JPH11162302A - 真空バルブ - Google Patents

真空バルブ

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JPH11162302A
JPH11162302A JP32982697A JP32982697A JPH11162302A JP H11162302 A JPH11162302 A JP H11162302A JP 32982697 A JP32982697 A JP 32982697A JP 32982697 A JP32982697 A JP 32982697A JP H11162302 A JPH11162302 A JP H11162302A
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JP
Japan
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electrode
magnetic flux
flux density
arc
coil
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Application number
JP32982697A
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English (en)
Inventor
Isao Okutomi
功 奥富
Kenji Watanabe
憲治 渡辺
Takumi Uchiyama
工美 内山
Yoshimitsu Niwa
芳充 丹羽
Mitsutaka Honma
三孝 本間
Hiromichi Somei
宏通 染井
Atsushi Yamamoto
敦史 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Shibafu Engineering Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Shibafu Engineering Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低サージ接点側に点弧したアークが効率よく
大電流遮断用接点側に拡散・移動するようにアークを制
御し遮断性能を向上させた真空バルブを提供する。 【解決手段】 真空バルブの電極間に発生するアークと
平行な軸方向の磁界の磁束密度の大きさが電極中心から
電極外周部に向かって増加し、中心部に配置された小径
の円板形状接点の半径R1と外周に配置されたリング形
状接点の外周半径R2との平均値に相当する半径位置Q
より外周側の領域内で軸方向磁束密度が極大値Bmを持
つように構成する。これにより、円板形状接点即ち低サ
ージ接点側に点弧したアークが効率よくリング形状接点
即ち大電流遮断用接点側に拡散・移動するように、アー
クを制御することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は真空バルブに係わ
り、特にそのアークを制御できる電極構造の真空バルブ
に関する。
【0002】
【従来の技術】真空遮断器はその電流消弧能力が非常に
強いため、誘導性負荷を開閉した場合に電流さい断或い
は多重再発弧に伴うサージ電圧を発生することがある。
これらのサージ電圧から負荷機器の絶縁を保護するため
に回路にCRサプレッサを追加接続して急峻サージを抑
えたり、電流さい断特性の勝れた例えばAgWC接点等
を適用していた。前者については主に回路電圧が12k
V以上の場合に適用され、後者は7.2kV以下の回路
に適用されている。
【0003】接点材料の特性により、サージを抑制する
方法のものでは、遮断電流が20kArmsを越える回
路に適用できなかった。その理由は接点に低さい断特性
を持たせるためにアークが小さな電流値になっても消弧
しないように接点の遮断能力を低減させていること及び
低サージ接点では電極開離時のアークの広がり速度が他
の大容量遮断接点例えばCuCr接点に比べて非常に遅
く、接点の一部が過度に過熱されるためであると考えら
れている。
【0004】近年の電力需要の増加に伴い、回路の遮断
電流値が大きくなっている。そこで、従来より、低サー
ジ接点の遮断性能を向上させるための施策が色々と試み
られている。低サージで大電流を遮断できる新しい接点
材料の開発に成功した事例が報告されているが、ここで
は電極構造により遮断性能の向上を図ろうとしたもの
を、図10及び図11を基に説明する。
【0005】図10及び図11において、通電軸6に縦
磁界コイル電極31が電気的に接続してあり、縦磁界コ
イル電極31の先端が第1の接触子32にろう付けされ
ている。また縦磁界コイル電極31と並列にコントレー
ト電極33が接統されている。
【0006】また図11に示してあるようにコントレー
ト電極33には互いに傾きの違うスリット34が複数本
切り込んであり、スリット34間を流れる電流により電
極33のリング形状の第2の接触子35の表面に半径方
向の磁界を発生することができる。第2の接触子35の
表面に点弧したアークとこの磁界との電磁力によりアー
クが接点表面を円周方向に回転するようになる。ここ
で、第2の接触子35には低さい断性を有する接点、第
1の接触子32には大電流遮断用接点を用いる。
【0007】大電流遮断時、電極が開離すると、始めに
アークはコントレート電極33の第2の接触子35の両
接触子間で発生する。発生したアークはコントレート電
極33で発生する半径方向の横磁界のため、アークが円
周方向に駆動される。その駆動力が強力であると、アー
クが第1の接触子32側へも拡散・移動するようにな
る。第1の接触子32に点弧すると接触子に流れ込んだ
電流は縦磁界コイル電極31を流れるようになるため、
電極間には軸方向の磁界が発生し、第1の接触子32に
点弧したアークは安定化されアーク電圧が低くなる。
【0008】一般に磁気駆動部即ちコントレート電極3
3に発生したアークのアーク電圧は縦磁界により安定化
された値よりも大きいため、発生エネルギーが小さくな
るよう第1の接触子32への拡散・移動が促進されるこ
とが期待される。そのため、大電流の遮断が第1の接触
子32側で行われるので、遮断性能が大電流遮断用接点
の性能に依存するようになり、遮断性能を向上させるこ
とができる。しかしながら、この方式では遮断電流が大
きくなると、アークが効率よく第1の接触子32側に移
動せず、遮断性能を大きく向上させることが困難であっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
方法では低サージ接点表面に点弧したアークが効率よく
大電流遮断接点側に移動しないため、遮断性能を大きく
向上させることができなかった。
【0010】そこで、本発明では低サージ接点側に点弧
したアークが効率よく大電流遮断用接点側に拡散・移動
するように、アークを制御することができる電極構造の
真空バルブを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、絶縁円筒の両端開口部をそれぞれ端板で閉鎖した真
空容器内に接離自在な一対の電極を配置した真空バルブ
において、電極は、電極の中心部に配置され、電極径に
対して小径の円板形状接点、及びこの円板形状接点の外
周に配置されるリング形状接点からなる接触子と、電極
間に発生するアークと平行な軸方向の磁界を発生する磁
界発生手段とを備え、この磁界発生手段により発生する
磁界の電極間での軸方向磁束密度の大きさが電極中心か
ら電極外周部に向かって増加し、小径の円板形状接点の
半径とリング形状接点の外周半径との平均値に相当する
半径位置より外周側の領域内で軸方向磁束密度が極大値
を持つことを特徴とする。
【0012】このような構成とすることにより、電極外
周部の軸方向磁東密度が電極中心部に比べて極端に大き
くなっており、アークは磁束密度の大きい電極外周部に
拡散して移動し易くなる。
【0013】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の真空バルブにおいて、軸方向磁束密度の極大値(B
m)が、電極径の各遮断電流に対するアーク電圧と軸方
向磁束密度との関係におけるアーク電圧が最低となる磁
束密度(Bcr)より大なることを特徴とする。
【0014】このような構成とすることにより、電極外
周部に印加されている磁東密度の大きさが、各遮断電流
に対してアークを安定化させ、アーク電圧が極小となる
ような値としているので、電極外周部にアークが移動し
易くなる。
【0015】請求項3に記載の本発明は、請求項1また
は請求項2に記載の真空バルブにおいて、電極中心から
電極外周部に向かって軸方向磁束密度が単調に増加し、
小径の円板形状接点の半径とリング形状接点の外周半径
との平均値に相当する半径位置より外周側の領域内で軸
方向磁束密度が極大値(Bm)を持つ軸方向磁束密度分
布において、電極中心部の軸方向磁束密度がゼロ以下で
その絶対値が、アーク電圧が最低となる磁束密度の絶対
値の2分の1(|Bcr/2|)以下となることを特徴
とする。
【0016】このような構成とすることにより、電極中
心部の軸方向磁束密度を極端に小さくしているので、電
極中心部に点弧したアークが非常に不安定となり、アー
ク電圧が高くなる。従って、電極外周部にアークが移動
し易くなる。
【0017】請求項4に記載の本発明は、請求項1乃至
請求項3のいずれかに記載の真空バルブにおいて、軸方
向磁束密度分布の内、電極中心のマイナス値から単調に
プラス値に増加する磁束密度の値がゼロを横切る半径位
置が小径の円板形状接点の半径以上の位置となることを
特徴とする。
【0018】このような構成とすることにより、電極中
心部で磁束密度が極端に小さい領域が、電極中心に配置
した小径の円板形状接点を全て含んでいるので、小径の
円板形状接点に点弧したアークは大電流を遮断する場合
すべて不安定な状態となる。従って、電極外周部にアー
クが移動し易くなる。
【0019】請求項5に記載の本発明は、請求項1乃至
請求項4のいずれかに記載の真空バルブにおける軸方向
磁束密度分布において、軸方向磁束密度が極大値(B
m)をとる半径位置の円周方向磁東密度が、円周方向に
対して2ヶ所以上の凹部及び凸部ができるような分布と
し、その最小値が、電極径の各遮断電流に対するアーク
電圧と軸方向磁束密度との関係におけるアーク電圧が最
低となる磁束密度(Bcr)より大なることを特徴とす
る。
【0020】このように、電極外周部で軸方向磁束密度
の極大値が円周方向に対していくつかの凹凸をもつよう
に分布させることにより、アークが集まり易い場所が円
周方向に対して分散するので、アークが集中した領域の
アーク電流密度が抑えられる。
【0021】請求項6に記載の本発明は、請求項1乃至
請求項5のいずれかに記載の真空バルブにおいて、磁界
発生手段を、電極の軸中心から放射状に伸びる第1の腕
部及びこの第1の腕部の先端より円弧状に伸びる第1の
コイル部からなる第1のコイル電極と、第1のコイル部
の先端よりさらに放射状に伸びる第2の腕部及びこの第
2の腕部より円弧状に伸びる第2のコイル部からなる第
2のコイル電極と、第2のコイル部の先端と接触子とを
電気的に接続する接続手段とを有するものとしたことを
特徴とする。
【0022】このように、請求項1乃至請求項5のいず
れかで定義される磁束密度分布を電極間に発生するため
に、電極中心部に配置した径の小さい第1のコイル電極
と径の大きい第2のコイル電極が発生する磁東密度の方
向を互いに逆向きにすることにより、電極中心部では磁
束密度が弱め合い、外周部では強め合うことにより、目
的とする磁束密度分布を発生することができる。
【0023】請求項7に記載の本発明は、請求項1乃至
請求項5のいずれかに記載の真空バルブにおいて、磁界
発生手段を、電極の軸中心から放射状に伸びる第1の腕
部、この第1の腕部の先端より円弧状に伸びるコイル
部、及びこのコイル部の先端より電極の軸中心側に伸び
る第2の腕部からなるコイル電極と、第2の腕部の先端
と接触子とを電気的に接続する接続手段と、コイル電極
と接触子との間に設けられ、電極の軸中心から放射状に
伸びる腕部及びこの腕部の先端より円弧状に伸びる円弧
部からなる磁性体とを有するものとしたことを特徴とす
る。
【0024】このように請求項1乃至請求項5のいずれ
かで定義される磁束密度分布を電極間に発生するため
に、コイル電極と磁性体で発生する磁束密度の方向を互
いに逆向きにすることにより、電極中心部では磁束密度
が弱め合い、外周部では強め合うことにより、目的とす
る磁束密度分布を発生することができる。
【0025】請求項8に記載の本発明は、請求項1乃至
請求項7のいずれかに記載の真空バルブにおいて、小径
の円板形状接点の表面が、リング形状接点の表面より突
出していることを特徴とする。
【0026】このように、電極中心部に配置した接点を
外周部の接点に対して突出させることにより、電流を遮
断する場合には必ず電極中心部に配置した接点で点弧さ
せることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態について詳細に説明する。 なお、以下の図面に
おいて、同符号は同一部分または対応部分を示す。
【0028】(第1の実施形態)本発明に係る真空バル
ブの第1の実施形態について説明する。この実施形態に
おける真空バルブ電極間の軸方向磁束密度分布の例を図
1に示す。図1は電極間ギャップ長の中間位置での電極
半径方向に対する軸方向磁束密度分布を示している。
【0029】まず、電極間アーク電圧と軸方向磁束密度
の関係について図3を用いて説明する。一般に電極径及
び遮断電流が決まると、電極間のアーク電圧と軸方向磁
束密度の間には図3のような関係がある。図3に描かれ
た曲線は接点材料によっても大きく変わってくるが、軸
方向の磁束密度を変化させた場合、アーク電圧が最低と
なる軸方向磁束密度Bcrが存在する。この磁束密度の
値は遮断電流、電極径及び接点材料によって変化する。
【0030】以上の点を考慮に入れて、この第1の実施
形態において制御する磁束密度分布について図1を用い
て説明する。電極中心では電極外周部に印加される磁束
密度の方向と逆向きの磁束が印加されている。この大き
さはアークが安定化するのに必要となる磁束密度Bcr
の2分の1より小さい。電極中心から電極の外周部に向
かって、軸方向磁束密度は単調に増加する分布となる。
ここで、磁東密度の向きが逆転する点Pが電極中心部に
配置される円板形状接点の半径R1の位置より外側とな
らなければならない。軸方向の磁東密度はこの領域より
外部に向かっても単調に増加し、電極半径位置が円板形
状接点の半径R1とリング形状接点の外周半径R2との
平均値に相当する半径位置即ち(R1+R2)/2の点
Qより外周側の領域において極大値Bmをとる。この極
大値Bmは、アークが安定化するのに必要となる磁束密
度Bcrより大きな値をとる。
【0031】また、電極の外周領域で軸方向磁束密度が
極大となる半径位置での軸方向磁束密度の円周方向分布
例を図2に示す。円周方向における軸方向磁束密度は少
なくとも360°内に2ヶ所以上の凹部及び凸部ができ
るような分布即ち2つ以上のピークが現れるような分布
(図では3つのピークのある場合を示している)をして
いる。この図における軸方向磁束密度の最小値Bmin
の値もBcrより大きな値であるものとする。
【0032】このように、電極中心部での軸方向磁束密
度の大きさを電極外周部に対して極端に小さくしたこと
により、電極中心部に配置した接点に点弧したアークは
不安定となり、アーク電圧が高くなる。電極中心部に配
置した円板形状接点の全領域でこのようになっているた
め、円板形状接点で点弧したアークは全て不安定とな
る。
【0033】それに対し、電極外周部の領域では、アー
クが安定化するのに必要となる磁束密度以上の磁束が常
に印加されているため、電極外周部でアークが点弧する
とそのアーク電圧は小さくなる。従って、電極中心で点
弧しているアークが電極外周部に拡散・移動した方が、
系のエネルギーが低くなる。そのため、アークが電極中
心の接点で最初点弧しても電極外周部の方へ移動するよ
うになる。
【0034】電極外周部で磁束密度が極大値をとる半径
位置での円周方向分布が一定である場合、電極外周部の
ある一部でアークが集中し始めると、その1ケ所で集中
することになる。そのため、軸方向磁束密度に強弱をつ
けておき、予め集中し易くなる場所を設けておく。この
ような分布とすることにより、アークが集中しても数箇
所に分散するため、1箇所で集中した場合より、集中し
た領域の電流密度は比較的低くなり、陽極電極表面に与
えるアークのエネルギーによるダメージを抑えることが
できる。
【0035】このように、電極中心部の軸方向磁束密度
の向きを逆向きとし、電極中心部と電極外周部の磁東密
度の比を極端にすることにより、電極中心で点弧したア
ークを効率よく電極外周部に移動・拡散させることが可
能となる。
【0036】(第2の実施形態)次に、本発明に係る真
空バルブの第2の実施形態について説明する。第2の実
施形態における電極の構成を図4に示す。真空バルブ内
部には固定及び可動側電極の一対があるが、ここでは片
側の電極のみ示す。
【0037】同図において、1は小径の円板形状接点で
あり、組成はCu或いはAgを主成分とし、WC、C
o、TiC、Teまたはその化合物を少なくとも1種以
上含みその合計が20〜70重量%のものである。2は
リング形状接点であり、Cuを主成分として、Cr、M
o、W、Feまたはその化合物を少なくとも1種以上含
みその合計が20〜70重量%のものである。
【0038】小径の円板形状接点1の表面がリング形状
接点2の表面より突出するように電極板3に取り付けら
れており、電極板3及び接続子4を介してコイル電極5
と電気的に接続されている。
【0039】コイル電極5は図5に示した構造をしてい
る。即ちコイル電極5は電極の軸中心から放射状に伸び
る第1の腕部8及びこの第1の腕部8の先端より円弧状
に伸びる第1のコイル部9からなる第1のコイル電極
と、第1のコイル部9の先端よりさらに放射状に伸びる
第2の腕部10及びこの第2の腕部10より円弧状に伸
びる第2のコイル部11からなる第2のコイル電極とか
らなる。第1の腕部8は通電軸6とろう付けされてお
り、また第2のコイル部11の先端が接続子4とろう付
けされている。なお、7は投入・開極時の機械的衝撃に
よりコイル電極5が変形しないために設けられた補強部
材である。
【0040】まず始めにコイル電極5の作用について説
明する。電流を遮断する場合には遮断電流がコイル電極
5の中を第1の腕部8、第1のコイル部9、第2の腕部
10、第2のコイル部11の順に流れていく(電流の向
きが逆の場合は逆順)。従って、コイル電極5の第1の
コイル部9と第2のコイル部11を流れる円周方向の電
流が互いに逆向きに流れるので、図6に示したような磁
束密度を電極間に発生する。すなわち、第2のコイル部
11の発生する磁界は従来の縦磁界電極と同様に13で
示したような分布の磁束密度となる。
【0041】また、第1のコイル部9の発生する磁界に
ついては、電極中心部では第2のコイル部11の発生す
る磁束と逆向きの磁束を発生し、第1のコイル部の外側
では同一方向の磁束を発生し、図6において14で示し
たような分布となる。
【0042】従って、両者の磁束密度分布を重ねあわせ
ると図6の15のような分布となり、第1の実施形態に
おける磁束密度分布を満足する磁束密度分布を得ること
ができる。
【0043】なお、図5に示すように第2のコイル部1
1が3個の場合は、円周方向における軸方向磁束密度は
360°内に3ヶ所の凹部及び凸部ができるような分布
即ち3つのピークが現れるような分布となる。
【0044】ここで、電極が投入している状態では、小
径の円板形状接点1の接触子が突出しているため、可動
電極及び固定電極の小径の円板形状接点1同士が互いに
突き合わせ接触されている。事故電流が回路に流れて電
極が開極されるとアークが最初に小径の円板形状接点1
の間で点弧する。最初に点弧したアークは集中した1本
のアークであるが、アークの拡散作用によっていくつか
のカソードスポットが外側のリング形状接点2へもこぼ
れる。リング形状接点2の領域にはアークが安定化する
のに十分な磁束密度が印加されているのでその領域で点
弧したアークのアーク電圧は低く抑えられる。しかし、
小径の円板形状接点1の領域に印加されている磁東密度
は非常に小さいため、アークが不安定となり、アーク電
圧が大きくなる。そのため、中心部と外周部でアーク電
圧が不均一となる。電極間のアーク電圧が一定となるよ
うに中心部のアークが電極外周部に拡散し、全体的にア
ーク電圧が低くなるような状態に遷移していく。
【0045】従って、最初中心に配置された小径の円板
形状接点即ち低サージ接点で点弧したアークが効率よく
電極外周部のリング形状接点に移動・拡散するため、低
サージ接点部のアークによる熱的損傷を抑えることがで
きる。また、遮断すべき電流の殆どの割合の電流はリン
グ形状接点に点弧するため遮断性能が、低サージ接点の
みを使用した場合に比べて、大幅に向上することができ
る。
【0046】この実施形態のような電極を用いることに
より、電極中心部に配置した低サージ接点に最初点弧し
たアークを効率よく電極外周部に配置した大電流遮断用
リング形状接点に移動・拡散できるため、従来のように
低サージ接点のみを使用した場合に比べ、大幅に遮断性
能を向上することができる。従って、同一遮断電流であ
れば、従来より電極径を小さくすることが可能となり真
空バルブの小型化を図ることができる。また、遮断限界
電流値の向上も図ることができ、従来実現できなかった
定格の低サージ真空バルブを実現することが可能とな
る。
【0047】(第3の実施形態)次に、本発明に係る真
空バルブの第3の実施形態について説明する。ここでは
第2の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0048】第3の実施形態における電極の構成を図7
に示す。また、図7の磁性体16とコイル電極17の形
状をそれぞれ図8(a)及び(b)に示す。これらの図
において、コイル電極17は、電極の軸中心から第1の
腕部18が放射状に伸び、この第1の腕部18の先端よ
りコイル部19が円弧状に伸びている。コイル部19の
先端から電極の軸中心側に第2の腕部20が伸びてい
る。第1の腕部18は通電軸6とろう付けされており、
また第2のコイル部20の先端が接続子4とろう付けさ
れている。
【0049】コイル電極17と電極板3の間には接続子
4を挟むようにしてまんじ形状の磁性体16が配置され
ている。即ち、磁性体16は、電極の軸中心から放射状
に伸びる腕部21とこの腕部21の先端より円弧状に伸
びる円弧部22とを有する。
【0050】ここでは第2の実施形態と異なる磁界発生
の作用についてのみ説明する。コイル電極17により電
極間には図6に示した13のような従来の縦磁界電極と
同様な磁束密度を発生する。次に磁性体16の発生する
磁東密度について図9を用いて説明する。ここでは可動
側電極及び固定側電極に取り付けられた磁性体16を表
している。磁性体16は可動及び固定電極において互い
に逆向きとなるように配置されている。接続子4と磁性
体16は直角に交わっているため、接続子4を流れる電
流により発生する磁束(φ)は、図9に示してあるよう
に磁性体の腕部21及び円弧部22を通る。磁性体の各
円弧部22の先端では空隙があるため、一部の磁束は点
線で描かれているように反対側の磁性体16に引っ張ら
れる。下側の磁性体16から上側の磁性体16に入った
磁束(φ)は上側の磁性体16の腕部21を通る。磁束
は閉じた曲線となるため、腕部21を通った磁束は中心
側でまた、下側の磁性体16に戻るようになる。従っ
て、磁性体16の円弧部22より外側の領域と内側の領
域で、互いに磁東密度の向きが異なる軸方向の磁束を発
生することができる。
【0051】故に、図6に示した14の分布の磁束密度
を磁性体により発生することができ、この第3の実施形
態の電極においても図6の15で示されるような磁束密
度分布が電極間に発生することができる。即ち第2の実
施形態の電極と同様な磁束密度分布を得ることができる
ため、低サージ接点のみを使用した場合にくらべ、大幅
に遮断性能を向上することができる。
【0052】この第3の実施形態のような電極を用いる
ことにより、電極中心部に配置した小径の円板形状接点
即ち低サージ接点に最初に点弧したアークを効率よく電
極外周部に配置した大電流遮断用リング形状接点に移動
・拡散できるため、従来のように低サージ接点のみを使
用した場合に比べ、大幅に遮断性能を向上することがで
きる。従って、同一遮断電流であれば、従来より電極径
を小さくすることが可能となり真空バルブの小型化が図
れる。また、遮断限界電流値の向上も図ることができ、
従来実現できなかった定格の低サージ真空バルブを提供
することが可能となる。
【0053】
【発明の効果】本発明の真空バルブによれば、従来の低
サージ用真空バルブに比べ、大幅に遮断性能を向上させ
ることができるため、真空バルブの小形化が図れ、コス
トを削減することができる。
【0054】また、低サージ接点は一般に非常に高価で
あるが、本発明の真空バルブにおける電極では低サージ
接点の大きさも小さくできるので、接点にかかる費用も
削減することができ、大幅なコストダウンが達成でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態における電極の半径
方向に対する軸方向磁束密度分布の例を示す図。
【図2】 第1の実施形態における電極外周部の円周方
向に対する軸方向磁東密度分布の例を示す図。。
【図3】 電極間のアーク電圧と軸方向磁束密度との関
係を示す図。
【図4】 本発明の第2の実施形態における電極の構成
を示す断面図。
【図5】 図4のA−A方向より見た断面図。
【図6】 本発明による電極構造により電極間に発生す
る磁束密度分布を説明するための図。
【図7】 本発明の第3の実施形態における電極の構成
を示す断面図。
【図8】 図7のB−B方向及びC−C方向より見た断
面図。
【図9】 第3の実施形態における磁性体により発生す
る磁束を説明するための図。
【図10】 従来の真空バルブの電極構造を示す斜視
図。
【図11】 図10のD−D、E−Eでの断面図。
【符号の説明】
1…小径の円板形状接点 2…リング形状接点 3電極板 4接続子 5…コイル電極 6…通電軸 7…補強部材 8…第1の腕部 9…第1のコイル部 10…第2の腕部 11…第2のコイル部 16…磁性体 17…コイル電極 18…第1の腕部 19…コイル部 20…第2の腕部 21…腕部 22…円弧部 31…縦磁界コイル電極 32…第1の接触子 33…コントレート電極 34…スリット 35…第2の接触子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内山 工美 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 丹羽 芳充 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 本間 三孝 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 染井 宏通 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 山本 敦史 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁円筒の両端開口部をそれぞれ端板で閉
    鎖した真空容器内に接離自在な一対の電極を配置した真
    空バルブにおいて、前記電極は、前記電極の中心部に配
    置され、前記電極径に対して小径の円板形状接点、及び
    この円板形状接点の外周に配置されるリング形状接点か
    らなる接触子と、前記電極間に発生するアークと平行な
    軸方向の磁界を発生する磁界発生手段とを備え、この磁
    界発生手段により発生する磁界の前記電極間での軸方向
    磁束密度の大きさが電極中心から電極外周部に向かって
    増加し、前記小径の円板形状接点の半径とリング形状接
    点の外周半径との平均値に相当する半径位置より外周側
    の領域内で軸方向磁束密度が極大値を持つことを特徴と
    する真空バルブ。
  2. 【請求項2】前記軸方向磁束密度の極大値が、電極径の
    各遮断電流に対するアーク電圧と軸方向磁束密度との関
    係におけるアーク電圧が最低となる磁束密度より大なる
    ことを特徴とする請求項1に記載の真空バルブ。
  3. 【請求項3】前記電極の電極中心から電極外周部に向か
    って軸方向磁束密度が単調に増加し、前記小径の円板形
    状接点の半径とリング形状接点の外周半径との平均値に
    相当する半径位置より外周側の領域内で軸方向磁束密度
    が極大値を持つ軸方向磁束密度分布において、電極中心
    部の軸方向磁束密度がゼロ以下でその絶対値が、前記ア
    ーク電圧が最低となる磁束密度の絶対値の2分の1以下
    となることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    の真空バルブ。
  4. 【請求項4】前記軸方向磁束密度分布の内、電極中心の
    マイナス値から単調にプラス値に増加する磁束密度の値
    がゼロを横切る半径位置が前記小径の円板形状接点の半
    径以上の位置となることを特徴とする請求項1乃至請求
    項3のいずれかに記載の真空バルブ。
  5. 【請求項5】前記軸方向磁束密度分布において、軸方向
    磁束密度が極大値をとる半径位置の円周方向磁東密度
    が、円周方向に対して2ヶ所以上の凹部及び凸部ができ
    るような分布とし、その最小値が、電極径の各遮断電流
    に対するアーク電圧と軸方向磁束密度との関係における
    アーク電圧が最低となる磁束密度より大なることを特徴
    とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の真空バ
    ルブ。
  6. 【請求項6】前記磁界発生手段は、前記電極の軸中心か
    ら放射状に伸びる第1の腕部及びこの第1の腕部の先端
    より円弧状に伸びる第1のコイル部からなる第1のコイ
    ル電極と、前記第1のコイル部の先端よりさらに放射状
    に伸びる第2の腕部及びこの第2の腕部より円弧状に伸
    びる第2のコイル部からなる第2のコイル電極と、前記
    第2のコイル部の先端と前記接触子とを電気的に接続す
    る接続手段とを有するものであることを特徴とする請求
    項1乃至請求項5のいずれかに記載の真空バルブ。
  7. 【請求項7】前記磁界発生手段は、前記電極の軸中心か
    ら放射状に伸びる第1の腕部、この第1の腕部の先端よ
    り円弧状に伸びるコイル部、及びこのコイル部の先端よ
    り前記電極の軸中心側に伸びる第2の腕部からなるコイ
    ル電極と、前記第2の腕部の先端と前記接触子とを電気
    的に接続する接続手段と、前記コイル電極と接触子との
    間に設けられ、前記電極の軸中心から放射状に伸びる腕
    部及びこの腕部の先端より円弧状に伸びる円弧部からな
    る磁性体とを有するものであることを特徴とする請求項
    1乃至請求項5のいずれかに記載の真空バルブ。
  8. 【請求項8】前記小径の円板形状接点の表面が、前記リ
    ング形状接点の表面より突出していることを特徴とする
    請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の真空バルブ。
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