JP3815493B2 - 空気調和機の室内機 - Google Patents
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Description
〔空気調和機の全体構成〕
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る空気調和機1の構成および冷媒回路の概略を説明する。
図2〜図5を参照して、室内機2aの構成を説明する。
ケーシング本体23は、正面視において幅方向に長い長方形の形状を有し、側面視において高さ方向に長い長方形の形状を有する。ケーシング本体23は、幅W、高さH、奥行きDを有する。ケーシング本体23内には、上述した室内熱交換器20、室内ファン21、図示しない室内ファンモータ22等が備えられている。図3に示すように、側面視において、室内ファン21がケーシング本体23の中央に配置され、逆V字型の形状を有する室内熱交換器20が室内ファン21の上半分および前方を囲むように配置されている。また、ケーシング本体23には吸い込み口25と吹き出し口26とが設けられている。
正面パネル50は、1枚のパネル部材から成り、正面視におけるケーシング本体23の幅Wと略同じ幅と、ケーシング本体23の高さHと略同じ高さとを有する。また、正面パネル50は、運転停止時において、略平坦な面を形成し、正面視において吹き出し口26および第1吸い込み口27を覆う。また、正面パネル50は、移動機構100により支持されており、運転時において吹き出し口26および第1吸い込み口27を開く。
次に、空気調和機1の室内機2aが空調運転を行う場合の動作について説明する。
(1)
この空気調和機1の室内機2aでは、運転時において、正面パネル50の開口部500が室内から取り込まれる空気の通る経路の一部となる。このため、十分な風量を確保することが可能になっている。また、この空気調和機1の室内機2aでは、正面パネル50に開口部500を設けることにより複数の角度から空気を吸い込むことができるため、熱交換器に対する空気の流れの偏りを低減することができる。さらに、この開口部500は、運転時において正面視において隠れているため、室内の美観の損なわれる恐れが最小化される。
また、この空気調和機1の室内機2aでは、運転停止時において、正面パネル50が室内機2aの正面全体を覆い、略平坦な面を形成する。さらに、運転停止時において、ケーシング本体23の凸部501が正面パネル50の開口部500にはまり込み、正面パネル50と凸部501とが連続的な面を形成する。一方、正面パネル50は1枚のパネル部材で構成されているため、正面パネル50の正面視には、開口部500と凸部501との継目以外の継目は現れない。このため、この空気調和機1の室内機2aでは、室内機2a単体の正面視における高い美観を確保できるとともに、正面視における室内機2aの運転停止時の外観と室内の壁面とが調和し、室内の美観が向上する。
また、従来の室内機には、運転時において、正面パネル50が複数のパネルに分割され、分割された複数のパネルが独立に移動することにより継目が生じるものがあった。これに対し、空気調和機1の室内機2aでは、運転時において、正面パネル50が湾曲し、第1吸い込み口27および吹き出し口26を開閉する。すなわち、この空気調和機1の室内機2aでは、運転時において、継目が現れない。従って、居住者等の視野に、余分な継目に代わって湾曲による滑らかな陰影を写すことができる。このため、この空気調和機1の室内機2aでは、運転時において美感が向上する。
この空気調和機1の室内機2aでは、正面パネル50にエラストマーが使用される。従って、室内機2aの正面視において、ぬくもり感、ソフト感等のエラストマーの有する質感から生まれる意匠価値を提供することが可能になっている。
この空気調和機1の室内機2aでは、正面パネル50の中部52の可撓性は、上部51および下部53の可撓性よりも高い。従って、運転時に、正面パネル50全体を前方に移動した後、下部53を上方に、上部51をさらに前方に移動するだけで、中部52は自然に湾曲する。すなわち、運転時に正面パネル50を湾曲させるためには、平行移動のような上部51および下部53の簡単な移動を行うだけでよい。これにより、正面パネル50を湾曲させる移動機構100をシンプルに設計することが可能になっている。
一般に、壁掛け型の室内機は、室内の壁面に配置されるため、正面部分が居住者等の視野に入り易い。また、室内機の正面部分の面積が大きいことが多い。このため、運転停止時および運転時に正面視における室内の美観が向上する本発明が特に有効である。
この空気調和機1の室内機2aでは、運転時において正面パネル50の上部51および下部53が移動することによって、吹き出し口26および第1吸い込み口27が開く。このため、室内機2aへの空気の吸い込みと、室内機2aからの空気の吹き出しとを十分に行うことが可能になっている。
第1実施形態の変形例として、正面パネル50が複数のパネルから構成されてもよい。ただし、正面パネル50を構成するパネルの数が少ないほど正面パネル50に現れる継目が少なくなるため、正面パネル50を構成するパネルの数は少ない方が望ましい。また、正面パネル50を構成する複数のパネルは高さ方向に並んで配置されることが望ましい。これにより、正面視において高さ方向に延びる継目が現れず、一般的に室内の美観が向上する。
図6〜図9を参照して、本発明の第2実施形態に係る空気調和機1の室内機2bを説明する。
この空気調和機1の室内機2bでは、第1吸い込み口27を開閉させる第1パネル70と、吹き出し口26を開閉させる第2パネル80とが独立に移動する。このため、第1吸い込み口27および吹き出し口26の開閉の状態を独立させることが可能である。
第2実施形態の変形例として、正面パネル60は、第1パネル70および第2パネル80以外のさらなるパネルを有するように構成されてもよい。ただし、正面パネル60を構成するパネルの数が少ないほど正面パネル60に現れる継目が少なくなるため、正面パネル60を構成するパネルの数は少ない方が望ましい。また、正面パネル60を構成する複数のパネルは高さ方向に並んで配置されることが望ましい。これにより、正面視において高さ方向に延びる継目が現れず、室内の美観が向上する。
図10〜図13を参照して、本発明の第3実施形態に係る空気調和機1の室内機2cを説明する。
この空気調和機1の室内機2cでは、正面パネル90は、運転時において平面視において湾曲する。すなわち、この空気調和機1の室内機2cでは、正面パネル90は、平面視において湾曲する正面パネルに適した環境に適応することができる。
第3実施形態の変形例として、正面パネル90は、複数のパネルから構成されてもよい。ただし、正面パネル90を構成するパネルの数が少ないほど正面パネル90に現れる継目が少なくなるため、正面パネル90を構成するパネルの数は少ない方が望ましい。また、正面パネル90を構成する複数のパネルは幅方向に並んで配置されることが望ましい。これにより、正面視において高さ方向に延びる継目が低減し、室内の美観が向上する。
<その他の実施形態>
(A)
第1、第2および第3実施形態では、正面パネル50,60,90にエラストマーが用いられているが、正面パネル50,60,90に布状部材を用いることによってぬくもり感、ソフト感といった質感を演出してもよい。また、クールな印象を与えたい場合には、正面パネル50,60,90に金属を用いてもよい。正面パネル50,60,90は、正面パネル50,60,90の開いた状態において湾曲する部分52,72,92,94が適切に湾曲することができる任意の材料により形成することができる。
(B)
正面パネル50,60,90の開いた状態において湾曲する部分52,72,92,94と開いた状態において殆ど湾曲しない部分51,53,71,73,91,93,95とに異なる材料を使用することにより、開いた状態において湾曲する部分52,72,92,94と開いた状態においても殆ど湾曲しない部分51,53,71,73,91,93,95とに可撓性の違いを設けてもよい。
(C)
運転停止時においてケーシング本体23の正面および正面パネル50,60,90が略平坦な面を形成せず、図14〜図16に示すように緩やかに湾曲した形状であってもよい。
(D)
正面パネル50、60、90には、さらなる開口部を設けてもよい。このとき、開口部の位置は、開いた状態において湾曲する部分52,72,92,94だけでなく、開いた状態においても殆ど湾曲しない部分51,53,71,73,91,93,95に設けられてもよい。
23 ケーシング
26 吹き出し口
27 第1吸い込み口
50,60,90 正面パネル
51 上部(第2部分)
52 中部(第1部分)
53 下部(第2部分)
71 上部(第2部分)
72 中部(第1部分)
73 下部(第2部分)
91 最左部(第2部分)
92 左部(第1部分)
93 中部(第2部分)
94 右部(第1部分)
95 最右部(第2部分)
900,902 開口部
901,903 凸部
Claims (5)
- 室内へと吹き出される空気が通る吹き出し口(26)と、室内から取り込まれる空気が通る吸い込み口(27)とを有するケーシング(23)と、
1枚のパネル部材から成り、前記吹き出し口(26)および前記吸い込み口(27)の少なくともいずれか1つを開閉する開閉パネル(50,70,90)と
を備え、
前記開閉パネル(50,70,90)は、開口部(500,700,900,902)を有し、
前記ケーシング(23)は、前記開口部(500,700,900,902)に対応する凸部(501,701,901,903)を有し、
前記開閉パネル(50,70,90)の可撓性を有する第1部分(52,72,92,94)は、2以上の静止した状態に変化し、第1状態における断面視形状の湾曲度合いが第2状態の断面視形状の湾曲度合いと異なり、
前記第1状態においては、前記開口部(500,700,900,902)が空気を吸い込むための経路となり、前記第2状態においては、前記ケーシング(23)の凸部(501,701,901,903)が前記開口部(500,700,900,902)に挿入される、
空気調和機の室内機(2a,2b,2c)。 - 前記第1状態は、前記開閉パネル(50,70,90)の開いた状態であり、前記第1状態においては、前記開口部(500,700,900,902)が正面視において隠れる、
請求項1に記載の空気調和機の室内機(2a,2b,2c)。 - 前記第1状態は、前記開閉パネル(50,70,90)の開いた状態であり、
前記開口部(500,700,900,902)は、前記第1部分(52,72,92,94)に形成されており、
前記第1部分(52,72,92,94)は、前記第1状態においてS字形に湾曲する、
請求項1または2に記載の空気調和機の室内機(2a,2b,2c)。 - 前記第1部分(52,72,92,94)は、前記開閉パネル(50,70,90)のうちの前記第1部分(52,72,92,94)以外の第2部分(142)よりも可撓性が高い、
請求項1〜3のいずれか1つに記載の空気調和機の室内機(2a,2b,2c)。 - 前記第1部分(52,72,92,94)は、エラストマーまたは布状部材により形成される、
請求項1〜4のいずれか1つに記載の空気調和機の室内機(2a,2b,2c)。
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