JP3813372B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冷蔵庫の通電加熱制御方法に関するものである。
【0002】
従来、図4に示すようなセレクトルーム付冷蔵庫が知られている。図4において1は冷蔵庫本体、2は冷蔵室、3は冷凍室、4は野菜室、5は圧縮機、6は凝縮器、7はキャピラリチューブ、8は蒸発器、9は管路、10は蒸発器8で冷却された冷気を冷蔵庫内に送風するファン、11はワイン貯蔵温度から冷凍温度の間で選定された温度に設定して制御・維持できるセレクトルーム、12はセレクトルーム11を加熱するための加熱装置である。加熱装置12はセレクトルーム11の左右および下の壁面に埋め込まれている。
圧縮機5、凝縮器6、キャピラリチューブ7、蒸発器8を順次管路で接続して冷凍サイクルが形成されている。圧縮機5から吐出された高温高圧の冷媒は凝縮器6で液化しキャピラリチューブ7に入り、そこで減圧され蒸発器8で蒸発し、管路9を通り圧縮機5に再び入る。圧縮機5の運転とともにファン10を運転し、蒸発器8で冷却された冷気を冷蔵庫内に送風し、冷凍室3、冷蔵室2、野菜室4、セレクトルーム11が冷却されるようになっている。
【0003】
セレクトルーム11の温度を例えばチルド温度(約0℃)に維持・制御してチルド室として使用した後、セレクトルーム11の温度をワイン貯蔵温度(約8℃)に変更してワイン貯蔵室として使用しようとした場合、従来は、加熱装置12に備えた図示しないヒータの定格電流値100%の電流を流して(本発明においてこの場合、通電率100%と称す)目標値(約8℃)まで温度を上昇させるので、図5の曲線Aに示したように温度は当初急速に上昇するが、目標値に到達した後、目標値を超えて大きくオーバーランしてしまい、その後も通電率100%のオン・オフが行われるのでなかなか目標値に安定せず、目標値に精度良く制御されるようになるまでの時間が長くなる問題があった。目標値に達するまでの時間が長くなると消費電力が大きくなる問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、加熱装置12への通電率を当初から落とし、例えば通電率10%で目標値(約8℃)まで温度を上昇させようとすると、図5の曲線Bに示したように目標値に到達した後、目標値を超えて大きくオーバーランすることはないが、セレクトルーム11の温度は当初からなかなか上昇せず、やはり目標値に到達するまでの時間が長くなり、消費電力が大きくなる問題があった。
本発明の目的は、セレクトルーム付冷蔵庫のセレクトルームの温度を急速に上昇させ、短時間で目標値に精度良く制御・維持できるようにして、消費電力を小さくした冷蔵庫の通電加熱制御方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の発明は、所定の温度帯の間で所望の設定温度に切替可能な切替室を備えるとともに、この切替室を冷却する冷却装置と、前記切替室を加熱する加熱装置を備えた冷蔵庫において、前記加熱装置は、通電により発熱するヒータを備え、前記切替室の設定温度を現在の温度よりも高い目標温度に設定する際、前記目標温度に到達するまでの間に複数の目標値を設定し、加熱スタート時の通電率で通電して目標値に到達したら直ちに前記通電率より低い通電率で通電して次の目標値まで加熱することを繰り返して急速に前記切替室を加熱して前記目標温度に到達した後、前記目標温度に制御・維持するにあたり、次の各目標値に到達する毎に前記加熱装置のヒータへの通電率を段階的に減少させることを特徴とする冷蔵庫に関する。
【0006】
本発明の請求項2の発明は、請求項1記載の冷蔵庫において、前記目標値がワイン貯蔵温度であることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図3、図6に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の冷蔵庫の一実施形態を説明する説明図であり、図2はセレクトルーム温度と加熱開始後の時間との関係を示すグラフであり、図3は、本発明の冷蔵庫の通電加熱制御方法の一実施形態を説明するフローチャートである。図6は、図1に示した本発明の冷蔵庫の断面図である。
【0008】
図1および図6において1は冷蔵庫本体、2は冷蔵室、3は冷凍室、4は野菜室、5は圧縮機、8は蒸発器、10は蒸発器8で冷却された冷気を冷蔵庫内に送風するファン、11はワイン貯蔵温度から冷凍温度の範囲までの任意の温度に設定して制御・維持できるセレクトルーム、12はセレクトルーム11を加熱するためのヒータを備えた加熱装置であり、13は製氷室である。
このセレクトルーム11は断熱材により区画形成され、季節、家族構成の変化などその時のニーズに合わせて設定する温度を変えることにより、例えば冷蔵室(約2℃)、野菜室(約5℃)、冷凍室(約−18℃)、氷温室(約−3℃)、チルド室(約0℃)あるいはワイン貯蔵室(約8℃)などとして使用することが可能である。
【0009】
圧縮機5、図示しない凝縮器、キャピラリチューブ、蒸発器8を順次管路で接続して冷凍サイクルが形成されている。圧縮機5から吐出された高温高圧の冷媒は図示しない凝縮器で液化し図示しないキャピラリチューブに入り、そこで減圧され蒸発器8で蒸発し、圧縮機5に再び入る。圧縮機5の運転とともにファン10を運転し、蒸発器8で冷却された冷気を冷蔵庫内に送風し、冷凍室3、冷蔵室2、野菜室4、セレクトルーム11、製氷室13などが冷却されるようになっている。
【0010】
セレクトルーム11には温度センサ14が設置されており、温度センサ14で検知した温度を図示しない制御装置へ送って、この制御装置からの信号に基づいて加熱装置12のヒータへの通電率を適宜変えて熱気をセレクトルーム11へ供給して温度を上昇させ目標値に維持・制御できるようになっている。
【0011】
図3に示したフローチャートにより、セレクトルーム11の温度を例えばチルド温度(約0℃)に維持・制御してチルド室として使用した後、セレクトルーム11の温度をワイン貯蔵温度(約8℃)に変更してワイン貯蔵室として使用しようとした場合について説明する。
【0012】
S1で、セレクトルーム11の温度をワイン貯蔵温度(約8℃)(目標値D)に設定する。S2で加熱装置12の図示しないヒータへ通電率100%で通電が行われ、セレクトルーム11の加熱がスタートする。そしてS3で、温度センサ14で検知されたセレクトルーム11の温度d1が目標値Dに対して(d1/D)=1/2になったら、前記制御装置からの信号に基づいて通電率が50%に変更される。そしてS4で、温度センサ14で検知されたセレクトルーム11の温度d2が前記Dに対して(d2/D)=3/4になったら、前記制御装置からの信号に基づいて通電率が25%に変更される。そしてS5で、温度センサ14で検知されたセレクトルーム11の温度d3が前記Dに対して(d3/D)=7/8になったら、前記制御装置からの信号に基づいて通電率が約12%に変更される。このような通電率の変更を続けてセレクトルーム11の温度dnが目標値Dに達したらその値Dに維持・制御される。
【0013】
その後、ワイン貯蔵温度(約8℃)に維持・制御されたこのセレクトルーム11を、例えば、ワイン貯蔵温度(約8℃)から冷凍温度(例えば−18℃)に変更するような場合は、加熱装置12への通電を停止し、通常の冷却の制御に従って蒸発器8で冷却された冷気をセレクトルーム11に送風して冷却して冷凍温度に制御・維持される。
【0014】
そして、再度、冷凍温度に維持・制御されたこのセレクトルーム11を、チルド温度(約0℃)に変更してチルド室として使用する場合は、上記S1に戻り、S1〜Snの順に通電率を段階的に変更してセレクトルーム11を加熱して目標温度に制御・維持する。
【0015】
図2に本発明の冷蔵庫の通電加熱制御方法によりセレクトルーム11を加熱した場合のセレクトルーム温度と加熱開始後の時間との関係を示す。図2に示したように本発明の冷蔵庫の通電加熱制御方法によればセレクトルーム温度は加熱開始とともに急速に上昇し目標値に達した後、目標値をオーバーランすることが少ないので短時間で目標値に精度良く制御・維持することができ、消費電力が小さくなる。
【0016】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨から逸脱しない範囲で各種の変形実施が可能である。
【0017】
【発明の効果】
本発明の冷蔵庫は、セレクトルーム(切替室)の温度を急速に上昇させ、短時間で目標値に精度良く制御・維持できるので、消費電力が小さい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で用いる冷蔵庫の一実施形態の正面図である。
【図2】 本発明の冷蔵庫のセレクトルーム温度と加熱開始後の時間との関係を示すグラフである。
【図3】 本発明の冷蔵庫の通電加熱制御方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
【図4】 従来の冷蔵庫の断面を示す説明図である。
【図5】 従来の冷蔵庫のセレクトルーム温度と加熱開始後の時間との関係を示すグラフである。
【図6】 図1に示した本発明の冷蔵庫の断面を示す説明図である。
【符号の説明】
1 冷蔵庫本体
2 冷蔵室
3 冷凍室
4 野菜室
5 圧縮機
8 蒸発器
10 ファン
11 セレクトルーム(切替室)
12 加熱装置
14 温度センサ

Claims (2)

  1. 所定の温度帯の間で所望の設定温度に切替可能な切替室を備えるとともに、この切替室を冷却する冷却装置と、前記切替室を加熱する加熱装置を備えた冷蔵庫において、前記加熱装置は、通電により発熱するヒータを備え、前記切替室の設定温度を現在の温度よりも高い目標温度に設定する際、前記目標温度に到達するまでの間に複数の目標値を設定し、加熱スタート時の通電率で通電して目標値に到達したら直ちに前記通電率より低い通電率で通電して次の目標値まで加熱することを繰り返して急速に前記切替室を加熱して前記目標温度に到達した後、前記目標温度に制御・維持するにあたり、次の各目標値に到達する毎に前記加熱装置のヒータへの通電率を段階的に減少させることを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記目標値がワイン貯蔵温度であることを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
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