JPH1140017A - 真空バルブ - Google Patents

真空バルブ

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JPH1140017A
JPH1140017A JP19666297A JP19666297A JPH1140017A JP H1140017 A JPH1140017 A JP H1140017A JP 19666297 A JP19666297 A JP 19666297A JP 19666297 A JP19666297 A JP 19666297A JP H1140017 A JPH1140017 A JP H1140017A
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electrode
contact
vacuum valve
opening
arc
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JP19666297A
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English (en)
Inventor
Takumi Uchiyama
工美 内山
Hiromichi Somei
宏通 染井
Mitsutaka Honma
三孝 本間
Kenji Watanabe
憲治 渡辺
Yoshimasa Kagenaga
宜賢 影長
Yoshimitsu Niwa
芳充 丹羽
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アークの集中に伴う遮断容量の増加の障害を解
消することのできる真空バルブを得ること。 【解決手段】可動側通電軸1Aの先端に接合したコイル
電極2の接続子2cの前面に対して、銅板製で環状の電
極板3Aをろう付する。この電極板3Aの更に前面にろ
う付する接触子4Aに対して、開口部4aを形成し、こ
の開口部4aの内周には、コイル電極2のコイル部2b
の中間部と対向する位置に対して、外側に突き出た弧状
部4a1を形成する。これらの弧状部4a1の間には、
開口部の内側に緩やかに突き出た弧状部4a2を形成す
る。すなわち、開口部4aの形状は、縦磁界の強度分布
曲線の等高線と一致させて、アークの集中を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空バルブに係
り、特に、電極の構成を変えた真空バルブに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の真空遮断器に組み込まれる真空バ
ルブの構成の一例を図9の縦断面図に示す。図9に示す
ように、真空バルブ10は、絶縁円筒11の両端を固定フラ
ンジ12と可動フランジ13で封止して構成される真空容器
の内部に、固定電極14とこの固定側電極14と同一品の可
動電極15を所定の間隙で対置している。
【0003】このうち、固定電極14は、固定フランジ12
の中心に貫設された銅棒製の固定通電軸16の先端に固定
され、この固定通電軸16の基端を介して真空容器の外部
と接続される。また、可動電極15は、同じく銅棒製の可
動通電軸17の先端に固定され、真空容器の外部とは、こ
の可動通電軸17の下部に接続された図示しない可撓導体
又は、摺動接続部を介して接続される。
【0004】この可動通電軸17は、可動フランジ13の中
心に挿入された軸受22を貫通し、下端が可動フランジ13
の内面にろう付されたベローズ18を介して可動フランジ
13を気密に貫通している。
【0005】べローズ18の上端は、上端が可動通電軸17
に接合されたべローズカバー19の上部下面にろう付さ
れ、絶縁円筒11の内面の中央部には、円筒状のアークシ
ールド20が取り付けられている。
【0006】したがって、真空バルブは、真空容器内の
真空を維持した状態で可動通電軸17の下端に図示しない
絶縁ロッドを介して連結された図示しない操作機構部に
より、可動電極15の固定電極14への接離を可能にしてい
る。
【0007】ところで、真空バルブは、真空の優れた消
弧性能と絶縁特性を利用しているため、他の絶縁媒体を
使用した、例えば、六フッ化硫黄ガスを絶縁媒体とした
ガス遮断器に比べて、電極間の間隙を近接させることが
でき、外形を小形にすることができる。また、遮断容量
においても、電極の構造を以下説明するように改良する
ことによって更に増やすことができる。
【0008】真空バルブの遮断性能を上げるためには、
電極間に発生するアークによる電極の局部的な過熱を抑
える必要がある。したがって、従来から、電極の局部的
な過熱による異常な荷電粒子と金属蒸気の発生を抑える
ことができる電極の構成が研究され、且つ、実用化され
ている。
【0009】このための電極構造としては、電流遮断時
に電極間に発生するアークに対して、アーク電流で発生
した磁界によって駆動力を加える方法が一般的である。
この磁界の印加方法の一つとして、電極間に発生するア
ークに対して、直交する方向に磁界を印加する方法があ
る。この方法を採用した電極構造には、一般的にスパイ
ラル電極及びコントレート電極と呼ばれている電極があ
る。このような電極で発生する磁界は、電極の中心から
放射方向の磁界である。
【0010】したがって、電極間に発生したアークに対
して円周方向にローレンツ力が働く。この力によって、
アークは円周方向に回転駆動され、電極の表面を回転す
る。アークを回転させることにより、局部的な熱入力を
防ぎ、電極の溶融を防ぐことができる。
【0011】しかし、この真空バルブを高電圧の回路を
遮断する真空遮断器に適用するためには、電極間の耐電
圧値を上げるために、電極間の距離を増やす必要があ
る。この場合に、上述した電極間に発生するアークに対
して直交する方向の磁界を印加する電極構造を用いた場
合には、アークが電極表面を回転しながら、アークが円
周方向に伸ばされ、電極の外周から外側に放射状に飛び
出すおそれがあるだけでなく、この飛び出たアークが、
電極の外側に取り付けられているアークシールドへ点弧
するおそれがある。
【0012】すると、アークの脚がその双方の点弧位置
に停滞し、この部分に対して局部的に過大な熱入力が発
生する。この過大な熱入力によって電極とアークシール
ドの点弧部分が溶融し、遮断性能を低下させる。さら
に、このような電極構造では、前述したように、アーク
は高温の集中アークであるため、接触子の消耗が増え、
大電流の開閉寿命を損う。
【0013】電流遮断時に発生するアークに対して、磁
界を印加する他の方法として、電極間に発生するアーク
に対して、平行な軸方向の磁界、すなわち、縦磁界を印
加する方法がある。
【0014】この方法を採用した電極は、いわゆる縦磁
界電極と呼ばれ、この電極間に発生したアークは、電極
の対向面の全体に均一に広がり、電極表面の局部的な過
大な熱入力を防ぎ、遮断性能を上げることができる。
【0015】また、高電圧の回路に接続される真空バル
ブにおいて電極間距離を増やした場合でも、前述した縦
磁界の強度を適正に選択することにより、電極間に安定
したアークを点弧することができ、遮断性能を上げるこ
とができる。さらに、アークの点弧位置が分散するた
め、大電流遮断時においても、接触子の消耗が少なくな
り、開閉寿命を延ばすことができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この縦磁界
電極を採用した真空バルブにおいても、負荷電流や事故
電流を繰り返し遮断すると、接触子の表面が損傷するお
それがある。すると、接触子の損傷によりアークの拡散
が阻害され遮断性能が低下する。
【0017】図10は、真空バルブの内部で対置した固定
側電極14と可動側電極15の間で発生したアークと、この
アークによる可動側電極15の表面の溶融状態を示す説明
図で、矢印F1,F2で示すように、固定側電極14から
可動側電極15に遮断電流が流れる場合を示す。
【0018】図10に示すように、例えば可動側電極15の
表面のうち、特にアーク8の起点が集中した部分では、
接点材料が溶融し、この溶融液6は、可動側電極15の表
面から放出された接点材料の蒸気7の圧力が、電極間の
中央部分において高いため、外周方向に向かって流出し
ている。なお、電極の向きが逆で、固定側電極14の表面
に溶融液6が発生した場合も同様となる。
【0019】ところが、負荷電流や事故電流の繰り返し
遮断に伴って、図10で示した溶融液6の量と数が増える
と、通常の通電時には、電流は溶融後の固化部だけを流
れるので、通電面積の狭い固化部分の発熱で、これらの
電極の温度上昇が更に高くなるおそれがある。
【0020】加えて、電流を遮断する場合には、電極間
で発生したアークは、両電極から突き出た溶融液や固化
部分に集中し、金属蒸気の量も増え、遮断特性が低下す
る。この要因を取り除くために、電極構造及び接触子材
料の改良が進められている。遮断能力を上げる材料とし
ては、例えば、CuCr合金などの特殊な合金が開発さ
れている。
【0021】また、縦磁界電極の磁界分布と遮断性能と
の相関関係についても、多くの研究がなされている。例
えば、径方向に対する軸方向の磁界分布が中心部分が高
くなる分布となった場合は、アークの広がりは電極の周
辺部よりも中心部の方が若干分担する電流密度が増える
が、通常の定格遮断電流付近では溶融量は微量で、遮断
は容易である。しかし、さらに遮断電流が増えると、軸
方向の磁界の作用により拡散状態のアークに自己ピンチ
力が働き、アークが更に中心部分に集中する。すると接
触子の表面が溶融し、遮断能力が低下して、遮断容量の
増加を図るうえでの障害となる。そこで、本発明の目的
は、アークの集中を防ぎ、遮断容量を増やすことのでき
る真空バルブを得ることである。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1に対応する発明
は、真空容器の片側から貫設された固定側通電軸と真空
容器の他側から進退自在に貫設された可動側通電軸の先
端に軸方向の磁界を発生する電極と接触子が接合された
真空バルブにおいて、軸方向の磁界を発生する電極で接
点間に発生する軸方向の磁界の周方向の強度分布に沿っ
た開口部又は凹部を接触子に形成したことを特徴とす
る。
【0023】また、請求項2に対応する発明は、真空容
器の片側から貫設された固定側通電軸と真空容器の他側
から進退自在に貫設された可動側通電軸の先端に複数の
軸方向磁界発生部を形成した電極と接触子が設けられた
真空バルブにおいて、接触子の各軸方向磁界発生部の対
向部に開口部又は凹部を形成したことを特徴とする。
【0024】また、特に請求項3に対応する発明は、電
極と接触子との間に電極板を介在させたことを特徴とす
る。
【0025】また、特に請求項4に対応する発明は、軸
方向磁界発生部を固定側通電軸及び可動側通電軸の先端
の同心円周上にほぼ等間隔に突設された接続部と、中心
部が円板状でこの外周から前記各接続部の一側に延びる
凸部を有する磁性板とにより軸方向磁界発生部を形成し
たことを特徴とする。
【0026】また、特に請求項5に対応する発明は、真
空容器の片側から貫設された固定側通電軸と真空容器の
他側から進退自在に貫設された可動側通電軸の先端に電
極板と接触子が接合された真空バルブにおいて、接触子
に開口部又は凹部を形成したことを特徴とする。
【0027】さらに、特に請求項6に対応する発明は、
接触子の開口部又は凹部の断面形状を底辺が前端となる
台形状としたことを特徴とし、請求項7に対応する発明
は、凹部の外周に開口部を形成したことを特徴とし、請
求項8に対応する発明は、電極板の接触子の対向部に対
して、凹部を形成したことを特徴とする。
【0028】このような手段によって、本発明の真空バ
ルブでは、特に大電流の遮断時において、縦磁界の強い
領域へのアークの移行を防ぎ、このアークの集中に伴う
接触子表面の溶融を防ぐとともに、万一、溶融した場合
には、圧力の低い開口部へ溶融液を導いて、この溶融液
の蒸気を防ぐ。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の真空バルブの一実
施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の真
空バルブの第1の実施形態を示す部分詳細図で、請求項
1,2及び請求項3に対応し、電極部分の分解斜視図で
ある。なお、可動側のみを示したが、固定側も同一であ
る。
【0030】すなわち、図1(a)において、可動側通
電軸1Aの先端に形成された凸部1aに対して、4本の
コイル部を形成し縦磁界を発生するコイル電極2が、こ
のコイル電極2の中心の円筒部を介して挿入されろう付
されている。
【0031】4本のコイル部2bは、中心の円筒部の外
周から90°間隔に放射状に形成された腕部2aの先端か
ら反時計方向に延設され、これらのコイル部2bの先端
の前面に接続部2cが突設されている。
【0032】この接続部2cの更に前面側に対して、環
状に製作された電極板3Aが接合され、この電極板3A
の更に前面に対して、クロム合金製の接触子4Aがろう
付されている。この接触子4Aには、以下説明するよう
に開口部が形成されて、略環状となっている。
【0033】すなわち、この開口部4aは、90°間隔に
形成された弧状部4a1と、これらの弧状部4a1の間
に形成され中心方向に弧状に突き出た弧状部4a2で形
成されている。このうち、弧状部4a1の中心点は、コ
イル電極2で発生する縦磁界が最大となるコイル部2b
の中間部と対向する部分となっている。
【0034】なお、接触子4Aの開口部4aの内周面と
前面との間の角部は、電界強度の増加に伴うアークの膠
着を防ぐために、図1のA−A断面拡大図の図2に示す
ように、弧状の面取りが施されている。接触子4Aの外
周の前面側も同様である。
【0035】このように構成された電極が組み込まれた
真空バルブにおいては、万一、定格遮断電流を超える事
故電流を遮断する場合でも、接触子4Aに形成された開
口部4aと電極板3Aに形成されたアークが発生しない
開口部3aによって、自己ピンチ力によるアークの中央
方向への移動を防ぐことができ、環状の接触子4Aの開
口部4aの周りの前面で均一に放電させることができる
ので、アークの集中を防ぐことができ、このアークの集
中に伴う溶融とこの溶融に起因する遮断特性の低下を防
ぐことができる。
【0036】図3は、図1で示した縦磁界電極を組み込
んだ真空バルブの電極間に発生した縦磁界の強度の分布
を示すグラフで、前述したように、コイル電極を通る円
周上では、各接続部2cと腕部2aとの間に最大値が示
され、腕部2aの先端は低くなっている。なお、接続部
2cの横に破線で示した部分は、相手側の電極の接続部
の位置を示す。
【0037】なお、図1及び図2においては、腕部2a
とコイル部2bが4本で構成するコイル電極2の場合で
説明したが、コイル部が3本の場合でも或いは2本の場
合でも、縦磁界の強度の最大値は、同一円周上ではコイ
ル部の中間部に形成されるので、図1の接触子4Aで示
した弧状部4a1は、その縦磁界の強度が最大となる位
置に設ければよい。
【0038】次に、図4は、本発明の真空バルブの第2
の実施形態を示す部分分解斜視図で、請求項2及び請求
項4に対応し、第1の実施の形態で示した図1に対応
し、この図1と同様に電極部分のみを示す。
【0039】図4においては、可動側通電軸1Bの先端
には、略円錐台状の大径部1bが形成され、この大径部
1bの先端面に対して、円板状の接続子1cがろう付で
接合されている。
【0040】大径部1bの先端面には、軟鋼板から製作
された磁性板5がろう付され、この磁性板5の外周に
は、凸部5aが風車の羽根状に90°間隔に突設されてい
る。この磁性板5は、凸部5aの片側を通電軸1Bの先
端の接続子1cの側面に当接させ、磁性板5の時計回り
の回転を阻止するような状態で重ねられている。
【0041】この磁性板5の前面には、図1で示した電
極板3Aと同一品の環状の電極板3Aが添設され、各接
続子1cに裏面がろう付されている。この電極板3Aの
更に前面に対して、貫通穴4bが対称的に形成されたク
ロム合金製の接触子4Bがろう付されている。
【0042】この接触子4Bに形成された貫通穴4bの
前端の縁部には、弧状の面取りが施され、この貫通穴4
は、磁性板5の外周に形成された磁極部5aと対応する
位置に重ねられている。
【0043】このように電極が構成された真空バルブに
おいては、図5の部分拡大平面図で示すように、×印C
に示すように接続子1cを紙面の裏面方向に流れる電流
で発生し、凸部5aを磁路とする磁界の向きBは、凸部
5aの内側と外側では、図1で示したコイル電極2のコ
イル部2bと同様に、電極間において互いに逆向きとな
る。
【0044】凸部5aの先端の磁束は、対向する固定側
電極の凸部5aに軸方向に方向を変え、このため、電極
間に部分的に軸方向の磁界を発生するが、この縦磁界の
位置に対して、接触子4Bには貫通穴4bが形成されて
いるので、この部分へのアークの集中を防ぐことがで
き、このアークの集中による遮断特性の低下を防ぐこと
ができる。この場合も、接続子1c及び凸部5aと貫通
穴4bの数は一致し、接続子1cが3個の場合には、凸
部5aと貫通穴4bも 120°間隔に各3箇所となる。
【0045】次に、図6は、本発明の真空バルブの第3
の実施形態を示す部分分解斜視図で、請求項2に対応
し、第1の実施形態で示した図1,図2及び第2の実施
形態で示した図3に対応し、電極部分のみを示す。
【0046】図6において、前述した図1及び図2と異
なるところは、電極板に形成された開口部の大きさと数
で、図6で示した電極板3Bには、この前方の接触子4
Bと同様に、小径の開口部3bが90°間隔に形成され、
これらの開口部3bは、図示しない平面図においては、
電極板3Bの裏面に配置されたコイル電極2の腕部2a
の先端、すなわち図1で示した電極の接触子4Aに形成
された弧状部4a1の内側の部分と同一位置となってい
る。
【0047】このように電極が構成された真空バルブに
おいても、コイル電極2の腕部2aの先端部に対応する
接点間に集中するアークを防ぐことができるので、遮断
特性の低下を防ぐことができる。
【0048】次に、図7は、本発明の真空バルブの第4
の実施形態を示す部分拡大図で、前述した実施形態で示
した図1及び図4と図6に対応する図で、請求項5及び
請求項6に対応し、(a)は、電極を前面側から見た斜
視図、(b)は、(a)のD−D断面図である。
【0049】図7において、前述した実施形態で示した
図1〜図6と異なるところは、コイル電極が組み込まれ
てなくて、代りに、接触子4Cに対して、円錐台状の開
口部が形成され、接触子4Cの後部の電極板にも、円錐
台状の凹部が中心に前面側から形成されていることで、
可動側通電軸は、図1及び図6で示した可動側通電軸と
同一である。
【0050】すなわち、可動側通電軸1Aの先端には、
中心の前面側に対して、逆円錐台状の凹部3cが形成さ
れた厚い電極板3Cがろう付され、この電極板3Cの前
面にろう付された接触子4Cには、中心部に対し、前面
側から円錐台状の開口部4c2が形成され、この開口部
4cは、電極板3Cの中心に形成された凹部3cに連結
し、この凹部3cとともに深い凹部を構成している。
【0051】さらに、接触子4Cには、開口部4c2の
周りに対して、円錐台状で小形の開口部4c1が90°間
隔に形成されている。
【0052】このように電極が構成された真空バルブに
おいては、定格遮断電流を超える事故電流などの遮断時
において、接触子4Cの表面に図10で示したような溶融
部分6が生成した場合には、アークが発生せず圧力の低
い開口部4c1,4c2に向かって流れ込むので、溶融
部に起因するアークの拠点の生成のおそれを解消するこ
とができ、金属蒸気の発生を防ぎ、遮断特性の低下を防
ぐことができる。さらに、開口部4c1,4c2に移動
した溶融金属は、円錐台状の開口部の斜面を底部方向に
容易に移動することができる。
【0053】次に、図8は、本発明の真空バルブの第5
の実施形態を示す図で、第4の実施形態で示した図6に
対応する図で、請求項5,7及び請求項8に対応し、
(a)は電極の平面図、(b)は(a)のE−E断面図
である。
【0054】図8において、電極板3Dの前面側には、
通電軸1Aの直径よりも大なる凹部3dが中心部に形成
されている。この電極板3Dの前面にろう付された接触
子4Dには、凹部3dの直径と比べて僅かに小さい円形
の凹部4dが中心の前面に形成され、この凹部4dの外
周に対して半円形の開口部4eが90°間隔に4箇所形成
されている。接触子4Dに形成された凹部4dの外周の
前端面は、弧状に面取りされ、接触子4Dの外周の前端
も面取りされている。
【0055】このように構成された電極が組み込まれた
真空バルブにおいても、図6で示した第4の実施例の電
極と同様に、接触子4Dの表面に生成された溶融金属
は、アークが発生せず圧力の低い接触子4Dの中心部に
流れて、凹部4dに流入し、更に圧力の低い電極板3D
の凹部3dに開口部4eを経て流入する。したがって、
接触子の表面に生成された溶融金属を排除することがで
き、金属蒸気の発生を防ぐことができるので、遮断特性
を上げることができる。
【0056】なお、接触子4Dの凹部4dの外周に形成
した開口部4eは、半円形としたが、接触子4Dの裏面
側から円形の凹部を形成し、この凹部の半分を開口部と
することで、開口部の形成を容易にしてもよい。
【0057】また、上記各実施形態で示した接触子の材
料として、Cu又はAgを基材とし、この基材によって
Co,Cr,Ti,Nb,Fe,Mo又はW或いはこれ
らの化合物の少なくとも1種類を含み、その合計が20〜
70重量%の合金で形成し、化合物として炭化物又はほう
化物とすることで、接触子の融点を上げ、溶融や気化を
防ぐことが好ましい。さらに、前述した接触子材料に対
して、Bi,Te,Sbの少なくとも1種類を10重量%
以下含有させることにより、溶着防止効果を上げること
もできる。
【0058】
【発明の効果】以上、請求項1に対応する発明によれ
ば、真空容器の片側から貫設された固定側通電軸と真空
容器の他側から進退自在に貫設された可動側通電軸の先
端に縦磁界電極と接触子が接合された真空バルブにおい
て、縦磁界電極で接触子間に発生する縦磁界の横断面分
布曲線の等高線に対応する開口部又は凹部を接触子に形
成して、特に大電流の遮断時における、縦磁界の強い領
域へのアークの移行を防ぎ、このアークの集中に伴う接
触子表面の溶融を防ぐとともに、万一、溶融した場合に
は、圧力の低い開口部又は凹部へ溶融液を導いて、この
溶融液の蒸気を防いだので、アークの集中に伴う遮断容
量の増加の障害を解消することのできる真空バルブを得
ることができる。
【0059】また、特に請求項2に対応する発明によれ
ば、真空容器の片側から貫設された固定側通電軸と真空
容器の他側から進退自在に貫設された可動側通電軸の先
端に複数の縦磁界発生部を形成した縦磁界電極と接触子
が設けられた真空バルブにおいて、接触子の各縦磁界発
生部の対向部に開口部又は凹部を形成して、特に大電流
の遮断時における、縦磁界の強い領域へのアークの移行
を防ぎ、このアークの集中に伴う接触子表面の溶融を防
ぐとともに、万一、溶融した場合には、圧力の低い開口
部又は凹部へ溶融液を導いて、この溶融液の蒸気を防い
だので、アークの集中に伴う遮断容量の増加の障害を解
消することのできる真空バルブを得ることができる。
【0060】また、特に請求項3に対応する発明によれ
ば、電極と接触子との間に電極板を介在させて、特に大
電流の遮断時における、縦磁界の強い領域へのアークの
移行を防ぎ、このアークの集中に伴う接触子表面の溶融
を防ぐとともに、この溶融液の蒸気を防いだので、アー
クの集中に伴う遮断容量の増加の障害を解消することの
できる真空バルブを得ることができる。
【0061】また、特に請求項4に対応する発明によれ
ば、縦磁界発生部を固定側通電軸及び可動側通電軸の先
端に突設された接続部とこの接続部に磁極が隣接し固定
側通電軸及び可動側通電軸の先端に添設された磁性板と
で縦磁界発生部を形成することで、特に大電流の遮断時
における、縦磁界の強い領域へのアークの移行を防ぎ、
このアークの集中に伴う接触子表面の溶融を防ぐととも
に、この溶融液の蒸気を防いだので、アークの集中に伴
う遮断容量の増加の障害を解消することのできる真空バ
ルブを得ることができる。
【0062】また、特に請求項5に対応する発明によれ
ば、真空容器の片側から貫設された固定側通電軸と真空
容器の他側から進退自在に貫設された可動側通電軸の先
端に電極板と接触子が接合された真空バルブにおいて、
接触子に開口部又は凹部を形成することで、特に大電流
の遮断時において、接触子表面が溶融した場合には、圧
力の低い開口部又は凹部へ溶融液を導いたので、アーク
の集中に伴う遮断容量の増加の障害を解消することので
きる真空バルブを得ることができる。
【0063】さらに、特に請求項6に対応する発明によ
れば、接触子の開口部又は凹部に対して、後端が開口部
又は凹部の中心方向に傾斜した傾斜面を形成すること
で、請求項8に対応する発明によれば、凹部の外周に開
口部を形成することで、特に大電流の遮断時における、
縦磁界の強い領域へのアークの移行を防ぎ、このアーク
の集中に伴う接触子表面の溶融を防ぐとともに、万一、
溶融した場合には、圧力の低い開口部又は凹部へ溶融液
を導き、更に凹部の開口部に導いたので、アークの集中
に伴う遮断容量の増加の障害を解消することのできる真
空バルブを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空バルブの第1の実施形態を示す電
極部分の分解斜視図。
【図2】図1のA−A断面拡大詳細図。
【図3】本発明の真空バルブの第1の実施形態の作用を
示すグラフ。
【図4】本発明の真空バルブの第2の実施形態を示す電
極部分の分解斜視図。
【図5】本発明の真空バルブの第2の実施形態の作用を
示す説明図。
【図6】本発明の真空バルブの第3の実施形態を示す電
極部分の分解斜視図。
【図7】本発明の真空バルブの第4の実施形態を示す部
分詳細図で、(a)は電極部分の表面斜視図、(b)は
(a)のC−C断面図。
【図8】本発明の真空バルブの第5の実施形態を示す部
分詳細図で、(a)は電極部分の平面図、(b)は
(a)のD−D断面図。
【図9】従来の真空バルブの一例を示す縦断面図。
【図10】従来の真空バルブの作用を示す部分拡大説明
図。
【符号の説明】
1A…可動側通電軸、2…コイル電極、2a…腕部、2
b…コイル部、2c…接続子、3A,3B,3C,3D
…電極板、3a,3b,4a,4b,4c1,4c2,
4e…開口部、4A,4B,4C,4D…接触子、4a
1,4a2…弧状部、3d,4d…凹部、5…磁性板、
5a…凸部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 憲治 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 影長 宜賢 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 丹羽 芳充 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器の片側から貫設された固定側通
    電軸と前記真空容器の他側から進退自在に貫設された可
    動側通電軸の先端に軸方向の磁界を発生する電極と接触
    子が接合された真空バルブにおいて、前記軸方向の磁界
    を発生する電極で前記接触子間に発生する軸方向の磁界
    の周方向の強度分布に沿った開口部又は凹部を前記接触
    子に形成したことを特徴とする真空バルブ。
  2. 【請求項2】 真空容器の片側から貫設された固定側通
    電軸と前記真空容器の他側から進退自在に貫設された可
    動側通電軸の先端に複数の軸方向磁界発生部を形成した
    電極と接触子が設けられた真空バルブにおいて、前記接
    触子の前記各軸方向の磁界発生部の対向部に開口部又は
    凹部を形成したことを特徴とする真空バルブ。
  3. 【請求項3】 前記電極と前記接触子の間に電極板を介
    在させたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    の真空バルブ。
  4. 【請求項4】 前記軸方向磁界発生部を前記固定側通電
    軸及び前記可動側通電軸の先端の同心円周上にほぼ等間
    隔に突設された接続部と、中心部が円板上でこの外周か
    ら前記各接続部の一側に延びる凸部を有する磁性板によ
    り形成したことを特徴とする請求項2に記載の真空バル
    ブ。
  5. 【請求項5】 真空容器の片側から貫設された固定側通
    電軸と前記真空容器の他側から進退自在に貫設された可
    動側通電軸の先端に電極板と接触子が接合された真空バ
    ルブにおいて、前記接触子に開口部又は凹部を形成した
    ことを特徴とする真空バルブ。
  6. 【請求項6】 前記接触子の前記開口部又は凹部の断面
    形状を底辺が前端となる台形状としたことを特徴とする
    請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の真空バルブ。
  7. 【請求項7】 前記凹部の外周に開口部を形成したこと
    を特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の
    真空バルブ。
  8. 【請求項8】 前記電極板の前記接触子の開口部に対応
    した位置に、凹部を形成したことを特徴とする請求項3
    乃至請求項6のいずれかに記載の真空バルブ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102714111A (zh) * 2010-01-20 2012-10-03 三菱电机株式会社 真空管
WO2023276217A1 (ja) * 2021-06-29 2023-01-05 三菱電機株式会社 真空バルブ

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