JP3814708B2 - 自動車用ドアフレーム構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用車等の車両におけるサイドドアに係り、特にヒドン型と称する自動車用ドアフレーム構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3は、いわゆるヒドン型のドアフレームを有するサイドドアを示している。図において、前後に連設されるフロントサイドドア1とリヤサイドドア1′の間には、図示されていないセンタピラーが立設されている。ここに、ヒドン型のドアフレームは、フレームの見栄えの向上を図るためにフレーム意匠面(外観面)を別部品で覆い隠す構造となっている。このようなヒドン型ドアフレーム構造は本来的に、図3に示すようにルーフレール部に適用されるもので、別部品で覆い隠し易くするために、ルーフレール部の意匠面をできるだけ幅狭に細くするようにしている。
【0003】
図4は、上記したフロントサイドドア1を示している。このフロントサイドドア1は、ドア本体2とドア本体2の上部に一体的に結合するドアフレーム3を有する。ドア本体2は、ドアインナパネル4とドアアウタパネル(図示せず)を接合してなり、その内部に昇降可能に支持されたウィンドウガラス5を格納し得るようになっている。
【0004】
ドアフレーム3は、図5にも示したように窓枠を構成するようにドア本体2の上部に一体的に結合される。またドアフレーム3は、図6に示されるようにインナパネル3aとアウタパネル3bを折曲成形したものを相互に接合し、一定の強度を確保するようにしている。なお、インナパネル3aおよびアウタパネル3bは、スポット溶接(×印)等によって接合され一体化されている。このドアフレーム3にはウィンドウガラス5の周縁部が摺接するガラスラン6が設定され、さらにその下側にウェザストリップ7保持用のチャネル部材8が付設される。
【0005】
ここで図6は、センタピラー対応部分のドアフレーム3の断面構成を示しているが、ルーフレール部と同様にフレーム意匠面(図6、一点鎖線)に対して垂直方向にガラスラン6およびウェザストリップ7が配置されるようになっている。また、ウェザストリップ7を保持するためのチャネル部材8は、図6(A)のように別部品をインナパネル3aの所定部位に結合することにより構成される。あるいはまた、図6(B)のようにインナパネル3aおよびアウタパネル3bを、図示例のように折曲成形することで構成することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のドアフレーム構造において、上記したようなヒドン型にあっては、上述のようにガラスラン6の下側にウェザストリップ7が装着される構造であるため(図6(A))、別部品等を用いてチャネル部材8を構成せざるを得なかった。このため部品点数が多くなり、またその分構造も複雑化していた。一方、インナパネル3aあるいはアウタパネル3bの断面構成を工夫してチャネル部材をつくる場合には、フレーム剛性を確保して行う必要があるため、その制約を受けざるを得ない。
【0007】
また、従来のドアフレーム構造では、図5に示されるようにチャネル部材8の端末部が、言わば切り放し状態で処理されている。このため、ドアフレーム3とドア本体2の結合部における両部材の繋がりが、必ずしも滑らかに行われていなかった。
【0008】
本発明は以上の点に鑑み、構造の簡素化と剛性強化を有効に実現し得る自動車用ドアフレーム構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の自動車用ドアフレーム構造は、窓枠を構成するようにドア本体の上部に一体的に結合し、周縁部内側に沿ってウェザストリップを敷設した自動車用ドアフレーム構造であって、ドアフレームがアウタパネルとインナパネルの2部品を一体接合してなり、このインナパネルの一部により上記ウェザストリップ保持用のチャネル部が形成され、ドア本体とドアフレームとの結合部においてチャネル部が折重ね成形され、その折重ね部分をドア本体のドアインナパネルの内側にのみ込ませるようにした。
上記構成において、好ましくは、折重ね部分はプレス加工により成形される。
【0010】
本発明によれば、この種のヒドン型ドアフレームを、アウタパネルとインナパネルの2部品構成とし、しかもこれらのパネルの断面を最適に構成することでインナパネルによりチャネル部を形成する。これにより部品点数の削減と構造の簡素化を図りながら、所要の強度剛性を有効に確保することができる。
【0011】
また、この場合、ドア本体とドアフレームとの結合部においてチャネル部をドア本体のドアインナパネルの内側にのみ込ませるように折重ね成形している。これにより、特にチャネル部に沿ってドアフレームからドア本体へ滑らかに繋がらせることができる。したがって、チャネル部に敷設されるウェザストリップの通りをよくすることで、ウェザストリップのシール性を大幅に向上することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図1および図2に基づき、図3〜図6を適宜参照しながら従来例と実質的に同一または対応する部材には同一符号を用いて、本発明による自動車用ドアフレーム構造の好適な実施の形態を説明する。
【0013】
この実施形態にあっては本発明を、ヒドン型のドアフレームを有する自動車のサイドドアに適用するものとし、この例ではフロントサイドドア1は前述した従来例の場合と同様に、ドア本体2とドア本体2の上部に一体的に結合するドアフレームを有するものとする。なお、ドア本体2自体の構成は、実質的に従来例のものと同様であり、したがってドアインナパネル4とドアアウタパネルを接合してなり、その内部に昇降可能に支持されたウィンドウガラス5を格納し得るようになっている。
【0014】
さて、本発明において、図1に示すように、ドアフレーム10は窓枠を構成するようにドア本体2の上部に一体的に結合され、周縁部内側に沿ってウェザストリップが敷設される。つまりドアフレーム10は、図2において後述するようにアウタパネル11とインナパネル12の2部品を一体接合してなる。
なお、図1は、ドアフレーム10とドア本体2の結合部まわり(前述した図4のB部対応部分)を示している。図中、各矢印UP,IN,Rはそれぞれ上方、内方および後方を示す。
【0015】
図2(A)に示すように、インナパネル12の一部によりウェザストリップ保持用のチャネル部13が形成される。図2(A)はドアフレーム10の一般部の断面構成を示す。インナパネル12は図示のように所定断面形状(この例のようにたとえば、概略変形C字状でよい。)に折曲成形される。またインナパネル12のアウタパネル11寄りの適所をスポット溶接(×印)等によって相互に接合し、一定の結合強度を確保している。
【0016】
図2(B)はドアフレーム10とドア本体2の結合部の断面構成を示しており、ドア本体2とドアフレーム10との結合部において、チャネル部13の端部13aが折重ね成形される。この端部13aは、ドアフレーム10の一般部においては図中、点線により示されるようにチャネル部13を構成すべくC字状に拡開しているが、プレス加工により簡単かつ適正に折重ね成形される。この折重ね部分は、図1に示されるようにドア本体2のドアインナパネル4の内側にのみ込ませるようになっている。
【0017】
上記構成において、上述のようにドアフレーム10はアウタパネル11とインナパネル12の2部品構成でなり、部品点数が削減されている。しかもこれらのパネル材の断面を最適に構成することでインナパネル12自体によりチャネル部13が形成される。この場合、図2(A)からも明らかなようにドアフレーム10の一般部において、所要の強度剛性を得るために十分な断面積が確保されている。このように部品点数の削減と構造の簡素化を図りながら、所要の強度剛性を有効に確保している。
【0018】
また、特にドア本体2とドアフレーム10との結合部においてチャネル部13(端部13a)をドア本体2のドアインナパネル4の内側にのみ込ませるように折重ね成形する。これにより特にチャネル部13に沿ってドアフレーム10からドア本体2へ滑らかに繋がらせることができる。
このようにチャネル部13の端末部を好適に処理することで、ドアフレーム10とドア本体2の結合部に段差等が生じることがない。したがってチャネル部13に敷設されるウェザストリップの通りをよくすることで、ウェザストリップのシール性を大幅に向上することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、この種のヒドン型ドアフレームをアウタパネルとインナパネルの2部品で構成し、インナパネルによりチャネル部を形成することにより、部品点数の削減と強度剛性の向上を同時に実現することができる。また特に、チャネル部の端末部処理を工夫することでウェザストリップのシール性を大幅に向上させ、簡単な構造でありながら優れた機能特性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるドアフレームとドア本体の結合部まわりを示す部分斜視図である。
【図2】本発明の実施形態におけるドアフレームとドア本体の結合部の断面構成例を示すそれぞれ断面図である。
【図3】従来のドアフレーム構造に係るサイドドアの正面図である。
【図4】従来のドアフレーム構造に係るフロントサイドドアの内側斜視図である。
【図5】従来のドアフレーム構造に係るドアフレームとドア本体の結合部まわりを示す図4のB部斜視図である。
【図6】従来のドアフレーム構造に係るドアフレームとドア本体の結合部の断面構成例を示すそれぞれ図3のA−A線断面図である。
【符号の説明】
1 フロントサイドドア
2 ドア本体
4 ドアインナパネル
5 ウィンドウガラス
10 ドアフレーム
11 アウタパネル
12 インナパネル
13 チャネル部
13a 端部

Claims (2)

  1. 窓枠を構成するようにドア本体の上部に一体的に結合し、周縁部内側に沿ってウェザストリップを敷設した自動車用ドアフレーム構造であって、
    ドアフレームがアウタパネルとインナパネルの2部品を一体接合してなり、このインナパネルの一部により上記ウェザストリップ保持用のチャネル部が形成され
    上記ドア本体と上記ドアフレームとの結合部において上記チャネル部が折重ね成形され、その折重ね部分をドア本体のドアインナパネルの内側にのみ込ませるようにしたことを特徴とする自動車用ドアフレーム構造。
  2. 前記折重ね部分はプレス加工により成形されることを特徴とする、請求項に記載の自動車用ドアフレーム構造。
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