JPH10152687A - 植物油含有ディーゼル燃料 - Google Patents

植物油含有ディーゼル燃料

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JPH10152687A
JPH10152687A JP31084096A JP31084096A JPH10152687A JP H10152687 A JPH10152687 A JP H10152687A JP 31084096 A JP31084096 A JP 31084096A JP 31084096 A JP31084096 A JP 31084096A JP H10152687 A JPH10152687 A JP H10152687A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディーゼル燃料の10%残炭値が規格値内
で、エンジン出力を低下させず、通常の軽油が使用可能
であるように90%留出温度を310℃未満に下げるこ
となく、しかもエンジン負荷の全範囲でパティキュレー
トの発生を大幅に低下させるディーゼル燃料の提供。 【解決手段】 50%留出温度が220〜260℃であ
る鉱物油基材100容量部と、エステル化植物油30〜
100容量部からなり、さらに、セタン価向上剤を50
0〜1500ppm含有する燃料であって、動粘度が
2.0〜5.0(mm2/s,30℃)、セタン価は5
1〜57であり、10%残炭値が規格値を外れることも
なく、エンジンの全負荷範囲で排ガス中のパティキュレ
ート、炭化水素、一酸化炭素を大幅に低減でき、しかも
白煙の発生も少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディーゼルエンジン
用の燃料油に係わり、特には広いエンジン出力範囲でパ
ティキュレートの発生を防止でき、しかも製造の容易な
植物油を含有したディーゼル燃料に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンには、軽油、A重油
などが燃料として一般的に使用されている。これらの燃
料は、着火性に優れ、排気ガス中に含まれる大気汚染物
質(特に窒素酸化物(NOx)、パティキュレート(粒
状物質;黒煙を含む))の発生が少ないものが望まし
い。しかし、一般の鉱油系燃料は、エンジンの負荷など
によりパティキュレートの発生が見られる場合がある。
【0003】パティキュレートの発生を抑制するために
は、燃焼温度を高める方法が有効である。しかし、燃焼
温度を高めると窒素酸化物(NOx)の発生が顕著とな
る。このため、軽油の燃焼性を改善でき、かつNOxの
発生防止に効果のある含酸素化合物を添加し、パティキ
ュレートの発生防止とNOxの発生防止を両立させる試
みがなされてきた。
【0004】例えば、パティキュレートの発生と関連が
あると考えられるカーボンデポジットを抑制できる燃料
として、特開昭61−57686号公報には植物油エス
テルと、軽油、灯油、重油、植物油及びアルコールから
選ばれる1種以上を含む植物油ブレンド燃料が開示され
ている。また、特表平6−510804号公報には、植
物油及び/又は動物油、炭素数1〜5の脂肪族アルコー
ル及びガソリンからなるディーゼルエンジン用燃料が開
示されており、環境汚染の危険が少ない燃料として使用
できるとしている。さらに、この明細書中には、植物油
を添加したイギリス及びドイツの特許に関する記載があ
り、このなかで植物油のアルキル脂肪酸エステルと発火
促進剤(セタン価向上剤)を鉱物油と混合した燃料につ
いても述べている。特開平7−82576号公報には、
粒状物質の発生を抑制するため、グリセロールエーテ
ル、植物油のメチルエステルを鉱物油燃料に添加した低
硫黄のディーゼル燃料に関する開示がある。特開平8−
41468号公報にはNOxと黒煙の発生防止のため鉱
物油に動植物油を添加したディーゼル燃料が開示されて
いる。
【0005】この他に、植物油或はアルコールを鉱物油
に添加したディーゼル燃料の例としては、特公昭60−
32674号公報に、炭素数1〜3のアルコール、軽油
及びひまし油からなるディーゼル機関用燃料について開
示がある。また、特開昭58−222189号公報に
は、ひまわりの種子より抽出した植物油、エタノール、
エーテル及びテレビン油からなる軽油に代る動力用液体
燃料について開示がある。これらの発明は、石油資源の
枯渇対策が主目的であり、パティキュレートの発生やN
Ox発生に関する記述はないが、パティキュレートの発
生防止とNOxの発生防止を両立可能な燃料と考えられ
る。さらに、ヨーロッパ特許665873号公報には、
植物油(植物油又はエステル化植物油)と鉱物油からな
り、これにエチレンコポリマー、炭素数10〜30で酸
素を含む直鎖状有機物、極性含窒素化合物(セタン価向
上剤)等を添加したディーゼル燃料油が開示されてい
る。
【0006】上記のように、植物油、アルコール等の含
酸素化合物の添加は、パティキュレート発生防止とNO
x低減に有効である。パティキュレート発生を防止する
手段としては、この他に燃料を軽質化する方法、芳香族
成分含有量を低下させる方法等が知られている。例え
ば、R.A.Bouffrd等は、90%留出温度が高
くなるに従って全パティキュレート濃度が高くなり、特
に600°F(約316℃)を超えると全パティキュレ
ート濃度が急激に増加することを報告している(Spe
c.Publ.Soc.Automot.Eng.,
502,1(1981).)。また、同時に留出温
度が640°(約338℃)以上の留分に含まれる芳香
族成分濃度と全パティキュレート濃度の間に良好な相関
があることも明らかにしている。さらに、特開平7−3
31261号公報明細書中には、終点温度を340℃以
下にすることでパティキュレート発生を低減することが
可能であるとの記載がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のディー
ゼル燃料のうち、植物油、エステル化植物油を多量に使
用した場合は、セタン価が低下する。セタン価が51を
切ると白煙の発生が顕著になるためセタン価向上剤を多
量に添加することになるが、セタン価向上剤を多量に添
加した場合は、軽油燃料の10%残炭値が規格値を外れ
るという問題がある。
【0008】また、本発明者らが鉱物油由来の軽油性状
を変えたもの単独、或はこれにエステル化植物油を加え
たものについてエンジン負荷と排気ガス中の大気汚染物
質について調べた結果、単に市販軽油にエステル化植物
油を配合しただけでは、特に低負荷時のパティキュレー
ト発生を防止できないことが分った。鉱物油燃料の軽質
化(90%留出温度を下げたもの)も、パティキュレー
ト発生防止に有効である。しかし、大幅に軽質化しなけ
れば効果が弱い。しかも、大幅に軽質化すると鉱物油燃
料或はエステル化植物油添加燃料のどちらでも、特に低
負荷時に排ガス中の炭化水素、一酸化炭素濃度が大きく
増加してしまう。さらに、鉱物油燃料を軽質化(90%
留出温度を300℃以下に下げる)する場合は、重質成
分の処理の問題が浮上してくる。また、軽質化する場合
のもう一つの問題は、動粘度が2.0mm2/s(at
30℃)を切るようになると、エンジン出力が低下
し、アイドリングが不安定になったりすることが挙げら
れる。
【0009】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたものであり、ディーゼル燃料の10%残炭値が
規格値内で、エンジン出力を低下させず、90%留出温
度を310℃未満に下げることなく、しかもエンジン負
荷の全範囲でパティキュレートの発生を大幅に低下させ
ることが可能な軽油と植物油の混合燃料を提供すること
を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らが、鋭意検討
した結果、50%留出温度が200〜260℃である鉱
物油基材100容量部にエステル化植物油を10〜10
0容量部配合した燃料が全負荷範囲でパティキュレート
の発生を大幅に低下させることが可能であるばかりでな
く、排ガス中に含まれる炭化水素、一酸化炭素の濃度も
低減可能なことを見出した。さらに検討を進めた結果、
セタン価向上剤を500〜1000ppm添加すると白
煙の発生も防止でき、しかも鉱物油基材の90%留出温
度が310〜360℃のものであってもパティキュレー
トの発生を大幅に低下させることが可能であることを見
出し、本発明を完成させた。
【0011】すなわち、本発明は、(1)50%留出温
度が200〜260℃である鉱物油基材100容量部
と、エステル化植物油10〜100容量部からなり、動
粘度が2.0〜5.0(mm2/s,30℃)、セタン
価が51〜57であるディーゼル燃料、(2)上記鉱物
油基材の90%留出温度が310〜360℃である前記
(1)に記載の植物油含有ディーゼル燃料、(3)セタ
ン価向上剤を500〜1500ppm含有する前記
(1)〜(2)いずれか一つに記載の植物油含有ディー
ゼル燃料、に関する。
【0012】本発明の燃料は、軽油燃料の10%残炭値
が規格値を外れることもなく、エンジンの全負荷範囲で
排ガス中のパティキュレート、炭化水素、一酸化炭素を
大幅に低減でき、しかも白煙の発生も少ないものであ
る。また、本発明のディーゼル燃料は、その鉱物油基材
として一般に市販されている軽油と灯油が使用でき、こ
れにエステル化植物油を配合することで容易に製造可能
なため、とくに特殊な製造方法を必要としない実用性に
優れる燃料である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のディーゼル燃料油の鉱物
油基材は、軽油単独或は軽油と灯油の混合物を用いる。
軽油は、硫黄分が0.05質量%以下の深度脱硫軽油が
望ましいが、エステル化植物油或は灯油とエステル化植
物油の混合物と混合されるため、最終的に硫黄分が0.
05質量%以下になるようにすればよい。
【0014】鉱物油基材として軽油を用いる場合は、5
0%留出温度が200〜260℃であるものを使用す
る。しかしながら、このような性状の軽油を、通常の精
製プロセスで得るためには工程が煩雑になるばかりでな
く、重質成分の処理の問題が浮上してくる。しかしなが
ら、本発明の燃料は、鉱物油基材の90%留出温度が3
10〜360℃のものであっても問題なく使用可能であ
る。従って、通常の精製プロセスから生産される軽油と
灯油を混合する方法が採用可能である。軽油と灯油を混
合する場合は、鉱物基材全量に対して灯油を30〜80
%、好ましくは40〜70%の範囲で混合する。30%
を切っても、80%を超えても上記性状、特に動粘度或
はセタン価を満足しなくなることがある。
【0015】深度脱硫した軽油基材としては、原油の常
圧蒸留装置から得られる直留軽油を深度脱硫したもの、
直留軽油に、原油の常圧蒸留装置から得られる直留灯
油、接触分解装置から副生する接触分解軽油(LC
O)、重油直接脱硫装置から副生する直脱軽質軽油等を
配合した後に深度脱硫したもの、これらに水素化分解油
を配合したもの等を用いることができる。深度脱硫の装
置、プロセス及び運転条件は特に限定するものではな
く、公知の任意の深度脱硫装置、プロセス等を適宜組合
わせて使用することができる。
【0016】また灯油は、原油の常圧蒸留装置から得ら
れる直留灯油を水素化脱硫した硫黄分0.015質量%
以下、蒸留性状140〜310℃のもの等が使用でき
る。
【0017】本発明の植物油基材は、エステル化植物油
を用いる。エステル化植物油の製造方法は、従来から公
知の方法を用いることができ、例えば、酸又はアルカリ
の存在下で植物油とメタノール、エタノールなどのアル
コールとを反応させ、水洗等で精製する方法などを挙げ
ることができる。また、特開平7−310090号公報
等に記載のある方法など、従来法を改良した方法を用い
てもよい。
【0018】エステル化植物油の配合量は、鉱物油基材
100容量部に対して10〜100容量部である。10
容量部を切ると、排気ガス中の炭化水素濃度及び一酸化
炭素濃度が増加する傾向があり、望ましくない。また、
100容量部を超えた場合であるが、パティキュレート
の濃度はほぼ一定となるものの、NOxは増加する傾向
があり、100容量部を超えての添加はやはり望ましく
ない。
【0019】植物油原料としては、コーン油、大豆油、
オリーブ油、なたね油、ごま油、落花生油、やし油等を
挙げることができるが、特定の原料にこだわる必要はな
い。また、清澄油である必要はなく、例えば、食料品加
工業者等から排出される廃油等も使用できる。環境問題
等を考慮すれば、このような廃油を用いるのが望まし
い。
【0020】本発明の燃料の動粘度(30℃)は2.0
mm2/s以上、好ましくは2.2mm2/s以上必要で
ある。2.0mm2/sを切ると、エンジン出力が低下
するばかりでなく、アイドリングが不安定になることが
ある。また、動粘度は5.0mm2/s以下が好まし
い。一方、セタン価は白煙の発生を防止するため、51
以上、好ましくは55以上であることが望ましい。しか
し、本発明の燃料はセタン価が低いエステル化植物油や
灯油を含有するため、セタン価向上剤の添加が好まし
い。このセタン価向上剤の濃度が1500ppmを超え
ると、軽油燃料の10%残炭値が規格値を外れることが
ある。このため、実質的にセタン価は51〜55の範囲
となる。セタン価向上剤は、公知のものが使用でき、例
えば、硝酸エステル、有機過酸化物等を用いることがで
きる。セタン価向上剤の添加量は、セタン価を51以上
とするため、200〜1500ppm、好ましくは50
0〜1000ppmである。
【0021】さらに、本発明の燃料は、公知の燃料油添
加剤を単独もしくは組み合わせて使用することができ
る。これらの添加剤としては、例えばエチレン酢酸ビニ
ル共重合体、アルケニルコハク酸アミド等の低温流動性
向上剤、アルケニルコハク酸アミド、ポリアルキルアミ
ン等の清浄分散剤、フェノール系、アミン系等の酸化防
止剤、サリチリデン誘導体等の金属不活性化剤、アゾ染
料等の着色剤等がある。この他、脂肪酸、エステル、ア
ルコール類等の摩擦調整剤、有機硫黄化合物、有機リン
化合物等の摩耗防止剤を配合してもよいが、特にその必
要はない。これらの添加剤の配合量は任意であるが、各
々の添加剤の配合量は組成物全量基準で0.5質量%以
下、好ましくは0.2質量%以下である。
【0022】本発明による軽油は、上述以外の性状につ
いて特に規定するものではないが、内燃機関用燃料とし
て、密度(15℃)は0.82g/cm3以上が好まし
く、蒸留における留出温度範囲は140〜380℃、好
ましくは150〜360℃である。
【0023】
【実施例】エンジン 表1に示す市販車のエンジンを用いた。
【0024】
【表1】
【0025】パティキュレート、白煙及びエンジン出力
の測定方法 パティキュレートは、堀場製作所製のミニダイリューシ
ョントンネルを用いて、フィルター上に捕集し、パティ
キュレートの重量を測定した。白煙は、タングステンラ
ンプを光源とする光の不透過率を測定するファームテッ
ク社製ダイリューショントンネル付き白煙計を用た。こ
の白煙は、低温始動時に排出される炭化水素微粒子等で
ある。さらに、エンジン出力は、エンジンを明電舎製直
流ダイナモメータに接続し、同社のトルクメータのデー
タを読み取った。
【0026】(実施例1)表3に示す市販軽油50容量
部、灯油50容量部、メチルエステル化大豆油(AG
Environmetal Products In
c.製)25容量部及びセタン価向上剤(HITEC;
エチル社製)1000ppmを配合し、実施例1の植物
油含有燃料を調製した。その燃料性状を表2に示す。
【0027】D13モード試験 実施例1の燃料を用いてD13モード試験を行い、排ガ
ス中の炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸
化物(NOx)及びパティキュレート(以下PMと略記
する)濃度を測定した。比較のために、表3に示す市販
軽油で同様の試験を行った。市販軽油に対する相対値を
表4に示すが、HC,CO,NOxは市販軽油レベルで
あるが、PMの発生量が大幅に減少していることが分
る。
【0028】定速運転時のパティキュレート濃度測定試
実施例1の燃料を用いてエンジン回転数1080及び2
160rpmにおけるPM濃度を測定した。比較のため
に、表3に示す市販軽油で同様の試験を行った。市販軽
油に対する相対値を表5、表6に示すが、全負荷範囲で
PMが大幅に減少していることが分る。
【0029】(実施例2)表3に示す軽質化軽油100
容量部、メチルエステル化植物油25容量部及びセタン
価向上剤(HITEC;エチル社製)1000ppmを
配合し、実施例2の植物油含有燃料を調製した。その燃
料性状を表2に示す。
【0030】D13モード試験 実施例2の燃料を用いてD13モード試験を行い、排ガ
ス中のHC、CO、NOx及びPM濃度を測定した。市
販軽油に対する相対値を表4に示すが、実施例1に比較
して、HCとCO濃度が若干増加しているものの、PM
は減少した。
【0031】定速運転時のパティキュレート濃度測定試
実施例2の燃料を用いてエンジン回転数1080及び2
160rpmにおけるPM濃度を測定した。市販軽油に
対する相対値を表5、表6に示すが、実施例1に比較し
て、PMの低減効果が若干大きかった。
【0032】(比較例1)表3に示す市販軽油100容
量部、メチルエステル化植物油25容量部及びセタン価
向上剤(HITEC;エチル社製)1000ppmを配
合し、比較例1の植物油含有燃料を調製した。その燃料
性状を表2に示す。
【0033】D13モード試験 比較例1の燃料を用いてD13モード試験を行い、排ガ
ス中のHC、CO、NOx及びPM濃度を測定した。市
販軽油に対する相対値を表4に示すが、HC、CO及び
PMは若干低減しているものの、NOxが増加してお
り、単にエステル化植物油を添加しただけでは、NOx
が増加することが分る。
【0034】定速運転時のパティキュレート濃度測定試
比較例1の燃料を用いてエンジン回転数1080及び2
160rpmにおけるPM濃度を測定した。市販軽油に
対する相対値を表5、表6に示すが、高負荷時のPM低
減効果は大きいものの、低負荷時のPM低減効果が非常
に弱いことが分る。
【0035】(比較例2、3)表3に示す軽質化軽油に
セタン価向上剤を1000ppm添加し、比較例2の燃
料とした。また、表3に示す市販軽油と灯油の1:1混
合物に、セタン価向上剤を1000ppm添加したもの
を比較例3の燃料とした。
【0036】D13モード試験 比較例2及び3の燃料を用いてD13モード試験を行
い、排ガス中のHC、CO、NOx及びPM濃度を測定
した。市販軽油に対する相対値を表4に示すが、両者と
もNOx及びPMに対する低減効果は大きいものの、H
C及びCOは大幅に増加していることが分る。
【0037】定速運転時のパティキュレート濃度測定試
比較例2及び3の燃料を用いてエンジン回転数1080
及び2160rpmにおけるPM濃度を測定した。市販
軽油に対する相対値を表5、表6に示すが、両者とも低
負荷時のPM低減効果は大きいものの、高負荷時のPM
低減効果が弱いことが分る。
【0038】(実施例3〜5及び比較例4)表3に示す
市販軽油と灯油を等量混合したもの100容量部に対
し、メチルエステル化植物油を表7に示す割合で混合
し、これにセタン価向上剤を1000ppmを配合して
実施例3〜5及び比較例4の燃料を調製した。
【0039】D13モード試験 実施例3〜5及び比較例4の燃料を用いてD13モード
試験を行い、排ガス中のHC、CO、NOx及びPM濃
度を測定した。参考のため、実施例1及び比較例3の結
果を加え、市販軽油に対する相対値を表7に示す。エス
テル化植物油を配合しないと、HC及びCOの濃度が高
くなることが分る。また、エステル化植物油を100容
量部を超えて添加すると、PM濃度は殆ど変化しないも
のの、NOxは増加する傾向がある。
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】
【表7】
【0046】(実験例1)表9の燃料A、表9の燃料
B、比較例2、実施例1及び表3の市販軽油を用いて、
エンジンの最高出力及びアイドル回転数と動粘度との関
連を調べた。結果を表8に示すが、動粘度は2.0mm
2/s以上必要なことが分る。
【0047】
【表8】
【0048】
【表9】
【0049】(実験例2)実施例1の燃料からセタン価
向上剤を除いたものをベースとし、これにセタン価向上
剤を添加して表10に示すセタン価を有する燃料を調整
した。この燃料を用いて、セタン価と白煙発生との関係
を調べた。その結果、セタン価が51を切ると白煙が急
激に増加することが分る。また、セタン価向上剤の添加
量が1000ppmを超えると、10%残炭値が0.1
質量%を超えるようになることも分る。
【0050】
【表10】
【0051】
【発明の効果】上記のように、本発明の植物油含有ディ
ーゼル燃料は、環境対策上ディーゼルエンジンが特に問
題視されているパティキュレートの発生を大幅に低減可
能であり、しかも特殊な鉱物油基材を用いることなく製
造可能であり、実用性にも優れる等の格別の効果を有す
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 50%留出温度が200〜260℃であ
    る鉱物油基材100容量部と、エステル化植物油10〜
    100容量部からなり、動粘度が2.0〜5.0(mm
    2/s,30℃)、セタン価が51〜57であるディー
    ゼル燃料。
  2. 【請求項2】 上記鉱物油基材の90%留出温度が31
    0〜360℃である請求項1に記載の植物油含有ディー
    ゼル燃料。
  3. 【請求項3】 セタン価向上剤を500〜1500pp
    m含有する請求項1〜2いずれか一つの請求項に記載の
    植物油含有ディーゼル燃料。
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