JP3812016B2 - 多重放送受信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナビゲーション装置等に用いて好適な多重放送受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、ナビゲーション装置においては、FM多重放送によって渋滞情報や、駐車場の満空状態を示す駐車場情報、高速道路のランプ閉鎖情報等の交通情報番組をリアルタイムでFM多重放送機能付ナビゲーション装置に送る道路交通情報通信システム(VICS:Vehicle Information & Communication System)がその開始を予定されている。また、こうした多重放送においては、並行して送られてくる複数の多重番組により構成されているものが多く、メニュー画面等から受信したい番組を選択するようになっている。一方、多重放送を受信可能な装置や一般の放送のみを受信する装置にあっては、使用頻度の高い放送局を予め登録しておき、手動又は自動によるチューニング操作を行うことなく、前記放送局を瞬時に選択できるプリセット機能を有するものが一般化している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記ナビゲーション装置においては、決まった多重番組を受信したいとき、前記プリセット機能により前記番組を放送する放送局は直ちに選局できるが、その後、さらに番組を指定するという操作を強いられており、所望する番組を一度の操作で受信することができなかった。殊に、番組の数が多かったり、複数の番組が階層構造になっていたりすると、それが甚だしいという問題があった。
【0004】
本発明はかかる従来の課題に鑑みなされたものであって、特定の番組の受信操作を楽に行うことができる多重放送受信装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の多重放送受信装置にあっては、主として、受信すべき多重放送電波の周波数を選択する周波数選択手段と、前記周波数選択手段により選択された周波数の多重放送電波を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された多重放送電波の中から取得可能な複数の番組を示す番組索引情報を、該多重放送電波より取得する番組索引取得手段と、前記番組索引取得手段により取得された番組索引情報で示される複数の番組の中から記憶または表示すべき番組データが含まれる番組を選択する番組選択手段と、前記番組選択手段により選択された番組の番組データを、受信中の多重放送電波の中から選択的に取得して記憶または表示する番組情報取得手段と、前記番組選択手段により番組が選択された状態において登録を指示する登録指示手段と、前記登録指示手段による登録が指示された場合に、前記受信手段により受信されている周波数と前記番組選択手段により選択されている番組の番組番号との組を選択番組識別情報として登録する選択情報登録手段と、前記選択情報登録手段により登録されている選択番組識別情報が指定された場合に、該選択番組識別情報が示す周波数の多重放送電波を前記受信手段により選択的に受信させるとともに、該選択番組識別情報が示す番組の番組データを前記番組情報取得手段により選択的に取得させて記憶または表示させる直接取得手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。図1は、本発明の多重放送受信装置に係る車載用のナビゲーション装置を示すブロック図であって、このナビゲーション装置は、他の一般的なナビゲーション装置と同様の各種機能に加えFM多重放送の受信機能を有している。
【0012】
すなわちナビゲーション装置は、GPSアンテナ1、及びGPSアンテナ1により受信した衛星からのL1帯のC/Aコードを復調・解読して現在地の緯度・経度を割り出すGPS部2を有しており、GPS部2により割り出された緯度・経度の情報はバス3を介してCPU4に取り込まれる。CPU4はナビゲーション装置の動作を制御する本発明の制御手段であり、バス3を介して、本発明の記憶手段であるROM5及びRAM6が接続されている。ROM5には、CPU4の動作に必要なプログラムが記憶されている。また、RAM6は、より具体的にはD−RAMとS−RAMとによって構成されており、D−RAM側にはCPU4の作動時に必要な各種データが記憶される一方、S−RAM側には、必要に応じて、任意の付加情報番組を示す番組識別データと、放送局の周波数を示すプリセットデータとの双方がそれぞれ所定の数まで記憶される。
【0013】
RAM6に記憶される番組識別データは本発明の選択番組識別情報であって、具体的には、番組識別データは図2(A)に示すように、特定の放送局の周波数、その放送局から提供される特定の番組の番組名、及びその番組の伝送モード、情報種別、番組番号によって構成されている。伝送モードはサービス識別符号であり、例えば従来技術で既説したVICSの交通情報番組においては、図2(B)に示すように、送られる交通情報番組の内容毎に異なる第4から第6までの3つのモードが割り当てられている。また、前記情報種別は、例えば番組が有料か無料かの別を示すためのコードデータである。また、前記ROM5には前記プログラムと共に、本発明の設定番組識別情報であって、VICSの交通情報番組を放送する放送局及びVICSの交通情報番組を示すデータとして、先に説明した伝送モード“4”を示すデータ、及びVICSを示す放送局識別コードつまり本発明の放送局識別情報が予め記憶されている。
【0014】
また、バス3には、グラフィックコントローラ7と、CPU周辺回路G/A8とが接続されており、CPU周辺回路G/A8にはCD部9が接続されている。CPU4は、CPU周辺回路G/A8を介して、CD部9に装着された地図CD−ROM10から、現在地周辺の地図/道路情報を読み込み、それらの情報とビデオRAM11に記憶されている画像情報とに基づき、モニタ12の画面上に現在地周辺の地図を表示させる。さらに、バス3には、TV放送を受信するためのTVアンテナ13を備えたTVチューナ14と、本発明の受信手段であって、FMアンテナ15により受けたFM多重電波から、通常の放送番組に多重化された通常の文字情報等の付加情報、及びVICSによる交通情報等を復調し出力するFM多重部16とが接続されている。FM多重部16から出力される文字情報等は、その受信に際して前記RAM6にいったん蓄えられるようになっている。そして、CPU周辺回路G/A8には、ナビゲーション装置を操作するための図示しない各種の操作キーを有するキー入力部17が接続されている。
【0015】
次に、前述したナビゲーション装置の動作を、FM多重放送の受信モードが選択された場合におけるCPU4の処理手順を示した図3及び図4のフローチャートに従って説明する。先ず、図3のフローチャートに従い、放送局のプリセット機能を用いた場合における番組の受信処理、および受信した番組の登録処理について説明する。すなわち、FM多重放送の受信モードが選択されると、CPU4は図6に示すような多重メニュー画面aをモニタ12に表示させる(SA1)。そして、キー入力部17におけるキー操作により、多重メニュー画面から[プリセット一覧]が指定されると(SA2でYES)、RAM6のS−RAM側からプリセットデータを読み出し、そのデータに基づき図7に示すような、プリセットされている周波数が並んだプリセット一覧画面bを表示させる(SA3)。
【0016】
ここで、プリセット一覧画面からいずれかの周波数(放送局)が選択されると、その周波数に応じた放送電波をFM多重部16により受信させ(SA4)、受信できたか否かを判別する(SA5)。受信できなかったときには、その旨を示すメッセージを画面に数秒間だけ表示さた後(SA6)、ステップSA2へ戻る。一方、受信できたときには、図8に示すようなチャンネル目次画面cを表示させて、希望のチャンネルを選択させるとともに、受信した情報にそのチャンネルの番組索引が存在するか否かを判別する(SA7)。存在しないときには、その旨を示すメッセージを画面に数秒間だけ表示さた後(SA8)、ステップSA2へ戻る。番組索引が存在するときには次へ進み、番組索引のデータをRAM6のD−RAM側へ格納すると同時に、図9に示すようなメイン目次画面dを表示させる(SA9)。引き続き、メイン目次画面cからいずれかの番組が選択されると、選択された番組のデータをRAM6のD−RAM側へ格納するとともに、図10に示すような多重番組画面eを表示させる(SA10)。
【0017】
次に、多重番組画面dを表示した状態、つまり番組を受信した状態において、キー入力部17のキー操作により番組の登録が指示されると(SA11でYES)、その番組が登録済みであるか否かを判別する。具体的には、その時点における番組を示す番組識別データと同一の番組識別データが、RAM6のS−RAM側に記憶されているか否かを判別する(SA12)。ここで、受信中の番組が登録済みであったときには、例えば「この番組はすでに登録されています」といったメッセージを画面に数秒間だけ表示させた後(SA13)、ステップSA10へ戻る。一方、まだ登録されていないときには、登録されている番組の件数に空きがあるか否かを更に判別する(SA14)。空きがあるときには次へ進み、受信中の番組を示す番組識別データ(図2(A)参照)をRAM6のS−RAM側に記憶させる(SA15)。なお、ここで記憶させる番組識別データのうち、周波数は予めプリセットされていた放送局の周波数であるが、これに限らず受信した多重放送により送られてきた周波数データとしてもよい。そして、後述するダイレクト番組一覧画面を数秒表示し、番組の登録処理を終了する。一方、前記ステップSA14において空きがないとき判別されたときには、例えば「登録番組がいっぱいです」といったメッセージを画面に数秒間だけ表示さた後(SA16)、番組の登録処理を終了する。なお、より具体的には後述する図4に示したフローチャートのステップSB4へ移行する。
【0018】
次に、図4に示したフローチャートに従い、登録された番組の消去処理および、登録された番組の受信処理について説明する。すなわち、FM多重放送の受信モードが選択されると、CPU4は、前述したように多重メニュー画面をモニタ12に表示させる(SB1)。そして、キー入力部17におけるキー操作により、メニュー画面から[ダイレクト番組一覧]が指定されると(SB2でYES)、RAM6のS−RAM側に記憶されている全ての番組識別データを読み出す(SB3)。引き続き、読み出した番組識別データに基づき、図11に示すような、番組名5文字と周波数からなる項目表示、つまり特定の番組を示す登録番組情報が並んだダイレクト番組一覧画面fをモニタ12に表示させる(SB4)。次に、画面内の消去釦により番組の消去が指定されたか否かを判別し(SB5)、その指定があったときには、ダイレクト番組一覧画面fから消去するべき番組を選択させた後、その番組に対応するとともにRAM6のS−RAM側に記憶されている番組識別データを消去し(SB6)、ステップSB4へ戻る。また、番組の消去指定がなければ、更に、ダイレクト番組一覧画面fからいずれかの番組が選択されたか否かを判別し(SB7)、かかる指定がなければステップSB4へ戻る。
【0019】
一方、ダイレクト番組一覧画面fからいずれかの番組が選択されると、選択された番組に対応する番組識別データをRAM6のS−RAM側から読み出し(SB8)、読み出したデータにより示された放送局の周波数の多重放送電波を受信する(SB9)。次に、その多重放送電波が受信できたか否かを判別し(SB10)、受信できなかったときには、例えば「受信できません」といったメッセージを画面に数秒間だけ表示させた後(SB11)、ステップSB4へ戻る。また、受信できたときには、多重信号から読み出した番組識別データにより示された番組を検索し(SB12)、その番組があるか否かを判別する(SB13)。ここで、番組がなかったときには、例えば「番組がありません」といったメッセージを画面に数秒間だけ表示さた後(SB14)、ステップSB4へ戻る。一方、番組があれば、その番組のデータをRAM6のD−RAM側へ格納するとともに、その多重番組画面をモニタ12に表示させ(SB15)、選択した番組の受信処理を終了する。
【0020】
以上のように、本実施の形態におけるナビゲーション装置においては、FM多重放送の付加情報番組を受信するとき、いったん周波数(放送局)を選択又は指定した後、更に番組を指定することなく、所望する番組を一度の操作で受信することができる。よって、予め選択し登録しておいた特定番組の受信操作に要する時間、及び手間が省けるため、番組の受信を楽に行うことができる。殊に、本実施の形態で説明したように、複数の番組が階層構造になっている場合においては、各階層毎に番組索引画面から希望する項目を選択するといった繰り返し作業から解放されるため、前記効果が大きい。なお、本実施の形態においては、放送局から送られる複数の付加情報番組が階層構造を有する場合についてのみ説明したが、それらが階層構造を有していなくとも、番組の数が多い場合にあっては、受信頻度が高い番組を選択し登録しておくことにより、その番組を多くの番組から瞬時に選択することができる。よって、前述した場合と同様に番組の受信を楽に行うことができると効果が得られる。
【0021】
また、本実施の形態で示したものにおいては、番組名5文字と周波数からなる項目表示が並んだダイレクト番組一覧画面fから、予め選択し登録しておいた番組を選択するようにしたため、登録済みの番組を瞬時に知ることができるとともに、番組の選択操作も楽に行うことができる。よって、番組の受信に際して登録した番組を選択するときの使い勝手も極めてよい。
【0022】
なお、図3及び図4をもって説明した各処理過程において、多重メニュー画面a、プリセット一覧画面b、チャンネル目次画面c、番組メニュー画面d、多重番組画面e、ダイレクト番組一覧画面fが表示された状態では、常にキー入力部17のキー操作によって、1つ前の表示画面に戻ったり、または、他の処理へ移行することが可能となっている。
【0023】
一方、図5は、本発明の第2の実施の形態を示すとともに、前述したナビゲーション装置において、FM多重放送の受信モードが選択されたときの、CPU4におけるVICSの交通情報番組の受信処理を示したフローチャートである。以下説明すると、FM多重放送の受信モードが選択されると、CPU4は、前述したように多重メニュー画面a(図6参照)をモニタ12に表示させる(SC1)。そして、キー入力部17におけるキー操作により、多重メニュー画面aから[VICSサーチ]が指定されると(SC2でYES)、受信周波数をリセットし、予め設定されるとともにFM多重放送が実施されている周波数帯域の最も低い周波数、例えば76.0MHzに設定した後(SC3)、放送電波の受信を開始する(SC4)。次に、音声信号が受信されたか否かを判別し(SC5)、それが受信されたときには、多重信号が受信されたか判別する(SC6)。引き続き、それが受信されたときには、受信した多重信号に含まれる放送局識別コードと、ROM5に記憶されている放送局識別コードとを比較し、受信した放送電波がVICS放送局から送られたものであるか否かを判別する(SC7)。ここで、VICS放送局であったときには、さらに1フレーム内の全パケットの横訂正をみて伝送モードが第4〜第6である交通情報を受信したか否かを判別する(SC8)。
【0024】
そして、前述したステップSC5からステップSC8の各判別結果がNOであった場合には、それぞれステップSC9へ進み、受信周波数が一周したか否か、すなわち周波数が、予め設定されるとともにFM多重放送が実施されている周波数帯域の最も高い周波数、例えば92.0MHzとなっているか否かを判別する。ここで、一周していない場合には周波数を上げた後(SC10)、ステップSC4へ戻り、受信周波数が一周するまでステップSC4〜SC10の処理を繰り返し、FM多重部16によって受信可能な放送電波を順次受信させる。なお、その間には、図12に示すように、その時点における周波数が表示されたチューニング画面gをモニタ12に表示させる。そして、かかる処理中に伝送モードが第4〜第6である交通情報が受信されて、ステップSC8の判別結果がYESになると、ROM5に記憶されている伝送モード“4”を示すデータにより示された伝送モード第4モードの番組を探しに行く(SC11)。引き続き、第4モードの番組のデータをRAM6のD−RAM側へ格納するとともに、図13に示すような第4モードの番組のメイン目次画面hをモニタ12に表示させた後(SC12)、受信処理を終了する。
【0025】
なお、前述したステップSC4〜SC10の処理中に受信周波数が一周し、ステップSC9の判別結果がYESになったときには、例えば「番組不在」や「番組がありません」といったメッセージをモニタ12に表示させた後(SC13)、RAM6のD−RAM側に設けられているラストメモリに多重番組画面がなければ(SC14でNO)、そのまま処理を終了する。また、多重番組画面があれば(SC14でYES)、すなわち多重メニュー画面を表示する直前に多重番組画面が表示されていた場合、その多重番組画面をモニタ12に表示させた後(SC15)、受信処理を終了する。
【0026】
以上のように、本実施の形態においては、VICSの交通情報番組を受信したいときには、図3及び図4をもって既説したものと同様に、その交通情報番組を一度の操作で受信することができる。よって、受信操作に要する時間、及び手間が省けるため、VICSの交通情報番組の受信を楽に行うことができる。なお、本実施の形態においては、多重メニュー画面aに、VICSの交通情報番組の受信を指示するための[VICSサーチ]を表示させ、それを指定することにより受信させるようにしたが、キー入力部17に、前記交通情報番組の受信指示を行う専用の操作キーを設けるようにしてもよい。また、いずれの放送局(周波数)でVICSの交通情報番組が放送されているか知らなくとも、それを受信することができ、しかも、その交通情報番組が、受信する地域によって異なる放送局、例えば同一系列の他の放送局から放送されている場合であっても受信することができる。このため、本実施の形態に示した車載用のナビゲーション装置のように、使用時に広い地域に亙って移動するような多重放送受信装置にあっては、前記効果が極めて大きい。
【0027】
なお、本実施の形態においては、前述した図5に示したステップSC7の処理で、受信した多重信号に含まれる放送局識別コードによって、受信した放送電波がVICS放送局から送られたものであるか否かを判別させたが、これに限らず、放送局など放送電波により送られてくるとともにVICS放送局であることを示す他の情報に基づき、受信した放送電波がVICS放送局から送られたものであるか否かを判別させるようにしてもよい。また、本実施の形態においては、ROM5内に、VICS放送局から送られるVICSの交通情報を示すデータとして伝送モード“4”を示すデータが記憶されたものを示したが、これ以外にも情報種別(図2(A)参照)を、VICSの交通情報番組に割り当てておき、前述した図5のフローチャートにおけるステップSC8で、前記VICSの交通情報を示す情報種別を示すデータを含む多重信号を受信した否かを判別させるようにしてもよい。さらに、本実施の形態では、VICSの交通情報番組を受信したとき、伝送モードが第4モードのメイン目次画面h、すなわち特定の番組として中間階層の番組、つまりサブメニュー番組を表示させる場合について説明したが、図14に示すようなVICSの交通情報番組における多重番組画面i、すなわち最下層の番組を表示させるようにしてもよい。
【0028】
また、本実施の形態においては、多重メニュー画面aから、[VICSサーチ]が指定されたとき、VICS放送局から送られる放送電波を自動的に受信させて、交通情報番組を表示させるものについてのみ説明したが、例えば、VICSの交通情報番組を表示している間に、放送電波の受信状況が悪化したときには、自動的にVICSの交通情報番組の受信(再受信)を指示し、図5のステップSC3以降の処理を行わせるようにしてもよい。また、その場合には、ステップSC11,SC12の処理に代えて直前に表示していた交通情報番組を受信し表示させる処理を行わせるようにすれば更によい。また、本実施の形態においては、その使用頻度が高いことが予想されるVICSの交通情報番組を示す識別データが、ROM5に予め記憶されたものについて説明したが、それ以外の番組を示す識別データを予め記憶させておいてもよい。
【0029】
一方、本発明における多重放送受信装置においては、前述した説明した2つの実施の形態とは異なり、図3及び図4をもってその動作を既説したものにおいて、複数の放送局が同一番組を放送している場合、ダイレクト番組一覧画面dからいずれかの番組が選択されたことに応じて、RAM6のS−RAM側から、選択された番組に対応する番組識別データ(周波数データを除く)を読み出した後、図5に示した実施の形態のように、FM多重部16によって受信可能な放送電波を順次受信させるとともに、読み出した番組識別データにより示された番組が受信できたら、その番組をモニタ12に表示させる構成としてもよい。また、RAM6のS−RAM側から読み出した番組識別データにより示された番組と、予めROM5に記憶された番組識別データにより示される番組とが一致した場合にのみ、上記と同様に、FM多重部16によって受信可能な放送電波を順次受信させるとともに、読み出した番組識別データにより示された番組が受信できたら、その番組をモニタ12に表示させる構成としてもよい。
【0030】
これらについても、図3及び図4をもって既説したものと同一の効果が得られるとともに、前者にあっては、予め選択された全ての番組が受信される場合において、また、後者にあっては、予め設定された番組と同一の番組が予め選択され、かつその番組が受信される場合において、図5をもって既説したものと同一の効果が得られる。
【0031】
なお、以上の説明においては、本発明の多重放送受信装置としてFM多重放送の受信機能を有するナビゲーション装置のみ示したが、ポータブルタイプのラジオ受信機やカーラジオ、又は複数のユニットからなるシステム構成を有する装置等の他の装置に本発明を採用してもよい。
【0032】
図15は、本発明の第3の実施の形態にかかる多重放送受信装置の構成を示すブロック図である。この多重放送受信装置は、FM放送電波を受信し対応する音声を発音するFMラジオ部30と、このFMラジオ部30により受信したFM放送電波に多重化されている多重情報の受信に対する各種の処理を行う多重データ受信部40とを有している。FMラジオ部30は、FM放送電波を受信するアンテナ31と、FM放送電波のチューニングを行うFMチューナ32と、FM信号の復調を行うFM復調器33と、復調されたFM信号をステレオ信号にするステレオ復調器34と、このステレオ復調器34の出力信号を増幅する一対のアンプ35a,35bと、アンプ35a,35bで増幅された信号を音声として出力する一対のスピーカ36a,36bとを具備している。なお、図示しないステレオヘッドホン用ジャックにステレオヘッドホンを装着して、FMステレオ放送を聴取することも勿論可能である。
【0033】
前記多重データ受信部40は、前記FM復調器33に接続され、前記FMステレオ放送のL、R信号の変調度に対して多重信号の大きさ(レベル)を4〜10%まで変化させるデジタル変調を行いFM放送電波に多重化されている多重情報を分離するL−MSK(Level Controlled Minimum Shift Keying)復調器41と、誤り訂正復号器42と、この多重放送受信装置において必要となる全ての処理及び制御を実行する制御部20とを有している。
【0034】
この制御部20は、CPUからなり後述するフローに従って動作することにより、本実施の形態において受信制御手段及び表示制御手段を構成するものである。この制御部20に対して、処理プログラムを格納したROM21と、複数のキーが設けられたキー入力部22、表示部23、及び現在時刻を計時する時計24と記憶手段としてのRAM25、及び前記キー入力部22におけるチューニングキーの操作に応じて前記FMチューナ32の受信チューニングを行う受信制御部50とが接続されている。キー入力部22には、電源スイッチや後述するフロー中に示した複数のプリセットキー等の各種キーが設けられており、RAM25には、受信した多重情報を格納するための受信バッファーやプリセット情報を記憶するプリセットメモリが設けられている。
【0035】
次に、この多重放送受信装置の動作を、FM多重放送の受信モードが選択された場合における制御部20の処理手順を示した図16〜18のフローチャートに従って説明する。制御部20は、図16に示すフローチャートに従って動作することにより、受信したFM放送電波に多重化されている多重情報に基づきFM多重表示処理を行って(SD1)、表示部23に多重番組画面を表示させる。この多重番組画面表示状態において、キー入力部22に設けられているプリセットキー何れかが2秒間押されると、このプリセットキーの2秒押しを取り込む(SD2)。次に、このプリセットキーの2秒間押しがなされた時点で、表示部23の表示画面上にキーイン番号があるか否かを判別する(SD3)。
【0036】
すなわち、表示部23にはその時点における表示状態に応じて、キーイン番号がない画面と、図19〜図21に例示する「1.醤油」における“1”や「2.小湯」における“2”、「1.今日の天気」における“1”や、「2.交通情報(VICS)」における“2”等のキーイン番号がある画面とが表示されている。そして、表示部23の表示画面にキーイン番号がない場合には、SD4でプリセット処理を実行し、受信中の周波数、チューニングモード、サービス識別、表示中の番組の番組番号をRAM9のプリセットメモリに記憶する。ここで、チューニングモードとは、エリアプリセット、マイプリセット、マニュアル(オート)チューニング等の当該周波数を設定した際のチューニング方式であり、サービス識別とは、番組番号等とともに多重情報に含まれている図19等において「SI」で示す値である。したがって、RAM9のプリセットメモリ中のSD2で押されたプリセットキーに対応するエリアには、1.周波数、2.チューニングモード、3.サービス識別(SI=2)、4.番組番号(010)の4項目が記憶されることとなる。
【0037】
また、図19〜図21に例示したように、表示画面にキーイン番号がある場合には、そのページに付加されている選択制御データ中のNPSの値が“0”であるか否かを判別し(SD5)、NPS=0(図19に例示する表示画面の場合)であるならば、SD6において前述のSD4での処理と同様のプリセット処理を実行し、周波数、チューニングモード、サービス識別、表示中の番組の番組番号をRAM9のプリセットメモリに記憶する。また、NPS≠0であった場合には、さらにNPS=1か否かを判別し(SD7)、NPS=1である場合には、SD8でプリセット処理を実行し、周波数、チューニングモード、サービス識別、選択中の選択制御データをRAM9のプリセットメモリに記憶する。したがって、図20のように、「1.今日の天気」が選択中であったとすると、“1”の選択制御データは同図に付記してあるように、「番組番号=011」と「ページ番号=1」であるから、RAM9のプリセットメモリには、1.周波数、2.チューニングモード、3.サービス識別(SI=2)、4.番組番号(011)、5.ページ番号(1)の5項目が記憶されることとなり、当該番組を表示中でなく選択中の状態でもプリセットを行うことができる。
【0038】
さらに、NPS≠1でない場合には、NPS=2であるので、SD9でプリセット処理を実行して、周波数、チューニングモード、選択中の選択制御データをRAM9のプリセットメモリに記憶する。したがって、図21の例示において、「2.交通情報(VICS)」が選択中であったとすると、その選択制御データは同図に付記してあるように(サービス識別=4)と、「番組番号=100」と「ページ番号=1」であるから、RAM9のプリセットメモリには、1.周波数、2.チューニングモード、3.サービス識別(SI=4)、4.番組番号(100)、5.ページ番号(1)の5項目が記憶されることとなる。したがって、この図16に示すフローに従った処理により、表示画面にキーイン番号があるか否か、及び選択制御データ中のNPSの値に応じて、異なる項目のデータがプリセットメモリに記憶されることとなる。
【0039】
他方、制御部20は図17に示すフローチャートに従って受信処理を実行し、FM放送電波に多重化されている多重情報を受信する(SE1)。次に、この受信した番組が、プリセットメモリに記憶されているプリセット番組であるか否かを判別し(SE2)、プリセット番組でない場合には、受信順にRAM9のバッファーに蓄積する(SE3)。しかし、受信した多重情報がプリセット番組である場合には、優先してバッファーに蓄積し(SE4)、よって、所望する番組をプリセットしておけば、バッファーの容量が小さい場合であって、所望する番組を確実かつ速やかに見ることが可能となる。
【0040】
さらに、制御部20は図18に示すフローチャートに従って動作することにより、受信したFM放送電波に多重化されている多重情報に基づきFM多重表示処理を行って、表示部23に多重番組画面を表示させる(SF1)。この多重番組画面表示状態において、キー入力部22に設けられているプリセットキーの何れかが2秒未満の時間的長さで押されると、このプリセットキー押しを取り込む(SF2)。次に、プリセット設定済みであるか否か、つまりRAM9のプリセットメモリ中のSF2で押されたプリセットキーに対応するエリアにプリセットデータが記憶されているか否かを判別し(SF3)、プリセット設定がなされていない場合には、その旨を示すプリセットなし警告画面を数秒間表示部23に表示させた後(SF4)、SF1に戻る。また、プリセット設定済みであるならば、プリセットされている受信周波数と現在設定されている受信周波数とが一致するか否かを判別し(SF5)、一致しない場合にはチューニング処理を行って、プリセットされている受信周波数を設定する(SF6)。次に、バッファー内にプリセットされている選択番組のデータがあるか否かを判別し(SF7)、バッファー内に選択番組のデータがない場合には、番組索引データ受信済みであるか否かを判別する(SF8)。未だ番組索引データの受信も済んでいない場合には、SF7に戻って番組索引データの受信が済むまで、SF7→SF8→SF7のループを繰り返してその間受信を継続する。
【0041】
そして、受信を継続した結果、番組索引データの受信が済んだならば、この番組索引データに基づき、プリセットされている選択番組が放送中であるか否かを判別する(SF9)。このとき、SF8の判別がYESとなることにより、番組索引データが受信済みであることから、この番組索引データと選択番組(プリセットデータ)とを比較することにより、容易かつ迅速に選択番組が放送中であるか否かを識別することができる。そして、この識別の結果、選択番組が放送中でなければ、その旨を示す放送なし警告画面を数秒間表示部23に表示させ(SF10)、これによりユーザーに選択番組が放送中でなくその表示が不可能であることを認識させた後、メイン目次(000#)に戻る(SF11)。このSF11の処理により表示部23には、メイン目次が表示され、この表示されたメイン目次から何れかを選択する操作を行うことにより、選択された番組であってバッファーにデータが蓄積されている番組が表示部23に表示されることとなる。
【0042】
また、SF9での判別の結果、選択番組が放送中である場合には、ウェイト画面を表示部23に表示させ(SF13)、SF12に戻る。このSF12では、選択番組が表示可能であるか否か、つまり受信した選択番組のデータがバッファーに蓄積されたか否かを判別し、未だ蓄積されておらず表示不可能であれば、このとき既に番組索引データは受信済みであり、選択番組放送中でもあることから、SF12→SF8→SF9→SF13→SF12のループを繰り返し、ウェイト画面を表示部23に表示し続ける。そして、この間にバッファーに選択番組のデータが蓄積されて表示可能な状態となると、SF12からSF14に進み選択番組のデータに基づく選択画面を表示する。
【0043】
他方、SF7での判別の結果、既にバッファーに選択番組のデータが蓄積されていれば表示可能であることから、SF7→SF12→SF14と進んで、同様に選択番組のデータに基づく選択画面を表示する。このとき、前述した図16に示すフローチャートにおけるSD4,SD6,SD8,SD9の処理により、プリセットデータがプリセットされていることから、例えばNPS=1であってSD8の処理が実行され、図20に示す「1.今日の天気」が選択されて、その選択制御データがプリセットされていたとすると、そのサービス識別(SI=2)と、番組番号(011)、ページ番号(1)の選択制御データに基づき、同図の右上部に示すように、選択番組である「今日の天気」がプリセットキー操作のみにより表示部23に表示されることとなる。また、図20に示す「2.今週の天気予報」が選択されて、その選択制御データがプリセットされていたとすると、そのサービス識別(SI=2)と、番組番号(012)、ページ番号(1)の選択制御データに基づき、同図の右下部に示すように、選択番組である「今週の天気予報」が表示部23に表示されることとなり、所望する番組を一度の操作で見ることが可能となる。
【0044】
図22以降は、本発明の第4の実施の形態を示すものであり、この4の実施の形態にかかる多重放送受信装置は、前述した図15に示した第3の実施の形態と同様の構成であるが、RAM9は図22に示すメモリ等を有している。すなわち、RAM9には、FMラジオモード/FM多重モードのラストメモリ9a、FM多重モードのラストメモリ9b、タイマー1〜3、プリセットタイマー受信バッファー9c及びラストメモリタイマー受信バッファー9fが設けられている。FMラジオ/FM多重モードのラストメモリ9aには、FMラジオモード(音声データのみ受信出力し、多重情報を受信表示しないモード)、あるいはFM多重モード(音声データを受信出力するとともに、多重情報を受信出力するモード)において、最後にFMチューナ32に設定された周波数が格納され、FM多重モードのラストメモリ9bには、FM多重モードにおいて、最後にFMチューナ32に設定された受信周波数が格納される。タイマー1〜3は、各々タイマー設定時刻格納領域9dとON/OFF設定領域9eとを有している。タイマー設定時刻格納領域9dには、所定の操作により入力された当該多重放送受信装置の電源をオンする時刻が格納され、ON/OFF設定領域9eには、対応するタイマーを動作させるか否かを示す情報が格納され、動作させる場合には“1”がセットされ、動作させない場合には“0”がセットされる。プリセットタイマー受信バッファー9cには、後述するタイマー受信した際の蓄積開始時間、周波数、番組番号、多重情報が格納され、ラストメモリタイマー受信バッファー9fには、FM多重モードのラストメモリ9bに格納されている受信周波数により受信した際の蓄積開始時間及び多重情報が格納される。
【0045】
さらに、RAM9には、図23(A)に示すように、プリセット情報を記憶するプリセットメモリ9gが設けられている。このプリセットメモリ9gは、前記キー入力部22に設けられている1〜5のプリセットキーに対応して、周波数、チューニングモード、サービス識別、番組番号からなるプリセット内容を記憶する領域を有している。
【0046】
以上の構成にかかる本実施の形態において、制御部20は、電源オンの状態にあると、前述した図3あるいは図16のフローと同様な処理を行うことにより、図23(A)に示したように、1〜5のプリセットキーに対応して、周波数、チューニングモード、サービス識別、番組番号からなるプリセット内容を記憶する。そして、キー入力部22に設けられている電源キーを操作して電源をオフにすると、図24に示すフローチャートに従って処理を開始し、電源オフを取り込んでタイマースタンバイの状態を形成する(SG1)。次に、時計24が示す現在時刻とタイマー設定時刻領域9dに記憶されているタイマー設定時刻(ON設定されている設定時刻)とを常時比較して、タイマー時間となったか否かを判別し(SG2)、タイマー時間となるまで待機状態を維持する。そして、タイマー時間となったならば、電源をON状態にしてFM多重モードを設定する(SG3)。
【0047】
引き続き、多重番組のプリセットがあるか否か、つまりRAM9のプリセットメモリ9gにデータが記憶されているか否かを判別し(SG4)、データが記憶されていない場合には、受信制御部50に指示してFMチューナ32を、FM多重モードのラストメモリ9bに記憶されている周波数にチューニングする(SG5)。次に、ラストメモリタイマー受信バッファー9fに、蓄積開始時間を記録した後(SG6)、多重情報を蓄積する(SG7)。さらに、当該多重番組の受信を完了したか否かを判別し(SG8)、完了していないならばX分時間(多重情報を一通り受信するのに十分な時間)が経過したか否かを判別する(SG9)。そして、番組受信を完了したか又はX分時間が経過するまで、SG8→SG9→SG8のループを繰り返して、その間ラストメモリタイマー受信バッファー9fへの多重情報の蓄積を継続し、番組受信を完了したか又はX分時間が経過した時点で、電源をオフにしてタイマースタンバイ状態を再度形成する(SG17)。
【0048】
また、SG4での判別の結果、多重番組のプリセットがある場合には、プリセット内容の周波数によるソートを行う(SG10)。すなわち、プリセットメモリ9gに各プリセットキー毎に記憶されているプリセットデータを、図23(B)に示すように、周波数毎にグループ分けする。次に、このグループ分けした周波数において、未受信周波数があるか否かを判別し(SG11)、未受信周波数ある場合には、受信制御部50に指示してFMチューナ32を、未受信周波数であって例えば最も低い周波数にチューニングする(SG12)。次に、プリセットタイマー受信バッファー9cに、蓄積開始時間を記録した後(SG13)、受信中の周波数でプリセットされている多重番組を蓄積し(SG14)、このとき多重番組の蓄積に際して、周波数、番組番号もプリセットタイマー受信バッファー9cに記憶させる。さらに、当該多重番組の受信を完了したか否かを判別し(SG15)、完了していないならばX分時間(一つの多重番組を受信するのに十分な時間)が経過したか否かを判別する(SG16)。
【0049】
そして、番組受信を完了したか又はX分時間が経過するまで、SG15→SG16→SG15のループを繰り返して、その間プリセットタイマー受信バッファー9cへの多重情報の蓄積を継続し、番組受信を完了したか又はX分時間が経過した時点で、SG11に戻る。このSG11で、再度未受信周波数があるか否かを判別し、グループ分けした周波数の全てについてSG12〜SG16の処理が行われるまで、次に高い未受信周波数を設定してSG11〜SG16のループを繰り返し、未受信周波数がなくなった時点で、前述したSG17の処理実行する。したがって、この図24に示すフローに従った処理が実行されることにより、多重番組のプリセットがない場合には、FM多重モードのラストメモリ9bに記憶されている周波数の多重情報であって、タイマー設定時刻領域9dに記憶されているタイマー設定時刻から受信開始された多重情報がラストメモリタイマー受信バッファー9fに記憶され、多重番組のプリセットがある場合には、プリセットメモリ9gに記憶されている周波数、サービス識別、番組番号の多重番組であって、タイマー設定時刻領域9dに記憶されているタイマー設定時刻から受信開始された多重情報がプリセットタイマー受信バッファー9cに記憶されることとなる。
【0050】
他方、制御部20は、電源オンの状態にあると図25に示すフローチャートに従って処理を実行する。すなわち、キー入力部22にてFM多重モードを設定するキー操作がなされると、この操作情報を取り込んでFM多重モードを設定する(SH1)。次に、キー入力部22に設けられている1〜5のプリセットキーの何れかが押されたか否かを判別し(SH2)、押されたならばプリセット設定済みであるか否か、つまりプリセットメモリ9gに操作されたプリセットキーに対応するデータが記憶されているか否かを判別する(SH3)。対応するプリセットキーのデータがなく、当該キーのプリセット設定がなされていない場合には、その旨を示すプリセットなし警告画面を数秒間表示部23に表示させた後(SH4)、SH1に戻る。また、操作されたプリセットキーに対応するプリセットが設定済みであるならば、タイマー受信データがあるか否か、つまり操作されたプリセットキーのプリセット内容に対応する周波数、番組番号の多重情報がプリセットタイマー受信バッファー9cに記憶されているか否かを判別する(SH5)。この判別の結果、押されたプリセットキーに対応する多重情報がプリセットタイマー受信バッファー9cに記憶されていない場合には、プリセットされている受信周波数と現在設定されている受信周波数とが一致するか否かを識別して、一致しない場合にはチューニング処理を行って、プリセットされている受信周波数を設定し通常の受信/表示動作を行う(SH6)。ここで、通常の受信/表示動作とは、図4のフローチャートにおけるSB8〜SB15の処理、あるいは図18のフローチャートにおけるSF7以降の処理である。このとき、ラストメモリタイマー受信バッファー9fに多重情報が記憶されているならば、所定の操作に応じてこれを表示する。
【0051】
また、SH5での判別の結果、押されたプリセットキーに対応する多重情報がプリセットタイマー受信バッファー9cに記憶されている場合には、記憶されている受信周波数と蓄積開始時間とをX秒間(数秒間)表示させ(SH7,SH8)、しかる後に蓄積データつまり操作されたプリセットキーに対応する多重情報を表示部23に表示させる(SH9)。これにより、ユーザーは予め設定した時刻に蓄積が開始された多重番組であって、予め設定した受信周波数、番組番号の多重番組を一度の操作で見ることが可能となる。そして、このようにSH9で表示された多重番組の情報は、プリセットタイマー受信バッファー9cから消去され、あるいは確認済みデータであることを示す処理がなされ、再度同一のプリセットキーが操作された際には、SH7あるいはSH9の処理でその旨が表示される。
【0052】
なお、図22に示したプリセットタイマー受信バッファー9cにおいては、番組番号を記憶させるようにしたが、1〜5のプリセットキーの番号を記憶させるようにしてもよい。また、図25のフロー説明においては、操作された1〜5のプリセットキーに対応する多重情報のみを表示させるようにしたが、何れかのプリセットキーが操作された際には、プリセットタイマー受信バッファー9cに記憶されている全ての多重情報を順次表示させるようにしてもよい。また、図22に示すように、タイマー1〜3には、タイマー設定時刻とON/OFF設定のみを記憶させるようにしたが、タイマー受信する番組の周波数や番組番号をも記憶させ得るようにし、タイマー1〜3にタイマー受信する番組の周波数や番組番号が記憶されている場合には、その番組を設定時刻に受信蓄積し、これらが記憶されていない場合にのみ、前述した図24のフローチャートに従った処理を行って、プリセット番組の多重情報を記憶するようにしてもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の多重放送受信装置においては、受信すべき多重放送電波の周波数を選択し、この選択された周波数の多重放送電波を受信し、この受信された多重放送電波の中から取得可能な複数の番組を示す番組索引情報を、該多重放送電波より取得し、この取得された番組索引情報で示される複数の番組の中から記憶または表示すべき番組データが含まれる番組を選択し、この選択された番組の番組データを、受信中の多重放送電波の中から選択的に取得して記憶または表示し、この番組が選択された状態で登録が指示された場合に、受信されている周波数と当該番組の番組番号との組を選択番組識別情報として登録し、この登録の後に、登録されている選択番組識別情報が指定された場合に、該選択番組識別情報が示す周波数の多重放送電波を前記受信手段により選択的に受信させるとともに、該選択番組識別情報が示す番組の番組データを前記番組情報取得手段により選択的に取得させて記憶または表示させ、これにより、予め選択番組識別情報として登録されている番組の受信に際しては、その番組を放送する放送局又はその周波数を選択又は指定する作業、および、この選択した放送局又はその周波数で提供される複数の番組を検索する作業、および、この検索された複数の番組の中から所望の番組を選択する作業が不要となり、更に、このような複数回の選択操作を自動化するために必要なプリセット情報の登録作業をも簡単に行うことができる。
【0054】
また、例えば、放送局から送られてくる番組が複数であったり、その複数の番組が階層構造を有していたとしても、予め選択しておいた番組の受信操作やプリセット操作に要する時間、及び手間が省けるため、番組の受信やプリセット登録を楽に行うことができる。殊に、受信したい番組が、階層構造をなして送られる複数の番組の1つである場合においては、その効果が大きい。また、設定番組がいずれの放送局で放送されているか知らなくとも、それを受信することができ、しかも、その設定番組が、受信する地域によって異なる放送局から放送されている場合であっても受信することができることから、多重放送受信装置が、その使用に際して、広い地域に亙って移動するような装置である場合にあっては、前述した効果が極めて大きい。
【0055】
また、設定番組識別情報を、特定の放送局の種別を示す放送局識別情報を含むものとし、制御手段を、指示手段の指示に応じ、受信手段に受信可能な多重放送電波を順次受けさせるとともに、受信手段の受けた多重放送電波により送られた放送局識別情報が示す放送局の種別と、設定番組識別情報に含まれている放送局識別情報が示す放送局の種別とが一致するとき、受けた多重放送電波により送られ、かつ記憶手段に記憶された番組識別情報が示す設定番組を受信手段から出力させるものとしても、前述したものと同一の効果を得ることができる。
【0056】
また、本発明の多重放送受信装置においては、指定手段によって、記憶手段に記憶されている1又は複数の選択番組識別情報のうちから1つが指定されると、制御手段が、指定された選択番組識別情報に応じた受信周波数を設定手段に設定させるとともに、指定された選択番組識別情報に応じた番組データを表示手段に表示させ、これにより番組の受信に際しては、受信周波数を設定したり、その受信周波数で受信された複数種の番組データの中から所望とする番組を選択する作業が不要となるようにした。
【0057】
よって、前述したものと同様に、放送局から送られてくる番組が複数であったり、その複数の番組が階層構造を有していたとしても、予め選択しておいた番組の受信操作に要する時間、及び手間が省けるため、番組の受信を楽に行うことができる。殊に、受信したい番組が、階層構造をなして送られる複数の番組の1つである場合においては、その効果が大きい。また、設定番組がいずれの放送局で放送されているか知らなくとも、それを受信することができる。しかも、指定された選択番組識別情報に応じた受信周波数を設定手段に設定させるため、所望する番組を瞬時に受信することができる。
【0058】
また、番組データが表示されている状態において、所定の操作により当該表示されている番組データの番組を選択できるようにしたことから、番組選択操作(プリセット操作)の容易化を図ることができる。また、プリセットされた番組の番組データを他の番組の番組データより優先して記憶させるようにしたことから、記憶手段の容量が小さい場合であって、プリセットされている日常よく見る番組を確実かつ速やかに見ることが可能となる。また、選択された番組が放送中でない場合には、その旨を表示させるようにしたことから、当該番組が表示されないことにより、装置が故障したとの誤解やプリセット状態に異常が生じた等の誤解の発生を未然に防止することができる。
【0059】
さらに本発明は、受信開始時刻を設定し、現在時刻が受信開始時刻となった時、予め記憶されている選択番組識別情報が示す受信周波数を設定させて、該選択番組識別情報が示す番組の番組データを記憶させる一方、所定の呼び出し操作に応じて、記憶された番組データを表示させるようにした。よって、番組を受信し記憶するに際しては、受信周波数を設定したり、その受信周波数で受信された複数種の番組データの中から所望とする番組を選択する作業を不要にすることができるのみならず、受信及び記憶を指示するための操作も不要にすることができる。また、複数の番組の選択番組識別情報が記憶され、その中に同一の受信周波数の選択番組識別情報がある場合、受信周波数が設定された状態において、当該受信周波数の各選択番組識別情報が示す全ての番組データを受信して記憶させるようにしたことから、複数の番組データの記憶を効率的に行うことができ、これにより処理の簡単化及び短時間化を図ることができるとともに、電池寿命を長くすることができる。さらに、受信開始時刻への到達に伴って受信した受信周波数や受信時刻を表示させるようにしたことから、任意の時点で情報を表示させた際、当該情報がどの時点でどこから送信されたものであるかを知らしめることができる。
【0060】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の形態を示す車載用のナビゲーション装置のブロック図である。
【図2】(A)は、RAMに記憶される番組識別データの構成を示す説明図、(B)は、番組識別データにおける伝送モードの種類の一例を示す説明図である。
【図3】同ナビゲーション装置におけるCPUの制御動作を示すフローチャートである。
【図4】同ナビゲーション装置におけるCPUの他の制御動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示すCPUの制御動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態における多重メニュー画面を示す図である。
【図7】同実施の形態におけるプリセット一覧画面を示す図である。
【図8】同実施の形態におけるチャンネル目次画面を示す図である。
【図9】同実施の形態におけるメイン目次画面を示す図である。
【図10】同実施の形態における多重番組画面を示す図である。
【図11】同実施の形態におけるダイレクト番組一覧画面を示す図である。
【図12】同実施の形態におけるチューニング画面を示す図である。
【図13】同実施の形態における他のメイン目次画面を示す図である。
【図14】同実施の形態における他の多重番組画面を示す図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態を示す多重放送受信装置のブロック図である。
【図16】同多重放送受信装置における制御部の制御動作を示すフローチャートである。
【図17】同装置における制御部の他の制御動作を示すフローチャートである。
【図18】同装置における制御部の他の制御動作を示すフローチャートである。
【図19】表示状態の一例を示す図である。
【図20】表示状態の一例を示す図である。
【図21】表示状態の一例を示す図である。
【図22】本発明の第4の実施の形態におけるRAMのメモリ構成の一部を示す図である。
【図23】(A)はRAMのプリセットメモリの構成を示す図、(B)はプリセット内容の周波数によるソートの処理内容を示す図である。
【図24】タイマー受信時における制御部の制御動作を示すフローチャートである。
【図25】タイマー受信情報の呼び出し時における制御部の制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
4 CPU
5 ROM
6 RAM
12 モニタ
16 FM多重部
17 キー入力部
20 制御部
22 キー入力部
23 表示部
25 RAM
Claims (9)
- 受信すべき多重放送電波の周波数を選択する周波数選択手段と、
前記周波数選択手段により選択された周波数の多重放送電波を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された多重放送電波の中から取得可能な複数の番組を示す番組索引情報を、該多重放送電波より取得する番組索引取得手段と、
前記番組索引取得手段により取得された番組索引情報で示される複数の番組の中から記憶または表示すべき番組データが含まれる番組を選択する番組選択手段と、
前記番組選択手段により選択された番組の番組データを、受信中の多重放送電波の中から選択的に取得して記憶または表示する番組情報取得手段と、
前記番組選択手段により番組が選択された状態において登録を指示する登録指示手段と、
前記登録指示手段による登録が指示された場合に、前記受信手段により受信されている周波数と前記番組選択手段により選択されている番組の番組番号との組を選択番組識別情報として登録する選択情報登録手段と、
前記選択情報登録手段により登録されている選択番組識別情報が指定された場合に、該選択番組識別情報が示す周波数の多重放送電波を前記受信手段により選択的に受信させるとともに、該選択番組識別情報が示す番組の番組データを前記番組情報取得手段により選択的に取得させて記憶または表示させる直接取得手段と、
を備えたことを特徴とする多重放送受信装置。 -
前記番組選択手段は、階層構造をなす複数の番組の中から記憶または表示すべき情報が含まれる番組を選択することを特徴とする請求項1記載の多重放送受信装置。 -
前記番組選択手段は、前記階層中のサブメニュー番組を含むことを特徴とする請求項2記載の多重放送受信装置。 -
前記選択情報登録手段は、前記階層中のサブメニュー番組を構成する複数の番組名が表示されている状態において、前記登録を指示する操作が行われることにより、前記サブメニュー番組を構成する複数の番組名の何れかの番組を示す選択番組識別情報を前記選択番組識別情報として登録することを特徴とする請求項3記載の多重放送受信装置。 -
前記番組情報取得手段により取得された番組データを記憶するデータ記憶手段を更に有し、
前記直接取得手段は、このデータ記憶手段に記憶された番組データを表示させるとともに、前記選択情報登録手段に登録されている選択番組識別情報が示す番組の番組データを他の番組の番組データより優先して、前記データ記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項1記載の多重放送受信装置。 - 前記番組選択手段は、前記番組索引取得手段により取得される番組索引情報に基づき、前記記憶または表示すべき番組データが含まれる番組が放送中であるか否かを判別し、放送中でない場合にはその旨を表示させることを特徴とする請求項1記載の多重放送受信装置。
- 前記番組情報取得手段により取得された番組データを記憶するデータ記憶手段と、
前記番組データの受信開始時刻を設定する時刻設定手段と、
現在時刻が前記受信開始時刻となった時、前記選択情報登録手段に登録されている前記選択番組識別情報が示す周波数の多重放送電波を前記受信手段により選択的に受信させるとともに、該選択番組識別情報が示す番組の番組データを前記番組情報取得手段により選択的に取得させて前記データ記憶手段に記憶させる受信制御手段と、
所定の操作に応じて、前記受信制御手段により前記データ記憶手段に記憶されている番組データを前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を具備したことを特徴とする請求項1記載の多重放送受信装置。 -
前記所定の操作は、前記番組選択手段による番組の選択操作であることを特徴とする請求項7記載の多重放送受信装置。 - 前記番組情報取得手段により取得された番組データを記憶するデータ記憶手段を更に備え、
前記番組情報取得手段は、前記選択情報登録手段に記憶された複数の番組の選択番組識別情報の中に同一の受信周波数の選択番組識別情報がある場合、前記受信手段が前記周波数の多重放送電波を受信した状態において、各選択番組識別情報が示す全ての番組データを前記データ記憶手段に記憶させる処理を実行することを特徴とする請求項1記載の多重放送受信装置。
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