JP3812006B2 - 多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は,多層プリント配線板の製造方法に関し,特にスルーホールのランド部の形成技術に関する。
【0002】
【従来技術】
従来,多層プリント配線板としては,例えば,図12に示すごとく,多層基板96の内部には内層パターン93を設け,その最外層には外層パターン92を設けて,両者の間を,スルーホール902の内壁を被覆する導電被膜903により導通させるものがある。外層パターン92は,スルーホール902の開口部付近に,導電被膜903と接続するランド部926を有する。
多層プリント配線板97の略中央には,電子部品を搭載するための搭載穴901を設けている。搭載穴901の内部には,内層パターン93と接続するボンディングパッド931が露出している。
【0003】
上記多層プリント配線板の製造方法について説明する。
まず,図13に示すごとく,基板961〜964に内層パターン93及び外層パターン92を形成するとともに,搭載穴形成用の開口穴905〜908を穿設する。次いで,これらの基板961〜964を積層,圧着して,階段状に開口した搭載穴901を有する多層基板96を得る。
【0004】
次いで,図14に示すごとく,多層基板96にスルーホール902をドリル等を用いて穴明けする。これにより,スルーホール902の周囲にランド部926が形成される。
次いで,図15に示すごとく,多層基板96の表面全体に化学めっき薄層922を形成する。次いで,多層基板96の最外層に,外層パターン未形成部分を被覆するとともに搭載穴901の開口部を閉塞するレジスト膜99を形成する。
【0005】
次いで,図16,図17に示すごとく,多層基板96に電気めっき層923を形成する。これにより,スルーホール902の内壁に導電被膜903が形成される。
次いで,レジスト膜99を剥離する。その後,外層パターン未形成部分及び搭載穴901の内部に形成された化学めっき薄層922をエッチングにより除去する。
以上により,上記多層プリント配線板97が得られる。
【0006】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来の多層プリント配線板においては,以下の問題がある。
即ち,図18に示すごとく,外層パターン92のランド部926が小さくスルーホール902の穴径との差が小さい場合に,スルーホールの穴明けの際に,実際の穴明け位置902bが設計位置902aからわずかにズレた場合にも,スルーホール902がランド部926からはみ出してしまう場合がある。しいては,穴明けのズレ方向に位置する外層パターン92(設計位置902aの左側の外層パターン)が打ち抜かれてしまうこともある。
【0007】
また,図19に示すごとく,レジスト膜99の形成位置にズレが生じることがある。この場合,外層パターンの所望の設計位置に電気めっき層を形成することができない。そのため,外層パターンの設計位置と,実際に形成された外層パターンとの間に,ズレが生じることがある。
【0008】
また,ランド部92とレジスト膜99との間に位置ズレが生じた場合には,図19に示すごとく,レジスト膜99の開口部の終端が,多層基板6から浮き上がり,レジスト膜99と多層基板96との間に隙間991が生じる場合がある。そのため,その隙間991からめっき液が浸入して,外層パターン92の外周部920にも電気めっきパターン層923が付着してしまうことがある。しいては,外層パターンの外周部920に付着した電気めっきパターン層923が,外層パターン間でのショートを発生させる原因にもなる。
【0009】
また,図20に示すごとく,レジスト膜99がスルーホール902の開口部を覆い,スルーホール902の内壁に均一に電気めっき層923を形成することができない場合がある。
【0010】
このように,従来の多層プリント配線板の製造方法においては,小面積のランド部に対して,穴明け用のドリルの位置合わせ,レジスト膜の位置合わせを行わなければならない。そのため,スルーホール902とランド部926との間に位置ズレが生じやすい。
近年,多層プリント配線板の高密度実装化が望まれる中,スルーホールのランド部の小面積化が進んでいる。そのため,スルーホールとランド部との位置関係の精度の向上が,より望まれている。
【0011】
本発明はかかる従来の問題点に鑑み,スルーホールと外層パターンのランド部との位置精度を高めることができる,多層プリント配線板の製造方法を提供しようとするものである。
【0012】
【課題の解決手段】
請求項1の発明は,多層基板の内部に設けた内層パターンと多層基板の最外層に設けた外層パターンとの電気的導通を行うスルーホールを有するとともに,電子部品を搭載するための搭載穴であって,該搭載穴の内部には上記内層パターンの一部が露出してなる多層プリント配線板を製造する方法において,
まず,内層パターン及び該内層パターンの一部を露出させた搭載穴を有する多層基板を形成するとともに該多層基板の最外層の全体に外層パターン形成用の導電層を形成し,次いで,上記多層基板にスルーホールを穴明けし,次いで,上記スルーホールの内壁及び電子部品を搭載するための搭載穴の内部を含めて上記多層基板の全体に,化学めっき薄層を形成し,次いで,上記搭載穴の開口部を閉塞するとともに上記最外層におけるパターン未形成部分を被覆するアディティブ型レジスト膜を形成し,次いで,上記スルーホールの内壁,及び上記最外層におけるアディティブ型レジスト膜の未形成部分に,電気めっきパターン層を形成し,次いで,上記電気めっきパターン層の上に半田めっき層を形成し,次いで,上記アディティブ型レジスト膜を剥離し,次いで,上記搭載穴の開口部を閉塞用レジスト膜で閉塞し,次いで,上記閉塞用レジスト膜及び半田めっき層の未形成部分から露出した化学めっき薄層及び導電層をエッチングして,外層パターンを形成し,次いで,上記半田めっき層を剥離し,次いで,上記閉塞用レジスト膜を剥離し,その後,上記搭載穴の内部に形成した化学めっき薄層のエッチングを行うことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法である。
【0013】
本発明において最も注目すべきことは,外層パターンを形成する前にスルーホールを穴明けすること,アディティブ型レジスト膜により,搭載穴の開口部を閉塞するとともに外層パターン未形成部分を被覆することである。
【0014】
次に,請求項1の発明の作用及び効果について説明する。
アディティブ型レジスト膜は,多層基板の最外層に,外層パターンの未形成部分を被覆するように形成する。そのため,この状態で電気めっきを行うと,アディティブ型レジスト膜から露出した外層パターン形成部分に電気めっきパターン層が形成される。これにより,多層基板の最外層に外層パターンが形成される。
【0015】
また,アディティブ型レジスト膜は搭載穴の開口部を閉塞するため,搭載穴の内部がめっき液により汚染されることはない。
一方,アディティブ型レジスト膜はスルーホールの開口部には形成されないため,スルーホールの内壁には電気めっきパターン層が形成され,内層パターンと外層パターンとの導通を図ることができる。
【0016】
また,本発明においては,スルーホールの穴明けを行った後に,外層パターンを形成している。外層パターンは,アディティブ型レジスト膜の未形成部分に,電気めっきパターン層を形成することによって形成される。そのため,外層パターンの形成位置は,上記アディティブ型レジスト膜の形成位置によって定まることとなる。
【0017】
それ故,多層基板の位置決め操作は,アディティブ型レジスト膜について行えばよい。また,位置決め回数が少なく,外層パターンの位置に誤差が生じる幅はせまい。
従って,本発明によれば,スルーホールと,外層パターンにおけるスルーホールの近傍に位置するランド部との位置精度を向上させることができ,両者間の電気的導通を確保することができる。更に,外層パターン間に不必要な電気めっきパターン層が付着することもなく,外層パターン間でのショートを防止することができる。
【0018】
また,電気めっきパターン層の上には,半田めっき層が形成される。この状態で,半田めっき層から露出した化学めっき薄層及び導電層のエッチングを行うと,外層パターン及びスルーホールの内壁は,半田めっき層により保護されているため,エッチングされないでそのまま残る。
【0019】
また,半田めっき層により,スルーホールの内壁及び最外層の外層パターン形成部分に形成した電気めっきパターン層を被覆している。半田めっき層は,微細な部分にまで均一に確実に形成される。そのため,化学めっき薄層及び導電層のエッチングの際に,スルーホールの内壁に確実に導電被膜を残すことができ,正確な位置に外層パターンを形成することができる。
【0020】
また,このエッチングの際には,搭載穴を閉塞用レジスト膜により閉塞している。これにより,搭載穴の内部へのエッチング液の浸入を防止して,搭載穴の内部に形成されている内層パターンを保護することができる。
また,電気めっきパターン層を形成する前に,化学めっき薄層を形成しているため,電気めっきパターン層の形成状態が良い。
【0021】
次に,請求項2の発明は,多層基板の内部に設けた内層パターンと多層基板の最外層に設けた外層パターンとの電気的導通を行うスルーホールを有するとともに,電子部品を搭載するための搭載穴であって,該搭載穴の内部には上記内層パターンの一部が露出してなる多層プリント配線板を製造する方法において,
まず,内層パターン及び該内層パターンの一部を露出させた搭載穴を有する多層基板を形成するとともに該多層基板の最外層の全体に外層パターン形成用の導電層を形成し,次いで,上記多層基板にスルーホールを穴明けし,次いで,上記スルーホールの内壁及び電子部品を搭載するための搭載穴の内部を含めて上記多層基板の全体に,化学めっき薄層を形成し,次いで,上記搭載穴の開口部に,該搭載穴を閉塞する閉塞用レジスト膜を形成し,次いで,上記スルーホールの内壁及び上記最外層における閉塞用レジスト膜の未形成部分に,電気めっきパターン層を形成し,次いで,上記閉塞用レジスト膜を剥離し,次いで,上記最外層に,該最外層における外層パターン形成部分を被覆するとともに上記搭載穴の開口部及びスルーホールの開口部を閉塞するサブトラクティブ型レジスト膜を形成し,次いで,上記サブトラクティブ型レジスト膜から露出した電気めっきパターン層,化学めっき薄層及び導電層をエッチングして,外層パターンを形成し,次いで,上記サブトラクティブ型レジスト膜を剥離し,その後,上記搭載穴の内部に形成した化学めっき薄層のエッチングを行うことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法である。
【0022】
請求項2の発明は,多層基板の最外層に外層パターンを形成する前にスルーホールを穴明けする点については,請求項1の発明と同じである。
一方,請求項2の発明は,サブトラクティブ型レジスト膜を用いて外層パターンを形成する点が,アディティブ型レジスト膜を用いて外層パターンを形成する請求項1の発明と相違する。
【0023】
次に,請求項2の発明の作用及び効果について説明する。
サブトラクティブ型レジスト膜は,電気めっきパターン層の上に,外層パターン形成部分を被覆するように形成する。そのため,この状態で電気めっきパターン層,化学めっき薄層及び導電層のエッチングを行うと,サブトラクティブ型レジスト膜から露出した外層パターン未形成部分が除去されて,外層パターンの形成部分は残る。これにより,多層基板の最外層に外層パターンが形成される。
【0024】
また,サブトラクティブ型レジスト膜はスルーホール及び搭載穴の開口部を閉塞するため,スルーホールの内壁に形成した電気めっきパターン層はエッチングされずに残り,また搭載穴の内部がめっき液により汚染されることはない。
【0025】
また,外層パターンの形成位置は,サブトラクティブ型レジスト膜の形成位置によって定まることとなる。それ故,多層基板の位置決め操作は,サブトラクティブ型レジスト膜について行えばよい。従って,請求項1の発明と同様に,スルーホールとランド部との位置精度を向上させることができ,外層パターン間のショートも防止できる。
【0026】
また,電気めっきパターン層を形成する際には,閉塞用レジスト膜により搭載穴の開口部を閉塞している。これにより,搭載穴の内部へのめっき液の浸入を防止して,搭載穴の内部を保護することができる。
【0027】
更に,請求項2の発明は,請求項1の発明における半田めっき層の形成工程がない。そのため,請求項1の発明に比べて,少ない製造工程で,安価に大量の多層プリント配線板を製造することができる。
【0028】
なお,本願において,外層パターンは,スルーホールの周囲に形成するランド部を始め,半田ボール接合用のパッド部,ボンディングワイヤーを接合するボンディングパッド部,信号用,電源用,接地用等,多種多用のパターンをいう。また,内層パターンも同様である。
【0029】
【発明の実施の形態】
実施形態例1
本発明の実施形態例にかかる多層プリント配線板の製造方法について,図1〜図7を用いて説明する。
本例は,図7に示すごとく,電子部品を搭載する搭載穴601,及び内層パターン3と外層パターン2との電気的導通を行うスルーホール602を有する多層プリント配線板7を製造する方法である。
【0030】
この多層プリント配線板の製造方法の概要を説明すると,スルーホール602を穴明けする(図1,図2)。次いで,多層基板6の全体に化学めっき薄層22を形成する(図3)。次いで,多層基板6の最外層にアディティブ型レジスト膜11を形成してその未形成部分に電気めっきパターン層23及び半田めっき層24を形成して外層パターン2及び,スルーホール602の内壁を覆う導電被膜603を形成する(図3,図4)。
【0031】
次いで,アディティブ型レジスト膜11を閉塞用レジスト膜12に取り替えて,半田めっき層24及び閉塞用レジスト膜12から露出した化学めっき薄層22及び導電層21をエッチングする(図5,図6)。その後,半田めっき層24及び閉塞用レジスト膜12を剥離する。搭載穴601の内部に残る化学めっき薄層22をエッチングにより除去する(図7)。
【0032】
次に,これを詳細に説明する。
まず,図1に示すごとく,樹脂製の基板61〜64を準備する。多層基板の最外層となる基板61,64の表面の全体に導電層21を形成する。この導電層21は,銅箔である。また,多層基板の内層となる基板61〜63の表面に,内層パターン形成用のレジスト膜を形成し,銅箔をエッチングして内層パターン3を形成する。内層パターン3には,搭載穴601の内部に露出する部分にボンディングパッド部31を形成しておく。
そして,各基板61〜64に,搭載穴形成用の開口穴605〜608を穿設する。
【0033】
次いで,これらの基板61〜64を積層し,圧着して多層基板6を得るとともに,階段状に開口した搭載穴601を形成する。搭載穴601の内部には,内層パターン3の一部であるボンディングパッド部31を露出させる。
【0034】
次いで,図2に示すごとく,多層基板6にドリル等を用いてスルーホール602を穴明けする。
次いで,図3に示すごとく,スルーホール602の内壁及び搭載穴601の内部を含めて多層基板6の全体に,化学めっき薄層22を形成する。化学めっき薄層22は,銅化学めっき液に多層基板を浸漬して銅被膜を析出させたものであり,その厚みは2μmである。
【0035】
次いで,多層基板9の最外層にアディティブ型レジスト膜11を形成して,搭載穴601の開口部を閉塞するとともに最外層におけるパターン未形成部分を被覆する。アディティブ型レジスト膜11は,多層基板6の最外層全面に光硬化性樹脂フィルムを貼り付け,マスクフィルムを用いて露光し,現像することにより形成する。
【0036】
次いで,図4に示すごとく,スルーホール602の内壁,及び多層基板6の最外層におけるアディティブ型レジスト膜11の未形成部分に,電気めっきパターン層23を形成する。電気めっきパターン層23は,通電しながら銅電解めっき液に多層基板を浸漬して銅被膜を化学めっき薄層22上に析出させたものであり,その厚みは25μmである。
【0037】
次いで,電気めっきパターン層23の上に,厚み5μmの半田めっき層24を形成する。半田めっき層24は,通電しながら半田電解めっき液に多層基板を浸漬することにより形成する。
次いで,アディティブ型レジスト膜11を,化学的に溶解することにより剥離する。
【0038】
次いで,図5に示すごとく,搭載穴601の開口部を閉塞用レジスト膜12で閉塞する。閉塞用レジスト膜12は,上記アディティブ型レジスト膜11の形成方法と同様の方法により形成する。
次いで,閉塞用レジスト膜12の未形成部分から露出した化学めっき薄層22及び導電層21をエッチングする。このとき,スルーホール602の内壁に形成された電気めっきパターン層23は,半田めっき層24により保護されているため,エッチングされない。
【0039】
次いで,図6に示すごとく,半田めっき層24を,半田剥離液により溶解除去することにより剥離する。これにより,多層基板6の最外層には導電層21,化学めっき薄層22及び電気めっきパターン層23からなる外層パターン2が,またスルーホール602の内壁には化学めっき薄層22及び電気めっきパターン層23からなる導電被膜603が形成される。
【0040】
次いで,閉塞用レジスト膜12を,化学的に溶解することにより剥離する。
次いで,搭載穴601の内部に形成した化学めっき薄層22のエッチングを行う。
その後,多層基板6の最外層には放熱板5を接着して,搭載穴601の一方の開口部を被覆する。
以上により,多層プリント配線板7を得る。
【0041】
次に,本例の作用及び効果について説明する。
図3に示すごとく,アディティブ型レジスト膜11は,多層基板6の最外層に,外層パターンの未形成部分を被覆するように形成する。そのため,この状態で電気めっきを行うと,図4に示すごとく,アディティブ型レジスト膜11から露出した外層パターン形成部分に電気めっきパターン層23が形成される。これにより,多層基板6の最外層に外層パターン2が形成される。
【0042】
また,アディティブ型レジスト膜11は搭載穴601の開口部を閉塞するため,搭載穴601の内部がめっき液により汚染されることはない。
一方,アディティブ型レジスト膜11はスルーホール602の開口部には形成されないため,スルーホール602の内壁には電気めっきパターン層23が形成され,内層パターン3と外層パターン2との導通を図ることができる。
【0043】
また,スルーホール602の穴明けを行った後に,外層パターン2を形成している。外層パターン2は,アディティブ型レジスト膜11の未形成部分に,電気めっきパターン層23を形成することによって形成される。そのため,外層パターンの形成位置は,アディティブ型レジスト膜11の形成位置によって定まることとなる。
【0044】
それ故,多層基板の位置決め操作は,アディティブ型レジスト膜について行えばよい。また,位置決め回数が少なく,外層パターンの位置に誤差が生じる幅はせまい。
従って,本例によれば,スルーホール602と,外層パターン2におけるスルーホール602の近傍に位置するランド部26との位置精度を向上させることができ,スルーホール602とランド部26との電気的導通を確保できる。
更に,外層パターン2のランド部26間にめっき液が浸入しないため,外層パターンの設計位置以外に電気めっきパターン層が形成されることもなく,外層パターン2間でのショートといった不良の発生を抑制することができる。
【0045】
また,電気めっきパターン層23の上には,半田めっき層24が形成される。図5に示すごとく,この状態で,半田めっき層24から露出した化学めっき薄層22及び導電層21のエッチングを行うと,外層パターン2及びスルーホール602の内壁は,半田めっき層24により保護されているため,エッチングされないでそのまま残る。
【0046】
また,半田めっき層24により,スルーホール602の内壁及び最外層の外層パターン形成部分に形成した電気めっきパターン層23を被覆している。半田めっき層24は,微細な部分にまで均一に確実に形成される。そのため,化学めっき薄層22及び導電層21のエッチングの際に,スルーホールの内壁に確実に導電被膜を残すことができ,最外層には正確な位置に外層パターンを形成することができる。
【0047】
また,このエッチングの際には,搭載穴601を閉塞用レジスト膜12により閉塞している。そのため,搭載穴601の内部へのエッチング液の浸入を防止して,搭載穴601の内部に形成されている内層パターン3を保護することができる。
また,図3,図4に示すごとく,電気めっきパターン層23を形成する前に,化学めっき薄層22を形成しているため,電気めっきパターン層23の形成状態が良い。
【0048】
実施形態例2
本例においては,図8〜図11に示すごとく,搭載穴601を除いて多層基板6の全体に電気めっきパターン層23を形成した後に,サブトラクティブ型レジスト膜13により外層パターン未形成部分のエッチングを行うことにより外層パターン2を形成している点が,実施形態例1と相違する。
【0049】
即ち,まず,実施形態例1と同様に多層基板6にスルーホール602の穴明け,多層基板6の全体に化学めっき薄層22の形成を行う(図1,図2参照)。
次いで,図8に示すごとく,搭載穴601の開口部に,搭載穴601を閉塞する閉塞用レジスト膜12を形成する。
【0050】
次いで,図9に示すごとく,スルーホール602の内壁及び多層基板6の最外層における閉塞用レジスト膜12の未形成部分に,電気めっきパターン層23を形成する。
次いで,閉塞用レジスト膜12を剥離する。
【0051】
次いで,図10に示すごとく,多層基板6の最外層にサブトラクティブ型レジスト膜13を形成して,最外層における外層パターン形成部分を被覆するとともに搭載穴601の開口部及びスルーホール602の開口部を閉塞する。
【0052】
次いで,図11に示すごとく,サブトラクティブ型レジスト膜13から露出した電気めっきパターン層23,化学めっき薄層22及び導電層21をエッチングして,外層パターン2を形成する。
次いで,サブトラクティブ型レジスト膜13を剥離する。
その後,搭載穴601の内部に形成した化学めっき薄層22のエッチングを行う。
以上により,多層プリント配線板(図7参照)を得る。
【0053】
次に,本例の作用及び効果について説明する。
図10に示すごとく,サブトラクティブ型レジスト膜13は,搭載穴601を除く多層基板6の全体に形成した電気めっきパターン層23の上に,外層パターン形成部分を被覆するように形成する。
【0054】
そのため,図11に示すごとく,この状態で電気めっきパターン層23,化学めっき薄層22及び導電層21のエッチングを行うと,サブトラクティブ型レジスト膜13から露出した外層パターン未形成部分が除去されて,外層パターン形成部分は残る。これにより,多層基板6の最外層に外層パターン2が形成される。
【0055】
また,サブトラクティブ型レジスト膜13はスルーホール602及び搭載穴601の開口部を閉塞するため,スルーホール602の内壁に形成した電気めっきパターン層23はエッチングされずに残り,また搭載穴601の内部がめっき液により汚染されることはない。
【0056】
また,外層パターンの形成位置は,サブトラクティブ型レジスト膜13の形成位置によって定まることとなる。それ故,多層基板の位置決め操作は,サブトラクティブ型レジスト膜について行えばよい。従って,実施形態例1と同様に,スルーホール602と,外層パターンにおけるスルーホールの近傍に位置するランド部26との位置精度を向上させることができる。
【0057】
また,図9に示すごとく,電気めっきパターン層23を形成する際には,閉塞用レジスト膜12により搭載穴601の開口部を閉塞している。これにより,搭載穴601の内部へのめっき液の浸入を防止して,搭載穴の内部を保護することができる。
【0058】
更に,本例においては,実施形態例1のような半田めっき層の形成工程がない。そのため,実施形態例1に比べて,少ない製造工程で,安価に大量の多層プリント配線板を製造することができる。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば,スルーホールと外層パターンのランド部との位置精度を高めることができる,多層プリント配線板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1の多層プリント配線板の製造方法における,多層基板の断面図。
【図2】図1に続く,スルーホールを穴明けした多層基板の断面図。
【図3】図2に続く,化学めっき薄層及びアディティブ型レジスト膜を形成した多層基板の断面図。
【図4】図3に続く,電気めっきパターン層及び半田めっき層を形成した多層基板の断面図。
【図5】図4に続く,閉塞用レジスト膜を形成した多層基板の断面図。
【図6】図5に続く,外層パターン未形成部分の化学めっき薄層及び導電層を除去した多層基板の断面図。
【図7】実施形態例1における,多層プリント配線板の断面図。
【図8】実施形態例2の多層プリント配線板の製造方法における,化学めっき薄層及び閉塞用レジスト膜を形成した多層基板の断面図。
【図9】図8に続く,電気めっきパターン層を形成した多層基板の断面図。
【図10】図9に続く,サブトラクティブ型レジスト膜を形成した多層基板の断面図。
【図11】図10に続く,外層パターンを形成した多層基板の断面図。
【図12】従来例における,多層プリント配線板の断面図。
【図13】従来例の多層プリント配線板の製造方法における,多層基板の断面図。
【図14】図13に続く,スルーホールを穴明けした多層基板の断面図。
【図15】図14に続く,化学めっき薄層及びレジスト膜を形成した多層基板の断面図。
【図16】図15に続く,電気めっき層を形成した多層基板の断面図。
【図17】従来例における,スルーホール付近の電気めっきパターン層の形成位置を示す,多層基板の平面図(A),及び断面図(B)。
【図18】従来例における,スルーホールの穴明け位置にズレが生じた場合に生じる問題点を示す,多層基板の断面図。
【図19】従来例における,レジスト膜の形成位置にズレが生じた場合に生じる問題点を示す,多層基板の平面図(A),及び断面図(B)。
【図20】従来例における,レジスト膜の形成位置にズレが生じた場合に生じるもう一つの問題点を示す,多層基板の断面図。
【符号の説明】
11...アディティブ型レジスト膜,
12...閉塞用レジスト膜,
13...サブトラクティブ型レジスト膜,
2...外層パターン,
21...導電層,
22...化学めっき薄層,
23...電気めっきパターン層,
24...半田めっき層,
26...ランド部,
3...内層パターン,
6...多層基板,
601...搭載穴,
602...スルーホール,
603...導電被膜,
7...多層プリント配線板,
Claims (2)
- 多層基板の内部に設けた内層パターンと多層基板の最外層に設けた外層パターンとの電気的導通を行うスルーホールを有するとともに,電子部品を搭載するための搭載穴であって,該搭載穴の内部には上記内層パターンの一部が露出してなる多層プリント配線板を製造する方法において,
まず,内層パターン及び該内層パターンの一部を露出させた搭載穴を有する多層基板を形成するとともに該多層基板の最外層の全体に外層パターン形成用の導電層を形成し,
次いで,上記多層基板にスルーホールを穴明けし,
次いで,上記スルーホールの内壁及び電子部品を搭載するための搭載穴の内部を含めて上記多層基板の全体に,化学めっき薄層を形成し,
次いで,上記搭載穴の開口部を閉塞するとともに上記最外層におけるパターン未形成部分を被覆するアディティブ型レジスト膜を形成し,
次いで,上記スルーホールの内壁,及び上記最外層におけるアディティブ型レジスト膜の未形成部分に,電気めっきパターン層を形成し,
次いで,上記電気めっきパターン層の上に半田めっき層を形成し,
次いで,上記アディティブ型レジスト膜を剥離し,
次いで,上記搭載穴の開口部を閉塞用レジスト膜で閉塞し,
次いで,上記閉塞用レジスト膜及び半田めっき層の未形成部分から露出した化学めっき薄層及び導電層をエッチングして,外層パターンを形成し,
次いで,上記半田めっき層を剥離し,
次いで,上記閉塞用レジスト膜を剥離し,
その後,上記搭載穴の内部に形成した化学めっき薄層のエッチングを行うことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。 - 多層基板の内部に設けた内層パターンと多層基板の最外層に設けた外層パターンとの電気的導通を行うスルーホールを有するとともに,電子部品を搭載するための搭載穴であって,該搭載穴の内部には上記内層パターンの一部が露出してなる多層プリント配線板を製造する方法において,
まず,内層パターン及び該内層パターンの一部を露出させた搭載穴を有する多層基板を形成するとともに該多層基板の最外層の全体に外層パターン形成用の導電層を形成し,
次いで,上記多層基板にスルーホールを穴明けし,
次いで,上記スルーホールの内壁及び電子部品を搭載するための搭載穴の内部を含めて上記多層基板の全体に,化学めっき薄層を形成し,
次いで,上記搭載穴の開口部に,該搭載穴を閉塞する閉塞用レジスト膜を形成し,
次いで,上記スルーホールの内壁及び上記最外層における閉塞用レジスト膜の未形成部分に,電気めっきパターン層を形成し,
次いで,上記閉塞用レジスト膜を剥離し,
次いで,上記最外層に,該最外層における外層パターン形成部分を被覆するとともに上記搭載穴の開口部及びスルーホールの開口部を閉塞するサブトラクティブ型レジスト膜を形成し,
次いで,上記サブトラクティブ型レジスト膜から露出した電気めっきパターン層,化学めっき薄層及び導電層をエッチングして,外層パターンを形成し,
次いで,上記サブトラクティブ型レジスト膜を剥離し,
その後,上記搭載穴の内部に形成した化学めっき薄層のエッチングを行うことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26554496A JP3812006B2 (ja) | 1996-09-12 | 1996-09-12 | 多層プリント配線板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP26554496A JP3812006B2 (ja) | 1996-09-12 | 1996-09-12 | 多層プリント配線板の製造方法 |
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JPH1093243A JPH1093243A (ja) | 1998-04-10 |
JP3812006B2 true JP3812006B2 (ja) | 2006-08-23 |
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ID=17418601
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP26554496A Expired - Lifetime JP3812006B2 (ja) | 1996-09-12 | 1996-09-12 | 多層プリント配線板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3812006B2 (ja) |
-
1996
- 1996-09-12 JP JP26554496A patent/JP3812006B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH1093243A (ja) | 1998-04-10 |
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