JP3785926B2 - U字形状導体の成形装置および成形方法 - Google Patents

U字形状導体の成形装置および成形方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導体を折り曲げてU字形状に成形するU字形状導体の成形装置および成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、様々な電気機器において、それぞれの用途に応じた導体が使われており、組み付け等の都合から、導体をU字形状に加工して用いる場合がある。このように、U字形状に加工された導体を、以後「U字形状導体」と称することとする。U字形状導体は、例えば、直線状の導体を折り曲げることにより成形される。
【0003】
図4は、従来のU字形状導体の成形装置の構成を示す図である。同図に示すように、従来のU字形状導体の成形装置は、導体保持部100と芯金110と成形部120とを備えている。導体保持部100で保持された直線状の導体200を、位置決めされた芯金110に沿って成形部120を用いてU字形状に成形した後、切断して取り出すことにより、U字形状導体が製造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のU字形状導体の成形装置では、成形部120の成形具は、中央に導体200の断面形状の凹部を有し、上部と下部の凸部は導体200の上方あるいは下方への変形を防止する上部ガイド122、下部ガイド124になっている。このため、U字形状導体を成形した後に、成形具を下方に移動させることができず、成形前の導体200を送ろうとしても成形具に当たって送ることができない。このため、成形具を元の位置まで戻してから導体200を送っており、U字形状導体を成形して取り出すまでに時間がかかるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、成形後に取り出すまでの時間を短縮することが可能なU字形状導体の成形装置および成型方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明のU字形状の成形装置は、導体を保持する保持部と、導体を供給する供給部と、導体をU字形状に成形する際の形状および寸法を規定する型となる芯金部と、芯金部に沿って導体をU字形状に成形する成形部とを有しており、芯金部は、型を形成する芯金と、成形時に導体が前記成形部の上方あるいは下方のうちの第1の方向へ移動することを防止する第1のガイド部とを有し、成形部は、芯金に沿って導体を押圧してU字形状に成形する成形具と、成形時に第1の方向と反対の第2の方向に導体が移動することを防止する第2のガイド部とを有している。芯金に第1のガイド部を設けたことにより、成形具が第1のガイド部とは反対側に配置された第2のガイド部側に移動可能になる。したがって、導体をU字形状に成形後に、成形具を第2のガイド部側に移動して、導体を送り出すことができるようになり、成形具が元の位置に戻るまで待つ必要がないため、導体をU字形状に成形した後に取り出すまでの時間を短縮することが可能になる。これにより、生産性を向上させることができる。
【0007】
また、上述した成形具は、回転自在に保持されたローラであることが望ましい。成形具をローラで形成することにより、成形時に押圧箇所を擦傷することを防止することができる。したがって、被膜付き導体をU字形状に成形する際に、この被膜に傷が付いて絶縁不良になることを防止することができる。
【0008】
また、本発明の成形装置は芯金が移動可能であり、前記供給部によって前記導体が送られる導体の送り位置に達するまで降下することが望ましい。また、本発明のU字形状導体の成形方法は、芯金が移動可能であり、前記供給部によって前記導体が送られる導体の送り位置に達するまで降下する成形装置を用いており、芯金を降下させて位置決めするとともに所定位置まで送られた導体を保持部で固定し、成形具で導体を芯金に押圧しながら成形具を移動させて導体をU字形状に成形し、成形部を成形時の移動方向とほぼ垂直方向に移動するとともに芯金を元の位置に戻し、その後、成形後の導体を切断して取り出している。成形部を成形具の移動方向と垂直に移動させるとともに、芯金を元の位置に戻すことができるため、導体をU字形状に成形した後に直ちに導体を送ることが可能になり、成形後の導体を取り出すまでの時間を短縮することができる。これにより、生産性を向上させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した一実施形態のU字形状導体の成形装置(以後、「U字成形装置」と称する)について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1は、本実施形態のU字成形装置の構成を示す図である。また、図2は図1に示したU字成形装置を導体の搬送面で切断した場合の断面を示す図である。
【0011】
これらの図に示すように、本実施形態のU字成形装置は、導体10を保持する保持部20と、導体10を供給する供給部30と、導体10をU字形状に成形する際の形状および寸法を規定する型となる芯金部40と、芯金部40に沿って導体10をU字形状に成形する成形部50とを備えている。
【0012】
また、芯金部40は、型を形成する芯金42と、成形時に導体10が上方へ移動することを防止する第1のガイド部としての上部ガイド44とを有している。成形部50は、芯金42に沿って導体10を押圧することによりU字形状に成形する成形具52と、成形時に導体が下方に移動することを防止する第2のガイド部としての下部ガイド54とを有している。
【0013】
上述した保持部20は、導体10の送り方向とほぼ垂直方向に移動可能であり、この保持部20と芯金42の間に導体10を挟み込むことにより、導体10の保持を行う。また、供給部30は、成形に必要な1回の長さ分だけ導体10を送る動作を、成形動作の繰り返しタイミングに合わせて行う。芯金部40は、成形時には、最下部に設けられた芯金42が、導体10の送り位置に達するまで降下する。この位置が成形時の所定位置であり、成形終了後に再び芯金部40が上昇することにより、導体10を送る際の障害にならないようになっている。成形部50は、成形動作が開始される時点では、最上部に設けられた成形具52が導体10と同じ高さに設定されており、成形時にこの高さを維持しながら所定の軌跡(図2に示した軌跡B)を描くように移動し、成形動作終了後に降下するため、導体10を送る際の障害にならないようになっている。
【0014】
本実施形態のU字成形装置はこのような構成を有しており、次にこれを用いたU字形状導体の成形手順について詳細に説明する。
【0015】
図3は、本実施形態のU字形状導体の成形手順を示す流れ図である。
【0016】
(ステップS1)まず、芯金42を所定位置まで降下して固定する。
【0017】
(ステップS2)次に、供給部30から供給された導体10を、保持部20を導体10の送り方向とほぼ垂直に移動させて保持する。
【0018】
(ステップS3)次に、成形具52を、図2に示した矢印Aに沿って移動することにより、導体10を芯金42に沿って成形する。
【0019】
(ステップS4)成形具52が成形終了位置まで移動すると、この成形具52が下方に移動するとともに、芯金42が上に移動して元の位置に戻る。
【0020】
(ステップS5)次に、供給部30は、成形後の導体10を送ると同時に次に成形が行われる導体10を所定量送り出す。また、成形具52を成形前の元の位置に戻す。
【0021】
(ステップS6)その後、送られた成形後の導体10を切断して、U字形状導体10Aとして取り出す。
【0022】
このようにして、ほぼ直線状の導体10をU字状に折り曲げる成形を行ってU字形状導体10Aを形成することができる。特に、芯金42に上部ガイド44を設けたことにより、成形具52がこの上部ガイド44とは反対側に配置された下部ガイド54側に移動することが可能になる。したがって、導体10をU字形状に成形後に、成形具52を下部ガイド54側に移動して、成形後のU字形状導体10Aを送り出すことができるようになり、成形具52が元の位置に戻るまで待つ必要がないため、U字形状導体10Aを取り出すまでの時間を短縮することが可能になる。これにより、生産性を向上させることができる。
【0023】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態に用いられている成形具52を、回転自在に保持されたローラによって形成するようにしてもよい。成形時に成形具52としてのローラが自在に回転することにより、成形時の導体10の表面に沿ってこのローラが移動したときに、表面に擦傷が生じすることを防止することができる。特に、被膜付き導体をU字形状に成形する際に表面の被膜に傷が付くとこの部分の絶縁性が低下するが、成形具52としてローラを使用した場合にはこのような傷がつかないため、成形時に絶縁不良が発生することを最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のU字成形装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示したU字成形装置を導体の搬送面で切断した場合の断面を示す図である。
【図3】本実施形態のU字形状導体の成形手順を示す流れ図である。
【図4】従来のU字形状導体の成形装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
10 導体
20 保持部
30 供給部
40 芯金部
42 芯金
44 上部ガイド
50 成形部
52 成形具
54 下部ガイド

Claims (4)

  1. 導体を保持する保持部と、
    前記導体を供給する供給部と、
    前記導体をU字形状に成形する際の形状および寸法を規定する型となる芯金部と、
    前記芯金部に沿って前記導体をU字形状に成形する成形部とを有するU字形状導体の成形装置において、
    前記芯金部は、前記型を形成する芯金と、成形時に前記導体が前記成形部の上方あるいは下方のうちの第1の方向へ移動することを防止する第1のガイド部とを有し、
    前記成形部は、前記芯金に沿って前記導体を押圧してU字形状に成形する成形具と、成形時に前記第1の方向と反対の第2の方向に前記導体が移動することを防止する第2のガイド部とを有することを特徴とするU字形状導体の成形装置。
  2. 請求項1において、
    前記成形具は、回転自在に保持されたローラであることを特徴とするU字形状導体の成形装置。
  3. 前記芯金が移動可能であり、前記供給部によって前記導体が送られる導体の送り位置に達するまで降下することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のU字形状導体の成形装置。
  4. 請求項3に記載されたU字形状導体の成形装置を用いた成型方法であって、
    前記芯金を降下させて位置決めするとともに、所定位置まで送られた前記導体を前記保持部で固定し、
    前記成形具で前記導体を前記芯金に押圧しながら前記成形具を移動させて前記導体をU字形状に成形し、
    前記成形部を成形時の移動方向とほぼ垂直方向に移動するとともに、前記芯金を元の位置に戻し、
    その後、成形後の前記導体を切断して取り出すことを特徴とするU字形状導体の成形方法。
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