JP3812233B2 - 粘性材料の塗布方法および塗布装置 - Google Patents

粘性材料の塗布方法および塗布装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は圧電素子などの被塗布物の表面の一部に、シリコーンゴムなどの粘性材料を塗布する方法および塗布装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、圧電部品の一例として、例えば特開平1−228310号公報に記載のように、端子電極にリード端子を取り付けた圧電素子の周囲に、シリコーンゴムなどの粘性材料を塗布して被覆し、その外周を外装樹脂で封止したものが知られている。このような圧電部品を製造するには、まず圧電素子にリード端子を取り付け、圧電素子の周囲に液状シリコーンゴムをディッピング(浸漬)により塗布し、加熱硬化させる。そして、シリコーンゴムの外側にエポキシ樹脂をディッピングにより塗布し、加熱硬化させることにより、外装樹脂層を形成している。
【0003】
ところで、上記のように圧電素子の全周にシリコーンゴムや外装樹脂を塗布する場合にはディッピング法を用いることができるが、圧電素子の一部のみに粘性材料を塗布するには、ピン転写法が一般に用いられる(例えば特開平8−257484号公報参照)。ピン転写法は、下向きのピンを粘性材料の貯留槽に浸漬し、ピンの先端に粘性材料を付着させた後、このピンを対象物である圧電素子の表面に押し当て、粘性材料を圧電素子の表面に乗り移らせる方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ピン転写では、十分な塗布面積を得るために、ピンの押し当てを十分に行なう必要がある。その際、圧電素子には荷重が加わるため、圧電素子がセラミックス素子のような脆い材料よりなる場合には、度々クラックが発生して素子が折れるという不良が発生する。特に、ピン転写はセラミックス素子に対して厚み方向に接触するので、セラミックス素子が一層折れやすい。
また、基本的にピン転写できるのは主面一面のみであり、両面塗布する場合には、圧電素子を反転して再度塗布する必要があり、生産効率が悪い。
さらに、圧電素子のエッジ部は表面張力などの影響により粘性材料で覆うことが難しく、膜厚が薄くなる傾向があった。そのため、圧電素子の温度特性が外装樹脂の締め付け応力によって大きく変動するという問題があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、粘性材料を被塗布物に衝撃を与えずに塗布でき、被塗布物の両面に同時に塗布できるとともに、エッジ部に膜厚を確保することも可能な粘性材料の塗布方法および塗布装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、粘性材料を被塗布物の表面に塗布する方法であって、内部に被塗布物への1回の塗布量に応じた所定量の粘性材料をその表面張力によって保持しうる大きさで、かつ横向きに開口した凹部を持つコテを準備する工程と、上記コテを粘性材料を貯留した貯留槽に凹部が粘性材料に漬かる位置まで浸漬し、貯留槽から引き上げることにより、粘性材料をその表面張力によって凹部内に保持させる工程と、被塗布物をコテと非接触状態で上記凹部に横方向より挿入し、被塗布物の表裏両面または全周に粘性材料を付着させる工程と、被塗布物を上記凹部から横方向に引き出すことにより、被塗布物の表裏両面または全周に粘性材料を転写する工程と、を有する粘性材料の塗布方法を提供する。
【0007】
まずコテの凹部内に粘性材料を供給すると、凹部は粘性材料がその表面張力によって保持される大きさを有するので、粘性材料が液だれを生じることなく凹部内に溜められる。次に、被塗布物をコテと非接触状態で凹部に挿入すると、粘性材料が被塗布物の表面に付着する。そして、被塗布物を凹部から引き出すと、被塗布物の表面に粘性材料が転写される。
【0008】
本発明に適用可能な粘性材料としては、例えば未硬化状態のシリコーンゴム、未硬化状態のエポキシ樹脂、溶融状態のワックス、未硬化状態の接着剤などがある。粘度は5.0Pa・s(JIS K6249)以上、チクソトロピック指数は1.7以上の材料が望ましい。
【0009】
上記のように被塗布物の表面に粘性材料を塗布する際、ピン転写と異なり、被塗布物とコテとが接触せず、被塗布物に衝撃荷重が全く作用しないので、セラミックス素子のような脆い被塗布物でも、クラックが発生するのを防止できる。特に、被塗布物がセラミックス素子のような薄板よりなる場合、被塗布物をその板面と平行にコテの凹部へ挿入するようにすれば、被塗布物の平面方向に荷重が作用するので、被塗布物の割れを効果的に防止できる。
なお、被塗布物を凹部に対して挿入し、あるいは引き出す際、コテを移動させてもよいし、被塗布物を移動させてもよい。
【0010】
本発明では、コテの凹部内に粘性材料を供給する工程を、コテを粘性材料が貯留された槽に浸漬し、引き上げることにより行なうため、多数のコテの凹部に対して粘性材料を同時にかつ簡単な装置で供給できるので、生産性が高い。
コテを板状部材とし、凹部を横向きに開口した切欠部とすれば、被塗布物を横方向から凹部へ挿入することで、被塗布物の表裏両面あるいは全周に同時に粘性材料を塗布できる。
【0011】
請求項2にかかる発明は、粘性材料を被塗布物の表面に塗布する装置であって、内部に被塗布物への1回の塗布量に応じた所定量の粘性材料をその表面張力によって保持しうる大きさで、かつ横向きに開口した凹部を持つコテと、上記コテの下方に設置された粘性材料の貯留槽と、上記コテの凹部の前方に被塗布物を水平に固定する固定手段と、上記コテの凹部を貯留槽の粘性材料中に浸漬した位置と、貯留槽の上方へ引き上げた位置との間でコテを昇降させる昇降手段と、粘性材料が溜められた凹部を被塗布物に挿通させる前進位置と、凹部を被塗布物から引き離して粘性材料を被塗布物に転写する後退位置との間で上記コテを前後移動させる前後移動手段と、を備えたことを特徴とする粘性材料の塗布装置である。
このように構成すれば、被塗布物の表裏面に同時にかつ自動的に粘性材料を塗布できるとともに、コテを多数設けることにより、生産性を高めることが可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1〜図4は本発明にかかる粘性材料の塗布装置の一例を示す。
この塗布装置は、被塗布物W(例えば圧電セラミックス素子)の数に対応して設けられた複数対のコテ1、コテ1を下向きに取り付けたホルダ2、ホルダ2の両端部を支える一対のアーム3、アーム3を上下方向および前後方向へ移動させる駆動装置4、コテ1の下方に設置され粘性材料S(例えば未硬化状態のシリコーンゴム)を貯留した貯留槽5、被塗布物Wを取り付けたリードフレームRをスライド自在にガイドする搬送レール6、搬送レール6上にリードフレームRを固定する固定治具7などを備えている。
【0013】
コテ1は金属材料、樹脂材料あるいはセラミック材料などにより板状に形成されており、その下端部近傍には、図2に示すように横向きの切欠よりなる凹部1aが形成されている。被塗布物Wの長さl,厚みt、幅dが例えば次のような寸法の場合、
l=7.5mm
t=180〜250μm
d=1.2mm
凹部1aの奥行きD、高さH、幅(板厚)T、コテ1の間隔Lを次のような寸法に設定すると、良好な塗布結果が得られた。
L=7.0mm
D=3.0mm
H=2.0mm
T=1.0mm
【0014】
上記塗布装置は、例えば図3の(a)に示すようなリード端子W1 を有するセラミックス素子Wの両端部に、図3の(b)のようにシリコーンゴムSを塗布するのに使用される。セラミックス素子Wの周囲を外装樹脂で被覆した場合、外装樹脂の収縮応力がセラミックス素子Wに作用して温度による特性変化が大きくなる欠点があるが、両端部をシリコーンゴムSのような弾性材料で被覆することで、温度による特性変化を少なくできるからである。
なお、上記塗布装置は、セラミックス素子Wの両端部に限らず、如何なる部位でもシリコーンゴムSを塗布できることは言うまでもない。
【0015】
ここで、セラミックス素子Wの両端部にシリコーンゴムSを塗布する動作を図4にしたがって説明する。
図4の(a)は初期状態であり、コテ1はシリコーンゴムSの上方に配置されている。
図4の(b)はコテ1を降下させ、凹部1aをシリコーンゴムSに浸漬した状態を示す。
図4の(c)はコテ1を引き上げた状態を示し、凹部1aにシリコーンゴムSが充填され、その表面張力によって保持されている。なお、コテ1を引き上げた時、シリコーンゴムSが凹部1a以外の部分にも付着する可能性があるが、コテ1の表面に離型剤などの被膜を形成しておけば、凹部1a以外の部分に付着するシリコーンゴムSの付着量を少なくできる。
図4の(d)はコテ1を前進させ、横向きに配置されたセラミックス素子Wを凹部1a内に挿入した状態を示す。これにより、セラミックス素子Wの周囲にシリコーンゴムSが回り込む。凹部1aの内寸はセラミックス素子Wの外寸より大きいので、セラミックス素子Wがコテ1と接触することがなく、セラミックスWには過大な負荷がかからない。しかも、セラミックス素子Wは横向きに配置され、その板面と平行に凹部1aに挿入されるので、シリコーンゴムSの粘性抵抗による負荷はセラミックス素子Wに対して剪断方向に作用し、セラミックス素子Wが折れる恐れがない。
図4の(e)はコテ1を後退させ、セラミックス素子Wを凹部1aから引き出した状態を示す。凹部1a内に充填されていたシリコーンゴムSの大部分がセラミックス素子Wに転写され、凹部1a内にはシリコーンゴムSは殆ど残留しない。
【0016】
上記のようにセラミックス素子WをシリコーンゴムSが充填された凹部1aに挿入し、引き出すことによりシリコーンゴムSをセラミックス素子Wに転写するようにしたので、1回の操作でセラミックス素子Wの表裏両面にシリコーンゴムSを塗布することができ、ピン転写に比べて操作回数を減らすことができる。
また、シリコーンゴムSの塗布に際し、セラミックス素子Wとコテ1とが接触せず、しかもセラミックス素子Wの挿入,引き出し時に作用するシリコーンゴムSの粘性抵抗は、セラミックス素子Wに対して平面方向(剪断方向)に作用するので、セラミックス素子Wの折れを極力防止できる。
さらに、セラミックス素子Wのエッジ部にシリコーンゴムSを塗布する場合、従来ではシリコーンゴムSの表面張力の影響でエッジ部の膜厚を確保できなかった。そのため、セラミックス素子Wの外周を外装樹脂(エポキシ樹脂など)で覆った時、外装樹脂の収縮応力によりセラミックス素子Wの温度特性が影響を受けるという問題があった。これに対し、本発明のように凹部1aにシリコーンゴムSを溜めておき、この凹部1aにセラミックス素子Wの端部を挿入するようにすれば、エッジ部の膜厚を大きくすることが可能である。その結果、外装樹脂の収縮応力によるセラミックス素子Wの温度特性の変動を抑制できる。
【0017】
図5は上記コテ1を被塗布物Wに対して挿入する方向の他の例を示す。
図5の(A)は、図4と同様に凹部1aを被塗布物Wに対して側面方向(X方向と呼ぶ)から挿入する例であり、(B)は凹部1aを被塗布物Wの端部に対して端面方向(Y方向と呼ぶ)から挿入する例であり、(C)はコテ1を凹部1aの側面方向から被塗布物Wの端部に対して挿入する例である。
【0018】
図6は本発明にかかるコテの他の実施例を示す。
図6の(a)は、板状のコテ10の下端部近傍に横向きの凹部10aを形成するとともに、凹部10aの下側に、前方へ延びる突起部10bを突設したものである。この場合には、凹部10aに挿入される被塗布物Wの下面側により多くの粘性材料Sを塗布することができる。
図6の(b)は、板状のコテ11の下端部近傍に横向きの凹部11aを形成するとともに、凹部11aの下側に、凹部11aの上壁より短い突起部11bを形成したものである。この場合には、凹部11aに挿入される被塗布物Wの上面側により多くの粘性材料Sを塗布することができる。
図6の(c)は、コテ12の側面に2本のピン12a,12bを横向きに突設し、その間に凹部12cを設けたものである。この場合も、ピン12a,12bの間に粘性材料Sをその表面張力によって保持することができる。
図6の(d)は、板状のコテ13の下端部近傍に横向きの凹部13aを形成するとともに、凹部13aの入口部の下側に、上向きの突起部13bを突設したものである。この場合には、突起部13bによって凹部13aの入口部が狭く、奥部が広く形成されるので、粘性材料Sの回り込みを促し、被塗布物Wの周囲に粘性材料Sを効果的に塗布できる。
図6の(e)は、板状のコテ14の下端部近傍に横向きの凹部14aを形成するとともに、凹部14aの入口部の上側に、下向きの突起部14bを突設したものである。この場合も(d)と同様に、突起部14bによって凹部14aの入口部が狭く、奥部が広いので、粘性材料Sの回り込みを促し、被塗布物Wの周囲に粘性材料Sを塗布するのに適する。
図6の(f)は、板状のコテ15の下端部近傍に横向きの凹部15aを形成するとともに、凹部15aの入口部の上下面に、内向きの突起部15b,15cを突設したものである。この場合には、(d),(e)と同様に、突起部15b,15cによって凹部15aの入口部が狭く、奥部が広いので、粘性材料Sの回り込みを促し、被塗布物Wの周囲に粘性材料Sを塗布するのに適する。
図6の(g)は、板状のコテ16の下端部近傍に横向きの凹部16aを形成するとともに、凹部16aの入口部の上下面に、内向きの突起部16b,16cを突設したものである。この場合には、(f)と同様に、突起部16b,16cによって凹部16aの入口部が狭く、奥部が広くなるので、粘性材料Sの回り込みを促し、被塗布物Wの周囲に粘性材料Sを塗布するのが容易になる。しかも、凹部16aの奥部が円弧面で形成されているので、凹部16aの内部に挿入された被塗布物Wを回転させることで、被塗布物Wの周囲に粘性材料Sを均等に塗布することが可能である。
図6の(h)は、板状のコテ17の下端部近傍に横向きのV字形凹部17aを形成したものである。
図6の(i)は、コテ18をワイヤによって形成したものであり、コテ18の下端部をコ字形に屈曲させることで、横向きの凹部18aを形成したものである。
【0019】
図7は本発明にかかるコテのさらに他の実施例を示す。
図7の(a)は、コテ20の凹部20aの上下面に、奥行き方向に連続する凹溝20b,20cを形成したものである。この場合には、棒状の被塗布物Wの端部を凹部20aに挿入した時、凹溝20b,20cの側壁によって粘性材料Sのはみ出しが防止されるので、粘性材料Sの塗布形状が均一となる。
図7の(b)は、コテ21の凹部21aの上下面を円弧状に形成したものであり、円弧状の凹溝21b,21cが形成されている。この場合も、図7の(a)と同様に粘性材料Sのはみ出しが防止されるとともに、丸棒状の被塗布物Wの端部に粘性材料Sを塗布するのに適する。
図7の(c)は、コテ22の下端部に角穴状の凹部22aを形成したものである。この場合には、棒状または突起状の被塗布物Wを凹部22aに挿入することで、被塗布物Wの周囲に粘性材料Sを塗布できる。
図7の(d)は、コテ23の下端部に丸穴状の凹部23aを形成したものである。この場合には、丸棒状または丸突起状の被塗布物Wの周囲に粘性材料Sを塗布できる。
【0020】
図8は本発明にかかる塗布方法の他の実施例を示す。この塗布方法は、被塗布物Wに対して側方からコテを近づけることができない場合に適用できる。
図8の(a)は、コテ30の下端面に下方へ開口した凹部30aを形成し、このコテ30を降下させることで、被塗布物W(例えばセラミックス素子)の上方から粘性材料を塗布するものである。
図8の(b)は、コテ31の上端面に上方へ開口した凹部31aを形成し、このコテ31を上昇させることで、被塗布物W(例えばセラミックス素子)の下方から粘性材料を塗布するものである。
【0021】
図9は本発明にかかる塗布方法のさらに他の実施例を示す。
この実施例は、図6の(f)に示すコテ15を使用し、被塗布物Wの周囲により確実に粘性材料Sを塗布するようにしたものである。すなわち、1)のように被塗布物Wに対してコテ15を前進させて凹部15aを挿入した後、2)のようにコテ15を上方へ移動させ、被塗布物Wを下側突起15cの内側へ入り込ませ、被塗布物Wの下面側に粘性材料Sを付着させる。次に、3)のようにコテ15を下方へ移動させ、被塗布物Wを上側突起15bの内側へ入り込ませ、被塗布物Wの上面側に粘性材料Sを付着させる。その後、4)のようにコテ15を中間位置まで上昇させた後、後退させ、凹部15aを被塗布物Wから引き抜く。
上記の塗布方法を用いることで、凹部15a全体に粘性材料Sが充填されていなくても、粘性材料Sを被塗布物Wの表裏面に確実に塗布することができる。
【0022】
図10は本発明にかかるコテのさらに他の実施例を示す。
この実施例のコテ40は、略L字形の固定部材41と、固定部材41に対して上下に移動できる可動部材42とで構成され、両部材41,42の間に凹部43が形成される。この実施例では、固定部材41の下端部先端に上向きの突起部41aが形成され、可動部材42には下向きの突起部42aが形成され、これら突起部41a,42aが対向している。
被塗布物Wが大きくなると、コテの凹部も大型となるので、粘性材料Sが凹部に充填されず、凹部の回りにのみ付着することがある。この実施例のコテ40の場合には、図10 (a)のように凹部43を狭くした状態でコテ40を粘性材料中に浸漬し、凹部43内に粘性材料Sを充填しておき、被塗布物Wを凹部43に挿入する際に図10の(b)のように凹部43を広げるものである。この場合には、比較的大型の被塗布物Wでも粘性材料Sを塗布できる。
なお、突起部41a,42aがなくても、ほぼ同様な作用効果を奏する。
【0023】
図11は本発明にかかるコテのさらに他の実施例を示す。
この実施例のコテ50は、一対のアーム51,52で構成され、両アーム51,52は対向・離反方向へ移動可能である。アーム51,52の内面には、凹部53を構成する溝51a,52aが形成されている。
この場合も、図11の(a)のように凹部53を狭くした状態でコテ50を粘性材料中に浸漬し、凹部43内に粘性材料Sを充填する。その後、図11の(b)のように凹部43を広げ、被塗布物Wを挿入して粘性材料Sを塗布する。
【0024】
図12は本発明にかかるコテへの粘性材料の供給方法の他の実施例を示す。
この実施例では、コテ60に凹部61へ通じる粘性材料の供給通路62を形成しておき、供給装置63からこの供給通路62を介して所定量の粘性材料Sを凹部61へ間欠的に送り込むものである。
この場合には、1回の塗布量を供給通路62を介して凹部61へ送り込む粘性材料Sの量で規定できるので、塗布量をコントロールできる利点がある。
【0025】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、コテの横向きの凹部内に被塗布物への1回の塗布量に応じた所定量の粘性材料を供給し、凹部内に粘性材料を保持した状態で被塗布物を凹部に横方向より挿入することで、粘性材料を被塗布物の表面に転写するようにしたので、ピン転写と異なり、被塗布物とコテとが接触せず、被塗布物に衝撃荷重が全く作用しない。そのため、セラミックス素子のような脆い被塗布物でも、クラックが発生するのを防止できる。
また、被塗布物を粘性材料が充填された凹部に横方向より挿入し、引き出すことにより粘性材料を被塗布物に転写するので、1回の操作で被塗布物の表裏両面または全周に粘性材料を塗布することができ、ピン転写に比べて操作回数を減らすことができる。
さらに、被塗布物のエッジ部に粘性材料を塗布する場合、従来では粘性材料の表面張力の影響でエッジ部の膜厚を確保できなかったが、本発明では凹部に粘性材料を溜めておき、この凹部に被塗布物の端部を挿入するので、エッジ部の膜厚を大きくすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる粘性材料の塗布装置の一例の斜視図である。
【図2】コテと被塗布物の斜視図である。
【図3】被塗布物の一例の斜視図である。
【図4】塗布方法の一例の工程図である。
【図5】被塗布物に対するコテの動作方向を示す斜視図である。
【図6】コテの他の実施例の側面図および斜視図である。
【図7】コテのさらに他の実施例の斜視図である。
【図8】本発明にかかる塗布方法の他の実施例の斜視図である。
【図9】本発明にかかる塗布方法のさらに他の実施例の側面図である。
【図10】本発明にかかるコテのさらに他の実施例を示す。
【図11】本発明にかかるコテのさらに他の実施例を示す。
【図12】本発明にかかるコテへの粘性材料の供給方法の他の実施例の側面図である。
【符号の説明】
W 被塗布物
S 粘性材料
1 コテ
1a 凹部

Claims (2)

  1. 粘性材料を被塗布物の表面に塗布する方法であって、
    内部に被塗布物への1回の塗布量に応じた所定量の粘性材料をその表面張力によって保持しうる大きさで、かつ横向きに開口した凹部を持つコテを準備する工程と、
    上記コテを粘性材料を貯留した貯留槽に凹部が粘性材料に漬かる位置まで浸漬し、貯留槽から引き上げることにより、粘性材料をその表面張力によって凹部内に保持させる工程と、
    被塗布物をコテと非接触状態で上記凹部に横方向より挿入し、被塗布物の表裏両面または全周に粘性材料を付着させる工程と、
    被塗布物を上記凹部から横方向に引き出すことにより、被塗布物の表裏両面または全周に粘性材料を転写する工程と、を有する粘性材料の塗布方法。
  2. 粘性材料を被塗布物の表面に塗布する装置であって、
    内部に被塗布物への1回の塗布量に応じた所定量の粘性材料をその表面張力によって保持しうる大きさで、かつ横向きに開口した凹部を持つコテと、
    上記コテの下方に設置された粘性材料の貯留槽と、
    上記コテの凹部の前方に被塗布物を水平に固定する固定手段と、
    上記コテの凹部を貯留槽の粘性材料中に浸漬した位置と、貯留槽の上方へ引き上げた位置との間でコテを昇降させる昇降手段と、
    粘性材料が溜められた凹部を被塗布物に挿通させる前進位置と、凹部を被塗布物から引き離して粘性材料を被塗布物に転写する後退位置との間で上記コテを前後移動させる前後移動手段と、を備えたことを特徴とする粘性材料の塗布装置。
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