JP3812711B2 - 真空バルブ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空バルブに関し、特に、その風車形電極に関する。
【0002】
【従来の技術】
図12は、内部を高真空状態にした真空容器中に一対の接点を気密に封入した真空バルブの全体構成を示す図である。絶縁筒21の両端に端板22a、22bを取り付けて、内部を高真空状態にした真空容器23が構成されており、真空容器23内には、一方の端板22aを貫通した固定電極棒24aの先端に固着された固定側の電極1aと、他方の端板22bを貫通した可動電極棒24bの先端に固着された可動側の電極1bとが対向配置されている。
【0003】
可動電極棒24bと端板22bとの間にはベローズ25が設けられている。ベローズ25は、可動電極棒24bに接続された操作器(図示せず)を駆動して、可動電極棒24bを軸方向に移動させる。そして、この可動電極棒24bの移動により、固定側の電極1aと可動側の電極1bとが電気的に接離する。電極1a、1b間に点弧されたアークから拡散する金属蒸気が真空容器23の内壁に付着することを防止するために、シールド26がシールド支え27により絶縁筒21の内壁に装着されている。
【0004】
このような真空バルブにおける電極1a、1bは同形状であって、何れも電極自身に溝を設けた風車形をなしている。この溝の形成により電極内の電流経路を制限して、ほぼ円周方向に往復ループ状の電路を構成し、それによって生じる磁界によりアークを駆動して電極の円周上を移動させることにより、アークの停滞を防止して、電極の局部溶解を避け、遮断性能の向上を図っている。また、アークの発生瞬時より強力に磁気駆動するために、アークの走行面と接触面とを一致させる構造が知られている。
【0005】
図13,図14は、例えば特開平4−368734号公報に開示された従来の真空バルブの風車形電極の構造図であり、図13(a),図14(a)はその平面図、図13(b)、図14(b)はその側面図である。
【0006】
図中、電極棒24(固定電極棒24aまたは可動電極棒24b)には、風車形電極1(固定側の電極1aまたは可動側の電極1b)が取付けられている。風車形電極1は、補助電極31とリング状電極32とから一体的に構成されている。補助電極31は、電極棒24の端部に取付けられた中心部33と、この中心部33に風車状または略卍状に延設されて中心部33から外周部に向かって指向する円弧状をなした複数の腕34と、この複数の腕34の先端に夫々配設された接合部35とから構成される。リング状電極32は環状に構成され、その幅が補助電極31の腕34の幅と略等しくなっており、リング状電極32は複数の接合部35に接合されている。
【0007】
このような構成において、両風車形電極1(固定側の電極1a及び可動側の電極1b)が開極すると、リング状電極32の対向電極との接触面でアークが発生する。補助電極31とリング状電極32との接合部35、例えば、図14(a)、(b)のA点で、アークが発生した場合、補助電極31の腕34に流れる電流I1 の経路によりリング状電極32の周方向に磁気駆動力Fが生じ、アークがリング状電極32の外周を運動して回転する。
【0008】
また、接合部35でない位置、例えば図14(a)、(b)のE点で、アークが発生した場合にも、補助電極31の腕34からリング状電極32に流れ込む電流I2 によってリング状電極32の周方向に磁気駆動力が生じる。よって、アークはリング状電極32上を回転運動する。
【0009】
以上のように、従来の両風車形電極1では、アークはリング状電極32で発生し、アークの発生直後からアークが磁気駆動される。この結果、アークが発生してから磁気駆動するまでの停滞により生じる両風車形電極1の局部的な温度上昇が防止され、遮断性能の向上を図れる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような従来の真空バルブの風車形電極1では、隣合う接合部35、35の間、例えば図15のE1 点で、アークが発生した場合、腕34aを経由してアークに流れ込む電流I2 の他に、腕34bを経由する電流I3 が流れる。この電流I3 はアークの回転を妨げる方向の力F3 を生じるため、アークが発生してから磁気駆動するまでの時間が短くならず、遮断性能は向上しないという問題がある。
【0011】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、固定側の電極と可動側の電極との接触面のどこでアークが発生した場合にも、アークの発生直後から強力にアークを磁気駆動でき、遮断性能を向上することができる真空バルブを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る真空バルブは、真空容器内に接離可能に配置されている一対の風車形電極を備え、前記風車形電極には中心部から周縁部にわたって渦巻き状の複数の溝が形成されており、前記風車形電極は、その中心部に位置して、前記溝によって分画されている複数の風車部と、その周縁部に位置して、前記溝によって分割されており、前記風車部より厚さが厚い複数の接触部とを有しており、前記一対の風車形電極の閉極時に互いの前記接触部同士が接触するようにしてあり、前記一対の風車形電極が開極された際に前記接触部に発生したアークに前記風車部を介して流れ込む電流によって発生する、アークに対して駆動力として作用する磁束密度のうち、一方の電極の風車部を介してアークに流れ込む電流によって発生し、アークの足部の自電極の接触面から0.5mmの範囲に対してアーク駆動力として作用する磁束密度の前記接触面に平行な成分が、前記接触面のどの位置においても電流1kAに対して0.01テスラ以上となるようにしてあることを特徴とする。
【0013】
第1発明の真空バルブの風車形電極にあっては、その中心部から周縁部にわたって渦巻き状に指向する複数の溝によって分画された複数の風車部と、その複数の溝によって分割された、風車部より厚い複数の接触部とを有し、しかも、電流遮断時にその接触部の任意の位置に発生したアークに風車部を介して流れ込む電流によって発生し、アークの足部の接点表面から0.5mmの範囲に対してアーク駆動力として作用する磁束密度の接点表面に平行な成分が、電流1kAあたり0.01テスラ(100ガウス)以上とする。よって、アークが発生してから回転を開始するまでの時間が短縮され、高い遮断能力が得られる。
【0014】
第2発明に係る真空バルブは、第1発明において、風車形電極の外径をD、接触部の内径をDi とした場合に、Di ≧0.4Dであることを特徴とする。
【0015】
第2発明の真空バルブの風車形電極にあっては、Di ≧0.4D(D:風車形電極の外径,Di :接触部の内径)を満たしており、アークの足の部分の駆動に寄与する磁束密度を電流1kAあたり0.01テスラ以上とすることができる。
【0016】
第3発明に係る真空バルブは、第1または第2発明において、風車部と接触部との厚さの差が5mm以下であることを特徴とする。
【0017】
第3発明の真空バルブの風車形電極にあっては、接触部の風車部からの突出高さを5mm以下としており、アークの足の部分の駆動に寄与する磁束密度を電流1kAあたり0.01テスラ以上とすることができる。
【0018】
第4発明に係る真空バルブは、第1〜第3発明の何れかにおいて、各風車形電極は一対の各電極棒に接合されており、該電極棒のその接合部の径をd、接触部の内径をDi とした場合に、d≦0.6Di であることを特徴とする。
【0019】
第4発明の真空バルブの風車形電極にあっては、d≦0.6Di (d:電極棒の接合部の径,Di :接触部の内径)を満たしており、アークの足の部分の駆動に寄与する磁束密度を電流1kAあたり0.01テスラ以上とすることができる。
【0020】
第5発明に係る真空バルブは、第1〜第4発明の何れかにおいて、Crを20〜60重量%含むCu−Cr系材料にて前記風車形電極が形成されていることを特徴とする。
【0021】
第5発明の真空バルブの風車形電極にあっては、遮断性能が高い、Crを20〜60重量%含むCu−Cr系材料にて形成されており、高い遮断能力を発揮できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による真空バルブの風車形電極の構造を示す斜視図、図2は同じくその平面図、図3は図2のA−A′線における断面図である。
【0023】
図において、6は固定側または可動側の銅製の電極棒であり、電極棒6には固定側または可動側の風車形電極(以下単に電極という)1が固着されている。電極1は、その中央に貫通する円形の接合穴7が設けられた偏平円筒状をなしており、その接合穴7の中途まで、細く絞られた電極棒6の先端部6aが挿入された態様で、電極1が電極棒6に固着されている。そして、外部から電極棒6を介して、真空容器(図示せず)内の電極1に電流が導かれるようになっている。
【0024】
電極1は、Crを20〜60重量%含むCu−Cr系の接点材料で形成されている。Crを20〜60重量%含むCu−Cr系の接点材料は、遮断性能の点で優れており、この材料を用いることにより遮断性能の向上を図っている。
【0025】
電極1の中心部から周縁部にわたって表面から裏面まで到る概略渦巻き形状の4本の溝2が切られている。電極1は、その周縁部に位置して、溝2にて分割された厚さが厚い4個の接触部3と、その中心部に位置して、溝2にて4個に分画された厚さが薄い風車部4とから構成されている。そして、固定側の電極棒6と可動側の電極棒6とが接近した際に、互いの接触部3、3同士が接触するようになっている。
【0026】
電極1の裏面には、機械的強度を補うためのステンレス製の補強板5が設けられている。また、電極棒6の肩部と補強板5との間には、ステンレス製のスペーサ8が介在され、ロウ付けによって、これらの電極棒6、補強板5及びスペーサ8が一体固着されている。スペーサ8は、この電極1及び電極棒6の接合部の強度を確保するために設けられており、電流の流れをその接合部(接合穴7)の径以内に制限するために、電極棒6の材料の銅より抵抗が大きいステンレス製としている。
【0027】
なお、このような構成において、電極1の外径をD、接触部3の内径をDi 、電極1の高さをH、接触部3と風車部4との厚さの差(接触部3の突出高さ)をh、接合穴7の径をdとする。
【0028】
次に、動作について説明する。真空バルブの通電時には、固定側の電極1の接触部3と可動側の電極1の接触部3とが接触しており、電流遮断時には、その両電極1、1の接触部3、3は解離して、各接触部3、3上にアークが発生する。このアークは、接触部3上の任意の位置で発生し、図2では2箇所のアーク9、9′を例として示している。
【0029】
電極棒6を流れる電流I1 は、接合穴7に固着されたその先端部6aを介して電極1へ流れ込み、アーク9が発生している接触部3に対応した風車部4を流れて接触部3のアーク9へ流入する。この電流の流れを、図2では電流I2 として示している。この電流I2 の半径方向成分によってアーク9は半径方向への駆動力を受け、電流I2 の円周方向成分によってアーク9は円周方向への駆動力を受ける。
【0030】
その結果、例えばアーク9はアーク9′の位置の方向に向かって移動し、一方、アーク9′は図2において時計回り方向の隣の接触部3へ移動する。よって、アークが接触部3の上で発生した直後から駆動力が働いてアークが回転を始め、その後、このような動作が連続的に行われて、アーク発生中は、接触部3の上をアークが実質的に回転運動することになる。
【0031】
各部の寸法(具体的には、上記D、Di、,H、h、d)を変化させた複数の電極1を作製し、それらの各電極1について、発生したアークが高速回転を始めるまでの時間tと電流遮断能力Ip とを計測すると共に、各電極1の発生磁束密度の計算を行った。磁束密度の計算は、3次元渦電流解析ソフトEddy−TM(株式会社フォトン)を用いて行った。なお、磁束密度は、アークに対して駆動力として作用する磁束密度のうち、一方の電極の風車部を介してアークに流れ込む電流によって発生し、アークの足部の自電極の接触面から0.5mmの範囲に対して駆動力として作用する磁束密度の前記接触面に平行な成分を求めた。電極とアークの導電率を5.0×107Ω-1-1とした。計算の結果、磁束密度は接触面上の位置によって異なり、電極中心に最も近い位置(図2の9の位置)で一番小さく、先端部(図2の9’の位置)で最も大きいことが分かった。アークの駆動特性は高速度カメラを用いて調べた。電流I1および電流I2によってアーク9の足部に発生し、接点表面から0.5mmの範囲に対してアーク駆動力として作用する電流1kAあたりの磁束密度Bとそのときの前記時間tとの関係を図4に示す。ここで、磁束密度は注目しているアークの足部が接する側の電極を流れる電流によって生じる値で、接触面上で磁束密度が最も小さくなる、電極中心に近い位置での値を示す。また、その磁束密度Bとそのときの前記電流遮断能力Ip との関係を図5に示す。
【0032】
例えば平成10年電気学会全国大会1501に示されているように、風車形電極において、アークは接触部で発弧後1ms以内にゆっくりと動き始め(停滞モード)、その後、速度が急速に増加し(加速モード)、さらに、金属蒸気を吹き出しながら高速で回転(高速モード)する。さらに、遮断性能は高速モードに移行するまでの時間と密接な関係があることが分かっている。図4,図5の結果から、電流1kAあたりの発生磁束密度が0.01テスラ(100ガウス)以上のところを接触部3としアークを発生させることにより、前記時間tが大幅に短縮され、前記電流遮断能力Ip もそれに応じて増加することが判る。
【0033】
以上のように、本発明では、接触部3にアークを発生させ、そのアークの足の部分(接点表面から0.5mmの範囲)の駆動に寄与する磁束密度のうち、前記アークの足に接する側の電極からの寄与が電流1kAあたり0.01テスラ以上となるように構成されているので、アークが発生してから回転を開始するまでの時間を短縮でき、その結果、高い遮断能力を得ることができる。また、溝2を電極1の外周端部まで設けているので、従来の風車形電極のように電流が隣の接触部から流れ込んでアークの駆動力が低下することがない。
なお、アークに駆動力として作用する磁束密度は電極表面に近い方が大きく、離れるにつれ減少する。図16は対向電極の一方を流れる電流によって電極中心に最も近い位置に生じる磁束密度の、電極表面からの垂直距離に対する依存性を示す。従って、実際に固定・可動電極を対向させたときにアークに作用する全磁束密度は、一方の電極による磁束密度より大きく、また、電極間ギャップでの磁束密度分布は、ギャップ中心で最小値をとる、下に凸の分布となる。さらに、遮断時、固定・可動電極のギャップ長は刻々と変化するので、両電極を流れる電流によってアークの足の部分に生じる磁束密度も時間的に変化する。本発明では、アークの足に接する側の電極からの寄与が電流1kAあたり0.01テスラ以上とし、必要な磁束密度を明確化した。この結果、アークが接触面上のどこで発弧しても、発弧直後からアークを強力に駆動し、アークの停滞時間を短くする作用がある。
【0034】
次に、このような良好な遮断能力を得るための電極1の各部の設計仕様(具体的には、上記D、Di、h、d)について説明する。まず、Di ≧0.4Dとする。図6は、前述した各部の寸法が異なる複数の電極1による試験結果から求められたDi /Dと電流遮断能力Ip との関係を示すグラフである。Di /Dを0.4以上、つまり、Di ≧0.4Dとすることにより、電流遮断能力が大幅に向上していることが判る。なお、この条件を満たす場合に、アークの足の部分(接点表面から0.5mmの範囲)の駆動に寄与する磁束密度が電流1kAあたり0.01テスラ以上となっている。
【0035】
また、hを5mm以下とする。図7は、前述した各部の寸法が異なる複数の電極1による試験結果から求められたhと電流遮断能力Ip との関係を示すグラフである。hを5mm以下とすることにより、電流遮断能力が大幅に向上していることが判る。なお、この条件を満たす場合にも、アークの足の部分(接点表面から0.5mmの範囲)の駆動に寄与する磁束密度が電流1kAあたり0.01テスラ以上となっている。
【0036】
また、d≦0.6Di とする。図8は、前述した各部の寸法が異なる複数の電極1による試験結果から求められたd/Di と電流遮断能力Ip との関係を示すグラフである。d/Di を0.6以下、つまり、d≦0.6Di とすることにより、電流遮断能力が大幅に向上していることが判る。なお、この条件を満たす場合にも、アークの足の部分(接点表面から0.5mmの範囲)の駆動に寄与する磁束密度が電流1kAあたり0.01テスラ以上となっている。
【0037】
実施の形態2.
図9は、本発明の実施の形態2による真空バルブの風車形電極の構造を示す断面図である。図9において図3と同一の番号,符号を付したものは、同一または同様のものを示す。実施の形態2では、電極1に接合穴は設けられておらず、電極棒6の径が細くなった先端部が、直接電極1(補強板5)に固着される接合部10となっている。なお、この接合部10の径dは、d≦0.6Di の条件を満たす。
【0038】
なお、電極1の他の形状(溝2、接触部3、風車部4の形状)は、実施の形態1と同様であり、アークの足部の接点表面から0.5mmの範囲に対してアーク駆動力として作用する磁束密度の接点表面に平行な成分が、電流1kAに対して0.01テスラ以上となるように接触部3を突出させている。
【0039】
この実施の形態2では、実施の形態1における接合穴7,スペーサ8を加工する作業が不要である。また、実施の形態2での発生磁束密度は、接合穴7を設ける実施の形態1の場合と同レベルとなるので、実施の形態1と同様に十分な遮断能力を確保できる。このように、実施の形態2では、電極の製造を簡易化でき、同時に高い遮断性能を得られるという効果がある。
【0040】
実施の形態3.
図10は、本発明の実施の形態3による真空バルブの風車形電極の構造を示す平面図、図11は図10のA−A′線における断面図である。図10、図11において図2、図3と同一の番号、符号を付したものは、同一または同様のものを示す。実施の形態3では、渦巻き形状の溝2の個数を6個としている。
【0041】
なお、電極1の接触部3、風車部4はその分割個数、分画個数が夫々6個になるだけであって、その基本的な形状は実施の形態1と同じである。アークの足部の接点表面から0.5mmの範囲に対してアーク駆動力として作用する磁束密度の接点表面に平行な成分が、電流1kAに対して0.01テスラ以上となるように接触部3を突出させている。
【0042】
接触部3にアークを発生させ、そのアークの足の部分の駆動に寄与する磁束密度が電流1kAあたり0.01テスラ以上となるような構成にする場合には、渦巻き形状の溝2の個数には関係なく、アークが発生してから回転を開始するまでの時間を短縮でき、その結果、高い遮断能力を得ることが可能である。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述したように、第1発明の真空バルブでは、風車形電極の周縁の接触部にアークを発生させ、アークに対して駆動力として作用する磁束密度のうち、一方の電極の風車部を介してアークに流れ込む電流によって発生し、アークの足部の自電極の接触面から0.5mmの範囲に対してアーク駆動力として作用する磁束密度の前記接触面に平行な成分が、前記接触面のどの位置においても電流1kAに対して0.01テスラ以上となるように構成したので、アークが発生してから回転を開始するまでの時間を短縮でき、その結果、高い遮断能力を得ることができるという効果がある。
【0044】
第2発明の真空バルブでは、風車形電極の外径をD、接触部の内径をDi とした場合に、Di ≧0.4Dとなるようにしたので、アークの足の部分の駆動に寄与する磁束密度が電流1kAあたり0.01テスラ以上となり、高い遮断能力を得ることができるという効果がある。
【0045】
第3発明の真空バルブでは、風車形電極の接触部の突出高さを5mm以下となるようにしたので、アークの足の部分に駆動に寄与する磁束密度が電流1kAあたり0.01テスラ以上となり、高い遮断能力を得ることができるという効果がある。
【0046】
第4発明の真空バルブでは、電極棒の接合部の径をd、接触部の内径をDi とした場合に、d≦0.6Di となるようにしたので、アークの足の部分に駆動に寄与する磁束密度が電流1kAあたり0.01テスラ以上となり、高い遮断能力を得ることができるという効果がある。
【0047】
第5発明の真空バルブでは、遮断性能が高い、Crを20〜60wt%含むCu−Cr系材料にて風車形電極を形成するようにしたので、高い遮断能力を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による真空バルブの風車形電極の構造を示す斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態1による真空バルブの風車形電極の構造を示す平面図である。
【図3】 図2のA−A′線における断面図である。
【図4】 発生磁束密度Bとアークが高速回転を始めるまでの時間tとの関係を示すグラフである。
【図5】 発生磁束密度Bと電流遮断能力Ipの関係を示すグラフである。
【図6】 Di /D(Di:接触部の内径、D:電極の外径)と電流遮断能力Ip との関係を示すグラフである。
【図7】 接触部と風車部との厚さの差(接触部の突出高さ)hと電流遮断能力Ip との関係を示すグラフである。
【図8】 d/Di (d:接合穴の径、Di :接触部の内径)と電流遮断能力Ip との関係を示すグラフである。
【図9】 本発明の実施の形態2による真空バルブの風車形電極の構造を示す断面図である。
【図10】 本発明の実施の形態3による真空バルブの風車形電極の構造を示す平面図である。
【図11】 図10のA−A′線における断面図である。
【図12】 真空バルブの全体構成を示す図である。
【図13】 従来の真空バルブの風車形電極の構造を示す概略図である。
【図14】 従来の真空バルブの風車形電極の動作を説明するための概略図である。
【図15】 従来の真空バルブの風車形電極の問題点を説明するための概略図である。
【図16】 磁束密度の電極表面からの距離に対する依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 電極(風車形電極)、2 溝、3 接触部、4 風車部、5 補強板、
6 電極棒、7 接合穴、8 スペーサ、9、9′ アーク、10 接合部。

Claims (5)

  1. 真空容器内に接離可能に配置されている一対の風車形電極を備え、
    前記風車形電極には中心部から周縁部にわたって方向が滑らかに変化する渦巻き状の複数の溝が形成されており、
    前記風車形電極は、その中心部に位置して前記溝によって分画されている複数の風車部と、その周縁部に位置して前記溝によって分割されており、前記風車部より厚さが厚い複数の接触部とを有し、前記一対の風車形電極の閉極時に互いの前記接触部同士が接触するようにしてあり、
    前記一対の風車形電極が開極された際に前記接触部に発生したアークに前記風車部を介して流れ込む電流によって発生し、アークに対して駆動力として作用する磁束のうち、一方の電極の風車部を介してアークに流れ込む電流によって発生し、アークの足部の自電極の接触面から0.5mmの範囲に対してアーク駆動力として作用する磁束の前記接触面に平行な成分の磁束密度が、前記接触面のどの位置においても電流1kAに対して0.01テスラ以上となるようにしてあり、
    前記電極は電極の中央に貫通して形成された接合穴に先端部が挿入された電極棒によって支持され、前記電極は前記接合穴の内周面だけで前記電極棒の先端部に嵌合されてなり、前記電極と前記電極棒との間の電流は、実質的に前記接合穴の内周面だけを通して流れるようにされていることを特徴とする真空バルブ。
  2. 風車形電極の外径をD、接触部の内径をDi とした場合に、Di ≧0.4Dであることを特徴とする請求項1記載の真空バルブ。
  3. 風車部と接触部との厚さの差が5mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の真空バルブ。
  4. 風車形電極はそれぞれ電極棒に接合されており、該電極棒のその接合部の径をd、風車形電極の接触部の内径をDi とした場合に、d≦0.6Di であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の真空バルブ。
  5. 前記風車形電極がCrを20〜60重量%含むCu−Cr系材料にて形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の真空バルブ。
JP2000162587A 1999-06-04 2000-05-31 真空バルブ Expired - Lifetime JP3812711B2 (ja)

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