JP3815092B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に係り、特に感光体ドラム、感光体ベルトなどの画像担持体を複数個備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像形成装置として、例えば複写機は、原稿読み取りのためのスキャナー部と、スキャナー部よりデジタル信号として出力される画像信号を電気的に処理する画像処理部と、画像処理部より各色の画像記録情報に基づいて画像を複写紙上に形成するプリンタ部とを有する。スキャナー部は、原稿載置台の上の原稿に光を走査照明するランプ、例えば、蛍光灯を有する。蛍光灯により光が照射されたときの原稿からの反射光は、ミラーにより反射されて結像レンズに入射される。
【0003】
結像レンズに入射された反射光は画像光としてダイクロイックプリズムによって分光され、例えば、レッドR、グリーンG、ブルーBの3種類の波長の光に分光され、各波長毎に受光器、例えば、レッド用CCD(R)、グリーン用CCD(G)、ブルー用CCD(B)に入射される。各CCD(R)、CCD(G)、CCD(B)は、入射した光をデジタル信号に変換して出力し、その出力は画像処理部において必要な処理を施して、各色の記録色情報、例えばブラック(以下、Kと称する)、イエロー(以下、Yと称する)、マゼンタ(以下、Mと称する)、シアン(以下、Cと称する)の各色の記録形成用の信号に変換される。
【0004】
画像処理部より出力された信号は、プリンタ部のレーザ光射出装置に入力される。
【0005】
プリンタ部には、4組の記録装置が並んで配置され、記録装置はレーザ光射出装置の外に画像担持体である感光ドラムなどの感光体を有する。感光体には、帯電チャージャ、レーザ光射出装置による露光装置、現像装置、転写チャージャ等が配置されている。
【0006】
帯電チャージャにより一様に帯電された感光体は、レーザ光射出装置により、K、Y、M、Cの光像の潜像が形成され、現像装置により現像してトナー像が形成される。
【0007】
給紙ローラにより、給紙部、例えば2つの給紙カセットの何れかから供給されるタイミングを合わせて転写ベルトに送られる。転写ベルトにより搬送される複写紙は、それぞれ、トナー像が形成されたK、Y、M、Cの感光体に順次搬送され、転写チャージャによってトナー像が転写される。転写された複写紙は、定着ローラにより定着され、排紙ローラにより排紙される。
【0008】
レーザ光射出装置によって感光体に潜像を形成する際、感光体に照射されるビーム照射位置がずれて色ずれを生じてしまう場合があり、この色ずれを補正するために、特許公報第2748971号では、それぞれの感光体ドラム近傍にビームの位置ずれ量を検知する検知手段を設けて、副走査方向のビーム位置を検知して、副走査方向の書き出しタイミングを制御することにより色ずれを補正している。
【0009】
また、感光体上に色ずれのわかりやすいパターンを形成(例えば、+パターンなど)してそのパターンを画像読取装置で読み取ることにより、色ずれを検知し、反射ミラーを動かして、感光体ドラムに入射するビーム位置を可変させたり、副走査方向の書き出しタイミングを制御することにより、色ずれを補正しているものもある。
【0010】
また、特開平2−172767では、画像記録装置内に主走査方向と副走査方向のビーム走査位置を検知する検知手段を設けて画像記録装置から射出されるビームの走査位置を制御している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特開公報2748971号では、感光体ドラムに対応させて、副走査方向の位置ずれ量を検知する検知手段が感光体ドラムの近傍に設けられているため、感光体ドラムユニットの交換時などに感光体ドラムと位置ずれ量検知手段との調整が必要となり、交換性が悪いという問題がある。また、感光体ドラムの近傍に位置ずれ量検知手段を配置するために、埃などで位置ずれ量検知手段が汚れてしまうという問題がある。
【0012】
また、上述の特開平2−172767号では、副走査方向のビーム位置検知手段を画像記録装置内に設けており、PINフォトダイオードと三角スリットで副走査方向のビーム位置を計測している。このため、PINフォトダイオードに入射する光の光量変動があると計測されるビーム位置も変動してしまい、正確な位置が計測できないという問題がある。
【0013】
さらに、主走査方向のビーム位置検知手段と副走査方向のビーム位置検知手段をそれぞれ別の場所に配置しているため、画像記録装置が大きくなると共にコストが高くなるという問題がある。
【0014】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、画像担持体の交換性を向上すると共に、正確な走査位置計測が可能な小型で且つ低コストの画像形成装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、光ビームを照射する光源と、交換可能に設けられ、前記光源から照射される光ビームが走査されることによって潜像が形成される画像担持体と、前記光ビームの主走査方向の位置を検知する主走査位置検知手段と、前記光ビームの副走査方向の走査位置を検知する副走査位置検知手段と、により構成され、前記画像担持体上で走査される前記光ビームの走査位置を検知すると共に前記画像担持体と離れた位置に配置された単一基板に設けられた複数のビーム走査位置検知手段と、前記基板の前記複数のビーム走査位置検知手段へ前記光源から照射された前記光ビームを案内する案内手段と、を有し、前記基板に前記光ビームを透過する透過部が設られ、前記主走査位置検知手段及び前記副走査検知手段の一方が、前記透過部に配置されて前記基板の一方の面に固定され、前記透過部に隣接して他方の検知手段が前記基板の他方の面に固定されると共に、前記案内手段が反射ミラーからなり、前記主走査位置検知手段と前記副走査位置検知手段に照射される前記光ビームの集光位置の差を前記反射ミラーの表面の反射面と前記反射ミラーの内部の反射面でそれぞれ反射させることにより補正することを特徴としている。
【0016】
本発明の構成によれば、光源より光ビームを照射し、画像担持体上で光源より照射された光ビームが走査されることによって潜像が形成される。また、画像担持体を走査する際の光ビームの走査位置を検知する複数のビーム走査位置検知手段を単一基板上に配置し、案内手段によって画像担持体と離れた位置に配置された複数のビーム走査位置検知手段へ光ビームを案内し、複数のビーム走査位置検知手段で画像担持体上を走査される光ビームの走査位置を検知する。このように、案内手段によって複数のビーム走査位置検知手段へ光ビームを案内することによって、画像担持体から離れたところにビーム走査位置検知手段を配置することができる。すなわち、画像担持体を交換する際にビーム走査位置検知手段が邪魔になることなく、ビーム走査位置検知手段を汚さずに画像担持体を交換することができ、画像担持体の交換性を向上することができる。
【0017】
また、複数のビーム走査位置検知手段を単一の基板上に配置することによって、それぞれのビーム走査位置検知手段に加わる温度などの環境変化の変動量を同一とすることができ、正確なビーム位置を検知することができる。さらに、複数のビーム走査位置検知手段を単一の基板上に配置することによって、案内手段を1つにすることができるので、画像形成装置を小型化することができ、低コストで生産することが可能となる。
【0018】
なお、光源は複数の光源を使用するようにしてもよい。
【0019】
また、ビーム走査位置検知手段は、光ビームの主走査方向の開始位置を検知する主走査位置検知手段と、光ビームの副走査方向の走査位置を検知する副走査位置検知手段と、により構成する。
【0020】
そして、主走査検出手段及び副走査位置検知手段を配置する基板に透過部を設け、主走査位置検知手段又は副走査位置検知手段の一方の検知手段を基板の一方の面の透過部に固定し、他方の検知手段は、透過部に隣接して基板の他方の面に固定する。このように主走査位置検知手段と副走査位置件手段を配置することで検知手段間の間隔を狭くすることができ、装置を小型化することができる。
【0021】
なお、透過部に主走査位置検知手段又は副走査位置検知手段を配置する際、透過部に開口を設け、該開口内の隣接する壁面に位置決め基準を設けるようにしてもよい。
【0022】
また、主走査位置検知手段の光ビーム入射側に光ビームの主走査方向に集光する第1のレンズを配置し、副走査位置検知手段の光ビーム入射側に光ビームの副走査方向に集光する第2のレンズを配置するようにしてもよい。この時、第1のレンズと第2のレンズを一体構成とするようにしてもよい。
【0023】
また、本発明では、案内手段を反射ミラーとし、主走査位置検知手段と副走査位置検知手段に照射される光ビームの集光位置の差を反射ミラーの表面の反射面と反射ミラーの内部の反射面でそれぞれ反射させることにより補正する。このようにすることによって主走査検知手段と副走査検知手段の配置による集光位置の差を補正することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略側面図である。また、図2は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略上面図である。
【0025】
図1に示すように本発明の実施の形態に係る画像形成装置は、光を走査する走査光学系12と走査された光が照射される画像担持体としての4つの感光体ドラム40K、40Y、40M、40Cからなる感光体40により構成されている。
【0026】
走査光学系12は、図2に示すように、ブラック(以下、Kと称する)、イエロー(以下、Yと称する)、マゼンタ(以下、Mと称する)、シアン(以下、Cと称する)、用の潜像を形成するための光ビームを照射する4つの半導体レーザ光源14K、14Y、14M、14Cが配置され、4つの半導体レーザ光源14K、14Y、14M、14Cの光ビーム射出側にはそれぞれ光ビームを平行光に成形するコリメータレンズ16K、16Y、16M、16Cが配置されている。
【0027】
コリメータレンズ16K及び16Yの光ビーム射出側、並びに、コリメータレンズ16M及び16Cの光ビーム射出側には、それぞれハーフミラー18が配置されている。
【0028】
半導体レーザ光源14K、14Y、及び、半導体レーザ光源14M、14Cより射出された光ビームの光路構成は、同一構成のため半導体レーザ光源14K、14Yより射出された光ビームの光路構成について説明し、半導体レーザ光源14M、14Cより射出された光ビームの光路構成についての説明は省略する。
【0029】
半導体レーザ光源14K、14Yより射出された光ビームは、コリメータレンズ16K、16Yを介してハーフミラーに入射される。ハーフミラー18は、半導体レーザ光源14Kから射出されコリメータレンズ16Kを介して入射した光ビームを直角に反射し、半導体レーザ光源14Yから射出されコリメータレンズ16Yを介して入射した光を半導体レーザ光源14Kの光路と同一方向に透過する。また、ハーフミラー18の反射側及び透過側には、反射ミラー20が配置され、ハーフミラー18から入射された光ビームが直角に反射されるようになっている。
【0030】
半導体レーザ光源14Kより射出された光ビームの光路に配置された反射ミラー20の光ビーム反射側には、回転多面体22(所謂ポリゴンミラー)、fθレンズ24、反射ミラー26K、シリンダーミラー28K、ピックアップミラー30、感光体ドラム40Kが順に配置されている。反射ミラー20によって反射され、fθレンズ24に入射された光ビームは、ポリゴンミラー22によって反射され、再びfθレンズ24を介してシリンダーミラー28Kによって感光体ドラム40K上に案内される。
【0031】
同様に、半導体レーザ光源14Yより射出された光ビームの光路上には、反射ミラー26Kの近傍に反射ミラー26Y、シリンダーミラー28Kの近傍にシリンダーミラー28Y、感光体ドラム40Kの近傍に感光体ドラム40Yがそれぞれ配置され、半導体レーザ光源14Yより射出され反射ミラー20を介してfθレンズ24に入射された光ビームは、ポリゴンミラー22によって反射され、再びfθレンズ24を介してシリンダーミラー28Kによって感光体ドラム40K上に案内される。
【0032】
ポリゴンミラー22が、回転しながら入射される光ビームを反射することによって主走査方向の走査露光がなされる。また、それぞれの感光体ドラム40K、40Yが回転することによって副走査方向の走査露光がなされる。
【0033】
なお、半導体レーザ光源14K、14Yから射出される光ビームと半導体レーザ光源14M、14Cから射出される光ビームのポリゴンミラー22への入射方向は、対向する方向であるため、感光体ドラム40K、40Yと感光体ドラム40M、40Cの主走査方向が逆向きとなる。
【0034】
感光体40と対抗する位置には、主走査位置を検知する検知手段であるビーム同期センサ及び副走査位置を検知する検知手段である副走査位置検知器(以下、PSDと称する)が配置された基板32が配置されており、上述したように、シリンダーミラー28K、28Y、28M、28Cと感光体ドラム40K、40Y、40M、40Cの間に設けられたピックアップミラー30によって案内するように構成されている。
【0035】
ピックアップミラー30は、光ビームが走査される主走査方向の端部、すなわち、主走査方向の1ライン走査時における初め、又は、終わりに光ビームを反射して基板32上のビーム同期センサ及びPSDに光ビームを照射する。本実施の形態では、ピックアップミラー30によって、半導体レーザ光源14K、14Yより射出された光ビームが、主走査方向の1ライン走査開始時に基板上に配置されたビーム同期センサ及びPSDを照射し、半導体レーザ光源14M、14Cより射出された光ビームが、主走査方向の1ライン走査終了時に基板32上に配置されたビーム同期センサ及びPSDを照射する。
【0036】
光ビームの主走査方向の位置を検知するビーム同期センサは一般的な主走査ビーム同期検知器が各色毎用に用いられ、1つの基準となる同期検知信号(例えば、K(黒))から各色の主走査位置検知信号との差がカウンタ等で計測される。カウンタ等で計測された値から基準となる同期検知信号とのずれ量が算出され、このずれ量に応じて書き出し位置が調整されることによって、主走査方向の色ずれが制御される。
【0037】
また、光ビームの副走査方向の位置を検知するPSDによって、副走査方向の光ビーム照射位置が検出される。このPSDによって検出された値に基づいて光ビームの副走査方向の書き出しタイミングが調整されることにより、副走査方向の色ずれが制御される。
【0038】
このように、感光体40に照射される光ビームとは別にピックアップミラー30によってビーム同期センサ及びPSDを備えた基板32に光ビームを入射させることにより、画像形成装置内で射出される光ビームの主走査方向及び副走査方向の光ビーム位置を検知することができる。また、ビーム同期センサ及びPSDを単一基板(基板32)に配置することにより、画像形成装置内の温度変化などの環境変化に対してもそれぞれのセンサ(ビーム同期センサとPSD)の出力の変動量をばらつかせることなく同一にすることができ、温度変化などの環境変化が生じても精度良く光ビームの主走査位置及び副走査位置を検出することができると共に感光体40に照射される光ビームの走査位置(色ずれ)を制御することができる。
【0039】
また、基板32が感光体40から離れた位置に配置されているため、感光体40を交換する際、感光体40とビーム走査位置検知手段であるビーム同期センサ及びPSDとの調整を行う必要がなくなると共にビーム走査位置検知手段であるビーム同期センサ及びPSDを汚すことがなくなり、感光体40の交換性を向上することができる。
【0040】
次に図3(a)、(b)、及び図4を参照してPSD44について説明する。
【0041】
図3(a)、(b)に示すように、ポジショニング抵抗48に対して電流源50、ダイオード52、静電容量54、並列抵抗56が並列に接続されるような等価回路を有しており、ポジショニング抵抗48に入射された光ビームの位置を検出するものである。図3中の58はバイアス、60a、60bは電極である。
【0042】
図4は、上述したPSD44にて位置検出をするための制御ブロック図である。
【0043】
図4に示すように、PSD44に対して増幅器62、A/Dコンバータ66が設けられている。PSD44は、光ビーム照射位置に応じた電気信号出力を発生し、電圧比較器64に入力される設定電圧Vは、光ビームが走査されるべき所定の位置に照射された時のPSD44の出力を増幅器62にて増幅した時の電圧とすると、光ビームの位置ずれによる誤差出力が電圧比較器64から出力される。この誤差出力をA/Dコンバータ66に入力してデジタル化する。このデジタル量に応じて副走査演算回路58で補正値が演算される。
【0044】
次に、基板32の構成について、図5を参照して説明する。
【0045】
図5に示すように、基板32には、取り付け穴34が4ヶ所設けられている。また、半導体レーザ光源から照射される光ビームが主走査される方向をX軸とし、半導体レーザ光源から照射される光ビームが主走査される方向と直行する方向をY軸とすると、基板32のX、Yの位置決めを行うための第1基準穴36が設けられ、Y軸を長軸とする楕円形状でXの位置決めを行うための第2基準穴38が設けられている。基板32は、第1基準及び第2基準によって所定の位置に位置決めされ、4ヶ所の取り付け穴34を螺子で走査光学系12に螺合されている。
【0046】
基板32には、上述したビーム同期センサ42(42K、42Y、42M、42C)及びPSD44(44K、44Y、44M、44C)が半導体レーザ光源14K、14Y、14M、14Cから照射される光ビームにそれぞれに対応して配置されており、ビーム同期センサ42K及びPSD44Kは、上述したX軸に沿って隣接配置されており、半導体レーザ光源14Kから射出された光ビームがそれぞれに照射される。同様に、ビーム同期センサ42Y、42M、42C及びPSD44Y、44M、44Cは、X軸に沿って隣接配置されており、それぞれ半導体レーザ光源14Y、14M、14Cから射出された光ビームが照射される。
【0047】
なお、それぞれのビーム同期センサ42K、42Y、42M、42CのY軸方向の配置は、ビーム同期センサ42Kからの検出信号を基準とし、他のビーム同期センサからの検出信号との差をカウンタで計測するために、Kの光ビームが照射されるビーム同期センサ42Kに初めに光ビームが照射されるように、光ビームが主走査される最も上流側に配置され、その他のビーム同期センサ42Y、42M、42Cは、Y軸に沿って直線上に配置されている。また、それぞれのPSD44K、44Y、44M、44Cは、Y軸に沿って直線状に配置されている。
【0048】
図6に示すように、PSD44は、基板32に矩形の開口部46を設け、開口部46の裏面(半導体レーザ光源14(半導体レーザ光源14K、14Y、14M、14Cを総称して半導体レーザ光源14という)から照射される光ビームの入射側と反対側の面)から半田によって溶着されており、ビーム同期センサ42は、基板32の表面側(半導体レーザ光源14から照射される光ビームの入射側)にPSD44に隣接して半田で溶着されている。なお、ビーム同期センサ42及びPSD44の光入射方向は、同一である。
【0049】
このように、PSD44を基板32の裏面から取り付けることにより、ビーム同期センサ42とPSD44の足が干渉することなく基板32に実装することができ、PSD44とビーム同期センサ42の間隔を狭くすることができる。PSD44とビーム同期センサ42の間隔を狭くできることによって、主走査方向の走査ストロークを短縮することができる。すなわち、ポリゴンミラー22から感光体40に到るまでの距離を短縮することができるので、装置を小型化することができる。また、走査ストロークが短縮されることによって、半導体レーザ光源14の点灯時間が短縮され、半導体レーザ光源14の寿命を延ばすことができる。
【0050】
また、図7は、PSD44の取り付け部を示す図である。PSD44の取り付けは、基板32に設ける矩形の開口部46をPSD44の外形と同等の矩形の開口部を設ければよいが、製造上基板32にPSD44と同等の矩形の開口部46を設けることは開口部46に精度を必要とするため、基板32が高価になってしまう。そこで、本実施の形態では、図7に示すように、PSD44の外形よりも大きい矩形の開口部46を設け、矩形の開口部46の隣接する2辺の面に精度を持たせ、PSD44をこの隣接する2辺の面を基準に半田溶着されている。このようにすることによって、基準となる隣接する2辺の面以外の2辺の面の寸法公差を緩和することができ、基板32の製造を容易し、生産コストを下げることができる。
【0051】
基板32の光ビーム入射側には、図8(a)(b)に示すように、主走査方向に集光能力を有する主走査集光レンズ70及び副走査方向に集光能力を有する副走査集光レンズ72が一体構成とされて配置されている。
【0052】
主走査集光レンズ70は、PSD44の光ビーム入射側に配置され、図8(a)に示す点線のように、主走査集光レンズ70を介してPSD44に光ビームが入射される。副走査集光レンズ72は、ビーム同期センサ42の光ビーム入射側に配置され、図8(b)のように、副走査集光レンズ72を介してビーム同期センサ42に光ビームが入射される。
【0053】
このように、PSD44においては、主走査集光レンズ70上を走査される光ビームは、PSD44上に集光されるので、画像形成装置の高速化あるいは高解像度化によって走査される光ビームの走査速度が増しても精度良く副走査位置を検出することができる。ビーム同期センサ42においては、副走査集光レンズ72上を走査される光ビームは、ビーム同期センサ42上に集光されるので、走査される光ビームの副走査方向の位置変動に対してもビーム同期センサ42から光ビームが外れることなく確実に主走査位置を検出することができる。また、それぞれの主走査集光レンズ70、副走査集光レンズ72を一体構成とすることにより、レンズの占めるスペースを狭くすることができ、装置を小型化することができる。
【0054】
基板32には、主走査集光レンズ70と副走査集光レンズ72が光ビーム入射側に配置されているが、上述したように基板32に配置されたビーム同期センサ42とPSD44は、基板32の表裏に配置されているため、ビーム同期センサ42とPSD44に入射される光ビームの焦点方向にに差が生じる。このため、本実施の形態では、ビーム同期センサ42がPSD44より光ビーム入射側に焦点位置となることを補正するために、図9に示すように、ピックアップミラー30の内側に反射面を設けてこの反射面によってビーム同期センサ42に反射させ、ピックアップミラー30の表面に反射面を設けてPSD44に反射させる。これによって、光ビームの焦点方向の差を補正することができる。
【0055】
上述のように構成することによって、ビーム同期センサ42とPSD44を感光体40と同等の位置に配置することができ、正確な光ビームの主走査位置及び副走査位置を検出することができる。
【0056】
すなわち、感光体40から離れた位置に、ビーム同期センサ42とPSD44を配置することができるため、感光体40交換時にビーム同期センサ42及びPSD44の調整を行う必要がなく、埃などがビーム同期センサ42及びPSD44に付着することがなくなり、感光体40の交換性を向上することができる。
【0057】
次に、本実施の形態の作用について図1,図2、及び図9を参照して説明する。
【0058】
なお、半導体レーザ光源14K、14Y、14M、14Cより射出される光ビームの光路は、同一であるため、半導体レーザ光源14Kを例に説明する。
【0059】
半導体レーザ光源14Kより射出された光ビームは、コリメータレンズ16Kによって平行光に変換され、ハーフミラー18に入射される。ハーフミラー18に入射された光ビームは、反射ミラー20へ反射され、反射ミラー20によってポリゴンミラー22へ反射される。
【0060】
ポリゴンミラー22に入射された光ビームは、ポリゴンミラー22の回転によって、主走査がなされてfθレンズ24に反射され、fθレンズ24によって線状の光ビームに変換される。fθレンズ24より射出された光ビームは、反射ミラー26に入射し、反射ミラー26によってシリンダーミラー28Kに反射される。シリンダーレンズ28Kに入射された光ビームは、スポット状の光ビームに変換され感光体ドラム40K上に走査露光が行われる。感光体ドラム40Kが、主走査速度に応じて回転することによって副走査方向の走査露光が行われる。
【0061】
また、シリンダーレンズ28Kより感光体ドラム40Kに走査露光を行う際、ポリゴンミラーによる1ラインの主走査開始時(又は主走査終了時)、の光ビームは、ピックアップミラー30によって、基板32に反射される。この時、光ビームはピックアップミラー30の表面の反射面によって副走査位置を検出するPSD44に反射され、ピックアップミラー30の裏面(反射剤が蒸着される面)の反射面によってビーム同期センサ42に反射される。これによって、ビーム同期センサ42及びPSD44に光ビームを照射することができ、光ビームの主走査位置及び副走査位置を検出することができる。また、上述したようにPSD44は基板上32の裏面側に配置されているためビーム同期センサ42とPSD44の焦点位置が異なるが、ピックアップミラー30の反射面の位置を上述したように異なる反射面で反射させることにより、焦点位置を補正することができる。
【0062】
続いて、図10を参照して主走査方向の光ビーム点灯タイミングについて説明する。
【0063】
図10中の80は、Kの光ビームの主走査位置を検出するための主走査位置検出信号(K)、82はKの光ビームの副走査位置を検出するための副走査位置検出信号(K)、84はKの画像を印字するための画像信号(K)であり、86はYの光ビームの主走査位置を検出するための主走査位置検出信号(Y)、88はYのビームの副走査位置を検出するための副走査位置検出信号(Y)、90はYの画像を印字するための画像信号(Y)である。また、同様に、M及びCについてそれぞれ、92主走査位置検出信号(M)、94副走査位置検出信号(M)、96画像信号(M)、98主走査位置検出信号(C)、100副走査位置検出信号、102画像信号(C)である。
【0064】
画像信号(K)84は画像データを印字するためのデータに応じて半導体レーザ光源14Kを点灯させるとと共に、ビーム同期センサ42KとPSD44K上を光ビームが照射されるように半導体レーザ光源14Kの点灯タイミング(t1、t2、t3、t4)の制御を行う。
【0065】
この半導体レーザ光源14Kの点灯タイミング(t1、t2、t3、t4)はKの場合を例に説明すると、まず主走査位置検出信号(K)80が出力されてから次に半導体レーザ光源14Kを点灯させようとするまでの時間t5をカウンタで計測して半導体レーザ光源14Kを点灯させ、主走査位置検出信号(K)80が出力された時に半導体レーザ光源14Kを消灯させるタイミングで制御を行うことにより、ビーム同期センサ42K及びPSD44K上を光ビームが照射するようにしている。
【0066】
M及びCの場合は、ビーム同期センサ42M、42C及びPSD44M、44C上を走査する光ビームの走査方向がK及びYとは逆方向となり、主走査位置検出信号は1ラインの主走査終了時に出力される。主走査位置検出信号を基準に次の半導体レーザ光源の点灯させる時間をカウントすれば、Kと同様な制御を行うことができる。
【0067】
また、主走査方向の各色のずれ量の補正は、ビーム同期センサ42Kにより検出された信号を基準に各色のビーム同期センサ42Y、42M、42Cによって検出された信号との差をカウンタ等で計測して書き出し位置の制御を行い、副走査方向の各色のずれ量の補正は、PSD44により検出された信号に基づいて各色の光ビーム副走査方向の書き出しタイミングを調整することによって副走査方向のずれ量が補正される。
【0068】
さて、上述したビーム同期センサ42とPSD44の基板32に配置する間隔を狭く配置することにより、図10に示すタイミングチャートの半導体レーザ光源点灯時間(t1、t2、t3、t4)を短縮することができる。
【0069】
なお、上記の実施の形態では、複数の半導体レーザ光源14よりそれぞれに対応する感光体40に照射する光ビームの位置を検出するビーム同期センサ42(42K、42Y、42M、42C)及びPSD44(44K、44Y、44M、44C)を単一基板32に構成するようにしたが、ビーム同期センサ42(42K、42Y、42M、42C)を同一基板上に配置し、PSD44(44K、44Y、44M、44C)を他の同一基板上に配置し、ピックアップミラーによってそれぞれに照射するようにしてもよい。
【0070】
また、主走査集光レンズ70及び副走査集光レンズ72を一体構成としたが、それぞれ別々に配置するようにしてもよい。
【0071】
さらに、基板32に配置されたビーム同期センサ42とPSD44は、基板32の表裏に配置されているため、ビーム同期センサ42とPSD44に入射される光ビームの焦点方向に差が生じる。このため、本実施の形態では、ビーム同期センサ42がPSD44より光ビーム入射側に焦点位置となることを補正するために、図9に示すように、ピックアップミラー30の内側に反射面を設けてこの反射面によってビーム同期センサ42に反射させ、ピックアップミラー30の表面に反射面を設けてPSD44に反射させることによって、光ビームの焦点方向の差を補正するようにしたが、ビーム同期センサ42及びPSD44に照射される光ビームの焦点方向の差をそれぞれの光ビーム入射側に設けられた主走査集光レンズ70及び副走査集光レンズ72によって焦点位置を変えるようにしてもよい。
【0072】
また、本実施の形態では、複数の光源に対応して画像担持体を複数設ける構成としたが、単一光源に対して単一画像担持体を設けるようにしてもよいし、複数光源に対して単一画像担持体を設けるようにしてもよい。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、正確な走査位置計測が可能な小型で且つ低コストの画像形成装置を提供することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る画像形成装置の側面図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係る画像形成装置の上面図である。
【図3】 画像形成装置に使用するPSDを示す図である。
【図4】 PSDによって位置検出するための制御ブロック図である。
【図5】 基板の概略構成図である。
【図6】 PSDの取り付け部を示す図である。
【図7】 PSDの取り付け開口部を示す図である。
【図8】 ビーム同期センサ及びPSDの光ビーム入射側に設けられた集光レンズを示す図である。
【図9】 案内手段であるピックアップミラーを示す図である。
【図10】 光ビームの主走査点灯タイミングを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
10 画像形成装置
14K 半導体レーザ光源
14Y 半導体レーザ光源
14M 半導体レーザ光源
14C 半導体レーザ光源
30 ピックアップミラー(案内手段)
32 基板
40 感光体(画像担持体)
42 ビーム同期センサ(主走査位置検知手段)
44 PSD(副走査位置検知手段)
46 開口部(透過部)
70 主走査集光レンズ(第1の集光レンズ)
72 副走査集光レンズ(第2の集光レンズ)

Claims (5)

  1. 光ビームを照射する光源と、
    交換可能に設けられ、前記光源から照射される光ビームが走査されることによって潜像が形成される画像担持体と、
    前記光ビームの主走査方向の位置を検知する主走査位置検知手段と、前記光ビームの副走査方向の走査位置を検知する副走査位置検知手段と、により構成され、前記画像担持体上で走査される前記光ビームの走査位置を検知すると共に前記画像担持体と離れた位置に配置された単一基板に設けられた複数のビーム走査位置検知手段と、
    前記基板の前記複数のビーム走査位置検知手段へ前記光源から照射された前記光ビームを案内する案内手段と、
    を有し、
    前記基板に前記光ビームを透過する透過部が設られ、前記主走査位置検知手段及び前記副走査検知手段の一方が、前記透過部に配置されて前記基板の一方の面に固定され、前記透過部に隣接して他方の検知手段が前記基板の他方の面に固定されると共に、前記案内手段が反射ミラーからなり、前記主走査位置検知手段と前記副走査位置検知手段に照射される前記光ビームの集光位置の差を前記反射ミラーの表面の反射面と前記反射ミラーの内部の反射面でそれぞれ反射させることにより補正することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記光源は、複数の光源であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記透過部に配置された前記主走査位置検知手段又は前記副走査位置検知手段は、前記透過部に設けられた開口内に配置され、前記開口内の隣接する壁面によって位置決めされることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記主走査検知手段の光ビーム入射側には、前記光ビームを主走査方向に集光する第1のレンズが配置され、前記副走査検知手段の光ビーム入射側には、前記光ビームを副走査方向に集光する第2のレンズが配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記第1のレンズと前記第2のレンズを一体化したことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
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