JP3812853B2 - 植物油含有ディーゼル燃料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はディーゼルエンジン用の燃料油に係わり、特には広いエンジン出力範囲でパティキュレートの発生を防止でき、しかも製造の容易な植物油を含有したディーゼル燃料に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンには、軽油、A重油などが燃料として一般的に使用されている。これらの燃料は、着火性に優れ、排気ガス中に含まれる大気汚染物質(特に窒素酸化物(NOx)、パティキュレート(粒状物質;黒煙を含む))の発生が少ないものが望ましい。しかし、一般の鉱油系燃料は、エンジンの負荷などによりパティキュレートの発生が見られる場合がある。
【0003】
パティキュレートの発生を抑制するためには、燃焼温度を高める方法が有効である。しかし、燃焼温度を高めると窒素酸化物(NOx)の発生が顕著となる。このため、軽油の燃焼性を改善でき、かつNOxの発生防止に効果のある含酸素化合物を添加し、パティキュレートの発生防止とNOxの発生防止を両立させる試みがなされてきた。
【0004】
例えば、パティキュレートの発生と関連があると考えられるカーボンデポジットを抑制できる燃料として、特開昭61−57686号公報には植物油エステルと、軽油、灯油、重油、植物油及びアルコールから選ばれる1種以上を含む植物油ブレンド燃料が開示されている。また、特表平6−510804号公報には、植物油及び/又は動物油、炭素数1〜5の脂肪族アルコール及びガソリンからなるディーゼルエンジン用燃料が開示されており、環境汚染の危険が少ない燃料として使用できるとしている。さらに、この明細書中には、植物油を添加したイギリス及びドイツの特許に関する記載があり、このなかで植物油のアルキル脂肪酸エステルと発火促進剤(セタン価向上剤)を鉱物油と混合した燃料についても述べている。特開平7−82576号公報には、粒状物質の発生を抑制するため、グリセロールエーテル、植物油のメチルエステルを鉱物油燃料に添加した低硫黄のディーゼル燃料に関する開示がある。特開平8−41468号公報にはNOxと黒煙の発生防止のため鉱物油に動植物油を添加したディーゼル燃料が開示されている。
【0005】
この他に、植物油或はアルコールを鉱物油に添加したディーゼル燃料の例としては、特公昭60−32674号公報に、炭素数1〜3のアルコール、軽油及びひまし油からなるディーゼル機関用燃料について開示がある。また、特開昭58−222189号公報には、ひまわりの種子より抽出した植物油、エタノール、エーテル及びテレビン油からなる軽油に代る動力用液体燃料について開示がある。これらの発明は、石油資源の枯渇対策が主目的であり、パティキュレートの発生やNOx発生に関する記述はないが、パティキュレートの発生防止とNOxの発生防止を両立可能な燃料と考えられる。さらに、ヨーロッパ特許665873号公報には、植物油(植物油又はエステル化植物油)と鉱物油からなり、これにエチレンコポリマー、炭素数10〜30で酸素を含む直鎖状有機物、極性含窒素化合物(セタン価向上剤)等を添加したディーゼル燃料油が開示されている。
【0006】
上記のように、植物油、アルコール等の含酸素化合物の添加は、パティキュレート発生防止とNOx低減に有効である。パティキュレート発生を防止する手段としては、この他に燃料を軽質化する方法、芳香族成分含有量を低下させる方法等が知られている。例えば、R.A.Bouffrd等は、90%留出温度が高くなるに従って全パティキュレート濃度が高くなり、特に600°F(約316℃)を超えると全パティキュレート濃度が急激に増加することを報告している(Spec.Publ.Soc.Automot.Eng.,SP−502,1(1981).)。また、同時に留出温度が640°(約338℃)以上の留分に含まれる芳香族成分濃度と全パティキュレート濃度の間に良好な相関があることも明らかにしている。さらに、特開平7−331261号公報明細書中には、終点温度を340℃以下にすることでパティキュレート発生を低減することが可能であるとの記載がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述のディーゼル燃料のうち、植物油、エステル化植物油を多量に使用した場合は、セタン価が低下する。セタン価が51を切ると白煙の発生が顕著になるためセタン価向上剤を多量に添加することになるが、セタン価向上剤を多量に添加した場合は、軽油燃料の10%残炭値が規格値を外れるという問題がある。
【0008】
また、本発明者らが鉱物油由来の軽油性状を変えたもの単独、或はこれにエステル化植物油を加えたものについてエンジン負荷と排気ガス中の大気汚染物質について調べた結果、単に市販軽油にエステル化植物油を配合しただけでは、特に低負荷時のパティキュレート発生を防止できないことが分った。鉱物油燃料の軽質化(90%留出温度を下げたもの)も、パティキュレート発生防止に有効である。しかし、大幅に軽質化しなければ効果が弱い。しかも、大幅に軽質化すると鉱物油燃料或はエステル化植物油添加燃料のどちらでも、特に低負荷時に排ガス中の炭化水素、一酸化炭素濃度が大きく増加してしまう。さらに、鉱物油燃料を軽質化(90%留出温度を300℃以下に下げる)する場合は、重質成分の処理の問題が浮上してくる。また、軽質化する場合のもう一つの問題は、動粘度が2.0mm2/s(at 30℃)を切るようになると、エンジン出力が低下し、アイドリングが不安定になったりすることが挙げられる。
【0009】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、ディーゼル燃料の10%残炭値が規格値内で、エンジン出力を低下させず、90%留出温度を310℃未満に下げることなく、しかもエンジン負荷の全範囲でパティキュレートの発生を大幅に低下させることが可能な軽油と植物油の混合燃料を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らが、鋭意検討した結果、50%留出温度が200〜260℃である鉱物油基材100容量部にエステル化植物油を10〜100容量部配合した燃料が全負荷範囲でパティキュレートの発生を大幅に低下させることが可能であるばかりでなく、排ガス中に含まれる炭化水素、一酸化炭素の濃度も低減可能なことを見出した。さらに検討を進めた結果、セタン価向上剤を500〜1000ppm添加すると白煙の発生も防止でき、しかも鉱物油基材の90%留出温度が310〜360℃のものであってもパティキュレートの発生を大幅に低下させることが可能であることを見出し、本発明を完成させた。
【0011】
すなわち、本発明は、
(1)50%留出温度が200〜260℃であり、軽油と灯油の混合物である鉱物油基材であって、かつ鉱物油基材全量に対して灯油を30〜80%を混合した鉱物油基材100容量部と、エステル化植物油10〜100容量部からなり、動粘度が2.0〜5.0(mm2/s,30℃)、セタン価が51〜57であるディーゼル燃料、
(2)上記鉱物油基材の90%留出温度が310〜360℃である前記(1)に記載の植物油含有ディーゼル燃料、
(3)セタン価向上剤を500〜1500ppm含有する前記(1)〜(2)いずれか一つに記載の植物油含有ディーゼル燃料、
に関する。
【0012】
本発明の燃料は、軽油燃料の10%残炭値が規格値を外れることもなく、エンジンの全負荷範囲で排ガス中のパティキュレート、炭化水素、一酸化炭素を大幅に低減でき、しかも白煙の発生も少ないものである。また、本発明のディーゼル燃料は、その鉱物油基材として一般に市販されている軽油と灯油が使用でき、これにエステル化植物油を配合することで容易に製造可能なため、とくに特殊な製造方法を必要としない実用性に優れる燃料である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のディーゼル燃料油の鉱物油基材は、軽油単独或は軽油と灯油の混合物を用いる。軽油は、硫黄分が0.05質量%以下の深度脱硫軽油が望ましいが、エステル化植物油或は灯油とエステル化植物油の混合物と混合されるため、最終的に硫黄分が0.05質量%以下になるようにすればよい。
【0014】
鉱物油基材として軽油を用いる場合は、50%留出温度が200〜260℃であるものを使用する。しかしながら、このような性状の軽油を、通常の精製プロセスで得るためには工程が煩雑になるばかりでなく、重質成分の処理の問題が浮上してくる。しかしながら、本発明の燃料は、鉱物油基材の90%留出温度が310〜360℃のものであっても問題なく使用可能である。従って、通常の精製プロセスから生産される軽油と灯油を混合する方法が採用可能である。軽油と灯油を混合する場合は、鉱物基材全量に対して灯油を30〜80%、好ましくは40〜70%の範囲で混合する。30%を切っても、80%を超えても上記性状、特に動粘度或はセタン価を満足しなくなることがある。
【0015】
深度脱硫した軽油基材としては、原油の常圧蒸留装置から得られる直留軽油を深度脱硫したもの、直留軽油に、原油の常圧蒸留装置から得られる直留灯油、接触分解装置から副生する接触分解軽油(LCO)、重油直接脱硫装置から副生する直脱軽質軽油等を配合した後に深度脱硫したもの、これらに水素化分解油を配合したもの等を用いることができる。深度脱硫の装置、プロセス及び運転条件は特に限定するものではなく、公知の任意の深度脱硫装置、プロセス等を適宜組合わせて使用することができる。
【0016】
また灯油は、原油の常圧蒸留装置から得られる直留灯油を水素化脱硫した硫黄分0.015質量%以下、蒸留性状140〜310℃のもの等が使用できる。
【0017】
本発明の植物油基材は、エステル化植物油を用いる。エステル化植物油の製造方法は、従来から公知の方法を用いることができ、例えば、酸又はアルカリの存在下で植物油とメタノール、エタノールなどのアルコールとを反応させ、水洗等で精製する方法などを挙げることができる。また、特開平7−310090号公報等に記載のある方法など、従来法を改良した方法を用いてもよい。
【0018】
エステル化植物油の配合量は、鉱物油基材100容量部に対して10〜100容量部である。10容量部を切ると、排気ガス中の炭化水素濃度及び一酸化炭素濃度が増加する傾向があり、望ましくない。また、100容量部を超えた場合であるが、パティキュレートの濃度はほぼ一定となるものの、NOxは増加する傾向があり、100容量部を超えての添加はやはり望ましくない。
【0019】
植物油原料としては、コーン油、大豆油、オリーブ油、なたね油、ごま油、落花生油、やし油等を挙げることができるが、特定の原料にこだわる必要はない。また、清澄油である必要はなく、例えば、食料品加工業者等から排出される廃油等も使用できる。環境問題等を考慮すれば、このような廃油を用いるのが望ましい。
【0020】
本発明の燃料の動粘度(30℃)は2.0mm2/s以上、好ましくは2.2mm2/s以上必要である。2.0mm2/sを切ると、エンジン出力が低下するばかりでなく、アイドリングが不安定になることがある。また、動粘度は5.0mm2/s以下が好ましい。一方、セタン価は白煙の発生を防止するため、51以上、好ましくは55以上であることが望ましい。しかし、本発明の燃料はセタン価が低いエステル化植物油や灯油を含有するため、セタン価向上剤の添加が好ましい。このセタン価向上剤の濃度が1500ppmを超えると、軽油燃料の10%残炭値が規格値を外れることがある。このため、実質的にセタン価は51〜55の範囲となる。セタン価向上剤は、公知のものが使用でき、例えば、硝酸エステル、有機過酸化物等を用いることができる。セタン価向上剤の添加量は、セタン価を51以上とするため、200〜1500ppm、好ましくは500〜1000ppmである。
【0021】
さらに、本発明の燃料は、公知の燃料油添加剤を単独もしくは組み合わせて使用することができる。これらの添加剤としては、例えばエチレン酢酸ビニル共重合体、アルケニルコハク酸アミド等の低温流動性向上剤、アルケニルコハク酸アミド、ポリアルキルアミン等の清浄分散剤、フェノール系、アミン系等の酸化防止剤、サリチリデン誘導体等の金属不活性化剤、アゾ染料等の着色剤等がある。この他、脂肪酸、エステル、アルコール類等の摩擦調整剤、有機硫黄化合物、有機リン化合物等の摩耗防止剤を配合してもよいが、特にその必要はない。これらの添加剤の配合量は任意であるが、各々の添加剤の配合量は組成物全量基準で0.5質量%以下、好ましくは0.2質量%以下である。
【0022】
本発明による軽油は、上述以外の性状について特に規定するものではないが、内燃機関用燃料として、密度(15℃)は0.82g/cm3以上が好ましく、蒸留における留出温度範囲は140〜380℃、好ましくは150〜360℃である。
【0023】
【実施例】
エンジン
表1に示す市販車のエンジンを用いた。
【0024】
【表1】
【0025】
パティキュレート、白煙及びエンジン出力の測定方法
パティキュレートは、堀場製作所製のミニダイリューショントンネルを用いて、フィルター上に捕集し、パティキュレートの重量を測定した。白煙は、タングステンランプを光源とする光の不透過率を測定するファームテック社製ダイリューショントンネル付き白煙計を用た。この白煙は、低温始動時に排出される炭化水素微粒子等である。さらに、エンジン出力は、エンジンを明電舎製直流ダイナモメータに接続し、同社のトルクメータのデータを読み取った。
【0026】
(実施例1)
表3に示す市販軽油50容量部、灯油50容量部、メチルエステル化大豆油(AG Environmetal Products Inc.製)25容量部及びセタン価向上剤(HITEC;エチル社製)1000ppmを配合し、実施例1の植物油含有燃料を調製した。その燃料性状を表2に示す。
【0027】
D13モード試験
実施例1の燃料を用いてD13モード試験を行い、排ガス中の炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)及びパティキュレート(以下PMと略記する)濃度を測定した。比較のために、表3に示す市販軽油で同様の試験を行った。市販軽油に対する相対値を表4に示すが、HC,CO,NOxは市販軽油レベルであるが、PMの発生量が大幅に減少していることが分る。
【0028】
定速運転時のパティキュレート濃度測定試験
実施例1の燃料を用いてエンジン回転数1080及び2160rpmにおけるPM濃度を測定した。比較のために、表3に示す市販軽油で同様の試験を行った。市販軽油に対する相対値を表5、表6に示すが、全負荷範囲でPMが大幅に減少していることが分る。
【0029】
(参考例)
表3に示す軽質化軽油100容量部、メチルエステル化直物油25容量部及びセタン価向上剤(HITEC;エチル社製)1000ppmを配合し、参考例の植物油含有燃料を調製した。その燃料性状を表2に示す。
【0030】
D13モード試験
参考例の燃料を用いてD13モード試験を行い、排ガス中のHC、CO、NOx及びPM濃度を測定した。市販軽油に対する相対値を表4に示すが、実施例1に比較して、HCとCO濃度が若干増加しているものの、PMは減少した。
【0031】
定速運転時のパティキュレート濃度測定試験
参考例の燃料を用いてエンジン回転数1080及び2160rpmにおけるPM濃度を測定した。市販軽油に対する相対値を表5、表6に示すが、実施例1に比較して、PMの低減効果が若干大きかった。
【0032】
(比較例1)
表3に示す市販軽油100容量部、メチルエステル化植物油25容量部及びセタン価向上剤(HITEC;エチル社製)1000ppmを配合し、比較例1の植物油含有燃料を調製した。その燃料性状を表2に示す。
【0033】
D13モード試験
比較例1の燃料を用いてD13モード試験を行い、排ガス中のHC、CO、NOx及びPM濃度を測定した。市販軽油に対する相対値を表4に示すが、HC、CO及びPMは若干低減しているものの、NOxが増加しており、単にエステル化植物油を添加しただけでは、NOxが増加することが分る。
【0034】
定速運転時のパティキュレート濃度測定試験
比較例1の燃料を用いてエンジン回転数1080及び2160rpmにおけるPM濃度を測定した。市販軽油に対する相対値を表5、表6に示すが、高負荷時のPM低減効果は大きいものの、低負荷時のPM低減効果が非常に弱いことが分る。
【0035】
(比較例2、3)
表3に示す軽質化軽油にセタン価向上剤を1000ppm添加し、比較例2の燃料とした。また、表3に示す市販軽油と灯油の1:1混合物に、セタン価向上剤を1000ppm添加したものを比較例3の燃料とした。
【0036】
D13モード試験
比較例2及び3の燃料を用いてD13モード試験を行い、排ガス中のHC、CO、NOx及びPM濃度を測定した。市販軽油に対する相対値を表4に示すが、両者ともNOx及びPMに対する低減効果は大きいものの、HC及びCOは大幅に増加していることが分る。
【0037】
定速運転時のパティキュレート濃度測定試験
比較例2及び3の燃料を用いてエンジン回転数1080及び2160rpmにおけるPM濃度を測定した。市販軽油に対する相対値を表5、表6に示すが、両者とも低負荷時のPM低減効果は大きいものの、高負荷時のPM低減効果が弱いことが分る。
【0038】
(実施例3〜5及び比較例4)
表3に示す市販軽油と灯油を等量混合したもの100容量部に対し、メチルエステル化植物油を表7に示す割合で混合し、これにセタン価向上剤を1000ppmを配合して実施例3〜5及び比較例4の燃料を調製した。
【0039】
D13モード試験
実施例3〜5及び比較例4の燃料を用いてD13モード試験を行い、排ガス中のHC、CO、NOx及びPM濃度を測定した。参考のため、実施例1及び比較例3の結果を加え、市販軽油に対する相対値を表7に示す。エステル化植物油を配合しないと、HC及びCOの濃度が高くなることが分る。また、エステル化植物油を100容量部を超えて添加すると、PM濃度は殆ど変化しないものの、NOxは増加する傾向がある。
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】
【表7】
【0046】
(実験例1)
表9の燃料A、表9の燃料B、比較例2、実施例1及び表3の市販軽油を用いて、エンジンの最高出力及びアイドル回転数と動粘度との関連を調べた。結果を表8に示すが、動粘度は2.0mm2/s以上必要なことが分る。
【0047】
【表8】
【0048】
【表9】
【0049】
(実験例2)
実施例1の燃料からセタン価向上剤を除いたものをベースとし、これにセタン価向上剤を添加して表10に示すセタン価を有する燃料を調整した。この燃料を用いて、セタン価と白煙発生との関係を調べた。その結果、セタン価が51を切ると白煙が急激に増加することが分る。また、セタン価向上剤の添加量が1000ppmを超えると、10%残炭値が0.1質量%を超えるようになることも分る。
【0050】
【表10】
【0051】
【発明の効果】
上記のように、本発明の植物油含有ディーゼル燃料は、環境対策上ディーゼルエンジンが特に問題視されているパティキュレートの発生を大幅に低減可能であり、しかも特殊な鉱物油基材を用いることなく製造可能であり、実用性にも優れる等の格別の効果を有する。
Claims (3)
- 50%留出温度が200〜260℃であり、軽油と灯油の混合物である鉱物油基材であって、かつ鉱物油基材全量に対して灯油を30〜80%混合した鉱物油基材100容量部と、エステル化植物油10〜100容量部からなり、動粘度が2.0〜5.0(mm2/s,30℃)、セタン価が51〜57であるディーゼル燃料。
- 上記鉱物油基材の90%留出温度が310〜360℃である請求項1に記載の植物油含有ディーゼル燃料。
- セタン価向上剤を500〜1500ppm含有する請求項1〜2いずれか一つの請求項に記載の植物油含有ディーゼル燃料。
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