JP3815682B2 - ステッピングモータ駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は,位置および速度を制御するためのステッピングモータの駆動装置に関する。
従来,ステッピングモータの電流制御系は,電流指令を固定値としている事が多い。
このため,ステッピングモータは,停止時および低速時においても所定の電流を流すため,消費電力が大きく効率が悪いという問題がある。
この改善策として,駆動時には,必要トルクが発生できるだけの電流指令を選択できるようにしている。また,停止時には,停止後所定時間に達した時に電流指令を必要最小値に下げて消費電力を抑える手法がとられている。
以下その従来例について説明する。 図3の従来例1において,ステッピングモータ27に対してPWMインバータ24でステッピングモータに所定の電圧を印加しロータを回転させる。PWMインバータ24の指令は,電流検出器25,26で検出した相電流iαf,iβfを電流制御器23に入力してステッピングモータに流す電流をα相電流指令iα*,β相電流指令iβ*と一致するように制御するものである。該α相電流指令iα*は,COS信号COS*と電流指令設定スイッチ13の設定値すなわち電流指令i*を乗じたものである。また,該β相電流指令iβ*は,SIN信号SIN*と電流指令設定スイッチ13の設定値すなわち電流指令i*を乗じたものである。該電流指令設定スイッチ13は,ステッピングモータの仕様で決定される定格電流値に対して数種類の設定ができるようになっている。例えば設定値1選択時は定格電流値に対して120%の設定値,設定値2選択時は100%(定格電流値)の設定値,設定値3選択時は80%の設定値,設定値4選択時は50%の設定値にすることができる。COS信号発生器21とSIN信号発生器22は,外部指令パルス入力端子10に加えられる指令パルスから励磁角度生成器20によって生成される励磁角度θ*を用いてCOS信号COS*とSIN信号SIN*を生成する。
図4の従来例2においては,図3と同じ構成にパルス入力/非入力判定器35とカウンタ(タイマ)36と電流指令切換スイッチ14を備える。パルス入力/非入力判定器35は,外部指令パルス入力端子10に加えられる指令パルス入力時にOFFと判定し,非入力時にONと判定する。カウンタ(タイマ)36は,ON判定時にカウンタを起動し,OFF判定時にカウンタをクリアする。電流指令切換スイッチ14は,前記カウンタ(タイマ)36のカウンタがクリアされた時にスイッチをA側に切り換えて,例えば電流指令を設定値1の定格電流値とし,前記カウンタ(タイマ)36のカウンタがフルとなった所定時間には,スイッチをB側に切り換えて電流指令を設定値2の定格電流値の半分に決定するものである。
解決しようとする問題点は前述したように,従来の方法では,予め電流指令を一定に設定してステッピングモータの電流を制御するため,消費電力が大きく,効率が悪いという問題があった。
本発明は,ステッピングモータの駆動装置において,前記問題を解決し,停止時,動作時においてもモータの負荷に応じて電流指令を可変できるように制御することを目的としている。
前記課題を解決するために本発明では, 外部指令パルスの印加ごとに正弦波状に変化するモータ巻線電流を通電し,基本ステップ角を細分化するマイクロステップ機能を有する外部指令パルスの印加ごとにモータが歩進回転するステッピングモータの駆動装置において,前記外部指令パルスから正弦波状モータ電流を発生させるための励磁角度を生成する励磁角度生成器と,電流指令によりモータの励磁電流を制御する電流制御器と,モータに流れる電流を検出する電流検出器と,ロータ回転角度を検出する角度検出器と,前記電流検出器の正弦波(交流)電流値および該角度検出器のロータ回転角度値を固定座標系から回転座標系へ変換して磁束を発生するための電流と直交してトルク発生に関与するトルク成分電流を算出する座標変換器と,該トルク成分電流を絶対値に変換する絶対値変換器と,該絶対値変換したトルク成分電流に比例した値を出力する係数1以上の比例制御器を有し,モータを駆動することができる最小電流とする電流指令値に該比例制御器出力値を加算して,モータの負荷トルクに応じて電流指令を可変するように構成する。
本発明によるステッピングモータ駆動装置は,負荷に応じて電流指令を自動的に調整することが可能である。このため,従来例のように,必要トルクが発生できるだけの電流指令を予めロジックスイッチ等のハード機構により選択する必要がない。また,本発明の前記動作により,モータの消費電力を改善することが可能となり、モータの発熱も抑えることが可能となる。
発明を実施するための最良の形態を図1に示す。
図1は本発明の実施例である。
図1において,ステッピングモータ27に対してPWMインバータ24でステッピングモータに所定の電圧を印加しロータを回転させる。PWMインバータ24の指令は,電流検出器25,26で検出した相電流iαf,iβfを電流制御器23に入力してステッピングモータに流す電流をα相電流指令iα*,β相電流指令iβ*と一致するように制御するものである。該α相電流指令iα*は,COS信号COS*と電流指令i*を乗じたものである。また,該β相電流指令iβ*は,SIN信号SIN*と電流指令i*を乗じたものである。COS信号発生器21とSIN信号発生器22は,外部指令パルス入力端子10に加えられる指令パルスから励磁角度生成器20によって生成される励磁角度θ*を用いてCOS信号COS*とSIN信号SIN*を生成する。
次に本発明の電流指令を制御する動作について詳述する。負荷トルクはモータの発生トルクであるため,モータのトルク成分電流Mqと比例関係にある。トルク成分電流Mqは,相電流iαfとiβfとステッピングモータ27に取り付けた角度検出器28の信号から角度演算器29の出力である角度検出θfとを座標変換器30で固定座標系から回転座標系に変換したものである。座標変換器30での演算は,図2のモータベクトル図の関係から数1となる。
数1,図2からステッピングモータが停止時かつ負荷トルクがゼロ時の電流ベクトルiは,図2のMd上だけに投影されるのでトルク成分電流Mq=0となる。逆に,ステッピングモータが最大トルクを出力する状態では,電流ベクトルiは,図2のMq上だけに投影されるのでトルク成分電流Mq=最大となる。前記動作は,駆動時においても同様であり,負荷トルクを検出することが可能となる。
電流指令i*は,前記トルク成分電流Mqを絶対値変換器31によって絶対値に変換し,比例制御器32で係数倍した値と,電流指令初期値34とを加算した後,リミッタ33によりリミットを掛けたものである。
モータ起動時(電源投入時)に起動トルクを得るための初期設定として,電流指令初期値34の設定値は起動トルクを得るための必要最小値とし,比例制御器32の係数は1以上とする。また,リミッタ33の最大値は電流指令増により生じる過電流,インバータ破損,モータ過発熱等から保護するための必要最大値とする。
前記手法により,負荷トルクを検出し,負荷トルクに応じて電流指令を自動的に調整することが可能となる。
尚,本発明の実施例では,角度検出器にエンコーダを用いているが例えばレゾルバなどの相当性能の検出器であれば代替が可能である。また,モータ軸直結のセンサである必要もない。また,2相ステッピングモータについて詳述したが,多相ステッピングモータにおいても本発明は適用可能である。
本発明の実施例である。 ベクトル図である。 従来例1である。 従来例2である。
符号の説明
10 外部指令パルス入力端子
11,12 乗算器
13 電流指令設定スイッチ
14 電流指令切換スイッチ
15 電流指令設定値1
16 電流指令設定値2
17 電流指令設定値3
18 電流指令設定値4
20 励磁角度生成器
21 COS信号生成器
22 SIN信号生成器
23 電流制御器
24 PWMインバータ
25,26 電流検出器
27 ステッピングモータ
28 角度検出器(エンコーダ)
29 角度演算器
30 座標変換器(αβ/dq座標変換器)
31 絶対値変換器
32 比例制御器
33 リミッタ
34 電流指令初期値
35 パルス入力/非入力判定器
36 カウンタ(タイマ)
37 電流指令設定値1
38 電流指令設定値2

Claims (1)

  1. 外部指令パルスの印加ごとに正弦波状に変化するモータ巻線電流を通電し,基本ステップ角を細分化するマイクロステップ機能を有する外部指令パルスの印加ごとにモータが歩進回転するステッピングモータの駆動装置において,前記外部指令パルスから正弦波状モータ電流を発生させるための励磁角度を生成する励磁角度生成器と,電流指令によりモータの励磁電流を制御する電流制御器と,モータに流れる電流を検出する電流検出器と,ロータ回転角度を検出する角度検出器と,前記電流検出器の正弦波(交流)電流値および該角度検出器のロータ回転角度値を固定座標系から回転座標系へ変換して磁束を発生するための電流と直交してトルク発生に関与するトルク成分電流を算出する座標変換器と,該トルク成分電流を絶対値に変換する絶対値変換器と,該絶対値変換したトルク成分電流に比例した値を出力する係数1以上の比例制御器を有し,モータを駆動することができる最小電流とする電流指令値に該比例制御器出力値を加算して,モータの負荷トルクに応じて電流指令を可変するように構成したステッピングモータ駆動装置。
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