JPH10321093A - 縦磁界電極真空バルブ及び真空遮断器 - Google Patents

縦磁界電極真空バルブ及び真空遮断器

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JPH10321093A
JPH10321093A JP13317797A JP13317797A JPH10321093A JP H10321093 A JPH10321093 A JP H10321093A JP 13317797 A JP13317797 A JP 13317797A JP 13317797 A JP13317797 A JP 13317797A JP H10321093 A JPH10321093 A JP H10321093A
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JP
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magnetic field
electrode
vertical magnetic
vacuum valve
circuit breaker
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Application number
JP13317797A
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English (en)
Inventor
Kenji Watanabe
憲治 渡辺
Yoshimasa Kagenaga
宜賢 影長
Yoshimitsu Niwa
芳充 丹羽
Takumi Uchiyama
工美 内山
Hiromichi Somei
宏通 染井
Mitsutaka Honma
三孝 本間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】遮断性能を向上させた縦磁界真空バルブ及び縦
磁界電極真空バルブを電流遮断部に使用した真空遮断器
を提供する。 【解決手段】 一対の縦磁界コイル電極3の中心間距離
をLとし、また縦磁界コイル3の中心半径をRaとした
場合、この比(L/Ra)を1.3以下にすることによ
り電極中心で電極外周部に対して磁束密度が小さくなる
分布を得ることができ、均一にアークを制御できる磁界
分布に近づけることができるので、遮断性能を向上させ
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縦磁界電極真空バ
ルブ及び縦磁界電極真空バルブを電流遮断部に使用した
真空遮断器に関わり、特にその開閉特性に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来の縦磁界によるアーク制御を改善
し、さらにアーク中の電流密度を均一化した制御として
特願平8−232857号が提案されている。この新し
いアーク制御ではアークと平行に印加する縦磁界の分布
を変えている.それまでの縦磁界制御では電極中心部の
磁束密度が大きく、電極外周部に向かって行くに従っ
て、小さくなる分布となっていた。そのため、アークが
集中し始める電流値になると磁束密度の大きい電極中心
部でアークが集中するようになる。電極中心部では集中
する領域が小さいため、遮断限界電流値も小さくなる。
そこで、アークが集中する領域を電極面全体に広げるた
め、電極中心領域では、電極外周部に対して磁束密度が
小さくなるような分布を用いてアークを制御する。本方
式を実現した電極の例としては既に特願平8−1415
31号、特願平8−264974号等の電極がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記した電極は通常の
遮断器に組み込めば従来の縦磁界電極に比べ、遮断性能
力が向上できる。それは如何なる電極間ギャップ長にな
ってもアークが均一となる必要磁界分布が得られるよう
に電極構造を改良しているからである。従来の縦磁界電
極でも電極径及び電極間ギャップ長がある条件を満足す
ると新しい磁束密度分布に近くなる場合がある。電極径
にもよるが一般にはギャップ長が短い条件で実現でき
る。しかし、従来の縦磁界電極では図10に示すような
開極特性の遮断器を用いているため、電流の流れはじめ
で開極動作させた場合、電流ピーク値付近では電極間の
ギャップ長が規定のギャップ長に近くなっている。その
ため、電極間の軸方向磁束密度分布は電極中心部で強
く、外周部に向かって小さくなる分布となり、アークを
均一に制御できる条件から外れてしまう。そこで、遮断
器の開閉速度及び電極形状がある条件を満足するように
設定すれば、全く同じとまでは行かないが、ある程度の
ところまで遮断性能を向上させることができる可能性が
ある。また、新しい電極では磁性体を使用して必要とす
る磁束密度を発生させているが、開極特性を最適化する
ことにより、磁性体を用いた電極構造をさらに単純化さ
せることができる可能性がある。
【0004】本発明は、遮断器操作機構の開閉速度と電
極形状を規定して、従来の縦磁界電極構造であっても、
新しい磁界制御条件に基づいたアーク制御が、また、新
しいアーク制御を可能にした電極にあっては構造の簡略
化を可能とし、遮断性能を向上させた縦磁界真空バルブ
及び縦磁界電極真空バルブを電流遮断部に使用した真空
遮断器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、遮断電流ピー
ク時に電極間の磁界分布が新しいアーク制御に基づいた
ものに近くなるように遮断器操作機構の開極速度の初開
離速度及び平均開極速度を規定し、また、適用できる磁
界発生用縦磁界コイル電極形状を規定したものである。
【0006】請求項1の発明は、円周方向の腕を少なく
とも1本備えたコイル電極を使用した縦磁界電極真空バ
ルブにおいて、真空バルブの規定ギャップの50%以下
の領域で縦磁界電極により電極間に発生する磁界分布が
新しい磁界制御に基づいた分布となるように縦磁界電極
のコイル中心問距離(L)とコイル中心半径(Ra)と
の比(L/Ra)がl.3以下となるようにしたことを
特徴とする。
【0007】このように構成することにより、幾何学的
配置による制約から電極間には電極中心部の磁束密度が
外周部より小さくなるような分布の磁界が発生するよう
になる。そのため、新しい制御に基づいた磁束密度分布
に近い磁界を発生することができる。
【0008】請求項2の発明は、円周方向の腕を少なく
とも1本備えたコイル電極を使用し、前記コイル電極と
接点の間に磁性体を配置した縦磁界電極真空バルブにお
いて、真空バルブの規定のギャップ長の50%以下のギ
ャップ長で縦磁界電極のコイル電極中心間距離(L)と
コイル中心半径(Ra)との比(L/Ra)が1.6以
下となるようにしたことを特徴とする。
【0009】このように構成することにより、単純な形
状の磁性体を配置した電極においても電極間には電極中
心部の磁束密度が外周部より小さくなるような分布の磁
界が発生するようになる。
【0010】請求項3の発明は、カップ状の電極に斜め
のスリットを切り込んだ電極を使用した縦磁界電極真空
バルブにおいて、真空バルブの規定のギャップ長の50
%以下のギャップ長で縦磁界電極のカップ状電極中心問
距離(L)とカップ状電極の中心半径(Ra)との比
(L/Ra)が1.3以下となるようにしたことを特徴
とする。
【0011】このように構成することにより、幾何学的
配置による制約から電極間には電極中心部の磁束密度が
外周部より小さくなるような分布の磁界が発生するよう
になる。
【0012】請求項4の発明は、接点材料としてCr、
W、Mo、Fe及びNbのうちの少なくとも1つを含む
銅合金を用いることを特徴とする。このような銅合金を
用いることにより、電流ピ一ク値近傍で規定ギャップ長
の50%しか開極していない厳しい条件でも接点の損傷
を比較的小さく抑えることができる。従って、接点の損
傷が遮断性能に及ぼす影響を小さくすることができる。
【0013】請求項5の発明は、接点材料として電極中
心部に陰極降下電圧の高い材料、電極外周部に陰極降下
電圧の低い材料を配置した接点を用いることを特徴とす
る。このように、電極中心部に陰極降下電圧の高い材
料、電極外周部部陰極降下電圧の低い材料を配置した接
点を用いることにより、アークは陰極降下電圧の低い外
周部に点弧しやすくなるため、短ギャップ長であっても
アークが電極面全体に広がり易くなり、接点の損傷を小
さく抑え、遮断性能を向上させることができる。
【0014】請求項6の発明は、前述のような縦磁界電
極真空バルブを遮断部として用いた真空遮断器において
その初開離速度をa(m/s)、平均開極速度をb(m
/s)、遮断すべき電流の周波数f(Hz)とした場合
とした場合、下記の条件を満足するようなa及びbの
値となるようにして電極を開極動作させることにより、
大電流ループのピーク値付近で規定ギャップ長の50%
以下の領域にギャップ長を抑えることができるようにす
る。ただし、ここで用いる初開離速度は規定ギャッブ長
Gの20%を開極する間の平均開極速度と定義し、平均
開極速度は規定のギャップ長の20%から100%まで
を開極する間の平均開極速度とする。
【0015】
【数2】 G(0.2/a+0.3/b)≧1/(4f)…(1) 例えば直流分50%を含んだ50Hzの非対称交流電流
を遮断する場合においては、
【0016】
【数3】G(0.2/a+0.3/b)≧6.8ms このように(l)式を満足するようなa及びbの値を用
いて電極を開極動作させた場合、遮断電流の如何なる位
相で開極した場合に対しても電流ピーク値近傍では規定
ギャップ長の50%以下の値にギャップ長を抑えること
ができるようになる。そのため、電極間に発生している
アークを新しい磁界分布に基づいた条件で制御すること
が可能となり、電極間のアークを均一にすることができ
る。
【0017】請求項7の発明は、前述のような縦磁界電
極真空バルブを遮断部として用いた真空遮断器において
初開離速度aと平均開極速度bの関係をa≧0.8bと
したことを特徴とする。
【0018】初開離速度を小さくして請求項6の(1)
式を満足する条件では、開離時のア一クによる接点の損
傷が大きくなり、遮断性能が極端に低下することにな
る。そのため、このように初開離速度aと平均開極速度
bの関係をa≧0.8bとすることにより、少なくとも
初開離速度を平均開極速度の80%以上とし、開離時に
は早くギャップを広げ、接点損傷を抑える。
【0019】請求項8の発明は、真空遮断器に取り付け
られた開極速度を減速するダンパーの動作開始位置が接
点間開離後、ギャップ長の20%以下となるようにした
ことを特徴とする。
【0020】このように、遮断器のダンパーの動作開始
位置を接点開離後ギャップ長の20%以下とすることに
より、短ギャップ開極後の開極速度を極端に小さく抑え
ることができ、遮断電流のピーク値付近であっても接点
間のギャップ長が規定ギャップ長の50%以下に抑える
ことが可能となる。
【0021】請求項9の発明は、短絡板及び外部より励
磁するコイルよりなり、開極速度を加速する電磁反発機
構を設置したことを特徴とする。このように構成するこ
とにより、遮断器の開極動作と同期して外部より電磁反
発コイルに高周波電流を供給し、電磁反発コイルと遮断
器操作機構に取り付けた短絡板に流れる誘導電流との電
磁反発を利用し、機構の初開離速度の向上を図った機構
と組み合わせることにより短ギャップでの接点損傷を小
さくする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態を詳細に説明する。なお、以下の図面において
は、同符号は同一部分又は対応部分を示す。 (第1の実施形態)本発明の第1の実施形態に係る縦磁
界電極真空バルブの構成を図1に示す。図においてlは
接触子、2は電極板である。電極板2は接続子6により
縦磁界コイル電極3とろう付けされている。また、縦磁
界コイル電極3は通電軸4とろう付けされている。なお
5は、高抵抗材料で構成された補強部材である。電極
3、3間が規定ギャップ長(G)の50%の時、縦磁界
コイル電極3の中心問距離Lとコイル半径Raとの比
(L/Ra)を、1.3以下としている。
【0023】このような構成の縦磁界電極を図3に示す
操作機構と組み合わせる。遮断器操作機構の開極特性の
内、初開離速度をa、平均開極速度をbとする。ただ
し、初開離速度は規定ギャップ長Gの20%を開極する
間の平均開極速度と定義し、平均開極速度は規定のギャ
ップ長の20%から100%までを開極する間の平均開
極速度と定義する。遮断電流が流れはじめた時に開極し
た場合、電流ピーク値でも電極間が開いた距離が規定ギ
ャップ長Gの最大50%となるように調整する。
【0024】真空バルブの電極が図3に示した開極特性
の遮断器操作機構により、開極されると図1に示す電極
間にはアークが点弧する。その時極間に流れる遮断電流
は接触子1、電極板2を流れ、接続子6を介して、縦磁
界コイル電極3に流れ込む。縦磁界コイル電極3は図4
に示すように円周方向の腕3Aを複数本有しているの
で、縦磁界コイル内では軸方向に対して電流が等価的に
円周方向に1回転してから通電軸4に流れるように構成
されている。従って、電極間には一対の電極に配置され
た縦磁界コイル3により軸方向の磁界が発生する。
【0025】ここで、一対の縦磁界コイル電極3の中心
間距離をLとし、また縦磁界コイル中心半径をRaとし
た場合、その比(L/Ra)が1.3以下となっている
ので、図2に示した軸方向磁界分布が電極間に印加され
る。これは、縦磁界コイルの幾何学的形状配置により決
まってくるものであり、この比が√2より大きいときは
電極中心部の磁束密度が電極外周部より大きくなり、こ
の比(L/Ra)が√2の場合には丁度電極中心部の磁
束密度分布がフラットな分布となる。この比(L/R
a)を1.3以下にすることにより図2に示すように電
極中心で電極外周部に対して磁束密度が小さくなる分布
を得ることができ、均一にアークを制御できる磁界分布
に近づけることができる。この比を1.3以下にしない
と中心部の磁束密度の値をある程度周囲に対して低くす
ることができない。
【0026】次に以上のような条件を満足する縦磁界電
極を開閉速度が自由に設定できる機構に取り付けて遮断
試験を実施した結果について述べる。この試験では図3
で規定した初開離速度及び平均開極速度を同じ値に合わ
せた。従って、ストローク特性は図5(a)及び図6
(a)に示しであるように直線となる。遮断電流は直流
分として50%程度を考え、遮断電流の周波数を50H
z、電流半波の時間を13.6msとした。図5(b)
に遮断電流が流れはじめた時に開極する条件に対する実
験結果を示す。平均開極速度(以後、初開離速度と同一
であるため単に開極速度という)が1m/sから小さく
なるに従って、遮断性能が向上することが分かる。これ
は、遮断電流のピーク値近傍であってもギャップ長が短
く、電極間には図2に示したような磁束密度分布が発生
するようになったためアークが均一に制御されていたと
考えられる。図6(b)に遮断電流のピーク値で開極し
た条件に対する実験結果を示す。この場合は開極速度が
遅くなるに従って遮断特性も低下する傾向を示す。これ
は、電流ピーク時に遅いスピードで開極すると、非常に
大電流であるにも拘わらずギャップ長が狭くアークが短
時間の内に電極面全体に広がらないため、接触子1の一
部にアークが集中し、表面を著しく損傷してしまうため
と考えられる。
【0027】遮断器は一般に遮断電流に対して任意の位
相で開極される。電流ピーク値以後に任意の位相で開極
される条件では電流ゼロ点までのアーク時間がピークで
開極される場合より小さくなるので遮断性能の特性は図
6(b)に示したものより低下することはないと考えら
れる。次に、電流ピ一ク前に任意の位相で開極される場
合についてはそれぞれの開極速度の条件に対し、図5
(b)と図6(b)で示す遮断電流値の間の値を取るこ
とになると考えられる。
【0028】従来の遮断器の操作機構では開極速度が1
m/s以上である場合が一般的である。今回の試験結果
から開極速度が1m/sの条件に対して遮断性能が1割
以上向上する(遮断電流値Ia以上の)速度の範囲を図
5(b)より求めると0.8m/s以下となる。この速
度範囲において、図6(b)において遮断電流値が図5
(b)の1m/sの値より1割以上向上する(遮断電流
値Ia以上の)速度の範囲を求めると0.55m/s以
上となる。従って、速度Vは0.55≦V≦0.8とな
る。速度が最も速い条件において電流ピ一ク値での最大
ギャップ長条件を求めると、規定ギャップ長の50%と
なる。今回の試験は限られた条件での結果であるが、基
本的には、電流ピーク値で規定ギャップ長の50%以内
であることが重要と考えられるので、この条件を満足す
る初開離及び平均開極速度の組み合わせを全て考慮する
ことができる。結局以下の式で決まる組み合わせを考え
ることができる。
【0029】
【数4】G(0.2/a+0.3/b)≧6.8ms 但し、Gは規定のギャップ長である。上式を満足する
a,bの値であればなんでも良いというわけではない。
図5の特性をみると電流ピークで開極する条件では、初
開離速度が遮断性能に及ぼす影響が大きく、できるだけ
早くした方が良い。ところが図4の特性からは平均開極
速度はできるだけ遅くした方が良い。従って、今回の試
験結果から少しでも遮断性能を通常より向上させるため
には少なくとも初開離速度aの値を平均開極速度bの値
の80%以上にする必要がある。
【0030】今回のような遮断器の開閉制御を行うと、
比較的ギャップ長が短い条件で大電流アークを流す必要
がある。一般に短ギャップ長ではア一クの広がり速度が
低く抑えられる傾向にあり、接点の損傷を比較的受け易
くなる。そこで、接触子1としてCr、W、Mo、F
e、Ti、Co及びNbのうちの少なくとも1つを含む
銅合金を用い、短ギャップでの接点の損傷度合いを抑
え、遮断性能の低下を極力抑えるようにする。また、短
ギャップでのアークの広がり速度を早めるため、接点中
心部には陰極効果電圧の高い材料、接点外周には陰極効
果電圧の低い材料を配置する。
【0031】陰極効果電圧の高い材料としては、対弧成
分(Cr、W、Mo、Fe、Ti、Co、Nb)の少な
い銅合金、例えばCuが75%、Crが25%の銅合金
であるCuCr25を用いる。また、陰極効果電圧の低い
い材料としては、対弧成分(Cr、W、Mo、Fe、T
i、Co、Nb)の少ない銅合金、例えばCuが50
%、Crが50%の銅合金であるCuCr50を用いる。
このような配置とすることにより、接点中心部にて点弧
したアークが電子を放出しすい接点外周部に移動しやす
くなり、短ギャップ時のア一クの集中を抑えることがで
きる。そのため、接点の損傷が抑えられ、遮断性能を向
上させることができる。
【0032】以上のように遮断器操作機構の開閉速度と
縦磁界電極の形状を規定することにより、従来の縦磁界
電極構造であっても、電極中心部の磁束密度が外周部に
対して低くなる新しい磁界制御条件に近づいた分布を得
ることができる。その結果、電極間のアークを通常の縦
磁界電極で制御する場合より、電極面に対して均一に制
御することが可能となり、遮断性能を向上させることが
できる。
【0033】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態に係る縦磁界電極真空バルブの構成を図7に示
す。1は接触子、2は電極板である。電極板2は接続子
6により縦磁界コイル電極3とろう付けされている。ま
た、縦磁界コイル電極3は通電軸4とろう付けされてい
る。縦磁界コイル電極3には断面L字形状の磁性体7が
取り付けてある。電極間が規定ギャップ長(G)の50
%の時、縦磁界コイル電極3の中心間距離Lとコイル半
径Raの比(L/Ra)を、1.6以下としている。
【0034】この場合は、縦磁界コイル電極3に磁性体
7が取り付けてあるため、電極外周部で磁束が通り易く
なり、外周部の軸方向磁束密度を増加させることができ
る。従って、磁性体がない場合に比ベ、縦磁界コイル3
の中心間距離Lとコイル半径Raの比(L/Ra)が
1.6になった場合でも図2に示す磁界を電極間に発生
させることができる。このような構成とすることによ
り、第1の実施形態と同様な作用・効果を奏する。
【0035】(第3の実施形態)本発明の第3の実施形
態に係る縦磁界真空バルブの構成を図8(a)に示す。
図において、1は接触子、2は電極板である。電極板2
はカップ状電極8とろう付けされている。カップ状電極
8は底部にて通電軸4とろう付けされている。
【0036】電極間が規定ギャッブ長(G)の50%の
時、カップ状電極8の円筒部分(カップ状電極の底部の
厚さを除いた部分)の中心間距離Lと円筒部分の中心半
径Raの比(L/Ra)を1.3以下としている。
【0037】図8(a)の下側のカップ状電極8の側面
を図8(b)に示す。カップ状電極8には斜めのスリッ
トが切り込んであるため、遮断する電流は、矢印で示す
ように、このスリットの間を流れることになる。このス
リットは両電極で同一方向に切り込んであるので、スリ
ット間に流れる電流の円周方向成分がワンターンのコイ
ル対を形成したことと同様となるため、第1の実施形態
と同様に電極間に軸方向の磁界を発生させることができ
る。従って、磁界を発生するカップ状電極の円筒部分の
中心間距離Lと円筒部分の中心半径Raの比(L/R
a)を、1.3以下としておくことにより、幾何学的配
置の制約から電極間には図2に示した磁界を発生するこ
とができる。このような構成とすることにより、第1の
実施形態と同様な作用・効果を奏する。
【0038】(第4の実施形態)本発明の第4の実施形
態にかかる真空遮断器の構成を図9に示す。図9には、
真空遮断器の主回路断路部のみが示されている。真空バ
ルブ10の可動軸20は導体ブロック16を介して絶縁
操作ロッド17に接続されている。絶縁操作ロッド16
は図には描かれていない操作機構に連結されているリン
ク19に連結されている。描かれていない操作機構は電
動ばね、 ソレノイド等の通常の開閉操作のできる操作
能力を有しているものとする。絶縁操作ロッド16に相
対向してダンパー18が設置されている。真空パルプの
可動軸20には短絡板14が取り付けてある。この短絡
板14に相対向して電磁反発コイル13が配置してあ
る。この電磁反発コイル13には電気的にコンデンサ1
1及びスイッチ12が直列に接続してある。
【0039】主回路導体9に故障に伴う大電流が流れる
と、その電流がリレー等で検出され、遮断器に開極指令
が出される。開極指令がくると図には描かれていないト
リップコイルが励磁され操作機構は遮断動作を始め、リ
ンク19が時計回りに回転し始める。この動きと同期し
てスイッチ12が投入され、電磁反発コイル13にコン
デンサ11に予め充電されていた電荷を放電する。電磁
反発コイル13は磁束を軸方向に発生する。この磁束は
短絡板14と錯交するため、短絡板4が銅でできている
場合、その磁束を打ち消す方向の磁束を発生するために
誘導電流が流れる。この誘導電流が電磁反発コイル13
の発生する磁束によりフレミングの法則による力が可動
軸20を下向きに押す方向に発生する。そのため、開極
初期には通常の開極力に加え、電磁反発による力が作用
し、初開離速度を速めることができる。開極に伴い、絶
縁操作ロッド17は下向きに動いていくが、規定ギャッ
プ長(G)の20%開極した時点で絶縁操作ロッドの先
端がダンパー18に接触し、ダンパー18が動作するよ
うになり、今度は開極速度を遅くするための、開極動作
とは反対方向力が発生するようになる。このため、開極
速度が減速されるようになる。
【0040】この実施形態においては、電磁反発機構を
併用することにより遮断器の初開離速度を速くすること
ができ、ダンパーの動作点を規定ギャップ長の20%開
極した時点とすることにより平均開極速度を著しく遅く
させることができ、初開離速度aに対する平均開極速度
bの比を大きくとることができ、短時間で規定ギャップ
の20%まで開極されるためアークの集中を抑え、ア一
クが電極面に早く広がり、接点の損傷が抑えられ遮断性
能を向上することができる。また、図2で示される磁界
が有効に印加できる時間を長くとることができるため、
アーク期間の殆どの期間有効にアークが制御され、さら
に遮断性能を向上することができる。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば縦磁界電極真空バルブに
おいて、均一にアークが制御できる新しい磁束密度分布
に近い磁界を発生させることができる。従って、アーク
が集中する臨界電流値を向上することが可能となり、遮
断性能の向上を図ることが可能となり、真空バルブの小
型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態における縦磁界電極
の電極構造を示す断面図。
【図2】 第1の実施形態における電極間に発生する軸
方向磁束密度分布を示す図。
【図3】 第1の実施形態における遮断器操作機構の開
極特性と遮断電流の波形を示す図。
【図4】 第1の実施形態における縦磁界コイル電極の
電極構造を示す平面図。
【図5】 第1の実施形態における電流の流れはじめに
電極を開極した場合の開極速度と遮断性能の関係を示す
図。
【図6】 第1の実施形態における電流ピークで電極を
開極した場合の開極速度と遮断性能の関係を示す図。
【図7】 本発明の第2の実施形態における縦磁界電極
の電極構造を示す断面図。
【図8】 本発明の第3の実施形態における縦磁界電極
の電極構造を示す断面図及び側面図。
【図9】 本発明の第4の実施形態における真空遮断器
主回路断路部の構造図。
【図10】 従来の遮断器操作機構の開極特性と遮断電
流の波形を示す図。
【符号の説明】
1…接触子 2…電極板 3…縦磁界コイル電極 4…通電軸 5…補強部材 6…接続子 7…磁性体 8…カップ状電極 13…電磁反発コイル 14…短絡板 18…ダンパー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内山 工美 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 染井 宏通 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 本間 三孝 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円周方向の腕を少なくとも1本備えたコイ
    ル電極を使用した縦磁界電極真空バルブにおいて、真空
    バルブの規定のギャップ長の50%以下のギャップ長で
    縦磁界電極のコイル電極中心間距離(L)とコイル中心
    半径(Ra)との比(L/Ra)が1.3以下であるこ
    とを特徴とした縦磁界電極真空バルブ。
  2. 【請求項2】円周方向の腕を少なくとも1本備えたコイ
    ル電極を使用し、前記コイル電極と接点の間に磁性体を
    配置した縦磁界電極真空バルブにおいて、真空バルブの
    規定のギャッブ長の50%以下のギャッブ長で縦磁界電
    極のコイル電極中心間距離(L)とコイル中心半径(R
    a)との比(L/Ra)が1.6以下であることを特徴
    とした縦磁界電極真空バルブ。
  3. 【請求項3】カップ状の電極に斜めのスリットを切り込
    んだ電極を使用した縦磁界電極真空バルブにおいて、真
    空バルブの規定のギャップ長の50%以下のギャップ長
    で縦磁界電極のカップ状電極中心問距離(L)とカップ
    状電極の中心半径(Ra)との比(L/Ra)が1.3
    以下であることを特徴とした縦磁界電極真空バルブ。
  4. 【請求項4】接点材料としてCr、W、Mo、Fe、T
    i、Co及びNbのうちの少なくとも1つを含む銅合金
    としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれ
    かに記載の縦磁界電極真空バルブ。
  5. 【請求項5】接点材料として電極中心部に陰極降下電圧
    の高い材料、電極外周部に陰極降下電圧の低い材料を配
    置したことを特徴する請求項1乃至請求項3のいずれか
    に記載の縦磁界電極真空バルブ。
  6. 【請求項6】請求項1乃至請求項5項のいずれかに記載
    の縦磁界電極真空バルブを遮断部として用いた真空遮断
    器において、規定のギャップ長G(m)、初開離速度a
    (m/s)、平均開極速度b(m/s)、及び遮断すべ
    き電流の周波数f(Hz)とした場合、 【数1】G(0.2/a+0.3/b)≧1/(4f) を満足することを特徴とする真空遮断器。
  7. 【請求項7】請求項l乃至請求項5のいずれかに記載の
    縦磁界電極真空バルブを遮断部として用いた真空遮断器
    または請求項6に記載の真空遮断器において、その初開
    離速度aと平均開極速度bとの関係がa≧0.8bとし
    たことを特徴とする真空遮断器。
  8. 【請求項8】請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の
    記載の縦磁界電極真空バルブを遮断部として用いた真空
    遮断器または請求項6もしくは請求項7に記載の真空遮
    断器において、この真空遮断器に取り付けられた開極速
    度を減速するダンパーの動作開始位置が接点間開離後、
    ギャップ長の20%以下となるようにしたことを特徴と
    する真空遮断器。
  9. 【請求項9】請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の
    記載の縦磁界電極真空バルブを遮断部として用いた真空
    遮断器または請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の
    真空遮断器において、短絡板及び外部より励磁するコイ
    ルよりなり開極速度を加速する電磁反発機構を備えたこ
    とを特徴とする真空遮断器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6747233B1 (en) 2001-12-28 2004-06-08 Abb Technology Ag Non-linear magnetic field distribution in vacuum interrupter contacts
KR101115639B1 (ko) 2010-10-18 2012-02-15 엘에스산전 주식회사 진공 인터럽터의 접점 어셈블리

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