して第1の交流電源9から供給される交流電圧の上で動作する。同様に、第2のEL駆動用IC6は接地電位に対して第2の交流電源10から供給される交流電圧の上で動作する。したがって、シフトレジスタ回路部3及びラッチ回路部4が外部から受信するデータ信号、クロック信号、及びラッチ信号の受け渡しには、電気的絶縁の必要性からフォトカプラあるいは絶縁トランスなどを用いて行う。
【0019】
図4(a)は第1の交流電源9から供給される交流電圧の波形を示し、図4(b)は、第2の交流電源10から供給される交流電圧の波形を示す。図4(a)及び図4(b)に示すように、第1の交流電源9及び第2の交流電源10の波形は、共に中心の電圧が+Va/2で、振幅がVaの正弦波である。また、第1の交流電源9及び第2の交流電源10の周波数は同一であるが、180゜の位相のずれがある。第1の交流電源9及び第2の交流電源10は、周波数が数十乃至1000Hzの交流電圧を発生するものを用いることが好ましい。さらに好ましくは、50Vrms 、400Hzの交流電圧を発生する交流電源を使用することである。さらに、第1及び第2の交流電源(9、10)として、家庭用の電源(100Vrms 、60Hz)を使用しても構わない。さらに、第1の交流電源9及び第2の交流電源10として、オペアンプ及び低周波増幅器を用いて所定の波形の交流電圧を発生する交流電源を作成してもよい。
【0020】
次に、図1に示すEL素子の駆動装置によるEL素子の駆動方法について、印加電圧及び電流経路に分けて説明する。図1に示すように、第1の交流電源9から供給される交流電圧は、第1のEL駆動用IC5の入力端子15に入力される。選択されたEL素子(L1、L2‥‥、Ln)に接続された図2に示す出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)、つまりシフトレジスタ回路部3に送信されたデータ信号によりオン状態になった出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)を交流電圧は通過する。そして、図1に示すように、第1のEL駆動用IC5の出力端子(B1、B2‥‥、Bn)を介して選択されたEL素子(L1、L2‥‥、Ln)の一方の電極に図4(a)に示す交流電圧が印加される。一方、第2の交流電源10から供給される交流電圧は第2のEL駆動用IC6の入力端子16に入力される。オン状態になった図2に示す出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)を交流電圧は通過する。そして、図1に示すように、第2のEL駆動用IC6の出力端子(B1、B2‥‥、Bn)を介して選択されたEL素子(L1、L2‥‥、Ln)の他方の電極に図4(b)に示す交流電圧が印加される。このように、選択されたEL素子(Ll、L2‥‥、Ln)の両電極間には振幅が2Vaで直流重畳のない、つまり正と負で同じ振幅を有する正弦波の交流電圧が印加される。
【0021】
第1の交流電源9から供給される交流電圧が第2の交流電源10から供給される交流電圧よりも高いとき、以下に示すようにして選択されたEL素子(L1、L2‥‥、Ln)に電流が流れる。第1の交流電源9から入力端子15を介して第1のEL駆動用IC5のダイオード(D1、D2‥‥、Dn)を通り、第1のEL駆動用IC5の出力端子(B1、B2‥‥、Bn)を介して選択されたEL素子(Ll、L2‥‥、Ln)に電流が流れる。そして、選択されたEL素子(L1、L2‥‥、Ln)から、第2のEL駆動用IC6の出力端子(B1、B2‥‥、Bn)を介して第2のEL駆動用IC6のオン状態になった出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)を通り、入力端子16を介して第2の交流電源10に電流が流れる。一方、第1の交流電源9から供給される交流電圧が第2の交流電源10から供給される交流電圧よりも低いとき、以下のようにして選択されたEL素子(L1、L2‥‥、Ln)に電流が流れる。第2の交流電源10から入力端子16を介して第2のEL駆動用IC6のダイオード(D1、D2‥‥、Dn)を通り、第2のEL駆動用IC6の出力端子(B1、B2‥‥、Bn)を介して選択されたEL素子(L1、L2‥‥、Ln)に電流が流れる。そして、選択されたEL素子(L1、L2‥‥、Ln)から第1のEL駆動用1C5の出力端子(B1、B2‥‥、Bn)を介して第1のEL駆動用IC5のオン状態になった出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)を通り、入力端子15を介して第1の交流電源9に電流が流れる。このように、振幅が2Vaの正弦波で直流重畳のない交流電圧が印加された選択されたEL素子(L1、L2‥‥、Ln)に交流電流が流れて、選択されたEL素子(Ll、L2‥‥、Ln)は点灯する。
【0022】
以上説明したように、本発明の第1の参考例によれば、出力トランジスタと出力トランジスタに並列に接続されたダイオードとからなるスイッチ素子により交流電流をオン/オフ制御することができる。したがって、複数のEL素子を、直流重畳のない正弦波を用いてEL素子の寿命を短縮することなく駆動し、且つ、多数のEL素子を駆動するための多数のスイッチをIC化(集積化)することができ、さらに、このEL駆動用ICとして多数のスイッチを内蔵した一般のICを使用することができる。したがって、多数のEL素子を寿命を短縮することなく、小型で安価な回路構成で駆動することができる。
【0023】
(第2の参考例)
第2の参考例では、複数のEL素子の一方の電極にのみ図2あるいは図3に示したEL駆動用IC5(又は6)が接続され、他方の電極には直接に交流電源が接続された場合について説明する。
【0024】
図5は第2の参考例に係わるEL素子の駆動装置の回路構成を示す図である。図5に示すように、第2の参考例に係わるEL素子の駆動装置は、2つの電極を有する複数のEL素子(L1、L2‥‥、Ln)と、複数のEL素子(L1、L2‥‥、Ln)の一方の電極に接続された複数の出力端子(B1、B2‥‥、Bn)と入力端子17とを少なくとも有するEL駆動用IC6と、複数のEL素子(Ll、L2‥‥、Ln)の他方の電極に一方の電極は接続され、接地電位点に他方の電極は接続された、正弦波の交流電圧を供給する第1の交流電源9と、EL駆動用IC6の入力端子17に一方の電極は接続され、接地電位点に他方の電極は接続された、第1の交流電源9が供給する交流電圧と同一の波形であり位相が180度だけずれた正弦波の交流電圧を供給する第2の交流電源10とを有する。また、図5において、直流電源13はEL駆動用IC6の動作に必要な電力を供給している。
【0025】
EL駆動用IC6は第1の参考例において図2あるいは図3を参照して説明したように同じ回路構成を有する。つまり、EL駆動用IC6は、複数の出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn又はF1、F2‥‥、Fn)と、複数の出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn又はF1、F2‥‥、Fn)にそれぞれ並列に接続された複数のダイオード(D1、D2‥‥、Dn)と、複数の出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn又はF1、F2‥‥、Fn)の制御電極に接続されたラッチ回路部4と、ラッチ回路部4に接続されたシフトレジスタ回路部3とから構成されている。複数の出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn又はF1、F2‥‥、Fn)の一方の電極は複数の出力端子(B1、B2‥‥、Bn)にそれぞれ接続され、他方の電極は入力端子17に接続されている。
【0026】
データ信号に同期したクロック信号により、シフトレジスタ回路部3に蓄えられた制御データは、ラッチ信号を受けたラッチ回路部4により取り込まれ、保持される。各出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)の制御電極に接続されたラッチ回路部4が保持している制御データに従って、各出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)がオン/オフ制御される。
【0027】
出力トランジスタはバイポーラトランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)あるいは電界効果トランジスタ(F1、F2‥‥、Fn)を用いることが望ましい。バイポーラトランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)の場合はエミッタとコレクタ間に、電界効果トランジスタの場合はソースとドレイン間に、それぞれダイオード(D1、D2‥‥、Dn)が並列に接続されている。ダイオード(D1、D2‥‥、Dn)の順方向は、npnバイポーラトランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)の場合はエミッタからコレクタへ向かう方向、nチャンネルMOS型電界効果トランジスタ(F1、F2‥‥、Fn)の場合はソースからドレインへ向かう方向に向いている。これらのトランジスタの極性が逆になった場合にはダイオード(D1、D2‥‥、Dn)の順方向の向きも逆方向になる。また、制御電極とは、バイポーラトランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)の場合はベース電極を示し、電界効果トランジスタ(F1、F2‥‥、Fn)の場合はゲート電極を示す。第2の参考例においては、出力トランジスタとしてnpnバイポーラトランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)を使用し、ダイオード(D1、D2‥‥、Dn)の順方向は入力端子17から出力端子(B1、B2‥‥、Bn)へ向いている場合について説明する。
【0028】
EL駆動用IC6は接地電位に対して第2の交流電源10から供給される交流電圧の上で動作する。したがって、第1の参考例と同様にシフトレジスタ回路部3及びラッチ回路部4が外部から受信するデータ信号、クロック信号、及びラッチ信号の受け渡しには、電気的絶縁の必要性からフォトカプラあるいは絶縁トランスなどを用いて行う。
【0029】
第1の交流電源9及び第2の交流電源10から供給される交流電圧はそれぞれ第1の参考例において図4(a)及び図4(b)に示したように、共に中心の電圧が+Va/2で、振幅がVaの正弦波である。また、周波数は同一であるが、180゜の位相のずれがある。第1の交流電源9及び第2の交流電源10から供給される交流電圧の周波数は、数十乃至1000Hzが好ましい。さらに好ましくは、50Vrms 、400Hzの交流電圧である。第1の交流電源9及び第2の交流電源10として、家庭用の電源(10OVrms 、60Hz)、あるいはオペアンプ及び低周波増幅器を用いて作成された交流電源を用いてもよい。
【0030】
次に、図5に示すEL素子の駆動装置によるEL素子の駆動方法について、印加電圧及び電流経路に分けて説明する。第1の交流電源9から供給される図4(a)に示す交流電圧は直接に総てのEL素子(L1、L2‥‥、Ln)の一方の電極に印加される。一方、第2の交流電源10から供給される図4(b)に示す交流電圧は入力端子17に入力される。EL駆動用IC6のON状態になった出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)を交流電圧は通過する。そして、出力端子(B1、B2‥‥、Bn)を介して選択されたEL素子(L1、L2‥‥、Ln)の他方の電極に交流電圧が印加される。このように、選択されたEL素子(L1、L2‥‥、Ln)の両電極間には振幅が2Vaで直流重畳のない、つまり正と負で同じ振幅を有する正弦波の交流電圧が印加される。
【0031】
第1の交流電源9から供給される交流電圧が第2の交流電源10から供給される交流電圧よりも高いとき、選択されたEL素子(L1、L2‥‥、Ln)には、第1の交流電源9から直接に電流が流れる。そして、選択されたEL素子(L1、L2‥‥、Ln)から、出力端子(B1、B2‥‥、Bn)を介してEL駆動用IC6のオン状態になった出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)を通り、入力端子17を介して第2の交流電源10に電流が流れる。また、選択されていないEL素子(L1、L2‥‥、Ln)に接続された出力トランジスタ、つまり、オフ状態の出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)に並列に接続されたダイオード(D1、D2‥‥、Dn)には、逆方向の電圧が印加されて抵抗が無限大となっているため、電流は流れない。一方、第1の交流電源9から供給される交流電圧が第2の交流電源10から供給される交流電圧よりも低いとき、第2の交流電源10から入力端子17を介してEL駆動用IC6のダイオード(D1、D2‥‥、Dn)を通り、出力端子(B1、B2‥‥、Bn)を介して選択されたEL素子(L1、L2‥‥、Ln)に電流が流れる。そして、選択されたEL素子(L1、L2‥‥、Ln)から第1の交流電源9に電流が流れる。また、オフ状態の出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)に並列に接続されたダイオード(D1、D2‥‥、Dn)は、順方向の電圧が印加されて電流が流れる。つまり、選択されていないEL素子(L1、L2‥‥、Ln)にも電流が流れることになる。しかし、EL素子(L1、L2‥‥、Ln)は小容量のコンデンサであり、ダイオードの順方向にのみ電圧が印加されるため、実際にはEL素子(L1、L2‥‥、Ln)は常に約+Vaに充電した状態となっている。つまり、ダイオードの順方向の電流だけがEL素子(L1、L2‥‥、Ln)に流れることはない。したがって、非選択のEL素子(L1、L2‥‥、Ln)は点灯しない。また、充電状態が与えるEL素子(L1、L2‥‥、Ln)の寿命の短縮については無視できるため実用上問題はない。したがって、EL素子(L1、L2‥‥、Ln)の寿命に影響を与えずに、選択されたEL素子(L1、L2‥‥、Ln)のみを点灯させることができる。
【0032】
以上説明したように、本発明の第2の参考例によれば、第1の参考例と同様に、出力トランジスタと出力トランジスタに並列に接続されたダイオードとからなるスイッチ素子により交流電流をオン/オフ制御することができる。したがって、複数のEL素子を、直流重畳のない正弦波を用いてEL素子の寿命を短縮することなく駆動し、且つ、多数のEL素子を駆動するための多数のスイッチをIC化(集積化)することができ、さらに、このEL駆動用ICとして多数のスイッチを内蔵した一般のICを使用することができる。したがって、多数のEL素子を寿命を短縮することなく、小型で安価な回路構成で駆動することができる。
【0033】
さらに、EL素子の一方の電極にのみEL駆動用ICを接続した回路構成を有するため、回路の形成する領域を約半分に抑えて、回路構成を簡略にすることができる。
【0034】
(第3の参考例)
第3の参考例では、複数のEL素子の一方の電極にのみ図2あるいは図3に示したEL駆動用IC5(又は6)が接続され、他方の電極には直接に交流電源が接続された場合について説明する。さらに、使用する交流電源の数を1つにした場合について説明する。
【0035】
図6は第3の参考例に係わるEL素子の駆動装置の回路構成を示す図である。図6に示すように、第3の参考例に係わるEL素子の駆動装置は、2つの電極を有する複数のEL素子(L1、L2‥‥、Ln)と、複数のEL素子(L1、L2‥‥、Ln)の一方の電極に接続された複数の出力端子(B1、B2‥‥、Bn)と接地電位点に接続された入力端子17とを少なくとも有するEL駆動用IC6と、複数のEL素子(L1、L2‥‥、Ln)の他方の電極に一方の電極は接続され、接地電位点に他方の電極は接続された、直流重畳のない正弦波の交流電圧を供給する交流電源14とを有する。また、図6において、直流電源13はEL駆動用IC6の動作に必要な電力を供給している。
【0036】
EL駆動用IC6は第1の参考例において図2あるいは図3を参照して説明したような同じ回路構成を有する。つまり、EL駆動用IC6は、複数の出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn又はF1、F2‥‥、Fn)と、複数の出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn又はF1、F2‥‥、Fn)にそれぞれ並列に接続された複数のダイオード(D1、D2‥‥、Dn)と、複数の出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn又はF1、F2‥‥、Fn)の制御電極に接続されたラッチ回路部4と、ラッチ回路部4に接続されたシフトレジスタ回路部3とから構成されている。複数の出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn又はF1、F2‥‥、Fn)の一方の電極は複数の出力端子(B1、B2‥‥、Bn)にそれぞれ接続され、他方の電極は入力端子17に接続されている。
【0037】
データ信号に同期したクロック信号により、シフトレジスタ回路部3に蓄えられた制御データは、ラッチ信号を受けたラッチ回路部4により取り込まれ、保持される。各出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)の制御電極に接続されたラッチ回路部4が保持している制御データに従って、各出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)がオン/オフ制御される。
【0038】
出力トランジスタはバイポーラトランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)あるいは電界効果トランジスタ(F1、F2‥‥、Fn)を用いることが望ましい。バイポーラトランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)の場合はエミッタとコレクタ間に、電界効果トランジスタの場合はソースとドレイン間に、それぞれダイオード(D1、D2‥‥、Dn)が並列に接続されている。ダイオード(D1、D2‥‥、Dn)の順方向は、npnバイポーラトランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)の場合はエミッタからコレクタへ向かう方向、nチャンネルMOS型電界効果トランジスタ(F1、F2‥‥、Fn)の場合はソースからドレインへ向かう方向に向いている。これらのトランジスタの極性が逆になった場合にはダイオード(D1、D2‥‥、Dn)の順方向の向きも逆方向になる。また、制御電極とは、バイポーラトランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)の場合はベース電極を示し、電界効果トランジスタ(F1、F2‥‥、Fn)の場合はゲート電極を示す。第3の参考例においては、出力トランジスタとしてnpnバイポーラトランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)を使用し、ダイオード(D1、D2‥‥、Dn)の順方向は入力端子17から出力端子(B1、B2‥‥、Bn)へ向いている場合について説明する。
【0039】
第3の参考例では、第1及び第2の参考例とは異なり、EL駆動用1C6は接地電位の上で動作する。したがって、シフトレジスタ回路部3及びラッチ回路部4が外部から受信するデータ信号、クロック信号、及びラッチ信号の受け渡しには、フォトカプラあるいは絶縁トランスなどを用いて行う必要はない。
【0040】
図7は、図6に示す交流電源14が供給する交流電圧の波形を示す図である。図7に示すように、交流電源14が供給する交流電圧の波形は、直流重畳のない正弦波の交流電圧、つまり正と負で同じ振幅を有する正弦波である。また、図4に示す第1及び第2の交流電源(9、10)が供給する交流電圧の波形と比して、周波数は同じであるが、振幅は2倍(Vb=2Va)である。交流電源14から供給される交流電圧の周波数は、数十乃至1000Hzが好ましい。さらに好ましくは、100Vrms 、400Hzの交流電圧を発生する交流電源である。交流電源14として、家庭用の電源(100Vrms 、60Hz)、あるいはオペアンプ及び低周波増幅器を用いて作成された交流電源を用いてもよい。
【0041】
交流電源14から供給される交流電圧がプラスの時は、交流電源14から直接にEL素子(L1、L2‥‥、Ln)に電流が流れ、EL素子(L1、L2‥‥、Ln)から出力端子(B1、B2‥‥、Bn)を介して図2に示すON状態の出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)を通り、入力端子17を介して接地電位点に電流が流れる。また、選択されていないEL素子(L1、L2‥‥、Ln)は、出力トランジスタ(Q1、Q2‥‥、Qn)がOFF状態であり、またダイオード(D1、D2‥‥、Dn)に逆方向の電圧が印加されるので、電流は流れない。一方、交流電圧がマイナスの時は、接地電位点から入力端子17を介して図2に示すダイオード(D1、D2‥‥、Dn)を通り、出力端子(B1、B2‥‥、Bn)を介して選択されたEL素子(L1、L2‥‥、Ln)に電流が流れ、そして、交流電源14に電流が流れる。また、選択されていないEL素子(L1、L2‥‥、Ln)は、ダイオード(D1、D2‥‥、Dn)に順方向の電圧が印加され、電流が流れることになる。しかし、EL素子(L1、L2‥‥、Ln)は小容量のコンデンサであり、ダイオードの順方向にのみ電圧が印加されるため、実際にはEL素子(L1、L2‥‥、Ln)は常に約+Vb/2に充電した状態となっている。つまり、ダイオードの順方向の電流だけがEL素子(L1、L2‥‥、Ln)に流れることはない。したがって、非選択のEL素子(L1、L2‥‥、Ln)は点灯しない。また、充電状態が与えるEL素子(L1、L2‥‥、Ln)の寿命の短縮については無視できるため実用上問題はない。したがって、EL素子(L1、L2‥‥、Ln)の寿命に影響を与えずに、選択されたEL素子(L1、L2‥‥、Ln)のみを点灯させることができる。
【0042】
以上説明したように、本発明の第3の参考例によれば、第1及び第2の参考例と同様に、出力トランジスタと出力トランジスタに並列に接続されたダイオードとからなるスイッチ素子により交流電流をオン/オフ制御することができる。したがって、複数のEL素子を、直流重畳のない正弦波を用いてEL素子の寿命を短縮することなく駆動し、且つ、多数のEL素子を駆動するための多数のスイッチをIC化(集積化)することができ、さらに、このEL駆動用ICとして多数のスイッチを内蔵した一般のICを使用することができる。したがって、多数のEL素子を寿命を短縮することなく、小型で安価な回路構成で駆動することができる。
【0043】
また、第2の参考例と同様に、EL素子の一方の端子にのみEL駆動用ICを接続した回路構成を有するため、回路の形成する領域を約半分に抑えて、回路構成を簡略にすることができる。
【0044】
さらに、EL駆動用ICを接地電位上で動作させることができるので、外部とのデータ信号、クロック信号、及びラッチ信号の受け渡しにおいて、フォトカプラや絶縁トランスなどを用いた電気的絶縁を必要としない。また、使用する交流電源も1種類だけでよい。なお、この正と負の電圧を供給する交流電源には正と負の2つの電源が必要となり、また、正弦波を作る増幅器にかかる電圧も2倍となることに注意する必要がある。
【0045】
(実施の形態)
そして、以下、本発明の実施の形態となる、複数のEL素子の一方の電極には直接に交流電源が接続され、他方の電極には、図2あるいは図3に示したEL駆動用IC5(又は6)とは異なる回路が接続された場合について説明する。さらに、使用する交流電源の数を1つにした場合について説明する。
【0046】
図8は本発明の実施の形態に係わるEL素子の駆動装置の回路構成を示す図である。図8に示すように、本実施の形態に係わるEL素子の駆動装置は、2つの電極を有する複数のEL素子(L1、L2‥‥、Ln)と、複数のEL素子(L1、L2‥‥、Ln)の一方の電極に一方の電極は接続され、接地電位点に他方の電極は接続された、直流重畳のない正弦波の交流電圧を供給する交流電源14と、複数のEL素子(L1、L2‥‥、Ln)の他方の電極に接続された出力端子18と、接地電位点に接続された入力端子19とを少なくとも有する複数のEL駆動用回路(G1、G2‥‥、Gn)と、を有する。
【0047】
図9に示すように、EL駆動用回路(G1、G2‥‥、Gn)は互いに同じ回路構成を有する。つまり、EL素子L1に対応するEL駆動用回路G1は、エミッタがEL駆動用回路G1の動作に必要な電力(電圧=Vcc)を供給する直流電源20に接続されたpnpトランジスタQ11、pnpトランジスタQ11のコレクタに+側が接続された、直流電源20の電位であるVcc分の電圧降下を生じるツェナーダイオード、抵抗等による電圧降下素子21、電圧降下素子21の−側にアノードが接続された第1のダイオードD11、第1のダイオードD11のカソードにアノードが接続された第2のダイオードD12、並びに、第2のダイオードD12のカソードにコレクタが接続されたnpnトランジスタQ12を有しており、第1のダイオードD11のカソードと第2のダイオードD12のアノードとの接続点にEL駆動用回路G1の出力端子18が接続されている。
【0048】
そして、npnトランジスタQ12のエミッタは入力端子19に接続されており、反転回路22を介してEL素子L1の点灯を制御するデータ信号が入力されるpnpトランジスタQ11のベースには、pnpトランジスタQ11のエミッタが接続されていると共に、EL素子L1の点灯を制御するデータ信号が入力されるnpnトランジスタQ12のベースには、npnトランジスタQ12のエミッタが接続されており、他のEL素子(L2‥‥、Ln)に対応するEL駆動用回路(G2‥‥、Gn)も、上述したEL素子L1に対応するEL駆動用回路G1と同様に構成されている。
【0049】
ちなみに、本実施の形態では、EL駆動用回路(G1、G2‥‥、Gn)の直流電源20、pnpトランジスタQ11、電圧降下素子21、並びに、第1のダイオードD11が第1の通電回路を構成し、EL駆動用回路(G1、G2‥‥、Gn)の第2のダイオードD12及びnpnトランジスタQ12が第2の通電回路を構成し、入力端子19及び反転回路22が第1及び第2の通電回路をオン/オフ制御する通電制御回路を構成する。
【0050】
本実施の形態では、第3の参考例のEL駆動用1C6と同様に、EL駆動用回路(G1、G2‥‥、Gn)は接地電位の上で動作する。したがって、pnpトランジスタQ11やnpnトランジスタQ12が外部から受信するデータ信号の受け渡しには、フォトカプラあるいは絶縁トランスなどを用いて行う必要はない。
【0051】
また、本実施の形態では、交流電源14が供給する交流電圧は第3の参考例の交流電源14が供給する交流電圧と同じ、図7に示す波形である。交流電源14から供給される交流電圧の周波数は、数十乃至1000Hzが好ましい。さらに好ましくは、100Vrms 、400Hzの交流電圧を発生する交流電源である。交流電源14として、家庭用の電源(100Vrms 、60Hz)、あるいはオペアンプ及び低周波増幅器を用いて作成された交流電源を用いてもよい。
【0052】
EL素子L1の点灯を制御するデータ信号のOFF時には、反転回路22により直流電源20の電位Vccと等しい電位となってベースにバイアスがかからないpnpトランジスタQ11のエミッタ−コレクタ間が非導通状態になり、また、OFFのデータ信号がそのままベースに作用するnpnトランジスタQ12のエミッタ−コレクタ間も非導通状態になるので、EL駆動用回路G1は開回路状態となる。
【0053】
一方、EL素子L1の点灯を制御するデータ信号のON時には、反転回路22によりデータ信号のOFFレベルに電位が下がってベースにバイアスがかかったpnpトランジスタQ11のエミッタ−コレクタ間が導通状態になり、また、ONのデータ信号がそのままベースに作用するnpnトランジスタQ12のエミッタ−コレクタ間も導通状態になるので、EL駆動用回路G1は閉回路状態となる。
【0054】
すると、pnpトランジスタQ11を介して直流電源20に+側が接続された電圧降下素子21におけるVcc分の電圧降下により、電圧降下素子21の−側にアノードが接続された第1のダイオードD11のカソードが接地電位となり、また、npnトランジスタQ12を介してカソードが接地電位点に接続される第2のダイオードD12のアノードも接地電位となるので、EL駆動用回路G1の出力端子18は接地電位となる。
【0055】
したがって、交流電源14の供給する正弦波の交流電圧が負電位(マイナス)である間は、相対的に電位の高い接地電位にある出力端子18から、相対的に電位の低い交流電源14に向かう方向にEL素子L1に交流電流が流れ、反対に、交流電源14の供給する正弦波の交流電圧が正電位(プラス)である間は、相対的に電位の高い正電位にある交流電源14から、相対的に電位の低い接地電位にある出力端子18に向かう方向にEL素子L1に交流電流が流れて、EL素子L1が交流電圧により点灯する。
【0056】
このため、選択されたEL素子(L1、L2‥‥、Ln)に対応するEL駆動用回路(G1、G2‥‥、Gn)にONのデータ信号が入力されることにより、出力端子18から電源14に向かう方向と、交流電源14から出力端子18に向かう方向とに、通電方向が交互に変化する交流電流が選択されたEL素子(L1、L2‥‥、Ln)に流れて、選択されたEL素子(Ll、L2‥‥、Ln)は点灯する。また、選択されていないEL素子(L1、L2‥‥、Ln)は、pnpトランジスタQ11及びnpnトランジスタQ12のエミッタ−コレクタ間がいずれも非導通状態になり、EL駆動用回路G1は開回路状態となるので、EL素子(L1、L2‥‥、Ln)に電流が流れることはない。したがって、非選択のEL素子(L1、L2‥‥、Ln)は点灯しない。
【0057】
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、EL素子と交流電源との間の通電方向を規定するダイオードを有する第1及び第2の通電回路とこれらをオン/オフ制御する通電制御回路とにより交流電流をオン/オフ制御することができる。したがって、複数のEL素子を、直流重畳のない正弦波を用いてEL素子の寿命を短縮することなく駆動し、且つ、多数のEL素子を駆動するための多数のスイッチをIC化(集積化)することができ、さらに、このEL駆動用ICとして多数のスイッチを内蔵した一般のICを使用することができる。したがって、多数のEL素子を寿命を短縮することなく、小型で安価な回路構成で駆動することができる。
【0058】
また、第2の参考例及び第3の参考例と同様に、EL素子の一方の電極にのみEL駆動用回路を接続した回路構成を有するため、回路の形成する領域を約半分に抑えて、回路構成を簡略にすることができる。
【0059】
さらに、EL駆動用回路を接地電位上で動作させることができるので、外部とのデータ信号の受け渡しにおいて、フォトカプラや絶縁トランスなどを用いた電気的絶縁を必要としない。また、使用する交流電源も1種類だけでよい。なお、この正と負の電圧を供給する交流電源には正と負の2つの電源が必要となり、また、正弦波を作る増幅器にかかる電圧も2倍となることに注意する必要がある。
【0060】
また、EL駆動用回路(G1、G2‥‥、Gn)は、pnpトランジスタQ11及びnpnトランジスタQ12に代えて、図10に示すように、pチャネル電界効果トランジスタF11及びnチャネル電界効果トランジスタF12を用いて構成することもできる。
【0061】
さらに、EL駆動用回路(G1、G2‥‥、Gn)は、電圧降下素子21を省略し、その代わりに、図11に示すように、pnpトランジスタQ11のベースに、反転回路22に代えて否定論理積回路23を介して外部からのデータ信号が作用するように構成し、且つ、npnトランジスタQ12のベースに、論理積回路24を介して外部からのデータ信号が作用するように構成して、否定論理積回路23には、外部からのデータ信号と、交流電源14の供給する正弦波の交流電圧の負電位(マイナス)領域分とを入力し、論理積回路24には、外部からのデータ信号と、交流電源14の供給する正弦波の交流電圧の正電位(プラス)領域分とを入力して、pnpトランジスタQ11のエミッタ−コレクタ間とnpnトランジスタQ12のエミッタ−コレクタ間とが同時に導通状態となり貫通電流が流れるのを、電圧降下素子21によらずに防ぐように構成することもできる。
【0062】
なお、上述した第1乃至第3の各参考例や、本実施の形態では、第1の交流電源9や第2の交流電源10、あるいは、交流電源14によってEL素子に印加する交流電圧を、図7に示したように正弦波としたが、印加する交流電圧の波形は正弦波に限らず、矩形波以外のように大幅な電圧変化を起こさず電位が徐変するものであれば、たとえば図12(a)乃至図12(c)に示したように、三角波や台形波、疑似正弦波のような波形であってもよい。
【0063】
また、上述した第1乃至第3の各参考例や、本実施の形態では、複数のEL素子(L1、L2‥‥、Ln)を駆動するのにあわせて、EL駆動用IC5、6、7を構成する出力トランジスタとしてのバイポーラトランジスタQ1、Q2‥‥、Qnや電界効果トランジスタF1、F2‥‥、Fn、あるいは、ダイオードD1、D2‥‥、Dn、又は、EL駆動用回路(G1、G2‥‥、Gn)を複数設ける場合について説明したが、本発明はEL駆動用ICを構成する単一の出力トランジスタやダイオード、又は、単一のEL駆動用回路を用いて、単一のEL素子を駆動する場合にも、適用可能である。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、寿命を短縮することなく、小型で安価な回路横成でEL素子を駆動することができるEL素子の駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の参考例に係わるEL素子の駆動装置の構成を示す図である。
【図2】 図1におけるEL駆動用ICの構成を示す図である(その1)。
【図3】 図1におけるEL駆動用ICの構成を示す図である(その2)。
【図4】 図4(a)は、図1における第1の交流電源から供給される交流電圧の波形を示す図であり、図4(b)は、図1における第2の交流電源から供給される交流電圧の波形を示す図である。
【図5】 本発明の第2の参考例に係わるEL素子の駆動装置の構成を示す図である。
【図6】 本発明の第3の参考例に係わるEL素子の駆動装置の構成を示す図である。
【図7】 図6における交流電源から供給される交流電圧の波形を示す図である。
【図8】 本発明の実施の形態に係わるEL素子の駆動装置の構成を示す図である。
【図9】 図8におけるEL駆動用回路の他の構成を示す図である(その1)。
【図10】 図8におけるEL駆動用回路の他の構成を示す図である(その2)。
【図11】 図8におけるEL駆動用回路の他の構成を示す図である(その3)。
【図12】 図12(a)乃至図12(c)は図6における交流電源から供給することのできる交流電圧の他の波形を示す図である。
【図13】 従来のEL素子の駆動装置を示す図である(その1)。
【図14】 従来のEL素子の駆動装置を示す図である(その2)。
【図15】 従来のEL素子の駆動装置を示す図である(その3)。
【図16】 図12においてEL素子の両電極にそれぞれ印加される交流電圧の波形を示す図である。
【符号の説明】
3 シフトレジスタ回路部
4 ラッチ回路部
5、6、7 (第1及び第2の)EL駆動用IC
9 第1の交流電源
10 第2の交流電源
11 第1の直流電源
12 第2の直流電源
13、20 直流電源
14、30 交流電源
15、16、17、19 入力端子
18、B1、B2‥‥、Bn 出力端子
21 電圧降下素子
22 反転回路
23 否定論理積回路
24 論理積回路
31、32、33、34 バイポーラトランジスタ
D1、D2‥‥、Dn、D11、D12 ダイオード
F1、F2‥‥、Fn 電界効果トランジスタ
F11 pチャネル電界効果トランジスタ
F12 nチャネル電界効果トランジスタ
G1、G2‥‥、Gn EL駆動用回路
L1、L2‥‥、Ln EL素子
Q1、Q2‥‥、Qn バイポーラトランジスタ
Q11 pnpトランジスタ
Q12 npnトランジスタ
S1、S2‥‥、Sn リレースイッチ
T1、T2‥‥、Tn トライアック

Claims (5)

  1. 2つの電極を有するEL素子と、
    前記EL素子の一方の電極に一方の電極は接続され、接地電位点に他方の電極は接続された、交流電圧を供給する交流電源と、
    前記EL素子の他方の電極に接続された第1のダイオードにより前記EL素子から前記交流電源に向かう方向の通電を許容される第1の通電回路と、
    前記EL素子の他方の電極に接続された第2のダイオードにより前記交流電源から前記EL素子に向かう方向の通電を許容される第2の通電回路と、
    前記交流電源から供給される交流電圧の正負の変化に同期して前記第1及び第2の通電回路をオン/オフ制御する通電制御回路と
    を有することを特徴とするEL素子の駆動装置。
  2. 前記交流電源から供給される交流電圧の振幅は100Vで周波数は400Hzであることを特徴とする請求項1記載のEL素子の駆動装置。
  3. 前記EL素子は複数設けられており、
    前記第1及び第2の通電回路を前記複数のEL素子に対応してそれぞれ複数有しており、
    前記通電制御回路は、前記複数の第1及び第2の通電回路を前記各EL素子に対応する各第1及び第2の通電回路ごとにオン/オフ制御するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のEL素子の駆動装置。
  4. 前記EL素子の他方の電極には前記第1のダイオードの一方の電極が接続されており、
    前記第1の通電回路は、該第1の通電回路のオン時に前記第1のダイオードの他方の電極を接地電位とする手段を有している一方、
    前記第2のダイオードの一方の電極は前記EL素子の他方の電極に接続されており、
    前記第2のダイオードの他方の電極は接地電位点に接続されている
    ことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1記載のEL素子の駆動装置。
  5. 前記通電制御回路は、
    前記交流電源から供給される交流電圧が負電位である間、前記第1の通電回路をオン制御すると共に前記第2の通電回路をオフ制御し、且つ、前記交流電源から供給される交流電圧が正電位である間、前記第1の通電回路をオフ制御すると共に前記第2の通電回路をオン制御する手段を有している
    ことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1記載のEL素子の駆動装置。
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