JP3811798B2 - 感光性平版印刷版用ポジ型感光性組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は感光性平版印刷版(以下PS版と称する)用ポジ型感光性組成物に関し、さらに詳しくは高感度で、耐アルコール性、インキ受理性、及び現像安定性に優れたPS版用ポジ型感光性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
o−キノンジアジド化合物は、活性光線が照射されると分解してインデンカルボン酸を生成してアルカリ水に可溶になることが知られている。従って、o−キノンジアジド化合物を含む感光性組成物は、一般にポジ原稿から正像の転写像を与える感光性組成物として平版印刷版やフォトレジスト等に広く用いられてきた。
従来、o−キノンジアジド化合物とノボラック樹脂からなる光可溶化組成物は、光重合反応あるいは光架橋反応を利用したネガ型感光性組成物に比べ感度が低く、そのため長い露光時間を必要とした。
【0003】
ポジ型フォトレジストとして最も典型的な組成物として「クレゾールホルムアルデヒドより成るノボラック樹脂/トリヒドロキシベンゾフェノンのo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル」の例が知られている。結合剤としてのノボラック樹脂は膨潤することなくアルカリ水溶液に溶解可能であり、また生成したポジパターンをエッチングのマスクとして使用する際に、特にプラズマエッチングに対して高い耐性を有するが故にこれらのポジ型フォトレジストはIC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造に使われてきた。ところが近年集積回路はその集積度を高めており、超LSIなどの半導体基板の製造においては1μm以下の線幅からなる超微細加工をするために高解像を有し、露光マスクの形状を正確に写し取る高いパターン形状再現精度及び高生産性の観点から高感度を有するフォトレジストが要求された。またそのレジストパターンはドライエッチングの際にレジストの温度が上昇するため、熱変形等を起こさないようにレジストには高い耐熱性が要求された。これらの超微細加工用のポジ型フォトレジストへの要求を満足させるためにノボラック樹脂の構造、分子量分布、多種のポリヒドロキシフェニル化合物のo−ナフトキノンジアジド−4(5)−スルホン酸エステル及び低分子量のフェノール化合物の添加等が検討されている。
【0004】
例えば、特開平5−34912号公報には十分なフォーカス許容性を備えたポジ型フォトレジスト(以下ポジ型レジストと称する)を実現するために「m−クレゾール、p−クレゾール、2,3,5−トリメチルフェノールとホルムアルデヒドより成るノボラック樹脂/2−フェニル−4′,5,7−トリヒドロキシフラバノン(0.1モル)とo−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(0.25モル)のエステル/溶解促進剤として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン/溶剤として2−ヒドロキシプロピオン酸エチル」からなるポジ型レジストが提案されている。
しかし、これらのポジ型レジストをPS版用ポジ型感光性組成物として使用してもその要求性能が異なるため、ポジ画像は出来るが高性能な平版印刷版としての用を成さない。
【0005】
ポジ型PS版とは、一般に親水性支持体上に露光により可溶化し、インキ受理性を有する感光層を形成したものである(平版印刷版用ポジ型感光性組成物を親水性支持体上に塗設したものである)。この感光層に画像露光を行った後、アルカリ水で露光部を溶出除去すると画像が形成される。印刷においては、画像部が親油性で非画像部が親水性であるという性質上の差が利用される。
【0006】
印刷物の高品質化と需要拡大に伴い平版オフセット印刷において、高速化と自動化が進められた。これに対応するため、湿し水給水方式はイソプロピルアルコール(以下IPAと称する)を湿し水に5〜15v/v%添加して使用する連続給水方式が普及した。近年IPAの使用は、労働安全衛生法や消防法の規制を受け、また印刷資材の経費を増大させるので、IPAの添加量を減少させるべく、様々なアプローチが成されている。またIPAの代替にはプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の低毒性の有機溶剤を湿し水に0.1〜10重量%添加して使用することが特公平7−85947号公報に記載されている。これらの有機溶剤は水に良く混ざり、動的な表面張力を低下させる点でIPAと類似した性質を有するが、ノボラック樹脂等の極性基を有する有機化合物を溶解する能力は強くIPAの数倍と考えられる。また、トンボをきるためにボールペンが使用されているが、このボールペンに使用されるインキの溶剤、プレートクリーナーに含まれる界面活性剤等にポジ型PS版の画像部が侵される危険性がある。従って、今後益々ポジ型PS版の感光層には耐アルコール性(以下耐IPA性をもって代表する)が要求される。
【0007】
平版印刷版用ポジ型感光性組成物としては、高感度、耐アルコール性及び耐刷性等を向上する目的で多種類の提案が行われている。
例えば、米国特許第3046120号明細書に「ノボラック樹脂/ノボラック樹脂が有するOH基のo−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル」、特公昭43−28403号公報に「ノボラック樹脂/アセトンとピロガロールの重縮合により得られたポリヒドロキシフェニル(ピロガロール−アセトン樹脂)のo−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル」、特公昭60−53301号公報に「ノボラック樹脂/ハロゲン化ポリ−p−ヒドロキシフチレンのo−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル」等が記載されている。
【0008】
これらの平版印刷版用ポジ型感光性組成物をポジ型PS版の感光層に使用すると平版印刷版として一応の性能は得られるが、高感度化するためにノボラック樹脂の分子量を低下させたり、ノボラック樹脂の代わりにポリヒドロキシスチレン、ピロガロール−アセトン樹脂等のアルカリ溶解性の良い樹脂を使用すると、耐アルコール性、インキ受理性、現像安定性等が低下する。また、特公昭56−30850号公報、特開昭60−150047号公報には、第三成分として環状酸無水物やビスフェノールAを添加してPS版用ポジ型感光性組成物の感度を高める方法が記載されている。これらの第三成分を添加すると感度は上がるが現像安定性及び耐アルコール性が著しく低下する。
【0009】
特公昭50−5083号、特公昭56−35854号公報には、ポジ型PS版の画像部のインキ受理性を向上する目的でt−ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂や、これらの樹脂のo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルをPS版用ポジ型感光性組成物に少量添加する方法(感脂化剤の添加)等が記載されている。
これら感脂化剤の添加はポジ型PS版のインキ受理性を抜群に良くするが、親水性支持体上にロールコーターを用いて塗布した場合レベリング性が悪くなり塗布表面に筋むら、濃淡むらが発生する欠点がある。
【0010】
ポジ型PS版は露光部が現像工程で除去されるため、ポジ原稿フィルムを密着して紫外線照射後現像されると、ポジ原稿フィルムに付着したゴミや汚れ、あるいは張り込み原稿フィルムのフィルムエッジ部等が露光不足になるため残りやすく必ず検版消去工程が必要である。この検版をし易くするために感光層には着色系統の色素が混入されている。
PS版のポジ型感光性組成物の感度を上げるために低分子のフェノール化合物やカルボン酸化合物を添加したときなど、その組成物がアルカリ可溶性のバランスを崩した場合に露光、現像後のポジ型PS版の非画像部に色素残りが発生し、ひどい場合には地汚れの発生の原因にもなっていた。
【0011】
更に、高性能なポジ型PS版は真空密着時間の短縮のため感光層の上にマット加工を施している。PS版をフィルム原版と重ねて焼枠に入れ、内部を減圧にしていくとフィルム原版とPS版の周りにあった空気が排出され、両者は互いに密着するはずであるが、密着がPS版の周辺部から始まるので、両者の間の中心部の空気が封じ込められて抜け難くなり、その結果、残存空気を抜いてPS版の感光層全面にフィルム原版を完全に密着させるには長い時間を必要としていた。また特に高感度のポジ型PS版は、露光の際感光層に含まれるジアゾニウム化合物が光分解して窒素を多量に発生させる。この窒素ガスの抜け道を作ってやらないと、感光層とフィルム原版の間にガスが滞留することになり、密着不良が発生しボケの原因になっている。
特公昭61−28988号公報、特開昭63−221347号公報等には感光層の表面をマット化して真空密着性を改善することが記載されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は高感度で、耐アルコール性、インキ受理性、及び現像安定性に優れた高性能なPS版用ポジ型感光性組成物を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、かかる課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、アルカリ可溶性樹脂とポリヒドロキシフラボノール化合物(Polyoxyflavonoles) のo−ナフトキノンジアジド−スルホン酸エステル(第1のo−キノンジアジド化合物)からなるポジ型感光性組成物がシクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、多価アルコールのモノ及び/又はジアルキルエーテルを含有する有機溶剤に溶解し、この組成物の感光層を塗設したPS版の画像部が抜群の耐アルコール性とインキ受理性を有することを見いだした。この知見を基本にして上記組成に臭素化ポリヒドロキシスチレンのo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル(第2のo−キノンジアジド化合物)を加えることにより上記課題を満足させる本発明のPS版用ポジ型感光性組成物を完成させるに至った。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
まずポリヒドロキシフラボノール化合物のo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルについて説明する。フラボノール化合物(Flavonoles)は以下の化学構造式を基本とする。
【化1】
Figure 0003811798
【0015】
ポリヒドロキシフラボノール化合物には、5,7,4−Trioxyflavonole (ケムフェロール)、7,3′,4′,5′−Tetraoxyflavonole (ロビネチン).5,7,2′,4′−Tetraoxyflavonole (モリン)、5,7,3′,4′−Tetraoxyflavonole (クェルセチン、以下ケルセチンと称する)、5,6,7,3′,4′−Pentaoxyflavonole (クェルセタチゲン)、5,7,8,3′,4′−Pentaoxyflavonole (ゴッシペチン)等がある。本発明に用いる第1のo−キノンジアジド化合物は、これらのポリヒドロキシフラボノール化合物が有する水酸基をo−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド及び/又はo−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロリドを65〜100%エステル化したものである。エステル化率が65%以下では現像安定性が低下してくる。好ましくは75%以上エステル化したものが良い。
【0016】
これらのポリヒドロキシフラボノール化合物のo−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルは、一般にPS版用ポジ型感光性組成物の塗布溶媒として使用されるエチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート(メチルセロソルブアセテート)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(エチルセロソルブアセテート)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル(メチルジグライム)、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、乳酸エチル、メチルエチルケトン等の有機溶剤にほとんど不溶である。しかし、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及び多価アルコールのモノ及び/又はジアルキルエーテル等には2〜10重量%以上溶解する。
【0017】
本発明に用いるアルカリ可溶性樹脂としては、この種の分野で使用されているものを用いることが出来るが、例えば、ノボラック樹脂、フェノール性水酸基を有するビニル系重合体(例えばp−ヒドロキシフェニルエチルメタクリレート共重合体、p−ヒドロキシスチレン共重合体等)、多価フェノールとアルデヒド又はケトンとの縮合樹脂、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミドとメタクリル酸メチルの共重合体等が挙げられる。またこれらの樹脂は併用することもできる。
【0018】
ノボラック樹脂としては、クレゾール/ホルムアルデヒド樹脂(例えばm−クレゾール/ホルムアルデヒド樹脂、m−,p−混合クレゾール/ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール及びm−又はp−アルキルフェノールとホルムアルデヒドとの縮合樹脂)、多価フェノールとケトンとの縮合樹脂としてはピロガロールとアセトンの重縮合により得られる樹脂(以下ピロガロール−アセトン樹脂と称する)を使用するのが良い。
これらのアルカリ可溶性樹脂は塗布性を考慮すると重量平均分子量が1500以上のものが好ましい。
【0019】
本発明の感光性組成物における上記アルカリ可溶性樹脂の占める割合は溶剤を除いた固形分の50〜90重量%、更に好ましくは60〜85重量%である。
更に本発明は、上記PS版用ポジ型感光性組成物の抜群の耐アルコール性、インキ受理性を維持して高感度、現像安定性を実現するために臭素化ポリヒドロキシスチレンのo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを加えたものである。
本発明に用いる第2のo−キノンジアジド化合物は、臭素化ポリ−p−ヒドロキシスチレンの有する水酸基をo−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリドで18〜35%エステル化したものである。
エステル化は18%以下では耐アルコール性が低下し、また、35%以上では感度が低下することから上記の範囲とした。
臭素化ポリ−p−ヒドロキシスチレンとしては、臭素化が芳香核1個当たり平均1.5で、重量平均分子量5000〜12000のものが好ましい。
【0020】
この臭素化ポリ−p−ヒドロキシスチレンのo−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルは、耐アルコール性はあるが、感度を上げるためには現像液に使用するアルカリ水溶液に溶解しやすいノボラック樹脂を2倍重量以上添加しなければならない。そうなるとこのo−キノンジアジド化合物を含むポジ型感光層は、30%IPA水溶液には耐えるがそれ以上の耐アルコール性には問題が発生していた。本発明はこれらの問題も解決し得るものである。
本発明のo−キノンジアジド化合物の感光性組成物に占める割合は、第1のo−キノンジアジド化合物が溶剤を除いた固形分の5〜25重量、第2のo−キノンジアジド化合物は5〜25重量%が好ましい。
その他必要ならば公知のo−キノンジアジド化合物を少量添加することが出来る。
【0021】
本発明のポジ型感光性組成物には、焼き出し剤として、露光により酸もしくは遊離基を生成する化合物を含有させることができる。例えば2,4−ビス−(トリクロロメチル)−6−p−メトキシフェニル−s−トリアジン.2,4−ビス−(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン.2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール等の化合物が挙げられる。
本発明の感光性組成物における上記露光により酸もしくは遊離基を生成する化合物の占める割合は溶剤を除いた固形分の0.2〜1.5重量%が好ましい。
【0022】
本発明のポジ型感光性組成物は、上記の露光により酸もしくは遊離基を生成する化合物と共に、酸もしくは遊離基と反応することによって色調を変える変色剤が含有される。このような変色剤としては、発色するものと褪色又は変色するものとの2種類があるがポジ型PS版としては褪色するものが好ましい。
例えばエチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ビクトリアピュアブル−BOH(保土ケ谷化学(株)製)、オイルブルー#603(オリエント化学工業(株)製)、ローダミン6G、p−ジメチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン等が挙げられる。
これらの色素類はPS版の検版工程での画像を見易くする役割も兼ね備えて添加されるもので、本発明の感光性組成物における上記色素類の占める割合は溶剤を除いた固形分の0.5〜2.0重量%が好ましい。
【0023】
その他本発明のPS版用ポジ型感光性組成物は、必要に応じて可塑剤、塗布性向上剤、感脂化剤、界面活性剤等の添加剤を含むことが出来る。
本発明において、上記各成分をシクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及び多価アルコールのモノ及び/又はジアルキルエーテル等を含有する塗布溶剤に溶解してポジ型感光液(PS版用ポジ型感光性組成物)を作成し、親水性支持体上に塗布する。
【0024】
多価アルコールのモノ及び/又はジアルキルエーテルとしてはジエチレングリコールモノメチルエーテル(メチルカルビトール)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(メチルトリグライム)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(メチルテトラグライム)等がある。塗布溶剤は単独で使用してもよいし、またポジ型PS版用感光液に使用する一般の塗布溶剤に混合させて使用してもよい。
【0025】
本発明の感光性組成物における塗布溶剤の占める割合は、塗布方法によって増減する。例えばロールコーターに使用するポジ型感光液の溶剤量は、一般に感光液の40〜80重量%が好ましい。親水性支持体としては、一般にアルミニウム板を砂目立て処理後、陽極酸化処理等が施された板が用いられる。塗布量は固形分として1.0〜3.0g/m2 の範囲が好ましい。
塗布する方法としては、一般に公知のロールコーター、グラビアコーター、ホェラーコーター、ワイヤーバーコーター等を用いることが出来る。
親水性支持体上に塗布された感光層の上に、必要に応じて、更にフィルム原版との真空密着性を改善するためにマット加工が施される。かくして得られたポジ型PS版は、定法に従い露光、現像することによって平版印刷版を得ることが出来る。
【0026】
【実施例】
以下合成例及び実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものでない。
【0027】
合成例1
ケルセチンのo−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルの合成(エステル化率 100%)
温度計、攪拌機及び滴下装置を備え付けた三つ口フラスコにジオキサン240gとN−メチルピロリドン37gの混合液を仕込み、攪拌しながらケルセチン12.1g(0.04モル)、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド53.8g(0.2モル)を添加溶解する。これにトリエタノールアミン70gとジオキサン210gとの混合液を30℃以上にならないように注意しながら滴下した。更に25℃、3時間攪拌して反応後、この反応液を濾過し、得られたろ液に濃度35%塩酸25gを水1000gで希釈した希塩酸溶液を加えて反応物を析出させ、得られた析出物を水で十分に洗浄し、最後にIPAで洗浄した後、40℃以下の乾燥器中で乾燥した。
こうして得られたエステル化物はメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、メチルエチルケトン等にはほとんど不溶であったが、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルカルビトール、メチルトリグライム、メチルテトラグライム等の有機溶剤には2〜10重量%以上溶解した。
【0028】
合成例2
ケルセチンのo−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルの合成(エステル化率 50%)
合成例1で使用したo−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド59.7gの代わりにo−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライド26.9g(0.1モル)を使用した以外は合成例1と同様に合成反応後、洗浄してエステル化物を得た。
こうして得られたエステル化物はメチルセロソルブに3.0重量%、メチルエチルケトンに2.0重量%溶解した。シクロヘキサノン、メチルカルビトール、メチルジグライム、メチルトリグライム等には10重量%以上溶解した。
【0029】
合成例3
ゴッシペチンのo−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルの合成(エステル化率 100%)
合成例1で使用したケルセチン12.1gの代わりにゴッシペチン12.7g(0.04モル)を使用した以外は合成例1と同様に合成反応後、洗浄してエステル化物を得た。
こうして得られたエステル化物はメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルエチルケトン等にほとんど不溶、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、メチルトリグライム、メチルテトラグライム等の有機溶剤には2〜10重量%以上溶解した。
【0030】
実施例1
厚さ0.3mmのアルミニウム板をナイロンブラシと600メッシュの研磨砂水懸濁液を用いてその表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。この板を20%の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬してエッチングした後、流水で水洗後20%硝酸で中和洗浄、水洗した。これを1%硝酸水溶液中で交流電流を用いて、電流密度20A/cm以上で電解粗面化処理を行った。次に20%水酸化ナトリュウム水溶液に浸漬してエッチング後流水で水洗する。更に20%硫酸水溶液で中和洗浄水洗した。この板を15%硫酸の電解液中で2.5g/m2 の陽極酸化皮膜を設けた後、水洗乾燥した。
このように処理したアルミニウム板に下記組成の感光液(実施例1)及び比較例1,2,3,4に記載の組成の感光液をホエラーを用いて膜厚2.0〜2.2g/m2 に塗布し、100℃で10分間熱風恒温乾燥し、この感光層の上に更に、重量平均分子量が5000のポリアクリル酸の1%水溶液400ccに小麦デンプン粒6gを添加して攪拌した水性懸濁液をスプレーガンにより塗布し60℃で30秒間乾燥させてポジ型PS版を作成した。
【0031】
Figure 0003811798
【0032】
比較例1〜4は感光液の組成のみを示すが、上記のようにこれらの感光液を塗布して比較例1〜4のポジ型PS版を得た。
比較例1
実施例1の感光液組成に使用された合成例1のエステル化物の代わりに合成例2のエステル化物を使用した感光液組成物。
【0033】
比較例2(特開平1−280748号公報に記載されているもの)
Figure 0003811798
【0034】
比較例3
Figure 0003811798
【0035】
比較例4
Figure 0003811798
【0036】
これらのポジ型PS版にKodakstep Tablet No2(以下グレースケールと称する)及び解像力チャートを密着させ、1KW超高圧水銀灯で1mの距離から露光後4%のメタケイ酸ソーダ水溶液を用いて25℃30秒バット現像した後水洗して現像処理を行った。
このときの適正露光時間は濃度差0.15のグレースケールで5段が完全クリアーとなる点とし、これによりポジ型PS版の感度とした。また4%メタケイ酸ソーダ水溶液で25℃バット現像にて、30秒現像におけるグレースケールのベタ段数と5分浸漬現像におけるベタ段数の変化値を現像安定性として求めた。この時、画像部での水の弾き具合を比較して観察した。
また各PS版の画像部をIPAを湿した脱脂綿で同じ様に版面をこすり、画像部の侵され方を調べた(耐IPA性)。
【0037】
更に各印刷版をリスコートゴム(冨士薬品工業(株)製)を水で倍に希釈してゴム引き処理後、オフセット印刷機に取り付けて印刷を行って、印刷初期における印刷物のインキ着肉状態を比較した。
これらのポジ型PS版の感度(露光時間)、現像後の水弾き状態、現像安定性、耐IPA性、印刷初期における印刷物のインキ着肉状態等の結果を表1に示す。
【0038】
Figure 0003811798
【0039】
表1からわかるように、比較例2,3,4に比べポリヒドロキシフラボノールのo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルと臭素化ポリヒドロキシスチレンのo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを含有する感光液を塗布した実施例1のポジ型PS版は明らかに高感度(露光時間が短い)を有しており、現像後画像部の水弾きも良い。現像安定性は比較例2及び比較例3よりわずかに劣るけれども実際全く問題にならない程度である。
【0040】
実施例1のポジ型PS版の感光層は、従来公知の比較例2及び比較例3の感光層に比べてノボラック樹脂の割合が多いにもかかわらず耐IPA性が優れている。
また印刷初期における印刷物のインキ着肉状態が良好なので実施例1のポジ型PS版の画像部はインキ受理性及びインキ転移性も良いことが判る。
比較例1はケセルチンの水酸基をo−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリドで50%エステルした化合物を使用したため、感度と水弾き、インキ着肉状態は良いが、現像安定性、耐IPA性が悪いので、湿し水やトンボを切るために使用するボールペンのインキ溶剤や、界面活性剤等が含まれるプレートクリーナー等で侵されて画像を壊す危険性がある。
比較例4は、ポリヒドロキシフラボノールのo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルのみを感光剤としているため、耐IPA性、現像後の水弾き及びインキ着肉状態は良好であるが感度及び現像安定性が劣っていた。
【0041】
実施例2
実施例1と同様に処理したアルミニウム板に次の感光液を実施例1と同様にホエラーを用いて塗布し、100℃にて10分間乾燥してポジ型PS版を作成した。
Figure 0003811798
【0042】
このポジ型PS版は実施例1と同様に露光、現像したところ、感度が高く、現像安定性及び画像部の耐IPA性も良好であった。連続給水方式を採用した平版オフセット印刷機に取り付けて印刷したところ、この印刷版は印刷の初期においてもインキ受理性が良く、良好な印刷物を12万部刷了できた。
【0043】
【発明の効果】
本発明のポジ型感光性組成物は、高感度で、耐アルコール性、インキ受理性、及び現像安定性に優れているため、高性能な感光性平版印刷版用のポジ型感光層として好適に使用出来る。また、本発明による感光層は真空密着性を改善するためのマット加工等も容易に出来、このような加工を施しても感光性等の特性が損なわれることもない。

Claims (3)

  1. アルカリ可溶性樹脂と、ポリヒドロキシフラボノール化合物のo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル及び臭素化ポリヒドロキシスチレンのo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを含有することを特徴とする感光性平版印刷版用ポジ型感光性組成物。
  2. ポリヒドロキシフラボノール化合物のo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルが、ポリヒドロキシフラボノール化合物の有する水酸基をo−ナフトキノンジアジドスルホニルクロリドで65〜100%エステル化した化合物であることを特徴とする請求項1記載の感光性平版印刷版用ポジ型感光性組成物。
  3. 臭素化ポリヒドロキシスチレンのo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルが、臭素化ポリヒドロキシスチレンの水酸基をo−ナフトキノンジアジドスルホニルクロリドで18〜35%エステル化した化合物であることを特徴とする請求項1記載の感光性平版印刷版用ポジ型感光性組成物。
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