JP3815650B2 - 写真処理機における感光材料収容マガジン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロール状に巻かれた感光材料をロール軸芯周りに回転自在に支持する感光材料支持部をマガジン本体に設け、前記マガジン本体に形成した感光材料排出口から前記ロール状の感光材料を一対の挟持ローラにより繰り出し可能に構成してある写真処理機における感光材料収容マガジンに関する。
【0002】
【従来の技術】
感光材料収容マガジンに収容する感光材料は一般にパイプ状の芯材にロール状に巻かれている。また、感光材料収容マガジンの感光材料支持部は、前記芯材に挿通させる回転支軸を設けるとともに、前記回転支軸をその軸芯周りに回転自在に支持する軸受け部をマガジン本体に設けて構成してある。
【0003】
そして、前記感光材料支持部に支持させた感光材料を、マガジン本体内のローラ機構の一対のローラにより挟持搬送して繰り出させている。
【0004】
従来、上記の写真処理機における感光材料収容マガジンでは、ロール状の感光材料を支持するのに、上記のように、ロール状の感光材料側の芯材に挿通させた回転支軸をマガジン本体側の軸受け部に支持させてあるだけであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の構成によれば、ロール状の感光材料を支持するのに、上記のように、ロール状の感光材料側の芯材に挿通させた回転支軸をマガジン本体側の軸受け部に支持させてあるだけであったために、ローラ機構の繰り出し駆動を停止させたときに、ロール状の感光材料が惰性回転して外側の感光材料部分が緩むことがあった。
【0006】
その結果、緩んだ感光材料がマガジン内壁で擦れて傷つき、プリント品質が低下するという問題があった。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、その目的はプリント品質を向上させる点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1による発明の構成・作用・効果は次の通りである。
【0009】
[構成]冒頭に記載した写真処理機における感光材料収容マガジンにおいて、ロール状の感光材料の惰性回転を防止すべく、前記ロール状の感光材料をその径方向外方側から設定圧力で押圧する回転体を、前記感光材料の繰り出しに伴って回転自在に、かつ、前記ロール状の感光材料の繰り出しによる縮径に伴って、その径方向内方側に対応する側に位置変更自在に前記マガジン本体に設け、
前記回転体を揺動自在に支持する揺動アームの揺動範囲を所定範囲内に規制するため、揺動アームの揺動基端部に設けられる第1当接部と、マガジンケースに設けられる第2当接部が互いに当接可能に構成してある。
【0010】
[作用]
[イ]前記回転体がロール状の感光材料をその径方向外方側から設定圧力で押圧しているから、繰り出し駆動停止後のロール状の感光材料の惰性回転を阻止することができる。
【0011】
[ロ]感光材料は繰り出しにより縮径していくが、前記回転体は感光材料の縮径に伴って、その径方向内方側に対応する側に位置変更していくから、感光材料が繰り出しにより縮径しても、前記[イ]と同様に繰り出し駆動停止後のロール状の感光材料の惰性回転を阻止することができる。
【0012】
[ハ]繰り出し時は回転体が感光材料の繰り出しに伴って回転することで、感光材料に対する回転体の抵抗を小さくすることができ、感光材料が傷つくのを防止することができる。
【0013】
[ニ]上記[イ]〜[ハ]によりロール状の感光材料の外側の感光材料部分が緩むのを防止することができ、従来の不具合、つまり、緩んだ感光材料がマガジン内壁で擦れて傷つくという不具合を防止することができる。
【0014】
[効果]
従って、緩んだ感光材料がマガジン内壁で擦れて傷つくという不具合を防止することができるからプリント品質を向上させることができた。
【0015】
請求項2による発明の構成・作用・効果は次の通りである。
【0016】
[構成]
請求項1による発明の構成において、前記所定数の回転体のうちの一つの回転体は、繰り出され始めて直線状になった感光材料と、ロール状の感光材料の外周部分との接点近傍を押圧する状態に配置してある。
【0017】
[作用]
請求項1の構成による作用と同様の作用を奏することができるのに加え、次の作用を奏することができる。
【0018】
ロール状の感光材料が緩む場合、繰り出され始めて直線状になった感光材料と、ロール状の感光材料の外周部分との接点近傍から緩み始めるが、請求項2の構成によれば、所定数の回転体のうちの一つの回転体が前記接点近傍を押圧するから、感光材料をより緩みにくくすることができる。
【0019】
[効果]
従って、緩んだ感光材料がマガジン内壁で擦れて傷つくという不具合を防止しやすくなり、プリント品質をより向上させることができるようになった。
【0020】
請求項3による発明の構成・作用・効果は次の通りである。
【0021】
[構成]
請求項1又は2による発明の構成において、前記ロール状の感光材料の径方向内方側に対応する側に前記回転体を付勢する付勢手段を設けて、前記ロール状の感光材料の繰り出しによる縮径に伴って、前記回転体が前記付勢手段の付勢力で前記ロール状の感光材料の径方向内方側に対応する側に位置変更するよう構成してある。
【0022】
[作用]
請求項1又は2の構成による作用と同様の作用を奏することができるのに加え、前記付勢手段を設けてあるから、繰り出しによるロール状の印画紙の縮径に回転体を円滑に追従させることができて、ロール状の感光材料が繰り出しにより縮径しても所定数の回転体でロール状の感光材料を安定的に押圧しておくことができる。
【0023】
[効果]従って、請求項1又は2の構成による効果と同様の効果を得やすくなった。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1に、デジタル画像を印画紙2(感光材料に相当)に焼付け処理する写真処理機の焼付け処理部1を示してある。
【0026】
前記焼付け処理部1は、マガジン台3を機体フレーム4に設け、パイプ状の芯材10にロール状に巻かれた一対の印画紙2を各別に収容する第1マガジン5と第2マガジン6とをマガジン台3上に横方向に並設するとともに、印画紙2を搬送する搬送手段8を設け、印画紙2を第1マガジン5から繰り出す状態と、第2マガジン6から繰り出す状態とに切り換え自在に構成し、印画紙2を切断するカッター23を設け、第1マガジン5と第2マガジン6の印画紙排出口33からの印画紙2を焼付処理する画像形成部7を第1マガジン5の下方側に配設して構成してある。
【0027】
次に、前記第1及び第2マガジン5,6の構造について説明する(両マガジン5,6とも同一構造であり、第1マガジン5の構造についてのみ説明する)。
【0028】
図2に示すように、前記ロール状に巻かれた印画紙2をロール軸芯O周りに回転自在に支持する印画紙支持部16をマガジン本体11に設けるとともに、一対の挟持ローラ40A,40Bで印画紙2を繰り出させる繰り出し駆動部40をマガジン本体11に設け、前記マガジン本体11を上ケース11Bと下ケース11Aとの二つ割り構造に構成し、ロール状の印画紙2をその幅方向で位置決めする第1位置決め手段15と、繰り出された状態の印画紙2をその幅方向で位置決めする第2位置決め手段17とを下ケース11Aに設け
【0029】
前記印画紙支持部16は、前記芯材10に挿通させる回転支軸18と、この回転支軸18をその軸芯周りに回転自在に支持する軸受け部19とから成り、前記軸受け部19は、上ケース11B側の軸受け部分と、下ケース11A側の軸受け部分との二つ割り構造に構成してある。
【0030】
前記回転支軸18は、両端部にその回転支軸18と相対回転自在な支持ケース20をそれぞれ備えており、両支持ケース20を下ケース11Aのケース用穴に各別に内嵌することで下ケース11Aに装着する。
【0031】
前記上ケースB側にも支持ケース20に対するケース用穴を形成してあり、回転支軸18を下ケース11Aに装着した後、上ケース11Bを閉じることで、上ケースB側のケース用穴が支持ケース20に嵌合し、これにより第1マガジン5から印画紙2を繰り出し可能になる。
【0032】
図1,図2,図4,図5に示すように、前記ロール状の印画紙2の周方向における複数箇所の部分をその径方向外方側から設定圧力で各別に押圧する複数のローラ機構25を下ケース11Aと上ケース11Bとに設けてある。
【0033】
前記複数のローラ機構25はロール状の印画紙2の周りに分散して位置しており、そのうちの一つのローラ機構25は、繰り出され始めて直線状になった印画紙2と、ロール状の印画紙2の外周部分との接点近傍を押圧する状態に位置している。
【0034】
前記ローラ機構25は、下ケース11A又は上ケース11Bにボルト固定したベース32に揺動アーム28を、印画紙2の幅方向に対応する方向に沿う第1横軸芯P周りに揺動自在に支持させ、揺動アーム28の揺動端部に、ロール状の印画紙2に対するローラ26(回転体に相当)を第1横軸芯Pに沿う第2横軸芯Q周りに回転自在に支持させ、ロール状の印画紙2の径方向内方側に対応する側に揺動アーム28を揺動付勢するバネ27(付勢手段に相当)を設けて、ロール状の印画紙2の繰り出しによる縮径に伴って、ローラ26がバネ27の付勢力でロール状の印画紙2の径方向内方側に対応する側に位置変更するよう構成してある。
【0035】
また、前記揺動アーム28の揺動基端部と下ケース11A(又は上ケース11B)とに、互いに当接する第1当接部31と第2当接部30とを各別に設けて、揺動アーム28の揺動範囲を所定の範囲内に規制するよう構成してある。
【0036】
上記のように、前記ローラ26がロール状の印画紙2をその径方向外方側から設定圧力で押圧しており、ローラ26が印画紙2の縮径に伴って、その径方向内方側に対応する側に位置変更していくから、繰り出し駆動部40による繰り出し駆動停止後のロール状の印画紙2の惰性回転を阻止することができる。
【0037】
繰り出し時はローラ26が印画紙2の繰り出しに伴って回転することで、印画紙2に対するローラ26の抵抗を小さくすることができる。
【0038】
図1,図2,図3に示すように、前記第1位置決め手段15は、ロール状の印画紙2の幅方向外方側から前記芯材10をリング状のスペーサ14を介して受け止める左右一対の第1幅規制ガイド13(位置決め作用体に相当)を、印画紙2の幅方向に対応する方向に第1位置変更機構(図示せず)を介して位置変更調節自在に下ケース11Aの壁部に設けて構成してある。
【0039】
前記スペーサ14は回転支軸18に外嵌してある。このスペーサ14は回転支軸18に例えばセットボルトを介して回転支軸の長手方向で位置固定してあってもよい。また、単に回転支軸18に外嵌してあるだけで前記回転支軸18の長手方向で位置固定してなくてもよい。
【0040】
前記第1位置変更機構は、下ケース11Aの壁部側に、印画紙2の長手方向に対応する方向視で凹凸部(図示せず)を設け、第1幅規制ガイド13側に、前記凹凸部の凹部に選択係合する係合凸部(図示せず)を設けて構成してある。
【0041】
前記第1幅規制ガイド13は前記位置変更調節の後にボルトにより固定する。
【0042】
前記第1幅規制ガイド13が、ロール状の印画紙2の幅方向外方側から芯材10をスペーサ14を介して受け止めて、ロール状の印画紙2をその幅方向で位置決めするから、印画紙2の繰り出し又は巻き戻しでロール状の印画紙2がロール軸芯O周りに回転しても、印画紙2の側縁が第1幅規制ガイド13で擦れることがなく、印画紙粉等が発生することがない。
【0043】
前記第2位置決め手段17は、繰り出された状態の印画紙2をその幅方向外方側から受け止めて、前記幅方向で位置決めする左右一対のL字形の第2幅規制ガイド9を、印画紙2の幅方向に対応する方向に第2位置変更機構を介して位置変更調節自在に下ケース11A側のガイドベース12に設けて構成してある。
【0044】
前記第2位置変更機構は、下ケース11Aのガイドベース12側に、印画紙2の長手方向に対応する方向視で凹凸部を設け、第2幅規制ガイド9側に、前記凹凸部の凹部に選択係合する係合凸部を設けて構成してある。
【0045】
前記第2幅規制ガイド9は前記位置変更調節の後にボルトにより固定する。
【0046】
前記第1及び第2幅規制ガイド13,9を位置変更調節することで、幅が異なる複数種の印画紙2に対応することができる。
【0047】
[別実施形態]
前記感光材料は印画紙以外のものであってもよい。
【0048】
前記写真処理機はネガフィルムの画像を焼付け露光するアナログ式のものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】写真処理機の焼付け処理部の概略側面図
【図2】マガジンの斜視図
【図3】マガジンの縦断正面図
【図4】ローラ機構の側面図
【図5】ローラ機構の背面図
【符号の説明】
2 感光材料
11 マガジン本体
16 感光材料支持部
26 回転体
27 付勢手段
33 感光材料排出口
O ロール軸芯
Claims (3)
- ロール状に巻かれた感光材料をロール軸芯周りに回転自在に支持する感光材料支持部をマガジン本体に設け、前記マガジン本体に形成した感光材料排出口から前記ロール状の感光材料を一対の挟持ローラにより繰り出し可能に構成してある写真処理機における感光材料収容マガジンであって、
ロール状の感光材料の惰性回転を防止すべく、前記ロール状の感光材料をその径方向外方側から設定圧力で押圧する所定数の回転体を、前記感光材料の繰り出しに伴って回転自在に、かつ、前記ロール状の感光材料の繰り出しによる縮径に伴って、その径方向内方側に対応する側に位置変更自在に前記マガジン本体に設け、
前記回転体を揺動自在に支持する揺動アームの揺動範囲を所定範囲内に規制するため、揺動アームの揺動基端部に設けられる第1当接部と、マガジンケースに設けられる第2当接部が互いに当接可能に構成してある写真処理機における感光材料収容マガジン。 - 前記所定数の回転体のうちの一つの回転体は、繰り出され始めて直線状になった感光材料と、ロール状の感光材料の外周部分との接点近傍を押圧する状態に配置してある請求項1記載の写真処理機における感光材料収容マガジン。
- 前記ロール状の感光材料の径方向内方側に対応する側に前記回転体を付勢する付勢手段を設けて、前記ロール状の感光材料の繰り出しによる縮径に伴って、前記回転体が前記付勢手段の付勢力で前記ロール状の感光材料の径方向内方側に対応する側に位置変更するよう構成してある請求項1又は2記載の写真処理機における感光材料収容マガジン。
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