JP3812388B2 - 印刷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、CD−R(Compact Disk Recordable)等の記録媒体の表面に所望の文字や記号等のキャラクタをサーマルヘッドを用いる印刷手段により印刷する印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
サーマルヘッドを用いる印刷装置においては、サーマルヘッドの印字面にインクリボンが接触しながら移動し、したがってサーマルヘッドの印字面にインク粕等が付着して徐々に汚れてくる。
【0003】
従来においては、このようなサーマルヘッドの汚れをクリーニングするために、インクリボンを収容した転写用のカートリッジに換えてクリーニング材のテープを収容したクリーニング用のカートリッジを印刷装置に装着し、サーマルヘッドの印字面にクリーニング材のテープを接触させて移動させることによりサーマルヘッドの印字面の汚れを除去するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、クリーニング用のカートリッジを用いる方法では、クリーニング用のカートリッジを別途用意しなければならず、またクリーニング時にいちいちそのクリーニング用のカートリッジを印刷装置に装着してクリーニング作業を行なわなければならず、このためクリーニング作業が面倒で手間がかかってしまう。
【0005】
この発明は、クリーニング用のカートリッジを用いることなく、サーマルヘッドを容易に能率よくクリーニングすることができる記録媒体の表面に印刷を行なうための印刷装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、装置本体内の所定の位置に配置される記録媒体支持用の支持手段と、この支持手段により支持された記録媒体の表面に、インクリボンを介してサーマルヘッドを当接させ、このサーマルヘッドを移動させることにより、その表面に印刷を行なう印刷手段とを具備する印刷装置であって、前記支持手段は、保持部と、この保持部に移動可能に設けられた載置台とを備え、前記載置台は前記記録媒体が載置される載置面を有し、この載置面には、異なる領域に分けて弾性部材と、前記サーマルヘッドのクリーニングが可能なクリーニング部材とが設けられ、前記載置台は、前記保持部に対する移動により前記弾性部材とクリーニング部材とを選択的に前記サーマルヘッドの移動範囲に対応する位置に配置させることが可能となっていることを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1の載置台が、前記保持部に対して着脱可能に設けられ、その着脱よって載置台の向きを変えることにより前記弾性部材を前記サーマルヘッドの移動範囲に対応する位置に配置させる状態と、前記クリーニング部材を前記サーマルヘッドの移動範囲に対応する位置に配置させる状態とに切り換えることが可能となっていることを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1の載置台が、前記保持部に対して回転可能に設けられ、その回転動作で前記弾性部材を前記サーマルヘッドの移動範囲に対応する位置に配置させる状態と、前記クリーニング部材を前記サーマルヘッドの移動範囲に対応する位置に配置させる状態とに切り換えることが可能となっていることを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の発明は、前記弾性部材がゴム材によって構成され、前記クリーニング部材がフェルト材によって構成されていることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1および図2には印刷装置の全体の外観を示してあり、この印刷装置は装置本体としてのケース1を備え、このケース1は合成樹脂により比較的厚さの薄いほぼ箱形状に形成されている。
【0012】
ケース1の前面から上面の一部に亘る部分には開口部2が形成され、この開口部2には、ピン3を支点にして上下方向に回動することにより開口部2を開閉するプリンタカバー4が設けられている。そして通常時には、図2に示すようにプリンタカバー4は開口部2に閉合され、開口部2が閉じられている。
【0013】
ケース1は、内底部にベース7を有し、このベース7の上に支持手段としてのトレイ8が設けられている。そしてベース7の両側部には、その上方に起立し、かつ互いに対向するようにガイド壁9が一体に形成されている。
【0014】
図3にはケース1内からベース7およびトレイ8を取り出した状態を、図4にはそのベース7からトレイ8を取り外した状態を、図5にはトレイ8を反転した状態を、図6にはベース7の単独の状態を、図7にはトレイ8の一部の平面構造をそれぞれ示してあり、ベース7に設けられたガイド壁9は、図6に示すように断面コ字状をなし、その内側がガイド溝10となっており、これらガイド溝10内にトレイ8の両側縁のスライド部11が摺動自在に嵌合され、これによりトレイ8がガイド溝10に沿うケース1の前後方向に移動し得るようになっている。
【0015】
すなわちトレイ8は、ケース1内の所定の収納位置からプリンタカバー4の下側の開口部2を通してその前方に突出するように移動し、またその突出した状態からケース1内に移動して所定の収納位置に配置するようになっている。
【0016】
トレイ8の前端部には起立壁12が設けられ、またトレイ8の上面の前端寄り部分には、図7および図8に示すように保持部として円形の凹部13が形成され、この凹部13の中央部にトレイ8と一体の円筒状のボス8aが突出形成されている。そしてこの凹部13内に円形の載置台14が挿脱可能に収納され、この載置台14の上面が記録媒体としての円盤状の光ディスク6を載置させる載置面となっている。
【0017】
前記ボス8aは載置台14の中央部を貫通してその上面側に突出しており、また光ディスク6は中央部に円孔6aを有し、この円孔6aを前記ボス8aに嵌合して載置台14の上に載置するようになっている。
【0018】
載置台14の上面つまり光ディスク6の載置面には、異なる二つの領域に分けて、光ディスク6を密着させるための例えばゴム材や発泡ゴム材等からなる弾性部材15と、後述するサーマルヘッドをクリーニングするための例えばフェルト材からなるクリーニング部材16とが貼り付けられている。
【0019】
すなわち、載置台14の表面のほぼ2/3の領域の部分に弾性部材15が貼り付けられ、残りのほぼ1/3の領域の部分にクリーニング材16が貼り付けられている。これら弾性部材15およびクリーニング材16は、図8に示すようにシート状をなし、その上面が互いに面一となるように載置台14の上に貼り付けられている。
【0020】
なお、図1、図3および図4で破線で囲み符号Hを付した帯状の領域は、トレイ8がケース1内の所定の収納位置に収納された状態で、トレイ8(載置台14)上を印刷位置にあるサーマルヘッドが移動し印刷が行われる印刷領域の位置を示している。この印刷領域Hは、トレイ8の上面に形成される円形の凹部13の中心に設けられるボス8aよりもケース1の前面側寄りでトレイ8の起立壁12に沿って位置している。
【0021】
そして載置台14を凹部13内から取り出してその向きを変えることにより、弾性部材15とクリーニング部材16とを選択的にサーマルヘッドの移動範囲に対応する印刷領域Hの位置に配置させることができるようになっている。
【0022】
載置台14の周縁の互いに反対側となる対称的な二箇所には、位置決め用の突起14aが一体的に突出形成されているとともに、前記凹部13の周縁部にはその突起14aに対応する切欠部13aが互いに対称的に形成されている。さらに、前記凹部13の周縁部には互いに対称的に指掛け溝13bが形成されている。これら指掛け溝13bは、図9に示すように凹部13の内底面に向かって傾斜するように形成されている。
【0023】
載置台14は、各突起14aが凹部13の周縁の切欠部13a内に嵌合することにより、トレイ8に対する回り止めが図られて位置決めされる。そして指掛け溝13bを通して載置台14の周縁に指先を掛けて凹部13内から載置台14を取り出し、これを水平回りに180度回転させるとともに、その姿勢で再び載置台14を凹部13内に収納し、各突起14aを切欠部13a内に嵌合することにより、載置台14の表面の弾性部材15とクリーニング部材16と位置関係を反転させることができるようになっている。
【0024】
トレイ8の前端部に設けられた起立壁12の上部の内面には、図1〜図4に示すように係合爪17が突出形成され、またプリンタカバー4の下端部には前記係合爪17に対向する係合穴18が設けられている。
【0025】
そしてトレイ8がケース1内の所定の収納位置に配置し、かつプリンタカバー4が開口部2に閉合しているときに前記係合爪17が前記係合穴18内に係合し、これによりプリンタカバー4を係止してその開放を禁止するカバー係止手段が構成されている。
【0026】
前記ベース7の後部上面には、図4に示すように一対の突片19が形成され、これら突片19の内面にトレイ8の押出し機構20を構成するコイルスプリング21が設けられ、これらコイルスプリング21の先端部に押し駒22が装着されている。
【0027】
また、ベース7の後部上面にはトレイ8を係脱可能に係止する係止機構25が設けられている。この係止機構25は、ソレノイド26と、このソレノイド26に連動してピン27を中心に回動する係止レバー28とで構成され、係止レバー28の一端部にフック28aが一体に形成され、このフック28aがトレイ8の後部下面に形成された図5に示す突起29と係脱可能に係合するようになっている。
【0028】
そしてトレイ8がケース1内に押し込まれてケース1内の所定の収納位置に配置しているときには、トレイ8の後部縁が押出し機構20の押し駒22に当接してコイルスプリング21が圧縮され、またトレイ8の突起29が係止レバー28のフック28aに係合し、この係合によりコイルスプリング21の弾性力に抗してトレイ8がケース1内に保持される。
【0029】
ケース1の前面の一端部には係止機構25のソレノイド26を駆動する制御信号を入力するためのイジェクトボタン30が設けられ、このイジェクトボタン30を指先で押圧操作することにより、ソレノイド26が励磁され、この励磁でソレノイド26のプランジャが吸引され、この吸引の動作で係止レバー28がピン27を中心に回動し、この回動でフック28aがトレイ8の突起29から外れてその係合が解除され、この係合の解除に応じてトレイ8が押出し機構20のコイルスプリング21の弾性力によりケース1の前方側に一定寸法だけ押し出されるようになっている。
【0030】
そして一定寸法だけ押し出されたトレイ8をユーザが手先でさらに前方に引き出してトレイ8をケース1の前方側の許容最大距離まで大きく突出させることができるようになっている。
【0031】
一方、引き出したトレイ8をケース1内に押し込むと、このトレイ8の後部縁が押し駒22に当接し、さらにトレイ8を押し込むとコイルスプリング21が圧縮するとともに、トレイ8の突起29が係止レバー28のフック28aに係合し、この係合によりトレイ8がコイルスプリング21の弾性力に抗してケース1内の所定の収納位置に保持される。
【0032】
ベース7の上面には、トレイ8の押し込みに応じてそのトレイ8を上方にせり上げるためのせり上げ用の凸部33a,33b,33cが設けられている。これら凸部33a,33b,33cは図6に示すようにベース7の上面の前部と中間部と後部とに分散するように設けられ、これら凸部33a,33b,33cの前面部にはそれぞれベース7の前方に向かって斜め下方に傾斜する傾斜面34が設けられている。
【0033】
トレイ8の下面には、図5に示すようにベース7の上面の各凸部33a,33b,33cに対応する複数の乗り上げ用の凸部35a,35b,35cが突出形成されている。これら乗り上げ用の凸部35a,35b,35cの突出高さは、ベース7に形成されたせり上げ用の凸部33a,33b,33cの突出高さと同じ寸法となっている。
【0034】
そして、トレイ8の押し込みに応じてこれら乗り上げ用の凸部35a,35b,35cがその対応するせり上げ用の凸部33a,33b,33cの上にそれぞれ傾斜面34をガイドにして乗り上げて重なり、これによりトレイ8が水平状態を保ったまま上方に変位するようになっている。
【0035】
トレイ8の凸部35a,35b,35cがベース7の凸部33a,33b,33cの上に乗り上げるときのタイミングは、ケース1に対するトレイ8の押し込みが完了する直前である。すなわち、トレイ8は、ケース1の前方側に引き出されているときには、下方のレベル位置に保持され、トレイ8がケース1内に向けて移動してケース1内に所定の収納位置に配置する直前に凸部35a,35b,35cが凸部33a,33b,33cの上に乗り上げて下方のレベル位置から上方のレベル位置に変位して定置する。
【0036】
トレイ8の両側縁のスライド部11には、図3および図4に示すように、トレイ8の上下変位を可能にするために、その長手方向の途中に段差39が形成され、この段差39によりスライド部11がトレイ8の後部側の高さの高い高位部区間11aと、この高位部区間11aからトレイ8の前部側に延びる高さの低い低位部区間11bとに区分されている。
【0037】
トレイ8がケース1内に押し込められて上方に変位するときには、高位部区間11aがガイド溝10から離脱して低位部区間11bの上面がガイド溝10の上面にほぼ接する状態となり、トレイ8がケース1の前方に引き出されて下方に変位するときには、高位部区間11aがガイド溝10内に進入してこの高位部区間11aの上面がガイド溝10の上面にほぼ接する状態となり、これによりそのいずれの状態のときにもトレイ8のがたつきが抑えられる。
【0038】
ベース7の前部寄りの上面には、図6に示すようにストッパ爪41が設けられている。そして、トレイ8が前方に引き出されたときにこのトレイ8の凸部35cが前記ストッパ爪41に突き当たり、これによりトレイ8の突出移動範囲が所定の許容範囲内に規制されてベース7から離脱が防止されるようになっている。
【0039】
一方、ケース1内の前方寄りでトレイ8の上方位置には印刷手段としての印刷機構が設けられている。すなわち、図3に示すようにトレイ8を跨いでケース1の幅方向に延びる金属製のプリンタフレーム45が取り付けられている。
【0040】
このプリンタフレーム45は、図3および図10に示すように、トレイ8の上面と離間して対向すると横梁46およびこの横梁46の下側に平行に架設されたガイドシャフト47を有し、前記横梁46の下面にその長手方向に沿って延びるガイドレール48およびラック49が設けられている。そしてガイドシャフト47およびガイドレール48に対してキャリッジ50が移動自在に、かつその前面のカートリッジ装着面がケース1の開口部2に臨むように設けられている。
【0041】
キャリッジ50のカートリッジ装着面となる前面には、その前方に一体的に突出するヘッドカバー51が形成され、このヘッドカバー51の内側にサーマルヘッド81が設けられ、このサーマルヘッド81がヘッドカバー51でカバーされている。
【0042】
また、このキャリッジ50内には、キャリッジ50の走行駆動機構、サーマルヘッド81のヘッド移動機構、印刷用のインクリボンの巻取り機構が設けられ、これら各機構の駆動源となる正逆回転可能なステッピングモータ52がキャリッジ50の背面に取り付けられている。
【0043】
そしてこのキャリッジ50の前面に、印刷用のインクリボン55を収容したリボンカートリッジ56が着脱可能に装着されている。このリボンカートリッジ56は、ケース57を備え、このケース57にヘッドカバー51が嵌合するコ字状の凹部57aが形成されている。
【0044】
このケース57内には図11に示すようにリボン供給コア58とリボン巻取りコア59とが設けられ、リボン供給コア58にインクリボン55のロールが装着され、このロールから繰り出されたインクリボン55が複数のガイドピン60を経て巻取りコア59に巻き止められ、このインクリボン55が巻取りコア59の正回転に応じて順次巻取りコア59に巻き取られるようになっている。そしてインクリボン55の途中はケース57の外部に露出してサーマルヘッド81が位置する前記凹部57aの下面側を走行するようになっている。
【0045】
キャリッジ50内に設けられた前記走行駆動機構、ヘッド移動機構およびリボン巻取り機構について説明すると、キャリッジ50内には前記ステッピングモータ52の出力軸に取り付けられた出力ギア64が配置され、この出力ギア64に第1のギア65aが噛合し、この第1のギア65aに同軸的に第2のギア65bが設けられ、この第2のギア65bに第3のギア65cが噛合し、さらにこの第3のギア65cに第4のギア65dが噛合している。そして、第4のギア65dの回転軸に同軸的にワンウエイクラッチ(図示せず)を介してリボン巻取り軸63が設けられ、このリボン巻取り軸63がキャリッジ50のカートリッジ装着面からその前方に突出し、カートリッジ装着面に対するリボンカートリッジ56の装着に応じてそのリボン巻取り軸63に巻取りコア59が係合するようになっている。
【0046】
前記第3のギア65cは前記ラック49と噛合し、この噛合により第3のギア65cの正逆回転に応じてキャリッジ50がガイドレール48およびガイドシャフト47に沿って往復移動するようになっている。
【0047】
また、キャリッジ50内にはカムギア66が設けられ、このカムギア66にはその回転中心に対して偏心する円弧状のカム溝67が形成されている。そしてこのカムギア66と前記出力ギア64との間に首振りクラッチ68が設けられている。
【0048】
この首振りクラッチ68は、出力ギア64に噛合した太陽ギア69と、この太陽ギア69に噛合し、かつアーム70を介して太陽ギア69の周方向に移動可能に支持された一対の遊星ギア71a,71bとからなり、太陽ギア69の正回転時(時計回り方向の回転時)には一方の遊星ギア71aがカムギア66に噛合するとともに他方の遊星ギア71bがカムギア66から離れ、太陽ギア69の逆回転時(反時計回りの方向の回転時)には一方の遊星ギア71aがカムギア66から離れるとともに他方の遊星ギア71bがカムギア66に噛合するようになっている。
【0049】
キャリッジ50内にはシャフト74を中心にして上下方向に回動するヘッドアーム75が設けられ、このヘッドアーム75はその一端側の端部に張設されたスプリング76により図11における時計回り方向に弾性的に付勢され、またこのヘッドアーム75にはその一端寄りにピン77が設けられ、このピン77が前記カムギア66のカム溝67内に摺動自在に挿入されている。
【0050】
ヘッドアーム75の他端側の端部にはヘッドホルダ78が取り付けられ、このヘッドホルダ78は、キャリッジ50の前方側に突出したヘッドカバー51内に配置するとともに、このヘッドカバー51に沿ってキャリッジ50の前方側に延出しており、このヘッドホルダ78の下面にシャフト79を介してヘッドベース80が支持され、このヘッドベース80の下面に印刷ヘッドとしてのサーマルヘッド81が取り付けられ、このサーマルヘッド81がヘッドカバー51の下面の開口に対向するように配置されている。
【0051】
なお、通常時においては、図2に示すように前記キャリッジ50およびリボンカートリッジ56は、ケース1の開口部2に閉合されたプリンタカバー4により覆われて保護されている。
【0052】
サーマルヘッド81はキャリッジ50と一体にガイドシャフト47およびガイドレール48に沿って移動し、そのサーマルヘッド81の移動範囲において印刷が施されるようになっている。そして、ベース7の凸部33aおよびこの凸部33aの上に重なるトレイ8の凸部35aは、サーマルヘッド81による押圧力を受ける部位である、印刷領域に対応する位置に設けられている。
【0053】
すなわち、前記凸部33a,35aはサーマルヘッド81の直下の位置に配置している。そして図1および図5に示すように、前記凸部33a,35aはサーマルヘッド81の移動のストローク範囲Sの区間に亘って延びるように設けられている。
【0054】
このように、特に、サーマルヘッド81の移動範囲に対応するトレイ8の裏面位置に凸部35aを設けることにより、トレイ8がサーマルヘッド81によって力の加わる部分で凸部35aによって補強されることになり、必ずしもトレイ8の全体を堅牢な構造にする必要がない。
【0055】
ケース1内の後部には、図示しないがソレノイド26、モータ52、サーマルヘッド81等を制御する制御回路を備える回路基板が設けられ、さらにケース1の背部には、電源ジャックおよびUSBジャックが設けられている。そして印刷装置の使用時に、電源ジャックに電源ケーブルを接続して電源を供給し、またUSBジャックにUSBケーブルを挿入して印刷装置にパソコンを接続するようになっている。
【0056】
印刷装置は、通常時にはトレイ8がケース1内の所定の収納位置に収納され、載置台14の上の弾性部材15が印刷手段としてのキャリッジ50の下方に位置し、また開口部2がプリンタカバー4により閉じられ、かつそのプリンタカバー4の開放が係合爪17と係合穴18との係合で阻止された状態にある。
【0057】
この状態から印刷装置を使用する際には、印刷装置の電源ジャックに電源ケーブルを接続して電源を供給し、またUSBジャックにUSBケーブルを挿入して印刷装置にパソコンを接続する。
【0058】
そして印刷装置のイジェクトボタン30を押すか、あるいはパソコンの画面上の専用アプリケーションのイジェクトトグルをクリックする。これに応じてソレノイド26による駆動で係止レバー28が回動し、フック28aとトレイ8の突起29との係合が外れ、トレイ8が押出し機構20によるコイルスプリング21の弾性力でケース1の前方側に一定寸法だけ突出する。
【0059】
そして一定寸法だけ突出したトレイ8を、図1および図2に示すようにユーザが手動操作によりさらにケース1の前方側に許容の最大距離まで引き出す。この際、トレイ8の凸部35cがベース7のストッパ爪41に突き当たり、これによりトレイ8の引き出しの長さが許容最大距離内に規制され、トレイ8のケース1に対する離脱が防止される。
【0060】
トレイ8を引き出した後には、図2に示すように、載置台14の上の弾性部材15がサーマルヘッド81の移動範囲に対応する位置に配置する状態の元で、その載置台14の上に記録媒体としての光ディスク6を乗せる。この際、光ディスク6の中心部の円孔6aを載置台14の上面側に突出しているボス8aに嵌合させて位置決めする。
【0061】
載置台14の表面には弾性部材15が貼り付けられており、このため前記光ディスク6は弾性部材15に密着して載置台14の上に確実に固定される。
【0062】
載置台14の上に光ディスク6を載置した後には、トレイ8を手動でケース1内に押し込む。この押し込みにより、トレイ8の突起29が係止レバー28のフック28aに係合してトレイ8がケース1内の所定の収納位置に保持される。
【0063】
次に、パソコン上の専用アプリケーションで印刷内容を指定し、印刷トグルをクリックする。これに応じて印刷動作が開始され、光ディスク6の表面の所定の印刷範囲に所定の文字や記号等のキャラクタが印刷される。
【0064】
印刷時の動作について説明すると、まず印刷動作の待機時には、図11(a)に示すように、キャリッジ50内のヘッドアーム75はほぼ水平の状態に保持され、サーマルヘッド81が光ディスク6の表面から一定の距離だけ離間する印刷待機位置に配置された状態にある。またキャリッジ50はその移動範囲の右端部付近に設定されるホームポジション位置で停止している。
【0065】
この状態でモータ52が正転駆動され、出力ギア64が正方向(反時計回り方向)に回転する。この出力ギア64の回転動力は第1、第2、第3、第4の各ギア65a,65b,65c,65dに伝達される。そしてラック49と噛合している第3のギア65cの反時計回り方向の回転によりキャリッジ50がガイドシャフト47およびガイドレール48に沿って右方向に移動し、さらに第4のギア65dの回転によりこれと一体的にリボン巻取り軸63がリボン巻取り方向に回転し、このリボン巻取り軸63に係合するリボンカートリッジ56内の巻取りコア59が回転し、この巻取りコア59の回転でインクリボン55が順次巻取りコア59に巻き取られて走行する。
【0066】
またこの動作と並行して、出力ギア64の回転により首振りクラッチ68の太陽ギア69が駆動されて回転し、この太陽ギア69の回転に応じて一方の遊星ギア71aがカムギア66に接近してそのカムギア66に噛合し、この噛合により太陽ギア69の回転動力がカムギア66に伝達されてこのカムギア66が正方向(時計回り方向)に回転する。
【0067】
そしてカムギア66の正方向の回転により、カム溝67内のピン77がヘッドアーム75と一体に上方に移動する。そしてピン77と一体に移動するヘッドアーム75がシャフト74を中心にして反時計回り方向に回動し、この回動により図11(b)に示すようにサーマルヘッド81が下方に移動するとともに水平に対して傾斜する。
【0068】
カムギア66の周縁の一部には欠落部(図示せず)が形成されており、カムギア66が一定の角度だけ回転したときに、その欠落部内に前記遊星ギア71aが落ち込んで空転し、これによりサーマルヘッド81が所定の傾斜角度を維持し、かつインクリボン55を挟んで光ディスク6の表面に接触する印刷位置に保持される。この際、サーマルヘッド81はスプリング76による弾性力で光ディスク6の表面に所定の圧力で接触する。
【0069】
モータ52が更に正転駆動されると、遊星ギア71aは欠落部内に位置するため、サーマルヘッド81が印刷位置に保持されたままで、キャリッジ50が右方向に移動しつつインクリボン55の巻取り駆動が行われる。
【0070】
そして、キャリッジ50の移動とインクリボン55の巻取りの動作と同時に、印刷データに基づいてサーマルヘッド81の発熱体の発熱駆動によりインクリボン55のインクが順次溶融され、光ディスク6の表面にキャリッジ50(サーマルヘッド81)が移動する方向に沿って所定の文字や記号等のキャラクタが熱転写印刷される。
【0071】
この際、光ディスク6は弾性部材15に密着して載置台14の上に確実に固定されており、したがってその印刷の動作で光ディスク6が載置台14の上でずれ動くようなことが確実に防止され、このためインクずれ等を招くことなく、常に鮮明で適正な文字や記号等のキャラクタを印刷することができる。また、サーマルヘッド81が光ディスク6の表面に接触するときの圧力は弾性部材15により緩衝され、これにより光ディスク6に対する傷つき等が防止される。
【0072】
印刷の際には、光ディスク6を乗せたトレイ8は、互いに重なり合う凸部33a,33b,33c,35a,35b,35cにより水平に支持されている。そしてそのうちの互いに重なり合う凸部33a,35aは、サーマルヘッド81による印刷領域に対応する位置にその印刷領域に沿って延びるように設けられており、このためサーマルヘッド81によりトレイ8が加圧されても、トレイ8の変形が確実に防止され、適正な印刷が行なわれる。
【0073】
印刷の終了後には、モータ52が時計回り方向に逆転駆動され、出力ギア64が逆方向に回転する。出力ギア64の逆回転により第3のギア65cも時計回り方向に逆回転し、この第3のギア65cの逆回転によりキャリッジ50がガイドシャフト47およびガイドレール48に沿って逆方向(左方向)に移動し、ホームポジション位置に戻る。
【0074】
第4のギア65dはワンウエイクラッチを介してリボン巻取り軸63の巻取りコア59に連結されているから、この第4のギア65dの逆回転の動作はリボン巻取り軸63に伝達されず、インクリボン55の巻き取りは行なわれない。
【0075】
また同時に、出力ギア64の逆回転により首振りクラッチ68の太陽ギア69が逆回転し、この太陽ギア69の逆回転により一方の遊星ギア71aがカムギア66から離れるとともに、他方の遊星ギア71bがカムギア66に接近して噛合し、この噛合により太陽ギア69の回転動力がカムギア66に伝達されてこのカムギア66が逆回転する。
【0076】
そしてカムギア66の逆回転により、カム溝67内のピン77がヘッドアーム75と一体に下方に移動する。そしてピン77と一体に移動するヘッドアーム75がシャフト74を中心にして図11における時計方向に回動し、この回動によりサーマルヘッド81が上方に移動して光ディスク6の表面から離れ、ヘッドアーム75が当初の水平状態に戻る。
【0077】
なお、カムギア66の周縁の一部には遊星ギア71bに対応して欠落部(図示せず)が形成されており、カムギア66が一定の角度だけ回転してサーマルヘッド81が印刷待機位置に戻ったときに、その欠落部内に前記遊星ギア71bが落ち込んで空転するようになっている。遊星ギア71bが欠落部内に位置した後は、モータ52の逆転駆動によりサーマルヘッド81が印刷待機位置に保持されたままでキャリッジ50のみが逆方向(左方向)に移動することになる。そしてこの後、トレイ8が自動的にイジェクトされてケース1の前方側に突出する。
【0078】
このような印刷工程の繰り返しにより、リボンカートリッジ56の巻取りコア59にインクリボン55の有効長さの全長分が巻き取られてインクリボン55が消耗したときには、そのリボンカートリッジ56を新規のリボンカートリッジ56と交換する。
【0079】
リボンカートリッジ56の交換時には、イジェクトボタン30を操作してトレイ8をケース1の前方に突出させ、さらにこのトレイ8を手動でケース1の前方側に許容最大距離まで引き出す。
【0080】
トレイ8がケース1内の所定の収納位置に配置されているときには、トレイ8の起立壁12の係合爪17がプリンタカバー4の下部の係合穴18内に係合してプリンタカバー4の開放が阻止されており、したがって印刷装置の保管時や印刷動作時にはキャリッジ50およびリボンカートリッジ56がプリンタカバー4により覆われて保護される。
【0081】
また、トレイ8を前方に引き出さない限り、プリンタカバー4の単独の開放が阻止され、このため光ディスク6が載置されたトレイ8の真上でのリボンカートリッジ56の交換ができず、したがってカートリッジ交換作業に伴って光ディスク6の表面を傷つけるようなことがない。
【0082】
これに対し、トレイ8をケース1の前方に引き出したときには、前記係合爪17が前記係合穴18から離脱してプリンタカバー4の係止が解除されている。したがってリボカートリッジ56の交換に際してトレイ8をケース1の前方に引き出したときには、その引き出し後に図1に示すようにプリンタカバー4を上方に回動し、開口部2を開放してキャリッジ50およびリボンカートリッジ56を外部に露出させる。
【0083】
そしてこの状態のもとで、キャリッジ50の前面から消耗したリボンカートリッジ56を手前側に引き出して抜き取り、このリボンカートリッジ56に換えて新規のリボンカートリッジ56をキャリッジ50の前面に装着する。
【0084】
この装着に当たっては、リボンカートリッジ56の凹部57aをキャリッジ50の前面に突出しているヘッドカバー51の下面を除く外周に嵌合させるとともに、前記凹部57aの下側に露出しているインクリボン55をヘッドカバー51とトレイ8との間の隙間に差し込むようにして装着する。
【0085】
トレイ8をケース1の前方に引き出したときには、トレイ8の各凸部35a,35b,35cがベース7の各凸部33a,33b,33cの上面から離脱してトレイ8が下位のレベル位置に下降した状態にあり、このためキャリッジ50とトレイ8との間の間隔が比較的大きく開き、このためキャリッジ50に対するリボンカートリッジ56の装着を容易に能率よく行なうことができる。
【0086】
特に、リボンカートリッジ56の凹部57aの下面に露出しているインクリボン55をサーマルヘッド81(ヘッドカバー51)とトレイ8との間に差し込む作業を容易に行なえ、そのインクリボン55に多少の弛みが生じているときであっても、そのインクリボン55をトレイ8やサーマルヘッド81(ヘッドカバー51)に引っ掛けて傷つけるようなことなく円滑に差し込むことができる。
【0087】
また、トレイ8の載置台14の上に光ディスク6を乗せたまま、リボンカートリッジ56を交換する場合であっても、その光ディスク6とリボンカートリッジ56との接触を避け、光ディスク6の表面を傷つけることなくリボンカートリッジ56を円滑に交換することができる。
【0088】
さらに、トレイ8が最大距離まで引き出されていることにより、その前端部の起立壁12がキャリッジ50から大きく離間して退避している状態にあり、このためトレイ8の前端部の起立壁12が邪魔にならず、容易にリボンカートリッジ56を交換することができる。
【0089】
一方、光ディスク6の印刷に際し、トレイ8をケース1内に押し込んで所定の収納位置に配置させたときには、トレイ8の各凸部35a,35b,35cがベース7の各凸部33a,33b,33cの上に乗り上げてトレイ8が上位のレベル位置に保持され、したがってトレイ8の上の光ディスク6とキャリッジ50との間の間隔が狭まり、光ディスク6の表面がサーマルヘッド81に接近して対向する。
【0090】
このため、印刷時にヘッドアーム75の回動動作で印刷待機位置から印刷位置に移動するサーマルヘッド81の移動距離を小さくすることができ、これによりヘッドアーム75の長さ寸法も小さくすることができる。そしてヘッドアーム75の長さ寸法を小さくすることができることから、キャリッジ50の小型化を図ることができる。
【0091】
印刷の繰り返しにより、サーマルヘッド81の印字面にインク粕や塵埃等が付着して汚れてきた場合には、まずトレイ8をケース1の前方側に許容の最大距離まで引き出す。
【0092】
そして、トレイ8の上面の指掛け溝13bから載置台14の周縁に指先を掛けて載置台14を凹部13から取り出し、この取り出した載置台14を水平回りに180度回してその向きを反転させ、この姿勢で載置台14を再び凹部13内に収納する。この際、載置台14の突起14aをトレイ8の切欠部13a内に挿入して位置決めする。
【0093】
また、プリンタカバー4を開き、キャリッジ50の前面からリボンカートリッジ56を取り外し、この取り外し後に再びプリンタカバー4を閉じる。
【0094】
次に、トレイ8をケース1内に押し込んで所定の収納位置に配置させる。これにより、トレイ8の上の載置台14はその向きが反転しているから、サーマルヘッド81の印刷領域Hの位置に載置台14のクリーニング部材16が配置されることになる。
【0095】
この後、クリーニング動作を開始させる。このクリーニング動作は前述の印刷動作と同様にしてモータ52を正転駆動することによりサーマルヘッド81をトレイ8に向け移動させてクリーニング部材16の表面に圧接させ、クリーニング部材16の表面の上を移動させる。
【0096】
このクリーニング動作では、印刷動作と同様にサーマルヘッド81を印刷位置と印刷待機位置とに移動させ、サーマルヘッド81を搭載したキャリッジ50を移動させるが、印刷を行なうわけではないのでサーマルヘッド81の発熱体を発熱駆動することは行なわない。
【0097】
そしてこのクリーニング動作によりサーマルヘッド81の発熱体が配設されている印字面に付着しているインク粕や塵埃等が除去されてクリーニングされる。
【0098】
なお、この印刷装置では、印刷動作を行なう印刷モードとクリーニング動作を行なうクリーニングモードとを選択的に設定できるようになっており、印刷装置の制御部は、設定された動作モードに応じて上述のように印刷機構に対して異なる制御を行なうものである。
【0099】
クリーニング後には、トレイ8を引き出し、再び載置台14を反転し、またキャリッジ50の前面にリボンカートリッジ56を装着する。
【0100】
前記実施形態においては、トレイ8の凹部13に対して載置台14を着脱可能に設け、その着脱時に載置台14の向きを変えることにより、載置台14の上のクリーニング部材16をサーマルヘッド81の移動範囲に対応する印刷領域Hの位置に配置させ、あるいは弾性部材15をサーマルヘッド81の移動範囲に対応する印刷領域Hの位置に配置させるようにしたが、このような構成に限らず、図12〜図14に第2の実施形態として示すように、載置台14を回転可能に設け、その回転動作で弾性部材15とクリーニング部材16との位置を変えるように構成することも可能である。
【0101】
すなわち、図12〜図14に示す第2の実施形態においては、トレイ8の上面の保持部に載置台14が軸8aを介して回転可能に設けられ、この載置台14の上面の載置面に、二つの異なる領域に分けて弾性部材15とクリーニング部材16とが貼り付けられている。
【0102】
載置台14の一部はトレイ8の前面からその外部に露出し、その露出部に指先を掛けて載置台14を外部から回転操作することができるようになっている。また、図16に示すように、載置台14の周面には互いに反対側に位置して一対の切欠部14bが形成されているとともに、その切欠部14bに係脱可能な位置決め用のレバー36がピン37を介してトレイ8に回動自在に取り付けられている。 前記レバー36はピン37に装着されたスプリング38により反時計回り方向に弾性的に付勢されていて、載置台14の回転に応じてこのレバー36がいずれか一方の切欠部14bに係合して載置台14が所定の位置に位置決めされるようになっている。
【0103】
そして印刷時においては、載置台14を回転させて弾性部材15をサーマルヘッド81の移動範囲に対応する印刷領域Hの位置に配置させ、この状態で光ディスク6に対する印刷を行なう。また、サーマルヘッド81のクリーニング時には載置台14を印刷時の状態から180度回転させてクリーニング部材16をサーマルヘッド81の移動範囲に対応する印刷領域Hの位置に配置させ、この状態でサーマルヘッド81に対するクリーニングを行なう。
【0104】
載置台14の印刷時およびクリーニング時の各位置はレバー16と切欠部14bとの係合により位置決めされる。
【0105】
なお、前記各実施形態においては、記録媒体を支持する支持手段を装置本体の内部から外部に移動可能に設けるようにしたが、支持手段を装置本体内の定位置に固定して設けるような場合であってもよい。
【0106】
【発明の効果】
以上述べたようにこの発明によれば、記録媒体が載置される載置台に弾性部材とクリーニング部材とを設けたから、その載置台を移動して弾性部材とクリーニング部材との位置を変えるだけで、クリーニング用のカートリッジを別途用意したりそのクリーニング用のカートリッジを印刷手段にいちいち装着するような面倒で煩わしい作業を要することなく、容易に能率よくサーマルヘッドをクリーニングすることができる。
【0107】
そして請求項2の発明においては、載置台を保持部に着脱可能に設けるようにしたから、その着脱により載置台の向きを変えるだけで容易に能率よく弾性部材とクリーニング部材との位置を変えることができる。
【0108】
また、請求項3の発明においては、載置台を保持部に回転可能に設けるようにしたから、その回転の操作だけで容易に能率よく弾性部材とクリーニング部材との位置を変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る印刷装置の全体の外観を示す斜視図。
【図2】その印刷装置に記録媒体としての光ディスクを装着した状態の斜視図。
【図3】その印刷装置のベースおよびトレイを示す斜視図。
【図4】そのトレイの斜視図。
【図5】そのトレイを反転して示す斜視図。
【図6】印刷装置のベースを示す斜視図。
【図7】印刷装置のトレイの一部の平面図。
【図8】図7中のA−A線に沿う断面図。
【図9】図7中のB−B線に沿う断面図。
【図10】印刷装置のキャリッジおよびリボンカートリッジの支持構造を示す正面図。
【図11】印刷装置のキャリッジおよびリボンカートリッジの内部構造を模式的に示す構成図。
【図12】この発明の第2の実施形態に係る印刷装置の外観を示す斜視図。
【図13】その印刷装置の内部構造を概略的に示す断面図。
【図14】その印刷装置の内部構造を概略的に示す平面図。
【符号の説明】
1…ケース(装置本体)
6…光ディスク(記録媒体)
8…トレイ(支持手段)
10…ガイド溝
11…スライド部
13…凹部(保持部)
14…載置台
15…弾性部材
16…クリーニング部材
30…イジェクトボタン
50…キャリッジ
52…ステッピングモータ
55…インクリボン
56…リボンカートリッジ
81…サーマルヘッド
Claims (4)
- 装置本体内の所定の位置に配置される記録媒体支持用の支持手段と、
この支持手段により支持された記録媒体の表面に、インクリボンを介してサーマルヘッドを当接させ、このサーマルヘッドを移動させることにより、その表面に印刷を行なう印刷手段とを具備する印刷装置であって、
前記支持手段は、保持部と、この保持部に移動可能に設けられた載置台とを備え、前記載置台は前記記録媒体が載置される載置面を有し、この載置面には、異なる領域に分けて弾性部材と、前記サーマルヘッドのクリーニングが可能なクリーニング部材とが設けられ、
前記載置台は、前記保持部に対する移動により前記弾性部材とクリーニング部材とを選択的に前記サーマルヘッドの移動範囲に対応する位置に配置させることが可能となっていることを特徴とする印刷装置。 - 前記載置台は、前記保持部に対して着脱可能に設けられ、その着脱によって向きを変えることにより前記弾性部材を前記サーマルヘッドの移動範囲に対応する位置に配置させる状態と、前記クリーニング部材を前記サーマルヘッドの移動範囲に対応する位置に配置させる状態とに切り換えることが可能となっていることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
- 前記載置台は、前記保持部に対して回転可能に設けられ、その回転動作で前記弾性部材を前記サーマルヘッドの移動範囲に対応する位置に配置させる状態と、前記クリーニング部材を前記サーマルヘッドの移動範囲に対応する位置に配置させる状態とに切り換えることが可能となっていることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
- 前記弾性部材はゴム材によって構成され、前記クリーニング部材はフェルト材によって構成されていることを特徴とする請求項1、2または3に記載の印刷装置。
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