JP3815313B2 - 無線通信装置およびこれを用いた折り返し試験方法 - Google Patents
無線通信装置およびこれを用いた折り返し試験方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、無線機の正常性を折り返し試験を行ない判定する無線通信装置およびその折り返し試験方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
基地局内に設けられた無線通信装置を現地に赴かずに保守する手段の一つに、自無線通信装置から信号を送信し、その信号を受信する無線折り返し試験を行い、送信部、受信部の正常性を判定する方法がある。
【0003】
従来のこのような折り返し試験を実現する装置においては、干渉波が存在する環境で無線折り返し試験を実施した場合、送信部、受信部が正常であるにもかかわらず異常と判定されることがあるという問題点があった。
【0004】
この問題点を解決する方法として、例えば特開平10−4390号公報では、無線折り返し試験を実施した後に干渉波検出を行ない、試験の結果を有効とするか破棄するかを判定する方法が提案されている。
【0005】
また別の折り返し試験を実現する装置の例として、図7は従来の無線通信装置の機能ブロックおよび周波数構成例を示す。送信部2において中間周波数部21から出力される中間周波信号IFTは送信ミキサ22で局部発振器4からの局部発振信号LoTと混合され高周波信号RFTにアップコンバートされる。高周波信号RFTは高周波部23に入力され増幅などされて空中線25から送出される。また受信アンテナ31から受信部3の高周波部32に入力され増幅などされた高周波信号RFRは受信ミキサ33で局部発振器4からの局部発振信号LoRと混合され中間周波信号IFRにダウンコンバートされる。中間周波信号IFRは中間周波部34に入力され、制御部5において復調される。
【0006】
ここで、送信系の中間周波数と受信系の中間周波数は装置内部での干渉を避けるために異なる周波数を選定することが通例であり、すなわち図7においては、中間周波信号IFTと中間周波信号IFRの周波数は異なる。このため、送信用と受信用の2周波数の局部発振信号LoT、LoRが必要となるが、TDMA−TDD方式の無線通信装置では、送信、受信の局部発振信号を時分割で一つの局部発振器において生成することで、装置の冗長性を軽減している。
【0007】
上記のような周波数構成の無線通信装置において、無線折り返し試験を行なおうとする場合、例えば図8(a)に示すように、送信部2から空中線25を介して試験用信号を送信しているとき局部発振器4からは送信用の局部発振信号LoTが発振されているので、受信アンテナ31から受信部3に試験用信号が入力されても中間周波数IFRにダウンコンバートし受信処理することができない。一方、図8(b)に示すように、局部発振器4から受信用の局部発振信号LoRが発振されているときは受信処理は可能となるが、送信信号が適正な送信周波数にアップコンバートされない。したがって、図7の無線通信装置において折り返し試験を行なうためには、図示しない折り返し専用の局部発振回路およびこの折り返し専用局部発振回路と通常の局部発振回路との切り替え用高周波スイッチを、折り返し試験用として備える必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述の特開平10−4390号公報のように、無線折り返し試験を実施した後に干渉波検出を行ない、試験の結果を有効とするか破棄するかを判定する方法では干渉が検出されると試験結果が破棄され試験自体が無駄になり、効率が悪いという問題点があった。
【0009】
また、前述の別の従来無線通信装置においては、折り返し専用の局部発振回路およびこの折り返し専用局部発振回路と通常の局部発振回路との切り替え用高周波スイッチを折り返し試験用として備える必要があり、装置構成が冗長となるという問題点があった。
【0014】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、請求項1の発明は、冗長構成を設けず折り返し試験を行なう無線通信装置を提供することを目的とする。
【0015】
また、請求項2の発明は、冗長構成を設けず、かつ効率良く正確な折り返し試験を行なう無線通信装置を提供することを目的とする。
【0016】
また、請求項3の発明は、冗長構成を設けず、効率良く、さらに正確な折り返し試験を行なう無線通信装置を提供することを目的とする。
【0017】
また、請求項4の発明は、冗長構成を設けず、かつ信頼性の高い折り返し試験を行なう無線通信装置を提供することを目的とする。
【0018】
また、請求項5の発明は、冗長構成を設けず、かつ他局への干渉波出力が少ない折り返し試験を行なう無線通信装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る無線通信装置は、送信用周波数信号と受信用周波数信号を時分割で切り替えて出力する局部発振部と、前記送信用周波数信号を用いて信号を送信する送信部と、この送信部と対をなし前記受信用周波数信号を用いて信号を受信する受信部とを含む無線機を複数備える無線通信装置において、前記送信部が送信した試験信号と当該送信部と対をなさない受信部が受信した前記試験信号とを比較し、折り返し試験判定を行なう折り返し試験判定部を備える。
【0025】
また、請求項2の発明に係る無線通信装置は、請求項1の無線通信装置であって、前記受信部で受信される干渉波を検出する干渉波検出部、この干渉波検出部で検出された干渉波が所定値以下の場合に、前記送信部から試験信号を送信させ、前記折り返し試験判定部が折り返し試験判定を行なうよう制御する制御部をさらに備える。
【0026】
また、請求項3の発明に係る無線通信装置は、請求項2の無線通信装置であって、前記干渉波を検出する受信部と前記試験信号を受信する受信部が同一の受信部である。
【0027】
また、請求項4の発明に係る無線通信装置は、請求項1の無線通信装置であって、移動局が信号を送信する上り区間と基地局が信号を送信する下り区間とを有するTDMA−TDD方式の無線通信システムに用いられる基地局側の装置であり、前記上り区間において前記送信部から信号を送信させ、前記折り返し試験判定部が折り返し試験判定を行なうよう制御する制御部をさらに備える。
【0028】
また、請求項5の発明に係る無線通信装置は、請求項1の無線通信装置であって、折り返し試験を行なう場合に前記送信部の送信出力レベルを通常時の送信出力レベルより低いレベルに制御する制御部を備える。
【0030】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図に基づいて説明する。図1はこの発明に係る無線通信装置のブロック図であり、図において、無線通信装置1の内部には送信部2、受信部3、局部発振器4、および制御部5が設けられ、無線通信装置1の外部には送信部2に接続された送信アンテナ25、および受信部3に接続された受信アンテナ31が設けられている。
【0031】
送信部2は、送信データを変調する中間周波部21、変調された送信信号をアップコンバートする送信ミキサ22、アップコンバートされた送信信号を増幅する高周波部23、および増幅された送信信号を所定量減衰可能な可変減衰器24により構成されている。また、受信部3は、受信信号を増幅する高周波部32、増幅された受信信号をダウンコンバートする受信ミキサ33、ダウンコンバートされた受信信号を復調し受信データを出力する中間周波部34により構成されている。さらに、制御部5は、折り返し試験を行なう場合、送信部2へ出力する送信データと受信部3から入力する受信データとを比較し、その結果から送信部、受信部が正常であるかを判定する折り返し試験判定部51、受信信号から干渉波を検出する干渉波検出部52、検出された干渉波を所定の閾値と比較しその結果を出力する比較部53により構成されている。局部発振器4は、周波数シンセサイザで構成されており、折り返し試験時には送信用局部発振信号および受信用局部発振信号をそれぞれ送信ミキサ22、受信ミキサ33へ同時に出力可能な構成になっている。
【0032】
次に動作について図1および図2を用いて説明する。図2はこの発明の無線通信装置において、折り返し試験を行なう場合の手順を示すフローチャートである。ここでは、TDMA方式の無線通信装置を例とし、「タイムスロット」とはTDMAフレームを分割し一つの無線通信装置に割り当てる時間単位を示すものとする。
まず、制御部5が折り返し試験を開始しようとすると、受信部3は任意のタイムスロットにおいて自システムで使用中の任意の周波数の信号を受信アンテナ31を介して受信し、受信された信号は高周波部32、受信ミキサ33、中間周波部34をとおり干渉波検出部52に入力される。干渉波検出部52は入力された信号から干渉波のレベルを検出し(ステップS201)、検出した干渉波のレベルを比較部53へ出力する。比較部53では干渉波のレベルを予め設定した閾値と比較し(ステップS202)、比較の結果、干渉波のレベルが閾値と同じまたは閾値より高ければ、折り返し試験を実施せず、受信するタイムスロット、または受信する信号の周波数を変更して(ステップS204)、ステップS201において再び干渉波のレベルを検出する。
【0033】
これにより、干渉波の中で折り返し試験を実施し、試験結果の信頼性が低下することを回避できる。また、干渉波が検出されるということは、そのタイムスロットおよびその周波数を周辺基地局や移動機が通信に使用しているということであるので、折り返し試験を実施しないことで、周辺基地局や移動機の通信に対して干渉を与えることを回避することもできる。
【0034】
一方、比較の結果、干渉波のレベルが閾値より低ければ、折り返し試験の実施を指示する制御信号を折り返し試験判定部51へ出力する。そしてステップS203において、折り返し試験判定部51は、以下のように折り返し試験を実施する。すなわち、折り返し試験判定部51は折り返し試験用データを送信部2の中間周波部21へ出力し、中間周波部21では、この折り返し試験用データを変調し、中間周波信号IFTとして送信ミキサ22へ出力する。送信ミキサ22は、中間周波信号IFTに局部発振器4からの局部発振信号LoTを混合し、高周波信号RFTにアップコンバートする。高周波信号RFTは高周波部23で増幅などされた後、可変減衰器24にて減衰され折り返し試験用信号として送信アンテナ25から送出される。
【0035】
ここで、可変減衰器24は、折り返し試験用信号の送出レベルを、自無線通信装置の受信機が復調可能なレベルにまで減衰するものである。すなわち、高周波部23において、他局へ送信する信号レベル(通常時の送信出力レベル)と同じレベルにまで増幅された信号を折り返し試験用の信号レベルにまで減衰している。これにより、周辺の無線通信装置や他のシステムへ、無用な干渉を与えることを抑制できる。他の構成として、可変減衰器24を設けず、制御部5が高周波部23の増幅率を、折り返し試験時に他局への送信時(通常時)より低く設定するよう制御してもよい。このときも同様の効果が得られる。
【0036】
上記により、復調可能なレベルにまで減衰され送信アンテナ25から送出された折り返し試験用信号は、受信アンテナ31を介し受信部3に受信される。そして高周波部32に入力され増幅などされて高周波信号RFRとして受信ミキサ33へ出力される。受信ミキサ33は、高周波信号RFRに局部発振器4からの局部発振信号LoRを混合し、中間周波信号IFRにダウンコンバートする。中間周波部34では、中間周波信号IFRを復調し、復調された折り返し試験用データを折り返し試験判定部51へ出力する。
【0037】
折り返し試験判定部51は、この受信部3の中間周波部34から入力した折り返し試験用データと、送信部2の中間周波部21へ出力した折り返し試験用データとを比較し、比較結果から送信部2、受信部3の正常性を判断する。判断方法としては、例えば送信した折り返し試験用データを基準として受信した折り返し試験用データのエラー検出を行ない、エラー検出率が所定値より低ければ正常、高ければ正常でない可能性があると判断する。
【0038】
以上により、干渉波の少ない状態で信頼性の高い折り返し試験を行ない、正確に送信部、受信部の正常性を判断することができる。また、干渉波検出を折り返し試験用の信号を送信する前に行ない、その結果に基づき折り返し試験を行なうので、不必要な送信を行なうことを防ぐことが可能となる。
【0039】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2を説明する。上記実施の形態1では、図2を用いて説明した折り返し試験動作において、干渉波検出および折り返し試験を任意のタイムスロットにおいて行なったが、実施の形態2では、これを特定のタイムスロットにおいて行なう。なお、実施の形態2に係る無線通信装置の構成は、図1に示すものと同じであり、実施の形態1と重複するので説明を繰り返さない。
【0040】
図3は、この発明の無線通信装置に与えられる干渉波源の模式図である。図において、301は無線通信装置1が設けられている自基地局A、302、304はそれぞれ、自基地局A301の周辺に位置する周辺基地局B、周辺基地局Cであり、303は周辺基地局B302と通信を行なう移動機bである。自基地局A301、周辺基地局B302、周辺基地局C304、および移動機b303は、TDMA−TDD方式のシステムで使用されている。
【0041】
自基地局A301と無線フレーム同期している周辺基地局B302および周辺基地局C304の送信波は、それぞれ干渉波Bおよび干渉波Cとして自基地局A301に到達する。また、周辺基地局B302と通信を行なう移動機b303の送信波も、干渉波bとして自基地局A301に到達する。これらの干渉波がTDMA−TDDのフレーム上に配置される例を図4に示す。
【0042】
図4は、TDMA−TDD方式のフレーム構成例および干渉波の配置例を示す図である。図において、41は、自基地局A301、周辺基地局B302、周辺基地局C304など、基地局が信号を送信する下り区間を示し、42は、移動機が基地局に対し信号を送信する上り区間を示す。そして、一つの下り区間41と一つの上り区間42により1フレーム43が構成されている。また、一つの下り区間41および一つの上り区間42は、それぞれ4つのタイムスロット4101〜4104、4211〜4214から構成されている。さらにその他のフレームの、下り区間、上り区間もそれぞれタイムスロット4111〜4114、41n1〜41n4、タイムスロット4221〜42n4で構成されている。
【0043】
自基地局A301と周辺基地局B302および周辺基地局C304はフレーム同期されており、周辺基地局B302は、下り区間の1つ目のスロット4101、4111、41n1を、周辺基地局C304は、下り区間の3つ目のスロット4103、4113、41n3を使用している。また、移動機b303は周辺基地局B302と通信中であるので、上り区間の1つ目のスロット4211、4221が送信スロットとして割り当てられている。
【0044】
ここで、自基地局A301からみると、前述のとおり周辺基地局B302、周辺基地局C304、および移動機b303の送信波は干渉波となるので、スロット4101、4111、41n1、4103、4113、41n3、4211、4221には干渉波が存在する可能性が高い。また、一般に基地局の送信出力レベルは移動機の送信出力レベルより高いので、スロット4101、4111、41n1、4103、4113、41n3において、より強い干渉波が存在する可能性が高いといえる。つまり、相対的に送信出力レベルの低い移動機の送信区間である上り区間の方が自基地局A301に対する干渉波レベルは低いと考えられる。さらに、基地局は定期的に信号(例えば報知信号)を送信するが、移動局は通信中でなければ、信号を送信する頻度は低いので、上り区間のスロットは使用されず干渉波がまったく検出されない可能性も高い。
【0045】
そこで、本実施の形態2では、折り返し試験、または干渉波検出および折り返し試験をTDMA−TDDフレームの上り区間に行なうよう制御する。以下に、動作を説明する。
【0046】
図5は、この発明の無線通信装置において、折り返し試験を行なう場合の手順を示すフローチャートである。まず、制御部5は折り返し試験を開始しようとすると、タイムスロットを上り区間に設定する(ステップS501)。受信部3は設定された上り区間のタイムスロットにおいて自システムで使用中の任意の周波数の信号を受信アンテナ31を介して受信し、受信された信号は高周波部32、受信ミキサ33、中間周波部34をとおり干渉波検出部52に入力される。干渉波検出部52は入力された信号から干渉波のレベルを検出し(ステップS502)、検出した干渉波のレベルを比較部53へ出力する。比較部53では干渉波のレベルを予め設定した閾値と比較し(ステップS503)、比較の結果、干渉波のレベルが閾値と同じまたは閾値より高ければ、折り返し試験を実施せず、受信するタイムスロット、または受信する信号の周波数を変更する。ただし、ここで変更するタイムスロットは上り区間内のタイムスロットとする(ステップS505)。その後、ステップS502において再び干渉波のレベルを検出する。
【0047】
一方、比較の結果、干渉波のレベルが閾値より低ければ、折り返し試験の実施を指示する制御信号を折り返し試験判定部51へ出力する。そしてステップS504において、折り返し試験判定部51は折り返し試験を実施する。なお、折り返し試験の詳細は実施の形態1と同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。
【0048】
以上により、干渉波検出において、干渉波を検出しない、または干渉波を検出してもレベルが低く閾値以下となって、折り返し試験の実施に進む確立が高くなる。したがって、干渉波の少ない状態で信頼性の高い折り返し試験を行なえるとともに、無駄な干渉波検出動作を削減することができる。
【0049】
また、他の動作として、折り返し試験用信号を送信する前に干渉波検出を行なうことなく、上り区間のスロットで折り返し試験を行なうように制御しても良い。この場合、干渉波検出を行なう手間をかけず、かつ干渉波のない、または少ない状態で折り返し試験を行なえる確立が高くなり、試験結果の信頼性が上がるという効果が生じる。
【0050】
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3を説明する。図6は実施の形態3の無線通信装置のブロック図であり、図において、無線通信装置9の内部には送信部2、受信部3、局部発振器40、送信部6、受信部7、局部発振器80、および制御部50が設けられ、無線通信装置9の外部には送信部2に接続された送信アンテナ25、受信部3に接続された受信アンテナ31、送信部6に接続された送信アンテナ65、および受信部7に接続された受信アンテナ71が設けられている。すなわち、実施の形態3の無線通信装置は、図1に示した送信部、受信部およびこれらが共用する局部発振器を含む無線機を2系統有する復号無線通信装置である。
【0051】
送信部2、受信部3については、図1と同じ符号は同じものを示すので説明を省略する。送信部6は送信データを変調する中間周波部61、変調された送信信号をアップコンバートする送信ミキサ62、アップコンバートされた送信信号を増幅する高周波部63、および増幅された送信信号を所定量減衰可能な可変減衰器64により構成されている。また、受信部7は、受信信号を増幅する高周波部72、増幅された受信信号をダウンコンバートする受信ミキサ73、ダウンコンバートされた受信信号を復調し受信データを出力する中間周波部74により構成されている。
【0052】
また、局部発振器40および80は、それぞれ周波数シンセサイザで構成されている。局部発振器40は、送信部2の送信時には送信用局部発振信号LoT1を送信ミキサ22へ出力し、受信部3の受信時には受信用局部発振信号LoR1を受信ミキサ33へ出力する。局部発振器80は、送信部6の送信時には送信用局部発振信号LoT2を送信ミキサ62へ出力し、受信部7の受信時には受信用局部発信信号L0R2を受信ミキサ73へ出力する。本無線通信装置はTDMA−TDD方式であり、通常の他局との通信時には、同一無線機内の送信部、受信部の局部発振信号を時分割で一つの局部発振器において生成することで、装置の冗長性を軽減している。
【0053】
さらに、制御部50は、折り返し試験判定部51、受信信号から干渉波を検出する干渉波検出部52、検出された干渉波を所定の閾値と比較しその結果を出力する比較部53、送信データ切り替え手段54、受信データ切り替え手段55、およびこれらの切り替え手段54、55の制御を行なう切り替え制御部56により構成されている。
【0054】
折り返し試験判定部51は、折り返し試験を行なう場合、送信部2へ出力する送信データと受信部7から入力する受信データとの比較、または送信部6へ出力する送信データと受信部3から入力する受信データとの比較を行ない、その結果からデータの送受信に使用した送信部、受信部が正常であるかを判定する。また、送信データ切り替え手段54は、折り返し試験判定部51から入力する折り返し試験用データを、切り替え制御部56の制御により送信部2または送信部6へ切り替え出力する。さらに、受信データ切り替え手段55は、受信した折り返し試験用データを、切り替え制御部56の制御により受信部3または受信部7から切り替え入力し、干渉波検出部52および折り返し試験判定部51へ出力する。
【0055】
次に動作について説明する。まず、制御部50が折り返し試験を開始しようとすると、切り替え制御部56は、受信データ切り替え手段55を切り替えて受信部3または受信部7を選択させ、選択された受信部から受信信号が干渉波検出部52に入力されるよう制御する。選択された受信部3または7は、実施の形態1で説明した図2に示すフローと同様の動作(ステップS201〜S203)を行ない干渉波を検出する。
【0056】
このとき、受信部3、受信部7両方において、順次干渉波検出を行ない、検出された干渉波レベルが小さいほうの受信部から折り返し試験を行なうよう制御しても良い。送信部と受信部が対をなす無線機を複数備える無線通信装置において、複数の送信部、受信部の折り返し試験を行なう場合、これら複数の試験を効率良く実施できる効果がある。
【0057】
上記により選択された受信部において、干渉波のレベルが閾値より低ければ、折り返し試験を実施する。折り返し試験において、切り替え制御部56は、送信データ切り替え手段54と受信データ切り替え手段55を連動して制御し、受信部7が選択されている場合、折り返し試験用データが折り返し試験判定部51から送信部2へ出力され、受信部7から折り返し試験判定部51へ入力されるように、また受信部3が選択されている場合、折り返し試験用データが送信部6へ出力され、受信部3から入力されるようにする。すなわち、折り返し試験を行なう場合、同じ無線機内で対をなさず局部発振器を共用しない送信部、受信部を選択し試験を行なうよう制御する。また、折り返し試験を行なう受信部は、上記において干渉波検出を行なうとき選択されていた受信部であるほうがよい。折り返し試験を行なうときの干渉波の状態とより近い状態の干渉波が検出でき、折り返し試験結果の信頼性を向上させる効果がある。なお、折り返し試験を行なう送信部、受信部が選択された後の折り返し試験の詳細は実施の形態1と同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。
【0058】
以上により、折り返し試験用に送信用、受信用の局部発振信号を同時に出力するための冗長構成を備えることなく、折り返し試験を行なうことが可能となる。また、実施の形態1と同様に、干渉波の少ない状態で信頼性の高い折り返し試験を行ない、正確に送信部、受信部の正常性を判断することと、干渉波検出を折り返し試験用の信号を送信する前に行ない折り返し試験の実施の可否を判断して、不必要な送信を防ぐことと、試験用信号の出力レベルを他局宛て信号の出力レベルより低く制御し、折り返し試験時の他局への干渉波を低減することとが可能となる。
【0059】
さらに、干渉波検出、折り返し試験の実施を、実施の形態2と同様に上り区間のタイムスロットで行なうように制御することも可能であり、その場合、実施の形態2と同様の効果が得られる。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1に係る無線通信装置は、局部発振部、これを共用する送信部、受信部を含む無線機を複数備えており、局部発振部を共用しない送信部、受信部を用い折り返し試験判定を行なう構成としたので、冗長構成を設けず折り返し試験を行なうことができる。
【0065】
また、この発明の請求項2に係る無線通信装置は、局部発振部、これを共用する送信部、受信部を含む無線機を複数備えており、干渉波を検出し、検出された干渉波が所定値以下の場合に折り返し試験用信号を送信し、局部発振部を共用しない送信部、受信部の用い折り返し試験判定を行なう構成としたので、冗長構成を設けず、かつ効率良く正確な折り返し試験を行なうことができる。
【0066】
また、この発明の請求項3に係る無線通信装置は、局部発振部、これを共用する送信部、受信部を含む無線機を複数備えており、干渉波を検出し、検出された干渉波が所定値以下の場合に折り返し試験用信号を送信し、干渉波の検出に用いた受信部と、これと局部発振部を共用しない送信部を用い折り返し試験判定を行なう構成としたので、冗長構成を設けず、効率良く、さらに正確な折り返し試験を行なうことができる。
【0067】
また、この発明の請求項4に係る無線通信装置は、局部発振部、これを共用する送信部、受信部を含む無線機を複数備えており、TDMA−TDD方式の上り区間において局部発振部を共用しない送信部、受信部を用い折り返し試験判定を行なう構成としたので、冗長構成を設けず、かつ信頼性の高い折り返し試験を行なうことができる。
【0068】
また、この発明の請求項5に係る無線通信装置は、局部発振部、これを共用する送信部、受信部を含む無線機を複数備えており、局部発振部を共用しない送信部、受信部を用い折り返し試験判定を行ない、かつ折り返し試験判定に用いる信号の送信レベルを通常時の送信レベルより低いレベルに制御する構成としたので、冗長構成を設けず、かつ他局への干渉波出力が少ない折り返し試験を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1である無線通信装置のブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1の折り返し試験の手順を示すフローチャートである。
【図3】 この発明の無線通信装置に与えられる干渉波源の模式図である。
【図4】 TDMA−TDD方式のフレーム構成例および干渉波の配置例を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態2の折り返し試験の手順を示すフローチャートである。
【図6】 この発明の実施の形態3である無線通信装置のブロック図である。
【図7】 従来の無線通信装置の機能ブロックおよび周波数構成例を示す図である。
【図8】 従来の無線通信装置の機能ブロックおよび送信時・受信時の周波数構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 無線通信装置
2 送信部
3 受信部
4 局部発振器
5 制御部
6 送信部
7 受信部
24 可変減衰器
40 局部発振器
42 上り区間
51 折り返し試験判定部
52 干渉波検出部
53 比較部
54 送信データ切り替え手段
55 受信データ切り替え手段
56 切り替え制御部
64 可変減衰器
80 局部発振器
Claims (5)
- 送信用周波数信号と受信用周波数信号を時分割で切り替えて出力する局部発振部と、前記送信用周波数信号を用いて信号を送信する送信部と、この送信部と対をなし前記受信用周波数信号を用いて信号を受信する受信部とを含む無線機を複数備える無線通信装置において、
前記送信部が送信した試験信号と当該送信部と対をなさない受信部が受信した前記試験信号とを比較し、折り返し試験判定を行なう折り返し試験判定部を備える無線通信装置。 - 前記受信部で受信される干渉波を検出する干渉波検出部、
この干渉波検出部で検出された干渉波が所定値以下の場合に、前記送信部から試験信号を送信させ、前記折り返し試験判定部が折り返し試験判定を行なうよう制御する制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。 - 前記干渉波を検出する受信部と前記試験信号を受信する受信部が同一の受信部であることを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
- 移動局が信号を送信する上り区間と基地局が信号を送信する下り区間とを有するTDMA−TDD方式の無線通信システムに用いられる基地局側の無線通信装置であって、
前記上り区間において前記送信部から信号を送信させ、前記折り返し試験判定部が折り返し試験判定を行なうよう制御する制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。 - 折り返し試験を行なう場合に前記送信部の送信出力レベルを通常時の送信出力レベルより低いレベルに制御する制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
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